JPH08258088A - 中空成形体成形用金型およびこれを用いる中空成形体の製造法 - Google Patents
中空成形体成形用金型およびこれを用いる中空成形体の製造法Info
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- JPH08258088A JPH08258088A JP6602595A JP6602595A JPH08258088A JP H08258088 A JPH08258088 A JP H08258088A JP 6602595 A JP6602595 A JP 6602595A JP 6602595 A JP6602595 A JP 6602595A JP H08258088 A JPH08258088 A JP H08258088A
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- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C45/00—Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
- B29C45/17—Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
- B29C45/1703—Introducing an auxiliary fluid into the mould
- B29C45/1704—Introducing an auxiliary fluid into the mould the fluid being introduced into the interior of the injected material which is still in a molten state, e.g. for producing hollow articles
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- Mechanical Engineering (AREA)
- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】部分的に厚肉部を形成せしめるように設計され
たキャビティを有する雌雄一対からなる金型のいずれか
一方の金型の、厚肉部の形成箇所に相当する金型位置
に、金型内のガス通路と連通してキャビティ内にガスを
注入するガス注入部材が設けられ、かつ該ガス注入部材
が設けられていると同一の金型キャビティ面の任意の位
置に保熱材が設けられていることを特徴とする中空成形
体成形用金型。 【効果】本発明の中空成形体成形用金型を使用すること
により、ガス注入部材の形式にかかわらず、確実にガス
が注入され、中空部のバラツキを生じることなく、安定
して成形体の厚肉部に中空部を形成せしめることができ
る。
たキャビティを有する雌雄一対からなる金型のいずれか
一方の金型の、厚肉部の形成箇所に相当する金型位置
に、金型内のガス通路と連通してキャビティ内にガスを
注入するガス注入部材が設けられ、かつ該ガス注入部材
が設けられていると同一の金型キャビティ面の任意の位
置に保熱材が設けられていることを特徴とする中空成形
体成形用金型。 【効果】本発明の中空成形体成形用金型を使用すること
により、ガス注入部材の形式にかかわらず、確実にガス
が注入され、中空部のバラツキを生じることなく、安定
して成形体の厚肉部に中空部を形成せしめることができ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、中空成形体成形用金型
およびこれを用いる中空成形体の製造法に関する。
およびこれを用いる中空成形体の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】部分的に厚肉部を有し、該厚肉部に中空
部を形成せしめた熱可塑性樹脂中空成形体はよく知られ
ており、従来、その製造法としては、可動式または固定
式のガス注入ピンを設けた金型を使用し、該ガス注入ピ
ンをキャビティ内に突出させた状態で圧縮空気や高圧ガ
スをキャビティ内に供給した溶融樹脂中に直接注入する
方法が知られている。
部を形成せしめた熱可塑性樹脂中空成形体はよく知られ
ており、従来、その製造法としては、可動式または固定
式のガス注入ピンを設けた金型を使用し、該ガス注入ピ
ンをキャビティ内に突出させた状態で圧縮空気や高圧ガ
スをキャビティ内に供給した溶融樹脂中に直接注入する
方法が知られている。
【0003】しかし、このような金型は、専用のガス注
入ピンが必要であり、金型の製造コストが高くなるとと
もに金型内に占めるガス注入機構のスペースも大きく、
金型設計における自由度が制約されるという問題があ
り、また、このような方法で製造した中空成形体には、
成形後のガス注入ピンを引き抜いた痕跡が残って外観不
良を生じるという問題があった。さらに、最も大きな問
題として、ガス注入ピンのガス吹き出し口のピン穴に樹
脂が詰まり易く、場合によってはガス注入そのものがで
きなくなったり、注入されるガス量が低下して不十分な
中空部分しか形成できないという問題があった。
入ピンが必要であり、金型の製造コストが高くなるとと
もに金型内に占めるガス注入機構のスペースも大きく、
金型設計における自由度が制約されるという問題があ
り、また、このような方法で製造した中空成形体には、
成形後のガス注入ピンを引き抜いた痕跡が残って外観不
良を生じるという問題があった。さらに、最も大きな問
題として、ガス注入ピンのガス吹き出し口のピン穴に樹
脂が詰まり易く、場合によってはガス注入そのものがで
きなくなったり、注入されるガス量が低下して不十分な
中空部分しか形成できないという問題があった。
【0004】一方、本発明者らはかかる問題を解決する
ものとして、ガス注入ピンなどを用いることなく、部分
的に厚肉部を形成せしめるように設計されたキャビティ
を有する雌雄一対からなる金型のいずれか一方の金型
の、厚肉部の形成箇所に相当する金型位置に、金型内の
ガス通路と連通してキャビティ内にガスを注入するガス
注入部材を、該ガス注入部材の先端部が金型のキャビテ
ィ内に突出することなく設けてなる中空成形体の成形用
金型を先に開発し(特願平7−44172号)、該金型
を使用することにより、スタンピング成形、射出成形、
射出圧縮成形などの各種の成形法において、上記欠点を
有することなく、所望の中空成形体が容易に得られるこ
とを見出した。
ものとして、ガス注入ピンなどを用いることなく、部分
的に厚肉部を形成せしめるように設計されたキャビティ
を有する雌雄一対からなる金型のいずれか一方の金型
の、厚肉部の形成箇所に相当する金型位置に、金型内の
ガス通路と連通してキャビティ内にガスを注入するガス
注入部材を、該ガス注入部材の先端部が金型のキャビテ
ィ内に突出することなく設けてなる中空成形体の成形用
金型を先に開発し(特願平7−44172号)、該金型
を使用することにより、スタンピング成形、射出成形、
射出圧縮成形などの各種の成形法において、上記欠点を
有することなく、所望の中空成形体が容易に得られるこ
とを見出した。
【0005】これらの方法は、いずれも金型キャビティ
内に供給された溶融樹脂の表面が固化してスキン層を形
成せしめないうちに、ガスを溶融樹脂中に注入するもの
であって、たとえば後者の金型を使用して射出圧縮成形
法により中空成形体を得る場合には、雌雄両金型が未閉
鎖の状態で溶融状熱可塑性樹脂をキャビティ面に供給
し、該樹脂の供給完了後型締、固化を行うとともに、溶
融状熱可塑性樹脂がキャビティ内で固化しない任意の時
点から該樹脂が固化するまでガス注入部材からガスをキ
ャビティ内に注入することにより、注入したガスを溶融
状の熱可塑性樹脂中に取り込み、このガスを樹脂内部に
抱え込んだまま樹脂を固化して、中空成形体を製造する
ものである。かかる成形方法による場合、供給された溶
融樹脂がキャビティ面で固化しないように金型温度を高
くすることが考えられるが、金型温度が高くなると型締
後の冷却に長時間を要して効率が悪くなるため、金型は
数十℃の比較的低い温度に保たれているのが通常であ
る。このため、金型内に供給された溶融状の熱可塑性樹
脂は金型キャビティ面で冷却されてその表面にスキン層
を形成し易く、キャビティ内に注入されたガスはこのス
キン層によりその進路を遮断されて溶融樹脂中に入り込
みにくくなり、中空部の形成が不十分になるという問題
があった。同様に、ガス注入ピンのようなガス注入部材
からガスを注入する場合も、ガス注入ピンのピン先に設
けたガス吹き出し口の微小径のピン穴に樹脂が詰まり、
溶融樹脂中にガスが入り込みにくくなって、中空部の形
成が不十分になったり、成形品の中空部の大きさにバラ
ツキが生じやすくなるという問題があった。
内に供給された溶融樹脂の表面が固化してスキン層を形
成せしめないうちに、ガスを溶融樹脂中に注入するもの
であって、たとえば後者の金型を使用して射出圧縮成形
法により中空成形体を得る場合には、雌雄両金型が未閉
鎖の状態で溶融状熱可塑性樹脂をキャビティ面に供給
し、該樹脂の供給完了後型締、固化を行うとともに、溶
融状熱可塑性樹脂がキャビティ内で固化しない任意の時
点から該樹脂が固化するまでガス注入部材からガスをキ
ャビティ内に注入することにより、注入したガスを溶融
状の熱可塑性樹脂中に取り込み、このガスを樹脂内部に
抱え込んだまま樹脂を固化して、中空成形体を製造する
ものである。かかる成形方法による場合、供給された溶
融樹脂がキャビティ面で固化しないように金型温度を高
くすることが考えられるが、金型温度が高くなると型締
後の冷却に長時間を要して効率が悪くなるため、金型は
数十℃の比較的低い温度に保たれているのが通常であ
る。このため、金型内に供給された溶融状の熱可塑性樹
脂は金型キャビティ面で冷却されてその表面にスキン層
を形成し易く、キャビティ内に注入されたガスはこのス
キン層によりその進路を遮断されて溶融樹脂中に入り込
みにくくなり、中空部の形成が不十分になるという問題
があった。同様に、ガス注入ピンのようなガス注入部材
からガスを注入する場合も、ガス注入ピンのピン先に設
けたガス吹き出し口の微小径のピン穴に樹脂が詰まり、
溶融樹脂中にガスが入り込みにくくなって、中空部の形
成が不十分になったり、成形品の中空部の大きさにバラ
ツキが生じやすくなるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このようなことから、
本発明者らはかかる問題を解決し、ガス注入部材がキャ
ビティ面より突出しているといないとにかかわらず、雌
雄一対からなる金型の内のいずれか一方の金型の、厚肉
部の形成箇所に相当する金型位置に、ガス注入部材が設
けられてなる金型を用いて、厚肉部に部分的に中空部を
形成せしめてなる中空成形体を製造するにあたり、確実
に注入されたガスが溶融樹脂中に入り易い金型を開発す
べく検討の結果、本発明に至った。
本発明者らはかかる問題を解決し、ガス注入部材がキャ
ビティ面より突出しているといないとにかかわらず、雌
雄一対からなる金型の内のいずれか一方の金型の、厚肉
部の形成箇所に相当する金型位置に、ガス注入部材が設
けられてなる金型を用いて、厚肉部に部分的に中空部を
形成せしめてなる中空成形体を製造するにあたり、確実
に注入されたガスが溶融樹脂中に入り易い金型を開発す
べく検討の結果、本発明に至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、部
分的に厚肉部を形成せしめるように設計されたキャビテ
ィを有する雌雄一対からなる金型のいずれか一方の金型
の、厚肉部の形成箇所に相当する金型位置に、金型内の
ガス通路と連通してキャビティ内にガスを注入するガス
注入部材が設けられ、かつ該ガス注入部材が設けられて
いると同一の金型キャビティ面の任意の位置に保熱材が
設けられていることを特徴とする中空成形体成形用金型
を提供するものである。
分的に厚肉部を形成せしめるように設計されたキャビテ
ィを有する雌雄一対からなる金型のいずれか一方の金型
の、厚肉部の形成箇所に相当する金型位置に、金型内の
ガス通路と連通してキャビティ内にガスを注入するガス
注入部材が設けられ、かつ該ガス注入部材が設けられて
いると同一の金型キャビティ面の任意の位置に保熱材が
設けられていることを特徴とする中空成形体成形用金型
を提供するものである。
【0008】以下、本発明を説明する。本発明の金型
は、部分的に厚肉部を形成せしめるように設計されたキ
ャビティを有する雌雄一対(1,2)からなり、その内
のいずれか一方の金型の、厚肉部の形成箇所に相当する
金型位置に、金型内のガス通路(4)と連通してキャビ
ティ内(5)にガスを注入するガス注入部材(3)が設
けられてなる金型において、ガス注入部材が設けられて
いると同一の金型キャビティ面の任意の位置に保熱材
(6)が設けられた構造からなるものである。図1およ
び図2は、かかる本発明の中空成形体の成形用金型の例
を金型断面で示したものであり、図3〜図6はガス注入
部材およびその近傍に保熱材が設けられている場合の部
分断面図である。
は、部分的に厚肉部を形成せしめるように設計されたキ
ャビティを有する雌雄一対(1,2)からなり、その内
のいずれか一方の金型の、厚肉部の形成箇所に相当する
金型位置に、金型内のガス通路(4)と連通してキャビ
ティ内(5)にガスを注入するガス注入部材(3)が設
けられてなる金型において、ガス注入部材が設けられて
いると同一の金型キャビティ面の任意の位置に保熱材
(6)が設けられた構造からなるものである。図1およ
び図2は、かかる本発明の中空成形体の成形用金型の例
を金型断面で示したものであり、図3〜図6はガス注入
部材およびその近傍に保熱材が設けられている場合の部
分断面図である。
【0009】本発明の金型において、ガス注入部材は、
その後端部が金型内のガス通路と連通し、その先端部が
金型のキャビティ内に突出することなく金型内に設けら
れてなるもの(3−1)(図3〜図5)であってもよい
し、その先端部がキャビティ内に突出し、後端部が金型
内のガス通路と連通してキャビティ面に固定されている
か、ガス供給時にはその先端がキャビティ内に突出する
ように金型の開閉方向に金型内で移動可能なピン方式
(図6)(3−2)であってもよいが、ガス注入部材が
ピン方式ではない前者のガス注入部材(3−1)である
場合に、本発明の効果をより享受することができる。
その後端部が金型内のガス通路と連通し、その先端部が
金型のキャビティ内に突出することなく金型内に設けら
れてなるもの(3−1)(図3〜図5)であってもよい
し、その先端部がキャビティ内に突出し、後端部が金型
内のガス通路と連通してキャビティ面に固定されている
か、ガス供給時にはその先端がキャビティ内に突出する
ように金型の開閉方向に金型内で移動可能なピン方式
(図6)(3−2)であってもよいが、ガス注入部材が
ピン方式ではない前者のガス注入部材(3−1)である
場合に、本発明の効果をより享受することができる。
【0010】ここで、その後端部が金型内のガス通路と
連通し、その先端部が金型のキャビティ内に突出するこ
となく金型内に設けられてなるガス注入部材(3−1)
とは、金型内のガス通路(4)と連通し、該通路から供
給されるガスをキャビティ内(5)に注入するための金
型のキャビティ面側に設けられる部材であって、該部材
の後端部は金型内でガス通路と接続され、その先端部は
キャビティ面から突出することなくキャビティ側に開放
されており、該部材中にはガス通路から供給されるガス
をキャビティ内に注入するための、ガス通路(4)とキ
ャビティ内(5)を連通するガス流路が存在することが
必要である。
連通し、その先端部が金型のキャビティ内に突出するこ
となく金型内に設けられてなるガス注入部材(3−1)
とは、金型内のガス通路(4)と連通し、該通路から供
給されるガスをキャビティ内(5)に注入するための金
型のキャビティ面側に設けられる部材であって、該部材
の後端部は金型内でガス通路と接続され、その先端部は
キャビティ面から突出することなくキャビティ側に開放
されており、該部材中にはガス通路から供給されるガス
をキャビティ内に注入するための、ガス通路(4)とキ
ャビティ内(5)を連通するガス流路が存在することが
必要である。
【0011】かかるガス注入部材(3−1)は、ガス通
路と接続する後端部から供給されたガスが先端部からキ
ャビティ内へ放出可能に、部材中をガスが通過しえる構
造であれば特に制限されず、例えば、焼結銅や焼結ステ
ンレスなどの焼結金属、焼結フッ素樹脂などの焼結樹
脂、発泡アルミ、ポーラスセラミックなどのように連続
する微小気泡を多数有し、該連続微小気泡がガス流路と
なる各種の多孔質基材からなっていてもよいし、丸ピン
や角ピン等の外周部及びまたは中央部にその先端部と後
端部を連通するガス流路を設けた成形基材であってもよ
く、このようなガス注入部材は、金属材料やセラミック
などの耐熱性に優れ、剛性の比較的大きい基材から成形
される。尚、後者の場合にガス流路とあるは、それが基
材の外周部に設けられている場合は結ぶ溝状であり、基
材の中央部に設けられている場合は導管状であって、か
かるガス流路の断面は円形、矩形、半円形、V字形、U
字形など任意の形状でよい。ガス注入部材からのキャビ
ティ内へのガスの注入は、該部材の先端部の多数の小孔
から分散させて行なうことが好ましく、ガス注入部材が
多孔質基材である場合には基材の持つ空隙部がかかる性
質を有しているためそのまま使用することができるが、
ガス注入部材が後者のガス流路を設けた成形部材である
場合には、溝状や導管状のガス通路を複数個設けること
が好ましい。いずれの基材からなる場合であっても、キ
ャビティ内に開放される各ガス流路の先端部の断面積も
しくは多孔質基材にあってはその孔断面積は、0.03
mm2以下であることが、成形時の溶融樹脂による目詰
まり防止の点で好ましい。特に、射出成形法による場合
には、キャビティ内の溶融樹脂に対する賦形圧力が高い
ため、その断面積はより小さいことが好ましい。また、
かかるガス注入部材は成形体の材質や金型の大きさによ
ってはガス通路の延長部であることもあり、この場合の
最も単純な例はガス通路がそのままキャビティ面に開口
している場合であって、この場合にはその先端部(開口
部)の大きさはガス通路と同じであってもよいし、異な
っていてもよいが、ガスを分散させるにはこれを熊手状
に複数の細管に分岐させておくことが好ましい。
路と接続する後端部から供給されたガスが先端部からキ
ャビティ内へ放出可能に、部材中をガスが通過しえる構
造であれば特に制限されず、例えば、焼結銅や焼結ステ
ンレスなどの焼結金属、焼結フッ素樹脂などの焼結樹
脂、発泡アルミ、ポーラスセラミックなどのように連続
する微小気泡を多数有し、該連続微小気泡がガス流路と
なる各種の多孔質基材からなっていてもよいし、丸ピン
や角ピン等の外周部及びまたは中央部にその先端部と後
端部を連通するガス流路を設けた成形基材であってもよ
く、このようなガス注入部材は、金属材料やセラミック
などの耐熱性に優れ、剛性の比較的大きい基材から成形
される。尚、後者の場合にガス流路とあるは、それが基
材の外周部に設けられている場合は結ぶ溝状であり、基
材の中央部に設けられている場合は導管状であって、か
かるガス流路の断面は円形、矩形、半円形、V字形、U
字形など任意の形状でよい。ガス注入部材からのキャビ
ティ内へのガスの注入は、該部材の先端部の多数の小孔
から分散させて行なうことが好ましく、ガス注入部材が
多孔質基材である場合には基材の持つ空隙部がかかる性
質を有しているためそのまま使用することができるが、
ガス注入部材が後者のガス流路を設けた成形部材である
場合には、溝状や導管状のガス通路を複数個設けること
が好ましい。いずれの基材からなる場合であっても、キ
ャビティ内に開放される各ガス流路の先端部の断面積も
しくは多孔質基材にあってはその孔断面積は、0.03
mm2以下であることが、成形時の溶融樹脂による目詰
まり防止の点で好ましい。特に、射出成形法による場合
には、キャビティ内の溶融樹脂に対する賦形圧力が高い
ため、その断面積はより小さいことが好ましい。また、
かかるガス注入部材は成形体の材質や金型の大きさによ
ってはガス通路の延長部であることもあり、この場合の
最も単純な例はガス通路がそのままキャビティ面に開口
している場合であって、この場合にはその先端部(開口
部)の大きさはガス通路と同じであってもよいし、異な
っていてもよいが、ガスを分散させるにはこれを熊手状
に複数の細管に分岐させておくことが好ましい。
【0012】ガス注入部材(3−1)の大きさは、部材
としての取扱に格別の支障のない限り特に制限はない
が、金型設計における制約を少なくするためにも、通常
は該部材の金型面と平行な断面積として2cm2 以下で
あり、高さもせいぜい30mm程度、好ましくは20m
m以下である。尚、ガス注入部材がガス通路の延長部で
あって、その先端部で熊手状に分岐している場合もその
広がりの程度はこれとほぼ同等である。かかるガス注入
部材は円筒状、角柱状などその形状は任意であるが、か
かるガス注入部材の金型への設置は、通常は金型内にそ
の下端でガス通路と連通する凹部を設け、該凹部に該部
材を嵌合することにより行われるが、供給されるガス圧
によって嵌合されたガス注入部材が凹部から浮き上がっ
たり、成形終了後の型開きの際に樹脂に固着、連動して
凹部から脱落したりすることのないように、凹部の開口
面積よりもガス注入部材の先端部の面積を若干大きくし
て収納するなど、十分に緊密に嵌合することが必要であ
る。
としての取扱に格別の支障のない限り特に制限はない
が、金型設計における制約を少なくするためにも、通常
は該部材の金型面と平行な断面積として2cm2 以下で
あり、高さもせいぜい30mm程度、好ましくは20m
m以下である。尚、ガス注入部材がガス通路の延長部で
あって、その先端部で熊手状に分岐している場合もその
広がりの程度はこれとほぼ同等である。かかるガス注入
部材は円筒状、角柱状などその形状は任意であるが、か
かるガス注入部材の金型への設置は、通常は金型内にそ
の下端でガス通路と連通する凹部を設け、該凹部に該部
材を嵌合することにより行われるが、供給されるガス圧
によって嵌合されたガス注入部材が凹部から浮き上がっ
たり、成形終了後の型開きの際に樹脂に固着、連動して
凹部から脱落したりすることのないように、凹部の開口
面積よりもガス注入部材の先端部の面積を若干大きくし
て収納するなど、十分に緊密に嵌合することが必要であ
る。
【0013】ガス注入部材(3−1)の金型への設置
は、通常は、ガス注入部材を配置すべき所定の金型位置
にその底部がガス通路と連通する凹部(9)を予め設
け、該部材の外周面と凹部の内壁面とで緊密に嵌合する
ことにより行われる。この際、ガス注入部材の先端部が
金型キャビティ面より突出することのないようにするこ
とが必要であり、通常はその先端部が金型キャビティ面
と同一平面となるように、ガス注入部材の高さと同じ深
さの凹部が設けられるが(図3)、場合によってはガス
注入部材の先端部が金型キャビティ面より下位になるよ
うに、ガス注入部材の高さより長い深さの凹部が設けら
れてもよい(図4)。しかしこのような場合でも、凹部
の深さはせいぜい30mmであり、金型キャビティ面と
凹部内のガス注入部材の先端部との間隔があまり広くな
らないようにすることが好ましい。このため、凹部を設
ける際には、ガス注入部材の形状に対応して該部材がそ
の外周面と凹部の内壁面とで緊密に嵌合でき、かつ凹部
の深さがガス注入部材の高さよりも短くならないように
注意する必要がある。尚、ガス注入部材が熊手状に分岐
したガス通路の延長部分である場合には、分岐した各細
管がキャビティ面に開口するようにガス通路から放射状
に細孔を穿てばよい(図5)。
は、通常は、ガス注入部材を配置すべき所定の金型位置
にその底部がガス通路と連通する凹部(9)を予め設
け、該部材の外周面と凹部の内壁面とで緊密に嵌合する
ことにより行われる。この際、ガス注入部材の先端部が
金型キャビティ面より突出することのないようにするこ
とが必要であり、通常はその先端部が金型キャビティ面
と同一平面となるように、ガス注入部材の高さと同じ深
さの凹部が設けられるが(図3)、場合によってはガス
注入部材の先端部が金型キャビティ面より下位になるよ
うに、ガス注入部材の高さより長い深さの凹部が設けら
れてもよい(図4)。しかしこのような場合でも、凹部
の深さはせいぜい30mmであり、金型キャビティ面と
凹部内のガス注入部材の先端部との間隔があまり広くな
らないようにすることが好ましい。このため、凹部を設
ける際には、ガス注入部材の形状に対応して該部材がそ
の外周面と凹部の内壁面とで緊密に嵌合でき、かつ凹部
の深さがガス注入部材の高さよりも短くならないように
注意する必要がある。尚、ガス注入部材が熊手状に分岐
したガス通路の延長部分である場合には、分岐した各細
管がキャビティ面に開口するようにガス通路から放射状
に細孔を穿てばよい(図5)。
【0014】また、ガス注入部材が固定式もしくは可動
式のピン方式(3−2)である場合(図6)には、該ガ
ス注入部材としては特開平4−255314号公報に示
されるような公知のガス注入部材が例示される。
式のピン方式(3−2)である場合(図6)には、該ガ
ス注入部材としては特開平4−255314号公報に示
されるような公知のガス注入部材が例示される。
【0015】このようなガス注入部材(3)は、雌雄い
ずれの金型に設けられていてもよいが、成形体の厚肉部
(7)に中空部(8)を形成せしめるためには、少なく
とも、成形体の厚肉部が形成される位置に対応する金型
位置にこれを設けることが好ましく、金型キャビティ面
の大きさや中空部を形成せしめるべき厚肉部の大きさ、
あるいは形状等によっては該当する金型位置に複数個設
けてもよい。この場合各ガス注入部材は同一であっても
異なっていてもよい。
ずれの金型に設けられていてもよいが、成形体の厚肉部
(7)に中空部(8)を形成せしめるためには、少なく
とも、成形体の厚肉部が形成される位置に対応する金型
位置にこれを設けることが好ましく、金型キャビティ面
の大きさや中空部を形成せしめるべき厚肉部の大きさ、
あるいは形状等によっては該当する金型位置に複数個設
けてもよい。この場合各ガス注入部材は同一であっても
異なっていてもよい。
【0016】本発明は、このようなガス注入部材が設け
られていると同一の金型キャビティ面の任意の位置に保
熱材(6)が設けられた構造からなるものである。ここ
で、保熱材(6)とは、キャビティ内に供給された溶融
樹脂に金型の温度を直接伝達することなく、金型面に部
分的に保熱効果を持たせ、金型キャビティ面のこの部分
に接する溶融樹脂の表面が短時間でスキン層を形成せし
めることのない機能を有するものを総称するものであっ
て、代表的には断熱材や局部加熱ヒーターなどが挙げら
れる。かかる保熱材(6)はそれがどのようなものであ
っても、キャビティ面からキャビティ内に突出すること
なく、望ましくはその表面がキャビティ面と同一平面を
形成するように金型内に埋設される。
られていると同一の金型キャビティ面の任意の位置に保
熱材(6)が設けられた構造からなるものである。ここ
で、保熱材(6)とは、キャビティ内に供給された溶融
樹脂に金型の温度を直接伝達することなく、金型面に部
分的に保熱効果を持たせ、金型キャビティ面のこの部分
に接する溶融樹脂の表面が短時間でスキン層を形成せし
めることのない機能を有するものを総称するものであっ
て、代表的には断熱材や局部加熱ヒーターなどが挙げら
れる。かかる保熱材(6)はそれがどのようなものであ
っても、キャビティ面からキャビティ内に突出すること
なく、望ましくはその表面がキャビティ面と同一平面を
形成するように金型内に埋設される。
【0017】保熱材(6)が断熱材からなる場合、その
材質としては金型材質に比べて熱伝導率の悪いものであ
れば特に制限されることなく使用可能であり、たとえば
エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ガラス、陶磁器、木
質材料、耐熱性エンジニアプラスチック(たとえばエコ
ノール樹脂)などを使用することができるが、これらを
組み合わせて使用することもでき、たとえば木質材料や
ガラス繊維などのように断熱材の表面が粗面である場合
にキャビティ面を平滑に保つために、その上層を表面平
滑な陶磁器などで被覆したり、場合によっては断熱効果
が損なわれない程度の厚みの金型材料と同質の材料で被
覆されていてもよい。このような断熱材は、たとえば金
型キャビティ面に凹部を設け、この凹部に所望の形状に
予め裁断された断熱材をキャビティ面から突出すること
のないように緊密に嵌合したり、該凹部内に熱硬化性樹
脂材料を注入して硬化させることにより設けることがで
きる。断熱材の設置位置は、ガス注入部材が設けられて
いると同一の金型キャビティ面であればいかなる位置で
あってもよいが、ガス注入部材の近傍に設けることが好
ましい。ここで、近傍とはガス注入部材と隣接する場合
も含むものである。
材質としては金型材質に比べて熱伝導率の悪いものであ
れば特に制限されることなく使用可能であり、たとえば
エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ガラス、陶磁器、木
質材料、耐熱性エンジニアプラスチック(たとえばエコ
ノール樹脂)などを使用することができるが、これらを
組み合わせて使用することもでき、たとえば木質材料や
ガラス繊維などのように断熱材の表面が粗面である場合
にキャビティ面を平滑に保つために、その上層を表面平
滑な陶磁器などで被覆したり、場合によっては断熱効果
が損なわれない程度の厚みの金型材料と同質の材料で被
覆されていてもよい。このような断熱材は、たとえば金
型キャビティ面に凹部を設け、この凹部に所望の形状に
予め裁断された断熱材をキャビティ面から突出すること
のないように緊密に嵌合したり、該凹部内に熱硬化性樹
脂材料を注入して硬化させることにより設けることがで
きる。断熱材の設置位置は、ガス注入部材が設けられて
いると同一の金型キャビティ面であればいかなる位置で
あってもよいが、ガス注入部材の近傍に設けることが好
ましい。ここで、近傍とはガス注入部材と隣接する場合
も含むものである。
【0018】断熱材の大きさには特に制限されないが、
あまり大きすぎると型締後の樹脂の冷却効果が悪くな
り、また小さすぎると断熱効果が十分に得られないた
め、金型の形状や大きさ、断熱材の材質、供給される溶
融樹脂温度、金型温度等の諸条件を勘案の上、必要以上
に大きくすることなく、該断熱材面上で溶融樹脂がスキ
ン層を形成せしめない程度の断熱効果が得られる程度の
大きさであれば十分であり、その形状も円形、矩形、リ
ング状など任意である。かかる断熱材をガス注入部材の
近傍に設ける場合、ガス注入部材を取り巻くように連続
もしくは断続的に同心円状に設けてもよいし、該ガス注
入部材の溶融樹脂が流れてくる側の金型位置にのみ設け
てもよい。尚、金型キャビティ面にガス注入部材(3−
1)の高さよりも長い深さの凹部(9)が設けられ、そ
の先端部が金型のキャビティ面より下位になるように、
ガス注入部材が設けられている場合には、該凹部の上端
部の一部をなし、上端の金型キャビティ面に接する周縁
に断熱材を設けるのがより効果的である。(図4) 尚、断熱材の数は任意であるが、ことさらに多数設ける
必要はなく、一般には設けたガス注入部材の数に対応し
た数だけ設けられる。
あまり大きすぎると型締後の樹脂の冷却効果が悪くな
り、また小さすぎると断熱効果が十分に得られないた
め、金型の形状や大きさ、断熱材の材質、供給される溶
融樹脂温度、金型温度等の諸条件を勘案の上、必要以上
に大きくすることなく、該断熱材面上で溶融樹脂がスキ
ン層を形成せしめない程度の断熱効果が得られる程度の
大きさであれば十分であり、その形状も円形、矩形、リ
ング状など任意である。かかる断熱材をガス注入部材の
近傍に設ける場合、ガス注入部材を取り巻くように連続
もしくは断続的に同心円状に設けてもよいし、該ガス注
入部材の溶融樹脂が流れてくる側の金型位置にのみ設け
てもよい。尚、金型キャビティ面にガス注入部材(3−
1)の高さよりも長い深さの凹部(9)が設けられ、そ
の先端部が金型のキャビティ面より下位になるように、
ガス注入部材が設けられている場合には、該凹部の上端
部の一部をなし、上端の金型キャビティ面に接する周縁
に断熱材を設けるのがより効果的である。(図4) 尚、断熱材の数は任意であるが、ことさらに多数設ける
必要はなく、一般には設けたガス注入部材の数に対応し
た数だけ設けられる。
【0019】断熱材が局部的な加熱ヒーターである場
合、該ヒーターはキャビティ面の保熱に必要な面積部分
(上記断熱材の大きさに相当)について加熱可能に金型
内に設けられ、加熱方式としては金型内に設けた電熱方
式や高周波誘電加熱による方法が挙げられる。加熱温度
は、金型温度よりも高く、しかし、その部分に接するキ
ャビティ内に供給された溶融樹脂が短時間でスキン層を
形成せしめない程度であって、不必要に高くする必要は
ない。加熱部分の大きさや加熱部分の形状、これを設け
る位置、個数などは先に述べた断熱材による場合と同様
である。加熱開始時間は、当該ヒーター部分のキャビテ
ィ面を溶融樹脂が通過するよりも前であれば特に制限な
く、通常は溶融樹脂の供給開始と同時またはそれより少
し前であるが、加熱の停止は一般には型締完了後、金型
の冷却に入る前である。
合、該ヒーターはキャビティ面の保熱に必要な面積部分
(上記断熱材の大きさに相当)について加熱可能に金型
内に設けられ、加熱方式としては金型内に設けた電熱方
式や高周波誘電加熱による方法が挙げられる。加熱温度
は、金型温度よりも高く、しかし、その部分に接するキ
ャビティ内に供給された溶融樹脂が短時間でスキン層を
形成せしめない程度であって、不必要に高くする必要は
ない。加熱部分の大きさや加熱部分の形状、これを設け
る位置、個数などは先に述べた断熱材による場合と同様
である。加熱開始時間は、当該ヒーター部分のキャビテ
ィ面を溶融樹脂が通過するよりも前であれば特に制限な
く、通常は溶融樹脂の供給開始と同時またはそれより少
し前であるが、加熱の停止は一般には型締完了後、金型
の冷却に入る前である。
【0020】このようなガス注入部材(3)および保熱
材(6)を有する本発明の中空成形体成形用金型はスタ
ンピング成形、射出成形、射出圧縮成形などの各種の成
形法に適用でき、また、表皮材貼合の有無にかかわら
ず、部分的に中空部を有する中空成形体を容易に製造す
ることができる。かかる成形用金型を用いて中空成形体
を製造する場合、供給されるガスとしては一般には空
気、窒素、炭酸ガスなどの各種の不活性ガスが使用さ
れ、その金型キャビティ内への供給圧は成形方法や成形
条件によっても異なるが、スタンピング成形や射出圧縮
成形のような比較的低圧で行われる成形法の場合には通
常100kg/cm2 以下であり、射出成形の場合には
これら低圧成形法よりも供給圧は高くする必要がある。
ガスの供給開始のタイミングは、金型内において樹脂が
溶融状態を保っている状態であれば溶融樹脂の供給前後
を問わずいつでもよく、ガス供給開始から溶融樹脂が冷
却されるまで連続して供給される。
材(6)を有する本発明の中空成形体成形用金型はスタ
ンピング成形、射出成形、射出圧縮成形などの各種の成
形法に適用でき、また、表皮材貼合の有無にかかわら
ず、部分的に中空部を有する中空成形体を容易に製造す
ることができる。かかる成形用金型を用いて中空成形体
を製造する場合、供給されるガスとしては一般には空
気、窒素、炭酸ガスなどの各種の不活性ガスが使用さ
れ、その金型キャビティ内への供給圧は成形方法や成形
条件によっても異なるが、スタンピング成形や射出圧縮
成形のような比較的低圧で行われる成形法の場合には通
常100kg/cm2 以下であり、射出成形の場合には
これら低圧成形法よりも供給圧は高くする必要がある。
ガスの供給開始のタイミングは、金型内において樹脂が
溶融状態を保っている状態であれば溶融樹脂の供給前後
を問わずいつでもよく、ガス供給開始から溶融樹脂が冷
却されるまで連続して供給される。
【0021】かかる成形用金型を用いて射出圧縮成形に
より中空成形体を製造する例について以下に述べるが、
成形方法それ自体は、本発明に特定する中空成形体成形
用金型を使用すること以外は、従来公知の射出圧縮成形
法に従って製造することができる。たとえば、上記した
構造からなる本発明の雌雄一対からなる金型を所定のキ
ャビティクリアランスとなるように開放状態とする。
(図7) この例では、成形体の中空部形成箇所に相当する位置の
金型キャビティ面(投影面積として3000cm2 )に
ガス注入部材(3)が設けられ、該ガス注入部材は、キ
ャビティ面に設けた底面がガス通路(4)と連通する直
径15mm、深さ20mmの凹部に、直径15mm、高
さ20mmの焼結ステンレス鋼をその先端部がキャビテ
ィ面と同一平面となるように緊密に嵌合せしめることに
より設けられているまた、保熱材として、該ガス注入部
材の外周より10mm離れて同心円状に幅15mm、厚
さ2mmのエポキシ樹脂層が設けられている。このエポ
キシ樹脂層は、金型の所定の位置に、幅15mm、深さ
2mmの凹部を設け、この凹部に未硬化のエポキシ樹脂
材料を硬化剤とともに注入し、凹部内で硬化させること
によって設けたものである。
より中空成形体を製造する例について以下に述べるが、
成形方法それ自体は、本発明に特定する中空成形体成形
用金型を使用すること以外は、従来公知の射出圧縮成形
法に従って製造することができる。たとえば、上記した
構造からなる本発明の雌雄一対からなる金型を所定のキ
ャビティクリアランスとなるように開放状態とする。
(図7) この例では、成形体の中空部形成箇所に相当する位置の
金型キャビティ面(投影面積として3000cm2 )に
ガス注入部材(3)が設けられ、該ガス注入部材は、キ
ャビティ面に設けた底面がガス通路(4)と連通する直
径15mm、深さ20mmの凹部に、直径15mm、高
さ20mmの焼結ステンレス鋼をその先端部がキャビテ
ィ面と同一平面となるように緊密に嵌合せしめることに
より設けられているまた、保熱材として、該ガス注入部
材の外周より10mm離れて同心円状に幅15mm、厚
さ2mmのエポキシ樹脂層が設けられている。このエポ
キシ樹脂層は、金型の所定の位置に、幅15mm、深さ
2mmの凹部を設け、この凹部に未硬化のエポキシ樹脂
材料を硬化剤とともに注入し、凹部内で硬化させること
によって設けたものである。
【0022】両金型間に表皮材(11)を供給したの
ち、金型内に設けた溶融樹脂通路(10)から開放状態
の金型キャビティ内(5)に溶融状の熱可塑性樹脂(1
2)たとえばポリプロピレン樹脂を供給し、樹脂供給完
了とほぼ同時に雌金型を降下させて型締を開始する。溶
融樹脂の供給と並行して、ガス通路を経由して9kg/
cm2 の圧縮空気をガス注入部材の先端部よりキャビテ
ィ内に供給し、成形が完了するまでガス供給を継続す
る。(図8) 型締が完了し、保圧しながら金型を冷却して樹脂を固化
させたのちガス供給を停止して金型を開き、成形体を取
り出すことにより、厚肉部(7)にのみ中空部(8)が
形成され、成形体の主要部である肉厚の薄い部分には中
空部の形成されない中空成形体が得られる。(図9)
ち、金型内に設けた溶融樹脂通路(10)から開放状態
の金型キャビティ内(5)に溶融状の熱可塑性樹脂(1
2)たとえばポリプロピレン樹脂を供給し、樹脂供給完
了とほぼ同時に雌金型を降下させて型締を開始する。溶
融樹脂の供給と並行して、ガス通路を経由して9kg/
cm2 の圧縮空気をガス注入部材の先端部よりキャビテ
ィ内に供給し、成形が完了するまでガス供給を継続す
る。(図8) 型締が完了し、保圧しながら金型を冷却して樹脂を固化
させたのちガス供給を停止して金型を開き、成形体を取
り出すことにより、厚肉部(7)にのみ中空部(8)が
形成され、成形体の主要部である肉厚の薄い部分には中
空部の形成されない中空成形体が得られる。(図9)
【0023】かかる方法により、ガス注入部材よりキャ
ビティ内に供給されたガスは、該ガス注入部材からのガ
ス圧により直接溶融樹脂中に入り込むとともに、直接入
り込めなかったガスはキャビティ面に沿ってキャビティ
内を流動しながら、断熱材上のスキン層が形成されてい
ない溶融樹脂表面から溶融樹脂中に入り込み、この二つ
の流れからくるガスがキャビティ中の厚肉部形成箇所に
相当する位置の溶融樹脂中で合流して、厚肉部中に中空
部を形成し、この状態で溶融樹脂を冷却することによ
り、厚肉部に中空部を有する中空成形体を得ることがで
きる。
ビティ内に供給されたガスは、該ガス注入部材からのガ
ス圧により直接溶融樹脂中に入り込むとともに、直接入
り込めなかったガスはキャビティ面に沿ってキャビティ
内を流動しながら、断熱材上のスキン層が形成されてい
ない溶融樹脂表面から溶融樹脂中に入り込み、この二つ
の流れからくるガスがキャビティ中の厚肉部形成箇所に
相当する位置の溶融樹脂中で合流して、厚肉部中に中空
部を形成し、この状態で溶融樹脂を冷却することによ
り、厚肉部に中空部を有する中空成形体を得ることがで
きる。
【0024】
【発明の効果】本発明の中空成形体成形用金型を使用す
ることにより、ガス注入部材の形式にかかわらず、確実
にガスが注入され、中空部のバラツキを生じることな
く、安定して成形体の厚肉部に中空部を形成せしめるこ
とができる。
ることにより、ガス注入部材の形式にかかわらず、確実
にガスが注入され、中空部のバラツキを生じることな
く、安定して成形体の厚肉部に中空部を形成せしめるこ
とができる。
【図1】本発明の中空体成形体の成形用金型の断面概略
図である。
図である。
【図2】本発明の中空体成形体の成形用金型の断面概略
図である。
図である。
【図3】本発明の成形用金型におけるガス注入部材およ
び断熱材を設けた部分の拡大断面概略図である。
び断熱材を設けた部分の拡大断面概略図である。
【図4】本発明の成形用金型におけるガス注入部材およ
び断熱材を設けた部分の拡大断面概略図である。
び断熱材を設けた部分の拡大断面概略図である。
【図5】本発明の成形用金型におけるガス注入部材およ
び断熱材を設けた部分の拡大断面概略図である。
び断熱材を設けた部分の拡大断面概略図である。
【図6】本発明の成形用金型におけるガス注入部材およ
び断熱材を設けた部分の拡大断面概略図である。
び断熱材を設けた部分の拡大断面概略図である。
【図7】本発明の成形用金型を用いた射出圧縮成形法に
よる中空成形体の製造工程例を示す金型概略図である。
よる中空成形体の製造工程例を示す金型概略図である。
【図8】本発明の成形用金型を用いた射出圧縮成形法に
よる中空成形体の製造工程例を示す金型概略図である。
よる中空成形体の製造工程例を示す金型概略図である。
【図9】本発明の成形用金型を用いた成形法により得ら
れた中空成形体の断面概略図である。
れた中空成形体の断面概略図である。
1:雌金型 2:雄金型 3:ガス注入部材 4:ガス通路 5:キャビティ 6:保熱材 7:厚肉部 8:中空部 9:凹部 10:溶融樹脂通路 11:表皮材 12:熱可塑性樹脂
Claims (9)
- 【請求項1】部分的に厚肉部を形成せしめるように設計
されたキャビティを有する雌雄一対からなる金型のいず
れか一方の金型の、厚肉部の形成箇所に相当する金型位
置に、金型内のガス通路と連通してキャビティ内にガス
を注入するガス注入部材が設けられ、かつ該ガス注入部
材が設けられていると同一の金型キャビティ面の任意の
位置に保熱材が設けられていることを特徴とする中空成
形体成形用金型。 - 【請求項2】ガス注入部材のキャビティ側先端部が金型
キャビティ面より突出することなく設けられてなる請求
項1および2に記載の中空成形体成形用金型。 - 【請求項3】ガス注入部材のキャビティ側先端部が金型
キャビティ面と同一平面となるように設けられてなる請
求項1および2に記載中空成形体の成形用金型。 - 【請求項4】ガス注入部材が、多孔質基材からなる請求
項1〜4に記載の中空成形体成形用金型。 - 【請求項5】ガス注入部材が、キャビティ内とガス通路
を連通するガス流路をその外周部及びまたは内部に有す
る成形基材からなる請求項1〜4に記載の中空成形体成
形用金型。 - 【請求項6】保熱材が断熱材である請求項1に記載の中
空成形体成形用金型。 - 【請求項7】保熱材が部分加熱ヒーターである請求項1
に記載の中空成形体成形用金型。 - 【請求項8】保熱材が、ガス注入部材の近傍に設けられ
てなる請求項1に記載の中空成形体成形用金型。 - 【請求項9】部分的に厚肉部を形成せしめるように設計
されたキャビティを有する雌雄一対からなる金型のいず
れか一方の金型の、厚肉部の形成箇所に相当する金型位
置に、金型内のガス通路と連通してキャビティ内にガス
を注入するガス注入部材が設けられ、かつ該ガス注入部
材が設けられていると同一の金型キャビティ面のガス注
入部材の近傍に保熱材が設けられてなる中空成形体成形
用金型を使用し、雌雄両金型が未閉鎖の状態で溶融状熱
可塑性樹脂をキャビティ面に供給し、該樹脂の供給完了
後型締、固化を行うとともに、溶融状熱可塑性樹脂がキ
ャビティ内で固化しない任意の時点から該樹脂が固化す
るまでガス注入部材からガスをキャビティ内に注入する
ことを特徴とする中空成形体の製造法。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6602595A JPH08258088A (ja) | 1995-03-24 | 1995-03-24 | 中空成形体成形用金型およびこれを用いる中空成形体の製造法 |
US08/609,633 US6106260A (en) | 1995-03-03 | 1996-03-01 | Mold useful in the production of hollow thermoplastic molded articles |
KR1019960005509A KR100415961B1 (ko) | 1995-03-03 | 1996-03-02 | 중공열가소성수지성형체제조용금형및,그를이용하는중공열가소성수지성형체의제조방법 |
EP96103337A EP0729820B1 (en) | 1995-03-03 | 1996-03-04 | Mold and process for producing a hollow thermoplastic resin molded article |
DE69625109T DE69625109T2 (de) | 1995-03-03 | 1996-03-04 | Formwerkzeug und Verfahren zur Herstellung eines hohlen gegossenen thermoplastischen Kunststoffgegenstandes |
TW085102690A TW320601B (ja) | 1995-03-03 | 1996-03-05 | |
US09/542,281 US6506335B1 (en) | 1995-03-03 | 2000-04-04 | Mold for production of hollow thermoplastic resin molded article, and process for production of hollow thermoplastic resin molded article using the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6602595A JPH08258088A (ja) | 1995-03-24 | 1995-03-24 | 中空成形体成形用金型およびこれを用いる中空成形体の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08258088A true JPH08258088A (ja) | 1996-10-08 |
Family
ID=13303976
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6602595A Pending JPH08258088A (ja) | 1995-03-03 | 1995-03-24 | 中空成形体成形用金型およびこれを用いる中空成形体の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08258088A (ja) |
-
1995
- 1995-03-24 JP JP6602595A patent/JPH08258088A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20040224 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |