JPH08262B2 - 打抜き加工方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はプレス金型で打抜き加工方法に関するもので
ある。

従来の技術 従来の打抜き加工では、第７図に示すように、製品21
の外周の一部が細かく入り組んだ細密部分22を有してお
り、例えばａ寸法が小さくて寸法精度が必要な形状であ
る場合には、辺ｂと辺ｃを同時抜きするか、又は別工程
で辺ｂと辺ｃを別個に打抜きする方法をとっていた。特
に後者の場合には後加工時でのせん断応力等ですでに打
抜いている方向、例えば矢印Ｘ方向に逃げるのを防止す
るためネスト23等をあらかじめ打抜いている箇所に当て
る必要があった。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記のような方法では、前者はａ寸法が
小さいために工具の強度不足という問題が生じ、また後
者はネスト23等に製品21がくらい付いて変形が発生する
など寸法精度の確保が困難であり、また抜き落しにより
製品にソリが発生するといった問題点を有していた。

本発明は上記問題点を解消するもので、別工程で打抜
きをしても製品精度を確保できる方法である。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解消するために本発明は、外周のうち細
密部分を除く略外周部をフープ材より打抜く第１の打抜
工程と、この第１の打抜工程により得られた打抜き部材
を、第１の打抜工程によりフープ材に形成された抜け穴
に戻す押し込み工程と、この押し込み工程により、フー
プ材に打抜き部材の略外周部を保持せしめた後、外周の
細密部分を打抜く第２の打抜工程とからなる打抜き加工
方法である。

作用 本発明の加工方法では、製品の外周の一部に存在する
細密部分を、一度部材を打抜いた後のフープ材によっ
て、外側あるいは内側より部材を保持した上で再度部材
を打抜くこととしているため、周辺の変形もなくソリに
対する変形も小さいため寸法精度等の必要な打抜きがで
きる。

実施例 以下本発明の一実施例を第１図〜第６図にもとづいて
説明する。

第１図は加工工程図を示している。まず初めにフープ
材３から製品１の細かく入り組んだ細密部分を除いた略
外周部２の打抜き（第１の打抜工程）を行う。第２図は
下死点時の第１図における断面Ａ−Ａ′を示し、４は略
外周部２に沿って打抜かれた打抜き部材である。

次の工程では下型パッド12の圧力で第３図に示すよう
に、打抜き部材４は再びフープ材３に戻され、さらに上
下タタキ工具13a、13bでフープ材３へ打抜き部材４が完
全に戻される。第４図は第１図の断面Ｂ−Ｂ′を示して
いる。

さらに、フープ材３により打抜き部材４を保持した状
態で、細密部分について一部打抜き５（第２の打抜工
程）を行う。第５図は第１図の断面Ｃ−Ｃ′を示してい
る。この場合打抜き部材４はフープ材３でその略外周部
３を完全保持されており、打抜き部６が打抜かれても、
残された部材1aは例えば矢印Ｙ方向に逃げるのを防止さ
れる。

最後に、すでに打抜かれている製品１をフープ材３か
ら打ち落す。第６図は第１図の断面Ｄ−Ｄ′を示してい
る。

また打抜き部材が完全にフープ材に戻されているほう
が、その保持が十分に可能となり、打抜きによる変形防
止がより確実に達成しうる。

発明の効果 以上のように本発明は打抜きによる周辺の変形を防止
する効果が大であり、そして双方の寸法精度確保ができ
又同時打抜き加工といった無理な加工も皆無である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例におけるプレス加工工程図、
第２図は第１図の断面Ａ−Ａ′のプレス加工の下死点時
の断面図、第３図は第１図の断面Ａ−Ａ′の加工完了時
の断面図、第４図は第１図の断面Ｂ−Ｂ′の加工完了時
の断面図、第５図は第１図の断面Ｃ−Ｃ′の加工完了時
の断面図、第６図は第１図の断面Ｄ−Ｄ′の加工完了時
の断面図、第７図は従来の打抜き工程の一部詳細図であ
る。 １……製品、３……フープ材、５……一部打抜き。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】外部の一部に細かく入り組んだ細密部分を
   有する製品を、フープ材より打抜いて加工する打抜き加
   工方法であって、 前記外周のうち前記細密部分を除く略外周部をフープ材
   より打抜く第１の打抜工程と、 この第１の打抜き工程により得られた打抜き部材を、前
   記第１の打抜工程による前記フープ材に形成された抜け
   穴に戻す押し込み工程と、 この押し込み工程により、前記フープ材に前記打抜き部
   材の略外周部を保持せしめた後、外周の前記細密部分を
   打抜く第２の打抜工程と、 からなる打抜き加工方法。