JPH082527A - 紙製パレツト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量、安価であると共に強度にすぐれた紙製
パレツトを提供する。 【構成】 厚紙製の天板１０及び底板２０と、天板１０
と底板２０との間に空間部４００を設けて、両者を固着
連結する厚紙製の脚部材３０，３０，３０Ｂとからなる
紙製パレツトにおいて、前記空間部４００に断面コの字
状に屈曲した段ボールシート製の補強材４０を、両側部
４１，４１ではその段目方向が上下方向となって脚部材
３０又は３０Ｂに当接すると共に、上部４２では天板１
０の下面に当接してなるもの。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、紙製パレツトに関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】紙製パレツトは、木材パレツトに比べ軽
量で安価な上に、パレツトの材料となる木材資源の保護
や木材の病害虫の駆除の面から種々なものが考えられて
きたが、従来の紙製パレツトは、強度的に問題があるも
のが多く、また、強度的に優れたものは紙の使用量が多
く重量が大きく、価格的にも高くつく欠点があった。

【０００３】これらの問題を解決するために、図９に示
すような、段ボールシート製筒体４を図８に示すよう
に、脚部材３を介して天板１と底板２との間に設けた空
間部、すなわち、フオークリフトのフオーク差込口６に
挿入して補強した紙製パレツトがあったが、このもの
は、フオーク差込口６がフオークにより破損を受けるの
を防止する効果はあるものの、荷物を載せてローラーコ
ンベア５上を搬送する際には、荷物の重さにより筒体４
の上下の屈曲部が押圧力に負け座屈するため、図１０に
示すように、筒体４は上下方向に寸法収縮し、脚部材３
の補強材としての効果は望めず、脚部材３自体の強度を
上げないとローラー５がパレツトの底面にくい込んでス
リツプし、ローラーコンベア５上をパレツトが移動しに
くくなるという問題点や、天板１のたわみが大きくなる
という問題点があった。これは筒体４が段ボールシート
でできており、段ボールシートを筒体４に形成する際に
は４本の折曲げ線を設けて段ボールシートを屈曲させる
が、このようにすることにより屈曲部の段ボールの波形
が変形させられ、その部分の強度劣化が起こるからであ
り、上下方向から筒体４に力を加えると上下の屈曲部に
変形が起こり寸法上の大きな変位量となるからである。
一方、脚部材３自体を大きくしてこれらの問題を解決し
ようとすると、フオークリフトの差込口６が小さくなっ
たり、パレツトの重量が重くなったりして扱いにくくな
るという欠点があった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、軽量、安価
であると共に強度にすぐれた紙製パレツトを提供するも
のである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明紙製パレツトは、
上記目的を達成するため、図示するように、厚紙製の天
板１０及び底板２０と、天板１０と底板２０との間に空
間部４００を設けて、両者を固着連結する厚紙製の脚部
材３０，３０，３０Ｂとからなる紙製パレツトにおい
て、前記空間部４００に断面コの字状に屈曲した段ボー
ルシート製の補強材４０を、両側部４１，４１ではその
段目方向が上下方向となって脚部材３０又は３０Ｂに当
接すると共に、上部４２では天板１０の下面に当接して
なるものである。

【０００６】

【実施例１】本発明の実施例が図１乃至図５に示されて
いる。

【０００７】本例の紙製パレツトは、天板１０と底板２
０と３個の脚部材３０，３０，３０Ｂと２個の補強材４
０，４０とからなっている。

【０００８】天板１０及び底板２０は、Ｂフルートと２
段のＡフルートで形成する方形状の複々両面段ボールか
らなる。

【０００９】脚部材３０は、１対の複両面段ボール製の
目かくし当板３１，３１を前後に固着できるようにした
角柱状の段ボール積層体３２とからなっている。

【００１０】補強材４０は、複両面段ボールシートをそ
の段目方向が上下方向になった両側部４１，４１をもつ
断面コ字の樋状に形成されるように折り曲げられる。

【００１１】従って、天板１０と底板２０とを、２つの
フオークリフトのフオーク差込口を形成する、空間部４
００，４００を残して、脚部材３０，３０，３０Ｂを介
して固着連結したのち、各空間部４００に、それぞれ補
強材４０を、両側部４１，４１ではその段目方向が上下
方向となって脚部材３０又は３０Ｂに当接し、上部４２
では天板１０の下面に当接すれば本発明パレツトが完成
する。

【００１２】本実施例において、天板１０及び底板２０
に用いる複々両面段ボールは、Ｂフルートと２段のＡフ
ルートで形成されているが、３段のＡフルートで形成し
てもよく、これらのうちの１段を他の２段に対し、段目
方向を直交させるものでもよい。また天板１０及び底板
２０は、２段のＡフルートで形成する複両面段ボールを
用いてもよい。さらに脚部材３０Ｃ又は３０Ｄはハニカ
ム状の紙体を挿入したものでもよく、この脚部材３０Ｃ
又は３０Ｄ及び補強材４０Ｃは、図６及び図７に示すよ
うに、フオーク差込口が４方向にできるように幾つかに
分割したものでもよい。また、本実施例における補強材
４０は各空間部４００に後から挿入する構成となってい
るが、あらかじめ脚部材３０又は３０Ｂに固着しておい
てもよい。このパレツトに荷物６０を積載し、合成樹脂
製包装帯６１を各空間部４００に通して荷物６０にか
け、バンド締めすると、図５に示すように荷物６０が固
定できる。

【００１３】

【作用】本発明パレツトに荷物を積載したのち、フオー
クリフトで本発明パレツトを稼働中のローラーコンベア
５０上に移しても、図４に示すように、断面コ字状の補
強材４０の屈曲部は天板１０側にしかないので、補強材
４０の寸法収縮は少くてすみ、補強材４０は天板１０の
たわみおよび脚部材３０潰れを効果的に補強し、底板２
０の空間部４００に対応する部分も、たゆんで凹むこと
がなく、ローラー５０上を容易に移動できる。

【００１４】

【発明の効果】本発明によれば、パレツトの空間部にお
いて、断面コ字状の補強材が脚部材及び天板の下面に当
接するだけで、ローラーコンベア運搬中の紙製パレツト
の底板の凹みを防止できる。また、補強材のうち天板の
下面に当接する上部で、合成樹脂製包装帯の食い込みや
フオークリフトのつめによる破損あるいは天板のたわみ
を防止し、段目方向が上下方向で脚部材に当接する両側
部で脚部材の補強の役割をしており、全体として無駄が
ない。さらに、本発明パレツトは簡単かつ少ない材料で
形成され、軽量であるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明品の実施例を示す斜視図である。

【図２】図１の脚部材の拡大斜視図である。

【図３】図１の補強材を下方からみた拡大斜視図であ
る。

【図４】荷物を積載したときの図１の本発明品がローラ
ーコンベア上を通過するときの説明図である。

【図５】荷物を積載したときの図１の本発明品の斜視図
である。

【図６】本発明品の別の実施例を示す斜視図である。

【図７】図６の本発明品の一部を切り欠いて断面で示し
た平面図である。

【図８】従来品の正面図である。

【図９】図６の補強材の斜視図である。

【図１０】荷物を積載したときの従来品がローラーコン
ベア上を通過するときの説明図である。

【符号の説明】

１０ 天板 ２０ 底板 ３０，３０Ｂ 脚部材 ４０ 補強材 ４００ 空間部 ４１ 補強材の側部 ４２ 補強材の上部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 厚紙製の天板及び底板と、天板と底板と
   の間に空間部を設けて、両者を固着連結する厚紙製の脚
   部材とからなる紙製パレツトにおいて、前記空間部に断
   面コの字状に屈曲した段ボールシート製の補強材を、両
   側部ではその段目方向が上下方向となって脚部材に当接
   すると共に、上部では天板の下面に当接してなることを
   特徴とした紙製パレツト。