JPH08253430A - Ldlレセプター媒介薬物輸送方法 - Google Patents

Ldlレセプター媒介薬物輸送方法

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JPH08253430A
JPH08253430A JP7059574A JP5957495A JPH08253430A JP H08253430 A JPH08253430 A JP H08253430A JP 7059574 A JP7059574 A JP 7059574A JP 5957495 A JP5957495 A JP 5957495A JP H08253430 A JPH08253430 A JP H08253430A
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JP
Japan
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drug
ldl
carrier
receptor
medicine
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JP7059574A
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Hirofumi Yura
洋文 由良
Mitsuaki Goto
光昭 後藤
Toshihiro Akaike
敏宏 赤池
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Kanagawa Academy of Science and Technology
Original Assignee
Kanagawa Academy of Science and Technology
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 LDLレセプターを介して選択的に細胞に取
り込まれ、安定かつ効率的に供給できる担体を用いた薬
物輸送方法を提供する。 【構成】 LDLレセプター選択的薬物輸送担体に薬物
を担持させて薬剤とし、この薬剤をLDLレセプターを
有する細胞に適用し、LDLレセプターを介して選択的
に取り込ませることにより、薬物を輸送するLDLレセ
プター媒介薬物輸送方法であって、その担体は、薬物を
化学結合、疎水性相互作用、または硫酸結合部位を介し
て担持させたLDL、あるいは末端グルコース構造を有
する側鎖を持つアミノ基含有高分子からなる。 【効果】 天然物または合成物からなり、容易に採取ま
たは合成できる担体を用いるので、安定かつ効率的に薬
物輸送できる。LDLレセプターを有する肝実質細胞、
増殖細胞、または癌細胞などに選択的に薬物輸送するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、LDLレセプターとの
特異的相互作用に基づき肝実質細胞や癌細胞等に選択的
に取り込まれるLDL及びそのモデル化合物を利用した
薬物輸送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】生体内には、酵素反応、抗原−抗体反応
等の様々な特異的反応が存在し精致な生体系を構成して
いるが、今日それらの生体反応をモデルとするバイオミ
メティックなシステムの研究が種々の分野で盛んに行わ
れている。例えば、細胞や組織による特異的な分子認識
性を利用して、その細胞や組織に選択的に薬物を輸送す
るドラッグ・デリバリー・システム(DDS)等がその
一例である。
【0003】血漿中リポタンパク質の一つである低密度
リポタンパク質(LDL)は、血中コレステロールの主
要運搬体として知られ、肝細胞や増殖細胞等の表面に存
在するLDLレセプターに選択的に結合して細胞内に取
り込まれる。
【0004】増殖できる哺乳類の細胞、例えば、白血
球、上皮細胞、内皮細胞等はLDLレセプターを備えて
おり、このLDLレセプターを介してコレステロールを
担持したLDLが選択的に細胞内に取り込まれ、そのコ
レステロールを原料として細胞膜を合成して増殖する。
しかし、赤血球のような非増殖細胞には、活性なLDL
レセプターが存在しないことが知られている。また、肝
実質細胞のようにLDL等のリポタンパク質自身を代謝
する細胞、あるいは悪性の脱分化状態にある癌細胞等に
は概して高いLDLレセプター活性が存在し、活発にL
DLを取り込んでいる。
【0005】従って、このようなLDLに選択的に取り
込まれる物質に薬物を担持させることにより、その薬剤
をLDLレセプターを介して細胞内に取り込ませ、増殖
細胞、肝実質細胞、あるいは癌細胞等の目的とする細胞
に選択的に作用させるDDSを構成することが期待され
ていた。
【0006】しかしながら従来は、LDLをヒトから採
取する場合が多く、健常なヒトではLDL濃度が低いた
め効率的にLDLを採取することは困難であり、その効
率を上げるためには、高脂血症等の病人から採取しなけ
ればならず不適当であった。また、ネズミのような小動
物からでは採取量が限られており、やはり安定的にLD
Lを入手することは困難であった。よって、薬物輸送担
体としてのLDLを安定かつ高効率で供給する方策が求
められていた。
【0007】本発明者らは、上記事情に鑑み、LDLレ
セプターに選択的に取り込まれる物質を、天然物質及び
合成物質の両面から鋭意検討した結果、例えば高脂血症
ウサギの血液からLDLが効率よく得られること、並び
に末端マルトースの側鎖を有するアミノ基含有高分子が
LDLレセプターに選択的に取り込まれること、さらに
はLDLとLDLレセプターとの相互作用における電荷
の影響等の新たな知見を得て本発明をなすに至った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明におけ
る課題は、入手が容易で安定かつ効率的に供給できる薬
物輸送担体を用いたLDLレセプター媒介薬物輸送方法
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる課題は、LDLレ
セプター選択的薬物輸送担体に薬物を担持させて薬剤と
し、この薬剤をLDLレセプターを有する細胞に適用
し、該薬剤を前記細胞のLDLレセプターを介して選択
的に取り込ませることにより、前記薬物を該細胞に選択
的に輸送することを特徴とするLDLレセプター媒介薬
物輸送方法であって、前記担体がLDLであり、前記薬
剤が該LDLに薬物を化学結合を介して担持させてなる
か、前記薬剤が該LDLの疎水性コアに前記薬物を疎水
性相互作用を介して担持させてなるか、または前記薬剤
が該LDLの硫酸結合部位を介して前記薬物を担持させ
てなる薬物輸送方法、もしくは、前記担体が、末端グル
コース構造を有する側鎖を持つアミノ基含有高分子から
なる薬物輸送方法によって解決できる。以下に本発明の
薬物輸送方法について詳細に説明する。
【0010】本発明の薬物輸送方法を実施するのに好適
な薬物輸送担体(以下、担体と略記する)の第1の態様
はLDLからなる。このLDLは、ウサギ、イヌ、ネ
コ、ウシ、ウマ、ヤギ、サル等の哺乳類の血漿から採取
するのが好ましいが、中でも、飼育の容易さや取扱い易
さの点等からウサギを用いるのが好ましく、特に高脂血
症ウサギの血漿から採取したLDLとするのが好まし
い。このLDLは、例えば以下のようにして容易に得る
ことができる。
【0011】ウサギを、1〜10重量%、好ましくは5
重量%程度のコレステロールを含む食餌で1カ月以上、
好ましくは3カ月間程度飼育して血漿中のリポタンパク
質濃度を増加させ、好ましくは高脂血症とする。ここで
いう高脂血症とは、高脂質血症を意味し、例えばWHO
分類によるIIa型やIIb型高脂質血症のようにLD
Lのみが増加している症状の高脂血症でもよいが、それ
に限られるものではい。
【0012】次いで、その高脂血症のウサギの末梢血液
から、高濃度のリポタンパク質を含む血漿を採取する。
採取した血漿から、従来の方法に従ってLDLを分離、
精製すればよい。例えば、超遠心分離を用いるHatc
hとReesの方法(Hatch,F.J. and Lees, R.S., Ad
v. Lipid. Res. 6, 1-68 (1968))等が好適に用いられ
る。
【0013】本発明の方法にあっては、上述のようにし
て得たLDLからなる担体に、薬物を担持させる。薬物
を担持させる第1の方法においては、LDLに薬物を化
学結合を介して担持させる。この第1の方法によって担
持させる薬物は、活性な官能基、例えば、イソシアネー
ト基、イソチオシアネート基、オキシラン基、またはア
ルデヒド基等の少なくとも一種を有している薬剤とす
る。このような薬剤を、その活性な官能基とLDLとを
化学結合、好ましくは共有結合させることにより担持さ
せる。
【0014】例えば、蛍光物質であるフルオレセインイ
ソチオシアネート(FITC)を担持させる場合、上述
のLDL水溶液に、FITCを加えて約4℃で4時間程
度撹拌すればよい。そのような処理をすることにより、
LDLとFITCとが反応して共有結合を形成しFIT
CがLDLに担持される。
【0015】本発明者らは、LDLにFITC等の薬物
を化学結合させて調整した薬剤が、LDLが元来有して
いる特有の沈降特性、及びLDLレセプター選択性を維
持していることを明らかにした。
【0016】このようにしてLDLにFITCを担持さ
せた薬剤は、LDLレセプターに選択的に結合するの
で、例えば、LDLレセプターを有する細胞の良好な蛍
光標識剤として作用する。また、LDLに化学結合を介
して担持させる薬物としては、上記のFITCに限られ
るものではなく、LDLと結合可能な官能基を有する薬
物ならばいかなるものでもよい。
【0017】本発明の方法において、LDLに薬物を担
持させる第2の方法は、疎水性相互作用を介して担持さ
せるものである。LDL分子は、周囲を極性のシェルに
囲まれた疎水性の中性脂質コアを有するので、そのコア
の疎水性により、疎水性の薬物を包摂することができ
る。この第2の方法で担持される薬物としては、疎水性
のものならばいかなるのもでもよく、例えば、活性なL
DLレセプターを有する肝実質細胞に選択的に薬物を輸
送することを意図して、アンスラサイクリン系抗腫瘍
薬、オリゴエン系肝疾患治療薬、ピリミジン系抗腫瘍
薬、β-ラクタム系抗生物質などの脂溶性肝疾患治療薬
を担持させるのも好適である。
【0018】また、疎水性部分と親水性部分の両方を有
する薬物であっても、その親水性部分を疎水性部分で取
り囲んだミセル様構造を形成して、見かけ上は疎水性表
面を有している薬物も良好に担持される。
【0019】本発明の方法において、LDLに薬物を担
持させる第3の方法は、硫酸結合部位を介して前記薬物
を担持させるものである。LDLは、硫酸基と結合可能
な硫酸結合部位を有することが知られている。従来は、
一般に、LDLとLDLレセプターとの相互作用は、L
DLが有する硫酸結合部位の正電荷とLDLレセプター
に存在する負電荷との静電的相互作用が関与するとされ
ていた。しかしながら本発明者らは、LDLの正電荷を
デキストラン硫酸のようなポリアニオンによってブロッ
クしても、そのブロックしたLDLは、正電荷をブロッ
クされていない天然のLDLと同等にLDLレセプター
に取り込まれることを新たに発見した。
【0020】このことは、硫酸基を有する薬物をLDL
の硫酸結合部位に担持させて硫酸結合部位がブロックさ
れたとしても、その薬物を担持したLDLは、目標とす
るLDLレセプターを持つ細胞に選択的に結合し取り込
まれることを意味している。従って、この第3の方法で
LDLに担持される薬物としては、硫酸基を有する薬物
であれば如何なるものでもよい。また、通常の形態では
硫酸基を有しない薬物であっても、その薬効を維持する
ように硫酸基を導入すれば、そのような薬物も第3の方
法でLDLに担持させることができる。
【0021】さらに、上記のLDLは、ポリアニオン化
合物を介して複合体を形成する。このLDL複合体は、
複数のLDLが、それらの硫酸結合部位によってポリア
ニオン化合物を介して結合したものである。このポリア
ニオン化合物としては、負に荷電した官能基を複数個有
する化合物、例えば、硫酸化した多糖類などが好適に使
用されるが、特にデキストラン硫酸が好ましい。LDL
とデキストラン硫酸とは、最も強固で安定な複合体を形
成する。このLDL複合体を調整するには、例えば、デ
キストラン硫酸水溶液にLDLを添加して混合すればよ
い。
【0022】本発明の方法にあっては、薬剤がこのLD
L複合体であってもよい。即ち、薬剤が、薬物を担持し
た複数個のLDLのポリアニオン化合物を介した複合体
からなるものである。本発明者らは、このような薬物を
担持したLDL複合体がLDLレセプターに選択的に結
合して取り込まれることを初めて確認した。また、本発
明の薬剤として用いる場合のLDL複合体をなすポリア
ニオン化合物は、硫酸化糖類等が好適であるが、デキス
トラン硫酸が特に好ましい。このようなLDL複合体を
本発明の薬剤として用いると、一度に取り込まれるLD
L即ち薬物の数が多く、効率的な薬物輸送が達成され
る。
【0023】本発明の薬物輸送方法を実施するのに好適
な担体の第2の態様は合成担体、即ち、末端グルコース
構造を有する側鎖を持つアミノ基含有高分子からなる。
この担体を構成するアミノ基含有高分子としては、複数
のアミノ基を側鎖とする高分子であれば特に限られない
が、特に、キトサン、ポリアリルアミン等が好ましい。
ただし、このアミノ基含有高分子のアミノ基は、主鎖に
直接結合しているのが好ましく、例えば炭化水素鎖等を
介して結合している場合は、その炭化水素鎖の運動性が
抑制されたものであるのが好ましい。
【0024】この合成担体は、上記のようなアミノ基含
有高分子のアミノ基の一部に、好ましくは炭化水素鎖を
介して末端にグルコース構造が結合されて構成されてい
る。アミノ基とグルコース構造とを結合する炭化水素鎖
としては、1,2-ジヒドロキシエチル基、tert-ブ
チル基のようなかさ高い置換基を有するものが好まし
い。これらの化合物の中でも、下記式(1)で表される
ような化合物が特に好ましい。
【0025】
【化1】
【0026】式(1)中のR1及びR2は、ビニル基等の
重合可能なモノマーを重合させたポリマー主鎖の繰り返
し単位である。即ち、アミノ基を側鎖とするモノマー
と、末端グルコース構造含有側鎖を有するモノマーとを
共重合させた構造をなしている。この式(1)の化合物
は、例えばキトサン等のアミノ基含有高分子に、マルト
ビオン酸とを付加することにより容易に合成することが
できる。
【0027】本発明者らは、このような化合物からなる
合成担体が、LDLレセプターに選択的に結合すること
を初めて明らかにした。この合成担体は、他のレセプタ
ーとの相互作用が少ないグルコース構造を有することを
特徴とし、LDLレセプター選択的である。また、この
担体に、第3成分のとして他の官能基を有するモノマー
を共重合させ、さらなる機能を付加してもよい。例え
ば、ガラクトース構造を有するモノマーを共重合させれ
ば、アシアロ糖タンパク質レセプターとの結合性を付加
できるので、目的とする細胞のLDLレセプター活性が
低下しても結合性を維持することが可能になる。
【0028】本発明の方法では、上述した合成担体に薬
物を担持させる。その方法は、例えば、合成担体が有す
る活性なアミノ基に、蛍光分子やDNA等の薬物をイオ
ン性結合で固定化してもよいし、アミノ基と共有結合さ
せてもよい。従って、この合成担体に担持させる薬物と
しては、合成担体のアミノ基と結合可能な官能基を有す
る薬物が好ましい。
【0029】以上述べたように、本発明の薬物輸送方法
では、LDLからなる第1の態様の担体、LDL複合
体、または上記合成担体からなる第2の態様の担体のい
ずれを使用してもよい。これらの担体に担持される薬物
としては、上述のように種々のものが使用可能であり、
目的に応じて適宜選択が可能であるが、担持された薬剤
がLDLレセプターに選択的に取り込まれることから、
活性なLDLレセプターに供給したい薬剤とするのが好
ましい。例えば、LDLレセプターを有する癌細胞に取
り込まれることを目標として、抗癌剤を担持させた薬剤
としてもよい。
【0030】本発明の薬物輸送方法では、上記の薬剤の
少なくともひとつを目標とするLDLレセプターを有す
る細胞に適用する。適用方法は特に限られるものではな
く、例えば、培養した細胞に適用する場合には、上述の
薬剤の水溶液を細胞培養容器に添加すればよい。また、
動物の体内の細胞に適用する場合には、上述の薬剤の水
溶液を注射すればよい。さらに、適用する細胞の所在場
所によっては、経口、経腸などの方法を用いてもよい。
【0031】そのようにして適用された薬剤は、LDL
レセプター選択性を有する担体に薬物を担持させたもの
であるため、目標とする細胞のLDLレセプターに選択
的に結合して取り込まれので、担持された薬物を目標と
する細胞に選択的に輸送するDDSが構成される。
【0032】(実施例1)通常のニホンシロウサギ(C
LEA社より供給)を、5重量%のコレステロールを含
む半合成食餌で3カ月間飼育した。その後、そのウサギ
の末梢血液から、高濃度のリポタンパク質を含む血漿を
採取した。採取した血漿から、超遠心分離を用いるHa
tchとReesの方法によりLDLを分離、精製し
た。得られたLDLを、ヘパリン-Ca2+、デキストラ
ン硫酸−リンタングステン酸、及びK-アガーによる特
異的沈降反応により評価したところ、各々の測定値のば
らつきは6%以下であった。
【0033】上記のLDLを水溶液(2.1mg/m
l、pH8.5)とし、その水溶液60mlに、蛍光物
質であるFITC25mgを添加して4℃で4時間撹拌
した。ろ過後、2回の遠心分離(5.5×103rp
m、3時間)により未反応のFITCを取り除き、FI
TCで蛍光標識したLDLを得た。
【0034】次に、このFITCで蛍光標識したLDL
とデキストラン硫酸を混合してLDL複合体とし、それ
から得られる沈降物のコレステロールの酵素発色を、F
ITC未標識のLDL沈降物のそれと比較したところ、
FITC標識したLDL(500〜2000mg/d
l)の沈降率は未標識LDLの97.2%であった。す
なわち、FITCの導入によっても、ヘパリン及びデキ
ストラン硫酸との沈降反応性には影響がないことが確認
された。
【0035】ラット肝実質細胞、肝癌細胞であるCha
ng Liver(CL)細胞及びHep G2(H
G)細胞、マクロファージ、及びヒト赤血球を用意し、
それらの細胞を公知の方法で精製した後、リン酸緩衝液
(PBS)中に懸濁させた。
【0036】FITCで蛍光標識したLDL(0.5〜
5.0mg/ml)を、1mg/mlのウシ血清アルブ
ミンとNaN3を含むPBS中に溶解させた。上記各細
胞の懸濁液(5.0×105細胞)を遠心して上澄みを
取り除いた後、FITC標識LDL溶液100μlを添
加し、アイス・バス中で、時折撹拌しながら40分間イ
ンキュベーションした。その後、NaN3を含むPBS
で2回洗浄し、50−100×104細胞/mlに希釈
した。
【0037】希釈した細胞懸濁液を、フローサイトメー
ター(FACScan、ベクトン・ディッキンソン・イ
ムノサイトメトリー・システムズ社製)に導入して、各
細胞の蛍光強度を測定した。結果を図1に示す。図1に
おいて、(a)はラット肝実質細胞、(b)はCL細
胞、(c)はHG細胞、(d)はマクロファージ、及び
(e)はヒト赤血球で得られた結果を示す。
【0038】LDLレセプターを有することが知られて
いる4種の細胞では、LDL添加量に伴って蛍光強度が
増加しており、蛍光標識したLDLが細胞表面に結合し
ていること、一方、LDLレセプターを持たない赤血球
では、LDL添加量が増加しても蛍光強度は変化せず、
LDLが効率的に結合しないことが確認された。
【0039】(実施例2)実施例1で得たFITCで蛍
光標識したLDLを、デキストラン硫酸(第一化学製)
で処理し、LDL複合体を合成した。実施例1の蛍光標
識したLDL及びこのLDL複合体と、ラット肝実質細
胞との相互作用を以下のように検討した。
【0040】まず、肝実質細胞を、非標識のLDL
(2.5mg/ml)、アシアロ糖タンパク質(ASG
P)レセプターに対する天然リガンドであるアシアロフ
ェツイン(100μg/ml)、またはASGPレセプ
ターのリガンドのモデル化合物として本発明者らが合成
したガラクトースを側鎖に有するポリマーであるポリ
(N-p-ビニルベンジル-[O-β-ガラクトピラノシル-
(1→4)-D-グルコンアミド])(PVLAと略記、
50μg/ml)で前処理した。
【0041】上記各細胞の懸濁液(5.0×105
胞)を遠心して上澄みを取り除いた後、蛍光標識したL
DL(2.0mg/ml)、またはLDL複合体(1.
5mg/ml)を含み、1mg/mlのウシ血清アルブ
ミンとNaN3を含むPBSを100μl添加し、アイ
ス・バス中で、時折撹拌しながら40分間インキュベー
ションした。その後、NaN3を含むPBSで2回洗浄
し、50−100×104細胞/mlに希釈した。
【0042】各細胞の蛍光強度を、実施例1と同様にフ
ローサイトメーターで測定した。比較のため、前処理し
ない肝実質細胞を用いて同様の処理を行った。結果を表
1に示すが、蛍光強度の数値は、前処理していない細胞
で得られた値を1としたときの相対値で表した。
【0043】
【表1】
【0044】次に、LDLレセプターを活性化する17
α-エチニルエストラジオールを2日間腹腔に注入した
SDラットの肝実質細胞、及び抗ヒトLDLレセプター
モノクローナル抗体で処理したHG細胞及びCL細胞
と、実施例1の蛍光標識したLDL及び本実施例のLD
L複合体との相互作用を、上記と同様にして測定した。
結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】表1及び表2から明らかなように、本発明
のLDL及びLDL複合体と肝実質細胞との相互作用
は、ASGPレセプターに選択的に結合するアシアロフ
ェツインやPVLAには影響されず、非標識のLDLに
は阻害され、LDLレセプターを活性化するα-エチニ
ルエストラジオールによって促進された。また、肝癌細
胞との相互作用においても、LDLレセプターに結合す
るモノクローナル抗体によって阻害された。従って、本
発明のLDL及びデキストラン硫酸を含むLDL複合体
は、例えばアシアロ糖タンパク質レセプター等ではな
く、LDLレセプターに選択的に相互作用すること、ま
たその相互作用は、LDLとLDL複合体とでほぼ同等
であることが確認された。
【0047】(実施例3)PVLA及びコラーゲンを被
覆したシャーレ上で、10%のウシ胎児血清(FCS)
を含むウィリアムE(WE)培地を用いて、ラット肝実
質細胞の一次培養を行った。PVLA上では、球状の細
胞集合体が形成され、コラーゲン上では、平面多角形状
の細胞が得られた。これらの培地に、実施例1及び2の
LDL及びLDL複合体を添加して、各細胞によるアル
ブミン及び胆汁酸の分泌量を測定した。結果を表3に示
す。各分泌量は、LDLまたはLDL複合体を添加しな
い細胞の分泌量を1とする相対値で表した。
【0048】
【表3】
【0049】本発明のLDL及びLDL複合体は、同様
にLDLレセプターを介して肝実質細胞に取り込まれ、
肝実質細胞の分化機能であるアルブミン及び胆汁酸の分
泌能に、類似の影響を与えていることがわかる。
【0050】(実施例4)所定量のデキストラン硫酸を
含むWE媒地を使用した以外は実施例3と同様にして肝
実質細胞の一次培養を24時間行った。その後、培養し
た肝実質細胞のアルブミン及び胆汁酸の分泌量を測定し
た。PVLA被覆シャーレ上で培養した細胞の結果を図
2に、コラーゲン被覆シャーレ上で培養した細胞の結果
を図3に示す。但し、図中(a)は細胞10×106
当たりのアルブミン分泌量を、(b)は細胞10×10
6個当たりの胆汁酸分泌量を示している。
【0051】図2及び図3から、デキストラン硫酸の量
が10μg/ml以下では影響が見られないが、100
μg/mlを越えるといずれの分泌量も著しく低下す
る。しかし、100μg/ml以上の濃度は、培地を粘
調にするほどの濃度であり、浸透圧等の影響で低下した
ものと考えられる。一方、LDL複合体には、その中に
培地を粘調にするほどのデキストラン硫酸は存在しない
ことは明白である。
【0052】(実施例5)直径0.5μmで、表面にア
ミノ基またはアルデキド基を導入した蛍光性ビーズ(F
luoSpheresR、モレキュラー・プローブ社
製、FITCで標識)を用意した。表面にアルデヒド基
を導入した蛍光性ビーズは、水素化ホウ素ナトリウムで
処理した後、エチレンジアミン、またはトリエチレンテ
トラミンで処理して長さの異なるアミノ基を導入した。
それら3種のアミノ基を有する蛍光性ビーズを、ビーズ
1mg当たり33ng/mlまたは200ng/mlの
濃度でマルトビオン酸を仕込んだ溶液中に添加し、室温
で16時間撹拌することにより、図4(a)、(b)、
及び(c)に示すような末端グルコース構造を導入した
アミノ基含有蛍光性ビーズを調整した。
【0053】得られた各蛍光性ビーズに導入された末端
グルコース構造の量を見積もるため、各蛍光性ビーズ表
面に残存するアミノ基を塩化物イオンで交換したときの
交換量を測定した。その結果、アミノ基を有する蛍光性
ビーズ(図4(a))表面には、ビーズ1mg当たり8
8ナノグラム当量(ng eq)のアミノ基が導入されてお
り、処理するマルトビオン酸の量によらず、約50%の
アミノ基にマルトビオン酸が結合した。一方、エチレン
ジアミンで処理した蛍光性ビーズ(図4(b))表面に
は、74(ng eq/mg)のアミノ基が導入され、トリエチ
レンテトラミンで処理した蛍光性ビーズ(図4(c))
表面には、48(ng eq/mg)のアミノ基が導入された。
これらはいずれも、33ng/mgのマルトビオン酸で
処理した場合は約40%、200ng/mgのマルトビ
オン酸で処理した場合は約75%のアミノ基にマルトビ
オン酸が結合した。
【0054】別に調整したラット肝実質細胞の懸濁液
(5.0×105細胞)を遠心して上澄みを取り除いた
後、上記の末端グルコース構造を導入した蛍光性ビーズ
を各々100μgを含み、1mg/mlのウシ血清アル
ブミンとNaN3を含むPBSを添加し、アイス・バス
中で、時折撹拌しながら40分間インキュベーションし
た。その後、NaN3を含むPBSで2回洗浄し、50
−100×104細胞/mlに希釈した。
【0055】各細胞の蛍光強度を、実施例1と同様にフ
ローサイトメーターで測定した。その値を"Total"とす
る。次に、上記の細胞を、天然のウサギLDL(1mg
/ml)で30分、4℃でインキュベーションした後、
同様にフローサイトメーターで蛍光強度を測定した。そ
の値を"LDL-resistant"とする。これらの測定結果を表
4にまとめて示す。表中、"LDL-releasable"とは、上記
"Total" から "LDL-resistant" を差し引いた値であ
り、LDLレセプターに選択的に結合する天然のLDL
と競合して脱離した蛍光性ビーズに基づく蛍光強度であ
り、これらはLDLレセプターに結合していたことが確
認された。
【0056】
【表4】
【0057】表4より、表面に直接導入されたアミノ基
にマルトビオン酸を結合させた蛍光性ビーズ(a)は、
肝実質細胞への結合量が多く、その中の70%以上がL
DLレセプターに結合している。即ち、LDLレセプタ
ーを介して取り込まれる合成化合物(担体)となる。し
かしながら、エチレンジアミン及びトリエチレンテトラ
ミンを介してマルトビオン酸を導入した蛍光性ビーズ
((b)及び(c))は、肝細胞への結合量が少なく、
結合部位もLDLレセプターではないと考えられる。
【0058】
【発明の効果】本発明の薬物輸送方法は、天然物または
合成物からなる担体を用い、その担体は容易に調整でき
るので、安定かつ効率的に供給できる。即ち、天然物で
あるLDLは、例えばコレステロール添加食餌による高
脂血症ウサギの血漿から安定かつ大量に得ることができ
る。そのLDLをポリアニオン化合物と処理するだけで
LDL複合体が得られる。また、合成担体は、アミノ基
含有高分子とマルトビオン酸とから容易に合成すること
ができる。
【0059】LDLからなる担体は、化学結合、疎水性
相互作用、及び/または硫酸結合部位を介して薬物を安
定に担持できる。LDL複合体は、薬物を担持したLD
L複数個をポリアニオン化合物を介して複合化できるの
で、薬物輸送の高効率化が図れる。薬物を担持したLD
L及びLDL複合体は、ともに天然のLDLと同様の特
性を維持している。また、合成担体は、アミノ基を介し
て薬物を担持でき、薬物を安定かつ強固に担持して輸送
することが可能になる。また、合成担体は、LDLまた
はLDL複合体より低分子量にできるので、脳に対する
DDSにも応用可能と考えられる。さらに、これら天然
及び合成担体には、複数の薬物を同時に担持させて輸送
することも可能である。
【0060】本発明の薬物輸送方法は、LDLレセプタ
ーに選択的な担体を使用するので、例えばLDLレセプ
ターを有する肝実質細胞、増殖細胞、または癌細胞など
に選択的に薬物を輸送することができる。従って、例え
ば本発明で使用する薬物輸送担体に抗癌剤を担持させ、
癌細胞に選択的に薬剤を輸送する新たなDDSを構成す
ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 蛍光標識したウサギLDLで処理した各種細
胞の蛍光強度を示すグラフである。
【図2】 PVLA被覆シャーレで培養した肝実質細胞
のアルブミン及び胆汁酸分泌量と添加したデキストラン
硫酸濃度との関係を示すグラフである。
【図3】 コラーゲン被覆シャーレで培養した肝実質細
胞のアルブミン及び胆汁酸分泌量と添加したデキストラ
ン硫酸濃度との関係を示すグラフである。
【図4】 実施例5で調整した末端グルコース構造を導
入した蛍光性ビーズの模式図である。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 LDLレセプター選択的薬物輸送担体に
    薬物を担持させて薬剤とし、この薬剤をLDLレセプタ
    ーを有する細胞に適用し、該薬剤を前記細胞のLDLレ
    セプターを介して選択的に取り込ませることにより、前
    記薬物を該細胞に選択的に輸送することを特徴とするL
    DLレセプター媒介薬物輸送方法であって、 前記担体がLDLであり、前記薬剤が該LDLに薬物を
    化学結合を介して担持させてなることを特徴とする薬物
    輸送方法。
  2. 【請求項2】 前記担体がLDLであり、前記薬剤が該
    LDLの疎水性コアに前記薬物を疎水性相互作用を介し
    て担持させてなることを特徴とする請求項1記載の薬物
    輸送方法。
  3. 【請求項3】 前記担体がLDLであり、前記薬剤が該
    LDLの硫酸結合部位を介して前記薬物を担持させてな
    ることを特徴とする請求項1記載の薬物輸送方法。
  4. 【請求項4】 前記担体が、高脂血症ウサギの血漿から
    採取したLDLであることを特徴とする請求項1から3
    のいずれかに記載の薬物輸送方法。
  5. 【請求項5】 前記薬剤が、前記薬物を担持した複数個
    のLDLのポリアニオン化合物を介した複合体からなる
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の薬
    物輸送方法。
  6. 【請求項6】 前記ポリアニオン化合物が、デキストラ
    ン硫酸であることを特徴とする請求項5記載の薬物輸送
    担体。
  7. 【請求項7】 前記薬物が、イソチアネート基を有する
    蛍光性物質であることを特徴とする請求項1記載の薬物
    輸送方法。
  8. 【請求項8】 前記薬物が脂溶性肝疾患治療薬であるこ
    とを特徴とする請求項2記載の薬物輸送方法。
  9. 【請求項9】 前記薬物が硫酸化糖類であることを特徴
    とする請求項3記載の薬物輸送方法。
  10. 【請求項10】 LDLレセプター選択的薬物輸送担体
    に薬物を担持させて薬剤とし、この薬剤をLDLレセプ
    ターを有する細胞に適用し、該薬剤を前記細胞のLDL
    レセプターを介して選択的に取り込ませることにより、
    前記薬物を該細胞に選択的に輸送することを特徴とする
    LDLレセプター媒介薬物輸送方法であって、 前記担体が、末端グルコース構造を有する側鎖を持つア
    ミノ基含有高分子からなることを特徴とする薬物輸送方
    法。
  11. 【請求項11】 前記担体が、前記アミノ基含有高分子
    に、マルトビオン酸を結合させてなることを特徴とする
    請求項10記載の薬物輸送方法。
  12. 【請求項12】 前記アミノ基含有高分子が、キトサン
    またはポリアリルアミンであることを特徴とする請求項
    11記載の薬物輸送方法。
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