JPH08252838A - 3次元中空成形品の被覆成形法 - Google Patents

3次元中空成形品の被覆成形法

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JPH08252838A
JPH08252838A JP35327695A JP35327695A JPH08252838A JP H08252838 A JPH08252838 A JP H08252838A JP 35327695 A JP35327695 A JP 35327695A JP 35327695 A JP35327695 A JP 35327695A JP H08252838 A JPH08252838 A JP H08252838A
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core
resin
mold
coating
molding
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Norio Narasaki
則雄 奈良崎
Yutaka Shiraishi
豊 白石
Osamu Kakigi
修 柿木
Takayuki Ito
尊之 伊藤
Hideki Kinoshita
英樹 木下
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Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】被覆成形時に、溶融射出樹脂に起因した圧力に
よって、金型のキャビティ内に挿入・装着された中子の
樹脂射出部に対向する部分が変形することを防止できる
3次元中空成形品の被覆成形法を提供する。 【解決手段】3次元中空成形品の被覆成形法は、中空部
61を有する樹脂製の中子60を金型10のキャビティ
内に装着した後、中子60とキャビティの金型面10A
とで形成された空間14内に、金型に設けられた樹脂射
出部から溶融樹脂を射出し、以って、中子60の外面の
少なくとも一部分を樹脂で被覆する工程から成り、樹脂
射出部はフィルムゲート20から成り、フィルムゲート
20の開口部21の幅方向の軸線は中子60の軸線Lax
と略平行である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内部に中空部を有
する樹脂製の中子を金型のキャビティ内に装着し、中子
と金型のキャビティ面とで形成された空間内に溶融樹脂
を射出することで、球状、箱状、直管状、屈曲管状ある
いは分岐管状等の複雑な形状を有し、且つ内部に中空部
を有する3次元中空成形品を成形する3次元中空成形品
の被覆成形法に関する。更に詳しくは、本発明は、被覆
成形時の溶融樹脂の圧力に起因した中子の変形や破損の
発生を防止し得る3次元中空成形品の被覆成形法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂を用いて射出成形法により
3次元中空成形品を製作する方法の1つに、被覆成形法
(2シェル法とも呼ばれる)がある。この被覆成形法に
おいては、中空部を有する中子を金型のキャビティ内に
装着した後、中子とキャビティの金型面とで形成された
空間内に、金型に設けられた樹脂射出部(樹脂ゲート
部)から溶融樹脂を射出する。こうして、中子の外面の
少なくとも一部分を樹脂で被覆することによって、3次
元中空成形品が成形される。尚、中子の外面の少なくと
も一部分を被覆する樹脂製の被覆部材は、外殻とも呼ば
れる。
【0003】このような3次元中空成形品の被覆成形法
を用いることにより、通常の射出成形法では全く成形す
ることのできなかった、複雑な立体形状を有し、しかも
中空部を有する樹脂製の3次元中空成形品が成形可能と
なる。しかも、この被覆成形法は、他の部品との一体化
による部品点数の削減が可能であること、中空部の内面
が平滑であること、成形品寸法精度が良好であること、
製造設備費が廉価であること等の種々の利点を有してい
る。このような被覆成形法は、例えば、エアインテーク
マニホールド、エアダクト等の自動車分野における部
品、水等の液体用配管の他、中空部を有する各種製品と
いった、球状、箱状、直管状、屈曲管状あるいは分岐管
状等の複雑な形状を有し、且つ中空部を有する3次元中
空成形品の成形法として広く採用されている。
【0004】3次元中空成形品の被覆成形法は、例え
ば、特開平5−305679号公報、特開昭62−21
8117号公報、特開昭63−277851号公報、特
開昭59−198116号公報、特開平3−23951
6号公報から公知である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】被覆成形法の採用にあ
たっての最大の問題点は、中子とキャビティの金型面と
で形成された空間内に、金型に設けられた樹脂射出部を
介して溶融樹脂を射出したとき、溶融樹脂の射出によっ
て樹脂製の中子に圧力が負荷され、中子が変形あるいは
破損、損傷や挫屈(以下、総称して中子の変形と呼ぶ場
合がある)し、目的とする3次元中空成形品が得られな
いことにある。即ち、被覆成形時に、樹脂射出部に対向
する中子の部分あるいはその近傍に中子の変形が生じ
る。
【0006】従来の被覆成形法においては、樹脂射出部
は、1点ピンゲート若しくは1点ダイレクトゲートから
成る。ここで、ピンゲートとは、射出成形において溶融
樹脂がスプル部からキャビティ内に流入する金型の部分
に設けられたオリフィスである。
【0007】このような1点ゲート形式の樹脂射出部を
使用した場合、図26の(A)に模式的な端面図を示す
ように、樹脂射出部から射出された溶融樹脂が中子60
とキャビティの金型面10A,12Aとで形成された空
間14内を流動する流動距離が長くなる。また、金型1
0,12に設けられた樹脂射出部の位置が不適切である
と、溶融樹脂の流動パターンが不均一となるため、高い
射出圧力を要する場合がある。然るに、被覆成形時にお
ける溶融樹脂の射出圧力を高くすると、中子には溶融樹
脂の流動に起因した高い圧力が加わる。中子の各部分に
加わる圧力は射出された溶融樹脂の圧力分布に依存す
る。それ故、図26の(A)に示すように樹脂射出部を
1点の射出点から成る1点ゲート形式とした場合、樹脂
射出部近傍の中子60の部分に最も大きな圧力が加わ
る。その結果、金型10,12のキャビティ内に装着さ
れた中子60が変形し、良好なる3次元中空成形品が成
形できなくなる。一方、樹脂射出部からの溶融樹脂の流
動距離を可能な限り短くし、且つ、かかる空間内に均一
に溶融樹脂を充填することができれば、被覆成形時にお
ける射出溶融樹脂の圧力による中子の変形の防止が可能
である。尚、図26の(A),(B)及び(C)中、参
照番号13はメインスプル部であり、参照番号17は支
持棒であり、参照番号61は中子60の中空部である。
尚、図26の(A)に示した例では、中子を直管状とし
た。また、図26の(B)は、図26の(A)の線B−
Bに沿った模式的な端面図であり、図26の(C)は、
図26の(A)の線C−Cに沿った模式的な端面図であ
る。
【0008】上記の5つの特許公開公報の全てには、樹
脂射出部に対向する中子の部分若しくはその近傍の部分
にて生じる中子の変形、あるいは又、中子の変形を解決
する手段について、記載や示唆は認められない。即ち、
従来の被覆成形法においては、溶融樹脂の圧力による中
子の変形の防止といった観点から、樹脂射出部を改良す
ることはなされていない。その結果、被覆工程におい
て、金型のキャビティ内に挿入・装着された中子の樹脂
射出部に対向する部分が溶融樹脂の射出に起因した圧力
によって変形し、良品が成形できない。
【0009】樹脂製の中子の変形といった問題を解決す
るための方法として、中子の中空部に非圧縮体を充填す
る方法がある。しかしながら、中子の中空部に非圧縮体
(低融点金属、砂、ガラスビーズ、水等)を充填する方
法では、作業効率や生産性が悪く、3次元中空成形品の
製造コストが嵩んでしまうといった問題がある。
【0010】従って、本発明の目的は、被覆成形時に、
溶融射出樹脂に起因した圧力によって、金型のキャビテ
ィ内に挿入・装着された中子の樹脂射出部に対向する部
分が変形することを防止できる3次元中空成形品の被覆
成形法を提供することにある。
【0011】尚、中子の変形という用語を、本明細書に
おいては、中子の単なる変形だけでなく、中子の破損、
損傷や挫屈を含めた意味で用いる。また、キャビティと
は、3次元中空成形品の外形を規定する、金型に設けら
れた空間を意味する。更には、中子とキャビティの金型
面とで形成された空間とは、射出された溶融樹脂が充填
される空間を意味する。場合によっては、この空間は樹
脂流動層と呼ばれる。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の第1の態様に係る3次元中空成形品の被覆
成形法は、中空部を有する樹脂製の中子を金型のキャビ
ティ内に装着した後、該中子とキャビティの金型面とで
形成された空間内に、該金型に設けられた樹脂射出部か
ら溶融樹脂を射出し、以って、該中子の外面の少なくと
も一部分を樹脂で被覆する工程から成る3次元中空成形
品の被覆成形法であって、樹脂射出部はフィルムゲート
(フラッシュゲートと呼ばれることもある)から成り、
該フィルムゲートの開口部の幅方向の軸線は中子の軸線
と略平行であることを特徴とする。
【0013】ここで、フィルムゲートの開口部の幅方向
の軸線が中子の軸線と略平行であるとは、フィルムゲー
トの開口部に対向する中子の部分が円筒形や多角筒形等
のパイプ状の場合、かかる中子の部分の軸線とフィルム
ゲートの開口部の幅方向の軸線とが略平行であることを
意味する。より具体的には、フィルムゲートの開口部か
ら射出される溶融樹脂の方向が、かかる中子の部分の軸
線に略向かっていることを意味する。また、フィルムゲ
ートの開口部に対向する中子の部分が球や回転楕円体等
の回転体形状の場合、かかる中子の部分の中心がフィル
ムゲートの開口部の幅方向の軸線を含む平面内、あるい
は、かかる平面の近傍に位置することを意味する。より
具体的には、フィルムゲートの開口部から射出される溶
融樹脂の方向が、かかる中子の部分の中心に略向かって
いることを意味する。
【0014】本発明の第1の態様に係る3次元中空成形
品の被覆成形法においては、中子の周方向に沿ったフィ
ルムゲートの開口部の厚みを、中子の軸線方向に沿って
変化させることが好ましい。
【0015】上記の目的を達成するための本発明の第2
の態様に係る3次元中空成形品の被覆成形法は、中空部
を有する樹脂製の中子を金型のキャビティ内に装着した
後、該中子とキャビティの金型面とで形成された空間内
に樹脂射出部から溶融樹脂を射出し、以って、該中子の
外面の少なくとも一部分を樹脂で被覆する工程から成る
3次元中空成形品の被覆成形法であって、樹脂射出部は
多点ピンゲート若しくは多点サイドゲートから成り、該
多点ピンゲート若しくは多点サイドゲートの開口部は、
中子の軸線と略平行に配列されていることを特徴とす
る。
【0016】ここで、多点ピンゲート若しくは多点サイ
ドゲートの開口部が中子の軸線と略平行に配列されてい
るとは、多点ピンゲート若しくは多点サイドゲートの開
口部に対向する中子の部分が円筒形や多角筒形等のパイ
プ状の場合、多点ピンゲート若しくは多点サイドゲート
の開口部の軸線が、かかる中子の部分の軸線と交わるか
近傍を通ることを意味する。より具体的には、フィルム
ゲートの開口部から射出される溶融樹脂の方向が、かか
る中子の部分の軸線に略向かっていることを意味する。
また、多点ピンゲート若しくは多点サイドゲートの開口
部に対向する中子の部分が球や回転楕円体等の回転体形
状の場合、多点ピンゲート若しくは多点サイドゲートの
開口部の軸線が、かかる中子の部分の中心を通るか近傍
を通ることを意味する。より具体的には、フィルムゲー
トの開口部から射出される溶融樹脂の方向が、かかる中
子の部分の中心に略向かっていることを意味する。
【0017】本発明の第2の態様に係る3次元中空成形
品の被覆成形法においては、多点ピンゲート若しくは多
点サイドゲートの開口部のそれぞれの径を異らせてもよ
い。
【0018】多点ピンゲート若しくは多点サイドゲート
の開口部の数(N)は、中子の形状及び大きさにより異
なるが、中子の長さをLC、中子の軸線Laxに直角な平
面で中子を切断したときの中子の断面形状がリング状で
あり、かかるリングの内側の円の半径をrC(以下、中
空部の内半径rCとも呼ぶ)とした場合、N>(LC/π
C)を満足することが望ましい。
【0019】本発明の第1又は第2の態様に係る3次元
中空成形品の被覆成形法においては、複数の樹脂射出部
を、好ましくは中子の軸線Laxに対して対称に配設して
もよい。中子の形状や大きさによって異なるが、中子の
厚さ(肉厚)tCと内半径rCとの比tC/rCが1/4以
下の場合には、2つ以上の樹脂射出部を、好ましくは中
子の軸線Laxに対して対称に配設することが望ましい。
【0020】本発明の第1又は第2の態様に係る3次元
中空成形品の被覆成形法においては、樹脂射出部に連通
し、そして金型面に設けられた樹脂流動チャンネルを金
型は更に備えることができ、この場合、樹脂射出部から
射出された溶融樹脂で先ず樹脂流動チャンネルを満た
し、次いで、中子とキャビティの金型面とで形成された
空間内を溶融樹脂で満たすことが好ましい。この場合、
リング状の樹脂流動チャンネルが、中子の周方向に沿っ
て金型面に設けられている態様、あるいは又、樹脂流動
チャンネルが、中子の軸線に略平行な方向に沿って金型
面に設けられている態様を挙げることができる。
【0021】樹脂流動チャンネルを設けるか否かは、中
子の形状及び大きさによって大きく異なる。例えば、t
C/rCの比が1/4以下であり、且つ中子の長さLC
200mmを超える場合には、中子の周方向に沿った樹
脂流動チャンネル及び/又は中子の軸線に略平行な方向
に沿った樹脂流動チャンネルを金型面に設けることが望
ましい。
【0022】本発明の第1及び第2の態様に係る3次元
中空成形品の被覆成形法においては、金型を可動金型部
と固定金型部とから構成し、中子とキャビティの金型面
とで形成された空間内に、金型に設けられた樹脂射出部
から溶融樹脂を射出した後、あるいは射出中に、可動金
型部を金型閉じ方向に所定量移動させる工程を含めるこ
とができる。
【0023】中子を構成する樹脂材料(尚、以下、場合
によっては第1の樹脂材料と呼ぶ)は、要求される耐薬
品性、耐熱性、耐衝撃性、透明性等に応じて適宜選択す
ればよいが、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ポリ
カーボネート、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエ
ーテル、ポリブチレンテレフタレートを例示することが
できる。また、かかる第1の樹脂材料には、必要に応じ
て染料や顔料等の添加材、あるいは充填材や補強材等を
添加してもよい。充填材や補強材として、シリカ、珪藻
土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、軽石
粉、軽石バルーン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
シウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、硫酸カ
ルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、亜硫酸カ
ルシウム、タルク、クレー、マイカ、ガラス繊維、炭素
繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、珪酸カルシウ
ム、モンモリロナイト、ベントナイト、アルミニウム
粉、硫化モリブデン、ボロン繊維、炭化珪素繊維、ポリ
エステル繊維、ポリアミド繊維を例示することができ
る。
【0024】樹脂製の被覆部材、若しくは、中子の外面
の少なくとも一部分を被覆する樹脂を構成する材料
(尚、以下、場合によっては第2の樹脂材料と呼ぶ)
は、第1の樹脂材料より融点の高い樹脂材料から構成す
ることが望ましい。このような第2の樹脂材料は、第1
の樹脂材料に基づいて種々の樹脂材料から適宜選択すれ
ばよく、第1の樹脂材料と同種の材料であっても異種の
材料であってもよい。尚、異種材料を用いる場合には、
それらの樹脂材料相互の相溶性、溶着性を考慮する必要
がある。例えば、第1の樹脂材料としてナイロン6を選
択した場合、第2の樹脂材料として、ナイロン66、ナ
イロン46等以外に、メタキシリレンジアミドとアジピ
ン酸とを縮合させて得られるポリアミド等を用いること
ができる。また、第1の樹脂材料としてナイロン66を
選択した場合、第2の樹脂材料として、ナイロン46等
を用いることができる。更には、第1の樹脂材料として
ポリブチレンテレフタレートを選択した場合、第2の樹
脂材料として、ポリエチレンテレフタレート等を用いる
ことができる。尚、第2の樹脂材料には、第1の樹脂材
料と同様に、必要に応じて染料や顔料等の添加材、ある
いは充填材や補強材等を添加してもよい。
【0025】本発明の3次元中空成形品は、例えば、球
状、箱状、直管状、屈曲管状あるいは分岐管状等の複雑
な形状を有し、且つ中空部を有する。具体的には、本発
明の3次元中空成形品として、各種の箱や容器、自動車
等のエンジンに混合気を供給する際の流路となるインテ
ークマニホールド、エアダクト等の自動車分野における
部品、水等の液体用配管、OA機器分野における複写機
等の給紙、排紙部品等を例示することができる。
【0026】樹脂製の中子は如何なる公知の製造方法を
用いて製造してもよく、例えば、射出成形法、押出成形
法、ブロー成形法、圧縮成形法等を好ましい製造方法と
して挙げることができる。中子は、一体成形品だけでな
く、2分割、3分割以上にされた状態の形状に予め成形
された中子部材を接合することで作製することができ
る。この場合、中子部材の接合手段として、接着剤を用
いて中子部材を接合する方法、熱板溶着、振動溶着、超
音波溶着等によって中子部材を溶着する方法、中子部材
の外面にスナップフィットを設けておく方法、連結用部
材で中子部材相互を接合する方法、溶融紡糸した繊維等
を中子部材の外側に巻き付けて中子部材を接合する方法
を挙げることができる。
【0027】被覆成形時における溶融樹脂の流動方向成
分は、中子の軸線方向成分と中子の周方向成分とに分解
して考えることができる。一般に、中子の周方向の溶融
樹脂の流動距離に比較して、中子の軸線方向の溶融樹脂
の流動距離は著しく長い。従って、中空部の内半径が小
さい場合には、中子の軸線方向の溶融樹脂の流動に起因
した非常に大きな圧力が中子に加わる。また、中子の周
の長さが、中子の長さと比較して相対的に大きい場合、
中子の軸線方向に沿った溶融樹脂の流動に起因した圧力
に加えて、中子の周方向の溶融樹脂の流動に起因した圧
力を考慮する必要がある。特に中子の変形は、中子の周
方向に加わる圧力の不均一性によるところが大きいが故
に、中子の周方向の溶融樹脂の流動に起因した圧力を考
慮することが一層重要である。
【0028】本発明の第1の態様に係る3次元中空成形
品の被覆成形法においては、樹脂射出部はフィルムゲー
トから成り、フィルムゲートの開口部の幅方向の軸線
は、中子の軸線と略平行である。また、本発明の第2の
態様に係る3次元中空成形品の被覆成形法においては、
樹脂射出部は多点ピンゲート若しくは多点サイドゲート
から成り、多点ピンゲート若しくは多点サイドゲートの
開口部の配列は、中子の軸線と略平行である。樹脂射出
部をこのような構成にすることによって、中子とキャビ
ティの金型面とで形成された空間内における溶融樹脂の
流動距離を短くすることができ、しかも、かかる空間内
に溶融樹脂が均等に充填される。その結果、中子の軸線
方向の溶融樹脂の流動に起因して中子に加わる圧力を低
減させることができ、中子に変形が発生することを効果
的に防止することができる。
【0029】また、フィルムゲートの開口部の厚みを中
子の軸線に沿って変化させ、あるいは又、多点ピンゲー
ト若しくは多点サイドゲートのそれぞれの開口部の径を
異らせることによって、溶融樹脂の射出の際、中子とキ
ャビティの金型面とで形成された空間内に溶融樹脂が一
層均等に充填される。その結果、射出された溶融樹脂に
よって中子に大きな圧力が加わることを防止でき、中子
に変形が生じることを効果的に防止し得る。
【0030】更に、複数の樹脂射出部を好ましくは中子
の軸線に対して対称に配設すれば、中子の周方向の溶融
樹脂の流動距離を減少できるが故に、溶融射出樹脂に起
因した圧力を低減することが可能となる。その結果、溶
融樹脂の流動に起因した中子に加わる圧力を一層低減さ
せることができる。それ故、中子に変形が発生すること
を一層効果的に防止することができる。
【0031】また、樹脂流動チャンネルを金型面に設け
れば、例えば中子の周方向の溶融樹脂の流動に起因した
中子へ加わる圧力を均一化することができ、中子の変形
をより一層効果的に防止することができる。即ち、樹脂
流動チャンネルを例えば中子の周方向に沿って金型面に
設けることによって、溶融樹脂の流動方向を中子の周方
向から中子の軸線方向に変化させることができる。その
結果、中子の周方向における負荷圧力差が解消されるの
で、中子に変形が発生することを極めて効果的に防止す
ることができる。あるいは又、樹脂流動チャンネルを例
えば中子の軸線に略平行な方向に沿って金型面に設ける
ことによって、溶融樹脂の流動方向を中子の軸線と平行
な方向から中子の周方向に変化させることができる。そ
の結果、中子の軸線方向における負荷圧力差が解消され
るので、中子に変形が発生することを極めて効果的に防
止することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、発明の実
施の形態(以下、実施の形態と略す)及び実施例に基づ
き本発明を説明する。
【0033】(実施の形態1)本発明の第1の態様に係
る3次元中空成形品の被覆成形法を、図1〜図5を参照
して、詳しく説明するが、これらの図に限定されるもの
ではない。また、中空部61を有する中子60の形状を
直管状としたが、中子の形状、構造はこれに限定するも
のではない。
【0034】本発明の第1の態様に係る3次元中空成形
品の被覆成形法は、図1の(A)に示すように、中空部
61を有する樹脂製の中子60を金型10,12のキャ
ビティ内に装着した後、中子60とキャビティの金型面
10A,12Aとで形成された空間14内に、金型に設
けられた樹脂射出部から溶融樹脂を射出し、以って、中
子60の外面の少なくとも一部分を樹脂で被覆する工程
から成る。そして、樹脂射出部はフィルムゲート20か
ら成り、フィルムゲート20の開口部21の幅方向の軸
線は、中子60の軸線Laxと略平行である。ここで、中
子の軸線Laxと略平行であるとは、厳密に平行である必
要はないことを意味する。以下の説明においても同様で
ある。尚、図中、参照番号13はメインスプル部、17
は金属やプラスチック等の、耐熱性を有し、非圧縮性の
材料から作製された保持具である支持棒、22はガイド
スプル部である。また、図1の(B)は、図1の(A)
の線B−Bに沿った模式的な端面図であり、図1の
(C)は、図1の(A)の線C−Cに沿った模式的な端
面図である。尚、図2の(A)に、メインスプル部13
内、ガイドスプル部22内、フィルムゲート20内、及
び中子60の表面を流れる溶融樹脂62を斜め横方向か
ら眺めた模式的な透視図で示し、図2の(B)に、フィ
ルムゲート20、ガイドスプル部22及びメインスプル
部13の部分を斜め横方向から眺めた模式的な透視図で
示した。ここで、図1の(A)は、フィルムゲート20
及び中子の軸線Laxを含む面で図2の(A)に示した構
造を切断したときの模式的な断面図に相当する。
【0035】図1の(C)及び図2の(B)に示すよう
に、中子60の周方向に沿ったフィルムゲート20の開
口部21の厚み、即ち、開口部21の幅(WFG)方向に
対して直角方向のフィルムゲート20の開口部21の長
さを、以下、フィルムゲートの開口部の厚み(HFG)と
呼ぶ。また、フィルムゲート20の開口部21の幅方向
及び厚み方向のそれぞれと垂直な方向におけるフィルム
ゲート20の長さを、フィルムゲート長(LFG)と呼
ぶ。即ち、フィルムゲート長(LFG)は、開口部21か
らガイドスプル部22までのフィルムゲート20の長さ
である。尚、中子60の周方向とは、中子60の軸線L
axを中心として回転したときに得られる中子の軸線から
離れた点の軌跡の方向を意味する。
【0036】本発明の第1の態様に係る3次元中空成形
品の被覆成形法においては、図3の(A)及び(B)に
金型10,12の模式的な端面図を示すように、フィル
ムゲート20の開口部21の厚み(HFG)を、中子の軸
線Laxに沿って変化させることが好ましい。尚、図1及
び図2に示したフィルムゲート20は、図3の(A)に
示した開口部形状を有し、後述する図12の(A)及び
(B)に示すフィルムゲート20は、図3の(B)に示
す開口部形状を有する。
【0037】フィルムゲート20の開口部21の幅(W
FG)を、中子60の軸線Laxに沿った中子60の長さ
(LC)(以下、単に、中子の長さ(LC)と呼ぶ)と略
一致させてもよい(図1の(A)参照)。ここで、中子
の長さ(LC)と略一致させるとは、中子の長さ(LC
と厳密に一致していなくともよいことを意味する。この
場合、射出された溶融樹脂に起因して中子に加わる圧力
を均一化するために、フィルムゲート20内を流れそし
て開口部21から射出される際の溶融樹脂の流れが中子
60の軸線Laxに概ね垂直に向かうように、フィルムゲ
ート20を配置することが好ましい。フィルムゲート2
0の開口部21の幅(WFG)が100mm以上の場合、
射出された溶融樹脂の流れを均一化するために、フィル
ムゲート長(LFG)を5mm以上、好ましくは10mm
以上とすることが望ましい。
【0038】あるいは又、図4の(A)に模式的な端面
図を示すように、フィルムゲート20の開口部21の幅
(WFG)を、中子60の長さLCより短くして、開口部
21を複数設けてもよい。尚、各開口部21は、ガイド
スプル部22に連通している。ここで、図4の(B)
は、図4の(A)の線B−Bに沿った模式的な端面図で
あり、図4の(C)は、図4の(A)の線C−Cに沿っ
た模式的な端面図である。また、図5に、及びメインス
プル部13内、ガイドスプル部22内、フィルムゲート
20内、及び中子60の表面を流れる溶融樹脂62を斜
め上方向から眺めた模式的な透視図で示した。図4の
(A)は、フィルムゲート20及び中子の軸線Laxを含
む面で図5に示した構造を切断したときの模式的な端面
図に相当する。この場合にも、フィルムゲート20内を
流れそして開口部21から射出される際の溶融樹脂の流
れが中子60の軸線Laxに概ね垂直に向かうように、フ
ィルムゲート20を配置することが好ましい。フィルム
ゲート20のそれぞれの開口部21の幅(WFG)は中子
60の長さLCや形状等によって大きく異なるが、(π
C)/LC<WFG<LC、より好ましくは、(LC−2r
C)<WFG<LCを満足することが望ましい。尚、中子6
0の断面形状が中空の多角形である場合、かかる内側の
多角形の内接円の半径をrCとすればよい。
【0039】(実施の形態2)図6の(A)に示す金型
等の模式的な断面図は、本発明の第1の態様に係る3次
元中空成形品の被覆成形法に関連する。実施の形態2が
実施の形態1と相違する点は、複数の樹脂射出部(実施
の形態2においては2つ)を中子60の軸線Laxに対し
て対称に配設している点にある。図6の(B)に、メイ
ンスプル部13内、ランナ部15A,15B内、ガイド
スプル部22A内、フィルムゲート20A内、及び中子
60の表面を流れる溶融樹脂62を斜め横方向から眺め
た模式的な透視図で示した。図6の(A)は、フィルム
ゲート20A,20B及び中子の軸線Laxを含む面で図
6の(B)に示した構造を切断したときの模式的な断面
図(但し、専ら金型10側)に相当する。また、図7の
(A)は、図6の(A)の線A−Aに沿った模式的な端
面図であり、図7の(B)は、図6の(A)の線B−B
に沿った模式的な端面図である。尚、参照番号11は金
型スライド部であり、11Aは金型スライド部11の金
型面である。3次元中空成形品を離型する際には、図7
の(A)若しくは図7の(B)において、金型12を下
方に移動させ、金型10を上方に移動させ、金型スライ
ド部11を図面の紙面垂直方向に移動させる。尚、図
6、図7、図10、図11において、樹脂射出部等、2
組ある要素に対しては参照番号の末尾に「A」及び
「B」を付した。また、ランナ部15A,15Bは中央
部で連結されている。更に、中子60とキャビティの金
型面10A,12Aとで形成された空間14内の溶融樹
脂の圧力を低下させる必要がある場合には、4つの樹脂
射出部を、好ましくは中子60の軸線Laxに対して対称
に配設すればよい。
【0040】(実施の形態3)本発明の第2の態様に係
る3次元中空成形品の被覆成形法を、図8及び図9を参
照して、詳しく説明するが、これらの図に限定されるも
のではない。また、中空部61を有する中子60の形状
を直管状としたが、中子の形状、構造はこれに限定する
ものではない。
【0041】本発明の第2の態様に係る3次元中空成形
品の被覆成形法は、図8の(A)に示すように、中空部
61を有する樹脂製の中子60を金型11,12のキャ
ビティ内に装着した後、中子60とキャビティの金型面
11A,12Aとで形成された空間14内に樹脂射出部
から溶融樹脂を射出し、以って、中子60の外面の少な
くとも一部分を樹脂で被覆する工程から成る。そして、
樹脂射出部は多点ピンゲート30から成り、該多点ピン
ゲート30の開口部31は、中子60の軸線Laxと略平
行に配列されている。尚、図中、参照番号10は金型、
参照番号32はガイドスプル部である。また、図8の
(B)は、図8の(A)の線B−Bに沿った模式的な端
面図であり、図8の(C)は、図8の(A)の線C−C
に沿った模式的な端面図である。また、図9に、メイン
スプル部13内、ガイドスプル部32内、多点ピンゲー
ト30内、及び中子60の表面を流れる溶融樹脂62を
斜め横方向から眺めた模式的な透視図で示した。ここ
で、図8の(A)は、多点ピンゲート30及び中子の軸
線Laxを含む面で図9に示した構造を切断したときの模
式的な端面図に相当する。
【0042】(実施の形態4)図10の(A)に示した
金型等の模式的な端面図は、本発明の第2の態様に係る
3次元中空成形品の被覆成形法に関連する。実施の形態
4が実施の形態3と相違する点は、樹脂射出部は多点サ
イドゲート40A,40Bから成り、多点サイドゲート
40A,40Bの開口部41A,41Bは、中子60の
軸線Laxと略平行に配列されている点、及び、複数の樹
脂射出部(実施の形態4においては2つ)を中子60の
軸線Laxに対して対称に配設している点にある。図10
の(B)に、メインスプル部13内、ランナ部15A,
15B内、ガイドスプル部32A内、多点サイドゲート
(ガイドスプル部32Aの陰に隠れて見えない)内、及
び中子60の表面を流れる溶融樹脂62を斜め横方向か
ら眺めた模式的な透視図で示した。図10の(A)は、
多点サイドゲート40A,40B及び中子の軸線Lax
含む面で図10の(B)に示した構造を切断したときの
模式的な端面図(但し、専ら金型10側)に相当する。
また、図11の(A)は、図10の(A)の線A−Aに
沿った模式的な端面図であり、図11の(B)は、図1
0の(A)の線B−Bに沿った模式的な端面図である。
【0043】(実施の形態5)実施の形態5において
は、樹脂射出部(20,30,40)は、ガイドスプル
部22,32を介して分岐サブスプル部16に接続され
ている(図12〜図16参照)。分岐サブスプル部16
はメインスプル部13に連通している。これによって、
射出された溶融樹脂による圧力を一層低下させることが
でき、しかも、中子60とキャビティの金型面10A,
12Aとで形成された空間14内に溶融樹脂を均等に充
填することが可能となる。尚、図12の(A)に示す金
型等の模式的な断面図は、フィルムゲートを用いた本発
明の第1の態様に係る3次元中空成形品の被覆成形法に
関連する。図12の(B)には、メインスプル部13
内、分岐サブスプル部16内、ガイドスプル部22内、
フィルムゲート20内、及び中子60の表面を流れる溶
融樹脂62を斜め上方向から眺めた模式的な透視図で示
した。また、図13の(A)は、図12の(A)の線A
−Aに沿った模式的な端面図であり、図13の(B)
は、図12の(A)の線B−Bに沿った模式的な端面図
である。ここで、図12の(A)は、フィルムゲート2
0及び中子の軸線Laxを含む面で図12の(B)に示し
た構造を切断したときの模式的な断面図に相当する。図
15の(A)に示す模式的な端面図は、多点ピンゲート
を用いた本発明の第2の態様に係る3次元中空成形品の
被覆成形法に関連する。図15の(B)には、メインス
プル部13内、分岐サブスプル部16内、ガイドスプル
部32内、多点ピンゲート30内、及び中子60の表面
を流れる溶融樹脂62を斜め横方向から眺めた模式的な
透視図で示した。また、図16の(A)は、図15の
(A)の線A−Aに沿った模式的な端面図であり、図1
6の(B)は、図15の(A)の線B−Bに沿った模式
的な端面図である。ここで、図15の(A)は、多点ピ
ンゲート30及び中子の軸線Laxを含む面で図15の
(B)に示した構造を切断したときの模式的な端面図に
相当する。
【0044】(実施の形態6)実施の形態6において
は、図17、図18及び図19に示すように、樹脂射出
部(20,30,40)に連通し、そして金型面10
A,12Aに樹脂流動チャンネル50が備えられ、樹脂
射出部(20,30,40)から射出された溶融樹脂で
先ず樹脂流動チャンネル50を満たし、次いで、中子6
0とキャビティの金型面10A,12Aとで形成された
空間14内を溶融樹脂で満たす。尚、これらの図におい
ては、リング状の樹脂流動チャンネル50が中子60の
周方向に沿って設けられている例を示したが、樹脂流動
チャンネル50の方向はこれに限定するものではなく、
任意の方向とすることができる。例えば中子が球形の場
合、球の中心を通る平面とキャビティの金型面とが交わ
る部分の金型面に樹脂流動チャンネルを設けてもよい
し、球の中心を通る平面と平行な平面がキャビティの金
型面と交わる部分の金型面に樹脂流動チャンネルを設け
てもよい。通常、樹脂射出部(20,30,40)から
射出された溶融樹脂で樹脂流動チャンネル50が完全に
充填される前に、中子60とキャビティの金型面10
A,12Aとで形成された空間14内が溶融樹脂で充填
され始める。
【0045】図17の(A),(B)及び(C)並びに
図18に示す模式的な断面図は、フィルムゲートを用い
た本発明の第1の態様に係る3次元中空成形品の被覆成
形法に関連する。図17の(B)は、図17の(A)の
線B−Bに沿った模式的な断面図であり、図17の
(C)は、図17の(A)の線C−Cに沿った模式的な
断面図であり、図18は、図17の(A)の線A−Aに
沿った模式的な断面図である。ここで、図17の(A)
は、フィルムゲート20及び中子の軸線Laxを含む面で
金型等を切断したときの模式的な断面図に相当する。
【0046】また、図19は、多点ピンゲートを用いた
本発明の第2の態様に係る3次元中空成形品の被覆成形
法に関し、メインスプル部13内、ガイドスプル部32
内、多点ピンゲート30内、樹脂流動チャンネル50
内、及び中子60の表面を流れる溶融樹脂62を模式的
な透視図で示した。
【0047】あるいは又、図20に模式的な透視図を示
すように、樹脂射出部(20,30,40)に連通し、
そして中子60の軸線Laxに略平行な方向に沿って金型
面に設けられた樹脂流動チャンネル51が備えられ、樹
脂射出部(20,30,40)から射出された溶融樹脂
で先ず樹脂流動チャンネル51を満たし、次いで、中子
60とキャビティの金型面10A,12Aとで形成され
た空間14内を溶融樹脂で満たしてもよい。尚、通常、
樹脂射出部(20,30,40)から射出された溶融樹
脂で樹脂流動チャンネル51が完全に充填される前に、
中子60とキャビティの金型面10A,12Aとで形成
された空間14内が溶融樹脂で充填され始める。図20
は、メインスプル部13内、ガイドスプル部32内、多
点ピンゲート30内、樹脂流動チャンネル50,51
内、及び中子60の表面を流れる溶融樹脂62を模式に
透視して示した図である。尚、図20に示した例におい
ては、樹脂流動チャンネル51はリング状の樹脂流動チ
ャンネル50に連通しているが、樹脂流動チャンネル5
1を樹脂射出部に直接連通させてもよい。尚、勿論、中
子60の軸線Laxに略平行な方向に沿って金型面に設け
られた樹脂流動チャンネル51を本発明の第1の態様に
係る3次元中空成形品の被覆成形法に適用することがで
きる。
【0048】
【実施例】
(実施例1)実施例1においては、本発明の第1の態様
に係る3次元中空成形品の被覆成形法に基づき、図13
の(A),(B)及び図14の(A),(B)に示す構
造の金型を用いて3次元中空成形品を成形した。実施例
1においては、樹脂射出部はフィルムゲート20から成
り、フィルムゲート20の開口部21の幅方向の軸線
は、中子60の軸線Laxと略平行である。開口部21の
開口形状を、図3の(B)に示す。フィルムゲート20
の開口部21の最低の厚みHFGminを0.8mmとし、
徐々に厚みを増し、最高の厚みHFGmaxを1.0mmと
した。また、最高の厚みを有する開口部の部分と開口部
の部分との間の距離(LL)を100mmとした。フィ
ルムゲート長LFGを10mmとした。ガイドスプル部2
2の直径を6.0mmとした。フィルムゲート20は、
ガイドスプル部22を介して分岐サブスプル部16に接
続されている。尚、分岐サブスプル部16と接続された
ガイドスプル部22の部分に対向するフィルムゲート2
0の部分の開口部の厚みを、最低の厚みHFGminとする
ことが望ましい。
【0049】実施例1及び後述する実施例2において
は、中空部61を有し、厚さが一定で直管状の中子60
を使用した。尚、中子の模式的な断面図を、図21の
(B)及び(D)に示すが、図21の(D)は図21の
(B)の線D−Dに沿った模式的な断面図である。具体
的には第1の樹脂材料としてナイロン6を用いて、中子
60を押出成形法にて予め成形した。中子60の厚さ
(tC)を2.0mm、内半径rCを10mm、長さLC
を200mmとした。そして、中子60を金型のキャビ
ティ内に装着した後、中子60とキャビティの金型面1
0A,12Aとで形成された空間14内に樹脂射出部2
0から溶融樹脂を射出し、以って、中子60の外面の少
なくとも一部分(実施例においては全て)を樹脂で被覆
する。
【0050】即ち、この中子60の開口部61A(中空
部61の端部)に金属製の支持棒17を挿入した後、支
持棒17を金型に装着して、中子60を金型のキャビテ
ィ内に装着した(図12の(A)参照)。その後、中子
60とキャビティの金型面10A,12Aとで形成され
た空間14内に樹脂射出部から(より具体的には、メイ
ンスプル部13、分岐サブスプル部16、ガイドスプル
部22を介してフィルムゲート20の開口部21か
ら)、溶融樹脂62を射出した。この状態を図14の
(A)及び(B)に示す。尚、図14の(A)及び
(B)は、それぞれ図13の(A)及び(B)に対応す
る。第2の樹脂材料を、ナイロン66とした。射出すべ
き溶融樹脂の量は、溶融樹脂の射出の完了の時点で、中
子60とキャビティの金型面10A,12Aとで形成さ
れた空間14内を完全に充填するのに十分な量とした。
尚、被覆部材の厚さを2.0mmとした。成形条件を以
下のとおりとした。 樹脂温度 : 305゜C 射出圧力 : 350kgf/cm2−G
【0051】得られた3次元中空成形品の中子60に変
形は認められず、容易に良品が得られた。尚、3次元中
空成形品の模式的な断面図を、図21の(A)及び
(C)に示すが、図21の(C)は図21の(A)の線
C−Cに沿った模式的な断面図である。尚、参照番号6
3は、中子の外面を被覆する樹脂(被覆部材)である。
【0052】(実施例2)実施例2においては、本発明
の第2の態様に係る3次元中空成形品の被覆成形法に基
づき3次元中空成形品を成形した。実施例2において
は、図15の(A),(B)及び図16の(A),
(B)に示す構造の金型を用いた。即ち、実施例2にお
いては、樹脂射出部は多点ピンゲート30(12点ピン
ゲート,N=12)から成り、多点ピンゲート30の開
口部31は、中子60の軸線Laxと略平行に配列されて
いる。尚、開口部31の径を異らせた。即ち、開口部の
直径を、端から、2.00mm,1.71mm,1.4
2mm,1.27mm,1.56mm,1.86mm,
1.86mm,1.56mm,1.27mm,1.42
mm,1.71mm,2.00mmとした。また、ガイ
ドスプル部32の直径を6.0mmとした。多点ピンゲ
ート30は、ガイドスプル部32を介して分岐サブスプ
ル部16に接続されている。尚、図15の(A)及び
(B)においては、図面を簡素化するためにピンゲート
の数の図示を少なくした。
【0053】実施例1と同じ第1の樹脂材料を用いて、
中子60を押出成形法にて成形した。中子60の寸法は
実施例1と同様とした。
【0054】実施例1と同様に、この中子60の開口部
61A(中空部61の端部)に金属製の支持棒17を挿
入した後、支持棒17を金型に装着して、中子60を金
型のキャビティ内に装着した。その後、中子60とキャ
ビティの金型面10A,12Aとで形成された空間14
内に樹脂射出部から(より具体的には、メインスプル部
13、分岐サブスプル部16、ガイドスプル部32を介
して多点ピンゲート30の開口部31から)、溶融樹脂
62を射出した。使用した第2の樹脂材料及び成形条件
を実施例1と同様とした。射出すべき溶融樹脂の量は、
溶融樹脂の射出の完了の時点で、中子60とキャビティ
の金型面10A,12Aとで形成された空間14内を完
全に充填するのに十分な量とした。尚、被覆部材の厚さ
を2.0mmとした。得られた3次元中空成形品の中子
60に変形は認められず、容易に良品が得られた。
【0055】(実施例3)実施例1及び実施例2におい
ては、中子とキャビティの金型面とで形成された空間内
に、金型に設けられた樹脂射出部から溶融樹脂を射出し
た後、空間内の樹脂を冷却・固化させた。一方、実施例
3においては、金型を可動金型部と固定金型部とから構
成し、実施例1と同様に、中子とキャビティの金型面と
で形成された空間内に、金型に設けられた樹脂射出部か
ら溶融樹脂を射出した後(場合によっては射出中でもよ
い)、可動金型部を金型閉じ方向に所定量移動させる工
程(以下、圧縮工程と呼ぶ)を含む。
【0056】実施例1と圧縮工程とを組み合わせた実施
例3の被覆成形法においては、図22の(A)に模式的
な端面図を示すように、金型は、可動金型部110と固
定金型部112から構成されており、所謂印篭構造を有
している。そして、図22の(A)に示すように、可動
金型部110と固定金型部112とから成り、そして例
えばフィルムゲートから成る樹脂射出部120を有する
金型のキャビティ内に、中空部61を有する樹脂製の中
子60を装着する。尚、図22の(A)に示すこの状態
においては、固定金型部112に対して可動金型部11
0を所定の距離だけ離しておく。
【0057】そして、中子60とキャビティの金型面1
10A,112Aとで形成された空間14内に、金型に
設けられた樹脂射出部120から溶融樹脂62を射出す
る。溶融樹脂62の射出完了後、可動金型部110を金
型閉じ方向に所定量移動させる工程(圧縮工程)を実行
する。圧縮工程完了時の状態を図22の(B)に模式的
な断面図で示す。尚、射出すべき溶融樹脂の量は、圧縮
工程の完了の時点で、中子60とキャビティの金型面1
10A,112Aとで形成された空間14内を完全に充
填するのに十分な量とした。成形条件を、以下の表1に
例示する。尚、圧縮工程完了後のパーティング面114
の間には、実際には若干樹脂が挟み込まれ、かかる樹脂
が3次元中空成形品の表面にバリとして残るので、最終
的にはバリを除去すればよい。
【0058】
【表1】成形条件 使用樹脂:ナイロン66[ノバミッド3021G30] 樹脂温度:300゜C 金型温度: 50゜C 溶融樹脂の射出時間:1.0秒 樹脂射出圧力:300kgf/cm2−G 圧縮工程開始時間 :溶融樹脂の射出完了と同時 圧縮工程における可動金型部の移動量:5mm 圧縮工程における可動金型部の移動速度 圧縮開始〜1.4秒 5.00mm/秒 1.4〜1.9秒 2.00mm/秒 1.9〜2.9秒 1.00mm/秒 2.9〜6.0秒 0.32mm/秒
【0059】実施例3においては、実施例1や実施例2
にて説明した被覆成形法と比較して、樹脂射出圧力を低
減でき、溶融樹脂の流動に伴って中子に負荷される圧力
が非常に小さく、中子の変形を効果的に防止し得る。
【0060】(比較例)実施例1と同じ第1の樹脂材料
を使用して、同様の中子60を準備した。そして、実施
例1と同じ第2の樹脂材料を使用して、同様の条件で3
次元中空成形品を成形した。但し、樹脂射出部の構造は
図26の(A)に示した1点のダイレクトゲート形式と
した。得られた3次元中空成形品の中子60には変形が
発生し、良品が全く得られなかった。
【0061】以上、本発明を好ましい実施例に基づき説
明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。実施例にて説明した条件や各種部材の形状等は
例示であり、適宜変更することができる。一例として、
エアーダクトを成形する場合の中子160の模式的な斜
視図を図23の(A)に示し、図23の(A)の線B−
Bに沿った模式的な断面図を、図23の(B)に示す。
この中子160は、「U」字状部分と、U字状部分の底
部から延びる直線状部分から構成されている。このU字
状部分及び直線状部分には連通した中空部161が設け
られており、この中空部161に流体を流すことができ
る。尚、中子160は、対称の形状、構造を有する2つ
の中子部材160A,160Bを接合することで作製さ
れている。
【0062】また、図24の3次元中空成形品の模式的
な端面図に示すように、被覆部材63は中子60の接合
部分の外面及びその近傍のみを被覆していてもよい。
尚、図24に示した例においても、中子は2つの中子部
材60A,60Bを接合することで作製されている。
【0063】本発明の3次元中空成形品の被覆成形法に
おいて、少なくとも2分割された状態の形状に予め成形
された樹脂製の中子部材を接合することで中子を作製す
る場合、中子部材を相互に接合するための中子部材の接
合部分を厚肉化してもよい。尚、中子部材の接合部分と
いう用語には、中子部材の接合部分だけでなくその近傍
も含まれる。この場合、図25に模式的な断面図を示す
ように、中子部材60Aの肉厚化された接合部分64の
厚さをtPとしたとき、1.1t0≦tP≦3t0、より好
ましくは1.1t0≦tP≦2.5t0であることが望ま
しい。尚、図25において、参照番号65は接合面であ
る。また、中子がパイプ状の場合、中子部材の厚肉化さ
れた接合部分及びその近傍の部分の長さ(周の沿った長
さ)をLPとしたとき、(π/12)r0≦LP≦(π/
3)r0であることが望ましい。あるいは又、中子の中
空部は開口部を有し、開口部の近傍に相当する中子の部
分を厚肉化してもよい。この場合、中子部材の肉厚化さ
れた部分の厚さをtOPとしたとき、1.1t0≦tOP
3t0、より好ましくは1.1t0≦tOP≦2.5t0
あることが望ましい。また、中子がパイプ状である場
合、中子部材の厚肉化された部分及びその近傍の部分の
長さ(周の沿った長さ)をLOPとしたとき、(π/1
2)r0≦LOP≦(π/3)r0であることが望ましい。
【0064】
【発明の効果】本発明の第1又は第2の態様に係る3次
元中空成形品の被覆成形法によれば、被覆成形時の溶融
樹脂の圧力に起因した中子への圧力負荷を考慮して樹脂
射出部の設計を行っているために、中子に加わる溶融樹
脂の射出に起因した圧力を低減できるので、中子が被覆
成形中に変形することがなく、容易に良品を成形するこ
とができる。従って、3次元中空成形品の不具合発生率
が著しく改善されるので、生産性の向上を図ることがで
きる。また、樹脂射出部を2つ以上設ければ、被覆成形
時に、金型のキャビティ内に装着された中子に加わる溶
融樹脂の射出に起因した圧力を一層低下させることがで
きる。更に、金型面に樹脂流動チャンネルを設ければ、
金型のキャビティ内に装着された中子に加わる溶融樹脂
の射出に起因した圧力を更に一層低下させることができ
る。
【0065】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の態様に係る3次元中空成形品の
被覆成形法における樹脂射出部等の配置を示す金型、中
子等の模式的な断面図及び端面図である。
【図2】本発明の第1の態様に係る3次元中空成形品の
被覆成形法における、中子の表面及び樹脂射出部等を流
れる溶融樹脂を示す模式的な透視図である。
【図3】本発明の第1の態様に係る3次元中空成形品の
被覆成形法におけるフィルムゲートの開口部の厚みの変
化を示す金型の模式的な一部断面図である。
【図4】本発明の第1の態様に係る3次元中空成形品の
被覆成形法における別の樹脂射出部等の配置を示す金
型、中子等の模式的な端面図である。
【図5】図4に示した樹脂射出部等の配置において、中
子の表面及び樹脂射出部等を流れる溶融樹脂を示す模式
的な透視図である。
【図6】本発明の第1の態様に係る3次元中空成形品の
被覆成形法における2つの樹脂射出部を中子の軸線に対
して対称に配設した態様を示す模式的な断面図、及び中
子の表面及び樹脂射出部等を流れる溶融樹脂を示す模式
的な透視図である。
【図7】図6の(A)の線A−A及び線B−Bに沿った
金型、中子等の模式的な端面図である。
【図8】本発明の第2の態様に係る3次元中空成形品の
被覆成形法における樹脂射出部等の配置を示す模式的な
端面図である。
【図9】図8に示した樹脂射出部等の配置において、中
子の表面及び樹脂射出部等を流れる溶融樹脂を示す金
型、中子等の模式的な透視図である。
【図10】本発明の第2の態様に係る3次元中空成形品
の被覆成形法における2つの樹脂射出部を中子の軸線に
対して対称に配設した態様を示す模式的な端面図、及び
中子の表面及び樹脂射出部等を流れる溶融樹脂を示す模
式的な透視図である。
【図11】図10の(A)の線A−A及び線B−Bに沿
った金型、中子等の模式的な端面図である。
【図12】本発明の第1の態様に係る3次元中空成形品
の被覆成形法におけるフィルムゲートを分岐サブスプル
部に接続した態様を示す模式的な断面図、及び中子の表
面及び樹脂射出部等を流れる溶融樹脂を示す模式的な透
視図である。
【図13】図12の(A)の線A−A及び線B−Bに沿
った金型、中子等の模式的な端面図である。
【図14】図12の(A)の線A−A及び線B−Bに沿
って図示した金型等において、溶融樹脂の射出状態を示
す模式的な端面図である。
【図15】本発明の第2の態様に係る3次元中空成形品
の被覆成形法における多点ピンゲートを分岐サブスプル
部に接続した態様を示す模式的な端面図、及び中子の表
面及び樹脂射出部等を流れる溶融樹脂を示す模式的な透
視図である。
【図16】図15の(A)の線A−A及び線B−Bに沿
った金型、中子等の模式的な端面図である。
【図17】リング状の樹脂流動チャンネルをキャビティ
の金型面に備えた金型を用いた本発明の第1の態様に係
る3次元中空成形品の被覆成形法の一態様を示す模式的
な金型、中子等の断面図である。
【図18】図17の(A)の線A−Aに沿った金型、中
子等の模式的な断面図である。
【図19】リング状の樹脂流動チャンネルをキャビティ
の金型面に備えた金型を用いた本発明の第2の態様に係
る3次元中空成形品の被覆成形法の一態様において、中
子の表面及び樹脂射出部等を流れる溶融樹脂を示す模式
的な透視図である。
【図20】図17及び図19とは別の態様の樹脂流動チ
ャンネルをキャビティの金型面に備えた金型を用いた本
発明の第2の態様に係る3次元中空成形品の被覆成形法
の別の一態様において、中子の表面及び樹脂射出部等を
流れる溶融樹脂を示す模式的な透視図である。
【図21】3次元中空成形品の及び中子の模式的な断面
図である。
【図22】実施例3における金型の模式的な端面図、及
び、溶融樹脂を射出した後圧縮工程が完了した時点にお
ける金型の模式的な断面図である。
【図23】エアーダクトを成形する場合の中子の模式的
な斜視図及び模式的な断面図である。
【図24】3次元中空成形品の模式的な端面図である。
【図25】肉厚化された接合部分を有する中子部材の模
式的な断面図である。
【図26】従来の被覆成形法における樹脂射出部の配置
等の模式的な端面図である。
【符号の説明】
10,12 金型 10A,12A 金型面 11 金型スライド部 11A 金型スライド部の金型面 13 メインスプル部 14 空間 15A,15B ランナ部 16 分岐サブスプル部 17 支持棒 20 フィルムゲート 21 フィルムゲートの開口部 22,32 ガイドスプル部 30 多点ピンゲート 31 多点ピンゲートの開口部 40A,40B 多点サイドゲート 41A,41B 多点ピンゲートの開口部 50,51 樹脂流動チャンネル 60,160 中子 60A,60B,160A,160B 中子部材 61,161 中空部 61A 中子の開口部 62 溶融樹脂 63 被覆部材 64 肉厚化された接合部分 65 接合面 110 可動金型部 112 固定金型部 110A,112A キャビティの金型面 120 樹脂射出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柿木 修 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内 (72)発明者 伊藤 尊之 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内 (72)発明者 木下 英樹 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中空部を有する樹脂製の中子を金型のキャ
    ビティ内に装着した後、該中子とキャビティの金型面と
    で形成された空間内に、該金型に設けられた樹脂射出部
    から溶融樹脂を射出し、以って、該中子の外面の少なく
    とも一部分を樹脂で被覆する工程から成る3次元中空成
    形品の被覆成形法であって、 樹脂射出部はフィルムゲートから成り、該フィルムゲー
    トの開口部の幅方向の軸線は中子の軸線と略平行である
    ことを特徴とする3次元中空成形品の被覆成形法。
  2. 【請求項2】中子の周方向に沿ったフィルムゲートの開
    口部の厚みを、中子の軸線方向に沿って変化させること
    を特徴とする請求項1に記載の3次元中空成形品の被覆
    成形法。
  3. 【請求項3】中空部を有する樹脂製の中子を金型のキャ
    ビティ内に装着した後、該中子とキャビティの金型面と
    で形成された空間内に樹脂射出部から溶融樹脂を射出
    し、以って、該中子の外面の少なくとも一部分を樹脂で
    被覆する工程から成る3次元中空成形品の被覆成形法で
    あって、 樹脂射出部は多点ピンゲート若しくは多点サイドゲート
    から成り、該多点ピンゲート若しくは多点サイドゲート
    の開口部は、中子の軸線と略平行に配列されていること
    を特徴とする3次元中空成形品の被覆成形法。
  4. 【請求項4】多点ピンゲート若しくは多点サイドゲート
    の開口部のそれぞれの径が異なることを特徴とする請求
    項3に記載の3次元中空成形品の被覆成形法。
  5. 【請求項5】複数の樹脂射出部を中子の軸線に対して対
    称に配設することを特徴とする請求項1乃至請求項4の
    いずれか1項に記載の3次元中空成形品の被覆成形法。
  6. 【請求項6】樹脂射出部に連通し、そして金型面に設け
    られた樹脂流動チャンネルを金型は更に備え、 樹脂射出部から射出された溶融樹脂で先ず樹脂流動チャ
    ンネルを満たし、次いで、中子とキャビティの金型面と
    で形成された空間内を溶融樹脂で満たすことを特徴とす
    る請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の3次元
    中空成形品の被覆成形法。
  7. 【請求項7】リング状の樹脂流動チャンネルが、中子の
    周方向に沿って金型面に設けられていることを特徴とす
    る請求項6に記載の3次元中空成形品の被覆成形法。
  8. 【請求項8】樹脂流動チャンネルが、中子の軸線に略平
    行な方向に沿って金型面に設けられていることを特徴と
    する請求項6に記載の3次元中空成形品の被覆成形法。
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