JPH08254696A - 反射型液晶表示装置およびその製造方法 - Google Patents

反射型液晶表示装置およびその製造方法

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JPH08254696A
JPH08254696A JP7056216A JP5621695A JPH08254696A JP H08254696 A JPH08254696 A JP H08254696A JP 7056216 A JP7056216 A JP 7056216A JP 5621695 A JP5621695 A JP 5621695A JP H08254696 A JPH08254696 A JP H08254696A
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JP
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light
substrate
liquid crystal
color filter
substrate member
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JP7056216A
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English (en)
Inventor
Sunao Kurihara
直 栗原
Yoshihiro Shimada
吉祐 嶋田
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 反射型液晶表示装置の製造工程を簡略化す
る。 【構成】 液晶表示装置21は、光が入射/出射する表
示画面側の一方基板部材22と、光が反射する反射板側
の他方基板部材23との間に液晶層24が挟持される。
前記他方基板部材23は、基板31の液晶層24側表面
に、反射性を有する複数の絵素電極35がマトリクス状
に形成される。カラーフィルタ25である透明膜は、絵
素電極35上に薄膜の成膜とパターニングを繰返して、
膜厚を制御して形成される。あるいは、金属膜表面を陽
極酸化して形成した酸化膜で実現してもよい。光がカラ
ーフィルタ25の一方表面に入射すると、一部が一方表
面で反射し、残りはフィルタ25を通過して、絵素電極
35で反射して、前記一方表面から出射する。この光
と、前記一方表面で反射した光とが薄膜干渉を生じ、所
定波長帯域の光が相対的に増加して、絵素が所定の表示
色で表示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラー表示を行うこと
のできる、反射型液晶表示装置およびその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】任意の文字・図形を表示することができ
るマトリクス表示を行い、かつカラー表示を行うことが
できる液晶表示装置では、マトリクス状に配置された複
数の絵素電極に対応して、赤・緑・青のカラーフィルタ
のうちいずれか一つのカラーフィルタがそれぞれ配置さ
れる。液晶表示装置は、複数の絵素の状態を、光を透過
し、カラーフィルタの色を表示する有色状態と、光を遮
断する黒色状態とを個別的に切変えることによって、表
示画面に画像を形成する。当該液晶表示装置では、全て
の絵素を光を透過する有色状態としたときには、赤・緑
・青の加色混合によって白色となる。
【0003】図12(1)は、従来技術の液晶表示装置
1の断面図である。液晶表示装置1は、光が入射/出射
する表示画面側の一方基板部材2と、光が反射する反射
板側の他方基板部材3との間に液晶層4が挟持され、こ
の一対の基板部材2,3のうちのいずれか一方基板部材
は、その液晶層4側表面に、少なくとも、赤・緑・青の
カラーフィルタ5を有す。本例では、カラーフィルタ5
は他方基板部材3表面に設けられる。
【0004】一方基板部材2は、透光性を有する絶縁性
の基板6の液晶層4側表面に、対向電極7が形成され、
その上に図示しない配向膜が形成されて完成する。ま
た、基板6の対向電極7が形成された面と反対側の面に
は、偏光板8が配置される。他方基板部材3は、絶縁性
の基板9の液晶層4側表面の対向電極と対向する位置
に、複数の絵素電極10が形成され、その上に図示しな
い配向膜が形成される。カラーフィルタ5は、他方基板
部材3の絵素電極10の上に設けられる。
【0005】図12(2)は他の従来技術の液晶表示装
置1aの断面図である。図12(2)の液晶表示装置1
aは、図12(1)の液晶表示装置1に類似の構成を有
し、同一の構成には同一の符号を付け説明は省略する。
本例では、カラーフィルタ5は、一方基板部材2aの液
晶層4側表面に設けられる。他方基板部材3aは、基板
9の液晶層4側表面に複数の絵素電極10が形成されて
完成する。一方基板部材2aは、基板6の液晶層4側表
面に前記絵素電極10と対向する位置に、カラーフィル
タ5が配置され、それを覆って、対向電極7が形成され
る。
【0006】カラーフィルタ5には、たとえば染色フィ
ルタが用いられる。染色フィルタは、高分子材料膜であ
る染色基材を染料を用いて着色したものである。図13
は染色フィルタの製造工程を段階的に示す図である。た
とえば図12(1)に示すように、他方基板部材3側に
カラーフィルタ5を形成する場合について説明する。
【0007】まず、図13(1)に示される絵素電極1
0が形成された基板9全面に、絵素電極10を覆って、
図13(2)に示すように、高分子材料膜11を成膜す
る。高分子材料膜11は感光性レジストであり、天然高
分子材料のゼラチン、グリュー、カゼインや、合成高分
子材料のPVA(ポリビニルアルコール)、PVP(ポ
リビニルピロリドン)、アクリルなどで実現される。
【0008】次いで、図13(3)に示すように、高分
子材料膜11をマスク12を用いて紫外線で露光し、現
像してパターン化する。これによって、図13(4)に
示すように、たとえば赤のカラーフィルタを形成する領
域に染色基材13が形成される。最後に、赤の染色液内
にこの基板を浸透させる。これによって前記染色基材1
3に染色液中の染料が吸着し、染色基材13内に拡散す
る。これによって、染色基材13は着色され、図13
(5)に示す赤のカラーフィルタ5aとなる。図13
(2)〜図13(5)の工程を緑、および青について繰
り返すことによって、図13(6)に示す赤・緑・青の
カラーフィルタ5a〜5cから成るカラーフィルタ5が
形成される。カラーフィルタに染色フィルタを用いた反
射型液晶表示装置は、特開昭59−198489に開示
されている。
【0009】カラーフィルタには、有機材料を用いたフ
ィルタと、無機材料を用いたフィルタとがある。有機材
料を用いたフィルタの製造方法としては、前述した染色
フィルタを製造する染色法や、予め顔料で調色した感光
性レジストを基板に成膜しパターニングして形成される
顔料分散法などがある。無機材料を用いたフィルタとし
ては、薄膜干渉を利用した光干渉フィルタなどがある。
染色フィルタは他のカラーフィルタと比較して、最も製
造コストが低いので、従来から多く利用されている。
【0010】染色フィルタは、染料が所定波長帯域の光
を吸収する性質を利用して、絵素に赤・緑・青それぞれ
の色を表示させる。たとえば、赤の染色フィルタであれ
ば、入射光が白色光であるとき、緑・青の波長帯域の光
は吸収され、赤の波長帯域の光だけを出射させる。従っ
て、必ず光の損失を生じ、透過率が60〜80%程度の
低い値になるという問題がある。
【0011】光干渉フィルタは、薄膜干渉によって、所
定波長帯域の光を他の波長帯域の光と比較して、相対的
に光量を増加させることによって赤・緑・青の光を出射
させる。これによって、光干渉フィルタは殆ど光の損失
がなく、透過率が90〜100%と高い。
【0012】光干渉フィルタを用いた透過型液晶表示装
置の従来技術として、特開平2−149881が挙げら
れる。本公報では、SiO2の薄膜とTiO2の薄膜とを
交互に積層した多層膜を光干渉フィルタとして用い、こ
の光干渉フィルタを各絵素の対向基板側に設けている。
この多層膜内の各層の境界面で反射する光と、境界を透
過した光とが干渉し、所定波長帯域の透過光の光量を増
加させる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】染色フィルタは前述し
たように、光の透過率が60〜80%と低い。反射型液
晶表示装置では、光は入射時と反射時の2回カラーフィ
ルタを通過する。これによって、液晶表示装置の一対の
基板部材2,3のどちらかに形成されるカラーフィルタ
に染色フィルタを用いると、出射する光の光量がカラー
フィルタだけで40〜60%に減衰されるという問題が
ある。
【0014】また、染色フィルタを用いる場合、同一基
板上に形成される電極や配線は無機物質系材料で形成さ
れ、染色フィルタは有機物質系材料で形成されるので、
染色フィルタを形成する工程と電極などを形成する工程
とは、加工法が異なる。たとえば、染色フィルタの製造
工程では、基板を染色液に浸透させる独自の加工などが
加わっている。これによって、カラーフィルタと電極な
どとを同系統の物質で形成する製造方法と比較して、製
造工程が複雑になるという問題がある。また、染色フィ
ルタを形成する工程と基板の他の部分を加工する工程と
を同時に行って、工程の削減をすることが難しい。した
がって、製造コストが高くなるという問題がある。
【0015】特開平2−149881に開示されている
液晶表示装置は透過型のものである。透過光の薄膜干渉
は、薄膜の一方表面から当該薄膜内に入射した光が、前
記薄膜の他方表面で反射して再び当該薄膜内に入射し、
さらに前記一方表面で反射して前記他方表面から出射す
る光と、薄膜の一方表面から当該薄膜内に入射し、当該
薄膜を透過して前記他方表面から出射する光との、2つ
の光の間に生じる。本公報では、カラーフィルタは多層
膜で実現される。したがって、光干渉フィルタの製造工
程が長くなり、製造時間が長くなるという問題がある。
【0016】本発明の目的は、光の利用効率の高い反射
型液晶表示装置、および製造工程を簡略化することがで
きる反射型液晶表示装置の製造方法を提供することであ
る。
【0017】
【問題を解決するための手段】本発明は、いずれか一方
が透光性を有する一対の基板部材と、当該一対の基板部
材間に介在される液晶層とを備え、透光性を有する一方
基板部材側からの入射光が他方基板部材側で反射して一
方基板部材側から出射し、前記他方基板部材は、マトリ
クス状に配列される複数の絵素電極と、当該複数の絵素
電極に対応した領域に配設されるカラーフィルタとを少
なくとも有する反射型液晶表示装置の製造方法におい
て、前記他方基板部材は、絶縁性基板上に光反射性を有
する金属をマトリクス状にパターン形成して絵素電極を
形成し、表示色毎に膜厚の異なる透明膜から成るカラー
フィルタを各絵素電極上に形成して作成されることを特
徴とする反射型液晶表示装置の製造方法である。また本
発明は、いずれか一方が透光性を有する一対の基板部材
と、当該一対の基板部材間に介在される液晶層とを備
え、透光性を有する一方基板部材側からの入射光が他方
基板部材側で反射して一方基板部材側から出射し、前記
他方基板部材は、マトリクス状に配列される複数の絵素
電極と、当該複数の絵素電極に対応した領域に配設され
るカラーフィルタとを少なくとも有する反射型液晶表示
装置の製造方法において、前記他方基板部材は、絶縁性
基板上に光反射性を有する金属をマトリクス状にパター
ン形成し、形成された金属をその表面から所定の深さだ
け酸化して、酸化された部分をカラーフィルタとして、
酸化されていない部分を絵素電極として作成されること
を特徴とする反射型液晶表示装置の製造方法である。ま
た本発明は、いずれか一方が透光性を有する一対の基板
部材と、当該一対の基板部材間に介在される液晶層とを
備え、透光性を有する一方基板部材側からの入射光が他
方基板部材側で反射して一方基板部材側から出射し、前
記他方基板部材は、マトリクス状に配列される複数の絵
素電極を有し、前記一方基板部材は、前記複数の絵素電
極に対向する対向電極と、前記複数の絵素電極に対応し
た領域に配設されるカラーフィルタとを少なくとも有す
る反射型液晶表示装置の製造方法において、前記一方基
板部材は、透光性を有する絶縁性基板上に金属をマトリ
クス状にパターン形成し、形成された金属をその表面か
ら所定の深さだけ酸化して酸化された部分をカラーフィ
ルタとし、カラーフィルタを覆って透明電極から成る対
向電極を形成して作成されることを特徴とする反射型液
晶表示装置の製造方法である。また本発明は、いずれか
一方が透光性を有する一対の基板部材と、当該一対の基
板部材間に介在される液晶層とを備え、透光性を有する
一方基板部材側からの入射光は、光の光路上に配置され
るカラーフィルタを通過するとともに、他方基板部材側
で反射して一方基板部材側から出射し、前記他方基板部
材は、マトリクス状に配列される複数の絵素電極を少な
くとも有し、前記一方基板部材は、前記複数の絵素電極
に対向する対向電極を少なくとも有し、前記一方基板部
材および他方基板部材のうちのいずれか一方は、少なく
とも前記複数の絵素電極に対応した領域に配設されるカ
ラーフィルタを有する反射型液晶表示装置において、前
記絵素電極は、光反射性を有し、前記カラーフィルタ
は、表示色毎に膜厚の異なる透明膜から成ることを特徴
とする反射型液晶表示装置である。
【0018】
【作用】本発明に従えば、反射型液晶表示装置は、いず
れか一方が透光性を有する一対の基板部材と、当該一対
の基板部材間に介在される液晶層とを備える。一対の基
板部材のうちの他方基板部材は、マトリクス状に配列さ
れ、光反射性を有する金属で実現される複数の絵素電極
を少なくとも有し、一方基板部材は、前記複数の絵素電
極に対向する対向電極を少なくとも有する。また、前記
他方基板部材は、前記複数の絵素電極に対応した領域に
配設される、表示色毎に膜厚の異なる透明膜で実現され
るカラーフィルタを有する。
【0019】前記他方基板部材は、絶縁性基板上に光反
射性を有する金属をマトリクス状にパターン形成して絵
素電極を形成し、次いで、表示色毎に膜厚の異なる透明
膜をカラーフィルタとして各絵素電極上に形成して作成
される。
【0020】また本発明に従えば、前記反射型液晶表示
装置の前記他方基板部材は、絶縁性基板上に光反射性を
有する金属をマトリクス状にパターン形成し、次いで、
形成された金属をその表面から所定の深さだけ酸化して
透明膜を形成し、酸化された部分である透明膜をカラー
フィルタとして、酸化しない部分を絵素電極として、作
成される。
【0021】さらにまた、本発明に従えば、前記反射型
液晶表示装置の前記一方基板部材は、前記複数の絵素電
極に対向する対向電極と、前記複数の絵素電極に対応し
た領域に配設されるカラーフィルタとを少なくとも有す
る。前記一方基板部材は、透光性を有する絶縁性基板上
に金属をマトリクス状にパターン形成し、形成された金
属をその表面から所定の深さだけ酸化して透明膜を形成
するして、カラーフィルタを作成する。次いで、このカ
ラーフィルタを覆って、透明電極である対向電極を形成
して作成される。
【0022】このように、本発明の反射型液晶表示装置
は、カラーフィルタを無機材料を用いて形成される光干
渉フィルタで実現する。これによって、前記基板部材の
電極などを形成する方法と同一種類の加工法を用いて形
成することができる。したがって、従来技術の液晶表示
装置に用いられた有機材料の染色フィルタなどと比較し
て、カラーフィルタの製造工程に独自の加工を行う必要
がない。また、本発明の液晶表示装置は反射型であり、
カラーフィルタの一方表面からフィルタ内に入射した光
は、必ず反射されてフィルタ内に再び入射し、前記一方
表面から出射する。したがって、透明膜は単一層でよ
い。したがって、製造工程を簡略化することができる。
【0023】前記反射型液晶表示装置の透光性を有する
一方基板部材側からの入射光は、光の光路上に配置され
る透明膜に入射する。透明膜に入射する光の一部は、当
該透明膜表面で反射する。透明膜を透過した光は、他方
基板部材側の絵素電極表面で反射して、逆方向から前記
透明膜に入射し、出射する。この光と、当該透明膜表面
で反射した光とには、透明膜を通過し、絵素電極で反射
され、再び透明膜に入射する光路分だけ光路差が生じ
る。この光路差が光の波長の(2m−1)倍である場合
には、2つの光の位相が一致し、波が強め合う。mは任
意の自然数である。これによって、光の光量が増加す
る。逆に光路差が光の波長の(2m)倍であり、光の位
相が180度ずれた場合には、波は打ち消しあい、光量
は減少する。このような薄膜干渉によって、所定の波長
の光が相対的に増加し、透明膜を出射する光は色を帯び
る。
【0024】前記色は光路差によって決定される。すな
わち、透明膜の膜厚を変更するだけで、絵素の表示色を
変えることができる。したがって、簡単な構成のカラー
フィルタを用いて、カラー表示を行うことができる。ま
た、薄膜干渉では、光全体の光量はほとんど減衰しな
い。したがって、より明るい表示画面を得ることができ
る。
【0025】
【実施例】図1は、本発明の第1実施例である反射型の
液晶表示装置21の簡略化した構成を示す断面図であ
る。液晶表示装置21は、絵素がマトリクス状に配置さ
れ、各絵素が赤・緑・青のいずれかの色を表示するマト
リクス表示を行う。
【0026】液晶表示装置21は、光が入射/出射する
表示画面側の一方基板部材22と、光が反射する反射板
側の他方基板部材23との間に液晶層24が挟持され、
他方基板部材23の液晶層24側に、光干渉フィルタで
実現される赤・緑・青のカラーフィルタ25が形成され
る。
【0027】一方基板部材22は、透光性を有する絶縁
性の基板26の液晶層24側表面に、対向電極27が形
成され、その上に図示しない配向膜が形成されて完成す
る。さらに、基板26の対向電極27が形成された面と
反対側の表示画面側には、偏光板28が配置される。
【0028】液晶層24は、たとえば二色性染料が添加
されたネマティック型液晶で実現される。このような液
晶を用いた液晶表示装置は、絵素電極35に信号が印加
された状態で、光を透過し、信号が印加されない状態で
光を吸収するゲストホスト(以後、「GH」と略称す
る)モードの液晶表示装置である。反射型液晶表示装置
においては、液晶表示装置内部での光の損失をできる限
り減少させ、表示画面を明るくすることが必要とされ
る。GHモードの液晶表示装置は、光の利用効率が高
く、明るい表示画面を得ることができる。
【0029】図2は図1の他方基板部材23の平面図で
ある。図3は図2の他方基板部材23のA−A断面図で
ある。他方基板部材23は、たとえばスイッチング素子
に薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;以後、
「TFT」と略称する)を用いた、アクティブマトリク
ス基板で実現される。
【0030】絶縁性の基板31の表面に、互いに平行に
間隔を開けて、複数のゲート配線32が設けられる。そ
の上に、ゲート配線32と基板31表面全面を覆って、
ゲート絶縁膜33が成膜される。ゲート絶縁膜33上
に、ゲート配線32と直交し、互いに間隔を開けて平行
に配置される複数のソース配線34が設けられる。ゲー
ト配線32とソース配線34とに囲まれた矩形の絵素領
域に、絵素電極35が形成される。絵素電極35上に
は、各絵素領域毎に、赤・緑・青いずれかのカラーフィ
ルタ25が形成される。また他方基板部材23の液晶層
24側表面には、図示しない配向膜が形成される。
【0031】絵素電極35はたとえばTa(タンタ
ル)、Al(アルミニウム)、Ta系またはAl系の化
合物で実現され、絵素電極35とカラーフィルタ25と
の境界面で光を反射する。すなわち、絵素電極35は反
射板の役割を果たす。これによって、当該液晶表示装置
は反射板を必要としない。カラーフィルタ25は、強調
する光の波長帯域に応じて膜厚の異なる単層の透明物質
膜で実現される。カラーフィルタ25はたとえばTa酸
化物やAl酸化物で実現される。
【0032】光は、図1の矢符39方向から当該液晶表
示装置21内に入射する。入射した光のうちの偏光板2
8の吸収軸とは直交する振動方向の光だけが、偏光板2
8を通過し、透光性を有する基板26、対向電極27を
それぞれ通過して、液晶層24に入射する。たとえば液
晶層24がGHモードの液晶で実現される場合、絵素電
極35に信号が印加されていない状態では、光は液晶層
24内の色素によって吸収される。このとき、表示画面
は黒色表示となる。
【0033】信号が印加された状態では、光はそのまま
液晶層24を通過して、カラーフィルタ25に入射す
る。一部の光はカラーフィルタ25と配向膜との境界面
であるカラーフィルタ25の一方表面で反射する。残り
の光はカラーフィルタ25を通過して、カラーフィルタ
25と絵素電極35との境界面であるカラーフィルタ2
5の他方表面で反射され、カラーフィルタ25に再び入
射して、カラーフィルタ25内を通過し、前記一方表面
から出射する。このとき、前述した一方表面で反射した
光と、前記一方表面から出射する光との間で薄膜干渉が
生じ、所定の波長帯域の光が強めあい、光量を増す。こ
れによって、所定波長帯域に対応した色が強調される。
【0034】光は再び液晶層24を通過して、対向電極
27、基板26および偏光板28をこの順に通過して、
矢符40方向に出射する。これによって、表示画面の絵
素は、赤・緑・青のいずれかの光を表示する有色表示と
なる。
【0035】光干渉フィルタは、強調する光の波長帯域
に応じて膜厚が異なる。たとえば、カラーフィルタ25
が屈折率1.6のTa酸化物で実現される場合、それぞ
れのカラーフィルタ25の膜厚は、赤のカラーフィルタ
25aが3050ű50Å、緑のカラーフィルタ25
bが2530ű50Å、青のカラーフィルタ25cが
2160ű50Åである。これらの膜厚は、次式で決
定される。
【0036】 d=λ(2m−1)/4n …(1) dは薄膜の膜厚である。nは薄膜材料の屈折率である。
λは光の波長である。mは干渉次数である自然数であ
る。本実施例の液晶表示装置21においては、dはカラ
ーフィルタ25の膜厚であり、nはカラーフィルタ25
を形成する透明材料の屈折率である。またλは赤・緑・
青の表示色に対応した光の波長である。自然数mは理論
的にどのような値を取ってもよい。たとえば、膜厚dを
ばらつきが少なく形成できる大きさになるように決定さ
れる。これらの値を決定することによって、カラーフィ
ルタ25の膜厚dを算出することができる。
【0037】薄膜干渉は、極めて薄い透明膜に光が入射
した場合に生じる。薄膜の一方表面から光が入射する
と、光の一部は前記一方表面で反射され、残りの光は薄
膜内に入射する。薄膜内に入射し、薄膜の他方表面に到
達した光は、一部が当該他方表面で反射し、残りの光は
他方表面から出射する。本実施例では、薄膜であるカラ
ーフィルタ25の他方表面は、光を反射する絵素電極と
の境界面であるので、全ての光が反射する。反射した光
は、他方表面から再び薄膜内に入射し、前記一方表面か
ら出射する。このように、薄膜内に入射した光は、薄膜
内に入射せずに前記一方表面で反射した光と比較して、
薄膜内を2度通過した分だけ光が通過した光路が長くな
る。したがって、薄膜内に入射した光と、一方表面で反
射した光とには、光路差を生じる。
【0038】前記光路差が光の波長の(2m−1)倍と
一致する場合には、前記2つの光路を通過した光は、前
記一方表面で位相が一致する。これによって、波の山と
山とが重なり合い、振幅が増加する。前記光路差が光の
波長の(2m−1)倍と一致しない場合には、前記二つ
の光路を通過した光は、前記一方表面で位相差(光路
差)を生じる。光路差が(2m)倍に近い一部の波長帯
域の光は、光路差が(2m−1)倍に近い他の波長帯域
の光よりも打ち消し合う度合が大きい。これによって、
入射時には広範囲の波長帯域の光を均等に含む白色光で
あった光が、出射時には所定波長帯域の光の光量が相対
的に増加し、対応した色を帯びた光になる。
【0039】図4は、絵素電極35およびカラーフィル
タ25を形成する製造工程を段階的に示す断面図であ
る。
【0040】図4(1)に示す基板31には、ゲート配
線32、ゲート絶縁膜33およびソース配線34が既に
形成されている。この基板31上に、図4(2)に示す
ように、たとえばTa、Al、Ta系またはAl系の化
合物で実現される金属膜56を成膜する。次いで、金属
膜56をパターニングして、図4(3)に示すように、
絵素電極35を形成する。また絵素電極35は、ソース
配線34と同時に形成されるようにしてもよい。
【0041】絵素電極35が形成された基板31に、図
4(4)に示す透明物質膜57を成膜し、これをパター
ニングして、たとえば図4(5)に示すように、赤のカ
ラーフィルタが形成される領域にだけ透明物質層57a
を形成する。この透明物質層57aを覆って基板31全
面に、図4(6)に示す透明物質膜58を成膜し、パタ
ーニングして、たとえば図4(7)に示すように、赤の
カラーフィルタが形成される領域に透明物質層58aを
形成し、緑のカラーフィルタが形成される領域に透明物
質層58bを形成する。さらに、この基板31全面に、
図4(8)に示す透明物質膜59を成膜し、パターニン
グして、たとえば、赤のカラーフィルタが形成される領
域、緑のカラーフィルタが形成される領域、および青の
カラーフィルタが形成される領域に、それぞれ透明物質
層を形成する。これによって、絵素電極35上に異なる
数の透明電極層が積層され、図4(9)に示す、膜厚の
異なる赤・緑・青のカラーフィルタ25a〜25cが形
成される。
【0042】透明物質層57〜59の膜厚は、それぞれ
積層したときに、赤・緑・青のカラーフィルタ25の膜
厚を形成できるように決定される。すなわち、赤のカラ
ーフィルタ25aの膜厚は、透明物質膜57〜59の膜
厚の和である。緑のカラーフィルタ25bの膜厚は、透
明物質膜58、59の膜厚の和である。青のカラーフィ
ルタ25cの膜厚は、透明物質膜59の膜厚である。
【0043】このように、カラーフィルタ25は一般的
なアクティブマトリクス基板の加工法の一つである、薄
膜形成と膜のパターニングとを繰り返して形成すること
ができる。また、膜厚は、透明物質層の膜厚と積層回数
とによって決定することができる。
【0044】さらにまた、赤・緑・青のカラーフィルタ
25は液晶層24側に向って厚さが異なるけれども、た
とえば一般に5μmである液晶層24の厚みと比較し
て、カラーフィルタ25の厚みのばらつきは0.2μm
と非常に小さいので、表示特性に影響を与えない。ま
た、カラーフィルタ25上方に液晶層24の厚みを平均
化するための平滑化層を設ける構成としてもよい。
【0045】図5は基板31上に絵素電極35およびカ
ラーフィルタ25を形成する他の製造工程を段階的に示
す断面図である。図6は、本製造工程の一部を詳細に説
明する断面図である。
【0046】図5(1)に示す基板31には、ゲート配
線32、ゲート絶縁膜33およびソース配線34が既に
形成されている。この基板31上全面に、図5(2)で
示す、たとえばTa、Al、Ta系またはAl系の化合
物で実現される金属膜41を成膜する。次いで、金属膜
41をパターニングして、図5(3)で示すように、絵
素電極が形成される領域にそれぞれ独立した金属層42
を形成する。また金属層42は、ソース配線34と同時
に形成されるようにしてもよい。
【0047】次いで、図5(4)で示すように、基板3
1の赤のカラーフィルタ24aが形成されるべき領域の
金属層42以外の領域を、レジスト43で覆い、前記金
属層42を陽極酸化する。これによって、図5(5)に
示すように、前記金属層42上層が酸化されて、透明物
質層になり、赤のカラーフィルタ25aが形成される。
当該カラーフィルタ25aの下方の酸化されなかった部
分は絵素電極35になる。
【0048】図5(3)〜図5(5)に示す工程を、図
6で説明する。図6(1)に示す金属層42が形成され
た基板31表面全面に、図6(2)に示すレジスト43
を塗布する。このレジスト43を図6(3)に示すマス
ク44を用いて露光し、現像して、図6(4)に示す一
部の金属層42が露出した状態の基板を形成する。次い
で、この基板の金属層42を陽極として、電解槽内に設
置される。電解槽内は、電解液が満たされ、陰極が設置
される。この電解槽内の陰極と前記陽極との間に所定の
化成電圧を印加して、陽極酸化を行う。これによって、
図6(5)に示す、赤のカラーフィルタ25aが形成さ
れた状態の基板を形成する。電解液の組成および化成電
圧などの陽極酸化の条件は、金属層42を構成する材料
に応じて変化する。たとえば電解液には、一般に酒石酸
アンモニウム水溶液が用いられる。
【0049】再び図5を参照して、図5(5)に示す基
板を洗浄し、レジスト43を除去した後、緑のカラーフ
ィルタ25bが形成されるべき絵素領域に形成される金
属層42について、図6(1)〜図6(4)の工程を繰
返し、図5(6)に示す状態の基板を作成し、レジスト
43に覆われていない金属層42を陽極酸化して、図5
(7)に示す緑のカラーフィルタ25bが形成された基
板31が得られる。同様に、青のカラーフィルタ25c
が形成されるべき絵素領域に形成される金属層42につ
いて、図6(1)〜図6(4)の工程を繰返し、図5
(8)に示す状態の基板を作成し、レジスト43に覆わ
れていない金属層42を陽極酸化して、図5(9)に示
す緑のカラーフィルタ25cを形成する。
【0050】最後にレジスト43を除去し基板を洗浄し
て、図5(10)で示す赤・緑・青のカラーフィルタ2
5を有する基板31が完成する。
【0051】このように、本発明のカラーフィルタ25
は、一般的なアクティブマトリクス基板を形成する方法
の一つである陽極酸化法で形成することができる。ま
た、陽極酸化法を用いる場合、カラーフィルタ25の膜
厚は、印加する化成電圧の大きさを変化させるだけで制
御することができる。
【0052】陽極酸化法を用いてカラーフィルタ25を
形成する場合、金属層42は、その表面から深さ方向に
向って酸化される。このとき、金属層42を2層構造と
し、下層をたとえば面抵抗の抵抗値1Ω/□の材料で形
成し、上層をたとえば面抵抗の抵抗値100Ω/□の、
下層と比較して充分抵抗値の高い材料で形成する。上層
と下層の抵抗値の関係は経験的に判っている。この上層
を陽極酸化し、カラーフィルタを形成するようにしても
よい。絵素電極35の抵抗値は下層の抵抗値で決定され
るので、上述のようにカラーフィルタ25を形成する
と、絵素電極35全体の抵抗値がばらつく事を防止する
ことができる。
【0053】図7は、図1の液晶表示装置21の他方基
板部材23の他の構成例である他方基板部材23aを示
す平面図である。図8は、図7の他方基板部材23aの
B−B断面図である。図7および図8の他方基板部材2
3aは、それぞれ図2および図3の他方基板部材23に
類似の構成を有し、同一の構成には同一の符号を付け、
説明は省略する。本例では、絵素電極35がゲート配線
32などと同一の工程で形成され、ゲート絶縁膜33の
下に配置される。
【0054】図9(1)〜(12)は、図7および図8
の他方基板部材23aの製造工程を段階的に説明するた
めの断面図である。図9(1)に示す基板31の一方表
面全面に、図9(2)に示す金属膜71を成膜する。次
いで、前記金属膜71をパターニングして、ゲート配
線、ゲート電極および絵素電極が形成される領域に、図
9(3)に示す金属層72を形成する。
【0055】続いて、前記基板31の表面にフォトレジ
ストを塗布し、マスクを重ねて露光し現像する。これに
よって、図9(4)に示すように、前記基板31表面
の、赤のカラーフィルタ25aが形成される領域に設け
られる金属層72だけが露出するように、前記表面がレ
ジスト73で覆われる。次いで、レジスト73で覆われ
た基板31を陽極酸化し、図9(5)に示す赤のカラー
フィルタ25aを形成する。次いで、図9(6)に示す
ように、レジスト73を除去する。図9(4)から図9
(6)までに示す工程を、緑のカラーフィルタ25bが
形成される領域、および青のカラーフィルタ25cが形
成される領域について繰返す。これによって、図9
(7)に示すように、各金属層72上にカラーフィルタ
25をそれぞれ形成する。
【0056】続いて、図9(8)に示すように、前記金
属層72をパターニングし、ゲート配線32およびゲー
ト電極36aと絵素電極35とを分離する。次いで、前
記基板の一方表面全面にゲート絶縁膜33を形成する。
またゲート電極36aの上方に、ソース電極とドレイン
電極とが形成される領域にまたがって、ゲート絶縁膜3
3を挟んで、コンタクト層75を形成する。さらにコン
タクト層75の上方に、半導体層76を形成する。この
状態を図9(9)に示す。
【0057】続いて、前記ゲート絶縁膜33をパターニ
ングして、ドレイン電極が形成される領域に図9(1
0)に示す、コンタクトホール77を形成する。また同
時に、カラーフィルタ25上方のゲート絶縁膜33を除
去する。次いで、この基板31上にソース配線34、ソ
ース電極36b、およびドレイン電極36cを形成す
る。これによって、図9(11)に示すように、基板3
1上にTFT36が形成される。
【0058】最後に、カラーフィルタ25上方以外の領
域に保護膜37を形成して、図9(12)に示す他方基
板部材23aを完成する。
【0059】このように、絵素電極35をゲート絶縁膜
33の下方に形成することによって、絵素電極35をゲ
ート配線32などと同時に形成することができる。ま
た、カラーフィルタ25の製造工程をTFT36や配線
32,34の製造工程内に組込むことができる。
【0060】図10は、本発明の第2実施例である反射
型液晶表示装置21aの簡略化した構成を示す断面図で
ある。図10の反射型液晶表示装置21aは、図1の反
射型液晶表示装置21と類似の構成を有し、同一の構成
には同一の符号を付けて説明は省略する。本実施例で
は、カラーフィルタ25を一方基板部材22aの基板2
6と対向電極27との間に形成する。
【0061】光は矢符39方向から、当該液晶表示装置
21a内に入射する。入射した光のうちの、偏光板28
の吸収軸とは直交する振動方向の光だけが、偏光板28
を通過し、透光性を有す基板26を通過して、カラーフ
ィルタ25に入射する。一部の光はカラーフィルタ25
表面で反射する。残りの光はカラーフィルタ25、対向
電極27をそれぞれ通過して、液晶層24に入射する。
たとえば液晶層24がGHモードで用いられる二色性色
素が添加されたネマティック型の液晶で実現される場
合、絵素電極35に信号が印加されていない状態では、
光は液晶層24内の色素によって吸収される。このと
き、表示画面は黒色表示となる。
【0062】信号が印加された状態では、光はそのまま
液晶層24を通過する。光は他方基板部材23の絵素電
極35表面で反射され、再び液晶層24を通過して、対
向電極27、カラーフィルタ25をこの順に通過しカラ
ーフィルタ25表面から出射する。このとき、前述した
カラーフィルタ25表面で反射した光と、カラーフィル
タ25から出射する光との間で薄膜干渉が生じ、所定の
波長帯域の光が強めあい、相対的に光量を増す。これに
よって、所定波長帯域に対応した色が強調される。前記
干渉を生じた光は、基板26および偏光板28を通過し
て、矢符40方向に出射する。これによって、表示画面
の絵素は、赤・緑・青のいずれかの光を表示する有色表
示となる。
【0063】図11は前記基板26上にカラーフィルタ
25を形成する工程を段階的に示す平面図である。たと
えば、前記反射型液晶表示装置21aは、赤・緑・青の
カラーフィルタ25を有する絵素の配列方式が、同一の
表示色を表示する絵素が、基板26端部に平行な直線上
に配置された、ストライプ配列であるような装置であ
る。
【0064】図11(1)に示す、たとえばガラスで実
現される、透光性を有する基板26の対向電極が形成さ
れる一方表面全面に図11(2)に示す金属膜81を成
膜する。次いで、前記金属膜81をパターニングして、
赤・緑・青のカラーフィルタ25a〜25cのそれぞれ
が形成される領域にまたがって、図11(3)に示す、
金属層82が形成される。
【0065】続いて、前記基板26表面を覆って図示し
ないフォトレジストが塗布され、露光され、さらに現像
されて、赤のカラーフィルタ25aが形成される領域に
設けられた金属層82上部以外の、総ての領域がレジス
トで覆われる。レジストで覆われた基板26を図11
(4)に示されるように、陽極酸化槽84に浸積させ
て、陽極酸化する。陽極酸化槽84内には、電解液が満
たされている。前記基板の金属層82を陽極として、当
該陽極と陽極酸化槽84内の陰極との間に予め定めた化
成電圧を印加し、陽極側の基板表面の金属を酸化させ
る。陽極酸化槽84から引上げた基板26からレジスト
を除去し、洗浄して、図11(5)に示す透明物質層8
5aを形成する。
【0066】図11(4)および図11(5)に示す工
程を緑のカラーフィルタ25bおよび青のカラーフィル
タ25cが形成される領域に設けられた金属層82に対
して繰り返し、図11(6)に示す透明物質層85b,
85cを形成する。透明物質層85a,85b,85c
はそれぞれ、赤・緑・青のカラーフィルタ25a〜25
cの厚みを有する。次いで、透明物質層85a〜85c
をパターニングして、各絵素毎に分割し、図11(7)
に示すカラーフィルタ25が完成する。
【0067】このカラーフィルタ25上に対向電極27
を形成し、さらに図示しない配向膜を形成して、前記一
方基板部材22aが完成する。
【0068】以上のように対向電極側基板にも本発明の
カラーフィルタ25を形成することができる。
【0069】本発明のカラーフィルタ25は絵素電極や
対向電極などと同一の加工法によって形成することがで
きるので、たとえば染色フィルタの製造工程だけに用い
られる染色工程のための装置を必要としない。したがっ
て、カラーフィルタ25の製造装置などを電極などを形
成するための装置と兼用または同一機種とすることがで
きる。また、これによってカラーフィルタ25の製造工
程の一部を、基板部材の他の部分を形成する工程と同時
に行うことができるので、製造コストを低減させること
ができる。
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、反射型液晶表示装置
は、いずれか一方が透光性を有する一対の基板部材が液
晶層を挟持する。一対の基板部材のうち、他方基板部材
は、マトリクス状に配列され、光反射性を有する金属で
実現される複数の絵素電極を有し、一方基板部材は、前
記複数の絵素電極に対向する対向電極を有する。また、
前記一対の基板部材のうのいずれか一方の基板部材は、
前記複数の絵素電極に対応した領域に配設される、表示
色毎に膜厚の異なる透明膜であるカラーフィルタを有す
る。
【0071】前記他方基板部材が前記カラーフィルタを
有する場合、カラーフィルタである透明膜は絵素電極上
に成膜されて形成されるか、マトリクス状に配置された
金属を陽極酸化した酸化膜から形成される。
【0072】前記一方基板部材が前記透明膜を有する場
合、透明膜であるカラーフィルタはマトリクス状に配置
金属を陽極酸化した酸化膜から形成され、その上に、カ
ラーフィルタを覆って、対向電極が形成される。
【0073】このようなカラーフィルタは、前記基板部
材の電極などを形成する方法と同一種類の方法を用いて
形成することができる。したがって、基板部材の他の部
分と同時にカラーフィルタを形成することができ、製造
工程を簡略化することができる。
【0074】また、本発明のカラーフィルタは、薄膜干
渉の現象を用いて所定波長帯域の光の光量を相対的に増
加して、色を表示する。これによって、カラーフィルタ
の光の透過率は100%に近く、光全体の光量はほとん
ど減衰しない。したがって、より明るい表示画面を得る
ことができる。ゆえに、液晶表示装置の表示品位を向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である液晶表示装置21の
簡略化した構成を示す断面図である。
【図2】図1の他方基板部材23の平面図である。
【図3】図2の他方基板部材23のA−A断面図であ
る。
【図4】図1の基板31上に絵素電極35およびカラー
フィルタ25を形成する製造工程を段階的に示す断面図
である。
【図5】図1の他方基板部材23の基板31上に絵素電
極35およびカラーフィルタ25を形成する他の製造工
程を段階的に示す断面図である。
【図6】図5の製造工程の一部を段階的に詳細に説明す
るための断面図である。
【図7】図1の他方基板部材23の他の構成例である他
方基板部材23aの平面図である。
【図8】図7の他方基板部材23aのB−B断面図であ
る。
【図9】図7および図8の他方基板部材23aの製造工
程を段階的に示す断面図である。
【図10】本発明の第2実施例である反射型液晶表示装
置21aの簡略化した構成を示す断面図である。
【図11】図10の一方基板部材22aの基板26上に
カラーフィルタ25を形成する工程を段階的に示す平面
図である。
【図12】従来技術の液晶表示装置1,1aの断面図で
ある。
【図13】染色フィルタの製造工程を説明するための断
面図である。
【符号の説明】
21,21a 液晶表示装置 22 一方基板部材 23,23a 他方基板部材 25 カラーフィルタ 27 対向電極 35 絵素電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 いずれか一方が透光性を有する一対の基
    板部材と、当該一対の基板部材間に介在される液晶層と
    を備え、透光性を有する一方基板部材側からの入射光が
    他方基板部材側で反射して一方基板部材側から出射し、 前記他方基板部材は、マトリクス状に配列される複数の
    絵素電極と、当該複数の絵素電極に対応した領域に配設
    されるカラーフィルタとを少なくとも有する反射型液晶
    表示装置の製造方法において、 前記他方基板部材は、絶縁性基板上に光反射性を有する
    金属をマトリクス状にパターン形成して絵素電極を形成
    し、表示色毎に膜厚の異なる透明膜から成るカラーフィ
    ルタを各絵素電極上に形成して作成されることを特徴と
    する反射型液晶表示装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 いずれか一方が透光性を有する一対の基
    板部材と、当該一対の基板部材間に介在される液晶層と
    を備え、透光性を有する一方基板部材側からの入射光が
    他方基板部材側で反射して一方基板部材側から出射し、 前記他方基板部材は、マトリクス状に配列される複数の
    絵素電極と、当該複数の絵素電極に対応した領域に配設
    されるカラーフィルタとを少なくとも有する反射型液晶
    表示装置の製造方法において、 前記他方基板部材は、絶縁性基板上に光反射性を有する
    金属をマトリクス状にパターン形成し、形成された金属
    をその表面から所定の深さだけ酸化して、酸化された部
    分をカラーフィルタとして、酸化されていない部分を絵
    素電極として作成されることを特徴とする反射型液晶表
    示装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 いずれか一方が透光性を有する一対の基
    板部材と、当該一対の基板部材間に介在される液晶層と
    を備え、透光性を有する一方基板部材側からの入射光が
    他方基板部材側で反射して一方基板部材側から出射し、 前記他方基板部材は、マトリクス状に配列される複数の
    絵素電極を有し、 前記一方基板部材は、前記複数の絵素電極に対向する対
    向電極と、前記複数の絵素電極に対応した領域に配設さ
    れるカラーフィルタとを少なくとも有する反射型液晶表
    示装置の製造方法において、 前記一方基板部材は、透光性を有する絶縁性基板上に金
    属をマトリクス状にパターン形成し、形成された金属を
    その表面から所定の深さだけ酸化して酸化された部分を
    カラーフィルタとし、カラーフィルタを覆って透明電極
    から成る対向電極を形成して作成されることを特徴とす
    る反射型液晶表示装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 いずれか一方が透光性を有する一対の基
    板部材と、当該一対の基板部材間に介在される液晶層と
    を備え、透光性を有する一方基板部材側からの入射光
    は、光の光路上に配置されるカラーフィルタを通過する
    とともに、他方基板部材側で反射して一方基板部材側か
    ら出射し、 前記他方基板部材は、マトリクス状に配列される複数の
    絵素電極を少なくとも有し、 前記一方基板部材は、前記複数の絵素電極に対向する対
    向電極を少なくとも有し、 前記一方基板部材および他方基板部材のうちのいずれか
    一方は、少なくとも前記複数の絵素電極に対応した領域
    に配設されるカラーフィルタを有する反射型液晶表示装
    置において、 前記絵素電極は、光反射性を有し、 前記カラーフィルタは、表示色毎に膜厚の異なる透明膜
    から成ることを特徴とする反射型液晶表示装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1069460A1 (en) * 1999-01-29 2001-01-17 Citizen Watch Co., Ltd. Reflective lcd device and method of manufacture thereof
US6879359B1 (en) 1998-11-18 2005-04-12 Nec Lcd Technologies, Ltd. Reflection type liquid crystal display provided with reflective layer, coplanar gate electrode, color filter layer and transparent pixel electrode and manufacture method thereof

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