JPH08253396A - GaAs単結晶の成長方法 - Google Patents

GaAs単結晶の成長方法

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JPH08253396A
JPH08253396A JP5455295A JP5455295A JPH08253396A JP H08253396 A JPH08253396 A JP H08253396A JP 5455295 A JP5455295 A JP 5455295A JP 5455295 A JP5455295 A JP 5455295A JP H08253396 A JPH08253396 A JP H08253396A
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克司 橋尾
Masami Tatsumi
雅美 龍見
Shinichi Sawada
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半絶縁性GaAs単結晶の比抵抗を制御する
ために非常に重要な結晶中の炭素濃度を制御することの
できるLEC法でGaAs単結晶を成長する方法を提供
しようとするものである。 【構成】 原料に酸化ガリウムを添加し、必要に応じて
酸化ガリウムと液体封止剤の酸化ホウ素の重量比を制御
することにより、所望の炭素濃度のGaAs単結晶をL
EC法で成長する方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、集積回路、通信用電子
デバイス、光デバイス等のGaAs基板に用いるGaA
sバルク単結晶を液体封止チョクラルスキー法(LEC
法)で成長する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図1は、半絶縁性GaAs単結晶の製造
方法として工業的に用いられるLEC法を実施するため
の装置である。高圧チャンバ1の中央にるつぼ4及びサ
セプタ5を下軸3で支持し、るつぼ4内には原料融液6
と液体封止剤7が収容されており、上軸2の下端に固定
された種結晶8を原料融液6に浸漬して単結晶9を引き
上げるもので、原料融液6を加熱するためのヒータ10
及び引き上げ結晶を保温するためのヒータ11が配置さ
れ、高圧チャンバ1には保温材12が備えられている。
【0003】GaAsの半絶縁性化は、ドナー性の欠陥
準位EL2及びAsサイトの炭素(CAs)によるアクセ
プターとの補償により実現される。そのため、半絶縁性
化又は半絶縁性領域での比抵抗の制御を行うためには、
結晶中の炭素濃度を制御する必要がある。
【0004】LEC法で半絶縁性GaAs単結晶を製造
するときに、CO又はCO2 ガスを成長炉雰囲気中に導
入してCO又はCO2 濃度を制御して結晶中の炭素濃度
を制御することが提案されている(特開平5─5129
6号公報、特開平1─192793号公報、特開平5─
97595号公報参照)。また、B2 3 液体封止剤中
の水分量により結晶中の炭素濃度を変えられることも公
知である〔Nuclear Instruments and Methods in Physi
cs ReseachB24/25 (1987) 999 〕。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、CO又はCO
2 ガスを成長炉雰囲気中に導入する方法は、通常の方法
で成長するときの炭素濃度(バックグランドの炭素濃
度)よりも高く制御したいときには有効であるが、低い
領域で制御することはできない。例えば、LEC法では
雰囲気ガスにArやN2 を用いて高圧下で成長を行う
が、圧力を下げると炭素濃度が増加する傾向がある。特
に、N2 を用いる場合にその傾向が顕著である。また、
CO又はCO2 ガス導入時に、熱環境が変化して結晶成
長状態に影響を及ぼすという問題もある。
【0006】一方、B2 3 液体封止剤中の水分量を変
化させる方法は、水分量を増加させて炭素濃度を減らす
ことができるが、あまり水分量を多くすると反応により
種結晶が損傷して成長できなくなるという問題がある。
【0007】そこで、本発明は、上記の問題点を解消
し、結晶成長の熱環境を変化させず、種結晶を損傷する
こともなく、炭素濃度を容易に制御することのできるG
aAs単結晶の成長方法を提供しようとするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、液体封止チョ
クラルスキー法でGaAs単結晶を成長する方法におい
て、原料に酸化ガリウムを添加して結晶中の炭素濃度を
制御することを特徴とするGaAs単結晶の成長方法で
ある。
【0009】
【作用】酸化ガリウムは、液体封止剤のB2 3 中に溶
け込み、原料の融解後、次のような反応で作用して結晶
中の炭素濃度を制御する。 Ga2 3 (in B2 3 )+3C(in melt ) =3CO(in B2 3 )+2Ga(in melt ) Ga2 3 (in B2 3 )+2C(in melt ) =2CO(in B2 3 )+2Ga2 O(in B2 3
【0010】酸化ガリウムのチャージ方法としては、図
2に示すように、るつぼの底部にチャージした後、Ga
As多結晶原料をチャージしてもよいが、図3に示すよ
うに、予め酸化ガリウムを添加したB2 3 液体封止剤
を使用する方が制御し易い。
【0011】B2 3 液体封止剤中の水分は、 H2 O(in B2 3 )+C(in melt ) =CO(in B2 3 )+H2 (in B2 3 ) のような反応で炭素濃度に影響するため、酸化ガリウム
による効果を高めるためには水分量の少ないB2 3
用いるのがよい。特に、酸化ガリウムの添加量が少ない
場合には水分の影響が無視できなくなる。B2 3 の水
分濃度は100ppm以下のものを使用するのが良い。
【0012】の反応で生ずるGa2 Oは、気体なので
2 3 中を拡散して雰囲気中に抜け、低温部(高圧容
器壁など)で再びGa2 3 となって堆積するため、
の反応は平衡状態に達しにくく、右向きの反応が必要以
上に進む傾向にある。そのため、図4に示すような気密
容器を設けてGa2 Oを閉じ込めて結晶成長を行うこと
が、炭素濃度の制御の精度を高める上で好ましい。気密
容器内の圧力は、2〜10atmの範囲が適している。
【0013】図4の装置は、高圧チャンバ1の内部に設
けた気密容器13内で成長雰囲気を保持するようにした
もので、気密容器13内にるつぼ4及びサセプタ5を下
軸3で支持し、上軸2に固定した種結晶8で単結晶9を
引き上げるとともに、気密容器13の上部に設けた液体
封止剤溜14の液体封止剤15中を上軸を通してシール
し、下軸3に設けた液体封止剤溜18の液体封止剤19
中に気密容器13の下端を浸漬してシールする。なお、
上部の液体封止剤15を溶融するためにヒータ16を、
下部の液体封止剤19を溶融するためにヒータ20を配
置した。
【0014】
【実施例】
(実施例1)図4の装置を用いてGaAs単結晶を成長
し、結晶中の炭素濃度を調べた。pBN製るつぼにGa
As多結晶原料10kg、酸化ガリウム(Ga2 3
0.1〜1g及びB2 3 350〜500gを図2のよ
うにチャージし、雰囲気ガスとして窒素を用い、10気
圧と5気圧で成長させた。
【0015】成長した結晶中の炭素濃度(CAs濃度:c
-3)をFTIR法(フーリエ変換赤外分光法)で測定
した。図5は、結晶中の炭素濃度(cm-3)を、添加し
た酸化ガリウムとB2 3 の重量比に対して両対数でプ
ロットしたものである。このグラフより、次の関係式を
得ることができた。 10気圧の場合 (炭素濃度)=2.88×1014×(Ga2 3 添加量
/B2 3 重量)-0.28 5気圧の場合 (炭素濃度)=7.76×1014×(Ga2 3 添加量
/B2 3 重量)-0.27
【0016】上式より目的とする炭素濃度(cm-3)に
対して、酸化ガリウムの添加量は、 (Ga2 3 添加量/B2 3 重量)=A×(炭素濃
度)-1/0.28 -1/0.27 により算出できる。ここで、定数Aは、実験結果からも
分かるように圧力などの条件で決定される値であり、同
じ条件であれば1回の成長によってAを求めておけば、
上式にしたがって酸化ガリウムの添加量を決定して炭素
濃度を制御することができる。
【0017】
【発明の効果】本発明は、上記の構成を採用することに
より、半絶縁性GaAs単結晶の比抵抗を制御するため
に非常に重要な結晶中の炭素濃度を制御することが可能
になった。また、従来の成長法では、低圧で成長すると
炭素濃度が増加するような条件においても、炭素濃度を
低減させて自由に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】LEC法を実施するための装置の概念図であ
る。
【図2】本発明で酸化ガリウムをるつぼ底部にチャージ
し、その上にGaAs多結晶原料をチャージする状況を
示した説明図である。
【図3】本発明で酸化ガリウムを予め添加したB2 3
をるつぼにチャージする状況を示した説明図である。
【図4】気密容器を用いてLEC法で結晶成長を行う装
置の概念図である。
【図5】実施例で得た酸化ガリウム添加量と結晶中の炭
素濃度の関係を示したグラフである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体封止チョクラルスキー法でGaAs
    単結晶を成長する方法において、原料に酸化ガリウムを
    添加することを特徴とするGaAs単結晶の成長方法。
  2. 【請求項2】 酸化ガリウムと液体封止剤B2 3 の重
    量比を変化させることにより、成長結晶中の炭素濃度を
    制御することを特徴とする請求項1記載のGaAs単結
    晶の成長方法。
  3. 【請求項3】 水分濃度が100ppm以下のB2 3
    液体封止剤を使用することを特徴とする請求項1又は2
    記載のGaAs単結晶の成長方法。
  4. 【請求項4】 酸化ガリウムを添加したB2 3 液体封
    止剤を使用することを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か1項に記載のGaAs単結晶の成長方法。
  5. 【請求項5】 るつぼの底部に酸化ガリウムをチャージ
    することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記
    載のGaAs単結晶の成長方法。
  6. 【請求項6】 成長圧力を2〜10atomの範囲の低
    圧で結晶成長を行うことを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれか1項に記載のGaAs単結晶の成長方法。
  7. 【請求項7】 種結晶を引き上げる上軸及び/又はるつ
    ぼを支持する下軸をB2 3 液体封止剤で封止した気密
    容器内で結晶成長を行うことを特徴とする請求項1〜6
    のいずれか1項に記載のGaAs単結晶の成長方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112853470A (zh) * 2020-12-31 2021-05-28 杭州富加镓业科技有限公司 一种基于深度学习和提拉法的氧化镓的质量预测方法、制备方法及系统

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