JPH08256973A - 経皮的に挿入される内視鏡装置 - Google Patents

経皮的に挿入される内視鏡装置

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JPH08256973A
JPH08256973A JP7087716A JP8771695A JPH08256973A JP H08256973 A JPH08256973 A JP H08256973A JP 7087716 A JP7087716 A JP 7087716A JP 8771695 A JP8771695 A JP 8771695A JP H08256973 A JPH08256973 A JP H08256973A
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trocar
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Toshikazu Tanaka
俊積 田中
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    • A61B17/00234Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets for minimally invasive surgery
    • A61B2017/00238Type of minimally invasive operation
    • A61B2017/00283Type of minimally invasive operation with a device releasably connected to an inner wall of the abdomen during surgery, e.g. an illumination source
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 内視鏡の挿入部を患者の体表皮から体内に挿
入して、体腔内の検査や治療等を行うに当って、磁石に
よる磁気吸引力を用いることによって、体表皮等の損傷
箇所を最小限に抑制し、かつ気腹ガスで体腔内を膨出さ
せなくとも、体腔内に挿入部を動かすことができる空間
を確実に形成できるようにする。 【構成】 腹腔鏡1の挿入部2の処置具挿通チャンネル
6に腹腔壁浮上手段23を装着する。この腹腔壁浮上手
段23は操作ワイヤ20の先端に磁性体21aを樹脂カ
バー21bにより被包させた磁性部材21を連結したも
ので、磁性部材21は処置具挿通チャンネル6から突出
している。磁性部材21は挿入部2の先端から突出させ
た状態で、トラカール10の外套管11から腹腔内に落
とし込まれ、挿入部2のアングル操作によって、それを
移動させることができる。体表皮外には磁石30が配置
されており、磁性部材21はこの磁石30による磁気吸
引力により、腹腔壁を持ち上げられて、この腹腔内に空
間が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、患者の体表皮から体内
に挿入されて、検査や治療等を行うための内視鏡装置に
関し、特に挿入部を体腔内で動かすことができる空間を
安全に形成できるようにした経皮的に挿入される内視鏡
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内視鏡には、口腔等から体腔内に挿入さ
れるものの他、例えば腹腔鏡のように、経皮的に挿入さ
れるものもある。経皮的に挿入される内視鏡の代表的な
ものとしての腹腔鏡は、一般の内視鏡と同様、本体操作
部に体腔内への挿入部を連設してなるものであるが、こ
の挿入部は直接体腔内に挿入されるのではなく、ガイド
手段として、例えばトラカールを介して腹腔内に挿入す
るように構成されている。ここで、トラカールは挿入部
が挿通される挿通路を設けた筒状の部材であって、まず
このトラカールを体表皮から腹腔内に挿入して、このト
ラカール内に挿入部を挿通させることにより挿入部が腹
腔内に導かれる。従って、患者の体には、腹腔鏡の挿入
部を挿入するためのトラカールを刺入させるだけの大き
さの穿孔を行えば良いことから、一般の開腹手術と比較
して、患者の体に傷が付くのを最小限に抑制される等の
利点がある。
【0003】腹腔内に挿入部を挿入するに先立って、ト
ラカールを腹腔内に刺入するが、この腹腔の内部で挿入
部の可動範囲を確保するため、及び腹腔の内壁にダメー
ジを与えないようにするために、腹腔鏡が挿入される前
の段階から検査や処置等が終了して取り出されるまでの
間は、気腹ガスを供給して腹腔を膨出させた状態に保持
する。この気腹ガスとしては、一般にCO2 ガス等が用い
られる。これによって、腹腔内に空間ができることか
ら、挿入部を腹腔内で所望の方向に向けることができる
ようになる結果、腹腔内の全体を観察できるようにな
り、また患部の治療等の必要な処置を安全に行えること
になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、腹腔鏡を用
いて行われる検査や処置等は、ある程度長い時間を要す
るものであり、気腹ガスは腹腔を膨出させるために、か
なりの高圧状態にして腹腔内に供給しなければならな
い。ここで、トラカールと体肉部との間及びトラカール
とその内部に挿通されている挿入部との間を完全にシー
ルするのは不可能であり、このために気腹ガスは常に漏
出することになる。従って、腹腔内における所望の空間
を確保するためには、常時この気腹ガスを補給しなけれ
ばならない。また、気腹ガスの圧力によって、横隔膜が
圧迫されることから、患者の呼吸が困難になる。さら
に、気腹ガスとしてのCO2 ガスが血管内に溶け込む等に
よって、ある種の副作用が生じて、患者に対して有害と
なるという点も指摘されており、気腹ガスを用いずに腹
腔を膨出できる手法の開発が望まれている。
【0005】その一例として、体表皮を強制的に持ち上
げるようにして、腹腔内に空間を形成する手法が提案さ
れている。即ち、体表皮の適宜の部位に糸を通して、こ
の糸を吊り上げるようにして体表皮を引き上げることに
よって、臓器を覆う腹膜と体表皮側の腹腔壁との間に空
間を形成するようにしたものである。この手法を採用す
れば、腹腔内に形成した空間内を高圧状態に保つ必要が
ないことから、患者の呼吸に支障を来すおそれはなく、
またCO2 ガスのような気腹ガスが封入されないことか
ら、副作用の防止及び患者の安全確保を図ることができ
る等といった利点がある。しかしながら、糸で吊り上げ
るために、やはり体表皮や体肉等を不必要に損傷させる
等、なお解決すべき課題がある。
【0006】本発明は以上の点に鑑みてなされたもので
あって、その目的とするところは、トラカール等からな
るガイド部材を刺入するための透孔以外に傷を付けず
に、体腔内に、内視鏡を挿入して検査や処置を行うため
に必要な空間を形成できるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明は、筒状のガイド部材と、このガイド部
材を介して体腔内に挿入され、少なくとも内視鏡観察機
構を設けた先端部本体と、この先端部本体を任意の方向
に向けるためのアングル部を有し、また処置具挿通チャ
ンネルを形成した挿入部を備えた内視鏡とからなり、こ
の処置具挿通チャンネル内には、1または複数の操作ワ
イヤを挿入部から導出するように挿通させて設け、この
操作ワイヤのそれぞれの先端に前記ガイド部材内に挿通
可能な磁性部材を取り付け、この磁性部材を体外から吸
引可能な1または複数の磁石を設ける構成としたことを
その特徴とするものである。
【0008】
【作用】ガイド部材として、例えばトラカールを患者の
体表皮から、体腔として腹腔内に挿入する。ここで、ト
ラカールは直接体表皮から刺入することもできるが、予
め体表皮を極小さい範囲で切開しておき、この切開部分
からトラカールを腹腔内に挿入する構成としたものであ
っても良い。通常、腹腔は収縮した状態にあるから、ト
ラカールから気腹ガスを供給して、一度腹腔を膨出させ
る。この状態でトラカール内に内視鏡の挿入部を挿入す
るが、まず処置具挿通チャンネルから導出されている操
作ワイヤの先端に取り付けた磁性部材をトラカールを介
して腹腔内に挿入し、次いで挿入部をこのトラカール内
に挿入する。
【0009】体外には、体表皮に接触させるか、または
それからある程度離した状態で、腹腔における所定の部
位に向けて1または複数の磁石を配設しておく。磁性部
材はガイド部材内に落とし込まれたもので、その導入時
には位置を制御することはできない。そこで、操作ワイ
ヤを引っ張ることにより磁性部材を挿入部の先端部に当
接させて、アングル操作を行う。このアングル操作に追
従して、磁性部材を所望の位置に移動させることができ
る。そこで、体外に配設されている磁石に近接する位置
に変位させる。これによって、磁石は磁性部材に対して
吸引力が作用することになり、この吸引力によって腹腔
壁が持ち上げられる。複数の磁性部材を備えている場合
には、各々に連結した操作ワイヤを1本ずつ操作して、
それぞれの磁性部材を体外に配置した磁石に吸引させ
る。これによって、腹腔壁が磁力によって持ち上げられ
て、気腹ガスを放出しても、腹腔の内部に所要の空間を
形成できる。
【0010】従って、気腹ガスは磁性部材を磁石に吸引
させるまでの極短い時間だけ、腹腔内に供給されておれ
ば良く、磁石の作用によって腹腔壁を持ち上げた後は、
気腹ガスを高圧状態に封入しておく必要がないことか
ら、患者の呼吸が容易になり、また血管内にガスが溶け
込む等といった不都合を生じないだけでなく、患者の体
において、トラカールの刺入部以外を損傷させることも
ない。
【0011】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例につい
て説明する。ここで、図1は経皮的に挿入される内視鏡
の一例として腹腔鏡の構成を示し、また図2はガイド部
材としてのトラカールを示す。ただし、内視鏡及びその
ガイドを行うトラカールは、これらの図に示したものに
限定されない。例えば、腹腔鏡における挿入部として
は、アングル部から本体操作部までの部位を硬性部で形
成するように構成したが、この部位を軟性部で形成して
も良く、またトラカールは直接体内に刺入するタイプの
ものとしたが、メス等を用いて、予めトラカールを挿入
できるように切開し、この切開部分を介して挿入するタ
イプのものであっても良い。
【0012】まず、図1において、腹腔鏡1は、体腔内
への挿入部2の基端部に本体操作部3を連設し、また本
体操作部3には光源装置(または光源装置及びプロセッ
サ)に接続されるユニバーサルコード4を連設すること
により大略構成される。挿入部2は、本体操作部3への
連設部から所定の長さ分が硬性パイプからなる硬性部2
aであって、この硬性部2aには本体操作部3に設けた
アングルノブ5により所望の方向に湾曲操作できるよう
にしたアングル部2bが連設されており、このアングル
23bの先端に、照明窓及び観察窓からなる内視鏡観察
機構を備えた先端部本体2cが連設されている。そし
て、この腹腔鏡1には、その挿入部2には処置具挿通チ
ャンネル6(図3参照)が設けられており、この処置具
挿通チャンネル6の先端は、内視鏡観察機構と共に先端
部本体2cに開口し、また基端部は硬性部2aの基端部
分または本体操作部3に設けた処置具導入部7に連なっ
ている。
【0013】次に、図2に示したトラカール10は、外
套管11と内針12とから構成される。外套管11は、
内径が少なくとも腹腔鏡1の挿入部2の外径より大きな
内径を有する薄肉パイプから構成され、その内部は内針
12及び挿入部2の挿通路11aとなっている。内針1
2は、その周胴部12aが外套管11にほぼ密嵌状態に
挿入される外径を有し、先端は鋭利な針先12bとなっ
ており、また基端部には把持部12cが設けられてい
る。そして、外套管11には、体外に位置する部位に、
気腹ガス供給部13及び開閉弁14が装着されており、
気腹ガス供給部13は、常時においてはキャップ13a
により閉塞されており、このキャップ13aを脱着する
ことによって、気腹ガスの供給配管を接続できるように
なっている。また、開閉弁14は、外套管11の挿通路
1aを横切るように設けた弁ケーシング14a内に外套
管11の挿通路11aに通じる貫通孔15aを形成した
筒状の弁体15を有し、この弁体15には押動部15b
が連設されており、常時においてはばね16の作用によ
って、弁体15が挿通路11aを閉鎖する状態に付勢さ
れ、押動部15bは図2に仮想線で示した位置にある。
このばね16の付勢力に抗して押動部15bを押し込む
ことによって、実線で示したように、弁体15における
貫通孔15aが挿通路11aと一致する状態になり、内
部に内針12や腹腔鏡1の挿入部2を挿通できる。
【0014】腹腔鏡1は、それだけを単独で用いるので
はなく、トラカール10と組み合わせて用いられる。ま
ず、トラカール10における外套管11に内針12を組
み込んだ状態となし、内針12の針先12bを体表皮か
ら脂肪層を貫通させて腹腔内に刺入し、次いで内針12
を外套管11から抜き取り、その後に腹腔鏡1の挿入部
2を外套管11内に挿入する。
【0015】ここで、腹腔は、通常は、収縮した状態に
あり、そのままの状態で腹腔鏡1の挿入部2を挿入する
と、観察視野が得られないだけでなく、挿入部2を腹腔
内で動かすと、腹腔壁や腹膜を損傷させることになるか
ら、腹腔を膨出させて空間を形成する。この腹腔内に空
間を形成するために、磁気吸引力を用いるようにしてい
る。即ち、図3に示したように、ステンレス線やナイロ
ン線等の細くて強靭なワイヤからなる操作ワイヤ20の
先端に、強磁性体である鉄,ニッケル等の金属を板状ま
たは塊状に形成した磁性体21aを樹脂カバー21bに
より被包させた磁性部材21を連結するようになし、ま
た操作ワイヤ20の基端部には抜け止め機能を兼ねた押
し引き操作用の摘み部22を着脱可能に取り付けた腹腔
壁浮上手段23を用いる。この腹腔壁浮上手段23は、
図4に示したように、その操作ワイヤ20を腹腔鏡1の
処置具挿通チャンネル6内に挿通させ、磁性部材21を
挿入部2の先端から突出させた状態で、トラカール10
の外套管11内に挿通させるようになっており、このた
めに磁性部材21は外套管11の挿通路11aに挿通で
きる大きさとなっている。
【0016】ここで、磁性部材21はそのままの形状で
外套管11内に挿通させるものだけでなく、樹脂カバー
21b内の磁性体21aは、弾性復元力があれば、湾曲
させたり、折り曲げたりした状態で挿通路11aに挿通
できるものであっても良い。また、樹脂カバー内に設け
られる磁性体は、板状,塊状のものだけでなく、磁性粉
体で構成することもできる。即ち、図5に示したよう
に、磁性粉末21a′を樹脂カバー21b′に封入する
ことにより磁性部材21′を構成すれば、この磁性部材
21′は外力を加えると、任意の形状に変わるようにな
るから、外套管11内に挿通する際には丸めるようにし
てコンパクト化させた状態とすることができる。また、
腹腔内に落とし込まれた時には、平面状に広げることに
より広い面積を持たせるようにするのが好ましく、この
ためには樹脂カバー21bは扁平な状態に復元できる弾
性復元力を持ったものとするか、あるいは弾力性のある
筋材を設ける等のようにする。
【0017】以上のように構成される腹腔壁浮上手段2
3は複数個、例えば3〜6個程度用い、これらの操作ワ
イヤ20を腹腔鏡1の処置具挿通チャンネル6に挿通さ
せて、それぞれの操作ワイヤ20に連結した磁性部材2
1を挿入部2の先端から突出させた状態に装着する。そ
して、腹腔内に位置する磁性部材21を外部から磁石3
0で引っ張り上げるようにして腹腔壁を持ち上げる。こ
のために、図6に示したように、診察・治療台31に
は、その両側に支持棒32,32が立設されており、こ
れら支持棒32,32間に掛け渡すように角形のアーム
33が設けられている。このアーム33にはスライドブ
ロック34が複数個(図面には3個)装着されている。
そして、これらスライドブロック34には昇降ロッド3
5を昇降可能に装着して、この昇降ロッド35の下端部
に磁石30が取り付けられる。
【0018】ここで、患者における腹腔の位置に磁石3
0を正確に対向配設する必要があることから、磁石30
の水平方向の位置を調整可能な構成としている。即ち、
診察・治療台31の両側部にガイドレール31aを設け
て、支持棒32にはこのガイドレール31aに沿って移
動可能な連結部32aが連設されている。また、スライ
ドブロック34は、アーム33に対してスライド可能と
なっており、このようにしてスライドさせた位置におい
て固定するために、止めねじ34aを備えている。従っ
て、このガイドレール35に沿って支持棒32を移動さ
せ、またスライドブロック34をアーム31aに沿って
移動させることによって、磁石30を任意の位置に配置
できる。
【0019】また、患者によっては、磁石30の高さ位
置を変える必要がある。このためには、図7及び図8に
示したように、昇降ロッド35が昇降可能に設けられて
いるスライドブロック34には、手指で回動できる回動
摘み36に連設したピニオン37が装着されており、ま
た昇降ロッド35には、このピニオン37に噛み合うラ
ック38を上下方向に形成する。さらに、スライドブロ
ック34には、止めねじ39を螺挿させる。これによっ
て、止めねじ39を緩めた状態で、回動摘み36を適宜
の方向に回動させることによって、ピニオン37が回転
して、それが噛み合っているラック38が上下方向に動
く結果、昇降ロッド34が昇降し、磁石30の高さ位置
を変えることができる。そして、磁石30が所望の位置
になると、止めねじ39を締め付けることによって、そ
の位置に昇降ロッド35が固定される。
【0020】本実施例は以上のように構成されるもので
あって、腹腔鏡1を用いて腹腔内の検査及び必要な治療
を行うには、まずトラカール10の外套管11の挿通路
11a内に内針12を挿入するように組み立てて、内針
12の針先12aを患者の体表皮から体内に差し込む。
ただし、腹腔は、常時においては、収縮した状態にあ
り、このままでは針先12aは腹腔を突き抜けて腹膜に
まで差し込まれるおそれがある。そこで、予め注射器等
を用いて気腹ガスを注入して、ある程度腹腔を膨出させ
た状態にしておくと良い。トラカール10の外套管11
の先端が腹腔内にまで入り込むと、内針12を取り出
す。この内針12を取り出すと、開閉弁14における弁
体15が外套管11の挿通路11aを閉鎖する状態にな
るので、腹腔は実質的に密閉された状態に保持される。
そこで、気腹ガス供給路13を介して気腹ガスを腹腔内
に供給することにより、腹腔が所定の大きさに膨出す
る。
【0021】ここで、腹腔壁浮上部材23を腹腔鏡1に
複数組、例えば3組装着させるようになっている。この
腹腔壁浮上部材23は、その操作ワイヤ20を処置具挿
通チャンネル6内に挿通させ、磁性部材21は挿入部2
の先端から突出させる。操作ワイヤ20は処置具導入部
7から引き出して、所定の余長を持たせるようにしてお
く。また、支持棒32,スライドブロック34を適宜の
位置に配置すると共に、昇降ロッド35を上下動させ
て、磁石30が患者の腹腔に対して所定の位置及び高さ
となるように調整する。ここで、磁石30は腹腔壁浮上
部材23を構成する磁性部材21の数と同数設けるよう
にしておく。
【0022】腹腔鏡1の挿入部2を外套管11を介して
腹腔内に挿入するが、まずこの挿入部2の先端から突出
している腹腔壁浮上部材23の磁性部材21を外套管1
1内に挿入して、腹腔内に落とし込む。全ての磁性部材
21が腹腔内に落とし込まれた後に、挿入部2を外套管
11内から腹腔内に導く。この状態で、まず最初に1組
の腹腔壁浮上部材23を操作する。即ち、摘み部22を
引っ張ることによって、磁性部材21を挿入部2の先端
に当接させる。ただし、これ以外の2組の腹腔壁浮上部
材23は、その操作ワイヤ20を所定長さ挿入部2から
導出させた状態に保持する。この状態で、アングルノブ
5を操作して、アングル部5を湾曲させことによって、
図9に示したように、挿入部2の先端に当接している磁
性部材21を所望の位置に運ぶことができる。そこで、
この磁性部材21を磁石30による磁界の領域内に配置
すると、磁性部材21はこの磁石30による吸引力が作
用して、この磁石30に引きつけられることになる。こ
の結果、腹腔壁が浮上することになって、腹膜との間に
空間が形成される。3組設けた腹腔壁浮上部材23を個
別的に操作して、それぞれの磁性部材21を体外に位置
する3個の磁石30にそれぞれ吸引させることによっ
て、腹腔は所定の広さを持った空間となる。
【0023】このようにして形成した空間を維持するた
めに、気腹ガスを必要としないから、横隔膜が圧迫され
ることがなくなり、術中においては患者は楽に呼吸でき
る。気腹ガスは、腹腔内にトラカール10を差し込む前
の段階から、この腹腔に空間を形成するまでの間だけし
か腹腔内に供給されず、前述のようにして腹腔に空間を
形成した後には、気腹ガスを供給する必要がなく、また
予め腹腔内に供給されていた気腹ガスは外套管11の内
部から外部に放出できるので、患者の血管内に吸収され
て、副作用等を発生させるおそれもない。さらに、気腹
ガスをできるだけ漏れないように保持し、かつそれでも
漏れる気腹ガスを補給する等といったことが必要でなく
なるから、以後はトラカール10の外套管11を体内に
差し込んだ状態に保持する必要はなく、それを抜き取る
ことも可能である。
【0024】これによって、腹腔内には挿入部2が動き
得る空間が形成されることになり、かつ挿入部2に設け
た内視鏡観察機構による観察視野も広く取れる。従っ
て、検査及び診断を高精度に行うことができる。ここ
で、観察視野を変えるには、アングル部2bを適宜の方
向に湾曲させるが、腹腔壁浮上部材23を構成する磁性
部材21は磁石30による磁気吸引力が働いて、安定し
た状態に保持され、多少操作ワイヤ20に引っ張り力が
作用しても、みだりに位置ずれすることがなく、また操
作ワイヤ20に十分な余長を持たせることによって、こ
の腹腔壁浮上部材23が挿入部2におけるアングル部2
bの操作に支障を来すことはない。また、例えば内視鏡
観察機構による検査の結果、患部が発見された場合にお
いて、鉗子その他の処置具を用いて治療等の処置を行う
際には、この処置具を処置具挿通チャンネル6内に挿入
するが、操作ワイヤ20は細径のもので良いから、処置
具の処置具挿通チャンネル6内における挿通操作の円滑
性を損なうことはない。
【0025】前述のようにして検査や処置等が終了する
と、まず磁石30の磁界を磁性部材21から遠ざけるこ
とによって、この磁性部材21に対する磁気吸引力を解
除した後に、挿入部2を腹腔から引き出せば良い。ここ
で、複数の磁性部材21は一度に引き出すのではなく、
挿入部2からの各操作ワイヤ20の突出長さを変えるこ
とによって、磁性部材21を順次1個ずつ取り出すこと
ができる。
【0026】ところで、腹腔壁と体表皮との間には脂肪
層がある。この脂肪層の厚みは患者によっては異なって
くる。脂肪層が薄い場合には、磁石による磁性部材に対
する吸引力が大きくなり過ぎて、その間に挟まれてしま
い、血液の流れを阻害する。また、脂肪層の厚い患者の
場合には、磁性部材に対する吸引力が十分でなくなるた
めに、腹腔を十分に膨出させることができなくなる。勿
論、回動摘み36を回動させて、ピニオン37を回転さ
せることによりラック38を形成した昇降ロッド34を
昇降させることにより、磁石30の高さ位置を変えるこ
とにより磁力の調整を行うことができる。
【0027】また、磁石による磁気吸引力自体を調整す
ることも可能である。このためには、図10に示したよ
うに、磁石として電磁石40を用い、この電磁石40の
電流値を変えることにより磁力を変化させるようにす
る。このために、電磁石40のソレノイド40aと並列
に可変抵抗41を設け、この可変抵抗41の抵抗値を患
者の脂肪層の厚み等に応じて変化させるように構成すれ
ば良い。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、磁力を
用いて体腔壁を持ち上げるようにしたので、トラカール
等からなるガイド部材を刺入するための透孔以外に傷を
付けずに、体腔の内部に内視鏡による検査や処置を行う
ために必要な空間を形成できる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】腹腔鏡の全体構成図である。
【図2】トラカールの断面図である。
【図3】腹腔壁浮上部材の構成説明図である。
【図4】腹腔鏡に腹腔壁浮上部材を装着した状態の構成
説明図である。
【図5】腹腔壁浮上部材の他の例を示す磁性部材の断面
図である。
【図6】磁石の取り付け構造を示す説明図である。
【図7】磁石を昇降可能に支持するスライドブロックの
断面図である。
【図8】図7のX−X断面図である。
【図9】腹腔内に空間を形成している状態を示す作用説
明図である。
【図10】磁石の他の例を示す回路図である。
【符号の説明】
1 腹腔鏡 2 挿入部 6 処置具挿通チャンネル 10 トラカール 11 外套管 12 内針 20 操作ワイヤ 21,21′ 磁性部材 21a 磁性体 21a′ 磁性粉末 21b,21b′ 樹脂カバー 22 摘み部 23 腹腔壁浮上部材 30 磁石 31 診察・治療台 32 支持棒 33 アーム 34 スライドブロック 35 昇降ロッド 40 電磁石 41 可変抵抗

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状のガイド部材と、このガイド部材を
    介して体腔内に挿入され、少なくとも内視鏡観察機構を
    設けた先端部本体と、この先端部本体を任意の方向に向
    けるためのアングル部を有し、また処置具挿通チャンネ
    ルを形成した挿入部を備えた内視鏡とからなるものにお
    いて、前記処置具挿通チャンネル内には、1または複数
    の操作ワイヤを挿入部から導出するように挿通させて設
    け、この操作ワイヤのそれぞれの先端に前記ガイド部材
    内に挿通可能な磁性部材を取り付け、この磁性部材を体
    外から吸引可能な1または複数の磁石を設ける構成とし
    たことを特徴とする経皮的に挿入される内視鏡装置。
  2. 【請求項2】 前記磁性部材は、板状または塊状の金属
    材を樹脂フィルムに被包させたものであることを特徴と
    する請求項1記載の経皮的に挿入される内視鏡装置。
  3. 【請求項3】 前記磁性部材は、磁性粉末を樹脂フィル
    ムに被包させたものであることを特徴とする請求項1記
    載の経皮的に挿入される内視鏡装置。
  4. 【請求項4】 前記磁石は電磁石であって、この電磁石
    の磁気吸引力を調整可能な構成としたことを特徴とする
    請求項1記載の経皮的に挿入される内視鏡装置。
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