JPH08260394A - 情報識別シートおよびその情報識別方法 - Google Patents

情報識別シートおよびその情報識別方法

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JPH08260394A
JPH08260394A JP7160395A JP7160395A JPH08260394A JP H08260394 A JPH08260394 A JP H08260394A JP 7160395 A JP7160395 A JP 7160395A JP 7160395 A JP7160395 A JP 7160395A JP H08260394 A JPH08260394 A JP H08260394A
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JP7160395A
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Kazuhiko Ito
和彦 伊藤
Kazumi Suzuki
一実 鈴木
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 偽造防止に優れた情報識別シートおよびその
情報識別方法を提供する。 【構成】 支持体内に蛍光性染顔料を染着または含浸し
た蛍光性細片が、ランダムパターンとなるように内添さ
れた情報識別シートであり、該情報識別シートに200
〜380nmの波長からなる紫外線を照射することによ
り、支持体内の該細片に基づくランダムパターンの可視
情報を、基準点を含む一定距離について該蛍光性細片の
幅より狭い微小間隔毎に読み取り、読み取った可視情報
を該基準点を起点として該微小間隔の整数倍からなる小
間隔毎に分割し、該小間隔内の設定値以上の可視情報の
強度を有する該微小間隔の個数を該小間隔の認識データ
として、該情報識別シート上に記録することを特徴とす
る情報識別シートおよびその情報識別方法。 【効果】 1枚毎に該パルプのランダムパターンを有す
る情報識別シートは、恰も指紋に相当する”紙紋”であ
り、その偽造防止効果は極めて高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、支持体内にランダムパ
ターン情報を載せ、その情報を読み取りまたは記録し、
その情報により同一性を確認する情報識別シートおよび
その情報識別方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、支持体上に文字、絵、色などの目
視情報を記録したり、磁気記録層に磁気情報の形で記録
して、同一性を確認することが広く利用されている。
【0003】しかしながら、この様な方法で記録されて
いる情報は、支持体上に人為的に記録を施すために、人
為的な類似券の作成、即ち偽造を完全に防止することは
不可能であった。例えば、蛍光を発する物質で情報を記
入し、磁気記録情報と共に蛍光情報を読み取る方法が提
案されている。
【0004】前述の蛍光情報の記入方法には、蛍光イン
クを用いた文字・数字情報の記入、蛍光染料をシート全
面に含浸、バーコード記号情報との組合せによる記入な
どの記入方法があるが、ブラックライトなどの蛍光ラン
プを使用することにより、どの部分に蛍光材料が存在し
ているかさえ解読できれば、蛍光インクを用いた印刷あ
るいはシート全体を蛍光染料液に含浸させるなどの手段
をとることにより、比較的容易に同じ物を作ることが可
能である。
【0005】そこで、本発明者らは、支持体内に蛍光性
細片がランダムパターンとなるように内添された情報識
別シートであり、情報識別シートの1枚毎に異なった蛍
光情報を付与するもので、仮にその蛍光情報が読み取ら
れたとしても同一の蛍光情報のランダムパターンまでは
作ることが極めて困難な情報識別シートおよびその情報
識別方法の提案を行ってきた(特開平6−8678号公
報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
様にランダムに分布したパターンを空間的に分割して符
号化し、以前に符号化して記憶しておいたパターンと比
較する様なシステムにおいては、対象がランダムパター
ンであるが故にその位置合わせの精度が問題となってい
た。つまり、読み取り時の位置ずれなどにより符号化の
分割位置がずれると、本来は同じパターンであると判定
されるべきものが違うパターンとして誤認されたり、違
うパターンと判定されるべき所を同じパターンと誤認し
てしまうという問題が生じる。これは分割領域が小さい
ほど深刻な問題となる。その解決方法として、ハードウ
ェアーの精度を向上させる方法が考えられるが、コスト
的な問題から限界があるため、ソフトウェアー的にパタ
ーンを再現性よく同定するための処理アルゴリズムの開
発が望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
これらの課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明の
情報識別シートを発明するに至った。
【0008】即ち、本発明の情報識別シートは、支持体
内に蛍光性染顔料を染着または含浸した蛍光性細片が、
ランダムパターンとなるように内添された情報識別シー
トであり、該情報識別シートに200〜380nmの波
長からなる紫外線を照射することにより、支持体内の該
細片に基づくランダムパターンの可視情報を、基準点を
含む一定距離について該蛍光性細片の幅より狭い微小間
隔毎に読み取り、読み取った可視情報を該基準点を起点
として該微小間隔の整数倍からなる小間隔毎に分割し、
該小間隔内の設定値以上の可視情報の強度を有する該微
小間隔の個数を該小間隔の認識データとして、該情報識
別シート上に記録することを特徴とするものである。
【0009】本発明において、好ましくは、該認識デー
タを該情報識別シート上に記録する際、あらかじめ該情
報識別シートについて、前記読み取りから認識データへ
の変換までの操作を繰り返し行い、その一連の操作によ
る測定誤差分布を該微小間隔を単位として正規分布によ
る近似方法により求め、該認識データが該測定誤差分布
の設定上限値を超えた時のみ該小間隔の特定データを1
に、それ以外の該小間隔の特定データを0とした二値情
報化を行い、該情報識別シート上に記録することによ
り、より少ない情報量で同一性を確認できる情報識別シ
ートを得ることができる。
【0010】また、本発明の情報識別方法は、支持体内
に蛍光性染顔料を染着または含浸した蛍光性細片が、ラ
ンダムパターンとなるように内添された情報識別シート
であり、該情報識別シートに200〜380nmの波長
からなる紫外線を照射することにより、支持体内の該細
片に基づくランダムパターンの可視情報を、基準点を含
む一定距離について該蛍光性細片の幅より狭い微小間隔
毎に読み取り、読み取った可視情報を該基準点を起点と
して該微小間隔の整数倍からなる小間隔毎に分割し、該
小間隔内の設定値以上の可視情報の強度を有する該微小
間隔の個数を該小間隔の認識データとして、該情報識別
シート上に記録し、該認識データを繰り返し同定するこ
とを特徴とする情報識別シートの情報識別方法である。
【0011】本発明において、好ましくは、該認識デー
タを繰り返し同定する際、先に記録した認識データと再
度読み取った認識データの差分の絶対値が、前記測定誤
差分布の設定上限値以下である時にのみ、該情報識別シ
ートを同一と判定することにより、さらに同一性の確認
度を向上させることが可能である。
【0012】また、前記特定データを二値情報として記
録した情報識別シートを用いて、該情報識別シートを繰
り返し同定する際に、先に記録した特定データが1の対
応する小間隔については、再度読みとった該認識データ
が1以上であり、かつ該特定データが0の対応する小間
隔については、該認識データが前記測定誤差分布の設定
上限値の2倍以下である時にのみ、該情報識別シートを
同一と判定することにより、より少ない情報量で、正確
な同一性判定が可能となる。
【0013】以下、本発明の情報識別シート、その識別
方法について、詳細に説明する。
【0014】本発明に用いられる蛍光性細片をランダム
パターンとなるように内添してなる情報識別シートとし
ては、例えば、特開平6−8678号公報に例示されて
いる様に蛍光性染顔料を染着または含浸した天然或いは
合成パルプを、紙製造工程段階において添加することに
よりして得られる。
【0015】次に、これらの情報識別シートから得られ
る蛍光ランダムパターンの読み取り、符号化処理および
記録方法(以下、一連の操作を該情報識別シートの登録
と呼ぶ)の手順について説明する。
【0016】初めに、図1に示した様な蛍光情報識別装
置内へ挿入された情報識別シートAは、モータ(図示し
ない)によって駆動される駆動装置で磁気ヘッド2、3
の直前まで搬送される。
【0017】初めに、媒体を磁気ヘッド2、3の下を通
過させつつ、該媒体の非磁気記録層側に対して紫外線ラ
ンプ6を用いて紫外線を照射して、蛍光ランダムパター
ンを可視化し、該パターンに基づく可視情報の強度(以
下、蛍光強度と呼ぶ)を基準線を含む一定距離につい
て、蛍光性細片の幅より狭い微小間隔毎にフォトセンサ
5により読み取る。
【0018】ここで、本発明でいう所の蛍光強度を測定
するフォトセンサとしては、図1に示した様に該情報識
別シート自身をフォトセンサに対して、移動させながら
読み取る方法の他に、該情報識別シートは移動させずに
静置状態で、紫外線を照射しながらラインセンサカメラ
の様なものを用いて、該情報識別シート内の一定距離を
一度に撮影することもできる。
【0019】この時の該微小間隔とは、使用する蛍光性
細片の大きさにも依るが、より信頼性の高いデータを得
るという観点からできるだけ狭い方が好ましく、例え
ば、本発明で言うところの蛍光性細片の幅の1/100
及至1/10程度が適当であるが、本発明はこれらに限
定されるものではない。
【0020】次に、読み取られた該微小間隔毎の蛍光情
報は、符号化回路11に送られ、基準線を起点として該
微小間隔の整数倍からなる小間隔毎に分割され、該小間
隔の各々に対して該小間隔内の設定値以上の蛍光強度を
有する該微小間隔の個数が数えられる。
【0021】この時の整数倍値としては、本発明で言う
ところの蛍光性細片の大きさ、分布状態にも依るが、好
ましくは該微小間隔と該整数倍値の積が、該蛍光性細片
の幅の1〜100倍程度に相当する値が適当であるが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0022】また、この時の設定値の決め方としては、
蛍光性細片の存在の有無を区別できるものであれば特に
限定されるものではなく、実際には使用するフォトセン
サの感度によって決まるものであり、蛍光性細片が存在
する場合のフォトセンサの受光出力を100とし、ベー
スライン強度(蛍光物質が存在しない部分の強度)を0
と設定した場合に、出力50位に相当する値が好まし
い。
【0023】以上の様にして、一定距離読み取られた可
視情報の結果から、各々が該微小隔の整数倍からなる小
間隔の各々に対して、該小間隔内の設定値以上の該微小
間隔の個数である認識データの配列情報Aへの符号化処
理が行われる。
【0024】該認識データの該情報識別シートへの記録
方法としては、再度復元化が可能な方法であれば特に限
定されるものではないが、例えば、図1に示した様に信
号変調記録回路12を通して、情報識別シートの反対面
に付設された磁気記録層上の蛍光情報記録用トラック7
に磁気ヘッド3により記録することにより、自身の特徴
データを自分自身に記録した情報識別シートの登録が完
了される。また、この時同時に他の価値情報などを別の
磁気トラック9に磁気ヘッド2により記録することもで
きる。
【0025】この場合、該認識データである配列情報A
をそのまま記録してもよいが、磁気記録層の様にあまり
その記録容量が大きくない場合には、ある設定値を境界
に該認識データが設定値を超えた場合には、新たに該小
間隔の特定データを1に、それ以外の該小間隔の特定デ
ータを0とした二値化配列情報A′に変換することで、
さらに記録容量の少ない情報として扱う方が好ましい。
特に、同一性を判定すべきシート数が多い場合には、如
何にデータ容量が少なく、かつ確度の高い判定システム
が要求されることは言うまでもない。
【0026】ここで、該小間隔毎の認識データを、0/
1に変換する設定値の求め方の一例について説明する。
該上限値の設定により二値情報へ変換する目的は、前記
した様に認識データの容量を少なくするためであるが、
0/1の二値情報に変換すると当然情報量は少なくなる
ため、適切な上限値を設定しないと同定性が低下する恐
れがある。
【0027】特に、本発明の中で扱っているランダムパ
ターンは、読みとり時の微小な位置ずれにより蛍光情報
が変化するために、その位置ずれを加味した上限値を設
定することが好ましい。例えば、あらかじめ各々の小間
隔における該認識データの繰り返し読み取り時の位置ず
れによる誤差分布を求めておき、その誤差分布から設定
上限値を求める方法が好ましい。
【0028】測定誤差分布を求める方法としては、種々
の既知の方法が考えられるが、一般的には正規分布によ
る近似方法を用いることが適当である。
【0029】具体的には、本発明の様な作意を伴わない
測定系においては、繰り返し測定時の位置ずれによる誤
差分布は、正規分布でよく近似できることが経験的に判
っているので、あらかじめ本発明の同一情報識別シート
について、前記蛍光情報の読み取りから該認識データま
での変換過程を繰り返し行い、該認識データの繰り返し
読み取り時の測定誤差分布(平均値からのずれ)を正規
分布で近似することで、該測定誤差分布を該微小間隔を
単位とした標準偏差(σ)の関数として定めることが可
能となる。
【0030】よって、仮に該特定データの同定性が少な
くとも99.99%以上は必要な場合、測定誤差分布の
変動を±4σに定めれば良いことが理論的に確立されて
おり、4σを測定誤差として設定することで、読み取り
誤差の影響を99.99%の確率で受けない0/1の二
値情報への変換が可能となる。
【0031】つまり、本発明において、該特定データを
該情報識別シート上に記録する際、該認識データが該測
定誤差分布の上限値を超えた時に該小間隔の特定データ
を1に、それ以外の該小間隔の特定データを0とした二
値情報を、該情報識別シート上に記録することにより、
繰り返し読み取り時の測定誤差の影響による同定性の低
下が少なく、より情報量の少ない二値情報への変換が可
能となる。
【0032】次に、上記の様に登録された情報識別シー
トAの回収時の同一性判定方法について説明する。
【0033】まず、蛍光情報識別装置に、登録された情
報識別シートAを再度挿入すると、前記説明したのと同
様に、蛍光情報の読み取りが行われ、結果は前記方法に
従い、符号化回路11内で認識データの配列情報Bに変
換され、比較回路15に送られる。この時、同時に該情
報識別シート上に記録されていた認識データの配列情報
Aあるいは二値化配列情報A′が読み取られる。例え
ば、図1に示した様に磁気記録層上の蛍光情報記録用ト
ラック7に記録されている場合には、磁気ヘッド3によ
りこれらの情報が読み取られ、信号復調回路16を通し
て比較回路15に送られる。
【0034】認識データの配列情報A,Bは比較回路1
5内で比較され、基本的には比較結果が一致すれば該情
報識別シートの同一性が確認されるが、もし不一致なら
ば同一性が否定され、不正な手段により類似券などの偽
造が行われた可能性が判明する。
【0035】この時の判定基準としては、基本的には各
々の認識データについて、双方の差分を計算し、その値
により同一性の判定が行われる。理想的には、同一シー
トであれば同じ位置が読み取られる限り、常に同じ認識
データが得られるはずであるが、実際には先に説明した
様に繰り返し読み取り時の位置ずれにより、再度読み取
った認識データは変化するために、双方の差分は零にな
らなくなり、同一シートでありながら不一致と誤判定さ
れてしまうという重大な問題が生じる。
【0036】そこで、双方の認識データの差分にある許
容値を設ける必要が出てくるが、好ましくは、双方の認
識データの差分の絶対値が、前記説明した正規分布によ
る近似方法から求めた測定誤差分布の上限値以下である
ときには一致とし、それ以外は不一致と判定する様な判
定基準とすることで、繰り返し読み取り時の位置ずれの
影響を受けない判定システムを構築することが可能とな
る。その理由は前記した様に、本発明における蛍光パタ
ーンは、基本的にランダムであるが故に繰り返し読みと
り時の微小な位置ずれのために変化するものであり、判
定時にその位置ずれを加味した判定基準を設けることが
好ましいためである。
【0037】次に、前記二値化配列情報A′の形で登録
されている場合の判定方法について説明する。
【0038】この場合は、もともと該小間隔内に存在し
ている蛍光性細片に基づく、設定蛍光強度以上の該微小
間隔の個数(認識データ)が、仮に位置ずれしても零に
ならない小間隔の特定データを新たに1に、位置ずれに
より微小間隔の個数が零になる可能性のある少間隔の特
定データを0としたのだから、この考え方に従った判定
基準を設ければよい。
【0039】つまり、該二値化配列情報A′が1の小間
隔に対応する再度読み取り時の認識データBは、最大位
置ずれしても1を下回らないから、1以上であれば同一
とし、かつ該二値化配列情報A′が0の対応する認識デ
ータBは、二値化情報とする前は測定誤差分布以内であ
ったはずであり、仮にそれがさらに最大限位置ずれする
ことを想定すると、前記正規分布による近似方法により
求めた測定誤差分布の上限値の2倍まで変わりうるの
で、測定誤差分布の上限値の2倍以下であれば同一と判
定すれば良い。
【0040】
【作用】以上、本発明の情報識別シートは、支持体内に
蛍光性染顔料を染着または含浸した蛍光性細片が、ラン
ダムパターンとなるように内添された情報識別シートで
あり、該情報識別シートに200〜380nmの波長か
らなる紫外線を照射することにより、支持体内の該細片
に基づくランダムパターンの可視情報を、基準点を含む
一定距離について該蛍光性細片の幅より狭い微小間隔毎
に読み取り、読み取った可視情報を該基準点を起点とし
て該微小間隔の整数倍からなる小間隔毎に分割し、該小
間隔内の設定値以上の可視情報の強度を有する該微小間
隔の個数を該小間隔の認識データとして、該情報識別シ
ート上に記録し、該認識データを繰り返し同定するもの
であり、従来、繰り返し同定性の信頼性に欠けていたラ
ンダム情報を利用し、その情報により同一性を判定する
様なシステムの確実性を飛躍的に向上させることが可能
となった。即ち、本発明により得られるランダムパター
ンは、該情報識別シート1枚毎に、恰も人間の指紋のよ
うに”紙紋”として符号化されているために、極めて偽
造が困難なものとなる。以上の理由から、本発明の情報
識別シートは、従来の技術に見られない作用を持つもの
である。
【0041】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、実施例中の%は重量%を示す。
【0042】実施例1 <蛍光性細片の作製>ポリエステルフィルム(幅0.3
mm、厚み0.012mm、長さ5mm)1gに対し、
蛍光性分散染料(チバガイギー社製、ユビッテクスER
N、ベンゾオキサゾール誘導体)0.01gを添加し、
さらに水100mlを加え、沸騰状態にて1時間加熱、
攪拌、冷却後フィルムを濾過、水で数回洗浄し、蛍光性
分散染料により染着されたポリエステルフィルムを調整
した。
【0043】<情報識別シートの作製>フリーネス40
0mlに叩解した広葉樹漂白パルプ100gを2%濃度
スラリーに調整し、このスラリーを攪拌しながら、これ
に上記蛍光性分散染料により染着されたポリエステルフ
ィルム1gを加え、さらに攪拌を続けた。このパルプを
用いて、常法通り坪量150g/m2となるように抄紙し、
105℃で乾燥して、蛍光性染料で染着された細片を1
%含有した情報識別シートAを得た。この情報識別シー
トは、通常の太陽光下では該シート自体の地肌である白
色として認識されるだけであったが、ブラックライトに
よる紫外線照射下では、染着された該蛍光性細片からな
るランダムパターンの蛍光模様を識別できた。
【0044】<情報識別シートからの蛍光情報の読み取
り>フォトセンサとしてCCDラインセンサカメラ(ラ
インセンサの画素数2048)を用い、紫外線(365
nm)照射下、情報識別シートA内の64mm長の蛍光
性細片に基づくランダムパターンを可視情報として読み
取った。
【0045】<蛍光情報の符号化処理1>読み取った蛍
光情報を、A/D変換機を通して蛍光強度256階調、
2048画素の配列情報に分割した(図2)。この時、
該微小間隔にあたるラインセンサの1画素が紙面上の約
32ミクロンに対応していた。
【0046】さらに、2048画素の情報を蛍光強度1
20をしきい値として、120以上の画素を1に、12
0未満の画素を0として二値化し、0画素目から31画
素目までの32画素を該小領域として、二値化後の情報
が1である画素の個数を数え、順次2047画素目まで
計算し、結果として64小領域の認識データの配列情報
Aへ変換し、メモリ内に記憶させ、登録処理を行った。
【0047】<情報識別シートAの同一性判定1>登録
処理した情報識別シートAを、再度上記CCDラインセ
ンサにより、蛍光情報を読み取り、同様にして符号化処
理1を行い、認識データの配列情報Bを得、メモリ内か
ら先ほどの認識データの配列情報Aを呼出し、それぞれ
を比較回路に送り、同じブロック位置で比較を行った。
【0048】比較の判定基準は、双方の認識データの差
分の絶対値が1以下ならば一致、2以上ならば不一致を
出力する様にし、64の配列すべてについて一致の出力
が得られた場合に限って、同一性の確認OKを出力する
様にプログラミングした結果、OKの出力が得られた。
【0049】さらに、繰り返し99回蛍光情報を読み取
り、同様に符号化処理1を行い、初めに登録した情報と
上記判定基準で比較した結果、95%(5回OKが出な
かった)の確度で同一性の判定を行うことができた。
【0050】実施例2 実施例1の情報識別シートAを用い、蛍光情報の読み取
りから符号化処理1までは同様に行い、続いて下記の様
に正規分布による近似方法で、読み取り装置系の測定誤
差分布を調べた。
【0051】<読み取り装置の測定誤差分布の正規分布
による近似>該情報識別シートAの蛍光情報の読み取り
から符号化処理1までの一連の操作を、100回繰り返
し、該認識データの平均値を求め、該平均値からの各デ
ータの差分布を画素単位で解析した結果、正規分布でよ
く近似できることが判り、その時の標準偏差(σ)を求
めた所、0.5画素であった。
【0052】そこで、該読み取り装置を用いた場合の該
認識データの測定誤差分布を、4σの±2画素に設定す
ることにより、標準正規分布の計算結果から測定誤差が
±2画素以内である確率が99.99%以上になり、9
9.99%以上の確率で蛍光情報の同定が可能となる。
【0053】さらに、実施例1の<情報識別シートAの
同一性判定1>に代えて、下記の同一性判定2の方法に
より、同一性を確認した。
【0054】<情報識別シートAの同一性判定2>登録
処理した情報識別シートAを、再度上記CCDラインセ
ンサにより、蛍光情報を読み取り、同様にして符号化処
理1を行い、認識データの配列情報B′を得、メモリ内
から最初の読み取り時に記録した認識データの配列情報
Aを呼出し、それぞれを比較回路に送り、それぞれ同じ
ブロック位置で比較した。
【0055】比較の判定基準は、双方の認識データの差
分の絶対値が2(前記正規近似により定めた測定誤差分
布の上限値)以下ならば一致、3以上ならば不一致を出
力する様にし、64の配列すべてについて一致の出力が
得られた場合に限って、同一性の確認OKを出力する様
にプログラミングした結果、OKの出力が得られた。
【0056】さらに、繰り返し99回蛍光情報を読み取
り、同様に符号化処理1を行い、最初に登録した情報と
上記判定基準で比較した結果、100%(すべてOK出
力)の確度で同一性の判定を行うことができた。
【0057】実施例3 実施例1の情報識別シートAを用い、蛍光情報の読み取
りから符号化処理1までは同様に行い、続いて下記の様
に符号化処理2を行った。
【0058】<蛍光情報の符号化処理2>符号化処理1
で得られた配列情報A′について、認識データが3(前
記正規近似により定めた測定誤差分布の上限値に1を加
算)以上のブロックの場合、新たに特定データを1に、
2以下の場合0とした64ブロックの二値化配列情報
A′に変換し、やはりメモリ内に記憶させ、登録処理を
行った。
【0059】さらに、実施例1の<情報識別シートAの
同一性判定1>に代えて、下記の同一性判定3の方法に
より、同一性を確認した。
【0060】<情報識別シートAの同一性判定3>登録
処理した情報識別シートAを、再度上記CCDラインセ
ンサにより、蛍光情報を読み取り、同様にして符号化処
理1を行い、認識データの配列情報B″に変換し、メモ
リ内から前記特定データの配列情報A′を呼出し、それ
ぞれ比較回路に送り、同じブロック位置で比較した。
【0061】比較の判定基準は、特定データA′が1の
対応するブロックの認識データB″が1以上であれば一
致、0であれば不一致とし、かつ該特定データA′が0
の対応する認識データB″が4(前記正規近似により定
めた測定誤差分布の上限値の2倍)以下であれば一致、
5以上であれば不一致を出力する様にし、64の配列す
べてについて一致の出力が得られた場合に限って、同一
性の確認OKを出力する様にプログラミングした結果、
OKの出力が得られた。
【0062】さらに、繰り返し99回蛍光情報を読み取
り、同様に符号化処理1を行い、初めに登録した情報と
上記判定基準で比較した結果、100%(すべてOK出
力)の確度で同一性の判定を行うことができた。
【0063】
【発明の効果】本発明の情報識別シートは、ブラックラ
イトのような特定の励起波長の光を照射したとき、支持
体内に内添された蛍光性染顔料で染着または含浸した蛍
光性細片に基づくランダムパターンの蛍光色を読み取
り、初期に読み取ったランダムパターンと同一であるか
どうかを同定できるものである。即ち、1枚毎の情報識
別シートに特徴付けられた”紙紋”は、偽造が極めて困
難であり、偽造防止効果に優れている。また、その情報
識別方法は、偽造防止の方法として従来にない有効な方
法であり、その実用的価値は極めて高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の情報識別シートの識別装置の概略図。
【図2】実施例1で得られた情報識別シートAの蛍光強
度、分布状態を表した蛍光スペクトルである。
【符号の説明】
1 情報識別シート 2、3 磁気ヘッド 5 フォトセンサ 6 紫外線ランプ 7 蛍光情報記録用トラック 9 価値情報記録用トラック 10 価値情報記録再生回路 11 符号化回路 12 信号変調記録回路 15 パターン比較回路 16 信号復調回路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体内に蛍光性染顔料を染着または含
    浸した蛍光性細片が、ランダムパターンとなるように内
    添された情報識別シートであり、該情報識別シートに2
    00〜380nmの波長からなる紫外線を照射すること
    により、支持体内の該細片に基づくランダムパターンの
    可視情報を、 基準点を含む一定距離について該蛍光性細片の幅より狭
    い微小間隔毎に読み取り、読み取った可視情報を該基準
    点を起点として該微小間隔の整数倍からなる小間隔毎に
    分割し、該小間隔内の設定値以上の可視情報の強度を有
    する該微小間隔の個数を該小間隔の認識データとして、
    該情報識別シート上に記録することを特徴とする情報識
    別シート。
  2. 【請求項2】 該認識データを該情報識別シート上に記
    録する際、あらかじめ該情報識別シートについて、前記
    読み取りから認識データへの変換までの操作を繰り返し
    行い、その一連の操作による測定誤差分布を該微小間隔
    を単位として正規分布による近似方法により求め、該認
    識データが該測定誤差分布の設定上限値を超えた時のみ
    該小間隔の特定データを1に、それ以外の該小間隔の特
    定データを0とした二値情報化を行い、該情報識別シー
    ト上に記録することを特徴とする請求項1記載の情報識
    別シート。
  3. 【請求項3】 支持体内に蛍光性染顔料を染着または含
    浸した蛍光性細片が、ランダムパターンとなるように内
    添された情報識別シートであり、該情報識別シートに2
    00〜380nmの波長からなる紫外線を照射すること
    により、支持体内の該細片に基づくランダムパターンの
    可視情報を、 基準点を含む一定距離について該蛍光性細片の幅より狭
    い微小間隔毎に読み取り、読み取った可視情報を該基準
    点を起点として該微小間隔の整数倍からなる小間隔毎に
    分割し、該小間隔内の設定値以上の可視情報の強度を有
    する該微小間隔の個数を該小間隔の認識データとして、
    該情報識別シート上に記録し、該認識データを繰り返し
    同定することを特徴とする情報識別シートの情報識別方
    法。
  4. 【請求項4】 該認識データを繰り返し同定する際、先
    に記録した認識データと再度読み取った認識データの差
    分の絶対値が、前記請求項2記載の測定誤差分布の設定
    上限値以下である時にのみ、該情報識別シートを同一と
    判定することを特徴とする請求項3記載の情報識別シー
    トの情報識別方法。
  5. 【請求項5】 前記請求項2記載の情報識別シートを用
    いて、該情報識別シートの該特定データを繰り返し同定
    する際、先に記録した特定データが1の対応する小間隔
    については、再度読みとった認識データが1以上であ
    り、かつ特定データが0の対応する小間隔については、
    再度読みとった認識データが前記請求項2記載の測定誤
    差分布の設定上限値の2倍以下である時にのみ、該情報
    識別シートを同一と判定することを特徴とする請求項3
    記載の情報識別シートの情報識別方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016177943A1 (fr) 2015-05-07 2016-11-10 Honnorat Recherches & Services Papier authentifiable smartphone
JPWO2021192382A1 (ja) * 2020-03-25 2021-09-30

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