JPH08260736A - 昇降および進退方式のスライドスタンドを持つアリーナ - Google Patents

昇降および進退方式のスライドスタンドを持つアリーナ

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Publication number
JPH08260736A
JPH08260736A JP5953095A JP5953095A JPH08260736A JP H08260736 A JPH08260736 A JP H08260736A JP 5953095 A JP5953095 A JP 5953095A JP 5953095 A JP5953095 A JP 5953095A JP H08260736 A JPH08260736 A JP H08260736A
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JP
Japan
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stand
arena
slide
slide stand
stands
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Application number
JP5953095A
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English (en)
Inventor
Gun Sasaki
群 佐々木
Masaru Ono
勝 大野
Kazue Kawada
一栄 川田
Toshio Furuta
敏雄 古田
Osamu Ogasawara
攻 小笠原
Hiroshi Okamoto
宏 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kebin Rooc John Deinkeruu & As
Kebin Rooc John Deinkeruu & Asooshieitsu
Kevin Roach John Dinkel & Assoc
SATO SOGO KEIKAKU KK
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Kebin Rooc John Deinkeruu & As
Kebin Rooc John Deinkeruu & Asooshieitsu
Kevin Roach John Dinkel & Assoc
SATO SOGO KEIKAKU KK
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Kebin Rooc John Deinkeruu & As, Kebin Rooc John Deinkeruu & Asooshieitsu, Kevin Roach John Dinkel & Assoc, SATO SOGO KEIKAKU KK, Shimizu Construction Co Ltd, Shimizu Corp filed Critical Kebin Rooc John Deinkeruu & As
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 イベントの種類や規模に応じて客席配置を最
適に変更し得るアリーナを提供する。 【構成】 最下層のスタンドの少なくとも一部を昇降可
能かつアリーナコート1方向に進退するようにスライド
可能なスライドスタンド2aとし、該スライドスタンド
を上昇させかつ前進させた際に該スライドスタンドとそ
の上層の他のスタンドとが連続して一連の階段状のスタ
ンドが形成される。スライドスタンドを上昇させかつ進
退させるため、昇降機構と支持機構22とスライド機構
23を具備し、支持機構とは圧縮空気による浮上支持機
構を採用する。スライドスタンドの前方に他のスタンド
25を階段状に連続するように配置するようにし、その
スタンドを非使用時に収納しておくための収納庫27を
前記アリーナコートに設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種イベントを開催す
るための多目的かつ大規模な施設であるアリーナに関す
る。
【0002】
【従来の技術】周知のように、アリーナと称される建造
物は円形ないし楕円形の平土間(アリーナコート)の周
囲に階段状の客席(スタンド)を設けた形態のものであ
って、近年においてはたとえばサッカーやアメリカンフ
ットボール等のスポーツイベント、ロックコンサート等
の音楽イベント、展示会や見本市、といった種々のイベ
ントを開催するための多目的施設として、収容人員が数
万人にも及ぶ大規模なものが建造され、稼働している。
【0003】ところで、そのようなアリーナは、単に大
規模であるだけでなく、開催されるイベントに応じて収
容人員や客席配置、アリーナコート自体の大きさやその
形態等を最適となるように幅広く変更し得るものである
ことが望まれ、しかも、そのような変更を可能な限り簡
単にかつ短時間で行い得るものであることが要求されて
いる。このため、従来よりスタンドの一部を移動可能あ
るいは収納可能としたり、アリーナコートの面積や形態
を変更するための対策が多少なりともなされることが通
常である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現在ま
でに稼働しているアリーナにおいては、収容人員を大幅
に変更したり、アリーナコートの大きさや形態を大きく
変更するようなことには自ずと限界があり、したがっ
て、たとえばサッカーやアメリカンフットボール等のア
リーナコート全体を使って行うイベントは最適な環境で
行うことができるが、規模や性格が全く異なる他のイベ
ント、たとえばバスケットボールやボクシング、相撲等
のアリーナコートの中央部のみを使って比較的小規模で
行われるイベントは必ずしも最適な環境で行うことは無
理があった。このため、アリーナを計画するに当たって
はそのようなことを可能ならしめるための方策がいまだ
模索されていることが実情である。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、収容人員や客席配置、アリーナコートの形態をイベ
ントに応じて幅広くしかも簡単に変更させることが可能
な有効な施設を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するべ
く、本発明は、アリーナコートの周囲に階段状のスタン
ドが複数層にわたって設けられた形態の施設であるアリ
ーナであって、前記スタンドのうち最下層のスタンドの
少なくとも一部が昇降可能かつ前記アリーナコート方向
に進退するようにスライド可能なスライドスタンドとさ
れ、該スライドスタンドを上昇させかつ前進させた際に
該スライドスタンドとその上層の他のスタンドとが連続
して一連の階段状のスタンドが形成されることを特徴と
するものである。
【0007】本発明のアリーナにおいては、前記スライ
ドスタンドを昇降させる昇降機構と、該昇降機構により
上昇させたスライドスタンドを上昇させた状態で支持す
る支持機構と、該支持機構により支持したスライドスタ
ンドを支持機構とともにスライドさせるスライド機構か
らなり、前記支持機構は、圧縮空気によりスライドスタ
ンドを支持床面から浮上させた状態で支持するとともに
支持床面との間に空気膜を形成する構成とすることが好
適である。
【0008】また、前記スライドスタンドを上昇させか
つ前進させた状態でその前方に他のスタンドを配置する
ことにより、前記スライドスタンドと階段状に連続する
スタンドをアリーナコートに設けるようにすることが好
適であり、さらに、その場合には当該他のスタンドを非
使用時に収納しておくための収納庫を前記アリーナコー
トの床下に設けておくことが好適である。
【0009】
【作用】本発明のアリーナにおいては、アリーナコート
全体を使用するようなイベントを行う際には、スライド
スタンドを後退させておいて上層のスタンドの下方に配
置しておき、通常のアリーナと同様の使用形態とする
が、アリーナコート全体を使用することなくその中央部
のみを使用するような場合には、スライドスタンドを上
昇させるとともにアリーナコート側に前進させることに
より、そのスライドスタンドを上層のスタンドに連続す
る状態でアリーナコート上に配置する。これによりアリ
ーナコート上にも階段状のスタンドが設けられることに
なる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。本実施例の施設はスタンド席数が3万程度のアリ
ーナAと5千席程度のホールHとが隣接配置された形態
の複合施設であるが、本実施例の施設においてはアリー
ナAとホールHとが独立しているのではなく、アリーナ
Aのスタンドの一部がホールHの客席として兼用される
回転スタンドとされている。また、アリーナAのスタン
ドの他の一部が昇降可能かつアリーナコート方向にスラ
イド可能なスライドスタンドとされており、さらに、ア
リーナAの仮想天井面を形成する多数の昇降可能かつ傾
動可能な天井板が設けられたものとなっている。
【0011】すなわち、図1〜図5に示すように、本実
施例におけるアリーナAは平面視略楕円形をなしてお
り、アリーナコート(平土間)1の周囲に階段状のスタ
ンド2(2a,2b,2c)が3階層にわたって設けら
れ、それらのスタンド2の全体でたとえば3万席が確保
されたものであるが、それらスタンド2のうちホールH
側を除く3方向においては2階スタンド2bおよび3階
スタンド2cが固定的に設置され、1階スタンドは昇降
可能かつアリーナコート1側へ進退するようにスライド
可能なスライドスタンド2aとされている。一方、ホー
ルH側においては3階スタンド3が固定的に設置されて
いるが、下部2層のスタンドはホールHの客席を兼用す
るべくそれらの全体が一体に水平回転可能とされた回転
スタンド4となっている。さらに、本実施例の施設は図
1に示すようにホールHの一部を除いてほぼその全体が
トラス屋根Rにより覆われており、そのトラス屋根Rか
ら多数の天井板5が吊り下げ支持されたものとなってい
る。
【0012】まず、回転スタンド4について詳細に説明
する。回転スタンド4は、それ自体がホールHの主要部
分(舞台部分は除く)を構成する構造体であって、図6
に示すようにホールHの天井面を構成する躯体11と、
円弧状に湾曲していてホールHの両側壁面を構成してい
る躯体12と、ホールHの後壁を構成している躯体13
(図3、図5参照)を有し、その内側にたとえば5千席
程度のスタンドが2階層にわたって設けられているとと
もに、その後部には階段やロビー、便所等のホール関連
施設が設けられたものである。この回転スタンド4の底
面には全体を支持するフレーム14が設けられ、回転ス
タンド4はそのフレーム14を介してアリーナコート1
を支持床面として支持されるようになっている。また、
フレーム14には回転スタンド4全体をアリーナコート
1からわずかに浮上させた状態で回転軸15を中心とし
て水平回転させるための浮上機構16および回転駆動機
構17が組み込まれている。
【0013】本実施例における浮上機構16としては、
図6〜図8に示すように、フレーム14の底面に3重に
取り付けられている円弧状のサブフレーム14aの底面
に、膨張収縮可能な環状の袋体16aを多数取り付け、
それら袋体16aに圧縮空気を供給して膨張させること
で全体を浮上させる形式のいわゆるエアキャスタが採用
されている。また回転駆動機構17としては図6に示す
ようにフレーム14底面に設けられた円弧状のラック1
7aとそれに噛合して油圧モータ17bにより回転させ
られるピニオン17cからなるラックピニオン機構が採
用されている。
【0014】そして、通常時においては袋体16aを収
縮させておいて回転スタンド4をフレーム14を介して
アリーナコート1により直接的に支持しておくが、回転
スタンド4を回転させる際には袋体16aに圧縮空気を
加圧供給してそれを膨張させることにより回転スタンド
4全体をたとえば90mm程度浮上させ、かつ、その際
には袋体16aの内側に形成されている噴出口16bか
ら空気流が噴出するとともにその噴出空気流が袋体16
aの底面から外部に流出することにより、袋体16aと
アリーナコート1の床面との間に空気膜が形成されてそ
こでの摺動抵抗が大幅に低減されるようになっている。
したがって、その状態で油圧モータ17bを駆動すれば
僅かな駆動力で回転スタンド4を容易にかつ速やかに回
転させることができ、しかも、ガイドレールの類が一切
不要であるし回転時の発生騒音もきわめて小さなものと
でき、きわめて有効である。
【0015】なお、図9に示すように、各袋体16aに
供給される圧縮空気は、図示を略した空気源装置から回
転軸15に組み込まれている集合空気管16cに供給さ
れ、回転継手16dおよび各空気管16eを通じて各袋
体16aに供給されるようになっており、これにより回
転時においても支障なく圧縮空気を供給できるようにな
っている。
【0016】また、回転スタンド4に対しては外部から
各種設備動線すなわち電気配線、給排水配管、ダクト等
を接続する必要があるが、それらの接続は回転スタンド
4の回転を拘束することのないように、上記の圧縮空気
の供給と同様に回転軸15に組み込んだ回転継手を介し
て行うか、あるいは、回転スタンド4がアリーナAに面
する状態で接続される動線と、ホールHに面する状態で
接続される2系統の動線を用意しておき、回転に際して
は接続換えを行うようにすれば良い。
【0017】さらに、本実施例の施設では、アリーナA
とホールHとをそれぞれ独立に使用できるように、回転
スタンド4がアリーナAおよびホールHのいずれに面し
た状態においてもそれらアリーナAとホールHとが躯体
により区画され、かつ、それら躯体の間にはシール機構
6が介装されるようになっている。
【0018】すなわち、アリーナAの内部には回転スタ
ンド4の両側に位置して袖壁18が設けられていて、回
転スタンド4がホールH側に面しているとき(図5参
照)にはそれら両袖壁18,18と回転スタンド4の後
壁13とが連続し、それら袖壁18,18と後壁13と
によりアリーナAとホールHとが区画されるようになっ
ている。一方、回転スタンド4がアリーナAに面してい
るとき(図3参照)には、袖壁18,18と回転スタン
ド4の両側壁12,12とが互いに連続し、それら両袖
壁18,18と回転スタンドの両側壁12,12および
後壁13によりアリーナAと一体となった回転スタンド
4の内部空間とその外部とが区画されるようになってい
る。なお、回転スタンド4がアリーナAとホールHのい
ずれに面する場合であっても、回転スタンド4の天井面
を構成している躯体11とその上部に位置しているアリ
ーナAの3階スタンド3の床面とは連続しており(図
2,図4参照)、それらによってもアリーナAとホール
Hとが区画されている。
【0019】そして、アリーナAと回転スタンド4の双
方の躯体の間には、それらの間の隙間を塞いで遮音性能
を確保するための上記シール機構6が介装されている。
本実施例におけるシール機構6としては図10、図11
に示すような膨張収縮可能な弾性チューブ6aとそれが
密着する金属板6bたとえばステンレスプレートが採用
されている。
【0020】弾性チューブ6aはたとえばネオプレンゴ
ム等の弾性材料により形成された中空のもので、上記の
袖壁18および3階スタンドの13床面に埋め込まれた
状態で2段にわたって取り付けられている。これら弾性
チューブ6aは、通常時は自身の弾性力により膨張した
状態となっており、それらの取り付け位置に対応して回
転スタンド4の側壁12および天井面11に設けられて
いる金属板6bに対して密着し、そこで隙間を完全に塞
いで優れた遮音性能を確保できるものである。また、回
転スタンド4を回転させる際には、弾性チューブ6a内
から排気管6cを通して真空引きを行うことによりそれ
を収縮させ、双方の躯体の間に隙間を確保して回転スタ
ンド4の回転を許容するようになっている。
【0021】なお、回転スタンド4を回転させる際には
上記のように回転スタンド4を浮上機構16によって僅
かに浮上させるので、3階スタンド3の床面に取り付け
られている弾性チューブ6aに対応して回転スタンド4
の天井面11に取り付けられている金属板6bは、図1
1に示すようにリンク機構6dおよびスプリング6eに
よって上下方向に変位可能な状態で取り付けられてい
る。そして、回転スタンド4を回転させるべくそれを浮
上させる際にはリンク機構6dにより金属板6bを引き
下げて浮上を許容し、回転が完了した後には金属板6b
を押し上げるとともにスプリング6eにより弾性チュー
ブ6aに対して押圧してシールを行うようになってい
る。
【0022】上記のような回転スタンド4を備えた本実
施例の施設にあっては、開催するイベントに応じて回転
スタンド4を半回転させることのみで、その回転スタン
ド4をアリーナAもしくはホールHのいずれかに面する
ものとして最適な使用形態を選択し得る。たとえばアリ
ーナAにおいて大規模なスポーツイベントやロックコン
サート等を開催する際には、回転スタンド4をアリーナ
A側に面するものとし、収容人員を最大(上記実施例の
場合には3万人)として通常のアリーナの場合と全く同
様の使用形態とすれば良い。一方、たとえばクラシック
コンサート等の比較的小規模のイベントを行う際には、
それをアリーナAにおいて行うことは収容人員や空間容
積が大き過ぎるし雰囲気もそぐわないので、その際は回
転スタンド4をホールHに面するように半回転させ、空
間容積が適度のホールHにおいて最適な環境下で開催す
れば良い。
【0023】そして、回転スタンド4をホールHとして
使用する場合においては、アリーナAの収容人員は低減
することになるが、必要であればその状態のアリーナA
において他のイベントを同時に開催することもできる。
その際においてもアリーナAとホールHとは躯体により
区画されており、かつシール機構6により遮音性能が確
保されるから、一方のイベントが他方のイベントに悪影
響を及ぼすことはない。なお、回転スタンド4の背面に
は後述するロールバックスタンド24が組み込まれてお
り、回転スタンド4をホールHに面して使用するときに
はこれがアリーナコート1側へ引き出されるようになっ
ている。
【0024】以上で回転スタンド4について説明した
が、次に上記スライドスタンド2aについて説明する。
上述したように本実施例の施設においては、アリーナA
における1階スタンドが昇降可能かつアリーナコート1
の方向に進退するようにスライド可能なスライドスタン
ド2aとされ、それによって、イベントに応じてアリー
ナAの収容人員や客席配置をより幅広く変更でき、かつ
アリーナコート1の形態をより大きく変更できるものと
なっている。
【0025】スライドスタンド2aについて詳細に説明
すれば、図13に示すように、スライドスタンド2aは
通常時には2階スタンド2bの下方の位置まで後退して
1階スタンドを構成しているが、そのスライドスタンド
2aは油圧シリンダ(昇降機構)21により昇降可能と
され、かつ、上昇した状態で油圧シリンダ21から切り
離されて自動ロック装置(支持機構)22により支持さ
れるようになっている。自動ロック装置22は油圧シリ
ンダ21がスライドスタンド2aを上昇させるに伴って
伸長し、上昇限位置で自ずとロックされてその位置でス
ライドスタンド2aを浮上させた状態で支持するもので
ある。また、この自動ロック装置22の底面には、回転
スタンド4を浮上させるために採用されているものと同
様のエアキャスタが組み込まれ、スライドスタンド2a
を浮上支持した状態でそれを容易にスライドさせてアリ
ーナコート1側へ前進させかつ後退させることができる
ものである。なお、スライドスタンド2aを進退させる
ためのスライド機構23としては、図12に示すように
スライドスタンド2aの側部に設けられたラック23a
と、それに噛合して油圧モータ23bにより回転するピ
ニオン23cによるラックピニオン機構が採用されてい
る。
【0026】そして、上記のようにスライドスタンド2
aが上昇しかつアリーナコート1側へ前進した際には、
図14に示すようにそのスライドスタンド2aと2階ス
タンド2bとが連続して一連の階段状スタンドが構成さ
れるようになっている。さらに、その状態とされたスラ
イドスタンド2aの前方にはロールバックスタンド24
および客席ユニット25がそれぞれ一連の階段状をなす
ように連続的に配置され、これによりアリーナコート1
の中央部にたとえばボクシングや相撲、バスケットボー
ルやバレーボール等のイベントのためのスペースを確保
しつつ、その周囲に階段状の客席を多数確保でき、その
結果、イベントを見やすくかつイベントに近付いて臨場
感のある最適な視距離でイベントに適合した座席数とイ
ベント空間を創り出すことができる。
【0027】なお、ロールバックスタンド24や客席ユ
ニット25は、その設置位置に応じてリフタ26により
設置高さが調節されるようになっている。また、客席ユ
ニット25は非使用時にはアリーナコート1の床下に設
けられている自動収納庫27に収納されており、図示を
略した自動搬送機構によって自動的に所定位置まで搬送
されて設置されるようになっている。その自動収納庫2
7は2箇所に集中配置されており、したがってアリーナ
コート1を使用するうえでの制約が少なく、また床下空
間の大部分を設備ピット等の他の用途に使用でき、かつ
床荷重を充分に確保できるものとなっており、多数の自
動収納庫をアリーナコート1の全体にわたって多数分散
配置するよりも有利である。さらに、スライドスタンド
2aが上昇して前進した状態においては、ブリッジ28
がリフタ29により上昇してスタンド2とロビーとを連
絡する通路が確保されるようになっている。
【0028】以上で回転スタンド4及びスライドスタン
ド2aについて説明したが、次にアリーナAの仮想天井
面を形成するための天井板5について説明する。
【0029】各天井板5は、図15,図16に示すよう
に主フレーム31の下面側に、吸音板32、この天井板
5自体の色を変化させるための演出用の三原色照明器具
33、音響反射板34を取り付けた構成のものである。
そして、それら天井板5は、トラス屋根Rから3本のワ
イヤーロープ35により吊りフレーム36を介して吊り
支持され、各ワイヤロープ35がトラス屋根Rに設けら
れたキャットウォーク37上に設置されているウインチ
38によって巻取られることにより、各天井板5がそれ
ぞれ独立に昇降可能かつ傾動して姿勢を自由に変更でき
るものとされている。
【0030】なお、本実施例における天井板5はトラス
屋根Rの形状に対応する三角形状を組み合わせた形態を
なし、若干下方に湾曲したものとされているが、その形
状は任意である。また、図15,図16に示す符号40
は照明器具やスピーカその他の諸設備が搭載されている
断面三角形状の昇降トラスであり、これは天井板5と同
様に独立に昇降可能かつ傾動可能にトラス屋根Rから吊
り支持されている。また、図示は省略しているが、イベ
ントの演出に用いる各種バトン類を同様にトラス屋根R
から昇降可能に適宜設けることができる。
【0031】上記のような天井板5を設けた本実施例の
アリーナAでは、開催されるイベントの種類や規模に応
じ、また客席配置に応じて、各天井板5の高さや姿勢を
調節することにより、実質的な天井高や天井面の形態を
自由に変更でき、また音響特性も変化させることができ
るものである。たとえば大規模なスポーツイベントを行
うような場合には、全ての天井板5をトラス屋根R直下
の位置まで上昇させておけば、アリーナA全体の天井高
をイベントに支障を来さないように充分に大きく確保で
きることは勿論、大規模イベントを開催するに相応しい
大容積空間を確保できる。この場合、アリーナA全体の
実質的な空間容積が最大となり、通常はこの状態で残響
時間が最大となる。
【0032】一方、小規模のイベントを行う場合等にお
いては天井高が大き過ぎると雰囲気にそぐわない場合が
あり、また、残響時間が長過ぎて音響的な明瞭度が損わ
れることがあるので、その場合は各天井板5を降下させ
て実質的な天井高を小さくして空間容積をイベントに適
合するように減少せしめることができる。また、そのよ
うにすること音響特性もイベントの内容に適合するよう
に改善することができる。つまり、天井板5を全体的に
下げて実質的に天井高を小さくすることにより、アリー
ナA内部における音響エネルギが高まって音量感が増大
し、特に初期反射音のエネルギ密度が高まって音の明瞭
性が改善されるとともに拡散効果も優れたものとなり、
比較的小規模のイベントの際には好ましい環境となる。
【0033】勿論、イベントによっては音響特性を最優
先して各天井板5の高さや姿勢を調節したり、イベント
の演出に合わせて天井面を複雑な形状に設定したり、演
出に対応させて各天井板5を適宜昇降させたり、三原色
照明33によって各天井板5の色を刻々と変化させる、
といったことを自由に行うことができる。また、イベン
トによってはアリーナコート1に客席を確保して2階ス
タンド2bや3階スタンド2cを使用しない場合も想定
されるが、その場合は図4に示すように各天井板5を全
体的に下げて実質的な天井高を2階スタンド2bの位置
に設定すれば、使用しない2階スタンド2b以上の部分
を天井面の上方に隠してしまうことができる。
【0034】以上で本発明の一実施例を説明したが、本
発明の要旨はアリーナのスタンドの一部を昇降可能かつ
スライド可能なスライドスタンドとした点にあり、した
がってスライドスタンドの具体的な構成、たとえばその
設置位置や形態、昇降およびスライドさせるための機構
の詳細等については上記実施例に何等限定されることな
く種々の設計的な変更が可能である。また、スライドス
タンド以外の部分の構成については任意に変更可能であ
り、たとえばホール客席を兼用する回転スタンドや仮想
天井面を形成する天井板についてはスライドスタンドと
ともに採用することが好ましいが、必ずしも併設しなけ
ればならないものではなく省略することも可能である。
【0035】
【発明の効果】以上で説明したように、本発明のアリー
ナは、スタンドの一部を昇降可能かつ進退可能なスライ
ドスタンドとし、該スライドスタンドを上昇させかつ前
進させることにより、上層のスタンドと連続する一連の
階段状スタンドをアリーナコートに設けることができる
ので、開催されるイベントに応じた最適な客席配置と最
適なアリーナコートの形態を実現できるものである。
【0036】そして、スライドスタンドを上昇させかつ
進退させるための昇降機構、支持機構、スライド機構を
具備しておき、特にその支持機構として圧縮空気により
スライドスタンドを浮上支持するとともに支持床面との
間に空気膜を形成する形式のものを採用すれば、スライ
ドスタンドをきわめて容易にかつ速やかにスライドさせ
ることができる。また、スライドスタンドの前方に他の
スタンドを階段状に連続するように配置すればアリーナ
コートにより多数の客席を確保できるし、そのスタンド
を非使用時には収納しておくための収納庫をアリーナコ
ートの床下に設けておけばそのスタンドの設置や収納を
容易にかつ速やかに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である施設の全体概略構成を
示す分解斜視図である。
【図2】同施設の使用形態の一例を示す断面図である。
【図3】同、平面図である。
【図4】同施設の他の使用形態を示す断面図である。
【図5】同、平面図である。
【図6】同施設における回転スタンドの構成例を示す分
解斜視図である。
【図7】回転スタンドにおける浮上機構の構成例を示す
部分側断面図である。
【図8】同、部分斜視図である。
【図9】同回転スタンドにおける回転軸を示す斜視図で
ある。
【図10】同回転スタンドにおけるシール機構の構成例
を示す部分斜視図である。
【図11】同シール機構の他の構成例を示す部分斜視図
である。
【図12】同施設におけるスライドスタンドの構成例を
示す部分斜視図である。
【図13】同スライドスタンドの使用形態の一例を示す
断面図である。
【図14】同スライドスタンドの使用形態の他の例を示
す断面図である。
【図15】同施設における屋根および天井部分の構成例
を示す部分断面図である。
【図16】同施設における天井板の構成例を示す分解斜
視図である。
【図17】同施設における昇降トラスを示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
A アリーナ H ホール R 屋根 1 アリーナコート 2 スタンド 2a スライドスタンド 21 油圧シリンダ(昇降機構) 22 自動ロック装置(支持機構) 23 スライド機構 24 ロールバックスタンド 25 客席ユニット 27 収納庫。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 群 東京都港区新橋四丁目6番15号 株式会社 佐藤総合計画内 (72)発明者 大野 勝 東京都港区新橋四丁目6番15号 株式会社 佐藤総合計画内 (72)発明者 川田 一栄 東京都港区新橋四丁目6番15号 株式会社 佐藤総合計画内 (72)発明者 古田 敏雄 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 小笠原 攻 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 岡本 宏 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アリーナコートの周囲に階段状のスタン
    ドが複数層にわたって設けられた形態の施設であるアリ
    ーナであって、前記スタンドのうち最下層のスタンドの
    少なくとも一部が昇降可能かつ前記アリーナコート方向
    に進退するようにスライド可能なスライドスタンドとさ
    れ、該スライドスタンドを上昇させかつ前進させた際に
    該スライドスタンドとその上層の他のスタンドとが連続
    して一連の階段状のスタンドが形成されることを特徴と
    する昇降および進退方式のスライドスタンドを持つアリ
    ーナ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の昇降および進退方式のス
    ライドスタンドを持つアリーナであって、 前記スライドスタンドを昇降させる昇降機構と、該昇降
    機構によって上昇させたスライドスタンドを上昇させた
    状態で支持する支持機構と、該支持機構により支持した
    スライドスタンドを支持機構とともにスライドさせるス
    ライド機構を具備し、前記支持機構は、圧縮空気により
    スライドスタンドを支持床面から浮上させた状態で支持
    するとともに支持床面との間に空気膜を形成する構成と
    されていることを特徴とする昇降および進退方式のスラ
    イドスタンドを持つアリーナ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の昇降および進退
    方式のスライドスタンドを持つアリーナであって、 前記スライドスタンドが上昇しかつ前進した状態でその
    前方に他のスタンドが配置されることにより、前記スラ
    イドスタンドと階段状に連続するスタンドがアリーナコ
    ートに設けられることを特徴とする昇降および進退方式
    のスライドスタンドを持つアリーナ。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の昇降および進退方式のス
    ライドスタンドを持つアリーナであって、 前記スライドスタンドの前方に配置される他のスタンド
    を非使用時に収納しておくための収納庫を前記アリーナ
    コートの床下に設けたことを特徴とする昇降および進退
    方式のスライドスタンドを持つアリーナ。
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