JPH08257Y2 - コンテナ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本案は主として家具類の運送に用いるコンテナに関す
る。

〔従来の技術〕

宅配業務では小荷物の取扱い量に伴い、小荷物の集
荷，運送，配達のシステム化が進んでいる。

第２図（ａ）は、宅配便に用いられるラック１であ
る。ラック１は各面に格子枠４を有し、正面に扉５を備
えた角型有底筐体である。ラック内には集荷した小荷物
を収容し、例えば、11トントラックには、16個のラック
を積載して運ぶことができる。小荷物の取扱いでは、コ
ンテナを定型化し、各々のコンテナ内に小荷物を区分し
て収容すれば、荷物の取扱いが容易となり、トラック輸
送では積載量を増大し、また、安全性を向上できる。第
２図（ａ）のラックは、集荷，運送，配達のシステム化
に適合するコンテナとして開発されたものである。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、たんす，書棚，戸棚などの大型の収納家具
類，自転車などの不規則形状の物品は、これの運送に際
し、各々の物品毎に個装を行って運送しており、しかも
個装にあたっては、物品をシート類，段ボール紙で覆
い、さらに紐かけが必要のため、梱包並びに開梱の作業
が極めて厄介である。しかも、これら物品類は、各々の
物品毎に形状や大きさが異なり、トラックに搭載する場
合に荷台の全容積を有効利用できず、また、パッケージ
が定型でないため、運搬管理上の取扱いを統一できず、
これがシステム化の妨げとなっていた。

本案の目的は、前記小荷物用ラックを、大型化具類の
収納並びに個装点に利用してその取扱いを容易ならしめ
たコンテナを提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本案によるコンテナにおい
ては、ラックと内装体と外装体との組合せを有するコン
テナであって、 ラックは、各面に格子枠を有し、正面に扉を有する角
型の有底筐体であり、 内装体は、ラックの内面に張り渡す緩衝シートであ
り、シートの外面要所に、前記ラックの格子枠に結び付
ける結束紐を有し、 外装体は、ラックの外面を覆う無底の袋状カバーであ
り、ラックの正面に対応してその一面が開閉可能であ
り、裾部の要所にラックの格子枠に掛けわたして封かん
するテープの挿通孔の対を有し、 ラックの内面に、内装体を取付け、外面を外装体で覆
い、外装体は、封かん用のテープでラックに結合されて
いるものである。

〔実施例〕

以下本案の実施例を図によって説明する。

第１図において、本案のコンテナは、ラック１と、内
装体２と外装体３との組合せからなるものである。

ラック１は第２図（ａ）に示すように、各面に格子枠
４を有し、正面に着脱式の扉５を備えた縦長角型の有底
筐体であり、底面にはキャスタ６が取付けられたもので
ある。このラック１の構造は前述のように小荷物運送用
として公知のものであるが、本案に用いるラックは必ず
しもこの構造に限定されるものではない。しかし、大き
さ，形状を統一して定型化されたものでなければならな
い。

内装体２はラック１内の四周面に張り渡し、外装体３
はラック１の外面を覆うものである。

内装体は、第２図（ｂ）に示すように、横長の緩衝シ
ートであり、発泡シートと延伸フィルムとのラミネート
シートを用いている。内装体２の上下縁及びシート面の
要所には所定間隔を置いて結束紐７が取付けられ、中央
部位には適宜の間隔と長さで縦長のスリット８が付され
ているものである。

外装体３は、ラック１の外面を被うシートカバーであ
り、無底の袋状をなしている。第２図（ｃ）に示すよう
に、正面部分の両縁には正面シートを開閉するファスナ
ー９が取付けられている。また、各面のコーナの裾部に
は円環10の対が取付けられている。この円環10は、封か
ん用テープの挿通孔を形成するものである。

第１図において、ラック１内に発泡シート面を内側に
して内装体２を搬入し、該内装体２の上下端及びシート
面要所の各結束紐７をラックの格子枠４に結び付けてラ
ック１の正面を除いて各面に張り渡す。外装体３は、正
面のファスナー９を開いてラック１の外面に被せ、ラッ
ク１内に物品を収納した後、その正面扉５を閉じ、扉５
の上下格子枠４に内装体２の結束紐７を結び付けてラッ
ク内の四周面に張り渡し、さらに外装体３のファスナー
９を閉じてラック１の外面を被覆する。外装体３の裾に
設けた円環10にはテープ11の一端を挿通し、ラック１の
格子枠及びファスナー９のスライダーに設けた引手に掛
けわたし、先端を近傍の他の円環10より引き出してテー
プ両端をシールする。したがって、外装体３が取付けら
れたコンテナは目的地に到達してテープ11のシールを外
さない限りコンテナを開梱することができない。

なお、内装体２に設けたスリット８は、別途ロープを
挿通するためのものであり、必要によりラック１の格子
枠４に結び付けたロープを通して収容物品を支えれば、
ラック内に物品を安定に支えることができる。

〔考案の効果〕

以上のように本案によるときには、小荷物の仕分け運
送に用いられていたラックに、内装体と外装体とを付加
し、外装体をシールすることによりラック内は施錠さ
れ、ラック内では内装体の緩衝性により収納物品を衝撃
から保護でき、物品個装の手段を省略できる。また、コ
ンテナの定型化により、小荷物を収容したラックととも
にトラックに無駄なく搭載して運送効率を高めることが
できる。

本案によれば、単に大型家具類の収納運搬の用途に限
らず、例えばコンテナを特定の顧客の荷物運送専用に用
いて受託から配達までを安全，確実に運送できる効果を
有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案の一実施例を示す一部断面斜視図、第２図
（ａ）は、ラックの斜視図、第２図（ｂ）は内装体の使
用時の形態を示す図、第２図（ｃ）は外装体の斜視図で
ある。 １……ラック、２……内装体 ３……外装体、４……格子枠 ５……扉、７……結束紐 ９……ファスナー、10……円環 11……封かん用テープ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ラックと内装体と外装体との組合せを有す
   るコンテナであって、 ラックは、各面に格子枠を有し、正面に扉を有する角型
   の有底筐体であり、 内装体は、ラックの内面に張り渡す緩衝シートであり、
   シートの外面要所に、前記ラックの格子枠に結び付ける
   結束紐を有し、 外装体は、ラックの外面を覆う無底の袋状カバーであ
   り、ラックの正面に対応してその一面が開閉可能であ
   り、裾部の要所にラックの格子枠に掛けわたして封かん
   するテープの挿通孔の対を有し、 ラックの内面に、内装体を取付け、外面を外装体で覆
   い、外装体は、封かん用のテープでラックに結合されて
   いることを特徴とするコンテナ。