JPH0825962B2 - 炭酸ジメチルの製造法 - Google Patents

炭酸ジメチルの製造法

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JPH0825962B2
JPH0825962B2 JP26995191A JP26995191A JPH0825962B2 JP H0825962 B2 JPH0825962 B2 JP H0825962B2 JP 26995191 A JP26995191 A JP 26995191A JP 26995191 A JP26995191 A JP 26995191A JP H0825962 B2 JPH0825962 B2 JP H0825962B2
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dimethyl carbonate
dimethyl
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圭吾 西平
秀二 田中
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、炭酸ジメチルの製造
法に関する。より詳しくは、一酸化炭素と亜硝酸メチル
との気相反応により炭酸ジメチルを合成する方法におい
て、反応器から出る炭酸ジメチルを含むガスから、炭酸
ジメチルを効率的かつ連続的に分離する方法に関する。
炭酸ジメチルは、医薬、農薬等の有機合成原料として、
また、ポリカーボネートやウレタン製造のための原料と
して非常に有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】一般的な技術として、混合ガスから目的
成分を分離する方法には、本発明の場合のように目的成
分が高沸点成分である時、溶媒による吸収法、冷却によ
る凝縮法、吸着剤を使用する方法およびこれらの組合せ
などが挙げられる。そのほかにも、膜分離などの特殊な
方法もあるが、本発明のように大量生産で安価に製造す
べき化合物である炭酸ジメチルを工業装置で製造する際
には、工業装置上で簡易でありエネルギー的にも有利
で、かつ経済性に優れたものでなければならない必要が
ある。
【0003】特開平3−141243号で示される反応
で得られる混合ガスは、窒素を主体として、炭酸ジメチ
ルのほかに、一酸化炭素、亜硝酸メチル、一酸化窒素、
メタノールおよび少量のシュウ酸ジメチルが含まれる。
この混合ガスより炭酸ジメチル、シュウ酸ジメチルを分
離するために上記方法を適用することになるが、この系
で最も一般的にはメタノールによる吸収分離が考えられ
る。実際、この方法でもある程度の分離効率を得ること
は可能である。しかしながら、分離効率を工業的に十分
なレベルまで高めるには、かなり低温で冷却したり、高
い段数を持つ塔を使用する必要があるなど装置上、不利
な面があったのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、一酸化
炭素と亜硝酸メチルの気相反応により得られる炭酸ジメ
チルを含む混合ガスから、炭酸ジメチルを分離する方法
として、最も経済的と思われる吸収分離を適用する場
合、一般的には吸収溶剤としてメタノールを使用するの
であるが、その場合、分離効率を工業的に十分なレベル
まで高めるには、かなり低温で冷却したり、高い段数を
持つ塔を必要としたり、あるいはかなりな高圧にしたり
する必要がある。
【0005】また、炭酸ジメチルは、蒸留分離する場
合、メタノールと共沸組成を形成すること、および最終
的にメタノールと分離する必要があることを考えれば、
エネルギー使用上からも反応ガス混合物から、分離した
形態としてメタノール濃度が低い方がよいことは明らか
である。混合ガス中の炭酸ジメチルをメタノールで吸収
分離することは、分離後の液からの精製を含めた全体と
して考えれば不適当なのである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、より有利
な分離方法を見出して前述した問題点を解決すべく鋭意
検討を行い、反応混合ガス中の炭酸ジメチルの吸収溶剤
としてシュウ酸ジメチルを使用する方法を見出し、本発
明に到達したのである。
【0007】本発明は、一酸化炭素と亜硝酸メチルとの
気相反応で炭酸ジメチルを合成する方法において、反応
器より生成する反応ガスから、炭酸ジメチルを主とする
高沸点反応生成物と未反応の一酸化炭素、亜硝酸メチル
並びに一酸化窒素を含むガスから炭酸ジメチルを分離す
る上で、炭酸ジメチルの吸収剤としてシュウ酸ジメチル
を添加して炭酸ジメチルを吸収分離することを特徴とす
る炭酸ジメチルの製造法に関する。反応で生成した炭酸
ジメチルを含む混合ガスをシュウ酸ジメチルと接触させ
ることにより、温和な条件下で、効率的に炭酸ジメチル
をシュウ酸ジメチルに吸収することによって、メタノー
ル濃度を低く抑えることができ、総合的に極めて経済的
な炭酸ジメチルを分離する工業的な製造方法を提供する
ものである。
【0008】次に、本発明の詳しい説明を以下に行う。
一酸化炭素と亜硝酸メチルの反応混合物から炭酸ジメチ
ルを分離する方法は、前述のように、分離した後、さら
にメタノールとの分離および蒸留精製を行う必要がある
ため、メタノールの処理を含めた総合的な観点から考え
なければならない。すなわち、炭酸ジメチルとメタノー
ルの混合物からメタノールを分離する方法については、
特願平3−57696号に見られるようにシュウ酸ジメ
チルを用いる抽出蒸留による方法や、特公昭56−17
333号で述べられる水を使用する方法、その他ベンゼ
ンや炭化水素を用いる方法、加圧による共沸を解消する
方法等があるが、いずれの方法を用いるにしても、当然
ながら持ち込まれるメタノール量は少ないほどエネルギ
ー的に有利である。従って、炭酸ジメチルの回収と同時
に分離した時のメタノール濃度を低く抑える工夫が必要
である。
【0009】一方、反応混合物から炭酸ジメチルを分離
するのにメタノールだけで吸収分離するためには、炭酸
ジメチルの回収率を上げるため非常に多量のメタノール
を必要とし、また、高い段数および冷却が必要である。
例えば、炭酸ジメチルの反応混合物からの回収率を98
%以上にしようと思えば、得られる炭酸ジメチルとメタ
ノールの混合物はそのメタノール濃度が50wt%以上
が必要である。
【0010】これに対し、本発明であるシュウ酸ジメチ
ルを吸収溶剤として使用すれば、炭酸ジメチルの回収率
99%以上で炭酸ジメチルに対するメタノールの割合を
20%以下にすることは極めて容易となる。また、シュ
ウ酸ジメチル自体は、次のメタノールとの分離および蒸
留精製工程を経て循環されるが、常に缶液側にありエネ
ルギー損失は非常に小さく、全体としてエネルギー的に
有利な方法である。反応混合物から炭酸ジメチルを分離
するのに使用される装置としては、通常の充填塔あるい
は棚段塔が用いられ、反応ガス組成、流量にもよるが、
理論段で5〜7段程度のものでよい。
【0011】操作条件としては、反応ガスを吸収塔下段
へ、シュウ酸ジメチルをトップから2〜3段目へ、トッ
プにシュウ酸ジメチルのガスへの同伴によるロスを防ぐ
ため小量のメタノールをフィードする。シュウ酸ジメチ
ルの流量としては、操作温度、操作圧力により、また炭
酸ジメチルの目標回収率にもよるが、反応ガス中の炭酸
ジメチルの量に対して3重量倍以上が好ましく、さらに
好ましくは4重量倍以上である。ただし、3重量倍程度
で回収率98%以上、4重量倍では99%以上の回収率
が得られ、あまり多くしても効果的でなくなり、逆に、
ガス中へのシュウ酸ジメチルのロスが増えてくるため4
〜6重量倍が特に好ましい。
【0012】また、メタノールの流量としては、少ない
方が好ましいが、あまり少ないと炭酸ジメチルの回収率
が下がってくること、およびシュウ酸ジメチルの分離ガ
ス中への同伴によるロスが大きくなるため、反応ガス中
の炭酸ジメチルの量に対して5〜30wt%が好まし
く、さらに好ましくは10〜20wt%である。
【0013】塔の操作温度は、炭酸ジメチルの回収率に
与える影響が大きく、温度が低い方が好ましいが、上記
条件での操作では、塔上部のみ循環冷却し、塔トップ温
度で0〜50℃の範囲、好ましくは10〜30℃に若干
冷却すればよい。また、圧力に関しては、シュウ酸ジメ
チルの抽出効果から見れば特に限定されるものではない
が、装置上反応器から一連のものであるため、反応圧力
に近いことが好ましく、特開平3−141243号に述
べられているように好適には1〜5kg/cmG程度
の加圧で操作し、好ましくは1〜3kg/cmG程度
の加圧で操作することが好ましい。
【0014】
【実施例】次に、実施例を挙げてさらに具体的に説明す
るが、これは一つの実施例でありもちろん本発明はこれ
に限定されるものではない。 実施例1 内径32mm、棚数10段のオールダーショーでボトム
に1lのフラスコを取付け、ボトムフラスコにあらかじ
めシュウ酸ジメチルを加熱溶解して仕込んだ。フラスコ
上部のノズルから反応ガスを1400Nl/Hの速度で
フィードし、塔上部から4段目にシュウ酸ジメチルの加
熱溶解液を400g/Hで連続的にフィードした。ま
た、塔頂部よりメタノールを15g/Hの割合でフィー
ドし、上部からの3段目より液を抜き出して、クーラー
を通して塔頂部に循環して塔頂部の温度を20℃になる
ように冷却した。
【0015】炭酸ジメチルを含有する反応ガスは、特開
平3−141243号で示されるような一酸化炭素と亜
硝酸メチルを固定触媒床を通して得られたもので、温度
105℃でその組成は、炭酸ジメチル1.75容量%、
メタノール4.00容量%、シュウ酸ジメチル0.13
容量%、亜硝酸メチル11.32容量%、一酸化炭素1
1.74容量%、一酸化窒素7.60容量%、ギ酸メチ
ル0.10容量%、二酸化炭素0.50容量%、窒素6
3.00容量%であった。
【0016】ボトムフラスコの液面が一定になるよう液
を抜き出し(524g/H)、塔内およびボトムが定常
状態になるまでこの操作を続けた。定常状態になったと
ころで、塔頂部より出るガスおよびボトム液をサンプリ
ングしガスクロマトグラフで分析したところ、塔頂から
のガス中の炭酸ジメチルは0.01容量%、シュウ酸ジ
メチル0.00容量%、ボトム液中の炭酸ジメチル1
8.70重量%、メタノール3.17重量%、シュウ酸
ジメチル78.05重量%であった。炭酸ジメチル回収
率99.5%、抜き出し液の炭酸ジメチルに対するメタ
ノールの割合は0.17(重量比)であった。
【0017】実施例2 シュウ酸ジメチルのフィードを300g/Hとしたほか
は実施例1と同様に実験を行った。その結果、炭酸ジメ
チルの回収率98.4%、抜き出し液の炭酸ジメチルに
対するメタノールの割合は0.17(重量比)であっ
た。
【0018】実施例3 メタノールのフィード量を5g/Hとしたほかは実施例
1と同様に実験を行った。その結果、炭酸ジメチルの回
収率98.0%、抜き出し液の炭酸ジメチルに対するメ
タノールの割合は0.06(重量比)であった。
【0019】比較例1 実施例1で用いた装置で冷却のための液循環をボトム液
と上から9段目より抜き出して7段目へ循環するように
変更し、同様に反応ガスを連続フィードした。塔頂よ
り、メタノール100g/Hをフィードし、塔温度はボ
トム20℃、9段目零℃になるようそれぞれ冷却した。
その結果、炭酸ジメチルの回収率は98.2%、抜き出
し液の炭酸ジメチルに対するメタノールの割合は1.0
2(重量比)であった。
【0020】比較例2 メタノールのフィード量を24g/Hにしたほかは比較
例1と同様に実験を行った。その結果、炭酸ジメチルの
回収率95.6%で、抜き出し液の炭酸ジメチルに対す
るメタノールの割合は0.24(重量比)であった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一酸化炭素と亜硝酸メチルとの気相反応で
    炭酸ジメチルを合成する方法において、反応器より生成
    する反応ガスから、炭酸ジメチルを主とする高沸点反応
    生成物と未反応の一酸化炭素、亜硝酸メチル並びに一酸
    化窒素を含むガスから炭酸ジメチルを分離する上で、炭
    素ジメチルの吸収剤としてシュウ酸ジメチルを添加して
    炭酸ジメチルを吸収分離することを特徴とする炭酸ジメ
    チルの製造法。
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