JPH08258663A - エアバッグ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インフレータの組付けが容易なエアバッグ装
置を提供することを目的とする。 【構成】 断面が略Ｕ字状のエアバッグケース１の対向
する側壁の一方の側壁４にインフレータ２を挿入する挿
入孔５を形成し、他方の側壁６には非円形の嵌合孔７を
形成する。インフレータ２の一側端部に、エアバッグケ
ース１の非円形の嵌合孔７に挿通可能な頭部１２ｂを有
する取付けピン１２の軸部１２ｂを取付ける。挿入孔５
にインフレータ２を挿入すると共に、取付けピン１２を
嵌合孔７に挿通して、取付けピン１２の頭部１２ｂが嵌
合孔７を通過した後、インフレータ２を所定角度回転さ
せ、インフレータ２をエアバッグケース１に取付ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は自動車等の乗員保護用の
エアバッグ装置に関し、特にインフレータの取付けが容
易なエアバッグ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、自動車等の衝突の際に乗員を
保護するためにエアバッグ装置が提案されている。この
種のエアバッグ装置は、断面が略Ｕ字状で上方に開口す
るエアバッグケース内に、筒状のインフレータを取付け
てなり、エアバッグケースの開口端に取付けた可撓性の
エアバッグを、インフレータから供給される気体によっ
て膨脹させるようになっている。また、インフレータの
エアバッグケースへの取付けは、エアバッグケースの対
向する側壁の一方に挿入孔を設けてインフレータを挿入
する一方、このケースの他方の側壁に貫通孔を設け、こ
の貫通孔に、インフレータの一側端部に植設したスタッ
ドボルトを貫通させ、このスタッドボルトに取付けるナ
ットで締付け固定するようになっている。なお、類似の
技術は実開平６−１８１１１号公報に示されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】斯かる従来例にあって
は、エアバッグケースの側壁に設けた貫通孔に、インフ
レータの一側端部に植設したスタッドボルトを貫通さ
せ、このスタッドボルトに取付けるナットで、インフレ
−タをエアバッグケースに取付けるようになっている。
したがって、取付けのためのナットを必要として、部品
管理の煩雑さを招来することはもとより、取付け作業が
面倒で工数が嵩む虞がある。

【０００４】本発明は斯かる従来の実情に鑑みて案出さ
れたもので、インフレータの組付けが容易なエアバッグ
装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】そこで本発明は、とりわ
け、エアバッグケースの対向する側壁の一方にインフレ
ータを挿入する挿入孔を形成し、他方の側壁には非円形
の嵌合孔を形成する一方、インフレータの一側端部に、
前記エアバッグケースの非円形の嵌合孔に挿通可能な頭
部を有する取付けピンの軸部を取付け、前記挿入孔にイ
ンフレータを挿入すると共に、取付けピンを嵌合孔に挿
通して、該取付けピンの頭部が嵌合孔を通過した後、イ
ンフレータを所定角度回転させることにより、インフレ
ータをエアバッグケースに取付けるようにしてある。ま
た、前記嵌合孔を形成した側壁には、取付けピンに接触
係合する係止凸部を設けてある。

【０００６】

【作用】エアバッグケースの一方の側壁に形成した挿入
孔にインフレータを挿入すると共に、インフレータの取
付けピンを嵌合孔に挿通する。この取付けピンの頭部が
嵌合孔を通過した後、インフレータを所定角度回転させ
ることにより、取付けピンは嵌合孔に対して抜け止めさ
れ、インフレータがエアバッグケースに取付けらる。ま
た、前記嵌合孔近傍の側壁に形成した係止凸部が、取付
けピンに接触係合して、インフレータのより強固な取付
けを成就する。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述
する。

【０００８】図１は、本発明の一実施例を示すエアバッ
グ装置の断面図である。図において１はエアバッグケー
ス、２はインフレータ、３は可撓製材料からなるエアバ
ッグである。前記エアバッグケース１は鋼板材料からな
り、両端閉止の円筒を軸方向に二分割して得られるよう
な、断面が略Ｕ字状の半円筒形で、上方に開口し、下側
内部にインフレータ２が取付けられている。このエアバ
ッグケース１の対向する側壁の一方の側壁４には、イン
フレータ２の外形寸法よりも僅かに大きい内径寸法をも
って、このインフレータ２を挿入可能な円形の挿入孔５
を形成し、他方の側壁６には非円形の嵌合孔７を形成し
てある。この非円形の嵌合孔７は、この実施例において
図２に示すように、円形孔８に連通して向い合う一対の
スロット９を形成した構成にしてある。また、嵌合孔７
の近傍には、後述する取付けピンに接触係合する係止凸
部１０を設けてある。この係止凸部１０は図３に最もよ
く示されるように、スロット９の軸線方向に対して略９
０°偏倚して、嵌合孔７に対して対称位置の２箇所に、
側壁６の一部を膨出させて形成してある。また、この係
止凸部１０は、側壁６に対して傾斜した面１１を備えて
いる。

【０００９】１２は前記筒状のインフレータ２の一側端
部に植設された取付けピンで、この取付けピン１２は、
インフレータ２に取付けられる軸部１２ａと頭部１２ｂ
を有し、頭部１２ｂの形状は、前記エアバッグケース１
の嵌合孔７に挿通可能なように、この嵌合孔７と略相似
形状に形成してある。即ち、非円形の嵌合孔７を構成す
る円形孔８に嵌り合う円筒部１３の外周から、嵌合孔７
の一対のスロット９に嵌り合う突起１４を半径方向外方
に突出させた形状にしてある。この取付けピン１２の軸
部１２ａの長さ（インフレータ２の一側端面から取付け
ピン１２の突起１４までの長さ）Ｌは、エアバッグケー
ス１の側壁６の厚さ寸法ｔよりも大きくしあり、また、
突起１４の突出方向は、インフレータ２の主要なガス吐
出孔２ａの開口方向に対して略９０°偏倚している。

【００１０】１５はミッドリテーナで、このミッドリテ
ーナ１５は、複数の貫通孔１６を有し、インフレータ２
よりも上側でエアバッグケース１に取付けられ、インフ
レータ２からの熱の遮蔽を図ると共に、エアバッグケー
ス１の剛性を高める。

【００１１】１７は、前記エアバッグケース１の開口側
形状に整合する矩形環状のアッパーリテーナで、このア
ッパーリテーナ１７は、矩形環状の胴部に複数の貫通孔
１８を形成してなり、エアバッグケース１の開口端にリ
ベット１９によって取付け固定される。このアッパーリ
テーナ１７の内部には、エアバッグケース１の開口形状
に整合するように下方に矩形状に開口して、インフレー
タ２から供給されるガスによって略球形状に膨らむエア
バッグ３が折り畳んで収容してある。

【００１２】２０はアッパーリテーナ１７の上部開口を
覆う蓋部材である。２１は前記エアバッグケース１の一
方の側壁４寄りに取付けられたウエルドナット２２に螺
合するボルトで、インフレータ２の固定の役に供する。
なお、２３はインフレータ２のハーネスである。

【００１３】次に、かかる構成のエアバッグ装置の組立
て方法について説明する。

【００１４】先ず、前記エアバッグケース１の挿入孔５
にインフレータ２を挿入すると共に、取付けピン１２を
嵌合孔７に挿通する。取付けピン１２長さＬはエアバッ
グケース１の側壁６の厚さ寸法ｔよりも大きくしてある
から、取付けピン１２の頭部１２ｂは嵌合孔７を通過し
てエアバッグケース１の外側に位置することになる。取
付けピン１２の頭部１２ｂが嵌合孔７を通過した後、イ
ンフレータ２を所定角度回転させる。これにより、取付
けピン１２は嵌合孔７に対して抜け止め固定され、イン
フレータ２がエアバッグケース１に取付けられる。更
に、インフレータ２を、頭部１２の突起１４が係止凸部
１０の傾斜した面１１に沿って移動するように回転させ
る。ここで、前記係止凸部１０の高さを、前記取付けピ
ン１２の軸部１２ａの長さＬから、エアバッグケース１
の側壁６の厚さ寸法ｔを減じた寸法よりも大きくしてお
くことにより、頭部１２の突起１４が係合凸部１０に摩
擦係合して、インフレータ２の軸方向移動及び回動が規
制され、より強固に、インフレータ２がエアバッグケー
ス１に取付けられる。その後、ボルト２１をウエルドナ
ット２２に螺合してその先端でインフレ−タ２の胴部を
押し、インフレータ２の胴部を挿入孔５の一側内周面に
押し付けることによって、インフレータ２の固定を更に
強固なものとする。

【００１５】次に、エアバッグケース１に、複数の貫通
孔１６にエアバッグ３の開口が望むミッドリテーナ１５
を取付け、更にアッパーリテーナ１７を取付ける。次
に、アッパーリテーナ１７の上端部に蓋部材２０を取付
ける。

【００１６】したがって、インフレータ２の取付けピン
１２を嵌合孔７に挿通し、インフレータ２を所定角度回
転させることにより、取付けピン１２は嵌合孔７に対し
て抜け止めされ、インフレータ２がエアバッグケース１
に取付けらる。また、前記嵌合孔７近傍の側壁６に形成
した係止凸部１０が、取付けピン１２に接触係合して、
インフレータ２のより強固な取付けを成就する。

【００１７】これにより、インフレータ２を取付けるた
めの格別の部品を不要にして、インフレータ２を容易に
取付けることができる。また、係止凸部１０の形成位置
及び取付けピン１２の突起１４の方向が、インフレータ
２のガス吐出孔２ａに対して略９０°偏倚していること
により、インフレータ２の取付けが完了すると同時にイ
ンフレータ２のガス吐出孔２ａがエアバッグ３に対して
正しく位置決めされることになり、ガス吐出孔２ａの位
置合わせに格別意を払う必要なしに、容易に取付けるこ
とができる。

【００１８】図４は本発明の別の実施例を示す図面で、
この実施例は一対の係止凸部１０Ａを、スロット９の軸
線に対して略対称位置の２箇所に形成してある。この係
止凸部１０Ａは側壁６の一部を半球状に膨出させてあ
り、その間隔Ｄはスロット９の幅寸法Ｗと略同一に形成
してある。この実施例によれば、取付けピン１２の頭部
１２ａが嵌合孔７を通過した後、インフレ−タ２を回転
させて取付けピン１２の突起１４を係止凸部１０Ａの間
隔Ｄ内に位置させる。これにより、インフレータ２がエ
アバッグケース１に取付けられる。なお、インフレータ
２の回転方向を考慮して、一対の係止凸部１０Ａの膨出
高さを選択することは任意である。

【００１９】斯く構成しても前記実施例と同様の効果が
得られる。

【００２０】また、インフレータ２の側壁６に形成する
非円形の嵌合孔の形状は、図５に示すような、取付けピ
ン頭部の通過を許容及び阻止し得る各種の形状が選択可
能である。この場合に、取付けピンの頭部の形状は嵌合
孔の形状に整合する形状が採用されることは言うまでも
ない。なお、図５（Ａ）に示す、円形孔８に連通して向
い合う二対のスロット９Ａを形成した構成の嵌合孔７Ａ
には、一対の突起１４を有する前記実施例の取付けピン
１２が適用可能である。また、図５（Ｂ）に示す、円形
孔８に連通する放射方向に３本のスロット９Ｂを形成し
た構成の嵌合孔７Ｂには、前記実施例の一対の突起１４
の一方を切除した構造の頭部を持つ取付けピンの採用が
可能である。

【００２１】組立てられたエアバッグ装置は、エアバッ
グケース１に付属する図外のブラケットを介して車体に
取付けられる。この取付けは、自動車等の衝突の際に乗
員を安全に保護するための最適位置が選択される。即
ち、エアバッグ３が絶対的な上方向に膨らむように取付
けるか、車両の後方側に膨らむように取付けるかが選択
される。したがって、前記実施例で説明した上下関係は
図示説明の理解を容易にするために相対位置関係を表現
すべく用いたものであり、仍って、本発明における上下
関係は絶対的な上下関係の他、前後関係も含むものとし
て理解されなければならない。

【００２２】以上、実施例を図面に基づいて説明した
が、具体的構成はこの実施例に限られるものではなく、
発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。例え
ば、ボルト２１をウエルドナット２２に螺合したボルト
２１の先端でインフレ−タ２の胴部を押し、インフレー
タ２の胴部を挿入孔５の一側内周面に押し付けるように
した実施例について述べたが、このボルト２１は廃止し
てもよい。また、嵌合孔は、円形孔に連通する放射方向
のスロットを有する実施例について述べたが、これに限
ることなく楕円状の孔等各種非円形孔が適用できる。更
に、助手席用のエアバッグ装置について説明したが、運
転席用エアバッグ装置にも採用可能である。

【００２３】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、断面が略Ｕ字状で上方へ開口するエアバッグケー
ス内に、筒状のインフレータを取付けてなるエアバッグ
装置において、前記エアバッグケースの対向する側壁の
一方にインフレータを挿入する挿入孔を形成し、他方の
側壁には非円形の嵌合孔を形成する一方、前記インフレ
ータの一側端部に、前記エアバッグケースの非円形の嵌
合孔に挿通可能な頭部を有する取付けピンの軸部を取付
け、前記挿入孔にインフレータを挿入すると共に、取付
けピンを嵌合孔に挿通して、取付けピンの頭部が嵌合孔
を通過した後、インフレータを所定角度回転させ、イン
フレータをエアバッグケースに取付けるようにしたこと
により、インフレータを取付けるための格別の部品を不
要にして、容易に取付けることができる。

【００２４】また、前記嵌合孔を形成した側壁に、取付
けピンに接触係合する係止凸部を設けたことにより、イ
ンフレータのガス吐出孔に対する係止凸部の形成位置及
び取付けピンの取付け位置を適宜選択しておくことによ
り、インフレータの取付けが完了すると同時にインフレ
ータのガス吐出孔がエアバッグに対して正しく位置決め
され、ガス吐出孔の位置合わせに格別意を払う必要なし
に、容易に取付け可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すエアバッグ装置の断面
図である。

【図２】同じく、エアバッグ装置の要部を分解して示す
斜視図である。

【図３】同じく、嵌合孔及び係止凸部を、エアバッグケ
ースの側面図（Ａ）、及び（Ａ）のＢ−Ｂ線断面図
（Ｂ）によって示す説明図である。

【図４】本発明の別の実施例を示す図面で、エアバッグ
ケースの側面図である。

【図５】同じく、嵌合孔の形状を、４本のスロットの例
（Ａ）、３本のスロットの例（Ｂ）で示す説明図であ
る。

【符号の説明】

１ エアバッグケース ２ インフレータ ４ 一方の側壁 ５ 挿入孔 ６ 他方の側壁 ７，７Ａ，７Ｂ 嵌合孔 １０，１０Ａ 係止凸部 １２ 取付けピン １２ａ 軸部 １２ｂ 頭部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 断面が略Ｕ字状で上方へ開口するエアバ
   ッグケース内に、筒状のインフレータを取付けてなるエ
   アバッグ装置において、前記エアバッグケースの対向す
   る側壁の一方にインフレータを挿入する挿入孔を形成
   し、他方の側壁には非円形の嵌合孔を形成する一方、前
   記インフレータの一側端部に、前記エアバッグケースの
   非円形の嵌合孔に挿通可能な頭部を有する取付けピンの
   軸部を取付け、前記挿入孔にインフレータを挿入すると
   共に、取付けピンを嵌合孔に挿通して、該取付けピンの
   頭部が嵌合孔を通過した後、インフレータを所定角度回
   転させることにより、インフレータをエアバッグケース
   に取付けるようにしたことを特徴とするエアバッグ装
   置。
2. 【請求項２】 前記嵌合孔を形成した側壁には、取付け
   ピンに接触係合する係止凸部を設けてなることを特徴と
   する、請求項１記載のエアバッグ装置。