JPH0825354A - 繊維強化熱可塑性樹脂材料及びその製造方法 - Google Patents

繊維強化熱可塑性樹脂材料及びその製造方法

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JPH0825354A
JPH0825354A JP16187694A JP16187694A JPH0825354A JP H0825354 A JPH0825354 A JP H0825354A JP 16187694 A JP16187694 A JP 16187694A JP 16187694 A JP16187694 A JP 16187694A JP H0825354 A JPH0825354 A JP H0825354A
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JP
Japan
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thermoplastic resin
fibers
long
fiber
molding
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JP16187694A
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Takeshi Kimura
剛 木村
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Aisin Chemical Co Ltd
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Aisin Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小形の樹脂成形品の成形に適し、比較的長い
短繊維を含有すると共に繊維のけば立ち等がなく、小型
成形機を使用した場合でも安定した連続成形ができるよ
うにする。 【構成】 ペレット状に切断された強化用長繊維のロー
ビングと熱可塑性樹脂との複合体からなる長繊維強化複
合材料と、その熱可塑性樹脂と同種の熱可塑性樹脂材料
とをドライブレンドし(ドライブレンド工程A)、この
混合物を押出機で溶融、混練して押出成形し(押出成形
工程B)、押出された溶融材料を冷却し、ペレット状に
切断する(冷却・切断工程C)。長繊維は押出成形時に
短繊維化されると共に、熱可塑性樹脂中に均一に分散さ
れるため、けば立ち等を生じない。長繊維強化複合材料
を用いるため繊維の分散のための混練は少なくてもよ
く、チョップドストランドを用いる場合よりも含有する
繊維の長さを長くできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は樹脂成形品の成形に使用
する繊維強化熱可塑性樹脂材料及びその製造方法に関す
るものであり、特に、精密部品等の小形の樹脂成形物の
成形に使用するのに適した繊維強化熱可塑性樹脂材料及
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、樹脂成形品の機械的強度、剛
性、耐熱性、寸法安定性等を向上するために、ガラス繊
維等の強化用繊維によって強化することが行われてい
る。そして、そのような繊維強化樹脂成形品を射出成形
等によって成形する場合には、予め樹脂材料中に強化用
繊維を混合したペレット状の熱可塑性樹脂材料が使用さ
れている。
【0003】このような強化用繊維を含有する繊維強化
熱可塑性樹脂材料は種々の方法によって製造されている
が、最も一般的な方法は、ガラス繊維等の強化用繊維の
チョップドストランドを熱可塑性樹脂材料と所定比率で
混合して押出機に供給し、溶融、混練して押出成形し、
冷却後ペレット状に切断する方法である。
【0004】しかしながら、この方法によると、繊維の
チョップドストランドは押出機での混練押出時の剪断に
より破断して細かくなり、この細かくなった強化繊維は
樹脂成形品の成形時に更に破断されるために、この方法
によって得られた繊維強化熱可塑性樹脂材料を使用する
と、成形後の樹脂成形品に所望の強度や剛性が十分に得
られない場合がある。また、繊維のチョップドストラン
ドは、熱可塑性樹脂との混合比率を一定に維持するため
に計量しながらホッパに連続的に供給する必要があり、
このために、特別な装置、設備が必要である。
【0005】そこで、このような短繊維を用いた方法に
対して、連続する強化用長繊維のロービングを使用した
方法が知られている(例えば、特公昭52−10140
号公報)。即ち、この方法は、押出機から押出された溶
融した熱可塑性樹脂が充填されているダイスの内部に、
連続した長繊維のロービングを導入し、熱可塑性樹脂を
含浸させた後、熱可塑性樹脂と共にダイスの外部に引出
して冷却し、所定長さに切断してペレット化するもので
ある。
【0006】この方法によれば、ペレットは強化用長繊
維のロービングと熱可塑性樹脂との複合体として形成さ
れ、その繊維の長さはペレットの長さに対応する。した
がって、このペレット状に切断された強化用繊維のロー
ビングと熱可塑性樹脂との複合体からなる長繊維強化複
合材料は、長い繊維を含有するものであるため、成形後
の樹脂成形品に十分な強度、剛性等を与えることができ
る。なお、このペレットは比較的長く、一般に5〜10
mmの長さに形成される。また、繊維は、押出後の切断
のし易さ、不良品の発生率等の生産性の点から、一般に
材料全体の30〜38重量%程度の含有割合とされる。
そのため、この長繊維強化複合材料を成形材料として樹
脂成形品を成形する場合には、繊維の含有割合が減少す
るように、繊維を含有しない熱可塑性樹脂材料と混合し
て使用される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この長繊維強化複合材
料によれば、繊維の長さが長いため、これを用いて樹脂
成形品を成形すると、その成形時に繊維の破断は多少生
じるものの、長い繊維で強化された強度、剛性等の高い
樹脂成形品を得ることができる。
【0008】しかしながら、この長繊維強化複合材料を
成形材料として、例えば、5mm程度の小形の精密部品
を成形する場合、小型の成形機を使用するために、それ
のホッパの下部において材料のブリッジが生じ易いとい
う不具合があった。このようなブリッジは、長繊維強化
複合材料の長繊維のロービングが熱可塑性樹脂によって
必ずしも完全に固められまたは被覆されずに、表面に露
出している場合もあるために、その露出した繊維がけば
立ち或いはささくれ等を生じ、またその繊維が剥れ落ち
ることによって生じるものである。そのため、良質の成
形品を成形するためには、例えば、30分に1回の割合
でホッパ内を清掃することが必要で、安定した連続成形
ができなかった。
【0009】また、そのような小形の精密部品の場合、
その長繊維強化複合材料の繊維の長さが長すぎるため、
成形品の特に微細な部分では繊維が均一に分散されない
傾向もしばしば見出された。そのため、上述のチョップ
ドストランドを用いた短繊維強化材料を使用することも
検討されたが、前述のように、この材料は繊維の長さが
短いものであり、しかも、その製造のためには特別な装
置、設備が必要であった。
【0010】そこで、本発明は、特に小形の樹脂成形品
を成形する場合、繊維のけば立ちまたは剥れ落ち等がな
く、それによって小型の成形機を用いた場合でも安定し
た連続成形が可能であり、また、その樹脂成形品の微細
な部分にも繊維が均一に分散することができ、しかも、
含有する繊維の長さが比較的長い繊維強化熱可塑性樹脂
材料及びその製造方法の提供を課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかる繊維強
化熱可塑性樹脂材料は、ペレット状に切断された強化用
長繊維のロービングと熱可塑性樹脂との複合体からなる
長繊維強化複合材料と、その熱可塑性樹脂と同種の熱可
塑性樹脂材料とをドライブレンドした混合物を溶融、混
練して押出成形し、冷却後ペレット状に切断してなるも
のである。
【0012】請求項2にかかる繊維強化熱可塑性樹脂材
料の製造方法は、ペレット状に切断された強化用長繊維
のロービングと熱可塑性樹脂との複合体からなる長繊維
強化複合材料と、その熱可塑性樹脂と同種の熱可塑性樹
脂材料とをドライブレンドするドライブレンド工程と、
ドライブレンドされた混合物を溶融、混練して押出成形
する押出成形工程と、押出成形された溶融材料を冷却
し、ペレット状に切断する冷却・切断工程とを具備する
ものである。
【0013】
【作用】請求項1においては、ペレット状に切断された
強化用長繊維のロービングと熱可塑性樹脂との複合体か
らなる長繊維強化複合材料を、その熱可塑性樹脂と同種
の熱可塑性樹脂材料とドライブレンドした後、溶融、混
練して押出成形しているので、長繊維強化複合材料の長
繊維のロービングは、その押出成形時に解離して溶融し
た熱可塑性樹脂中に均一に分散される。そのため、押出
成形後冷却し、ペレット状に切断して形成された熱可塑
性樹脂材料において、繊維はその熱可塑性樹脂材料中に
均一に分散され、保持されるので、その繊維がけば立ち
等を生じることはなく、また、剥れるようなこともな
い。したがって、小型の成形機を用いた場合でも、ホッ
パ内でブリッジを生じる等のことはなく、安定した連続
成形が可能となる。また、長繊維強化複合材料の長繊維
は、押出成形時の混練等によって剪断されるため、短繊
維化される。そのため、短繊維であるので、樹脂成形品
の微細な部分にも均一に分散することができる。更に、
強化用繊維は長繊維強化複合材料として予め熱可塑性樹
脂と複合化されているために、繊維は押出成形時に熱可
塑性樹脂中に容易に分散する。そのため、その分散のた
めの混練等は少なくてもよいので、繊維の長さを比較的
長く維持することができる。
【0014】請求項2においては、長繊維強化複合材料
をドライブレンド工程において熱可塑性樹脂とドライブ
レンドした後、押出成形工程において溶融、混練して押
出成形しているので、請求項1と同様に、これに続く冷
却・切断工程によって製造された熱可塑性樹脂材料にお
いて、繊維はその熱可塑性樹脂材料中に均一に分散さ
れ、保持されるので、その繊維がけば立ち等を生じるこ
とはなく、また、剥れるようなこともない。したがっ
て、小型の成形機を用いた場合でも、ホッパ内でブリッ
ジを生じる等のことはなく、安定した連続成形が可能と
なる。また、請求項1と同様に、長繊維強化複合材料の
長繊維は押出成形工程において短繊維化されるので、樹
脂成形品の微細な部分にも均一に分散することができ
る。更に、請求項1と同様に、繊維の長さを比較的長く
維持することができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0016】図1は本発明の一実施例の繊維強化熱可塑
性樹脂材料の製造工程を示す説明図である。
【0017】図1のように、本実施例の繊維強化熱可塑
性樹脂材料は、ペレット状の長繊維強化複合材料と熱可
塑性樹脂材料とをドライブレンドするドライブレンド工
程Aと、ドライブレンドされた混合物を押出機で溶融、
混練し、押出成形する押出成形工程Bと、押出された溶
融材料を冷却し、ペレット状に切断する冷却・切断(造
粒)工程Cとを含む工程で製造される。
【0018】ここで、長繊維強化複合材料は、強化用繊
維としてチョップドストランドのような短繊維ではな
く、連続した長繊維を多数本軽く撚り合わせたロービン
グを用い、このロービングを、押出機から押出された溶
融した熱可塑性樹脂が充填されているダイスの内部に連
続的に導入し、熱可塑性樹脂を含浸させた後、熱可塑性
樹脂と共にダイスの外部に引出して冷却し、所定長さに
切断してペレット化したものである。したがって、この
長繊維強化複合材料は、ペレット状に切断された強化用
長繊維のロービングと熱可塑性樹脂との複合体からな
り、ペレットの長さに対応する長い繊維を含有するもの
である。
【0019】この長繊維強化複合材料は、そのロービン
グからなる繊維の含有率が30〜38重量%程度になる
ように一般に製造される。このような繊維の含有率は限
定的なものではないが、その範囲が切断時のカット性等
の生産性上最も好ましく、また、不良率の発生も少な
く、製造コスト上好ましいためである。また、これのペ
レットの長さは、繊維の長さを十分なものとするために
比較的長くされ、一般に5〜10mm程度とされる。
【0020】なお、長繊維強化複合材料の長繊維として
は、この種の強化用繊維として知られている任意のもの
を使用でき、例えば、ガラス繊維等の無機繊維、アラミ
ド繊維等の弾性率の高い有機繊維等が特に好適に用いら
れる。また、熱可塑性樹脂としては、6・6ナイロン、
6ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリプロピレン(P
P)、ポリアセタール樹脂、AS(アクリロニトリル−
スチレン)樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリカーバメ
イト樹脂等が挙げられ、これらの任意のものを使用する
ことができる。
【0021】〈ドライブレンド工程〉そして、本実施例
の繊維強化熱可塑性樹脂材料の製造に際しては、先ずド
ライブレンド工程Aにおいて、上述の長繊維強化複合材
料を繊維を含有しない通常の熱可塑性樹脂材料とドライ
ブレンドして、繊維の含有割合が所望の値になるように
調整する。一般の繊維強化樹脂成形品の場合、繊維の含
有割合は5〜35重量%程度とされるが、その値は任意
に定めることができる。
【0022】なお、この繊維の含有割合の調整に使用す
る熱可塑性樹脂材料は、ペレットの形態のものであって
も、粉体等の形態のものであってもよいが、長繊維強化
複合材料の熱可塑性樹脂と同種のものであることが好ま
しい。即ち、長繊維強化複合材料の熱可塑性樹脂がナイ
ロンである場合にはナイロンを、また同様にポリアセタ
ール樹脂である場合にはポリアセタール樹脂を、それぞ
れ使用する。このよううに同種の熱可塑性樹脂を使用す
ることによって、繊維の均一な分散性を確保することが
できる。なお、樹脂としては複数の樹脂のブレンド物が
用いられる場合もあるが、そのような場合には、長繊維
強化複合材料と共にドライブレンド工程Aで使用する熱
可塑性樹脂として、同種のブレンド物を使用する。
【0023】〈押出成形工程〉ドライブレンド工程Aで
混合した長繊維強化複合材料と熱可塑性樹脂材料とを、
次いで押出成形工程Bにおいて、押出機を使用して押出
成形する。この押出成形の間に、ホッパから投入された
長繊維強化複合材料と熱可塑性樹脂材料との混合物は溶
融し混練されて、繊維が熱可塑性樹脂中に均一に分散さ
れる。押出機としては単軸型、或いは2軸型等の任意の
形式の押出機を使用することができる。ただし、繊維が
予め熱可塑性樹脂と複合化されているために、混練部が
比較的簡易な押出機を使用することができる。
【0024】そして、この押出成形工程Bにおいて、押
出機の先端には、通常一般に行われているように、多孔
ダイスを備えることができる。これによって、繊維が分
散する溶融した熱可塑性樹脂材料を、その多孔ダイスか
ら多数本の棒状体として同時に、連続的に押出すことが
できる。
【0025】〈冷却・切断工程〉押出成形工程Bに続い
て、押出された繊維が分散する溶融した熱可塑性樹脂材
料を冷却し、ペレット状に切断する。この冷却・切断工
程Cは一般の熱可塑性樹脂材料等の造粒の場合と同様で
あり、例えば、水を押出された溶融材料に噴霧して冷却
し、ペレタイザを使用してペレット状に切断することが
できる。なお、この場合のペレット状に切断する長さ
は、材料の取扱を容易にするために、長繊維強化複合材
料の場合よりも短くすることが好ましい。そして、その
ペレット長さは、一般の成形材料の場合と同様の1〜5
mm程度が好ましく、2〜4mm程度がより好ましい。
【0026】このようにして、繊維が均一に分散したペ
レット状の繊維強化熱可塑性樹脂材料が得られる。ま
た、この材料中に含まれる繊維は、押出成形工程Bにお
ける混練、押出時に剪断作用を受けることによって短繊
維化され、長繊維強化複合材料の繊維長さよりも短くな
っている。しかし、その短繊維化された繊維の長さは、
長繊維強化複合材料をチョップドストランドに代えて同
様に繊維強化熱可塑性樹脂材料を製造した場合よりも、
長いものである。
【0027】これについて、具体的な製造例を挙げて説
明する。
【0028】〔繊維強化熱可塑性樹脂材料の製造例〕ド
ライブレンド工程Aにおいて、アラミド繊維35重量%
及び6・6ナイロン65重量%からなり、ペレット長さ
(繊維長さ)が6〜7mmの汎用の長繊維強化複合材料
を用い、これを57重量部と、6・6ナイロンからなる
熱可塑性樹脂材料43重量部とをドライブレンドした。
なお、この混合割合は、アラミド繊維の含有割合を20
重量%に調整するものである。そして、この混合物を押
出成形工程Bにおいて2軸押出機にて押出成形し、続い
て冷却・切断工程Cにおいて水を散布して冷却、固化
し、ペレタイザにより2〜3mmの長さに切断した。こ
れを乾燥して、2〜3mmの長さ(径3〜4mm)のペ
レットからなる繊維強化熱可塑性樹脂材料を得た。
【0029】この得られた繊維強化熱可塑性樹脂材料中
の繊維長さは、平均で約1.2mmであった。
【0030】これに対して、長さ6〜7mmのアラミド
繊維のチョップドストランド20重量部と6・6ナイロ
ンからなる熱可塑性樹脂材料80重量部とを予めドライ
ブレンドし、これを押出機のホッパに投入して押出成形
し、冷却後ペレット状に切断することによって、同様の
短繊維強化熱可塑性樹脂材料を製造した。この場合は、
短繊維の熱可塑性樹脂中での分散を十分なものとするた
めに、ドライブレンド時のミキシングと押出成形時の混
練とを十分に行う必要があったため、得られた材料中の
繊維の長さは平均で約0.7mmであった。またそのた
めに、繊維の長さの分布は広いものであった。
【0031】このように、長繊維強化複合材料を用いる
ことによって、短繊維化されてはいるが比較的長い長さ
の繊維を含有する熱可塑性樹脂材料が得られことが分か
る。しかも、通常の押出機を使用すればよいので、現有
の長繊維強化複合材料を用いることによって、容易に製
造することができる。
【0032】そして、本実施例の繊維強化熱可塑性樹脂
材料は、特に精密部品等の小形の樹脂成形品を成形する
場合の成形材料として優れた効果を有する。これについ
て、例を挙げて説明する。
【0033】〔樹脂成形品の成形例〕上述の製造例で製
造した繊維強化熱可塑性樹脂材料を用いて、プリンタの
ドット部の部品を射出成形によって成形した。この部品
は、5mm程度の部品であり、300μmの径の孔が2
00μmの間隔を置いて多数設けられたものである。な
お、射出成形機としては、ホッパ下部の径が15mmで
ある小型の成形機を用いた。
【0034】そして、射出成形を行ったところ、ホッパ
内に繊維が付着することはなく、安定した連続成形が可
能であった。また、得られたプリンタのドット部品は、
特に耐摩耗性に優れると共に、製品間での摩耗量のバラ
ツキがないものであった。
【0035】これに対して、上述の製造例のドライブレ
ンド工程Aの混合物を、直接射出成形機のホッパに供給
して成形を行った場合には、ドライブレンド時に一部の
長繊維強化複合材料のロービングがけば立ち或いはささ
くれを生じ、そしてそれから剥がれた長繊維がホッパ内
に付着した。そのために、成形材料がホッパ下部でブリ
ッジを生じて詰まることがないように、30分に1回の
割合で、ホッパ内を清掃する必要があった。また、成形
したプリンタのドット部品には、ホッパでの成形材料の
流通性の悪さも関係すると考えられるが、しばしば摩耗
量のバラツキが生じた。
【0036】このように、本実施例の繊維強化熱可塑性
樹脂材料は、ペレット状に切断された強化用長繊維のロ
ービングと熱可塑性樹脂との複合体からなる長繊維強化
複合材料と、その熱可塑性樹脂と同種の熱可塑性樹脂材
料とをドライブレンドし(ドライブレンド工程A)、こ
の混合物を押出機で溶融、混練して押出成形し(押出成
形工程B)、押出された溶融材料を冷却し、ペレット状
に切断した(冷却・切断工程C)ものである。
【0037】したがって、この繊維強化熱可塑性樹脂材
料は、特に精密部品等の小形の樹脂成形品の成形に適し
たものであり、長繊維強化複合材料の長繊維のロービン
グが押出成形時に熱可塑性樹脂中に均一に分散されるた
め、繊維のけば立ち或いはささくれ等が生じることはな
く、また繊維が剥れ落ちるようなこともないので、小型
の成形機を使用した場合であっても、ホッパ内でブリッ
ジを生じたり、詰まることはなく、安定した連続成形を
行うことができる。また、その長繊維は押出成形時の剪
断作用によって短繊維化されているため、成形品の微細
な部分にも均一に分散されることができる。しかも、そ
の短繊維の長さは比較的長いので、樹脂成形品の強度等
を十分に維持することができる。
【0038】なお、この繊維強化熱可塑性樹脂材料は、
小形の樹脂成形品だけでなく、必要に応じて、大形の樹
脂成形品等の成形にも使用することができる。
【0039】
【発明の効果】以上のように、請求項1にかかる繊維強
化熱可塑性樹脂材料は、ペレット状に切断された強化用
長繊維のロービングと熱可塑性樹脂との複合体からなる
長繊維強化複合材料と、その熱可塑性樹脂と同種の熱可
塑性樹脂材料とをドライブレンドした混合物を溶融、混
練して押出成形し、冷却後ペレット状に切断してなるも
のである。
【0040】したがって、特に小形の精密部品等の樹脂
成形品を成形する場合において、繊維は熱可塑性樹脂材
料中に均一に分散されまた保持されているので、繊維の
けば立ち、剥れ落ち等がなく、そのため、小型の成形機
を用いた場合でも安定した連続成形を行うことができ
る。また、長繊維強化複合材料の長繊維は押出成形時の
剪断作用によって短繊維化されるため、樹脂成形品の微
細な部分にも繊維が均一に分散され、強度、剛性等のバ
ラツキの発生を防止することができる。更に、繊維を熱
可塑性樹脂と予め複合化した長繊維強化複合材料を使用
するので、押出成形時の混練が少なくても、繊維を熱可
塑性樹脂中に容易に均一に分散させることができる。そ
のため、チョップドストランドからなる繊維を直接用い
た場合よりも長い繊維長さを維持することができ、それ
によって、成形される樹脂成形品の強度、剛性等を高く
維持することができる。
【0041】また、請求項2にかかる繊維強化熱可塑性
樹脂材料の製造方法は、ペレット状に切断された強化用
長繊維のロービングと熱可塑性樹脂との複合体からなる
長繊維強化複合材料と、その熱可塑性樹脂と同種の熱可
塑性樹脂材料とをドライブレンドするドライブレンド工
程と、ドライブレンドされた混合物を溶融、混練して押
出成形する押出成形工程と、押出成形された溶融材料を
冷却し、ペレット状に切断する冷却・切断工程とを具備
するものである。
【0042】したがって、長繊維強化複合材料をドライ
ブレンド工程において熱可塑性樹脂材料とドライブレン
ドした後、押出成形工程において溶融、混練して押出成
形しているので、請求項1と同様に、繊維が熱可塑性樹
脂中に均一に分散され、繊維のけば立ち、剥れ落ち等が
なく、それによって小型の成形機を用いた場合でも安定
した連続成形を行うことができ、また、繊維が短繊維化
され、それによって樹脂成形品の微細な部分にも繊維が
均一に分散されることができ、しかも、含有する繊維の
長さが比較的長い繊維強化熱可塑性樹脂材料を得ること
ができる。そして、押出成形工程には通常の押出機を使
用すればよいため、汎用の長繊維強化複合材料を用いる
ことによって、そのような効果を有する繊維強化熱可塑
性樹脂材料を簡単に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施例の繊維強化熱可塑性樹脂
材料の製造工程を示す説明図である。
【符号の説明】
A ドライブレンド工程 B 押出成形工程 C 冷却・切断(造粒)工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペレット状に切断された強化用長繊維の
    ロービングと熱可塑性樹脂との複合体からなる長繊維強
    化複合材料と、前記熱可塑性樹脂と同種の熱可塑性樹脂
    材料とをドライブレンドした混合物を溶融、混練して押
    出成形し、冷却後ペレット状に切断してなることを特徴
    とする繊維強化熱可塑性樹脂材料。
  2. 【請求項2】 ペレット状に切断された強化用長繊維の
    ロービングと熱可塑性樹脂との複合体からなる長繊維強
    化複合材料と、前記熱可塑性樹脂と同種の熱可塑性樹脂
    材料とをドライブレンドするドライブレンド工程と、 前記ドライブレンドされた混合物を溶融、混練して押出
    成形する押出成形工程と、 前記押出成形された溶融材料を冷却し、ペレット状に切
    断する冷却・切断工程とを具備することを特徴とする繊
    維強化熱可塑性樹脂材料の製造方法。
JP16187694A 1994-07-14 1994-07-14 繊維強化熱可塑性樹脂材料及びその製造方法 Pending JPH0825354A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115157711A (zh) * 2022-07-11 2022-10-11 台州市黄岩大成模具有限公司 一种长纤维热塑成型工艺

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115157711A (zh) * 2022-07-11 2022-10-11 台州市黄岩大成模具有限公司 一种长纤维热塑成型工艺

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