JPH08260146A - ニトリドレニウムフタロシアニン薄膜、その作成方法及びそれを用いた有機デバイス - Google Patents

ニトリドレニウムフタロシアニン薄膜、その作成方法及びそれを用いた有機デバイス

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JPH08260146A
JPH08260146A JP7060364A JP6036495A JPH08260146A JP H08260146 A JPH08260146 A JP H08260146A JP 7060364 A JP7060364 A JP 7060364A JP 6036495 A JP6036495 A JP 6036495A JP H08260146 A JPH08260146 A JP H08260146A
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JP
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thin film
phthalocyanine
rhenium
film
nitride
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JP7060364A
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English (en)
Inventor
Engeru Mihiaeru
ミヒァエル・エンゲル
Toshiro Saito
俊郎 斎藤
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K85/00Organic materials used in the body or electrodes of devices covered by this subclass
    • H10K85/30Coordination compounds
    • H10K85/311Phthalocyanine

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Non-Insulated Conductors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】ニトリドレニウムフタロシアニン蒸着膜を適当
な有機溶剤の蒸気で暴露処理することにより、フタロシ
アニン分子が一次元にスタックした構造をとる薄膜を作
製でき、更に基板としてアルカリハライドを用いること
により、基板に対して垂直に一次元的にスタックした構
造の薄膜を容易に作製できる。 【効果】膜厚方向と膜平面に平行な方向の導電性が桁違
いに異なる、即ち導電性に異方性を持つ薄膜を容易に提
供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電性に異方性を有し
かつ諸物性に優れた導電性レニウムフタロシアニン薄
膜、その生成方法及びそれを用いた有機デバイスに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、フタロシアニン分子を、その
分子面に垂直な方向に積み重ねた構造の薄膜を作り、一
次元導体としての機能を引き出そうとする試みがなされ
てきた。例えば、特開平1−255660 号公報に開示されて
いるようにシリコンフタロシアニン分子の中心金属原子
間を酸素原子等で橋渡しした構造をとる金属フタロシア
ニンポリマーや、特開昭63−244678号公報に開示されて
いるようにLB法で積層したフタロシアニン薄膜等が知
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フタロ
シアニン分子の中心金属原子間を酸素原子等で橋渡しし
た構造のフタロシアニンポリマーを作る製膜手段では、
モノマーのフタロシアニンを蒸着後に高温で加熱処理し
脱水重合させる必要があり、また一次元配向の方向を制
御することが極めて困難であるという欠点を有してい
た。また、LB法でフタロシアニン分子を積層する方法
では、厚い膜を得るには膨大な時間を要し、生産性が極
めて悪いという欠点を有しており、一次元導電性薄膜の
簡便な製作方法が求められていた。
【0004】本発明の目的はフタロシアニン分子を用い
た生産性の良い一次元導電性薄膜を得るための薄膜の製
造法とその構成及びそれを用いた有機デバイスを提供す
るにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、ニトリドレニウムフタロシアニン分子が、中心金属
のレニウム原子と窒素原子との結合方向を揃えて、一方
向に一次元的に積み重なった結晶構造をとり、そのスタ
ック軸を膜の面内方向よりも厚さ方向により多く並べて
いる構成としたものである。
【0006】また、その製作方法はハロゲン化アルカリ
金属基板上にニトリドレニウムフタロシアニン薄膜を蒸
着法により形成し、その薄膜を有機溶剤蒸気にて曝露処
理することにより、スタック軸が基板に対し垂直に配向
するようにしたものである。更に、ニトリドレニウムフ
タロシアニン分子が、中心金属のレニウム原子と窒素原
子との結合方向を揃えて、一方向に一次元的に積み重な
った結晶構造をとり、そのスタック軸を膜の面内方向よ
りも厚さ方向により多く並べたニトリドレニウムフタロ
シアニン薄膜を導電膜として用いた有機デバイスとした
ものである。発明者等は、中心金属にフタロシアネート
以外の配位子を持つ金属フタロシアニンを種々検討した
結果、ニトリドレニウムフタロシアニンの蒸着膜を適当
な有機溶剤で処理することにより、ニトリドレニウムフ
タロシアニン分子が、中心金属のレニウム原子と窒素原
子との結合の方向を揃えて、一方向に一次元的に積み重
なった結晶構造をとり、そのスタック軸を、膜の面内方
向よりも厚さ方向により多く並んでいるニトリドレニウ
ムフタロシアニン薄膜を得られることを見出した。ま
た、基板としてハロゲン化アルカリ金属板を用いてその
上にニトリドレニウムフタロシアニン薄膜を蒸着法によ
り形成し、その薄膜を適当な有機溶剤蒸気にて曝露処理
することにより、スタック軸が基板に対して垂直に配向
したニトリドレニウムフタロシアニン薄膜を製作できる
ことを見出した。更に、この薄膜は膜の面内方向より
も、膜厚方向に桁違いに大きな導電性を示すことを見出
すに至った。
【0007】一次元導電性薄膜は一方向にのみ高い導電
性を示すため、方向性を制御できる導電材料として様々
な応用が可能である。例えば、有機薄膜トランジスタ,
有機感光体,有機電界発光素子等の有機デバイスを挙げ
ることができるがこれに限定されるものではない。
【0008】
【作用】発明者等は、フタロシアニン環を一方向に一次
元的に積み重なった結晶構造をとり、そのスタック軸
を、膜の面内方向よりも厚さ方向により多く並べた構造
のフタロシアニン薄膜の作製を鋭意検討した結果、中心
金属のレニウムに窒素原子が三重結合で結ばれたニトリ
ドレニウムフタロシアニンの薄膜がそのような結晶構造
であることを見出した。中心金属のレニウムに三重結合
で結ばれた窒素原子は、隣接するフタロシアニンの中心
金属のレニウムと強く相互作用するため、アモルファス
状態において溶剤蒸気で曝露処理により、分子が動きや
すい状態となると隣接するフタロシアニン同士が窒素原
子に橋渡しをされたように、一次元的にフタロシアニン
環が積み重なった構造をとるものと考えられる。
【0009】また、基板としてアルカリハライドを用い
ると、アルカリハライドとフタロシアニン環との強い相
互作用のため第一層のフタロシアニン環は分子面を基板
面に対して平行に付着すると理解される。そのため、ア
ルカリハライド基板上のアモルファス状のニトロドレニ
ウムフタロシアニン薄膜は、有機溶剤による曝露処理に
より第一層のフタロシアニン環上に一次元的にフタロシ
アニン環が積み重なった構造をとる。すなわち、基板面
に対して垂直に一次元的に積み重なった構造の膜が製作
されたものと解釈できる。従って、基板として用いる材
料は、第一層のフタロシアニンが分子面を基板面に対し
て平行に付着するものであれば何でも良く、アルカリハ
ライドに限るものではないことがわかる。曝露処理に用
いる有機溶剤も、アモルファス状の蒸着膜において、フ
タロシアニン分子の結晶化の動きを補助するようなもの
であれば何でも良いことが理解される。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0011】過レニウム酸アンモニウム(和光純薬)4
重量部とフタロニトリル8重量部を混合し、混合物を3
00度で10分間加熱した。その後、混合物を室温に戻
るまで放置し、再度撹拌して混合し300度で30分間
加熱した。その後、混合物を室温に戻るまで放置して粉
砕して粉末とし、5%水酸化カリウム水溶液で処理した
後、蒸留水で十分洗浄した。得られた暗黒色の個体を、
アセトンでソックスレー抽出し、ついでエタノールでソ
ックスレー抽出し精製した。得られたニトリドレニウム
フタロシアニンは、8.3重量部であった(収量0.7
8)。さらに、この粉末資料を減圧下(4Torr)窒素ガ
ス気流中で450度に加熱し昇華精製した。
【0012】最終的に得られた試料の元素分析結果は、
C:53.6%(53.93%),H:2.2%(2.26
%),N:18.4%(17.69%)であった(括弧内
は計算値)。
【0013】以上の方法で得られたニトリドレニウムフ
タロシアニン粉末試料をタンタル製ボードに入れ蒸着源
とし、7×10-6Torrで抵抗加熱方式により基板に蒸着
した。基板にはNaClを用いた。蒸着速度はおよそ2
〜3nm/分程度の速度になるように調整した。得られ
た蒸着膜の膜厚は150nmであった。この蒸着膜をテ
トラヒドロフランを入れたシャーレ上に固定して曝露処
理を8時間行った。曝露処理前後のX線回折パタンを図
1に示す。
【0014】図1に示すように、蒸着直後の膜はアモル
ファスに近いと考えられるが、曝露処理後では明確な回
折ピーク(回折面間隔0.38nm)が現れ結晶状態にあ
ると判断される。
【0015】上記蒸着膜の配向性を調べるため、テトラ
ヒドロフラン蒸気による曝露処理の前後の膜の赤外線吸
収スペクトルを透過型(モニタ光が膜に対して垂直に入
射するように配置)で測定した。その結果を図2に示
す。ReNの三重結合の振動による978cm-1のピーク
が曝露処理後に消失していることがわかる。また、曝露
処理により732cm-1付近の芳香環の面外CH振動によ
るピークが弱まり、逆に1067−1125cm-1付近の
芳香環の面内CH振動によるピークが強くなっているこ
とが分かる。以上の結果は、本発明で製作した膜では、
ニトリドレニウムフタロシアニン分子が分子面をNaC
l基板に対して平行に並べ、それが一元的に積み重なっ
た結晶構造ができていることを示している。結晶構造の
模式図を図3に示す。
【0016】上記方法で作製したニトリドレニウムフタ
ロシアニン薄膜の導電性を調べるため、NaCl上に作
成した薄膜を基板ごと水中に入れ、浮遊した試料薄膜を
ガラスあるいはアルミニウム電極を形成したガラス上に
すくい取り、減圧乾燥後、櫛型電極あるいは対向電極に
より、膜上にアルミニウムを蒸着することにより作成し
た。櫛型電極の電極間隔は0.1mm である。これらのサ
ンドイッチ型セルを用いて、その電圧−電流特性の測定
から各セルの導電性を評価した。各セルの導電度は、各
々5×10-8(Ω-1cm-1),1×10-10-1cm-1)で
あった。薄膜の膜方向の導電度は、面内方向の導電度よ
りも二桁以上大きい。従って、この薄膜は導電性に異方
性を持つことが分かる。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、簡便な方法で一次元導
電体薄膜を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のニトリドレニウムフタロシアニン薄膜
のX線回折パタンを示したものである。
【図2】本発明のニトリドレニウムフタロシアニン薄膜
の赤外線吸収スペクトルを示したものである。
【図3】本発明のニトリドレニウムフタロシアニン薄膜
の結晶構造を示したものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ニトリドレニウムフタロシアニン分子が、
    中心金属のレニウム原子と窒素原子との結合方向を揃え
    て、一方向に一次元的に積み重なった結晶構造をとり、
    そのスタック軸を膜の面内方向よりも厚さ方向により多
    く並べていることを特徴としたニトリドレニウムフタロ
    シアニン薄膜。
  2. 【請求項2】ハロゲン化アルカリ金属基板上にニトリド
    レニウムフタロシアニン薄膜を蒸着法により形成し、そ
    の薄膜を有機溶剤蒸気にて曝露処理することにより、ス
    タック軸が基板に対し垂直に配向したニトリドレニウム
    フタロシアニン薄膜を作成する作成方法。
  3. 【請求項3】ニトリドレニウムフタロシアニン分子が、
    中心金属のレニウム原子と窒素原子との結合方向を揃え
    て、一方向に一次元的に積み重なった結晶構造をとり、
    そのスタック軸を膜の面内方向よりも厚さ方向により多
    く並べたニトリドレニウムフタロシアニン薄膜を導電膜
    として用いたことを特徴とする有機デバイス。
JP7060364A 1995-03-20 1995-03-20 ニトリドレニウムフタロシアニン薄膜、その作成方法及びそれを用いた有機デバイス Pending JPH08260146A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1195265A (ja) * 1997-09-17 1999-04-09 Chemiprokasei Kaisha Ltd 電子輸送性積層膜またはホール輸送性積層膜、それを用いたエレクトロクロミック素子および有機エレクトロルミネッセント素子
JP2005268449A (ja) * 2004-03-17 2005-09-29 Asahi Kasei Corp 縮合多環芳香族化合物薄膜の改質方法,縮合多環芳香族化合物薄膜,及び有機半導体素子

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JPH1195265A (ja) * 1997-09-17 1999-04-09 Chemiprokasei Kaisha Ltd 電子輸送性積層膜またはホール輸送性積層膜、それを用いたエレクトロクロミック素子および有機エレクトロルミネッセント素子
JP2005268449A (ja) * 2004-03-17 2005-09-29 Asahi Kasei Corp 縮合多環芳香族化合物薄膜の改質方法,縮合多環芳香族化合物薄膜,及び有機半導体素子

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