JPH08262899A - 多色画像用定着装置 - Google Patents

多色画像用定着装置

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JPH08262899A
JPH08262899A JP6273095A JP6273095A JPH08262899A JP H08262899 A JPH08262899 A JP H08262899A JP 6273095 A JP6273095 A JP 6273095A JP 6273095 A JP6273095 A JP 6273095A JP H08262899 A JPH08262899 A JP H08262899A
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heating roller
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Yasuhiro Kodaira
康弘 小平
Setsuo Soga
節夫 曽我
Toshiya Yabei
俊哉 矢部井
Jun Okamoto
潤 岡本
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ローラ表面の離型性を確保しながら、膨潤作
用も受けず、静電気力に起因したオフセットも防止でき
る定着装置を提供する。 【構成】 離型層を表面に形成し熱源を内蔵する加熱ロ
ーラと、同じく離型層を表面に形成し熱源を内蔵して当
該加熱ローラに圧接する加圧ローラと、これらローラに
離型剤を付与する離型剤付与手段とを備え、多色画像の
定着に供される定着装置において、これらローラが、芯
金9上にベース層10、耐油層11、シリコーン系離型
層12を順に重ねる3層構造をとり、及び加圧ローラの
ベース層10が導電性弾性体で形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、ファクシミ
リ、レーザプリンタ等のフルカラー画像形成装置に適用
される定着装置、特に直接加熱方式の定着ローラを備え
た定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】未定着のトナー像を転写材に定着させる
ために、当該転写材を、内部に加熱源を有する中空状の
加熱ローラとこれに圧接する加圧ローラとを組み合わせ
てなる定着装置に搬入し、これらローラ間に挾持通過さ
せることが一般的に行われている。
【0003】定着ローラ対に挾持される際、未定着のト
ナー像は加熱されて溶融し、加圧されて転写材上に定着
されるのであるが、その一部が加熱ローラに移ると、当
該トナーは別の箇所あるいは別の転写材に付着し、ゴー
スト像となって、画像品質を損なう。
【0004】そこで従来から加熱ローラにトナーが付着
することを防止するために、加熱ローラの離型性を上げ
るべく、加熱ローラにオイルを塗布することが広く行わ
れている。このオイル塗布の方法は各種あるが、例えば
特開昭62−5284号公報に開示されるような、オイ
ルを貯蔵するタンクからフェルト等の塗布部材を介在さ
せて加熱ローラに塗布するものがある。その他に良く知
られた塗布方法としては、例えば特開昭61−1090
84号公報に開示されるような、高粘度オイルを含浸さ
せたローラを加熱ローラに当接させるようにしたものも
ある。
【0005】このように加熱ローラ表面にオイルを塗布
することによって、溶融トナーの加熱ローラへのオフセ
ットを防ぐようにしているわけであるが、特にフルカラ
ー画像形成における定着工程ではイエロー、マゼンタ、
シアン、ブラックの各種トナーを積層して転写材上に定
着させるので、確実なオフセット防止が容易でない。即
ち、オリジナル原稿に近い色を再現するのに複数層のト
ナーを加熱溶融して混色させる必要があり、そのために
軟化点の低い、即ち、低融点のシャープメルトなトナー
を使用することになるために、オフセットが発生しやす
くなる。
【0006】シャープメルトなトナーが極めて低粘度の
状態で溶融されることと、複数の色の積層によってトナ
ー層の厚みが増大することによって、加熱ローラへトナ
ーが移転する「オフセット現象」の発生が助長されるわ
けであるが、更に各カラートナーに含まれる顔料が異な
ることから生じる溶融性の違いによって、それぞれの定
着温度範囲(適正な定着が可能な温度範囲)が異なり、
単色の定着温度範囲に比べて共通の温度範囲が狭く、一
段とオフセットし易くなる傾向がある。
【0007】このために、カラー画像形成装置の定着装
置における加熱ローラの表層材料には、モノクロ画像定
着装置に使用されオイルレス定着を実現するテフロン
(商品名)等のフッ素樹脂系の材質が適さず、シリコー
ンゴム又はシリコーン樹脂が使用される。これは、上述
したカラー定着のオフセット防止のためには、シリコー
ンオイル等の離型剤が不可欠で、当該シリコーンオイル
を加熱ローラ表層に塗布する必要があるが、フッ素樹脂
はこのシリコーンオイルとの濡れ性が極めて悪く、塗布
が困難だからである。
【0008】一方、加圧ローラの材料についても、転写
材の両面にカラー画像を形成する場合には、両面定着時
に、転写材の既に画像が形成されている面側のトナー画
像は、トナーを溶融するのに十分な加熱状態にある加圧
ローラに接触することになるので、固相から液相に再び
相転移し、加圧ローラ表面に対してオフセットを起こし
易い点が考慮されなければならない。そのために加圧ロ
ーラの材料には、加熱ローラと同様に離型剤に対する濡
れ性に優れたシリコーンゴム又はシリコーン樹脂のよう
なものが使用されている。そして、このような材質の加
圧ローラに対して離型剤を塗布する構成が、例えば、特
開平5−127555号公報や特開平5−188813
号公報に開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような従来構成の定着装置では、繰り返し通紙を行う
と、ローラが摩擦帯電により帯電し、そのために転写材
がローラに巻き付いてしまったり、あるいはローラの電
界により未定着のトナーが飛び散り、ライン像を滲ませ
たりすることがあり、更にはローラ表面の帯電が大きく
なるとトナーとローラ間の静電気力に起因したオフセッ
トを引き起こす問題もある。
【0010】導電性の除電部材をローラ表面に当接させ
てローラ表面の除電を行っても除電効果に限界があるの
で、ローラ表面被覆層に導電性を持たせることで帯電電
荷を逃がすことが考えられる。即ち、カーボンやアルミ
ニウム、銅等の導電性粉末をシリコーンゴム等に分散す
るのである。けれども、このような構成では、分散物質
の存在の為に離型性が著しく低下したり、表層の硬度が
変化する等の不具合が発生する。また離型性の確保と導
電性を両立させるためには、材料的制約が極めて大きい
こととなる。
【0011】そこで特開平2−29768号公報では、
金属支持体上に耐熱性と弾性と導電性とを併せ持つゴム
層を形成し、更に当該ゴム層の表面にパーフロロアルコ
キシ樹脂(PFA)の薄層を有した2層構造の定着ロー
ラを提案し、定着ローラの帯電を減少させ、離型性も保
障するとしている。シリコーンゴムの中に0.01〜3
重量%のフッ素系界面活性剤を混入することで帯電減少
と硬度の増大回避を両立させると説明されている。けれ
ども十分な除電効果を奏するように混入量を増やすとロ
ーラの硬化は避けることができない。加熱ローラと加圧
ローラのニップ状態は、頻度的に片面コピーの方が多い
ことに照らして、排紙方向が加圧ローラ側にやや傾くよ
うに調整されているが、上記のような界面活性剤の混入
による加熱ローラ側のみの硬度変化は、ニップ部での排
紙方向を加熱ローラ側に傾かせ、排出転写材が加熱ロー
ラに巻きつき易くなり、好ましくない。
【0012】特開平3−248183号公報では、芯金
上に形成された弾性体層が、下層である導電性ゴム層と
上層である厚さ1ミリメートル以下のシリコーンゴム層
とでなる加圧ローラが提案されている。このような構成
によりローラの除電を行いながら、ローラニップ部の方
向も加圧ローラ側に確保される。
【0013】しかしながら、このようにシリコーン系材
料でローラ芯金を被覆する表層を形成する構造では、離
型剤たるシリコーンオイルが熱と共に当該層に浸透して
径を太らせる膨潤作用が働く。その結果、経時的に熱膨
張現象が起こり、転写材搬送の線速等に影響を与え、引
っ張りによる光沢ムラ等も発生する。
【0014】そこで本発明は、上記のような従来技術の
問題に鑑み、ローラ表面の離型性を確保しながら、膨潤
作用も受けず、静電気力に起因したオフセットも防止で
きる定着装置を提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明にしたがい、離型層を表面に形成し熱源を内
蔵する加熱ローラと、同じく離型層を表面に形成し熱源
を内蔵して当該加熱ローラに圧接する加圧ローラと、こ
れらローラに離型剤を付与する離型剤付与手段とを備
え、多色画像の定着に供される定着装置において、これ
らローラが、芯金上にベース層、耐油層、シリコーン系
離型層を順に重ねる3層構造をとり、及び加圧ローラの
ベース層が導電性弾性体で形成される。
【0016】当該ベース層の他に、ベース層に上積みさ
れ芯金の一部に接する耐油層も導電性弾性体で形成され
ていれば、なお好適である。ベース層は主にシリコーン
ゴム等からなり、耐油層はフッ素ゴムやフッ化シリコー
ンゴムからなっている。離型層材料は主にシリコーンゴ
ムやシリコーン樹脂である。
【0017】導電性弾性体層の表面抵抗値が1×108
Ω以下であれば、好ましい。導電性弾性体層を有するロ
ーラの芯金軸受がボールベアリング又は導電性断熱ブッ
シュであることも好都合である。
【0018】
【実施例】本発明の詳細を、図に示された実施例に基づ
いて、説明する。図1に本発明に係る定着装置の主要構
成を示す。加熱ローラ1は、金属製中空芯金にハロゲン
ランプ等のヒータ2を内蔵してなる。当該加熱ローラ1
に対向配置され当該加圧ローラと同じ構成をとる加圧ロ
ーラ3は、加圧スプリング4の作用によって加熱ローラ
1に圧接されていて、これらローラは転写材たる用紙を
図の右方から左方へ搬送するように回転する。各ローラ
に内蔵されたヒータによって定着装置の加熱が行われ
る。加熱ローラに接触するようにサーミスタ5が配置さ
れ、ローラ表面の温度を検知する。このサーミスタの検
出温度に応じて不図示の温度回路によりヒータへの通電
が制御され、加熱ローラ1の表面温度が所定の熱定着温
度に調整される。ローラ間に挟持搬送される用紙は、分
離爪6によってローラ1から分離され、排紙検知具7に
接触した後、排紙ローラ8を通って定着装置外へと排出
される。
【0019】図2に、図1に示された加圧ローラ3のヒ
ータを省略した状態での構成例を示す。3層構造をとる
点については加熱ローラも全く同じである。図示のロー
ラは、例えばアルミニウムからなる芯金9上にシリコー
ンゴムからなる導電性ベース層10が被覆され、それを
覆うようにフッ化シリコーンゴムからなる厚さ0.01
〜0.1mmの耐油層11が存在している。この耐油層
11も導電性であれば、除電のためになお好都合であ
る。更に表層としてシリコーンゴムからなる厚さ0.0
3〜0.15mmの離型層12がコーティングされてい
る。この表層にはシリコーンオイルが含浸されている。
【0020】上記構成のローラの長手方向断面を図3に
示す。ローラ両端が軸受14で支持され、当該軸受14
はアースされている。軸受が図3(b)に示されるよう
に、ボールベアリング乃至導電性断熱ブッシュ14’で
なっていれば、ローラ表面の除電がよりスムーズにな
る。また図3(c)に拡大して示されるように、耐油層
11は、ローラ端面でベース層10を覆い、芯金9に接
している。
【0021】実施例1 上記構成の定着装置のジャム又はローラ巻き付きの程度
を確認するために、加熱ローラ、加圧ローラともベース
層と耐油層が導電性のものと、加圧ローラのみのベース
層と耐油層が導電性のものと、加圧ローラのベース層の
みが導電性のものを、両ローラ共に導電性層を有しない
ものと比較してローラ以外は同一条件にして両面コピー
による通紙試験を行った。その結果を図4に示す。この
結果から、両ローラとも導電性層を含まないものに比べ
て、加圧ローラのベース層を導電性としたものは、ジャ
ム発生率が遥かに低くなっていることが判る。更に加圧
ローラのベース層と耐油層を導電性としたものは、その
効果が一段と向上していることが理解できる。
【0022】実施例2 両面コピー時の表面電位とジャム又はローラ巻き付きの
程度の関係を確認するために、ローラの表面抵抗を変化
させて、ジャム発生率の試験を行った。図5に示された
結果から理解されるように、ローラ表面の電位を「R≦
108(Ω)」に調整すれば、両面コピー時のジャム発
生の不具合を解消することが可能となる。
【0023】
【発明の効果】請求項1に記載の定着装置によれば、加
熱及び加圧ローラが、芯金上にベース層、耐油層、シリ
コーン系離型層を順に重ねる3層構造をとり、並びに加
圧ローラのベース層が導電性弾性体で形成されるので、
膨油作用を受けることなく、ローラの帯電を防止でき、
用紙とローラ表面の静電吸着を抑えることができる。特
に、帯電防止を内部層の材質をもって行うようにしたの
で、表面離型層に帯電防止のための処理を施さずにす
み、当該層の材料的制約を少なくすることが可能となっ
た。
【0024】請求項2に記載の定着装置によれば、ベー
ス層の他に、ベース層に上積みされ芯金の一部に接する
耐油層も導電性弾性体で形成されているので、離型性の
確保と帯電防止を両立でき、しかも請求項1の構成のも
のよりも両面コピー時のジャム発生率が一層低減され
る。
【0025】請求項3に記載の定着装置によれば、導電
性弾性体層の表面抵抗値が1×10 8Ω以下であるの
で、両面コピー時の定着ユニット内のジャムやローラへ
の巻き付きが抑制乃至防止される。
【0026】請求項4に記載の定着装置によれば、導電
性弾性体層を有するローラの芯金軸受がボールベアリン
グ又は導電性断熱ブッシュであるので、導電性層を通し
てローラ芯金に伝わった電荷をボールベアリング又は導
電性断熱ブッシュによって装置本体に伝え、ローラに生
じる電荷を放出でき、コピー時の定着ユニット内のジャ
ムやローラへの巻き付きが確実に抑制乃至防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る定着装置の概略図である。
【図2】図1の定着装置に用いられる加圧ローラの概略
断面図である。
【図3】図2のローラの長手方向断面図で、(a)が全
体図、(b)が軸受部の変形例図、(c)が(a)のA
部分拡大図である。
【図4】両面コピー時の導電性層とジャム又はローラ巻
き付きの発生率との関係図である。
【図5】両面コピー時の表面電位とジャム又はローラ巻
き付きの発生率との関係図である。
【符号の説明】
9 芯金 10 ベース層 11 耐油層 12 離型層 14 軸受
フロントページの続き (72)発明者 岡本 潤 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 離型層を表面に形成し熱源を内蔵する加
    熱ローラと、同じく離型層を表面に形成し熱源を内蔵し
    て当該加熱ローラに圧接する加圧ローラと、これらロー
    ラに離型剤を付与する離型剤付与手段とを備え、多色画
    像の定着に供される定着装置において、 これらローラが、芯金上にベース層、耐油層、シリコー
    ン系離型層を順に重ねる3層構造をとること、及び加圧
    ローラのベース層が導電性弾性体で形成されることを特
    徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 前記ベース層に上積みされ芯金の一部に
    接する耐油層が導電性弾性体で形成されることを特徴と
    する請求項1に記載の定着装置。
  3. 【請求項3】 導電性弾性体層の表面抵抗値が1×10
    8Ω以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2
    に記載の定着装置。
  4. 【請求項4】 導電性弾性体層を有するローラの芯金軸
    受がボールベアリング又は導電性断熱ブッシュであるこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装
    置。
JP06273095A 1995-03-22 1995-03-22 多色画像用定着装置 Expired - Lifetime JP3591907B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103234273A (zh) * 2013-03-14 2013-08-07 威海丰泰橡胶技术有限公司 导热油内循环式加热辊

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103234273A (zh) * 2013-03-14 2013-08-07 威海丰泰橡胶技术有限公司 导热油内循环式加热辊

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