JPH08254423A - 移動体搭載用距離検出装置 - Google Patents

移動体搭載用距離検出装置

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JPH08254423A
JPH08254423A JP7058427A JP5842795A JPH08254423A JP H08254423 A JPH08254423 A JP H08254423A JP 7058427 A JP7058427 A JP 7058427A JP 5842795 A JP5842795 A JP 5842795A JP H08254423 A JPH08254423 A JP H08254423A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】自動車等の移動体に衝突防止等のために搭載さ
れる距離検出装置が検出対象1を捉える立体的な視野V
の広さと角度方向θをハンドル位置等の運転関連状態に
応じて調整しながら検出対象1までの距離を正確に検出
する。 【構成】一対のイメージセンサ群12とそれに検出対象1
の映像を結像させる光学的手段20を備える映像検出モジ
ュール30と,それから一対の映像データIDを受けて検出
対象1までの距離を検出する距離演算手段50と, 移動体
の運転に関連するハンドル位置等の現在の状態を検出す
る状態検出手段60とを用い、状態検出手段60による検出
結果に基づいて検出対象1を捉える視野Vの広さと正面
からの角度方向θとを設定し、その設定内容に応じて距
離演算に用いる映像データIDの範囲ないしは部分を距離
演算手段50に指定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車等の移動体に衝突
防止等のために搭載されるいわゆるパッシブ方式の距離
検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上述の移動体の衝突防止等にはまず衝突
する相手までの距離を検出する必要があり、そのための
距離検出法には超音波や赤外線光を検出対象に当ててそ
の反射時間を検出するアクティブ方式がよく知られてい
るが、検出可能な距離に制約があり,検出対象と他の物
体との区別を付け難い等の問題点があるため、最近では
一対のイメージセンサを用いて捉えた検出対象の映像か
ら距離を検出する前述のパッシブ方式の方が実用性が高
く将来性があると考えられている。このパッシブ方式で
は三角測距法を利用するのがふつうであり、周知のこと
ではあるが図8を参照して以下にその概要を簡単に説明
する。
【0003】図8に示されたパッシブ方式では、一対の
イメージセンサ11を利用して例えば先行自動車である検
出対象1までの距離dを検出するため、相互に基線長b
だけ離して配置した一対の小さなレンズ21により検出対
象1から光Lを互いに異なる光路を経由して受け、その
短い焦点距離fの位置にあるイメージセンサ11に検出対
象1の映像Iをそれぞれ結像させる。検出対象1が正面
にある左側のイメージセンサ11上の映像Iの結像位置は
距離dに関せず同じであるが、右側のイメージセンサ11
では位置が検出対象1が無限遠点にあるときの基準位置
上の映像Ioから距離dに応じて図のσだけずれてくる。
このずれσを検出すれば距離dは簡単な三角測量の原理
によってd=bf/σの式から計算できるが、実用上は
ずれσをそのまま距離dを表す指標として用いるのが通
例である。
【0004】このずれσを検出するには、各イメージセ
ンサ11からその複数個の光センサによる検出データを集
めた映像Iを表す映像データを取り出した後、例えば左
右の映像データを互いに光センサ1個分づつ順次ずらせ
ながら両者間の相関度を検定した評価値をそのつど計算
して行き、最大相関が検定されるまでに映像データをず
らせた回数を光センサ数で表したずれσとすることでよ
く、評価値関数に補間計算を施してずれσの検出精度を
高めることもできる。
【0005】さて、図8のような距離検出装置がカメラ
に組み込まれる場合は検出対象1はもちろんファインダ
を介して装置の正面に人為的に従って正確に捉えられる
が、移動体に搭載される場合は先行自動車等である検出
対象1が移動中であることが多く,かつ移動体自身もも
ちろん移動中でその進行方向や姿勢が絶えず変化するの
で検出対象1を距離検出装置の正面に正しく捉えること
ができなくなる。この問題を解決するため、例えば特開
昭60-61611号公報に記載の従来技術では互いに平行に配
列された複数対のイメージセンサを距離の検出のために
適宜切り換えて使用することが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の特開昭
60-61611号公報の従来技術ではイメージセンサ対ごとに
一対の映像データの全体を相互に比較して検出対象を検
出するので拡がりのある物体の検出には有利であるが、
イメージセンサの視野内に検出対象以外の物体が侵入し
てくるとそれまでの距離を誤検出してしまう危険があ
り、複数のイメージセンサ対による検出結果の履歴を考
慮して判断するとしても妨害物体を排除して検出対象の
距離だけを正しく検出するのはかなり困難と考えられ
る。
【0007】一方、本件の出願人はさきに特公平3-6720
3 号公報において距離検出の方向を任意に設定できる技
術を提案し、さらに特開平3-141311号公報においてイメ
ージセンサの距離検出用の視野角を可変にできる技術を
提案した。これら先行技術を組み合わせると距離検出の
方向と視野角とを検出対象に向けて設定できることにな
るが、カメラのファインダを介し検出対象を捉えること
を前提にしていたので設定が可能な方向や視野角がイメ
ージセンサ対に映像を結像させる図8の一対のレンズ21
の光軸を含む平面内に限られてしまい、視野角の立体的
な設定が必要になる移動体に搭載すべき距離検出装置に
はこれらの先行技術の単なる組み合わせだけでは不充分
になり、実用的な搭載用の距離検出装置とするには立体
視野角の広さや方向の設定も移動体や検出対象の極めて
変化しやすい状態に応じて絶えず調整して行く必要があ
る。
【0008】かかる問題点の所在に鑑みて本発明の目的
は検出対象を捉える立体的な視野の広さと方向を移動体
の運転に関連する状態に応じて容易に設定ないし調整で
きるようにして距離検出装置の実用性を高めることにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の移動体搭載用の
距離検出装置によれば上記の目的は、それぞれ複数のイ
メージセンサを含み所定間隔だけ離して配置された一対
のイメージセンサ群とこれらに検出対象の映像を互いに
異なる光路を介してそれぞれ結像させる光学的手段とを
備える映像検出モジュールと, これから対象の映像を表
す映像データを受けて両イメージセンサ群間の対応する
イメージセンサによる映像データ対から検出対象までの
距離を演算する距離演算手段と, 移動体の運転に関連す
る現在の状態を検出する状態検出手段とを用い、状態検
出手段の検出結果に基づいて検出対象を捉えるべき視野
の広さおよびその映像検出モジュールの正面からの角度
を設定し, その内容に応じて距離演算に用いる映像デー
タの範囲を距離演算手段に指定することによって達成さ
れる。
【0010】上記の構成にいう視野の広さを立体的に設
定するには、距離演算手段に対してその演算に用いる映
像データが取り出された一対のイメージセンサ群間の互
いに対応するイメージセンサ対およびそれによる各映像
データ内の距離演算に用いる範囲を指定するのがよく、
さらにはかかる指定により視野を上辺が下辺より短くか
つ両辺が水平な台形状に設定するのが望ましい。また、
このように設定された視野内の検出対象の明るさは非常
に広範囲に変化し得るので、上記の構成にいう映像検出
モジュール内の各イメージセンサ群に付随してそれが受
ける平均光量を検出する光量センサを設け、検出光量に
応じて映像検出モジュール内のイメージセンサの例えば
電荷蓄積時間である対象検出時間を調整するのがよい。
【0011】本発明で用いる状態検出手段には必要に応
じて移動体の運転に関連する状態を検出する種々なセン
サ類を適宜に利用できる。例えば、移動体が道路のカー
ブを走行中に先行する検出対象を正確に捉えるためにハ
ンドルの位置センサを用いることができ、この場合は検
出結果に応じて検出対象を捉えるべき視野の映像検出モ
ジュールの正面からの水平方向の角度を設定,つまりそ
の時のハンドル位置により移動体の進行方向が変化する
のと同じ方向に視野を向けるように設定する。ただし、
この場合はハンドル位置のごく僅かな変化に応じて視野
を徒に変えると検出対象を見失うおそれがあるので、ハ
ンドルの操作角度が所定の限界値を越えかつ一定時間持
続したときにのみ視野を変えるのが望ましい。
【0012】本発明の別の有利な実施態様では、状態検
出手段に移動体の前後方向の傾きを検出する姿勢センサ
を用いて検出された傾き角度に応じて検出対象を捉える
べき視野の映像検出モジュールの正面からの垂直方向角
度を設定する。さらに異なる実施態様では、状態検出手
段として移動体の速度を検出する速度センサを用いて検
出速度に応じて検出対象を捉えるべき視野の広さを設
定,つまり速度が高くて移動体の制動可能距離が長い場
合は遠い検出対象までの距離を正確に検出できるよう視
野の広さを狭めるように設定する。
【0013】さらに、状態検出手段に天候条件のセンサ
を用いて移動体が走行中に置かれる雨,霧等の天候条件
を検出し、悪天候が検出されたときに検出対象を見失わ
ないよう視野の広さを拡げるのがよい。この天候条件の
検出センサとしては移動体の外表面部分に取り付けられ
た濡れ検出センサを用いることができ、より簡単にはウ
インドーワイパの動作をセンサにより検出してもよい。
また、状態検出手段に移動体が走行中に置かれる環境の
明るさを検出するセンサを用い、暗い環境では同様に視
野を拡げるようにし、さらには映像検出モジュール内に
映像検出感度の調整手段を組み込んで暗い環境条件下で
は検出感度を高めるのがよい。
【0014】本発明における距離演算手段は、前述のよ
うに検出対象を捉える視野の広さと方向の設定に応じて
指定された範囲内のイメージセンサ対とその映像データ
から距離を演算するものであり、指定範囲内の一対の映
像データを相互に順次ずらせながら両者間の相関を検定
する相関値演算手段と,最高相関が検定されたときの両
者間のずらせ量から距離を示す指標を検出する最高相関
検出手段を含む専用の回路装置やマイクロプロセッサと
するのがよい。この距離指標は視野内の複数のイメージ
センサ対ごとに演算するので、演算速度を高めるために
複数の距離演算手段を用いて演算作業を分担させるのが
合理的である。
【0015】また、映像検出モジュールと複数の距離演
算手段の間にRAM等の記憶手段を介在させ、映像検出
モジュールから発生される映像データを記憶手段内にす
べて一旦記憶させた後に各距離演算手段に読み込ませる
のが有利である。すなわち、例えば距離演算手段が距離
を演算している間に映像検出モジュールに映像を検出さ
せて映像データを記憶手段に記憶させることができるの
で、距離検出に要する時間を実質的に短縮して検出速度
を2倍に高めることができる。
【0016】
【作用】本発明は前述の従来技術のように視野内に検出
対象以外の物体を捉えて距離を誤検出することがないよ
う検出対象を捉えるべき視野の広さおよび方向を任意に
設定できるようにし、映像検出モジュール内に一対のイ
メージセンサ群を設けることによりこの視野を立体的に
設定できるようにし、状態検出手段に検出させた移動体
の運転に関連する現在の状態に応じ視野の広さや方向を
適切に調整できるようにし、さらに距離演算手段に演算
に用いるべき映像データの範囲を指定するだけで視野を
ごく簡単に設定できるようにすることにより、前述の所
期の目的を達成して実用性の高い距離検出装置を提供す
るものである。
【0017】すなわち、本発明の移動体搭載用距離検出
装置は前項中の構成にいうように、映像検出モジュール
に所定間隔だけ離して配置された一対のイメージセンサ
群とそれに検出対象の映像を異なる光路を介して結像さ
せる光学的手段を組み込んで検出対象を捉える立体的視
野を設定できるようにし、両イメージセンサ群による検
出対象のパターンを表す映像データを距離演算手段に与
えて両群間の対応するイメージセンサによる映像データ
の対から検出対象までの距離を演算させ、状態検出手段
に移動体の運転関連状態を検出させてその結果に応じ検
出対象を捉えるべき視野の広さと方向を距離演算手段に
対する距離演算用の映像データの範囲の指定により適切
かつ容易に設定できるようにするものである。
【0018】
【実施例】以下、図を参照しながら本発明の実施例を説
明する。図1は本発明による距離検出装置と関連装置を
含めた回路構成例を示すブロック回路図、図2は映像検
出モジュールの構造例を示す断面図、図3はイメージセ
ンサ群と関連回路を含めた集積回路チップの構成例を示
す回路図,図4は視野の広さおよび方向を設定する要領
例を示す模式図、図5は状態検出手段の検出結果に基づ
いて視野を設定する要領例を示す視野の模式図、図6は
距離演算手段による距離演算の要領例を示す模式図、図
7は距離演算手段の動作例を示す流れ図である。なお、
以下説明する実施例では距離検出装置が搭載される移動
体は自動車であり,それからの距離を検出すべき対象は
先行する自動車とするが、本発明装置はもちろんこれに
限らず必要に応じて種々な場合に適用することができ
る。
【0019】図1の上部に示す先行自動車である検出対
象1を捉えるために本発明ではその下側に示された一対
のイメージセンサ群12と光学的手段20を組み込んだ映像
検出モジュール30を用いるが、イメージセンサ群12内の
イメージセンサが垂直方向や水平方向のものを場合に応
じて使い分けることが望ましいので、図1には便宜上こ
れら両方の映像検出モジュール30が示されている。各モ
ジュール30内に所定の間隔だけ相互に離して配置された
一対のイメージセンサ群12は集積回路装置10のチップに
作り込まれており、チップごとに設けられた光学的手段
20の小レンズは検出対象1から光Lを受けてその映像を
図示のように互いに異なる光路を介して各イメージセン
サ群12の上に結像させる。映像検出モジュール30はこれ
ら一対の小レンズをもつ正面をもちろん検出対象1があ
る前方に向けるよう、かつ一対のイメージセンサ群12が
左側のモジュール30では上下に, 右側のモジュール30で
は左右にそれぞれ並ぶように移動体の前面に取り付けら
れる。
【0020】イメージセンサ群12は図の下側部に示す移
動体に搭載された制御計算機70から制御バス71を介して
指令を受け、それに応じて検出対象1の映像を検出した
上で映像データIDを出力するが、図の実施例ではこの映
像データIDを例えばRAMである記憶手段50にその入力
バス41を介して読み取って一旦記憶した後にその出力バ
ス42を介して距離演算手段50に読み取るようにする。映
像検出モジュール30と距離演算手段50との間に記憶手段
40を介在させることにより、距離演算手段50が距離を演
算している間に映像検出モジュール30に映像を検出させ
て記憶手段40に映像データIDを記憶させることができる
ので、距離検出に要する時間を実質的に短縮して検出速
度を約2倍に高めることができる距離演算手段50は一対
のイメージセンサ群12間の対応するイメージセンサ対に
よる映像データIDから検出対象1までの距離の指標とし
て前述の映像間ずれσを演算するものであるが、これを
複数のイメージセンサ対のそれぞれについて演算する必
要があるため図のように距離演算手段50を複数個, この
実施例では若干の余裕を見て4個設けて距離演算を分担
させることにより演算時間を短縮するのが望ましい。こ
の距離演算手段50には演算専用の集積回路装置を用いて
もよいが、検出対象1を捉えるべき視野の広さや方向を
設定する際の自由度を高め得る点で小形のマイクロプロ
セッサを利用するのが有利である。
【0021】これらの距離演算装置50は制御計算機70か
ら制御バス71を介しそれぞれの演算分担範囲の指定と指
令を受けて並行して動作し、アドレスバス51を介し指定
した映像データIDを記憶手段40から出力バス42を介して
順次読み取った後に、それに基づく距離指標σの演算結
果を制御計算機70にその指令に応じてデータバス72を介
して順次に送る。その演算要領は図6と図7を参照して
後に説明する。
【0022】状態検出手段60は距離検出に影響を与えや
すい移動体の運転に関連する現在の状態を検出するため
のもので、移動体に装備されているセンサ類を適宜利用
することでもちろんよいが、図示の例では運転ハンドル
の位置センサ61と, 移動体の前後方向の傾きを検出する
姿勢センサ62と, 移動体の現在の運転速度を検出する速
度センサ63と, 移動体が走行中が受ける雨や霧等の不利
な天候条件を検出する天候センサ64とが用いられる。天
候センサ64としては移動体の外表面部分に取り付けられ
た濡れ検出センサを用いるのが実用的であり、より簡単
にはウインドーワイパの動作の検出センサとしてもよ
い。このほかにも移動体が置かれる夜間やトンネル等の
環境の明るさの検出センサを用いることができる。
【0023】状態検出手段60としてのこれらセンサ61〜
64による検出結果は制御計算機70に読み取るのがよく、
図示の例ではそれらの検出信号を制御バス73を介する指
令に応じてそれぞれAD変換器65によって検出データに
変換した上でデータバス74を介して制御計算機70に読み
取る。本発明では状態検出手段60のかかる検出結果に基
づいて図では右側の映像検出モジュール30について示し
た検出対象1を捉えるべき視野Vの広さとその正面から
の角度θを設定する。これらを後述するような要領で設
定するには制御計算機70にソフトウエアの形で装荷して
おくのがよく、それによる設定内容は距離演算に用いる
べき映像データIDの範囲の形で距離演算手段50に制御バ
ス71を介して指定される。
【0024】距離演算手段50により演算された検出対象
1までの距離指標σは前述のように制御計算機70に読み
取られて移動体の衝突防止等に用いられる。図の例では
このための制御手段として、ブザー音等により警告を発
する警報手段81と, 移動体の運転系に対する速度制御手
段82と, 制動系に対する非常制動手段83が設けられてお
り、制御計算機70はこれら手段81〜83を制御バス75によ
り指定した上でデータバス76を介して制御内容を伝達す
る。
【0025】図2に示す映像検出モジュール30の構造例
では、その本体であるアダプタ31に一対の窓31aを明
け、その下側の凹所31bにイメージセンサ群12を含む集
積回路装置10のチップを収納した透明なパッケージ10a
を配設し、アダプタ31の上側に一対の小レンズ21を窓31
aに対応して備える光学的手段20を取り付けてその上を
透明な保護カバー32で覆ってなる。集積回路装置10は配
線基板33にリード10bを介して実装した上でレンズ21の
光軸によく合わせた状態でアダプタ31に接着等の手段で
固定される。
【0026】この映像検出モジュール30のレンズ21の相
互間の基線長をbとし, 焦点距離をfとし, イメージセ
ンサ内の光センサの配列ピッチをδとし, 距離演算手段
50に光センサ数で表した距離指標σを演算させると、検
出対象1の距離がdのときにσ=bf/δdとなるか
ら、基線長bと焦点距離fの積であるいわゆるbf積を
検出すべき距離dに応じて設定するのが望ましい。移動
体に搭載される距離検出装置では映像検出モジュール30
のbf積を距離検出範囲が10〜20mの短距離用の場合は
600mm2 程度に, 20〜50mの中距離用や50〜100 mの長
距離用の場合には2100mm2 程度にそれぞれ設定するのが
よい。
【0027】図3にイメージセンサ群12を含む集積回路
装置10の内部回路の構成例を光学的手段20とともに示
す。図示の例では各イメージセンサ群12はCCDである
16個のイメージセンサ11を数百μmの間隔で並べてな
り、イメージセンサ11はそれぞれ百数十〜数百個の光セ
ンサを10〜20μmの配列ピッチδで並べてなる。イメー
ジセンサ11は起動指令STに応じ駆動制御回路13により一
斉に起動され、検出時間の経過後に各光センサが受ける
光の強度を表すアナログな検出信号を通例のようにクロ
ックに同期して順次に発する。
【0028】しかし、イメージセンサ群12が受ける平均
光量は非常に広い範囲内に変動するのがふつうなので、
それに付随して図示のようにレンズ21から光Lを受ける
光量センサ14を組み込み、その検出光量に応じてイメー
ジセンサ11の電荷蓄積時間を駆動制御回路13により数μ
S〜10mSの範囲で調整するのが望ましい。各イメージセ
ンサ11による検出信号はスイッチ15を介して順次取り出
され、可変増幅器16による増幅後にAD変換器17により
ふつう8ビットの検出データに順次変換されてバッファ
メモリ18内に一時記憶される。
【0029】このバッファメモリ18は外部から読み出し
用クロックCKを受けるようになっており、イメージセン
サ群12内の各イメージセンサ11による映像データIDがそ
れに同期して図1の記憶手段40の入力バス41を介して順
次に取り出される。イメージセンサ群12に最近の高速C
CDを利用しAD変換器17の動作を高速化することによ
り、映像検出動作を開始してから映像データIDを外部に
取り出すまでの動作を20〜30mS程度の短時間内に完了す
ることができる。
【0030】さらにこの図3の例では可変増幅器16に付
随して増幅率調整回路16aを設けてこれに増幅率指定デ
ータSDを与えることにより、可変増幅器16の増幅率を例
えば1〜10倍の範囲に調整できるようになっている。こ
の調整範囲と前述のイメージセンサ11の電荷蓄積時間の
可調整範囲を合わせると、イメージセンサ群12は平均光
量が1〜104 倍の広範囲に変動した場合でも検出対象1
の映像を正確に捉えて映像データIDを8ビットの精度で
出力できる。
【0031】図4に視野Vの広さと方向の設定要領を図
1の左側の映像検出モジュール30の一方の映像データ群
12について示す。図では移動体の幅方向をx軸, 高さ方
向をy軸, 検出対象1の距離の検出方向ないしは移動体
の進行方向をz軸とそれぞれしたときのレンズ21とイメ
ージセンサ11に関する座標をそれらに付随して示す。図
4(a) は視野Vの水平な方向であるx軸方向の広さVxと
レンズ21の光軸からの角度θを映像データの指定により
設定する要領を示す。図示のようにx軸方向については
視野Vの広さVxは距離演算に用いる映像データを取り出
すべきイメージセンサ11の個数の指定により設定され
る。
【0032】同様に図4(b) に示すように、垂直な方向
であるy軸方向についての視野Vの広さVyとレンズ21の
光軸からの角度φの設定は、図4(a) に示す要領で指定
した各イメージセンサ11から取り出される映像データの
距離演算に用いるべき範囲を指定することによりなされ
る。なお、容易にわかるように図1の右側の映像検出モ
ジュール30では図4のx軸とy軸が入れ換わる点だけが
異なる。このように、本発明では検出対象1を捉える立
体的視野Vの広さと方向の設定は、距離演算に用いる映
像データを取り出すべきイメージセンサ11の対の個数と
それに含まれる各イメージセンサ11から取り出される映
像データの距離演算に用いるべき範囲の指定によってな
される。
【0033】次に、図5を参照して状態検出手段60の検
出結果に基づいて視野Vを設定する要領の若干例を説明
する。図5(a) は道路RDのカーブ部を先行自動車である
検出対象1と移動体2が走行している状態を示す。この
場合は移動体2に搭載された映像検出モジュール30によ
り検出対象1を正しく捉えるには、視野の方向を図のよ
うに正面から水平方向に角度θだけ傾ける必要がある。
この場合には状態検出手段60として前述の移動体2の運
転ハンドルの位置センサ61を用い、それにより検出され
るハンドルの位置に応じて検出対象1を捉える視野の方
向を移動体2の進行方向の変化と同方向に傾けるよう角
度θを設定する。なお、ハンドル位置のごく僅かな変化
に応じて視野を徒に変えると却って検出対象1を見失う
おそれがあるので、ハンドルの操作角度が所定の限界値
を越えかつ一定時間以上持続したときにのみ視野方向の
設定を変えるのがよい。
【0034】図5(b) に移動体の正常な走行時の視野V
の設定例を示す。図の外側の方形の枠はイメージセンサ
群12内のすべてのイメージセンサ11により捉えられる全
体の視野Voであって、その中に検出対象1としての自動
車と, それに先行する例えばトラックである大型車両3
と, 2本の斜めの境界線で示した道路RDと, 遠景等であ
る背景4とが捉えられているが、大型車両3や背景4等
により惑わされて検出対象1の距離を正確に検出できな
いことがある。このため、本発明では視野Vを図では方
形の破線で示すように全体視野Voよりも狭く設定して、
できるだけ検出対象1のみを捉えるようにする。また、
道路RDが全体視野Vo内で斜めの境界線として捉えられる
ので、視野Vを上辺が下辺より短くかつ上下辺が水平な
台形状に設定するのがさらに望ましい。
【0035】図5(c) に移動体の先頭が後尾より高い姿
勢になったときに視野Vを設定する要領を示す。この場
合には全体視野Vo内の映像が同図(b) の場合よりも全般
的に下側にずれて来て正常な姿勢時のままの視野Vでは
検出対象1を正しく捉え難くなるから、前述の姿勢セン
サ62により検出される姿勢の前後方向の傾きに応じて視
野Vの方向を図のように全体視野Vo内の下側にずらせて
設定する。図5(d) は逆に移動体の先頭が後尾より低い
姿勢の場合を示し、この場合は全体視野Vo内の映像が上
側の方にずれて来るから姿勢センサ62による検出結果に
応じて視野Vの方向を全体視野Voの上側にずらせて設定
する。
【0036】図5(e) に前述の速度センサ63による移動
体の速度検出結果に応じて視野Vを設定する要領を示
す。周知のように移動体の速度が高いほど制動可能距離
が長くなり、それに応じて遠くにある検出対象1までの
距離を正確に検出して監視している必要があるから、視
野Vの広さを図示のように図5(a) の場合よりも小さく
設定し、逆に検出速度が低い場合は視野Vの広さを小さ
く設定する。
【0037】以上のほか、前述の天候センサ64により検
出される雨や霧等の悪天候の場合は全体視野Vo内の映像
が全体的におぼろげになるから検出対象1を見失ってし
まう確率が高くなる。このため、悪天候が検出された場
合は視野Vの広さを大きく,例えばその立体角を正常時
の2〜3倍に広げて設定するのが望ましい。さらに、移
動体がトンネルに入ったり走行中に夜間になって周囲環
境が暗くなった場合はイメージセンサ群12の検出感度を
極力高める必要があるので、状態検出手段60として環境
の明るさの検出センサを用いて暗い環境下では例えば前
に図3で述べた増幅率調整回路16aに増幅率指定データ
SDを与えてイメージセンサ11による検出信号に対する可
変増幅器16の増幅率を高めるのがよい。
【0038】最後に図6と図7を参照しながら以上のよ
うに設定された視野に対応する映像データの指定範囲か
ら距離指標σを演算する要領例を説明する。図6は本発
明における距離検出の原理を1個分のイメージセンサ対
について示すもので、図では一対のイメージセンサ11内
の上側と下側,あるいは左側と右側を互いに区別するた
めに符号uとvが付けられている。
【0039】光学的手段20の一対のレンズ21は検出対象
1から便宜上図では屈曲線で示した光Lを受けてその映
像Iをイメージセンサ11uと11v上にそれぞれ結像させ
る。検出対象1が一対のレンズ21間の中心線CLに対し角
度θの方向にあるとき、その距離dが無限大である場合
の映像Ioは図のようにイメージセンサ11uと11v上の各
レンズ21の光軸から角度θだけ傾いた位置に結像され
る。有限の距離dにある検出対象1の映像Iがイメージ
センサ11uと11v上に結像される位置の映像Ioに対応す
る基準位置からのずれをσu, σvとすると、距離を表
す指標σは簡単な三角測量原理から前述のbf積とイメ
ージセンサ内の光センサの配列ピッチδを用いて、角度
θに無関係にσ=σu+σv=bf/δdで表され、b
f/δdは定数であるから距離dの検出には指標σを求
めればよいことになる。
【0040】距離指標σをイメージセンサ11uと11vに
よる一対の映像データから演算するために、両映像デー
タから前述のように設定された視野Vの広さと角度方向
θに対応する範囲の映像データDuとDvを図のように取り
出す。各映像データDuとDvはもちろん視野Vの広さに対
応する個数の光センサによる検出データからなるが、映
像Iの結像位置が図からわかるように距離dに応じて映
像Ioの基準位置よりも必ず外側にずれてくるので、映像
データDuとDvの範囲をその中心が基準位置より外側にず
れるように指定するのがよい。
【0041】このようにして指定された両映像データDu
とDvから距離指標σを求めるには、それらからそれぞれ
部分映像データduとdvを図のように位置を順次ずらせな
がら抽出して両者間の組み合わせC0,C1,C2等を作り、各
組み合わせごとに両部分映像データduとdvが表す映像の
パターンの相関を検定して行き、これら検定結果から最
高相関を示した組み合わせを見付けるようにするのがよ
く、距離指標σはこの最高相関を示す組み合わせ番号か
らごく簡単に計算できる。次に図7を参照してこの距離
演算手段50の動作例を説明する都合から、組み合わせ番
号を示す変数をiとし、かつ部分映像データduとdvに共
通なデータ番号を示す変数をjとする。さらに、各イメ
ージセンサ11uと11vは図の左側から右側に向けて番号
0〜nが順次付けられたn+1個の光センサを含むもの
とする。
【0042】図7は距離演算手段50にマイクロプロセッ
サを用いる場合についてそのソフトウエアの動作の流れ
を示し、前述の組み合わせごとに部分映像データduとdv
間の相関を検定する相関演算手段S20と, 最高相関を示
す組み合わせを検出する最高相関検出手段S30がそれぞ
れ一点鎖線で囲んで示されている。図示の実施例では前
者は部分映像データduとdv内の対応するデータ間の差の
絶対値の和を相関度の評価関数値として演算し、後者は
かかる評価関数値が最小値をとる組み合わせを最高相関
点として検出するものとする。
【0043】最初のステップS1からステップS9までは制
御計算機70からの指定に応じて相関演算手段S20や最高
相関検出手段S30の動作を初期化する準備ステップであ
る。各距離演算手段50はふつう複数のイメージセンサ対
について距離演算を分担するので、まずステップS1では
分担すべきイメージセンサ対の最初の番号psと最後の番
号peを読み込んでイメージセンサ対番号の変数pにpsを
入れる。
【0044】次のステップS2は視野Vの角度方向が図6
のようにθのときのイメージセンサ11uと11v上の映像
Ioに対応する基準位置を決めるステップであり、まずそ
れを指定する光センサ数qを読み込んだ上で、角度θが
0のときの基準位置uoとvoにこのqを加えて角度がθの
ときの基準位置quとqvとする。ステップS3からはこの基
準位置quやqvおよび視野Vの広さに応じて図6の映像デ
ータDuとDvを指定するステップであり、ステップS3では
視野Vの広さを指定するための基準位置quやqvから内側
のデータ数riと外側のデータ数roをまず読み込む。な
お、前述のように外側データ数roは内側データ数riより
も大きく指定するのがよい。
【0045】次に、映像データDuとDvの左端の位置usと
vsを決めるために上記のquとqvからroとriをそれぞれ減
算する。しかし、映像データDvの方はその左端vsがイメ
ージセンサの外に食み出しやすいので、次のステップS4
で左端vsが負か否かを調べて然りの場合はステップS5で
映像データDuの範囲をその左端usから負のvsを減じて修
正した後に映像データDvの方の左端vsを0に修正する。
【0046】ステップS6は映像データDuとDvの右端の位
置ueとveを決めるステップであり、前述の基準位置quと
qvに内側数riと外側数roをそれぞれ加算することにより
右端ueとveを決める。この場合は映像データDuの方の右
端ueが食み出しやすいので、ステップS7でそれがnより
も大か否かを調べて然りの場合はステップS8で図示のよ
うな要領で映像データDuとDvの右端ueとveを修正する。
【0047】以上によって映像データDuとDv内のデータ
数が同じ ue-us+1=ve-vs+1個に揃うので、次のステップ
S9でこれを映像データDuとDvのデータ数rに入れるとと
もにそれに応じて図6に示す部分映像データduとdvのデ
ータ数sを設定する。なお、このデータ数sは経験上か
らはデータ数rの 1/2〜2/3 の範囲内に設定するのが有
利である。さらに、このステップS9では前述の組み合わ
せ番号の変数iがとる最大値imを2(r-s)に設定する。
【0048】以上で準備ステップを完了したので、次の
ステップS10では距離演算に必要な映像データDuとDvを
図1の記憶手段40から読み込んで記憶する。これらは上
述の左端usやvsから右端ueやveまでのr個のデータをそ
れぞれ含む。なお、図の流れでは映像データDuとDvをイ
メージセンサ対の番号pごとに読み込むが、分担する全
番号ps〜peについて一括して読み込むようにしてもよ
い。
【0049】次に動作の流れは最高相関検出手段S30と
しての最初のステップS31に入り、図6の最初の組み合
わせC0に対する部分映像データduとdvの左端の位置Usと
Vsをまず指定する。図6からわかるように部分映像デー
タduの方は左端Usにue-s+1を入れるが部分映像データdv
の左端Vsにはvsをそのまま入れることでよい。また、両
部分映像データduとdv間の相関度の評価関数値Fがとる
最小値を示すFmに充分大きい値FMを入れるとともに、前
述の組み合わせ番号iを0に初期化し、さらに部分映像
データduとdvの抽出位置を交互にずらせるためのシフト
フラグSFを0にセットしておく。その後は相関演算手段
S20としての動作に入り、その最初のステップS21では
評価関数値Fを0に初期化し、部分映像データduとdv内
部のデータ番号uとvを前述のUsとVsにそれぞれ初期化
し、さらに両者に共通なデータ番号変数jを1に初期化
する。次のステップS22は評価関数値Fの演算ステップ
であり、部分映像データduとdv内のデータ番号uとvに
対応するデータDu とDv の差の絶対値を評価関数値F
に順次加算する。つづくステップS23では変数jが部分
映像データduとdv内のデータ数sに達したか否かを調
べ、未到達である限りステップS24でデータ番号u, v
および共通番号変数jを歩進させた上で流れをステップ
S22に戻して同じ動作を繰り返す。
【0050】変数jの値が所定数sに達して動作がステ
ップS23からループを抜けると評価関数値Fの演算が完
了しており、次の最高相関検出手段S30のステップS32
ではその値が最小値Fmより小か否かを調べ、然りであれ
ばステップS33で最小値Fmを評価関数値Fに置き換えか
つイメージセンサ対番号pに対応する距離指標σpに変
数iの値を入れた後に, 否であればステップS34にすぐ
動作を移す。ここでは変数iが最大値imに達したか否か
を調べ、未到達の限りステップS35で変数iを歩進させ
てステップS36でシフトフラグSFが0か否かを判定す
る。然りのときはステップS37でシフトフラグSFに1を
立てかつ部分映像データDvの左端番号Vsに1を加えて図
6に示すようにそれを光センサ1個分だけ図の右方にず
らせ、否のときはステップS38でシフトフラグSFに0を
入れかつ部分映像データDuの左端Usから1を減じてそれ
を光センサ1個分だけ図の左方にずらせた後に、流れを
相関演算手段S20のステップS21に戻して同じ動作を繰
り返す。
【0051】変数iがその最大値imに達して動作がステ
ップS34からループを抜けたとき、両部分映像データdu
とdv間に最大相関が検定されたときの組み合わせ番号を
示す変数iの値が距離指標σpとして記憶されている。
それ以降のステップS11ではイメージセンサ対の番号変
数pが最後の番号peに達したか否かを調べ、未到達の限
りステップS12で変数pの値を歩進させた上で流れをス
テップS10に戻して、次のイメージセンサ番号pについ
て距離指標σpを求める。
【0052】指定された番号ps〜peの全イメージセンサ
対について距離指標σpが求まると流れはステップS11
からループを抜けてステップS13に移る。ステップS13
ではそれまでに求まった距離指標σpに対してイメージ
センサ11u, 11vとレンズ21の関係位置で決まる定数を加
減算することにより補正を加えた上で制御計算機70に向
けて出力し、これで図7の距離演算手段50としてのすべ
ての動作が完了する。なお、以上説明した距離演算手段
50としての一連の動作に要する時間はイメージセンサ対
の指定数に応じて20〜30mS程度である。
【0053】以上のようにして距離演算手段50により演
算された複数の距離指標σpが出力されるが、これを受
ける制御計算機70はかかる複数個の演算結果の内から例
えば多数決の原理,最短距離を表す指標の選択,それま
での距離指標の履歴から見た指標の採択等により検出対
象1の正しい距離とその変化を判断して、必要に応じ視
野設定を変更したり衝突防止等に必要な処置を採ること
ができる。
【0054】以上説明した実施例に限らず本発明は種々
の態様で実施をすることができる。例えば実施例ではイ
メージセンサにCCDを用いたが、そのかわりにフォト
ダイオードアレイを利用してもよい。このアレイではそ
の光センサからアナログ検出信号を並列に取り出しかつ
一斉にディジタルデータに変換できるので短時間内に映
像データが得られる。また、図1の実施例で利用した記
憶手段40に必要な記憶容量はあまり大きくないので、図
3の集積回路装置10のバッファメモリ18の記憶容量を増
してそのかわりをさせることもできる。図7に示した距
離演算手段50の動作例はマイクロプロセッサを用いる場
合であるが、図示と同等な動作を行なう電子回路を小形
の集積回路装置に組み込むことが可能である。さらに、
実施例の距離検出の方向を移動体の前方としたが、映像
検出モジュールの取り付け位置の選定により後方や側面
に向けることもできる。
【0055】
【発明の効果】以上のとおり本発明による移動体搭載用
距離検出装置では、基線長だけ離して配置された一対の
イメージセンサ群とそれに検出対象の映像を結像させる
光学的手段を備える映像検出モジュール,これから検出
対象の映像を表す映像データを受けて互いに対応するイ
メージセンサによる映像データの対から検出対象までの
距離を演算する距離演算手段,および移動体の運転関連
状態を検出する状態検出手段を用い、状態検出手段の検
出結果に応じ検出対象を捉えるべき視野の広さと方向を
設定し、この設定内容に応じて距離演算に用いる映像デ
ータの範囲を距離演算手段に指定することにより、次の
効果を奏することができる。
【0056】(a) 視野の広さと方向を状態検出手段の検
出結果に基づいて検出対象を正確に捉えるように合理的
にそれに絞って設定できるので、従来のように広い視野
内に含まれる検出対象以外の余計な物体を誤って捉えて
肝心の検出対象までの距離を誤検出してしまうおそれを
格段に減少させることができる。 (b) 映像検出モジュールに組み込んだ一対のイメージセ
ンサ群から距離検出に用いるイメージセンサの対数を指
定し,それらによる映像データ内の距離検出に用いる部
分を指定することにより、検出対象を捉えるべき立体的
な視野をとくに機械的な機構や構造を用いることなくご
く簡単かつ適切に設定できる。
【0057】(c) 視野の設定に応じて指定された個数の
イメージセンサ対と映像データ内の指定された範囲だけ
から距離演算手段に距離を示す指標を演算させ,かつこ
れをマイクロプロセッサや電子回路を利用して高速演算
させるので、検出対象までの距離を数十mS以下の短時間
内に検出できる。 なお、検出対象を捉える視野を台形に設定する実施態様
はイメージセンサ群の全体視野内では斜めに見える道路
の境界線に則して道路上の検出対象を合理的な視野で捉
え得る効果がある。イメージセンサ群に付随してその平
均受光量を検出する光量センサを設け検出光量に応じイ
メージセンサの対象検出時間ないし電荷蓄積時間を調整
する実施態様は映像を検出可能な検出対象の明度範囲を
広げ検出精度を向上できる利点を有する。映像のアナロ
グ検出信号用可変増幅器の増幅率調整回路を設ける態様
は上述の効果を一層高めかつ環境の明るさのセンサと組
み合わせて悪環境における映像検出精度を高める得る効
果がある。
【0058】状態検出手段として運転ハンドルの位置の
センサを用いる態様ではハンドルの検出位置に応じて視
野の水平方向角度を設定し、移動体の前後方向の傾きを
検出する姿勢センサを用いる態様では検出された傾きに
応じて視野の垂直方向角度を設定して、いずれの場合も
検出対象を正確に捉え得る効果を有する。また、状態検
出手段として速度センサを用いる態様は移動体の運転速
度により大きく変わる可制動距離に応じ検出対象を捉え
るべき視野の広さを合理的に設定できる効果を有し、天
候センサを用いる実施態様は雨や霧の悪天候時に視野の
広さを拡大しておぼろげな視野内で検出対象を見失う危
険を減少させる効果を有する。
【0059】距離演算手段内に一対の部分映像データを
相互にずらせながら両者間の相関を検定する相関値演算
手段と,最高相関点を検定して距離指標を検出する最高
相関検出手段を設ける態様には距離指標を短時間内に正
確に演算できる利点があり、視野内の複数のイメージセ
ンサ対についての距離演算をそれぞれ分担する複数の距
離演算手段を設ける態様,および映像検出モジュールに
よる映像データをそれらに共通な記憶手段に一旦記憶さ
せた後に各距離演算手段に順次読み込む態様はいずれも
距離検出に要する時間を大幅に短縮できる効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による距離検出装置とその関連装置を含
めた回路構成例を示すブロック回路図である。
【図2】映像検出モジュールの構造例を示す断面図であ
る。
【図3】イメージセンサ群とその関連回路を含む集積回
路装置のチップの回路構成例を示す回路図である。
【図4】視野の広さと方向を設定する要領例を示し、同
図(a) は視野のx軸方向広さと水平方向角度の設定要領
を示すイメージセンサ群とレンズの模式図、同図(b) は
視野のy軸方向広さと垂直方向角度の設定例を示すイメ
ージセンサ群とレンズの模式図である。
【図5】状態検出手段の検出結果に基づいて視野を設定
する要領例を示し、同図(a) は道路のカーブ部分を走行
中に視野方向を設定する要領を示す上面図、同図(b) は
通常の運転時の視野設定を示す視野の模式図、同図(c)
は移動体が上向き姿勢のときの視野設定例を示す視野の
模式図、同図(d) は移動体が下向き姿勢のときの視野設
定例を示す視野の模式図、同図(e) は移動体が高速運転
状態のときの視野設定例を示す視野の模式図である。
【図6】距離演算手段による距離演算の要領例を説明す
るためのイメージセンサと距離検出に用いる映像データ
の範囲の関連を示す模式図である。
【図7】距離演算手段の動作例を示す流れ図である。
【図8】パッシブ方式の三角測距法を示す原理図であ
る。
【符号の説明】
1 検出対象 2 移動体 10 イメージセンサ群を組み込んだ集積回路装置 11 イメージセンサ 12 イメージセンサ群 16 可変増幅器 16a 増幅率調整回路 20 光学的手段 21 レンズ 30 映像検出モジュール 40 記憶手段 50 距離演算手段 60 状態検出手段 61 移動体のハンドル位置センサ 62 移動体の姿勢センサ 63 移動体の速度センサ 64 天候位置センサ 70 移動体に搭載される制御計算機 81 衝突に対する警報手段 82 移動体の速度制御手段 83 移動体の非常制動手段 b レンズ間の基線長 d 検出対象までの距離 Du,Dv 視野に対応する映像データ du,dv 部分映像データ f レンズの焦点距離 ID 映像データ L 映像検出モジュールが検出対象から受ける光 S20 距離演算手段を構成する相関演算手段 S30 距離演算手段を構成する最高相関検出手段 σ 検出対象までの距離を示す指標 θ 視野の水平方向角度 φ 視野の垂直方向角度 V 検出対象を捉えるように設定された視野 Vo イメージセンサ群の全体視野 Vx 視野のx軸方向の広さ Vy 視野のy軸方向の広さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // G05D 1/02 G05D 1/02 K

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】検出対象までの距離を検出するため移動体
    に搭載される装置であって、それぞれ複数のイメージセ
    ンサからなり所定間隔だけ離して配置された一対のイメ
    ージセンサ群とこれらに検出対象の映像を互いに異なる
    光路を介してそれぞれ結像させる光学的手段を備える映
    像検出モジュールと、これから対象の映像を表す映像デ
    ータを受けて両イメージセンサ群間の互いに対応するイ
    メージセンサによる映像データ対から検出対象までの距
    離を演算する距離演算手段と、移動体の運転に関連する
    現在の状態を検出する状態検出手段とを備え、状態検出
    手段の検出結果に基づいて検出対象を捉えるべき視野の
    広さおよびその映像検出モジュールの正面からの角度を
    設定し、この設定内容に応じて距離演算に用いる映像デ
    ータの範囲を距離演算手段に対して指定するようにした
    ことを特徴とする移動体搭載用距離検出装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の装置において、状態検出
    手段として移動体の運転用のハンドルの位置センサを用
    い、ハンドルの検出位置に応じて検出対象を捉えるべき
    映像検出モジュールの正面からの水平方向角度を設定す
    るようにしたことを特徴とする移動体搭載用距離検出装
    置。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の装置において、状態検出
    手段として移動体の前後方向の傾きを検出する姿勢セン
    サを用い、検出された傾きに応じ検出対象を捉えるべき
    映像検出モジュールの正面からの垂直方向角度を設定す
    るようにしたことを特徴とする移動体搭載用距離検出装
    置。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の装置において、状態検出
    手段として移動体の速度を検出する速度センサを用い、
    検出速度に応じ検出対象を捉えるべき視野の広さを設定
    するようにしたことを特徴とする移動体搭載用距離検出
    装置。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の装置において、状態検出
    手段として移動体が走行中に置かれる天候条件を検出す
    るセンサを用い、悪天候が検出されたときに検出対象を
    捉えるべき視野の広さを拡大するようにしたことを特徴
    とする移動体搭載用距離検出装置。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の装置において、天候条件
    の検出センサとして移動体の外表面部分に取り付けられ
    た濡れ検出センサを用いるようにしたことを特徴とする
    移動体搭載用距離検出装置。
  7. 【請求項7】請求項1に記載の装置において、状態検出
    手段として移動体が走行中に置かれる環境の明るさを検
    出するセンサを用い、映像検出モジュールに映像検出感
    度の調整手段を組み込み、その検出感度を暗い環境条件
    下では高めるようにしたことを特徴とする移動体搭載用
    距離検出装置。
  8. 【請求項8】請求項1に記載の装置において、検出対象
    を捉えるべき視野を上辺が下辺より短くかつ両辺が水平
    な台形状に設定するようにしたことを特徴とする移動体
    搭載用距離検出装置。
  9. 【請求項9】請求項1に記載の装置において、検出対象
    を捉えるべき視野の広さを距離演算に用いる映像データ
    が取り出された一対のイメージセンサ群間の互いに対応
    するイメージセンサ対およびそれによる各映像データ内
    の距離演算に用いる範囲の距離演算手段に対する指定に
    より設定するようにしたことを特徴とする移動体搭載用
    距離検出装置。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の装置において、距離演
    算手段が各イメージセンサ対から取り出されかつ指定さ
    れた範囲内の一対の映像データを相互に順次ずらせなが
    ら両者間の相関を検定する相関値演算手段と,最高相関
    が検定されたときの両者のずらせ量から距離を示す指標
    を検出する最高相関検出手段とを含むことを特徴とする
    移動体搭載用距離検出装置。
  11. 【請求項11】請求項9に記載の装置において、検出対
    象を捉えた視野内の複数のイメージセンサ対についての
    距離演算をそれぞれ分担する複数の距離演算手段を設
    け、映像検出モジュールによる映像データをそれらに共
    通な記憶手段に一旦記憶させた後に各距離演算手段に順
    次読み込むようにしたことを特徴とする移動体搭載用距
    離検出装置。
  12. 【請求項12】請求項1に記載の装置において、各イメ
    ージセンサ群に付随してそれが受ける平均光量を検出す
    る光量センサを設け、それによる検出光量に応じて群内
    のイメージセンサの対象検出時間を調整するようにした
    ことを特徴とする移動体搭載用距離検出装置。
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