JPH08261273A - 流体封入式マウント装置 - Google Patents

流体封入式マウント装置

Info

Publication number
JPH08261273A
JPH08261273A JP6781295A JP6781295A JPH08261273A JP H08261273 A JPH08261273 A JP H08261273A JP 6781295 A JP6781295 A JP 6781295A JP 6781295 A JP6781295 A JP 6781295A JP H08261273 A JPH08261273 A JP H08261273A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber elastic
elastic plate
vulcanized
fluid
chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6781295A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Ide
明良 井出
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP6781295A priority Critical patent/JPH08261273A/ja
Publication of JPH08261273A publication Critical patent/JPH08261273A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 受圧室と平衡室を仕切る隔壁部材において、
液圧吸収機構を構成するゴム弾性板を容易に且つ強固に
組み付けることが出来るようにすること。 【構成】 流体封入式マウント装置10において、液圧
吸収機構を構成するゴム弾性板76をSBR系ゴム組成
物によって形成すると共に、受圧室56と平衡室58を
仕切る隔壁部材54のうち、少なくともゴム弾性板76
の外周部分が加硫接着される接合部分を、PPE系樹脂
組成物によって形成し、且つ、該接合部分に貫通穴80
を設けて、接合部分の両側面に加硫接着されたゴム弾性
板76の外周部分を該貫通穴80を通じて連続させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、内部に封入された流体の流動作
用に基づいて防振効果を得るようにした流体封入式マウ
ント装置に関するものであり、特に流体室を仕切る隔壁
部材の新規な構造に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、自動車用エンジンマウント等の
ように、振動伝達系を構成する部材間に介装される防振
連結体乃至は防振支持体の一種として、互いに所定距離
を隔てて配された第一の取付部材と第二の取付部材をゴ
ム弾性体にて連結する一方、該第二の取付部材によって
支持された隔壁部材を挟んだ両側に、壁部の一部がゴム
弾性体にて構成された受圧室と、壁部の一部が可撓性膜
にて構成された平衡室を形成し、それら受圧室と平衡室
に所定の非圧縮性流体を封入すると共に、それら受圧室
と平衡室を相互に連通する流体流路を設けた構造の流体
封入式マウント装置が知られている。かくの如きマウン
ト装置においては、流体流路を通じて流動せしめられる
流体の共振作用等の流動作用に基づいて、ゴム弾性体だ
けでは得られ難い優れた防振効果を、容易に得ることが
出来るのである。
【0003】また、このような流体封入式マウント装置
では、高周波数域の振動入力時に流体流路の流通抵抗が
増大することに起因して惹起されるマウント特性の高動
ばね化を軽減乃至は回避するために、例えば、受圧室と
平衡室を仕切る隔壁部材に対して、その両側面に及ぼさ
れる受圧室と平衡室の内圧差に基づく所定量の変形が許
容される状態で、ゴム弾性板を支持せしめて液圧吸収機
構を構成し、高周波振動の入力時に、該ゴム弾性板の弾
性変形に伴って生ぜしめられる流体の流動作用や共振作
用等に基づいて、低動ばね効果が発揮されるようにする
ことが有効である。
【0004】ところで、隔壁部材に対してゴム弾性板を
支持せしめるには、仏国特許公開公報第2467724
号等に開示されているように、互いに重ね合わされる二
枚の仕切板によって隔壁部材を構成し、それらの仕切板
間でゴム弾性板の外周縁部を挟圧保持せしめることが考
えられるが、このような支持構造を採用すると、仕切板
やゴム弾性板の寸法公差等による僅かな寸法差によって
ゴム弾性板に対する挟圧保持力がばらついてしまい、そ
れがゴム弾性板の動特性、ひいてはマウント防振特性の
ばらつきの原因の一つになるという問題があった。
【0005】また、別の構造として、米国特許第451
1126号公報等に開示されているように、隔壁部材に
対してゴム弾性板の外周縁部を加硫接着して保持せしめ
ることも考えられるが、このような構造を採用すると、
接着剤の塗布等のために製作工程数が増加することに加
えて、接着面が細かく接着剤の塗布作業が面倒であるこ
とから、製作性が大幅に低下してしまうと共に、充分な
接着強度を安定して得ることが難しいという問題を有し
ていたのである。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、受圧室と平衡室を仕切る隔壁部材に対して
ゴム弾性板を容易に且つ優れた固着強度をもって保持せ
しめることの出来る、改良された構造の流体封入式マウ
ント装置を提供することにある。
【0007】また、本発明は、隔壁部材によって支持さ
れたゴム弾性板の動特性が安定化されて、該ゴム弾性板
の液圧吸収作用に基づく防振効果を安定して得ることの
出来る流体封入式マウント装置を提供することも、目的
とする。
【0008】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明の特徴とするところは、互いに所定距離を隔てて配
された第一の取付部材と第二の取付部材をゴム弾性体に
て連結すると共に、該第二の取付部材によって隔壁部材
を支持せしめて、該隔壁部材を挟んだ両側に、壁部の一
部が前記ゴム弾性体にて構成された受圧室と、壁部の一
部が可撓性膜にて構成された平衡室を形成し、該受圧室
および該平衡室に所定の非圧縮性流体を封入する一方、
それら受圧室と平衡室を相互に連通する流体流路を設け
ると共に、前記隔壁部材によってゴム弾性板を支持せし
めて前記受圧室と前記平衡室の間に配設した流体封入式
マウント装置において、前記ゴム弾性板をSBR系ゴム
組成物によって構成し、該ゴム弾性板の外周部分を前記
隔壁部材に加硫接着する一方、かかる隔壁部材における
少なくとも該ゴム弾性板が加硫接着される接合部分をP
PE系樹脂組成物によって構成し、該接合部分を両側面
から挟むように前記ゴム弾性板の外周部分を加硫接着せ
しめると共に、該隔壁部材の接合部分に少なくとも一つ
の貫通穴を設けて、該接合部分の両側面に加硫接着せし
めた前記ゴム弾性板の外周部分を該貫通穴を通じて連続
させたことにある。
【0009】
【作用・効果】本発明に従う構造とされた流体封入式マ
ウント装置においては、SBR系ゴム組成物によって形
成されたゴム弾性板とPPE系樹脂組成物からなる隔壁
部材の接合部分とが採用されていることから、ゴム弾性
板を隔壁部材の接合部分に対して、特別な接着処理等を
必要とすることなく、強固に加硫接着することが出来る
のであり、しかも、ゴム弾性板は接合部分の両側面に加
硫接着されていると共に、それら両側面への加硫接着部
分が貫通穴を通じて相互に連続させられていることか
ら、ゴム弾性板の接合部分に対する接着強度が一層有利
に確保され得るのである。
【0010】また、本発明に従う構造とされた流体封入
式マウント装置においては、ゴム弾性板が隔壁部材に対
して加硫接着されることによって組み付けられることか
ら、隔壁部材やゴム弾性板の寸法ばらつき等に起因する
ゴム弾性板の動特性の変化(ばらつき)が回避され得
て、該ゴム弾性板の液圧吸収作用に基づく防振効果の安
定化も有利に達成され得るのである。
【0011】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明する。
【0012】先ず、図1には、本発明の一実施例として
の自動車用エンジンマウント10が示されている。図1
において、12および14は、第一の取付部材としての
第一の取付金具および第二の取付部材としての第二の取
付金具であり、互いに所定距離を隔てて対向配置されて
いると共に、それらの間に介装されたゴム弾性体16に
よって、弾性的に連結されている。そして、このエンジ
ンマウント10は、第一の取付金具12がパワーユニッ
ト側に、第二の取付金具14がボデー側に、それぞれ取
り付けられることにより、パワーユニットをボデーに対
して防振支持せしめるようになっている。なお、マウン
ト装着時には、パワーユニット荷重が及ぼされてゴム弾
性体16が弾性変形することにより、第一の取付金具1
2と第二の取付金具14が所定量だけ接近方向に変位せ
しめられると共に、そのような装着状態下、防振すべき
主たる振動が、第一の取付金具12と第二の取付金具1
4の略対向方向(図1中、略上下方向)に入力されるこ
ととなる。
【0013】より詳細には、第一の取付金具12は、円
板形状を有しており、その中央部分には、外方に向かっ
て突出する取付ボルト18が固設されている。そして、
この取付ボルト18によって、第一の取付金具12が、
図示しないパワーユニットに固着されるようになってい
る。
【0014】また、ゴム弾性体16は、全体として略円
錐台形状を有しており、その小径側端面に、第一の取付
金具12が加硫接着されている。また、ゴム弾性体16
の大径側端面には、大径の凹所20が設けられていると
共に、該ゴム弾性体16の大径側端部外周面には、円筒
形状の金属スリーブ22が加硫接着されている。即ち、
ゴム弾性体16は、第一の取付金具12と金属スリーブ
22を有する一体加硫成形品として形成されているので
ある。
【0015】また一方、第二の取付金具14は、略薄肉
の円筒形状を有する内側金具24と、略厚肉の有底円筒
形状を有する外側金具26とから構成されており、内側
金具24の外周面に外側金具26が外挿されて重ね合わ
され、固着されている。
【0016】内側金具24は、軸方向中間部に段差部2
8が設けられて、大径部30と小径部32からなる段付
の円筒形状を有している。また、それら大径部30と小
径部32の内周面には、略全面に亘って薄肉のシールゴ
ム層34が設けられて加硫接着されていると共に、小径
部32側の開口部には、可撓性膜としてダイヤフラム3
6がシールゴム層34によって一体形成されており、こ
のダイヤフラム36によって小径部32側の開口が流体
密に閉塞されている。そして、この内側金具24は、大
径部30において、ゴム弾性体16に加硫接着された金
属スリーブ22に外挿され、更に絞り加工等によって金
属スリーブ22の外周面に圧着されることにより、嵌着
固定されている。これによって、内側金具24における
大径部30側の開口が、ゴム弾性体16により流体密に
閉塞されており、以て、内側金具24の内部が密閉され
て、所定の非圧縮性流体が封入された流体室38が形成
されている。なお、この流体室38に封入される非圧縮
性流体としては、後述する流体の共振作用に基づく防振
効果を有効に得るために、水やアルキレングリコール,
ポリアルキレングリコール,シリコーン油等の低粘性流
体が好適に採用され、例えば、内側金具24の金属スリ
ーブ22への嵌着操作を流体中で行うこと等によって、
流体の封入が行われる。
【0017】また、外側金具26は、筒壁部の軸方向中
間部分に二つの段差部40,42が互いに軸方向に所定
距離を隔てて形成された段付の有底円筒形状を有してお
り、筒壁部が底部側から開口部側に向かって三段階で大
径化されて、小径部44,中径部46および大径部48
とされている。また、図示はされていないが、外側金具
26の筒壁部には、外方に突出するブラケットが固設さ
れており、このブラケットにより、外側金具26が、図
示しないボデーに固着されるようになっている。
【0018】そして、外側金具26は、内側金具24に
外挿されており、該外側金具26の中径部46および大
径部48が、内側金具24の小径部32および大径部3
0にそれぞれ外嵌せしめられて、外側金具26の大径部
48の開口周縁部に設けられたカシメ部50と段差部4
2の間で、内側金具24の大径部30と金属スリーブ2
2を共に軸方向に挟圧保持せしめることにより、外側金
具26が、それら内側金具24および金属スリーブ22
に対して固着されている。なお、外側金具26における
小径部44の内部には、ダイヤフラム36の膨出変形を
許容する空気室52が形成されており、必要に応じて、
この空気室52が外部空間に連通されている。
【0019】さらに、内側金具24の内部に形成された
流体室38の内部には、全体として略円盤形状を呈する
隔壁部材54が収容配置されており、第二の取付金具1
4によって固定的に支持されている。そして、この隔壁
部材54によって流体室38が仕切られて、内側金具2
4の軸方向両側に二分されており、以て、該隔壁部材5
4を挟んで一方の側には、壁部の一部がゴム弾性体16
により構成されて振動入力時に該ゴム弾性体16の弾性
変形に基づいて内圧変動が生ぜしめられる受圧室56が
形成されている一方、隔壁部材54を挟んで他方の側に
は、壁部の一部がダイヤフラム36により構成されて該
ダイヤフラム36の変形に基づいて容積変化が容易に許
容される平衡室58が形成されている。
【0020】隔壁部材54は、それぞれ外フランジ状の
外周縁部を備えた略浅底有底円筒形状を有する上側仕切
板60と下側仕切板62が、互いに軸方向に重ね合わさ
れることによって構成されており、互いに重ね合わされ
た外周縁部が、内側金具24の段差部28と金属スリー
ブ22乃至はゴム弾性体16との間で挟圧保持されるこ
とによって、第二の取付金具14に対して固定的に組み
付けられている。
【0021】下側仕切板62は、薄肉の金属プレートを
プレス加工すること等によって形成されており、周壁部
に段差部64が設けられた円形凹所66を中央部分に有
している。また、段差部64には、周上の一箇所に連通
孔68が穿孔されていると共に、円形凹所66の底壁部
には、複数の通孔70が穿孔されている。
【0022】一方、上側仕切板60は、図2にも示され
ているように、中央部分に円形凹所72を有していると
共に、該円形凹所72の底壁部に円形の透孔74が形成
されている。そして、この円形凹所72の底壁部に、円
板形状のゴム弾性板76が配設され、該ゴム弾性板76
の外周縁部が、透孔74の周縁部に対して加硫接着され
ており、それによって、透孔74がゴム弾性板76によ
って流体密に閉塞されている。また、上側仕切板60の
外フランジ状の外周縁部には、周上の一箇所に連通孔7
8が穿孔されている。なお、このことから明らかなよう
に、透孔74の周縁部によってゴム弾性板76の外周部
分が加硫接着される接合部分が構成されている。
【0023】ここにおいて、上側仕切板60は、PPE
系樹脂組成物によって形成されている。なお、PPE系
樹脂組成物とは、PPE(ポリフェニレンエーテル)
(PPOと称されるものを含む)単体だけでなく、PP
Eをスチレン系樹脂やポリアミド系樹脂等とアロイ化し
た変成PPEも含む意味であり、成形性および強度性の
点から、好ましくは変成PPEが採用される。また一
方、ゴム弾性板76は、SBR系ゴム組成物によって形
成されている。なお、SBR系ゴム組成物とは、SBR
単独のゴム組成物だけでなく、SBRにNR,BR等の
他種のゴムをブレンドしたゴム組成物をも含む意味であ
り、好ましくは、上側仕切板60に対する接着性を有利
に得るために、SBRが10重量部以上でブレンドされ
たゴム組成物が採用される。
【0024】そして、ゴム弾性板76は、例えば特公平
5−30182号公報に記載の如き方法に従って、上側
仕切板60と共加硫されること等により、上側仕切板6
0に対して加硫接着されている。具体的には、例えば、
ゴム弾性板76の加硫成形型内に、別途形成した上側仕
切板60をセットした後、ゴム組成物を充填して加熱
し、加硫成形することにより、ゴム弾性板76が上側仕
切板60に対して加硫接着されることとなる。なお、そ
の際、ゴム弾性板76と上側仕切板60の加硫接着面に
は、接着剤の塗布等の特別な処理は不要であり、上述の
如く、SBR系ゴム組成物とPPE系樹脂組成物を採用
することによって、充分な加硫接着強度を安定して得る
ことが出来るのである。
【0025】また、かくの如くゴム弾性板76を加硫成
形するに際しては、加硫成形型内にセットした上側仕切
板60を、加硫温度に近い温度まで加熱しておくことが
望ましい。それによって、ゴム弾性板76の加硫後冷却
時に上側仕切板60も冷却されて透孔74が僅かに小径
化することから、ゴム弾性板76の内部における引張歪
み乃至は応力を小さくすることが可能となる。
【0026】さらに、ゴム弾性板76の外周縁部は、透
孔74の周縁部を両側面から挟み込むようにして、上側
仕切板60の底壁部の表裏両面に対して加硫接着されて
いる。また、ゴム弾性板76には、単体での平面図が図
3に示されているように、ゴム弾性板76が加硫接着さ
れる透孔74の周縁部において、表裏に貫通する貫通穴
80が、周方向に互いに所定距離を隔てて複数個形成さ
れている。そして、図2に示されているように、これら
の貫通穴80にもゴム弾性板76が充填されており、該
貫通穴80を通じて、上側仕切板60の底壁部の表裏に
加硫接着されたゴム弾性板76が互いに連続させられて
一体的に接続されている。
【0027】そして、このような構造とされた上側仕切
板60は、図1に示されているように、その円形凹所7
2が下側仕切板62の円形凹所66に入り込んで、該円
形凹所66の開口を覆蓋するようにして重ね合わされて
おり、外周縁部において、第二の取付金具14に対して
固定的に組み合わされている。これにより、上下仕切板
60,62の周壁部間において、周方向に所定長さで延
び、周方向両端部が連通孔68,78を通じて受圧室5
6と平衡室58にそれぞれ連通せしめられ、以て、それ
ら受圧室56と平衡室58の間での流体流動を許容する
オリフィス通路82が形成されている。また、上側仕切
板60の底壁部に加硫接着されたゴム弾性板76は、一
方の面が受圧室56に晒されていると共に、他方の面が
下側仕切板62の通孔70を通じて平衡室58に晒され
ており、以て、ゴム弾性板76の弾性変形に基づいて受
圧室56と平衡室58の間での流体流動を実質的に許容
せしめて受圧室56の内圧変動を軽減乃至は吸収する液
圧吸収機構が構成されている。
【0028】なお、特に本実施例では、オリフィス通路
82を通じて流動せしめられる流体の共振作用に基づい
て、シェイク等の低周波大振幅振動に対する減衰効果が
発揮されるように、オリフィス通路82の流路長さや断
面積がチューニングされていると共に、かかるオリフィ
ス通路82が実質的に閉塞状態となるこもり音等の高周
波小振幅振動の入力時に、ゴム弾性板76の弾性変形に
基づく低動ばね効果が発揮されるように、ゴム弾性板7
6の弾性特性等がチューニングされている。
【0029】従って、上述の如き構造とされたエンジン
マウント10においては、隔壁部材54を構成する上側
仕切板60をPPE系樹脂組成物にて形成すると共に、
ゴム弾性板76をSBR系ゴム組成物にて形成し、上側
仕切板60にゴム弾性板76を加硫接着せしめて透孔7
4を閉塞したことにより、上側仕切板60とゴム弾性板
76との細かい接着部分への接着剤の塗布等の面倒な作
業を必要とすることなく、ゴム弾性板76を上側仕切板
60に対して充分な固着強度をもって加硫接着せしめ
て、液圧吸収機構を構成することが可能となったのであ
る。
【0030】しかも、ゴム弾性板76は、上側仕切板6
0の底壁部を表裏両面から挟み込むように加硫接着され
ていることに加えて、それら表裏両面に加硫接着された
部分が貫通穴80を通じて相互に接続,一体化されてい
ることから、アンカー的作用が発揮されてゴム弾性板7
6の上側仕切板60に対する固着強度が一層有利に発揮
され得ると共に、万一、ゴム弾性板76と上側仕切板6
0との接着部分が剥離した場合でも、ゴム弾性板76が
上側仕切板60から離脱してしまうことが有利に回避さ
れ得るのである。
【0031】また、かかるエンジンマウント10におい
ては、ゴム弾性板76が、上側仕切板60に対して、加
硫接着されることによって取り付けられていることか
ら、ゴム弾性板76の弾性特性が上側仕切板60の部材
寸法公差等による影響を受けることもなく、目的とする
防振効果を安定して且つ有利に得ることが出来るのであ
る。
【0032】加えて、本実施例のエンジンマウント10
においては、ゴム弾性体76が加硫接着される部材(上
側仕切板60)だけがPPE系樹脂組成物にて形成され
ていることから、PPE系樹脂組成物を採用することに
よる成形性の低下やコスト性の悪化等が問題となるよう
なこともないのである。
【0033】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これは文字通りの例示であって、本発明は、かか
る具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0034】例えば、前記実施例では、受圧室56と平
衡室58を仕切ると共にオリフィス通路82を形成する
隔壁部材54のうち、ゴム弾性板76が加硫接着される
上側仕切板60だけがPPE系樹脂組成物によって形成
されていたが、隔壁部材54の全体をPPE系樹脂組成
物によって形成しても良い。その一具体例を、図4に示
すと共に、かかる隔壁部材のマウントへの組付状態を、
図5に示す。なお、これら図4及び図5においては、理
解を容易とするために、前記実施例と同様な構造とされ
た部材および部位に対して、それぞれ、図中に前記実施
例と同一の符号を付しておく。
【0035】また、上側仕切板60におけるゴム弾性板
76の接着部位に形成する貫通穴80の形状や数は、何
等限定されるものでなく、少なくとも一つ形成されてい
れば良い。
【0036】さらに、オリフィス通路82の形状や長さ
等は、要求される防振特性に応じて適宜に設定されるも
のであり、前記実施例に限定されるものではない。
【0037】また、ゴム弾性板76に帆布等を加硫接着
せしめてゴム弾性板76の変形量を制限したり、ゴム弾
性板76を補強したりすること等も可能であり、更にま
た、上側仕切板60を形成するPPE系樹脂組成物にガ
ラス繊維等の繊維状強化材を配合して補強すること等も
可能である。
【0038】加えて、前記実施例では、本発明を自動車
用エンジンマウントに適用したものの具体例を示した
が、本発明は、その他、各種の防振装置等に適用可能で
あることは、勿論である。
【0039】その他、一々列挙はしないが、本発明は当
業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加
えた態様において実施され得るものであり、また、その
ような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何
れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言
うまでもないところである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのエンジンマウントを
示す縦断面図である。
【図2】図1に示されたエンジンマウントを構成する上
側仕切板とゴム弾性板の加硫成形品を示す縦断面図であ
る。
【図3】図2に示された加硫成形品を構成する上側仕切
板を示す平面図である。
【図4】本発明において好適に採用される隔壁部材の別
の具体例を示す縦断面図である。
【図5】図4に示された隔壁部材が組付けられた、本発
明の別の実施例としてのエンジンマウントを示す縦断面
図である。
【符号の説明】
10 エンジンマウント 12 第一の取付金具 14 第二の取付金具 16 ゴム弾性体 36 ダイヤフラム 54 隔壁部材 56 受圧室 58 平衡室 60 上側仕切板 62 下側仕切板 76 ゴム弾性板 78 連通孔 80 貫通穴 82 オリフィス通路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに所定距離を隔てて配された第一の
    取付部材と第二の取付部材をゴム弾性体にて連結すると
    共に、該第二の取付部材によって隔壁部材を支持せしめ
    て、該隔壁部材を挟んだ両側に、壁部の一部が前記ゴム
    弾性体にて構成された受圧室と、壁部の一部が可撓性膜
    にて構成された平衡室を形成し、該受圧室および該平衡
    室に所定の非圧縮性流体を封入する一方、それら受圧室
    と平衡室を相互に連通する流体流路を設けると共に、前
    記隔壁部材によってゴム弾性板を支持せしめて前記受圧
    室と前記平衡室の間に配設した流体封入式マウント装置
    において、 前記ゴム弾性板をSBR系ゴム組成物によって構成し、
    該ゴム弾性板の外周部分を前記隔壁部材に加硫接着する
    一方、かかる隔壁部材における少なくとも該ゴム弾性板
    が加硫接着される接合部分をPPE系樹脂組成物によっ
    て構成し、該接合部分を両側面から挟むように前記ゴム
    弾性板の外周部分を加硫接着せしめると共に、該隔壁部
    材の接合部分に少なくとも一つの貫通穴を設けて、該接
    合部分の両側面に加硫接着せしめた前記ゴム弾性板の外
    周部分を該貫通穴を通じて連続させたことを特徴とする
    流体封入式マウント装置。
JP6781295A 1995-03-27 1995-03-27 流体封入式マウント装置 Pending JPH08261273A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6781295A JPH08261273A (ja) 1995-03-27 1995-03-27 流体封入式マウント装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6781295A JPH08261273A (ja) 1995-03-27 1995-03-27 流体封入式マウント装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08261273A true JPH08261273A (ja) 1996-10-08

Family

ID=13355741

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6781295A Pending JPH08261273A (ja) 1995-03-27 1995-03-27 流体封入式マウント装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08261273A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001227581A (ja) * 2000-02-14 2001-08-24 Tokai Rubber Ind Ltd 防振装置および防振装置用アクチュエータ
JP2014009814A (ja) * 2012-06-28 2014-01-20 Hyundai Motor Company Co Ltd 流体封入型マウント
US8814151B2 (en) 2010-01-12 2014-08-26 Bridgestone Corporation Antivibration device
KR20170026946A (ko) * 2015-08-31 2017-03-09 현대자동차주식회사 엔진마운트의 노즐 구조

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001227581A (ja) * 2000-02-14 2001-08-24 Tokai Rubber Ind Ltd 防振装置および防振装置用アクチュエータ
US8814151B2 (en) 2010-01-12 2014-08-26 Bridgestone Corporation Antivibration device
JP2014009814A (ja) * 2012-06-28 2014-01-20 Hyundai Motor Company Co Ltd 流体封入型マウント
KR20170026946A (ko) * 2015-08-31 2017-03-09 현대자동차주식회사 엔진마운트의 노즐 구조

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5448928B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP4842086B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP4411659B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP3414245B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP3721856B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP2006064119A (ja) 流体封入式防振装置
WO1989012184A1 (en) Fluid seal type mounting apparatus
WO2013140708A1 (ja) 流体封入式防振装置
JP2001343045A (ja) 空気圧加振式の流体封入式防振装置
JP2002295572A (ja) 流体封入式防振装置
JP2002327788A (ja) 流体封入式防振装置
JP3520641B2 (ja) 筒型マウント装置およびその製造方法
JP2002181117A (ja) 流体封入式防振装置およびその製造方法
JP3767323B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP2003139189A (ja) 流体封入式防振装置
JPH08261273A (ja) 流体封入式マウント装置
JP4959390B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP2000274480A (ja) 流体封入式防振装置
JP2000310274A (ja) 流体封入式防振装置
JP2827841B2 (ja) 流体封入式防振組立体
JP3721913B2 (ja) 流体封入式防振装置
JPH0724672Y2 (ja) 防振マウント装置
JP4018366B2 (ja) 流体封入式マウント
JP2002327787A (ja) 流体封入式防振装置
JP2004251431A (ja) 液封入式防振装置