JPH08258144A - 高強度インフレーションフイルムの製造方法 - Google Patents

高強度インフレーションフイルムの製造方法

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JPH08258144A
JPH08258144A JP8619395A JP8619395A JPH08258144A JP H08258144 A JPH08258144 A JP H08258144A JP 8619395 A JP8619395 A JP 8619395A JP 8619395 A JP8619395 A JP 8619395A JP H08258144 A JPH08258144 A JP H08258144A
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JP
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diameter
roll
film
take
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JP8619395A
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Hidenori Hirose
英典 廣瀬
Kazuhiko Kagawa
和彦 香川
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】従来のインフレーションプロセスに簡単な機能
を付加した高強度インフレーションフイルムの製造方法
を提供する。 【構成】口径がΦ1 の円形スリットを有する環状ダイと
引取ロールとの間にピンチロールが配置されたプロセス
を使用し、環状ダイとピンチロールとの間に於いて、熱
可塑性樹脂の溶融環状体を膨張させてその直径(Φ2
がΦ1 より大きい第1バブルを形成すると共に当該第1
バブルを冷却リングからの冷却媒体によって冷却固化す
るインフレーションフイルムの製造であって、冷却固化
によってバブルに形成されるフロストライン以降の位置
に中間引取ロールと加熱リングとを順次に配置し、上記
の中間引取ロールにより、中間引取速度を最終の引取速
度未満に調整し、そして、上記の加熱リングにより、特
定の条件を満足する様に第1バブルを加熱して再膨張さ
せてその直径(Φ3 )がΦ2 より大きい第2バブルを形
成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高強度インフレーショ
ンフイルムの製造方法に関するものであり、詳しくは、
従来のインフレーションプロセスに簡単な機能を付加し
た高強度インフレーションフイルムの製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、インフレーション成形法は、
ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂フイルムの製造に広く
応用されている。斯かるインフレーション成形法は、円
形スリットを有する環状ダイと引取ロールとの間にピン
チロールが配置されたプロセスを使用し、環状ダイとピ
ンチロールとの間に於いて、円形スリットから押出され
た熱可塑性樹脂の溶融環状体を内部に封入された加圧気
体により膨張させてバブルを形成すると共に当該バブル
を冷却リングからの冷却媒体によって冷却固化する方法
である。
【0003】インフレーション成形法に於いては次の様
な原理により同時2軸延伸が行われる。すなわち、溶融
環状体は、ピンチロールの作用によって内部に閉じ込め
られた封入加圧気体により通常1〜5倍に膨張し、その
時点でフイルムの抗張力と内圧とがバランスして安定し
た状態のバブルを形成する。そして、斯かる膨張過程に
於いて、延伸配向によるフイルムの結晶化が進行する。
同時に溶融環状体は、引取ロールによって引張られなが
ら膨張させられるため、引取方向(縦方向)及びこれに
直角な方向(横方向)の2軸に延伸される。
【0004】上記の延伸処理による分子配向は、冷却固
化前の溶融状態の部分でしか起こらない。すなわち、フ
イルム温度が樹脂の軟化温度以下に低下し、非晶状態中
に微結晶が生じて乳白色の環状の帯(フロストライン)
が形成された以降は、通常のインフレーションフイルム
成形に一般的なバブル内圧ではバブルの膨脹による伸張
歪みは発生不可能であって分子配向は起こらない。
【0005】結局のところ、従来のインフレーション成
形に於ける分子配向は、フロストライン以前の溶融状態
の部分のバブル膨脹による伸張歪みに基づく分子配のみ
であり、融解開始温度未満でのいわゆる固相延伸の様な
大きな分子配向に基づく製品フイルムの強度向上効果
は、後述の比較例に示す様に期待出来ない。従って、従
来のインフレーション成形法は、製品フイルムの強度向
上に大きい効果を発揮するための分子配向が小さく、成
形加工条件の最適化によっても到達可能なフイルム強度
の上限が低い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その目的は、従来のインフレ
ーションプロセスに簡単な機能を付加した高強度インフ
レーションフイルムの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、フロストライン以降のバブルを融解開始温度未
満の適正温度に再加熱するならば、通常のインフレーシ
ョンフイルム成形工程に於ける内圧によってバブルを再
膨脹せしめることが可能であり、その結果、いわゆる固
相延伸効果により小さなバブル膨脹率で製品フイルムの
分子配向を大きく増大することが可能であるとの知見を
得た。しかも、フロストライン以降であって上記の再加
熱前において、中間引取速度を最終引取速度未満に速度
調整するならば、上記の固相延伸効果が一層高められる
との知見を得た。
【0008】本発明は、上記の知見に基づき完成された
ものであり、その要旨は、口径がΦ1 の円形スリットを
有する環状ダイと引取ロールとの間にピンチロールが配
置されたプロセスを使用し、環状ダイとピンチロールと
の間に於いて、円形スリットから押出された熱可塑性樹
脂の溶融環状体を内部に封入された加圧気体により膨張
させてその直径(Φ2 )がΦ1 より大きい第1バブルを
形成すると共に当該第1バブルを冷却リングからの冷却
媒体によって冷却固化するインフレーションフイルムの
製造であって、冷却固化によってバブルに形成されるフ
ロストライン以降の位置に中間引取ロールと加熱リング
とを順次に配置し、上記の中間引取ロールにより、中間
引取速度を最終引取速度未満に調整し、そして、上記の
加熱リングにより、下記の式(1)及び(2)を満足す
る様に第1バブルを加熱して再膨張させてその直径(Φ
3 )がΦ2 より大きい第2バブルを形成させることを特
徴とする高強度インフレーションフイルムの製造方法に
存する。
【数2】T≦T1 ・・・(1) P×Φ2 /2t>σT ・・・(2) (Tはバブルの温度(℃)、T1 はバブルの融解開始温
度(℃)、Pはバブル内の加圧気体の圧力(mmH
2 O)、Φ2 は第1バブルの直径(mm)、tは第1バ
ブルのフイルム厚さ(μm)、σT は加熱温度Tにおけ
るフイルムの延伸応力(MPa)を表す。)
【0009】以下、本発明を添付図面を参照して詳細に
説明する。図1は本発明に適用される成形装置の一例を
示す説明図であり、図2は、本発明に適用される他の成
形装置の要部の説明図である。
【0010】本発明に於いて、対象となる熱可塑性樹脂
としては、線状または分岐状低密度ポリエチレン、中密
度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン
等のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂などが代表的な樹脂として挙げられる。こ
れらの中では線状低密度ポリエチレン又は線状低密度ポ
リエチレンを50重量パーセント以上含むブレンド材料
が好ましい。
【0011】本発明の製造方法は、基本的には、従来の
インフレーションフイルムの製造方法と同一であり、口
径がΦ1 の円形スリットを有する環状ダイ(1)と引取
ロール(2)との間にピンチロール(3)が配置された
プロセスを使用し、環状ダイ(1)とピンチロール
(3)との間に於いて、円形スリットから押出された熱
可塑性樹脂の溶融環状体(4)を内部に封入された加圧
気体により膨張させてその直径(Φ2 )がΦ1 より大き
い第1バブル(5a)を形成すると共に当該第1バブル
を冷却リング(6)からの冷却媒体によって冷却固化す
る。なお、図中、符号(7)は溶融押出機、(8)は加
圧気体送入管、(9)は冷却固化によってバブルに形成
されるフロストラインを表す。
【0012】延伸条件としては、通常の公知の条件を採
用することが出来る。例えば、線状低密度ポリエチレン
樹脂を対象とする場合、樹脂の溶融温度(可塑化温度)
は通常170〜190℃の範囲、加圧気体の圧力(バブ
ル内圧)は通常10〜50mmH2 Oの範囲、第1バブ
ルの膨脹比またはブローアップレシオ(BURと略記す
る)(Φ2 /Φ1 )は通常1〜3の範囲とされる。ま
た、通常、加圧気体としては室温の空気が使用される。
【0013】冷却リング(6)は、その内周面から冷却
媒体を吹き出す構造を備えており、通常、冷却媒体とし
ては冷風が使用される。そして、冷却リング(6)から
の冷風の吹出し口の先端位置(6a)は、図1に示す様
にフロストライン(9)よりも低くすることも出来る
が、図2に示す様にフロストライン(9)より高くする
のが好ましい。なお、ここに、冷風の吹出し口の先端位
置(6a)とは、図1及び図2に示す様に、溶融環状体
(4)又は第1バブル(5a)と接触した冷風がそれら
の接触から離れて大気に放出される位置を言う。図2に
示す実施態様に於いては、第1バブルの周囲に冷却リン
グ(6)から伸びる適当な包囲(61)を設け、冷風の
吹出し口の先端位置(6a)をフロストライン(9)よ
りも高くしてある。
【0014】本発明の最大の特徴は、冷却固化によって
バブルに形成されるフロストライン(9)以降の位置に
中間引取ロール(21)と加熱リング(10)とを順次
に配置し、そして、上記の中間引取ロールにより、中間
引取速度を最終引取速度未満に調整し、上記の加熱リン
グにより、下記の式(1)及び(2)を満足する様に第
1バブル(5a)を加熱して再膨張させてその直径(Φ
3 )がΦ2 より大きい第2バブル(5b)を形成させる
点にある。
【数3】T≦T1 ・・・(1) P×Φ2 /2t>σT ・・・(2)
【0015】上記の式中、Tはバブルの温度(℃)、T
1 はバブルの融解開始温度(℃)、Pはバブル内の加圧
気体の圧力(mmH2 O)、Φ2 は第1バブルの直径
(mm)、tは第1バブル(5a)のフイルム厚さ(μ
m)、σT は加熱温度Tにおけるフイルムの延伸応力
(MPa)を表す。
【0016】上記の式(2)は、本発明者らによって求
められた実験式であり、加熱リング(10)で加熱する
フロストライン(9)以降の第1バブルの直径(Φ2
をその部分のフイルム厚さ(t)の2倍の値(2t)で
除した値(Φ2 /2t)にバブル内圧(P)を乗じた値
(P×Φ2 /2t)が延伸応力(σT )の値以上であれ
ば、換言すれば、式(2)を満足する様に加熱リング
(10)で第1バブル(5a)を加熱して延伸応力を低
下させるならば、第1バブル(5a)が再膨脹し、その
結果、式(1)で示す融解開始温度未満の温度に於いて
固相延伸効果の発現が可能であることを意味する。
【0017】そして、延伸応力(σT )は、前述の様
に、固相延伸効果を発現するフイルムの融解開始温度未
満の加熱温度Tに於ける当該フイルムの伸張に要する応
力を表し、従って、延伸応力(σT )の値は、融解開始
温度における延伸応力(σM )の値未満である。すなわ
ち、σT >σM の関係が成立する。
【0018】加熱リング(10)で加熱される第1バブ
ル(5a)の加熱温度(T)は、融解開始温度未満であ
れば特に制限されないが、安定生産の観点から、面融解
開始温度−(1〜10℃)の範囲が好ましく、融解開始
温度−5℃の温度が最適である。また、第1バブル(5
a)に対する第2バブル(5b)の直径比(Φ3
Φ2 )は1.1〜3.0の範囲が好ましい。なお、加熱
リング(10)としては、通常、その内周面から加熱媒
体を吹き出す構造を備えたものが採用され、通常、加熱
媒体としては熱風が使用される。
【0019】また、本発明において、上記の固相延伸効
果を一層高めるため、フロストライン以降であって上記
の再加熱前において、中間引取ロール(21)により、
中間引取速度を最終引取速度未満に調整するが、中間引
取速度としては、最終引取速度よりも、通常5〜30%
減速された速度、好ましくは5〜20%減速された速度
が採用される。
【0020】本発明によれば、バブルに形成されるフロ
ストライン(9)以降の位置に中間引取ロール(21)
と加熱リング(10)とを順次に配置すると言う極めて
簡単な手段を採用し、そして、中間引取速度を最終引取
速度未満に調整すると共に前記の式(1)及び(2)を
満足する様に第1バブル(5a)を加熱して再膨張させ
ることにより、従来のインフレーションフイルム成形に
於けるバブル内圧P(10〜50mmH2 O)の範囲に
於いてインフレーションフイルム成形中にバブルを再膨
脹させるが、その顕著な固相延伸効果により製品フイル
ム(11)の強度が著しく向上する。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例によって
更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない
限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、
インフレーションフイルム成形装置としては図1に示す
装置を使用した。但し、図2に示す様に冷却リング
(6)からの冷風吹き出し口がフロストライン(9)よ
りも高い位置に変更された装置も適宜使用した。環状ダ
イ(1)の円形スリットの口径Φ1 は75mm、ダイギ
ャップは3mm、溶融押出機(7)のスクリュー径は7
5mmである。また、原料樹脂として、線状低密度ポリ
エチレン(MFR:0.8g/10分、融解開始温度:
113℃)を使用した。
【0022】実施例1 図1に示すインフレーションフイルム成形装置を使用
し、原料樹脂を温度180℃に加熱して可塑化し環状ダ
イ(1)の円形スリットから溶融環状体(4)として押
出した。溶融環状体(4)は、加圧気体送入管(8)か
ら内部に送入され且つピンチロール(3)によって封入
された加圧空気により内圧30mmH2 Oに膨脹させら
れ第1バブル(5a)が形成された。第1バブル(5
a)は、フロストライン(9)よりも冷風吹き出し口が
低い位置にある冷却リング(6)によって冷却固化され
た。第1バブル(5a)の直径(Φ2 )は247mm、
厚さ(t)は30μmであった。
【0023】続いて、第1バブル(5a)は、フロスト
ライン(9)以降に配置された中間引取ロール(21)
を経て加熱リング(10)からの加熱空気によってフイ
ルム温度110℃に加熱され、バブル内圧Pの作用によ
って再度膨脹した。その結果、直径(Φ3 )が347m
mの第2バブル(5b)が形成された。中間引取ロール
(21)の速度は20m/分とした。第2バブル(5
b)は、ピンチロール(3)によって折り畳まれ、引き
取りロール(2)により24m/分の速度で引き取られ
た。得られた製品フイルム(11)の厚さは14μmで
あった。
【0024】上記の場合、第1バブル(5a)の直径
(Φ2 )に対する第2バブル(5b)の直径(Φ3 )の
比(BUR)、すなわち、横方向(TD)の固相延伸倍
率に対応する値は1.4倍である。また、第1バブル
(5a)(チューブ状フイルム)について、110℃に
於ける延伸応力σT を測定した結果、1.200MPa
であり、本実施例の「P×Φ2 /2t」の計算値は1.
236MPaであった。製品フイルム(11)の23℃
に於ける引張り強度を測定した結果、MDの値が44.
2MPa、TDの値が31.5MPaであった。
【0025】実施例2〜4及び比較例1及び2 実施例1に於いて、表1及び表2に示す通りに条件変更
を行った以外は、実施例1と同様にしてインフレーショ
ンフイルムの製造を試みた。結果を表1及び表2に示
す。なお、各表中の「冷風吹き出し口位置」に記載した
記号「A」は、図1に示す様に、冷却リングの冷風吹き
出し口がフロストラインよりも低い位置にあることを示
し、記号「B」は、図2に示す様に冷風吹き出し口がフ
ロストラインよりも高い位置に変更された以外は、図1
に示すと同様のインフレーションフイルム成形装置を使
用したことを意味する。
【0026】比較例1に於いては、第1バブルの加熱温
度が高すぎてバブルの均一な再膨脹が困難であった。比
較例2に於いては、延伸応力不足で再膨脹が出来なっ
た。
【0027】
【表1】 ──────────────────────────────────── 実 施 例 1 2 3 4 ハ゛フ゛ル 内圧(mmH2O) 30 32 33 34 冷風吹き出し口位置 A B B B 第1ハ゛フ゛ル直径Φ2(mm) 247 247 255 263 第1ハ゛フ゛ル厚さt (mμ) 30 30 30 30 中間引取ロール 速度(m/min.) 20 20 20 20 最終引取ロール 速度(m/min.) 24 24 24 24 第1ハ゛フ゛ル加熱温度T(℃) 110 110 110 110 第2ハ゛フ゛ル直径Φ3(mm) 347 371 408 447 製品フイルム厚さt (mμ) 14 13 11 10 Φ23(BUR) 1.4 1.5 1.6 1.7 σT (MPa) 1.200 1.200 1.200 1.200 P ×Φ2/2t(MPa) 1.236 1.320 1.403 1.488 MD(MPa) 44.2 55.7 61.3 67.0 TD(MPa) 31.5 39.0 42.3 49.8 成膜状態 良好 良好 良好 良好 ────────────────────────────────────
【0028】
【表2】
【0029】比較例3 実施例1に於いて、中間引取ロール(21)及び加熱リ
ング(10)を取り除いて従来形式のインフレーション
フイルム成形装置に変更し、バブル内圧Pを25mmH
2 O、バブル直径(Φ2 )を150mm、製品フイルム
(11)の厚さを28μmに変更した以外は、実施例1
と同様にインフレーションフイルムの製造を行った。こ
の場合、円形スリットの口径(Φ1 )に対するバブル直
径(Φ2)の比(BUR)は2である。得られた製品フ
イルム(11)の23℃に於ける引張り強度を測定した
結果、機械方向(MD)の値が30.1MPa、直角方
向(TD)の値が21.2MPaであった。
【0030】なお、比較例3に於いて、更に製品フイル
ム(11)の分子配向の向上を図るため、バブル内圧P
を30mmH2 Oに増大し、バブル直径(Φ2 )を22
5mm、BURを3に変更して厚さ24μm製品フイル
ム(11)を得た。得られた製品フイルム(11)の2
3℃に於ける引張りを強度を測定した結果、MD値が3
3.0MPa、TDの値が23.0MPaであった。以
上の結果から、フロストライン(9)以前の溶融状態で
のみ延伸処理を行う従来法では、製品フイルム(11)
の分子配向効果が極めて小さく、製品フイルムの強度向
上が期待出来ないことが分かる。
【0031】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、従来のイ
ンフレーションフイルム成形装置に中間引取ロールと加
熱リングを装着するのみの極めて低コストの設備改良投
資により、従来法に比較して強度が約2倍に向上したフ
イルムを製造することが可能である。また、フイルムの
強度向上効果により、従来法よりも製品フイルムの薄肉
化が可能となり、コストカットと省資源化の効果が大き
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に適用される成形装置の一例を示す説明
図である。
【図2】本発明に適用される他の成形装置の要部の説明
図である。
【符号の説明】
1:環状ダイ 2:引取ロール 21:中間引取ロール 3:ピンチロール 4:溶融環状体 5a:第1バブル 5b:第2バブル 6:冷却リング 7:溶融押出機 8:加圧気体送入管 9:フロストライン 10:加熱リング 11:製品フイルム

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 口径がΦ1 の円形スリットを有する環状
    ダイと引取ロールとの間にピンチロールが配置されたプ
    ロセスを使用し、環状ダイとピンチロールとの間に於い
    て、円形スリットから押出された熱可塑性樹脂の溶融環
    状体を内部に封入された加圧気体により膨張させてその
    直径(Φ2 )がΦ1 より大きい第1バブルを形成すると
    共に当該第1バブルを冷却リングからの冷却媒体によっ
    て冷却固化するインフレーションフイルムの製造であっ
    て、冷却固化によってバブルに形成されるフロストライ
    ン以降の位置に中間引取ロールと加熱リングとを順次に
    配置し、上記の中間引取ロールにより、中間引取速度を
    最終引取速度未満に調整し、そして、上記の加熱リング
    により、下記の式(1)及び(2)を満足する様に第1
    バブルを加熱して再膨張させてその直径(Φ3 )がΦ2
    より大きい第2バブルを形成させることを特徴とする高
    強度インフレーションフイルムの製造方法。 【数1】T≦T1 ・・・(1) P×Φ2 /2t>σT ・・・(2) (Tはバブルの温度(℃)、T1 はバブルの融解開始温
    度(℃)、Pはバブル内の加圧気体の圧力(mmH
    2 O)、Φ2 は第1バブルの直径(mm)、tは第1バ
    ブルのフイルム厚さ(μm)、σT は加熱温度Tにおけ
    るフイルムの延伸応力(MPa)を表す。)
  2. 【請求項2】 冷却媒体の吹出し口の先端がバブルのフ
    ロストラインより高い冷却リングを使用する請求項1に
    記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 第1バブルに対する第2バブルの直径比
    (Φ3 /Φ2 )が1.1〜3.0の範囲である請求項1
    又は2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂が線状低密度ポリエチレン
    又は線状低密度ポリエチレンを50重量パーセント以上
    含むブレンド材料である請求項1〜3の何れかに記載の
    製造方法。
JP8619395A 1995-03-17 1995-03-17 高強度インフレーションフイルムの製造方法 Withdrawn JPH08258144A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106827277A (zh) * 2017-04-07 2017-06-13 宜兴市光辉包装材料有限公司 静态混合器及pvc热收缩膜吹塑成型制备方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106827277A (zh) * 2017-04-07 2017-06-13 宜兴市光辉包装材料有限公司 静态混合器及pvc热收缩膜吹塑成型制备方法

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