JPH08260784A - 自転車用遠隔操作錠 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】暗闇の中でも解錠操作を容易に行えるととも
に、自転車に取り付けるのに十分コンパクト化され、か
つ、手動操作及び遠隔操作の両方の機能を兼ね備え、状
況によって適宜機能を選択可能とする自動車用遠隔操作
錠を提供する。 【構成】自転車を施錠するための錠を備えた錠本体と、
その錠を施錠／解錠するための鍵とを有するとともに、
その錠に対応して設定された識別コードを含む光信号を
出力する発信手段を備え、かつ、錠本体には、その光信
号を受信する受信手段と、その光信号に含まれた識別コ
ードが予め設定された当該錠の識別コードと一致するか
否かを判別し、一致する場合は解錠制御信号を出力する
比較制御手段と、その制御信号に基づいて施錠状態を解
除する解錠手段とを備え、かつ、各手段は電池をその駆
動電源とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自転車の盗難防止用の
錠に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に自転車用の施錠用の道具として
は、鍵と錠からなり、その鍵を錠に形成されている鍵穴
に差し込んで解錠するものや、また、ワイヤ状の金具か
らなり、その止め金部分に、所定の番号合わせをするこ
とにより解錠する構造の鍵部を有するもの等がある。こ
れらのものは、自転車を施錠及び解錠する場合には、目
で確かめながら、鍵を鍵穴に差し込んだり、また、番号
合わせをするといった手動操作をなすものである。

【０００３】こうした手動による機械式の解錠機構に対
し、自動車や住宅の扉に使用されている電気式の解錠機
構がある。この電気式の解錠機構によるものは、以下に
説明するように、遠隔操作錠によってこれらの扉の施錠
／解錠をおこなうもので、自転車にはまだ適用されてい
ない。

【０００４】この遠隔操作錠の技術を自動車のドアに適
用したものとしては、特開平２−３８１６６号に開示さ
れている赤外線を用いた車両用赤外線受光装置がある。
また、住宅用ドアに適用したものとしては、特開平２−
４７４８４号に開示された施解錠装置がある。

【０００５】まず、車両用赤外線受光装置は、灯室（車
両用灯具の室内）内に取り付けられた赤外線受光センサ
と、その灯室前部に取り付けられたフレネルレンズとを
有する。また、赤外線受光センサは可視光線を発生する
インジケータを有し、所定のコードを含む赤外線を検出
したとき、インジケータが一定時間点灯され、扉のロッ
ク機構を駆動させる構造となっている。この受光装置の
駆動電源は、自動車のバッテリーが用いられている。

【０００６】また、施解錠装置においては、鍵所持者が
入口に接近したことを感知して扉を自動開放する錠制御
部を有する構成となっており、またこの装置には、扉入
口に設けられた電源起動信号を出力する起動信号出力部
と、この電源起動信号を受信する受信部と、鍵所持者の
自己の識別コードを入口に向けて返送する返送部とが設
けられた鍵とが備えられている。また、錠制御部が設け
られ、返送部から返送された識別コードを受信するとと
もに、この識別コードが鍵所持者の何れかに該当すると
きに、扉を開放する構成となっている。この施解錠装置
の駆動電源は、家庭用電源が用いられている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した従
来技術において、鍵を鍵穴に差し込んで開閉するもので
は、その鍵穴に差し込む操作が難しかったり、また、ワ
イヤ状のものでは、セットすべき番号が見にくかったり
するため、解錠操作に困難をきたすという問題があっ
た。

【０００８】また、後者の遠隔操作による従来技術で
は、その駆動電源は蓄電池や家庭用電源を利用する構成
となっている。従って、このような従来技術を自転車に
適用する場合、蓄電池や家庭用電源を用いる構成では、
装置自体が大きくなり、また配線が複雑になるなどの問
題があり、自転車に取り付けるには不向きである。

【０００９】本発明はこうした問題点を解決するために
なされたもので、暗闇の中でも解錠操作を容易に行える
とともに、自転車に取り付けるのに十分コンパクト化さ
れ、かつ、手動操作及び遠隔操作の両方の機能を兼ね備
え、状況によって適宜機能を選択可能とする自動車用遠
隔操作錠を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明の基本ブロック図
である図１を参照しながら説明する。本発明の自転車用
遠隔操作錠は、上記の目的を達成するため、自転車を施
錠するための錠２を備えた錠本体１と、その錠２を施錠
／解錠するための鍵４とを有するとともに、錠２に対応
して設定された識別コードを含む光信号を出力する発信
手段７を備え、かつ、錠本体には、その光信号を受信す
る受信手段５と、その光信号に含まれた識別コードが予
め設定された当該錠２の識別コードと一致するか否かを
判別し、一致する場合は解錠制御信号を出力する比較制
御手段６と、その制御信号に基づいて施錠状態を解除す
る解錠手段３とを備え、かつ、各手段は電池８，９をそ
の駆動電源とすることによって特徴づけられる。

【００１１】

【作用】受信手段５，比較制御手段６，解錠手段３及び
電池８は、錠本体１内に備えられ、自転車に取り付ける
のに十分コンパクト化されている。

【００１２】錠２の施錠状態を解除する場合には、鍵４
によって機械的に解錠するか、または、発信手段７によ
って解錠するための光信号を発信して遠隔操作を行うか
のいずれかの手段を選択することができる。

【００１３】まず、鍵４による場合、鍵の操作に連動し
て施錠状態が解除される。また、発信手段７による場
合、光信号が受信手段５によって受信されると、比較制
御手段６ではその光信号に含まれる識別コードがその錠
２に対応する識別コードであるか否かを判別し、一致す
る場合は解錠制御信号を出力する。解錠手段３はその制
御信号に基づいて駆動し、錠２の施錠状態を解除する。

【００１４】

【実施例】図２は本発明実施例の自転車用遠隔操作錠の
構成を示す図であり、図３はこの遠隔操作錠を自転車Ｂ
に取り付けた状態を示す要部斜視図である。以下、これ
らの図面を参照しながら、本発明実施例を説明する。

【００１５】錠本体１は、樹脂もしくは軽合金等で形成
されており、中に空間部２１ａが形成されたリング状の
馬蹄形をなしている。また、その空間部２１ａにはその
内壁に沿ってスライド自在で、他端をばねで連結された
構造のかんぬき部２２が設けられている。また、このか
んぬき部２２を手で施錠するための施錠レバー２３及び
施錠レバー溝２３ａが設けられ、この施錠レバー２３を
施錠レバー溝２３ａに沿って所定位置にまで移動させる
ことにより、このかんぬき部２２を係止することができ
る錠機構（図示せず）が空間部２１ａに設けられてい
る。さらに、施錠状態を解除するための鍵２４が付帯さ
れており、また、その鍵２４に対応する鍵穴２８が錠本
体１に設けられている。上記の錠機構はこの鍵の機械的
動作に連動した構成となっており、すなわち、この鍵２
４を鍵穴２８に差し込み、一方向に倒すことによって、
機械的に錠のロック状態が解除されるようになってい
る。

【００１６】さらに、本発明実施例では、この手動によ
る機械的解錠機構と併用して電気的解錠機構が組み込ま
れている点に特徴がある。この電気的解錠機構の構成と
して、錠本体１には、赤外線受光用フィルタ２５ａと、
この赤外線受光用フィルタ２５を介して所定の周波数の
赤外線を検出する赤外線受光素子２５ｂとからなる受光
部２５と、その赤外線受光素子２５ｂに入力された解錠
信号が、この錠に対して１対１に対応する特定の識別コ
ードを有しているか否かを判別し、一致する場合は施錠
状態を解除するようアクチュエータ２１を作動させる制
御回路２０が設けられている。このアクチュエータ２１
を作動させることにより、錠のロック状態が解除される
ようになっている。なお、赤外線受光素子２５ｂ、制御
回路２０及びアクチュエータ２１の駆動電源としては、
電池が用いられており、この電池を収納するための電池
ボックス２６が錠本体１に備えられている。さらに、こ
の受光部２５に解錠信号を発信するための赤外線送信機
２７が付帯されている。この赤外線送信機２７と錠本体
１とは予め識別コードによって１対１に対応させてあ
り、これにより、他の同種の錠を誤作動させることがな
い。

【００１７】また、本実施例では、受光部２５，制御回
路２０，アクチュエータ２１，電池ボックス２６は錠本
体１に設けられ、全体としてコンパクト化された構造と
なっている。この構成で、特に電源として電池を用いる
ことによって、小型化を容易としている。

【００１８】なお、この錠本体１の背面には、自転車Ｂ
の車軸を支える二本のシートステーＳにビスによって係
止するための、取付用部品（図示せず）が取付けられて
おり、錠本体１はシートステーＳに固着された状態で使
用される。

【００１９】本発明実施例は、解錠する場合、鍵２４に
よって手動で行うことも、また、赤外線送信機２７を用
いて解錠信号を錠本体１側に発信することによって遠隔
的に解錠を行うこともでき、これらは適宜選択的に使用
可能である。

【００２０】以上の構成をなす本発明実施例の作用を、
次に説明する。まず、鍵２４を用いて、手動で機械的に
解錠を行う場合について、説明する。鍵２４を鍵穴２８
に差し込み、一方向に倒すことにより、内部の鍵機構の
ロック状態が解除され、かんぬき部２２は、ばねによっ
て錠本体１の内壁に沿って所定の位置に戻され、解錠さ
れる。

【００２１】次に、赤外線送信機２７を用いて遠隔的に
解錠する電気的解錠機構について説明する。まず、赤外
線送信機２７から錠本体１と１対１に対応して設定され
た識別コードを含む解錠信号を発信させる。この解錠信
号は特定の周波数の赤外線であり、この赤外線は赤外線
受光用フィルタ２５ａを介して、受光素子２５ｂで検出
される。この検出された信号は、制御回路２０により、
その識別コードがこの錠本体１の識別コードと一致する
か否かが照合される。そこで、この識別コードが一致し
た場合は、制御回路２０はアクチュエータ２１を駆動さ
せるよう解錠制御信号を出力する構成となっている。そ
して、この制御信号に基づいて、アクチュエータ２１を
駆動させることにより、錠のロック状態を解除できる。

【００２２】このように、電気的に制御されるアクチュ
エータ２１は機械式施錠機構と並列に設置されており、
互いに独立した機構である。つまり、電気的に解錠した
場合でも、機械的解錠機構に影響を与えることはなく、
また、鍵４による手動式の解錠操作を行っても、アクチ
ュエータ２１に影響を与えることはない。

【００２３】なお、施錠については、施錠レバー２３を
手動によってかんぬき部２２を操作することによりなさ
れるが、この場合においてもアクチュエータ２１に影響
を及ぼすことはない。

【００２４】また、本実施例では、自転車置き場近くか
ら、この解錠信号を発信させることが想定されるので、
遠距離からの遠隔操作を必要としないので、赤外線形式
で十分と考えられるが、これに限ることなく、さらに遠
距離からの遠隔操作を必要とする場合には、電波を用い
た構成としてもよい。

【００２５】また、電気的に解錠する構成において、ア
クチュエータを用いたが、これに限ることなく、例えば
ソレノイド等を用いることもできる。さらに、本実施例
では遠隔操作用の赤外線送信機２７と、鍵２４はそれぞ
れ分離した構成としたが、これらを一体的に形成し、二
つの機能を兼ね備えた構造の遠隔操作錠としてもよい。

【００２６】また、本実施例では鍵は解錠操作を行う構
成としたが、これに限ることなく、施錠操作にも使用さ
れる構成としてもよい。

【００２７】

【発明の効果】以上述べたように、本発明の自転車用遠
隔操作錠によれば、錠を備えた錠本体と、その錠を施錠
／解錠するための鍵とを有するとともに、その錠に対応
して設定された識別コードを含む光信号を出力する発信
手段を備え、かつ、錠本体には、その光信号を受信する
受信手段と、その光信号に含まれた識別コードが予め設
定された当該錠の識別コードと一致するか否かを判別
し、一致する場合は解錠制御信号を出力する比較制御手
段と、その制御信号に基づいて施錠状態を解除する解錠
手段とを備え、かつ、各手段は電池をその駆動電源とす
る構成としたので、錠本体にコンパクト化され、自転車
に取り付けるのに適した大きさのものとなり、また、手
動操作及び遠隔操作の両方の機能を兼ね備え、状況によ
って適宜機能を選択でき便利である。すなわち、発信手
段を用いた遠隔操作を行えば、暗闇の中でも解錠操作を
容易に行うことができるとともに、電池切れなどでこの
遠隔操作が行えない場合は、鍵によって手動で解錠操作
を行うこともできる。

【００２８】また、錠に対し１対１で対応する識別コー
ドを有する光信号によって解錠されるので、他の送信手
段による誤動作を生じるがことなく、保全性を保つこと
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の基本ブロック図

【図２】本発明実施例の構成を示す図

【図３】本発明実施例を自転車に取り付けた状態を示す
要部斜視図

【符号の説明】

１・・・・錠本体 ２・・・・錠 ３・・・・解錠手段 ４・・・・鍵 ５・・・・受信手段 ６・・・・比較制御手段 ７・・・・発信手段 ８，９・・・・電池

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自転車を施錠するための錠を備えた錠本
   体と、その錠を施錠／解錠するための鍵とを有するとと
   もに、上記錠に対応して設定された識別コードを含む光
   信号を出力する発信手段を備え、かつ、上記錠本体に
   は、その光信号を受信する受信手段と、その光信号に含
   まれた識別コードが予め設定された当該錠の識別コード
   と一致するか否かを判別し、一致する場合は解錠制御信
   号を出力する比較制御手段と、その制御信号に基づいて
   施錠状態を解除する解錠手段とを備え、かつ、上記各手
   段は電池をその駆動電源とする自転車用遠隔操作錠。