JP3562250B2 - 先行車両検出装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自車の前方を走行する先行車両を検出する先行車両検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の先行車両検出装置としては、例えば、特開平7−125567号公報に記載されているものがあり、これは、レーザレーダの測定結果と自車の前方を撮影した撮影画像の画像処理によって、先行車両を認識するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、レーザレーダの測定結果が欠落した場合には、前回の測定データを使用する方法が記載されているのみで、レーザレーダの測定範囲外に先行車両が移動したために、レーザレーダの測定結果が欠落したときに、先行車両の位置を検出する方法は記載されていない。
【0004】
また、特開平6−265349号公報に記載されている車両検出装置では、ステレオ方式で撮影した2枚の画像の相関関係から先行車両位置を検出するものであり、レーザレーダによる検出に加えてこの相関関係から先行車両を検出する方法を用いても、レーザレーダの測定範囲の領域には、車両以外のものも含まれるため、単に、レーザレーダ測定範囲の画像の相関関係からでは、レーザレーダの測定結果が欠落したときには、先行車両の位置を検出することはできない。
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、レーザレーダの測定範囲から先行車両が移動したためレーザレーダの測定結果が欠落した場合でも、先行車両位置を検出することのできる先行車両検出装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明は、自車両から前方走路上の物体までの距離を測定する距離測定装置を有する先行車両検出装置において、距離測定装置の測定範囲を含む前方走路を撮像する画像入力装置と、距離測定装置の測定結果に基づいて、画像入力装置の入力画像上の測定点を算出し、その測定点を中心に所定の大きさの第1のテンプレート枠を設ける測定点算出部と、第1のテンプレート枠に囲まれたテンプレート画像をメモリに記憶する第1のテンプレート画像記憶手段と、距離測定装置の測定結果に基づいて先行車両位置を算出する第1の先行車両位置算出手段と、メモリに記憶されているテンプレート画像と、画像入力装置の入力画像の相関値を算出し、入力画像上で、テンプレート画像との相関値が最も大きくなる最大相関領域を求め、その最大相関領域の周囲に第2のテンプレート枠を設け、第2のテンプレート枠の中心に先行車両推定点を設定する相関算出部と、第2のテンプレート枠に囲まれたテンプレート画像を前記メモリに記憶する第2のテンプレート画像記憶手段と、上記の先行車両推定点に基づいて先行車両位置を算出する第2の先行車両位置算出手段と、距離測定装置が、所定距離内に存在する物体までの距離を測定しているか否かを判定し、所定距離内の測定値が存在したときは該測定結果に基づく第1の先行車両位置算出手段による検出処理を選択し、所定距離内の測定値が存在しないときは相関算出部が設定する先行車両推定点に基づく第2の先行車両位置算出手段による検出処理を選択する処理切替手段とを有するものとした。
【0006】
また、自車両から前方走路上の物体までの距離を測定する距離測定装置を有する先行車両検出装置において、距離測定装置の測定範囲を含む前方走路を撮像する画像入力装置と、距離測定装置の測定結果に基づいて、画像入力装置の入力画像上の測定点を算出し、測定点を中心に所定の大きさの第1のテンプレート枠を設ける測定範囲算出部と、第1のテンプレート枠に囲まれたテンプレート画像をメモリに記憶する第1のテンプレート画像記憶手段と、距離測定装置の測定結果に基づいて先行車両位置を算出する第1の先行車両位置算出手段と、メモリに記憶されているテンプレート画像を複数枚のテンプレート分割画像に分割し、各テンプレート分割画像毎に画像入力装置の入力画像との相関値を算出し、入力画像上で、各テンプレート分割画像との相関値が最も大きくなる分割最大相関領域を求め、各分割最大相関領域の相対位置関係から先行車両推定点を設定し、その先行車両推定点を中心に所定の大きさの第2のテンプレート枠を設定する相関算出部と、第2のテンプレート枠に囲まれたテンプレート画像をメモリに記憶する第2のテンプレート画像記憶手段と、先行車両推定点に基づいて先行車両位置を算出する第2の先行車両位置算出手段と、距離測定装置が、所定距離内に存在する物体までの距離を測定しているか否かを判定し、所定距離内の測定値が存在したときは該測定結果に基づく第1の先行車両位置算出手段による検出処理を選択し、所定距離内の測定値が存在しないときは相関算出部が設定する先行車両推定点に基づく第2の先行車両位置算出手段による検出処理を選択する処理切替手段とを有することもできる。
【0007】
さらに、上記の先行車両検出装置は、所定距離内の測定値が存在したときは、第1のテンプレート枠が、自車走行レーン内か否かを判定し、所定距離内の測定値が存在しないときには、第2のテンプレート枠が、自車走行レーン内か否かを判定するレーン内判定手段を有し、第1のテンプレート画像記憶手段は、第1のテンプレート枠が自車走行レーン内であれば、第1のテンプレート枠に囲まれたテンプレート画像をメモリに記憶し、また第2のテンプレート画像記憶手段は、第2のテンプレート枠が自車走行レーン内であれば、第2のテンプレート枠に囲まれたテンプレート画像を前記メモリに記憶することが好ましい。
【0008】
【作用】
距離測定装置が、所定距離内に存在する物体までの距離を測定しているときには、測定結果に基づいて先行車両位置を求める。また、同時に、画像入力装置で撮影した入力画像上に測定点を設け、その測定点を中心に所定の大きさの第1のテンプレート枠を設け、その第1のテンプレート枠に囲まれたテンプレート画像をメモリに記憶する。
【0009】
距離を測定していないときには、メモリに記憶されているテンプレート画像と、入力画像上でテンプレート画像と同じ大きさの領域の相関値を算出し、入力画像上で、テンプレート画像との相関値が最も大きくなる画像領域の周囲に第2のテンプレート枠を設け、その第2のテンプレート枠で囲まれたテンプレート画像をメモリに記憶し、その中心点である先行車両推定点から先行車両位置を求める。
これにより、距離測定装置の検出範囲から先行車両が移動したために、先行車両までの距離を測定できない場合でも、入力画像上に先行車両が撮像されていれば、先行車両位置を求めることができる。
【0010】
また、テンプレート画像と入力画像の相関値を算出する際に、メモリに記憶されているテンプレート画像を複数枚のテンプレート分割画像に分割し、各テンプレート分割画像毎に入力画像との相関値を算出し、入力画像上で、各テンプレート分割画像との相関値が最も大きくなる最大相関分割画像領域を決定し、各最大相関分割画像領域の相対位置関係から先行車両推定点を決定して、その先行車両推定点から先行車両位置を求め、また先行車両推定点を中心として所定の大きさの第2のテンプレート枠を設定し、第2のテンプレート枠に囲まれたテンプレート画像をメモリに記憶する。
これにより、距離を測定した点が、先行車両の端部であった場合でも、確実に入力画像上の先行車両推定点を求めることができるので先行車両検出精度を向上させることができる。
【0011】
さらに、テンプレート枠が、自車走行レーン内か否かを判定し、自車走行レーン内であれば、そのテンプレート枠で囲まれたテンプレート画像をメモリに記憶することにより、自車走行レーンを走行中の先行車両のみのテンプレート画像をメモリに記憶することができるので自動速度制御装置等に本発明を応用する際の利便性が向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を実施例により説明する。
図1は、レーザレーダで測定した前方物体までの距離と、画像入力装置により撮影した画像に基づいて先行車両を検出する本発明を、車両速度自動制御装置に応用した第1の実施例の構成を示すブロック図である。
画像入力装置1は、CCDカメラからなり、走路前方を撮影するのに適した車両上の所定の部位に取付けられている。
画像入力装置1は測定点算出部4、テンプレート画像記憶部5および相関算出部6に接続されている。
【0013】
レーザレーダ2は、シングルビームのレーザ光を用いた距離測定装置であり、車両の走路前方を測定範囲とし、走路前方に存在する物体までの距離を測定する。
レーザレーダ2は、処理制御部3、測定点算出部4および車間距離算出部7に接続されている。
処理制御部3は、レーザレーダ2の測定値から先行車両位置を算出するか、画像入力装置1から入力された画像の相関処理から先行車両位置を算出するかを、レーザレーダ2の測定結果に基づいて選択し、その選択に従って、測定点算出部4、テンプレート画像記憶部5、相関算出部6および車間距離算出部7を制御する。
【0014】
測定点算出部4は、画像入力装置1から入力された画像の中で、レーザレーダ2が距離を測定している点に対応する測定点を算出し、所定の大きさのテンプレート枠をその測定点を中心として設定する。
テンプレート画像記憶部5にはメモリ9が設けられ、入力画像上のテンプレート枠に囲まれた部分であるテンプレート画像をメモリ9に記憶する。
相関算出部6は、メモリ9に記憶されたテンプレート画像と、画像入力装置1により入力された画像の相関をとり、入力画像の中で、最も相関値の大きい、すなわちテンプレート画像と最も類似した画像領域にテンプレート枠を設定し、その中心点を先行車両推定点とする。
【0015】
車間距離算出部7は、処理制御部3の選択により、レーザレーダ2の測定結果が車間距離算出に適切な結果であれば、レーザレーダ2の測定結果と取り付け角度から、先行車両までの車間距離を算出する。
また、レーザレーダ2の測定結果が適切なものでなければ、相関算出部6で算出した先行車両推定点までの車間距離を算出する。
車両速度制御部8では、車間距離算出部7で算出した車間距離に基づいて自車両の走行速度を自動制御する。
【0016】
次に、動作を説明する。
まず、画像入力装置1は、走路前方の画像を撮影し、レーザレーダ2は走路前方に存在する物体までの距離を測定する。
レーザレーダ2の測定結果が入力されると、処理制御部3において、測定値が所定距離内の値であれば、先行車両までの距離を測定したと判断し、車間距離算出部7で、レーザレーダ2の測定値から車間距離を算出し、車両速度制御部8は、車間距離が所定値になるように自車両の走行速度を制御する。
【0017】
このとき、車間距離の算出と同時に、レーザレーダ2から適切な測定結果を得られなかった時に備えて、テンプレート画像を記憶する処理を行う。
まず、測定点算出部4で、レーザレーダ2で測定した距離とレーザレーダの取り付け角度から、画像入力装置1で撮影した図2に示す入力画像21の中で、レーザレーダ2が距離を測定している点に対応する測定点22を算出し、所定の大きさのテンプレート枠23を、その測定点22を中心として設定する。
テンプレート画像記憶部5では、テンプレート枠23に囲まれた部分であるテンプレート画像24を、メモリ9に記憶する。
レーザレーダ2で、車間距離が測定される度に、新しい測定距離に対応する測定点を中心とするテンプレート画像に書き換えられ、常に最新の画像から切り取られたテンプレート画像がメモリ9には記憶される。
【0018】
処理制御部3は、レーザレーダ2の測定値が得られなかったり、あるいは、測定値が所定距離を越えた値であった場合には、車間距離が測定できていないとみなし、相関算出部6を制御する。
相関算出部6では、画像入力装置1から入力された図3に示す入力画像25の中から、テンプレート画像記憶部5のメモリ9に記憶されているテンプレート画像と最も類似した画像領域を相関処理により求め、その画像領域の周囲にテンプレート枠26を設ける。テンプレート枠26の中心点に先行車両推定点27を設定する。
【0019】
引き続きレーザレーダ2により車間距離を測定できない場合に備えて、テンプレート枠26に囲まれたテンプレート画像28をテンプレート画像記憶部5のメモリ9に記憶する。
相関算出部6で、先行車両推定点を求める度に、メモリ9に記憶されたテンプレート画像は、新しい先行車両推定点を中心とするテンプレート画像に書き換えられる。
車間距離算出部7は、処理制御部3の選択により、レーザレーダ2が車間距離を測定していないときには、相関算出部6で算出した先行車両推定点までの車間距離を算出し、車両速度制御部8は、自車両の走行速度を自動制御する。
【0020】
つぎに、本実施例における動作の流れを、図4に示すフローチャートを用いて、より詳細に説明する。
ステップ101においてレーザレーダ2により走路前方の物体までの距離を測定する。
ステップ102で、画像入力装置1で走路前方の画像を撮影する。
ステップ103では、処理制御部3において、レーザレーダ2により、走路前方の物体までの距離が適切に測定されたか、否か判定する。所定距離内の測定値が得られたときは、ステップ104に進む。測定値が得られなかったときや、あるいは、測定値が所定距離を越えた場合には、ステップ108に進む。
【0021】
まず、ステップ104では、測定点算出部4で、レーザレーダ2で測定した距離とレーザレーダ2の取り付け角度から、CCDカメラからなる画像入力装置1で撮影した画像の中で、レーザレーダ2が距離を測定している点に対応する測定点を算出する。
図5に示すように、レーザレーダ2での測定距離をL1(m)とし、撮像面29とレンズ30からなるCCDカメラの取り付け高さをH、撮像面29までの距離が焦点距離fとなるように配置されたレンズ30の光軸方向と水平線のなす上下方向の角度をθ1、距離L1(m)の実空間での測定点とレンズ30の中心点を結ぶ直線とレンズ30の光軸のなす角度をdθ1とすると、dθ1は、次式で表される。
dθ1=θ1−atan(H/L1)
【0022】
このとき、実空間での測定点に相当する画像上の測定点の、画像中央からのy座標の画素数dy1は、CCDカメラの撮像面29のy方向の画素数をIY、y方向の画面サイズをDHとすると、次式であらわされる。
dy1=f×tan(dθ1)×IY/DH
上式で得られたy座標位置から、レーザレーダ2で距離を測定している実空間での測定点に相当する入力画像上の測定点のy座標が算出される。
同様に、入力画像上の測定点のx座標を算出し、その点を測定点22とする。
【0023】
ステップ105では、ステップ104で算出した測定点22を中心として、所定の大きさのテンプレート枠23を設定する。
ステップ106では、テンプレート画像記憶部5において、テンプレート枠23で囲まれたテンプレート画像24をメモリ9に記憶する。
ステップ107では、車間距離算出部7で、レーザレーダ2で測定した距離とレーザレーダ2の取り付け角度から、先行車両までの車間距離を計算し、ステップ114へ進む。
【0024】
ステップ103で、距離測定値が得られず、ステップ108に進むと、ステップ108では、処理制御部3において、テンプレート画像記憶部5のメモリ9にテンプレート画像が記憶されているか否かを判定し、記憶されていなければ、ステップ101に戻り、レーザレーダ2での測定と、画像入力装置1での撮影を繰り返す。
メモリ9にテンプレート画像が記憶されているときには、ステップ109へ進む。
【0025】
ステップ109で、メモリ9に記憶されたテンプレート画像と画像入力装置1から入力された画像との相関値を算出する。テンプレート画像と、入力画像上のテンプレート画像と同じ大きさの領域の画素濃度の差の総和の逆数を相関値として算出する。この相関値が最も大きくなる入力画像の画像領域を最大相関領域とする。
ステップ110において、ステップ109で求めた最大相関領域を先行車両を撮影した画像領域であるとみなし、最大相関領域の周囲にテンプレート枠26を設定する。
ステップ111では、テンプレート枠26の中心点を、先行車両推定点27として、ステップ112にすすむ。
ステップ112では、テンプレート画像記憶部5で、テンプレート枠で囲まれた画像領域であるテンプレート画像をメモリ9に記憶する。
【0026】
ステップ113では、先行車両推定点から車間距離を算出する。
まず、図6に示すように、先行車両推定点の画像中央からのy座標の画素数をdy2は、画像入力部5のCCDカメラのレンズ30の焦点距離をf、撮像面30の画素数をIY、画面サイズをDHとするとき、撮像面29上の先行車両推定点とレンズ30の中心点を結ぶ直線と光軸のなす角度dθ2は、次式で表される。
dθ2=atan(DH/IY×dy2/f)
【0027】
このとき、先行車両推定点までの実空間での距離をL2(m)とし、レンズ30の光軸方向と水平線のなす上下方向の角度をθ1、CCDカメラの取り付け高さをHとすると、距離L2は次式で表される。
L2=H/tan(θ1−dθ2)
上式で得られた距離L2を車間距離とみなす。
ステップ114では、車間距離が所定値以上になるように車両速度を制御し、再度ステップ101に戻り、レーザレーダ2による測定を繰り返す。
【0028】
図4に示すフローチャートのステップ103は発明の処理切替手段を構成し、ステップ106は第1のテンプレート画像記憶手段を、ステップ112は第2のテンプレート画像記憶手段を構成する。
ステップ107は発明の第1の先行車両位置算出手段を構成し、ステップ113は第2の先行車両位置算出手段を構成する。
【0029】
従って、レーザレーダ2が所定距離内に存在する物体までの距離を測定していないときには、テンプレート画像記憶部5のメモリ9に記憶されているテンプレート画像と、画像入力装置の入力画像上でテンプレート画像と同じ大きさの領域の相関値を算出し、入力画像上で、テンプレート画像との相関値が最も大きくなる最大相関領域の周囲にテンプレート枠を設け、そのテンプレート枠で囲まれたテンプレート画像をメモリ9に記憶し、かつ、その中心点である先行車両推定点から先行車両位置を求めることにより、レーザレーダ2の測定範囲から先行車両が移動したために、レーザレーダ2が先行車両までの距離を測定できない場合でも、画像入力装置5の入力画像上に先行車両が撮影されていれば、先行車両位置を求めることができる。
なお、相関処理を行う入力画像の範囲を、メモリに記憶されたテンプレート画像の位置から車両が移動可能な範囲に予め設定すれば、相関処理を高速化することができる。
【0030】
つぎに、本発明の第2の実施例を説明する。
本実施例は、相関処理において、テンプレート画像を縦方向に長く複数枚に分割し、分割された画像毎に相関値を求め、各分割画像の分割最大相関領域を算出し、各分割最大相関領域の相対位置関係に基づいて、先行車両推定点を求める。
また、先行車両が自車レーン内を走行しているのか否かを判断するレーン内判定部を有する
【0031】
図7は、車両速度自動制御装置に応用した第2の実施例の構成を示す図である。
処理制御部10は、メモリ11を有し、レーザレーダ2の測定値から先行車両位置を算出するか、画像入力装置1から入力された画像の相関処理から先行車両位置を算出するかを、レーザーレーダ2の測定結果に基づいて選択し、レーザレーダ2の測定値から先行車両位置を算出する場合には、メモリ11のフラグSに0を設定し、画像入力装置1から入力された画像の相関処理から先行車両位置を算出する場合には、メモリ11のフラグSに1を設定する。
また、処理制御部10は、レーザレーダ2、測定点算出部4、テンプレート画像記憶部5、相関算出部13、レーン内判定部14および車間距離算出部7に接続されている。
レーン内判定部14は、測定点算出部4または相関算出部13により設定されたテンプレート枠の位置が、自車走行レーン内か否かを判定する。
レーン内判定部14は、測定点算出部4、テンプレート画像記憶部5および相関算出部13にも接続されている。
【0032】
図8および図9に示すフローチャートを用いて、本実施例の動作を説明する。ステップ201においてレーザレーダ2により走路前方の物体までの距離を測定する。
ステップ202で、画像入力装置1で走路前方の画像を撮影する。
ステップ203では、処理制御部10において、レーザレーダ2により、走路前方の物体までの距離が適切に測定されたか、否か判定する。所定距離内の測定値が得られたときは、ステップ204に進む。測定値が得られなかったときや、あるいは、測定値が所定距離を越えた場合には、ステップ207に進む。
ステップ204では、処理制御部10でメモリ11のフラグSに0を設定する。
ステップ205では、図4に示すフローチャートのステップ104と同様に、測定点算出部4で、レーザレーダ2の測定値と取り付け角度から入力画像上の測定点を算出する。
ステップ206では、測定点を中心とした所定の大きさのテンプレート枠を設定し、ステップ214へ進む。
【0033】
ステップ203で、距離測定値が得られず、ステップ207に進むと、ステップ207では、処理制御部10において、テンプレート画像記憶部5のメモリ9にテンプレート画像が記憶されているか否かを判定し、記憶されていなければ、ステップ201に戻り、レーザレーダ2での距離測定と、画像入力装置1での撮影を繰り返す。
メモリ9にテンプレート画像が記憶されているときには、ステップ208へ進む。
ステップ208では、処理制御部10でメモリ11のフラグSに1を設定する。
ステップ209で、相関算出部13において、図10の(a)に示すようなテンプレート画像31を図10の(b)に示すような縦方向に長い4つのテンプレート分割画像32a、32b、32c、32dに分割する。
【0034】
ステップ210で、テンプレート分割画像32a〜32dと画像入力装置1から入力された画像との相関値を算出する。テンプレート分割画像32a〜32dと、入力画像上のテンプレート分割画像と同じ大きさの領域の画素濃度の差の総和の逆数を相関値として算出する。
この相関値が最も大きくなる入力画像の画像領域を分割最大相関領域とする。
相関値の算出と分割最大相関領域の決定は、各テンプレート分割画像毎に行う。すなわち、図10の(c)に示すように4つの分割最大相関領域33a〜33dが定められる。
【0035】
ステップ211では、テンプレート画像内で隣合っていたテンプレート分割画像に対応する分割最大相関領域間の入力画像上での距離を算出する。
算出した距離が所定値より短い場合には、一つの物体を撮影した画像の隣り合う画像領域であると判断し、算出した距離が所定値以上の場合には、異なる物体を撮影した画像であると判断する。
隣合うテンプレート分割画像3組全てに対応する分割最大相関領域間の距離を算出し、一つの物体を撮影したものか、異なる物体を撮影したものか判断する。
ステップ212において、同一の物体を撮影したと判断された分割最大相関領域の組の中で、最も多数枚の分割最大相関領域を含んだ組を、先行車両を撮影した画像領域であるとみなし、図10の(c)に示すように、その画像領域の中心を先行車両推定点34とする。
ステップ213では、所定の大きさのテンプレート枠を、ステップ212で算出した先行車両推定点を中心として設定し、ステップ214にすすむ。
【0036】
ステップ214では、レーン内判定部14で、ステップ206またはステップ213で設定されたテンプレート枠が、自車走行レーン内であるか、否かを判定する。
まず、図11に示すように、テンプレート枠35の下端中央と入力画像の下端中央とを結ぶ直線領域36を設定する。直線領域36の高輝度領域を抽出し、所定の長さ以上で縦方向に連続して存在する高輝度領域が存在したときには、その高輝度領域は道路白線であるとみなし、テンプレート枠35は、自車走行レーン上ではないと判定する。
テンプレート枠が自車走行レーン内であればステップ217に進み、自車走行レーン内でなければ、ステップ215へ進む。
【0037】
ステップ215では、処理制御部10のメモリ11に設定されているフラグSが1か0かを判定し、0であれば、ステップ207に戻る。すなわち、レーザレーダ2で前方の物体まで距離を測定できていても、自車走行レーンの外にある物体までの距離を測定している場合には、ステップ207に戻り、以降の相関処理を実行する。
フラグSが1に設定されている場合、すなわち相関処理を実行して、テンプレート枠が設定されたが、そのテンプレート枠が自車走行レーン外であった場合には、ステップ216にすすみ、テンプレート枠を初期化して、ステップ201へ戻る。
【0038】
ステップ217では、処理制御部10のメモリ11に設定されているフラグSが1か0かを判定し、0であれば、ステップ218に進み、1であれば、ステップ220に進む。
ステップ218では、テンプレート画像記憶部5で、ステップ206で設定されたテンプレート枠で囲まれた画像領域であるテンプレート画像をメモリ9に記憶する。
ステップ219では、図4に示すフローチャートのステップ107と同様に、レーザレーダ2の測定距離と取り付け角度から先行車両までの車間距離を算出し、ステップ222へ進む。
ステップ220では、テンプレート画像記憶部5で、ステップ213で設定されたテンプレート枠で囲まれた画像領域であるテンプレート画像をメモリ9に記憶する。
ステップ221では、図4に示すフローチャートのステップ113と同様に、先行車両推定点から車間距離を算出する。
ステップ222では、車間距離が所定値以上になるように走行速度を自動制御し、再度ステップ201に戻り、レーザレーダ2による測定を繰り返す。
【0039】
図8に示すフローチャートのステップ203と図9のステップ217は、発明の処理切替手段を構成し、図9のステップ214は、発明のレーン内判定手段を、ステップ218は、第1のテンプレート画像記憶手段を、ステップ220は第2のテンプレート画像記憶手段を構成する。また、ステップ219は発明の第1の先行車両位置算出手段を構成し、ステップ221は第2の先行車両位置算出手段を構成する。
【0040】
以上のように、まず、テンプレート画像と入力画像の相関値を算出する際に、メモリに記憶されているテンプレート画像を複数枚のテンプレート分割画像に分割し、各テンプレート分割画像毎に入力画像との相関値を算出し、入力画像上で、各テンプレート分割画像との相関値が最も大きくなる分割最大相関領域を決定する。
そして、各分割最大相関領域の相対位置関係から先行車両推定点を決定して、その先行車両推定点から先行車両位置を求め、また先行車両推定点を中心として所定の大きさのテンプレート枠を設定することにより、第1の実施例と同様の効果が得られるとともに、レーザレーダ2で測定した点が、先行車両の端部であった場合でも、確実に入力画像上の先行車両推定点を求めることができるので先行車両検出精度を向上させることができる。
【0041】
さらに、テンプレート枠が、自車走行レーン内か否かを判定し、自車走行レーン内であれば、そのテンプレート枠で囲まれたテンプレート画像をメモリに記憶することにより、自車走行レーンを走行中の先行車両のみのテンプレート画像をメモリに記憶することができるので自動速度制御装置等に本発明を応用する際の利便性が向上する。
また、テンプレート枠が自車走行レーン内でないときには、テンプレート画像をメモリに記憶しないので、その分処理時間が短縮でき、レーザレーダ2による距離測定の間隔を短縮できる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の先行車両検出装置によれば、距離測定装置が、所定距離内に存在する物体までの距離を測定しているときには、距離測定装置の測定結果に基づいて先行車両位置を求め、また、同時に、画像入力装置の入力画像上に測定点を設け、その測定点を中心に所定の大きさの第1のテンプレート枠を設け、その第1のテンプレート枠に囲まれたテンプレート画像をテンプレート画像記憶部のメモリに記憶する。
【0043】
距離を測定していないときには、テンプレート画像記憶部のメモリに記憶されているテンプレート画像と、入力画像上でテンプレート画像と同じ大きさの領域の相関値を算出し、入力画像上で、テンプレート画像との相関値が最も大きくなる画像領域の周囲に第2のテンプレート枠を設け、第2のテンプレート枠で囲まれたテンプレート画像をメモリに記憶し、その中心点である先行車両推定点から先行車両位置を求める。
これにより、距離測定装置の測定範囲から先行車両が移動したために、先行車両までの距離を測定できない場合でも、画像入力装置の入力画像上に先行車両が撮像されていれば、先行車両位置を求めることができる。
【0044】
また、テンプレート画像と入力画像の相関値を算出する際に、メモリに記憶されているテンプレート画像を複数枚のテンプレート分割画像に分割し、各テンプレート分割画像毎に入力画像との相関値を算出し、入力画像上で、各テンプレート分割画像との相関値が最も大きくなる最大相関分割画像領域を決定し、各最大相関分割画像領域の相対位置関係から先行車両推定点を決定して、その先行車両推定点から先行車両位置を求め、また先行車両推定点を中心として所定の大きさの第2のテンプレート枠を設定し、第2のテンプレート枠に囲まれたテンプレート画像をメモリに記憶する。
これにより、距離測定装置で距離を測定した点が、先行車両の端部であった場合でも、確実に入力画像上の先行車両推定点を求めることができるので先行車両検出精度を向上させることができる。
【0045】
さらに、テンプレート枠が、自車走行レーン内か否かを判定し、自車走行レーン内であれば、そのテンプレート枠で囲まれたテンプレート画像をメモリに記憶することにより、自車走行レーンを走行中の先行車両のみのテンプレート画像をメモリに記憶することができるので自動速度制御装置等に本発明を応用する際の利便性が向上する。
また、テンプレート枠が自車走行レーン内でないときには、テンプレート画像をメモリに記憶しないので、その分処理時間が短縮でき、距離測定装置による測定間隔を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成を示す図である。
【図2】テンプレート枠およびテンプレート画像の説明図である。
【図3】テンプレート枠およびテンプレート画像の説明図である。
【図4】第1の実施例における動作の流れを示すフローチャートである。
【図5】測定点算出方法の説明図である。
【図6】先行車両推定点までの実空間での距離算出方法の説明図である。
【図7】本発明の第2の実施例の構成を示す図である。
【図8】第2の実施例における動作の流れを示すフローチャートである。
【図9】第2の実施例における動作の流れを示すフローチャートである。
【図10】分割テンプレート画像の説明図である。
【図11】自車走行レーン判定のための直線領域の説明図である。
【符号の説明】
1 画像入力装置
2 レーザレーダ
3、10 処理制御部
4 測定点算出部
5 テンプレート画像記憶部
6 相関算出部
7 車間距離算出部
8 車両速度制御部
9、11 メモリ
21、25 入力画像
22 先行車両点
23、26、35 テンプレート枠
24、28、31 テンプレート画像
27、34 先行車両推定点
29 撮像面
30 レンズ
32a、32b、32c、32d テンプレート分割画像
33a、33b、33c、33d 分割最大相関領域
36 直線領域
【発明の属する技術分野】
本発明は、自車の前方を走行する先行車両を検出する先行車両検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の先行車両検出装置としては、例えば、特開平7−125567号公報に記載されているものがあり、これは、レーザレーダの測定結果と自車の前方を撮影した撮影画像の画像処理によって、先行車両を認識するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、レーザレーダの測定結果が欠落した場合には、前回の測定データを使用する方法が記載されているのみで、レーザレーダの測定範囲外に先行車両が移動したために、レーザレーダの測定結果が欠落したときに、先行車両の位置を検出する方法は記載されていない。
【0004】
また、特開平6−265349号公報に記載されている車両検出装置では、ステレオ方式で撮影した2枚の画像の相関関係から先行車両位置を検出するものであり、レーザレーダによる検出に加えてこの相関関係から先行車両を検出する方法を用いても、レーザレーダの測定範囲の領域には、車両以外のものも含まれるため、単に、レーザレーダ測定範囲の画像の相関関係からでは、レーザレーダの測定結果が欠落したときには、先行車両の位置を検出することはできない。
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、レーザレーダの測定範囲から先行車両が移動したためレーザレーダの測定結果が欠落した場合でも、先行車両位置を検出することのできる先行車両検出装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明は、自車両から前方走路上の物体までの距離を測定する距離測定装置を有する先行車両検出装置において、距離測定装置の測定範囲を含む前方走路を撮像する画像入力装置と、距離測定装置の測定結果に基づいて、画像入力装置の入力画像上の測定点を算出し、その測定点を中心に所定の大きさの第1のテンプレート枠を設ける測定点算出部と、第1のテンプレート枠に囲まれたテンプレート画像をメモリに記憶する第1のテンプレート画像記憶手段と、距離測定装置の測定結果に基づいて先行車両位置を算出する第1の先行車両位置算出手段と、メモリに記憶されているテンプレート画像と、画像入力装置の入力画像の相関値を算出し、入力画像上で、テンプレート画像との相関値が最も大きくなる最大相関領域を求め、その最大相関領域の周囲に第2のテンプレート枠を設け、第2のテンプレート枠の中心に先行車両推定点を設定する相関算出部と、第2のテンプレート枠に囲まれたテンプレート画像を前記メモリに記憶する第2のテンプレート画像記憶手段と、上記の先行車両推定点に基づいて先行車両位置を算出する第2の先行車両位置算出手段と、距離測定装置が、所定距離内に存在する物体までの距離を測定しているか否かを判定し、所定距離内の測定値が存在したときは該測定結果に基づく第1の先行車両位置算出手段による検出処理を選択し、所定距離内の測定値が存在しないときは相関算出部が設定する先行車両推定点に基づく第2の先行車両位置算出手段による検出処理を選択する処理切替手段とを有するものとした。
【0006】
また、自車両から前方走路上の物体までの距離を測定する距離測定装置を有する先行車両検出装置において、距離測定装置の測定範囲を含む前方走路を撮像する画像入力装置と、距離測定装置の測定結果に基づいて、画像入力装置の入力画像上の測定点を算出し、測定点を中心に所定の大きさの第1のテンプレート枠を設ける測定範囲算出部と、第1のテンプレート枠に囲まれたテンプレート画像をメモリに記憶する第1のテンプレート画像記憶手段と、距離測定装置の測定結果に基づいて先行車両位置を算出する第1の先行車両位置算出手段と、メモリに記憶されているテンプレート画像を複数枚のテンプレート分割画像に分割し、各テンプレート分割画像毎に画像入力装置の入力画像との相関値を算出し、入力画像上で、各テンプレート分割画像との相関値が最も大きくなる分割最大相関領域を求め、各分割最大相関領域の相対位置関係から先行車両推定点を設定し、その先行車両推定点を中心に所定の大きさの第2のテンプレート枠を設定する相関算出部と、第2のテンプレート枠に囲まれたテンプレート画像をメモリに記憶する第2のテンプレート画像記憶手段と、先行車両推定点に基づいて先行車両位置を算出する第2の先行車両位置算出手段と、距離測定装置が、所定距離内に存在する物体までの距離を測定しているか否かを判定し、所定距離内の測定値が存在したときは該測定結果に基づく第1の先行車両位置算出手段による検出処理を選択し、所定距離内の測定値が存在しないときは相関算出部が設定する先行車両推定点に基づく第2の先行車両位置算出手段による検出処理を選択する処理切替手段とを有することもできる。
【0007】
さらに、上記の先行車両検出装置は、所定距離内の測定値が存在したときは、第1のテンプレート枠が、自車走行レーン内か否かを判定し、所定距離内の測定値が存在しないときには、第2のテンプレート枠が、自車走行レーン内か否かを判定するレーン内判定手段を有し、第1のテンプレート画像記憶手段は、第1のテンプレート枠が自車走行レーン内であれば、第1のテンプレート枠に囲まれたテンプレート画像をメモリに記憶し、また第2のテンプレート画像記憶手段は、第2のテンプレート枠が自車走行レーン内であれば、第2のテンプレート枠に囲まれたテンプレート画像を前記メモリに記憶することが好ましい。
【0008】
【作用】
距離測定装置が、所定距離内に存在する物体までの距離を測定しているときには、測定結果に基づいて先行車両位置を求める。また、同時に、画像入力装置で撮影した入力画像上に測定点を設け、その測定点を中心に所定の大きさの第1のテンプレート枠を設け、その第1のテンプレート枠に囲まれたテンプレート画像をメモリに記憶する。
【0009】
距離を測定していないときには、メモリに記憶されているテンプレート画像と、入力画像上でテンプレート画像と同じ大きさの領域の相関値を算出し、入力画像上で、テンプレート画像との相関値が最も大きくなる画像領域の周囲に第2のテンプレート枠を設け、その第2のテンプレート枠で囲まれたテンプレート画像をメモリに記憶し、その中心点である先行車両推定点から先行車両位置を求める。
これにより、距離測定装置の検出範囲から先行車両が移動したために、先行車両までの距離を測定できない場合でも、入力画像上に先行車両が撮像されていれば、先行車両位置を求めることができる。
【0010】
また、テンプレート画像と入力画像の相関値を算出する際に、メモリに記憶されているテンプレート画像を複数枚のテンプレート分割画像に分割し、各テンプレート分割画像毎に入力画像との相関値を算出し、入力画像上で、各テンプレート分割画像との相関値が最も大きくなる最大相関分割画像領域を決定し、各最大相関分割画像領域の相対位置関係から先行車両推定点を決定して、その先行車両推定点から先行車両位置を求め、また先行車両推定点を中心として所定の大きさの第2のテンプレート枠を設定し、第2のテンプレート枠に囲まれたテンプレート画像をメモリに記憶する。
これにより、距離を測定した点が、先行車両の端部であった場合でも、確実に入力画像上の先行車両推定点を求めることができるので先行車両検出精度を向上させることができる。
【0011】
さらに、テンプレート枠が、自車走行レーン内か否かを判定し、自車走行レーン内であれば、そのテンプレート枠で囲まれたテンプレート画像をメモリに記憶することにより、自車走行レーンを走行中の先行車両のみのテンプレート画像をメモリに記憶することができるので自動速度制御装置等に本発明を応用する際の利便性が向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を実施例により説明する。
図1は、レーザレーダで測定した前方物体までの距離と、画像入力装置により撮影した画像に基づいて先行車両を検出する本発明を、車両速度自動制御装置に応用した第1の実施例の構成を示すブロック図である。
画像入力装置1は、CCDカメラからなり、走路前方を撮影するのに適した車両上の所定の部位に取付けられている。
画像入力装置1は測定点算出部4、テンプレート画像記憶部5および相関算出部6に接続されている。
【0013】
レーザレーダ2は、シングルビームのレーザ光を用いた距離測定装置であり、車両の走路前方を測定範囲とし、走路前方に存在する物体までの距離を測定する。
レーザレーダ2は、処理制御部3、測定点算出部4および車間距離算出部7に接続されている。
処理制御部3は、レーザレーダ2の測定値から先行車両位置を算出するか、画像入力装置1から入力された画像の相関処理から先行車両位置を算出するかを、レーザレーダ2の測定結果に基づいて選択し、その選択に従って、測定点算出部4、テンプレート画像記憶部5、相関算出部6および車間距離算出部7を制御する。
【0014】
測定点算出部4は、画像入力装置1から入力された画像の中で、レーザレーダ2が距離を測定している点に対応する測定点を算出し、所定の大きさのテンプレート枠をその測定点を中心として設定する。
テンプレート画像記憶部5にはメモリ9が設けられ、入力画像上のテンプレート枠に囲まれた部分であるテンプレート画像をメモリ9に記憶する。
相関算出部6は、メモリ9に記憶されたテンプレート画像と、画像入力装置1により入力された画像の相関をとり、入力画像の中で、最も相関値の大きい、すなわちテンプレート画像と最も類似した画像領域にテンプレート枠を設定し、その中心点を先行車両推定点とする。
【0015】
車間距離算出部7は、処理制御部3の選択により、レーザレーダ2の測定結果が車間距離算出に適切な結果であれば、レーザレーダ2の測定結果と取り付け角度から、先行車両までの車間距離を算出する。
また、レーザレーダ2の測定結果が適切なものでなければ、相関算出部6で算出した先行車両推定点までの車間距離を算出する。
車両速度制御部8では、車間距離算出部7で算出した車間距離に基づいて自車両の走行速度を自動制御する。
【0016】
次に、動作を説明する。
まず、画像入力装置1は、走路前方の画像を撮影し、レーザレーダ2は走路前方に存在する物体までの距離を測定する。
レーザレーダ2の測定結果が入力されると、処理制御部3において、測定値が所定距離内の値であれば、先行車両までの距離を測定したと判断し、車間距離算出部7で、レーザレーダ2の測定値から車間距離を算出し、車両速度制御部8は、車間距離が所定値になるように自車両の走行速度を制御する。
【0017】
このとき、車間距離の算出と同時に、レーザレーダ2から適切な測定結果を得られなかった時に備えて、テンプレート画像を記憶する処理を行う。
まず、測定点算出部4で、レーザレーダ2で測定した距離とレーザレーダの取り付け角度から、画像入力装置1で撮影した図2に示す入力画像21の中で、レーザレーダ2が距離を測定している点に対応する測定点22を算出し、所定の大きさのテンプレート枠23を、その測定点22を中心として設定する。
テンプレート画像記憶部5では、テンプレート枠23に囲まれた部分であるテンプレート画像24を、メモリ9に記憶する。
レーザレーダ2で、車間距離が測定される度に、新しい測定距離に対応する測定点を中心とするテンプレート画像に書き換えられ、常に最新の画像から切り取られたテンプレート画像がメモリ9には記憶される。
【0018】
処理制御部3は、レーザレーダ2の測定値が得られなかったり、あるいは、測定値が所定距離を越えた値であった場合には、車間距離が測定できていないとみなし、相関算出部6を制御する。
相関算出部6では、画像入力装置1から入力された図3に示す入力画像25の中から、テンプレート画像記憶部5のメモリ9に記憶されているテンプレート画像と最も類似した画像領域を相関処理により求め、その画像領域の周囲にテンプレート枠26を設ける。テンプレート枠26の中心点に先行車両推定点27を設定する。
【0019】
引き続きレーザレーダ2により車間距離を測定できない場合に備えて、テンプレート枠26に囲まれたテンプレート画像28をテンプレート画像記憶部5のメモリ9に記憶する。
相関算出部6で、先行車両推定点を求める度に、メモリ9に記憶されたテンプレート画像は、新しい先行車両推定点を中心とするテンプレート画像に書き換えられる。
車間距離算出部7は、処理制御部3の選択により、レーザレーダ2が車間距離を測定していないときには、相関算出部6で算出した先行車両推定点までの車間距離を算出し、車両速度制御部8は、自車両の走行速度を自動制御する。
【0020】
つぎに、本実施例における動作の流れを、図4に示すフローチャートを用いて、より詳細に説明する。
ステップ101においてレーザレーダ2により走路前方の物体までの距離を測定する。
ステップ102で、画像入力装置1で走路前方の画像を撮影する。
ステップ103では、処理制御部3において、レーザレーダ2により、走路前方の物体までの距離が適切に測定されたか、否か判定する。所定距離内の測定値が得られたときは、ステップ104に進む。測定値が得られなかったときや、あるいは、測定値が所定距離を越えた場合には、ステップ108に進む。
【0021】
まず、ステップ104では、測定点算出部4で、レーザレーダ2で測定した距離とレーザレーダ2の取り付け角度から、CCDカメラからなる画像入力装置1で撮影した画像の中で、レーザレーダ2が距離を測定している点に対応する測定点を算出する。
図5に示すように、レーザレーダ2での測定距離をL1(m)とし、撮像面29とレンズ30からなるCCDカメラの取り付け高さをH、撮像面29までの距離が焦点距離fとなるように配置されたレンズ30の光軸方向と水平線のなす上下方向の角度をθ1、距離L1(m)の実空間での測定点とレンズ30の中心点を結ぶ直線とレンズ30の光軸のなす角度をdθ1とすると、dθ1は、次式で表される。
dθ1=θ1−atan(H/L1)
【0022】
このとき、実空間での測定点に相当する画像上の測定点の、画像中央からのy座標の画素数dy1は、CCDカメラの撮像面29のy方向の画素数をIY、y方向の画面サイズをDHとすると、次式であらわされる。
dy1=f×tan(dθ1)×IY/DH
上式で得られたy座標位置から、レーザレーダ2で距離を測定している実空間での測定点に相当する入力画像上の測定点のy座標が算出される。
同様に、入力画像上の測定点のx座標を算出し、その点を測定点22とする。
【0023】
ステップ105では、ステップ104で算出した測定点22を中心として、所定の大きさのテンプレート枠23を設定する。
ステップ106では、テンプレート画像記憶部5において、テンプレート枠23で囲まれたテンプレート画像24をメモリ9に記憶する。
ステップ107では、車間距離算出部7で、レーザレーダ2で測定した距離とレーザレーダ2の取り付け角度から、先行車両までの車間距離を計算し、ステップ114へ進む。
【0024】
ステップ103で、距離測定値が得られず、ステップ108に進むと、ステップ108では、処理制御部3において、テンプレート画像記憶部5のメモリ9にテンプレート画像が記憶されているか否かを判定し、記憶されていなければ、ステップ101に戻り、レーザレーダ2での測定と、画像入力装置1での撮影を繰り返す。
メモリ9にテンプレート画像が記憶されているときには、ステップ109へ進む。
【0025】
ステップ109で、メモリ9に記憶されたテンプレート画像と画像入力装置1から入力された画像との相関値を算出する。テンプレート画像と、入力画像上のテンプレート画像と同じ大きさの領域の画素濃度の差の総和の逆数を相関値として算出する。この相関値が最も大きくなる入力画像の画像領域を最大相関領域とする。
ステップ110において、ステップ109で求めた最大相関領域を先行車両を撮影した画像領域であるとみなし、最大相関領域の周囲にテンプレート枠26を設定する。
ステップ111では、テンプレート枠26の中心点を、先行車両推定点27として、ステップ112にすすむ。
ステップ112では、テンプレート画像記憶部5で、テンプレート枠で囲まれた画像領域であるテンプレート画像をメモリ9に記憶する。
【0026】
ステップ113では、先行車両推定点から車間距離を算出する。
まず、図6に示すように、先行車両推定点の画像中央からのy座標の画素数をdy2は、画像入力部5のCCDカメラのレンズ30の焦点距離をf、撮像面30の画素数をIY、画面サイズをDHとするとき、撮像面29上の先行車両推定点とレンズ30の中心点を結ぶ直線と光軸のなす角度dθ2は、次式で表される。
dθ2=atan(DH/IY×dy2/f)
【0027】
このとき、先行車両推定点までの実空間での距離をL2(m)とし、レンズ30の光軸方向と水平線のなす上下方向の角度をθ1、CCDカメラの取り付け高さをHとすると、距離L2は次式で表される。
L2=H/tan(θ1−dθ2)
上式で得られた距離L2を車間距離とみなす。
ステップ114では、車間距離が所定値以上になるように車両速度を制御し、再度ステップ101に戻り、レーザレーダ2による測定を繰り返す。
【0028】
図4に示すフローチャートのステップ103は発明の処理切替手段を構成し、ステップ106は第1のテンプレート画像記憶手段を、ステップ112は第2のテンプレート画像記憶手段を構成する。
ステップ107は発明の第1の先行車両位置算出手段を構成し、ステップ113は第2の先行車両位置算出手段を構成する。
【0029】
従って、レーザレーダ2が所定距離内に存在する物体までの距離を測定していないときには、テンプレート画像記憶部5のメモリ9に記憶されているテンプレート画像と、画像入力装置の入力画像上でテンプレート画像と同じ大きさの領域の相関値を算出し、入力画像上で、テンプレート画像との相関値が最も大きくなる最大相関領域の周囲にテンプレート枠を設け、そのテンプレート枠で囲まれたテンプレート画像をメモリ9に記憶し、かつ、その中心点である先行車両推定点から先行車両位置を求めることにより、レーザレーダ2の測定範囲から先行車両が移動したために、レーザレーダ2が先行車両までの距離を測定できない場合でも、画像入力装置5の入力画像上に先行車両が撮影されていれば、先行車両位置を求めることができる。
なお、相関処理を行う入力画像の範囲を、メモリに記憶されたテンプレート画像の位置から車両が移動可能な範囲に予め設定すれば、相関処理を高速化することができる。
【0030】
つぎに、本発明の第2の実施例を説明する。
本実施例は、相関処理において、テンプレート画像を縦方向に長く複数枚に分割し、分割された画像毎に相関値を求め、各分割画像の分割最大相関領域を算出し、各分割最大相関領域の相対位置関係に基づいて、先行車両推定点を求める。
また、先行車両が自車レーン内を走行しているのか否かを判断するレーン内判定部を有する
【0031】
図7は、車両速度自動制御装置に応用した第2の実施例の構成を示す図である。
処理制御部10は、メモリ11を有し、レーザレーダ2の測定値から先行車両位置を算出するか、画像入力装置1から入力された画像の相関処理から先行車両位置を算出するかを、レーザーレーダ2の測定結果に基づいて選択し、レーザレーダ2の測定値から先行車両位置を算出する場合には、メモリ11のフラグSに0を設定し、画像入力装置1から入力された画像の相関処理から先行車両位置を算出する場合には、メモリ11のフラグSに1を設定する。
また、処理制御部10は、レーザレーダ2、測定点算出部4、テンプレート画像記憶部5、相関算出部13、レーン内判定部14および車間距離算出部7に接続されている。
レーン内判定部14は、測定点算出部4または相関算出部13により設定されたテンプレート枠の位置が、自車走行レーン内か否かを判定する。
レーン内判定部14は、測定点算出部4、テンプレート画像記憶部5および相関算出部13にも接続されている。
【0032】
図8および図9に示すフローチャートを用いて、本実施例の動作を説明する。ステップ201においてレーザレーダ2により走路前方の物体までの距離を測定する。
ステップ202で、画像入力装置1で走路前方の画像を撮影する。
ステップ203では、処理制御部10において、レーザレーダ2により、走路前方の物体までの距離が適切に測定されたか、否か判定する。所定距離内の測定値が得られたときは、ステップ204に進む。測定値が得られなかったときや、あるいは、測定値が所定距離を越えた場合には、ステップ207に進む。
ステップ204では、処理制御部10でメモリ11のフラグSに0を設定する。
ステップ205では、図4に示すフローチャートのステップ104と同様に、測定点算出部4で、レーザレーダ2の測定値と取り付け角度から入力画像上の測定点を算出する。
ステップ206では、測定点を中心とした所定の大きさのテンプレート枠を設定し、ステップ214へ進む。
【0033】
ステップ203で、距離測定値が得られず、ステップ207に進むと、ステップ207では、処理制御部10において、テンプレート画像記憶部5のメモリ9にテンプレート画像が記憶されているか否かを判定し、記憶されていなければ、ステップ201に戻り、レーザレーダ2での距離測定と、画像入力装置1での撮影を繰り返す。
メモリ9にテンプレート画像が記憶されているときには、ステップ208へ進む。
ステップ208では、処理制御部10でメモリ11のフラグSに1を設定する。
ステップ209で、相関算出部13において、図10の(a)に示すようなテンプレート画像31を図10の(b)に示すような縦方向に長い4つのテンプレート分割画像32a、32b、32c、32dに分割する。
【0034】
ステップ210で、テンプレート分割画像32a〜32dと画像入力装置1から入力された画像との相関値を算出する。テンプレート分割画像32a〜32dと、入力画像上のテンプレート分割画像と同じ大きさの領域の画素濃度の差の総和の逆数を相関値として算出する。
この相関値が最も大きくなる入力画像の画像領域を分割最大相関領域とする。
相関値の算出と分割最大相関領域の決定は、各テンプレート分割画像毎に行う。すなわち、図10の(c)に示すように4つの分割最大相関領域33a〜33dが定められる。
【0035】
ステップ211では、テンプレート画像内で隣合っていたテンプレート分割画像に対応する分割最大相関領域間の入力画像上での距離を算出する。
算出した距離が所定値より短い場合には、一つの物体を撮影した画像の隣り合う画像領域であると判断し、算出した距離が所定値以上の場合には、異なる物体を撮影した画像であると判断する。
隣合うテンプレート分割画像3組全てに対応する分割最大相関領域間の距離を算出し、一つの物体を撮影したものか、異なる物体を撮影したものか判断する。
ステップ212において、同一の物体を撮影したと判断された分割最大相関領域の組の中で、最も多数枚の分割最大相関領域を含んだ組を、先行車両を撮影した画像領域であるとみなし、図10の(c)に示すように、その画像領域の中心を先行車両推定点34とする。
ステップ213では、所定の大きさのテンプレート枠を、ステップ212で算出した先行車両推定点を中心として設定し、ステップ214にすすむ。
【0036】
ステップ214では、レーン内判定部14で、ステップ206またはステップ213で設定されたテンプレート枠が、自車走行レーン内であるか、否かを判定する。
まず、図11に示すように、テンプレート枠35の下端中央と入力画像の下端中央とを結ぶ直線領域36を設定する。直線領域36の高輝度領域を抽出し、所定の長さ以上で縦方向に連続して存在する高輝度領域が存在したときには、その高輝度領域は道路白線であるとみなし、テンプレート枠35は、自車走行レーン上ではないと判定する。
テンプレート枠が自車走行レーン内であればステップ217に進み、自車走行レーン内でなければ、ステップ215へ進む。
【0037】
ステップ215では、処理制御部10のメモリ11に設定されているフラグSが1か0かを判定し、0であれば、ステップ207に戻る。すなわち、レーザレーダ2で前方の物体まで距離を測定できていても、自車走行レーンの外にある物体までの距離を測定している場合には、ステップ207に戻り、以降の相関処理を実行する。
フラグSが1に設定されている場合、すなわち相関処理を実行して、テンプレート枠が設定されたが、そのテンプレート枠が自車走行レーン外であった場合には、ステップ216にすすみ、テンプレート枠を初期化して、ステップ201へ戻る。
【0038】
ステップ217では、処理制御部10のメモリ11に設定されているフラグSが1か0かを判定し、0であれば、ステップ218に進み、1であれば、ステップ220に進む。
ステップ218では、テンプレート画像記憶部5で、ステップ206で設定されたテンプレート枠で囲まれた画像領域であるテンプレート画像をメモリ9に記憶する。
ステップ219では、図4に示すフローチャートのステップ107と同様に、レーザレーダ2の測定距離と取り付け角度から先行車両までの車間距離を算出し、ステップ222へ進む。
ステップ220では、テンプレート画像記憶部5で、ステップ213で設定されたテンプレート枠で囲まれた画像領域であるテンプレート画像をメモリ9に記憶する。
ステップ221では、図4に示すフローチャートのステップ113と同様に、先行車両推定点から車間距離を算出する。
ステップ222では、車間距離が所定値以上になるように走行速度を自動制御し、再度ステップ201に戻り、レーザレーダ2による測定を繰り返す。
【0039】
図8に示すフローチャートのステップ203と図9のステップ217は、発明の処理切替手段を構成し、図9のステップ214は、発明のレーン内判定手段を、ステップ218は、第1のテンプレート画像記憶手段を、ステップ220は第2のテンプレート画像記憶手段を構成する。また、ステップ219は発明の第1の先行車両位置算出手段を構成し、ステップ221は第2の先行車両位置算出手段を構成する。
【0040】
以上のように、まず、テンプレート画像と入力画像の相関値を算出する際に、メモリに記憶されているテンプレート画像を複数枚のテンプレート分割画像に分割し、各テンプレート分割画像毎に入力画像との相関値を算出し、入力画像上で、各テンプレート分割画像との相関値が最も大きくなる分割最大相関領域を決定する。
そして、各分割最大相関領域の相対位置関係から先行車両推定点を決定して、その先行車両推定点から先行車両位置を求め、また先行車両推定点を中心として所定の大きさのテンプレート枠を設定することにより、第1の実施例と同様の効果が得られるとともに、レーザレーダ2で測定した点が、先行車両の端部であった場合でも、確実に入力画像上の先行車両推定点を求めることができるので先行車両検出精度を向上させることができる。
【0041】
さらに、テンプレート枠が、自車走行レーン内か否かを判定し、自車走行レーン内であれば、そのテンプレート枠で囲まれたテンプレート画像をメモリに記憶することにより、自車走行レーンを走行中の先行車両のみのテンプレート画像をメモリに記憶することができるので自動速度制御装置等に本発明を応用する際の利便性が向上する。
また、テンプレート枠が自車走行レーン内でないときには、テンプレート画像をメモリに記憶しないので、その分処理時間が短縮でき、レーザレーダ2による距離測定の間隔を短縮できる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の先行車両検出装置によれば、距離測定装置が、所定距離内に存在する物体までの距離を測定しているときには、距離測定装置の測定結果に基づいて先行車両位置を求め、また、同時に、画像入力装置の入力画像上に測定点を設け、その測定点を中心に所定の大きさの第1のテンプレート枠を設け、その第1のテンプレート枠に囲まれたテンプレート画像をテンプレート画像記憶部のメモリに記憶する。
【0043】
距離を測定していないときには、テンプレート画像記憶部のメモリに記憶されているテンプレート画像と、入力画像上でテンプレート画像と同じ大きさの領域の相関値を算出し、入力画像上で、テンプレート画像との相関値が最も大きくなる画像領域の周囲に第2のテンプレート枠を設け、第2のテンプレート枠で囲まれたテンプレート画像をメモリに記憶し、その中心点である先行車両推定点から先行車両位置を求める。
これにより、距離測定装置の測定範囲から先行車両が移動したために、先行車両までの距離を測定できない場合でも、画像入力装置の入力画像上に先行車両が撮像されていれば、先行車両位置を求めることができる。
【0044】
また、テンプレート画像と入力画像の相関値を算出する際に、メモリに記憶されているテンプレート画像を複数枚のテンプレート分割画像に分割し、各テンプレート分割画像毎に入力画像との相関値を算出し、入力画像上で、各テンプレート分割画像との相関値が最も大きくなる最大相関分割画像領域を決定し、各最大相関分割画像領域の相対位置関係から先行車両推定点を決定して、その先行車両推定点から先行車両位置を求め、また先行車両推定点を中心として所定の大きさの第2のテンプレート枠を設定し、第2のテンプレート枠に囲まれたテンプレート画像をメモリに記憶する。
これにより、距離測定装置で距離を測定した点が、先行車両の端部であった場合でも、確実に入力画像上の先行車両推定点を求めることができるので先行車両検出精度を向上させることができる。
【0045】
さらに、テンプレート枠が、自車走行レーン内か否かを判定し、自車走行レーン内であれば、そのテンプレート枠で囲まれたテンプレート画像をメモリに記憶することにより、自車走行レーンを走行中の先行車両のみのテンプレート画像をメモリに記憶することができるので自動速度制御装置等に本発明を応用する際の利便性が向上する。
また、テンプレート枠が自車走行レーン内でないときには、テンプレート画像をメモリに記憶しないので、その分処理時間が短縮でき、距離測定装置による測定間隔を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成を示す図である。
【図2】テンプレート枠およびテンプレート画像の説明図である。
【図3】テンプレート枠およびテンプレート画像の説明図である。
【図4】第1の実施例における動作の流れを示すフローチャートである。
【図5】測定点算出方法の説明図である。
【図6】先行車両推定点までの実空間での距離算出方法の説明図である。
【図7】本発明の第2の実施例の構成を示す図である。
【図8】第2の実施例における動作の流れを示すフローチャートである。
【図9】第2の実施例における動作の流れを示すフローチャートである。
【図10】分割テンプレート画像の説明図である。
【図11】自車走行レーン判定のための直線領域の説明図である。
【符号の説明】
1 画像入力装置
2 レーザレーダ
3、10 処理制御部
4 測定点算出部
5 テンプレート画像記憶部
6 相関算出部
7 車間距離算出部
8 車両速度制御部
9、11 メモリ
21、25 入力画像
22 先行車両点
23、26、35 テンプレート枠
24、28、31 テンプレート画像
27、34 先行車両推定点
29 撮像面
30 レンズ
32a、32b、32c、32d テンプレート分割画像
33a、33b、33c、33d 分割最大相関領域
36 直線領域
Claims (3)
- 自車両から前方走路上の物体までの距離を測定する距離測定装置を有する先行車両検出装置において、
前記距離測定装置の測定範囲を含む前方走路を撮像する画像入力装置と、
前記距離測定装置の測定結果に基づいて、画像入力装置の入力画像上の測定点を算出し、該測定点を中心に所定の大きさの第1のテンプレート枠を設ける測定点算出部と、
前記第1のテンプレート枠に囲まれたテンプレート画像をメモリに記憶する第1のテンプレート画像記憶手段と、
前記距離測定装置の測定結果に基づいて先行車両位置を算出する第1の先行車両位置算出手段と、
前記メモリに記憶されているテンプレート画像と、前記画像入力装置の入力画像の相関値を算出し、前記入力画像上で、テンプレート画像との相関値が最も大きくなる最大相関領域を求め、該最大相関領域の周囲に第2のテンプレート枠を設け、該第2のテンプレート枠の中心に先行車両推定点を設定する相関算出部と、
前記第2のテンプレート枠に囲まれたテンプレート画像を前記メモリに記憶する第2のテンプレート画像記憶手段と、
前記先行車両推定点に基づいて先行車両位置を算出する第2の先行車両位置算出手段と、
前記距離測定装置が、所定距離内に存在する物体までの距離を測定しているか否かを判定し、所定距離内の測定値が存在したときは該測定結果に基づく前記第1の先行車両位置算出手段による検出処理を選択し、所定距離内の測定値が存在しないときは前記相関算出部が設定する先行車両推定点に基づく前記第2の先行車両位置算出手段による検出処理を選択する処理切替手段とを有することを特徴とする先行車両検出装置。 - 自車両から前方走路上の物体までの距離を測定する距離測定装置を有する先行車両検出装置において、
前記距離測定装置の測定範囲を含む前方走路を撮像する画像入力装置と、
前記距離測定装置の測定結果に基づいて、画像入力装置の入力画像上の測定点を算出し、該測定点を中心に所定の大きさの第1のテンプレート枠を設ける測定範囲算出部と、
前記第1のテンプレート枠に囲まれたテンプレート画像をメモリに記憶する第1のテンプレート画像記憶手段と、
前記距離測定装置の測定結果に基づいて先行車両位置を算出する第1の先行車両位置算出手段と、
前記メモリに記憶されているテンプレート画像を複数枚のテンプレート分割画像に分割し、各テンプレート分割画像毎に前記画像入力装置の入力画像との相関値を算出し、前記入力画像上で、各テンプレート分割画像との相関値が最も大きくなる分割最大相関領域を求め、各分割最大相関領域の相対位置関係から先行車両推定点を設定し、該先行車両推定点を中心に所定の大きさの第2のテンプレート枠を設定する相関算出部と、
前記第2のテンプレート枠に囲まれたテンプレート画像を前記メモリに記憶する第2のテンプレート画像記憶手段と、
前記先行車両推定点に基づいて先行車両位置を算出する第2の先行車両位置算出手段と、
前記距離測定装置が、所定距離内に存在する物体までの距離を測定しているか否かを判定し、所定距離内の測定値が存在したときは該測定結果に基づく前記第1の先行車両位置算出手段による検出処理を選択し、所定距離内の測定値が存在しないときは前記相関算出部が設定する先行車両推定点に基づく前記第2の先行車両位置算出手段による検出処理を選択する処理切替手段とを有することを特徴とする先行車両検出装置。 - 所定距離内の測定値が存在したときは、前記第1のテンプレート枠が、自車走行レーン内か否かを判定し、所定距離内の測定値が存在しないときには、前記第2のテンプレート枠が、自車走行レーン内か否かを判定するレーン内判定手段を有し、
前記第1のテンプレート画像記憶手段は、前記第1のテンプレート枠が自車走行レーン内であれば、前記第1のテンプレート枠に囲まれたテンプレート画像を前記メモリに記憶し、
また前記第2のテンプレート画像記憶手段は、前記第2のテンプレート枠が自車走行レーン内であれば、前記第2のテンプレート枠に囲まれたテンプレート画像を前記メモリに記憶することを特徴とする請求項1または2記載の先行車両検出装置。
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