JPH08251844A - マグネットホルダおよびその成形方法 - Google Patents

マグネットホルダおよびその成形方法

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JPH08251844A
JPH08251844A JP7051195A JP7051195A JPH08251844A JP H08251844 A JPH08251844 A JP H08251844A JP 7051195 A JP7051195 A JP 7051195A JP 7051195 A JP7051195 A JP 7051195A JP H08251844 A JPH08251844 A JP H08251844A
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Shuji Sukai
周史 須貝
Susumu Aoki
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 マグネットの寸法ばらつきを吸収してマグネ
ット挿入時のがたつきを防止できるマグネットホルダと
その成形方法を提供する。 【構成】 マグネットホルダ10のリング11上面に突
設された複数本の隔壁部12の先端面に凹部14が没設
されて凹部14の周方向の両側壁で一対の弾性変形部1
5が形成され、弾性変形部15の先端部に押圧凸部16
が各隔壁部間で構成されたマグネット保持部13側に突
設されている。マグネットホルダ10の成形に際し、リ
ング11、隔壁部12、押圧凸部16が可動型と固定型
との合わせ面に形成されたキャビティーで成形され凹部
14が凹部成形型で成形された後に、凹部成形型がキャ
ビティー開閉と同一方向に進退されて成形品であるマグ
ネットホルダ10から先に離型され、次に、マグネット
ホルダ10が弾性変形部15を凹部14の空所側に弾性
変形されながらキャビティーから離型される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マグネットホルダの製
造技術に関し、特に、回転電機の界磁子を構成する界磁
マグネット(以下、マグネットという。)をヨーク内に
おいて固定的に保持するマグネットホルダに係り、例え
ば、車載用モータの固定子に使用されるマグネットホル
ダの製造に利用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、車載用モータのヨーク内におい
てマグネットを固定するのに、樹脂が使用されて一体成
形されているマグネットホルダであって、リングの一端
面に柱形状の隔壁部が複数本周方向に間隔を置かれて一
体的に突設され、隣合う隔壁部間によってそれぞれ形成
された各保持部内に各マグネットを収容して保持するよ
うに構成されているマグネットホルダが使用されてい
る。
【0003】この種のマグネットホルダにおいては、樹
脂の弾性力による隔壁部の撓みによってマグネットを挟
んで保持している。ところが、樹脂の弾性力だけではマ
グネットの寸法のばらつきを充分に吸収することができ
ずに、隔壁部による挟持力が不足する場合がある。そこ
で、隣合う隔壁部の間隔を小さく設定することで大きな
挟持力を確保しようとすると、マグネットの寸法が大き
い方にばらついた場合に、隔壁部間へのマグネットの圧
入に際してマグネットが隔壁部の樹脂を削ぎとってしま
い、その切り屑が異物になって不具合を派生させる危惧
がある。
【0004】隔壁部の切り屑の発生を回避しつつ、マグ
ネットの寸法ばらつきを充分に吸収する技術として、隔
壁部の径方向内側を向く側面の中央に縦溝を全高にわた
って没設するとともに、隔壁部の保持部側面にマグネッ
トの側面に押圧する押圧凸部を隔壁部の全高にわたって
突設する構造が、提案され得る。つまり、この構造によ
れば、押圧凸部のマグネットへの押圧に伴って隔壁部の
両側壁が縦溝内に弾性変形することができるため、マグ
ネットの寸法ばらつきを吸収することができ、他方、隔
壁部は両側壁の弾性変形による撓み力によってマグネッ
トを強力に挟持することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記したマグ
ネットの寸法ばらつきを吸収する構造においては、隔壁
部における弾性変形のスパンが短いため、マグネットの
寸法ばらつきを充分に吸収することができないという問
題点があることが、本発明者によって明らかにされた。
つまり、マグネットの寸法が大きい方にばらついた場合
には隔壁部は押圧凸部を介して縦溝内に大きく押し込ま
れる状態になるが、縦溝の径方向の深さが小さいことに
より充分に撓むことができないため、樹脂の弾性限界を
越えて隔壁部が破損される可能性がある。
【0006】本発明の目的は、マグネットの寸法ばらつ
きを充分に吸収することができるとともに、マグネット
の圧入に際しての損傷を確実に防止することができるマ
グネットホルダおよびその合理的な成形方法を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るマグネット
ホルダは、複数本がリングの一端面に周方向に間隔を置
かれて一体的に突設された隔壁部の先端面に凹部が一体
的にそれぞれ没設されているとともに、この凹部の周方
向の両側壁により一対の弾性変形部がそれぞれ形成され
ており、さらに、各弾性変形部の先端部には各隔壁部間
で構成されてマグネットを保持する保持部側に突出する
各押圧凸部がそれぞれ一体的に突設されていることを特
徴とする。
【0008】このマグネットホルダの成形方法として
は、リング、各隔壁部および押圧凸部が互いに開閉され
る第1型と第2型との合わせ面に形成されたキャビティ
ーによって成形されるとともに、押圧凸部を成形する成
形部に対して第1型と第2型の開閉方向と同一方向に進
退する第3型によって凹部がそれぞれ成形された後に、
第3型が成形品から先に離型され、次いで、押圧凸部を
成形された弾性変形部が第3型の離型によって形成され
た凹部の空所側に弾性変形されながら成形品が離型され
ることを特徴とするマグネットホルダの成形方法を、使
用することができる。
【0009】
【作用】前記したマグネットホルダにおいて、保持部に
マグネットを固定するに際して、弾性変形部には押圧凸
部が保持部側に突設されているため、弾性変形部は保持
部と反対側に押される状態になる。この際、弾性変形部
の保持部と反対側には凹部の空所が形成されているた
め、弾性変形部は凹部の空所内に撓み込む状態に変形す
ることができる。しかも、弾性変形部は凹部の両側壁に
よって形成されているため、凹部の底を起点にして凹部
の深さ分の長いスパンを持って大きく弾性変形すること
ができる。つまり、隔壁部を形成する材料自体の弾性範
囲内において、マグネットの大きな寸法ばらつきを充分
に吸収することができるとともに、所定の押圧力をもっ
てマグネットを確実に保持することができる。
【0010】このマグネットホルダの成形に際して、隔
壁部の周方向側面には押圧凸部が外向きに突出した状態
になるため、隔壁部を成形した型から隔壁部をリングの
軸方向に離型させることができない。しかし、前記した
マグネットホルダの成形方法においては、隔壁部の先端
面に凹部を成形した第3型が成形品から先に離型される
ことにより弾性変形部の内側に凹部の空所が予め形成さ
れるため、成形品を軸方向に離型させることができる。
つまり、隔壁部の軸方向への離型に際して、押圧凸部が
キャビティーの押圧凸部成形部の内面に干渉した状態に
なるが、その干渉の進行に伴う押圧凸部成形部の内面か
らの押圧凸部への押し力によって弾性変形部が凹部の空
所内に弾性変形するため、押圧凸部の突出にかかわらず
隔壁部は軸方向へ離型させることができる。
【0011】
【実施例】図1は本発明の一実施例であるマグネットホ
ルダを示しており、(a)は斜視図、(b)は拡大部分
斜視図、(c)はマグネット組付状態の一部省略一部切
断平面図、(d)はその正面断面図である。図2は本発
明の一実施例であるマグネットホルダの成形方法に使用
される成形装置を示す外観斜視図である。図3以降は本
発明の一実施例であるマグネットホルダの成形方法の各
工程を示す展開断面を含む正面図である。
【0012】本実施例において、本発明に係るマグネッ
トホルダは、車載用モータの固定子に使用されるマグネ
ットホルダとして構成されており、電気的絶縁性および
非磁性を有する樹脂が用いられて、後述する本発明の一
実施例であるマグネットホルダ成形方法によって一体成
形されている。
【0013】ここで、マグネットホルダに保持される被
保持物としてのマグネット1は車載用モータの固定子に
おける界磁極を構成するものとして設定されており、フ
ェライトや希土類金属系の永久磁石材料(ハード磁性材
料)が用いられて円弧形状の六面体に焼成されている。
本実施例において、マグネット1の外径は固定子のヨー
クの内径と略等しく設定され、その内径はマグネット1
の内面とモータの回転子の外周面との間に所定のエアギ
ャップが形成される寸法に設定されている。本実施例に
おいて、マグネット1の周方向の幅はヨークの内周を6
等分した寸法よりも後記する隔壁部に対応して小さく設
定されている。さらに、マグネット1の周方向の両側面
同士および軸方向の両端面同士はそれぞれ互いに平行に
形成されている。
【0014】成形品としてのマグネットホルダ10は本
体であるリング11を備えている。リング11は断面が
略正方形の円形リング形状に一体成形されており、その
外径はマグネット1の外径と略等しく設定され、内径は
マグネット1の内径よりも若干小さく設定されている。
リング11の一端面(以下、上面とする。)には支柱形
状の隔壁部12が複数本(本実施例においては、6
本)、周方向に等間隔に配されて上面に直角にそれぞれ
突設されており、隔壁部12の高さはマグネット1の高
さよりも低く設定されている。そして、隣合う隔壁部1
2、12の間の各区画によってマグネット1を保持する
ための保持部13がそれぞれ構成されており、各保持部
13の平面形状はマグネット1の平面形状と略等しく、
その高さはマグネット1の高さよりも低くなっている。
各隔壁部12の横断面形状は斜辺同士が等しい略台形に
形成され、その台形は中心線がリング11の法線に一致
されて短辺側が径方向内側に向けられた状態に配置され
ている。本実施例において、隔壁部12の斜辺の底角
は、隣合う隔壁部12、12の互いに対向する側面(以
下、対向側面という。)同士が平行になるように60度
に設定されており、対向側面がマグネット1の平行な側
面同士と合致するようになっている。
【0015】各隔壁部12の先端面である上端面には弾
性変形を吸収するための凹部14が一体的に没設されて
おり、各隔壁部12の上端部における凹部14の両脇に
は一対の弾性変形部15、15が相対的にそれぞれ形成
されている。凹部14の平面形状は隔壁部12の台形よ
りも小さい略台形に設定されており、その台形が凹部1
4の内側に相似形に配置された状態になっている。した
がって、両弾性変形部15、15は互いに等しい横断面
長方形の平板形状にそれぞれ形成されている。凹部14
の深さは弾性変形部15がその基端部を起点にして凹部
14の空所内側へ撓むように弾性変形し得る充分なスパ
ンを確保する寸法に設定されている。本実施例におい
て、弾性変形部15の弾性変形スパンを規定する凹部1
4の深さ寸法は、隔壁部12の高さよりも小さく、隔壁
部12の径方向の厚さよりも大きくなるように設定され
ている。
【0016】各弾性変形部15の対向側面における上端
部には保持部13側に突出する押圧凸部16が上端辺に
沿って一体的に突設されている。押圧凸部16は先端面
が丸められた山形状に形成されており、山形状の高さお
よび幅が径方向の全長にわたって一定に設定されて横向
きに突設されている。したがって、押圧凸部16の頂部
はマグネット1の側面に径方向の全長にわたって均一に
接するようになっている。また、押圧凸部16の山の高
さはマグネット1の側面に押圧した状態で弾性変形部1
5を充分に弾性変形させ得る寸法に設定されている。
【0017】ここで、以上のように構成されたマグネッ
トホルダ10の作用を説明する。マグネットホルダ10
の隣合う隔壁部12、12間で構成された保持部13に
マグネット1が上から挿入されると、押圧凸部16が保
持部13側に突出されているため、弾性変形部15はマ
グネット1の側面によって相対的に反対側へ押される状
態になる。この際、弾性変形部15の保持部13と反対
側には凹部14の空所が形成されているため、弾性変形
部15は凹部14の空所内に撓み込む状態に変形する。
しかも、弾性変形部15は凹部14の両側壁によって形
成されているため、凹部14の底を起点にして凹部14
の深さ分の長いスパンを持って大きく弾性変形すること
になる。つまり、隔壁部12を形成する樹脂自体の弾性
範囲内において、大きく弾性変形することができる。
【0018】このようにして弾性変形部15がマグネッ
ト1の挿入に際して、大きく弾性変形するため、マグネ
ット1の側面は押圧凸部16に押接しながら挿入されて
行くにもかかわらず、損傷されることはない。
【0019】以上のようにして全ての保持部13にマグ
ネット1が挿入された状態において、マグネット1は両
脇の隔壁部12、12の弾性変形部15、15の弾性力
によって両側面を向き合う方向に押圧されるため、強固
に保持された状態になる。すなわち、各弾性変形部15
はそれら自体の弾性変形による弾性力によって各マグネ
ット1を介して相互に押し合う状態になることにより、
全てのマグネット1を一括的に保持した状態になる。
【0020】ところで、マグネット1は焼成されるた
め、完成品の寸法ばらつきが比較的大きいのが通例であ
る。例えば、保持されるマグネット1の周方向の寸法が
小さい場合には、弾性変形部15がマグネット1によっ
て押される量が小さくなるため、それに伴う弾性変形部
15の弾性変形量は小さくなり、マグネット1の両側の
弾性変形部15、15による保持力が低下してしまう。
そこで、押圧凸部16の突出量を大きく設定することに
より、弾性変形部15がマグネット1によって押される
量を増加させて保持力を増強させることが考えられる。
しかし、周方向の寸法が大きい方にばらついたマグネッ
ト1が保持される場合には、マグネット1によって弾性
変形部15が押される量が大きくなるため、弾性変形量
が樹脂の弾性限界を越える程過剰になってしまい、弾性
変形部15が破損される危惧が発生する。
【0021】しかし、本実施例においては、弾性変形部
15が撓み変形するスパンはきわめて長いため、弾性変
形部15が大きく変形しても樹脂自体の弾性限界を越え
るのを回避することができる。つまり、弾性変形部15
が破損される危険性は未然に防止することができる。す
なわち、本実施例によれば、弾性変形部15の弾性変形
によってマグネット1の大きな寸法ばらつきを充分に吸
収することができるとともに、比較的に大きな寸法ばら
つきを有するマグネット1を全ての寸法ばらつきについ
て予め設定された保持力の範囲内で確実に保持すること
ができる。
【0022】次に、以上の構成および作用を有するマグ
ネットホルダ10の成形方法を説明する。まず、このマ
グネットホルダ成形方法には図2以下に示されているマ
グネットホルダ成形装置20が使用される。このマグネ
ットホルダ成形装置20は第1取付板21と第2取付板
22とを備えており、両取付板21と22とは互いに平
行に配置された状態で複数本のガイドレール23によっ
て連結されている。第2取付板22の一主面(以下、上
面とする。)には第2型である固定型25が上向きに据
え付けられており、固定型25には後記するキャビティ
ーに成形材料としての液状樹脂(以下、レジンとい
う。)を注入するためのゲート24が開設されている。
このゲート24には射出成形機のノズル(図示せず)が
流体的に接続されるようになっている。
【0023】固定型25の上面には第1型としての可動
型26が離脱可能に型合わせされるように配設されてお
り、固定型25と可動型26との合わせ面にはキャビテ
ィー27が形成されている。キャビティー27は前記し
たマグネットホルダ10におけるリング11、各隔壁部
12および押圧凸部16を一体的に成形するように、内
形がそられの外形に倣って形成されている。すなわち、
キャビティー27はリング成形部28と、複数本(本実
施例においては、6本)の隔壁部成形部29と、一対で
複数組(同じく6組)の押圧凸部成形部30とを備えて
おり、リング成形部28が固定型25側に向けられて各
隔壁部成形部29が垂直になるように配置されている。
そして、成形空間としては存在しないが、キャビティー
27にはマグネットホルダ10の保持部13を成形する
ための保持部成形部31が複数箇所(同じく6箇所)
に、リング成形部28の上面における隣合う隔壁部成形
部29と29との間に相対的に形成されている。
【0024】可動型26における各隔壁部成形部29の
先端面(天井面)に対向する位置には第3型を案内する
ためのガイド孔32が、可動型26の上面と各隔壁部成
形部29の内部とを連通させるように垂直方向にそれぞ
れ開設されており、各ガイド孔32には第3型としての
凹部成形型33のそれぞれが摺動自在に嵌入されてい
る。各凹部成形型33の可動型26への挿入端部はマグ
ネットホルダ10の凹部14の内形に倣う外形を有する
略台形の角柱形状に形成されている。各凹部成形型33
の上端部は可動型26の上方に平行に配されてガイドレ
ール23群に摺動自在に支承された可動盤34に固定的
に連結されており、可動盤34は第1取付板21の上面
に下向きに据え付けられたシリンダ装置35のラム36
に吊持されて、シリンダ装置35によって往復運動され
るようになっている。
【0025】可動型26における複数箇所の保持部成形
部31に対応する位置にはノックアウトピン37を挿通
するための挿通孔38が、リング成形部28に開口する
ように開設されており、この挿通孔38にはスプリング
装着室39が連続して開設されている。挿通孔38には
ノックアウトピン37の先端部が摺動自在に挿通されて
おり、ノックアウトピン37の後端はスプリング装着室
39を挿通して可動型26の上方に配置された可動盤3
4を貫通して上方に達している。また、ノックアウトピ
ン37の中間部にはスプリングシート部37aが突設さ
れており、ノックアウトピン37のスプリング装着室3
9内の外周にはスプリング40がスプリング装着室39
とスプリングシート部37aとの間で蓄力状態に装着さ
れている。可動型26の上面には係合板41が止着され
ており、係合板41のノックアウトピン37に対応する
位置の下面にはスプリングシート部37aがスプリング
装着室39側から係合されている。したがって、ノック
アウトピン37はスプリング40によって常時上方に付
勢された状態になっているが、スプリングシート部37
aが係合板41に係合した状態において上方への移動を
阻止されることになる。また、ノックアウトピン37の
可動盤34の上方に突き出た上端部外周にはクッション
42が固着されている。
【0026】可動型26における外周辺部の複数箇所に
はガイド穴43が垂直にそれぞれ開設されており、各ガ
イド穴43には可動盤34に上端が固定的に連結された
各ロッド44の下端部が摺動自在にそれぞれ挿入されて
いる。各ロッド44のガイド穴43に挿入された下端部
には係合板41の下面にガイド穴43側から係合する係
合部44aが突設されており、各ロッド44のガイド穴
43から突き出た部分にはスプリング45が係合板41
と可動盤34との間で蓄力状態に外装されている。した
がって、可動型26は各ロッド44の係合部44aが係
合板41に係合しない範囲において可動盤34に反力を
取ったスプリング45によって常時下方に付勢される状
態になっており、各ロッド44の係合部44aが係合板
41に係合した状態において可動型26は可動盤34に
ロッド44群および係合板41を介して吊持されるよう
になっている。つまり、可動型26は可動盤34に所定
の範囲内で独立懸架された状態になっている。
【0027】次に、以上の構成を有するマグネットホル
ダ成形装置20の作用を説明することにより、本発明の
一実施例である前記構成に係るマグネットホルダ10の
成形方法並びにその作用を説明する。
【0028】図2および図3に示されているように、シ
リンダ装置35が伸長作動されて可動型26および凹部
成形型33が固定型25に型締めされてキャビティー2
7が形成されると、レジン46がゲート24からキャビ
ティー27に注入されて充填される。このレジン46の
充填に伴って可動型26および凹部成形型33に作用す
る型を開こうとする応力は、シリンダ装置35のラム3
6によって支持されている可動盤34に反力をとったス
プリング45群によって押さえられる。キャビティー2
7に充填されたレジン46が硬化すると、キャビティー
27によって前記構成に係るマグネットホルダ10が成
形される。
【0029】レジン46が硬化した後、図4に示されて
いるように、シリンダ装置35が短縮作動されて可動盤
34が第1段だけ上昇されると、可動盤34に固定され
た各凹部成形型33が可動型26の各ガイド孔32を摺
動してマグネットホルダ10の各凹部14から離型され
る。この際、可動盤34に固定された各ロッド44も上
昇されるが、各ロッド44は各ガイド穴43を摺動する
ため、可動型26は上昇されない。また、可動盤34の
上昇に伴って各スプリング45も伸長するが、各スプリ
ング45は可動型26を押さえ続けるようにスプリング
力を予め設定されている。
【0030】続いて、図5に示されているように、シリ
ンダ装置35がさらに短縮作動されて可動盤34が第2
段上昇されると、可動盤34に固定された各ロッド44
の係合部44aが係合板41に下から係合するため、可
動型26は吊り上げられる。この際、キャビティー27
によって成形されたマグネットホルダ10はその各押圧
凸部16が可動型26の各押圧凸部成形部30にそれぞ
れ係合した状態になっているため、可動型26側のキャ
ビティー27に嵌入した状態のまま一緒に吊り上げられ
る。
【0031】次いで、図6に示されているように、シリ
ンダ装置35がさらに短縮作動されて可動盤34が第3
段上昇されると、可動型26は可動盤34に固定された
各ロッド44を介してさらに上昇され、各ノックアウト
ピン37のクッション42が第1取付板21の下面に突
き当たり各ノックアウトピン37が可動型26に対して
相対的に下降される。この可動型26に対する下降に伴
って、各ノックアウトピン37はキャビティー27のリ
ング成形部28内に突出することにより、リング11の
上面における各保持部13が位置する部位を押し下げる
ため、成形品であるマグネットホルダ10は可動型26
のキャビティー27から離型される。このノックアウト
ピン37の押し下げによる離型に際して、各押圧凸部1
6が各押圧凸部成形部30にそれぞれ係合した状態にな
っているため、マグネットホルダ10のキャビティー2
7からの離型は妨げられる。
【0032】しかし、本実施例においては、各隔壁部1
2の先端面に各凹部14を成形した各凹部成形型33が
成形品であるマグネットホルダ10から先に離型される
ことにより、各弾性変形部15の内側に各凹部14の空
所が予め形成されているため、ノックアウトピン37の
押し下げによってマグネットホルダ10をキャビティー
27から離型させることができる。すなわち、図6に示
されているように、マグネットホルダ10がノックアウ
トピン37によって押し下げられるのに伴って、押圧凸
部16がキャビティー27の隔壁部成形部29の内面に
移行することにより、押圧凸部16が隔壁部成形部29
の内面から突出している分だけ、この押圧凸部16が突
設された弾性変形部15は隔壁部成形部29の内面と反
対方向に押し力を付勢される状態になる。このとき、弾
性変形部15の隔壁部成形部29の内面と反対側には凹
部14の空所が形成されているため、弾性変形部15は
この空所内に逃げるように撓むことができる。その結
果、押圧凸部16は押圧凸部成形部30との係合状態を
離脱することができるとともに、キャビティー27の隔
壁部成形部29の内面を通過することができるため、成
形品であるマグネットホルダ10はキャビティー27か
らノックアウトピン37による軸方向への押し力によっ
て離型することができる。
【0033】ところで、押圧凸部16を係合した押圧凸
部成形部30から軸方向に離型させる方法として、リン
グ成形部28に固定型(第2型)25側からスライド型
を挿通して押圧凸部成形部30に押圧凸部16を逃げる
ため空所を形成させる成形方法が考えられる。しかし、
この成形方法によれば、マグネットホルダ10のリング
11のスライド型の挿通部位に貫通孔が開設されてしま
うため、成形品であるマグネットホルダ10におけるリ
ング11の強度が低下してしまうという問題点が発生す
る。本実施例によれば、リング11には貫通孔が開設さ
れないため、強度が低下することはない。
【0034】また、マグネットホルダ成形装置において
マグネットホルダ10の保持部13を成形する第3型を
第1型に対してマグネットホルダ10の径方向にスライ
ドするように構成することによっても、隔壁部12の側
面に押圧凸部16を突設することができる。しかし、こ
のマグネットホルダ成形装置においては、第3型を第1
型に対して直角にスライドされる構造がきわめて複雑に
なってしまうという問題点がある。本実施例において
は、第3型である押圧凸部成形型は第1型である可動型
26と同一方向にスライドされるため、その構造は単純
である。
【0035】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々
変更可能であることはいうまでもない。
【0036】例えば、マグネットホルダを成形する材料
としての樹脂は、熱可塑性のものに限らず、熱硬化性の
ものを使用することができる。また、マグネットホルダ
を成形する材料としては樹脂に限らず、アルミニウム等
の金属を使用してもよい。
【0037】前記実施例においては、車載用モータに使
用されるマグネットホルダについて説明したが、本発明
に係るマグネットホルダはこれに限らず、他の用途のモ
ータや磁石発電機の回転子等の回転電機の界磁子に使用
することができる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
マグネットの寸法ばらつきを充分に吸収することができ
るとともに、マグネットの圧入に際しての損傷を確実に
防止することができるマグネットホルダを提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるマグネットホルダを示
しており、(a)は斜視図、(b)は拡大部分斜視図、
(c)はマグネット組付状態の一部省略一部切断平面
図、(d)はその正面断面図である。
【図2】本発明の一実施例であるマグネットホルダの成
形方法に使用される成形装置を示す外観斜視図である。
【図3】本発明の一実施例であるマグネットホルダの成
形方法の成形工程を示す展開断面を含む正面図である。
【図4】凹部成形型の離型工程を示す展開断面を含む正
面図である。
【図5】型開き工程を示す展開断面を含む正面図であ
る。
【図6】成形品の離型工程を示す展開断面を含む正面図
である。
【符合の説明】
1…マグネット、10…マグネットホルダ、11…リン
グ、12…隔壁部、13…保持部、14…凹部、15…
弾性変形部、16…押圧凸部、20…マグネットホルダ
成形装置、21…第1取付板、22…第2取付板、23
…ガイドレール、24…ゲート、25…固定型(第2
型)、26…可動型(第1型)、27…キャビティー、
28…リング成形部、29…隔壁部成形部、30…押圧
凸部成形部、31…保持部成形部、32…ガイド孔、3
3…凹部成形型(第3型)、34…可動盤、35…シリ
ンダ装置、36…ラム、37…ノックアウトピン、37
a…スプリングシート部、38…挿通孔、39…スプリ
ング装着室、40…スプリング、41…係合板、42…
クッション、43…ガイド穴、44…ロッド、44a…
係合部、45…スプリング、46…レジン。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リングの一端面に柱形状の隔壁部が複数
    本、周方向に間隔を置かれて一体的に突設されており、
    隣合う隔壁部間によってそれぞれ形成された各保持部内
    に各マグネットを嵌入して保持するように構成されてい
    るマグネットホルダにおいて、 前記隔壁部の先端面に凹部が一体的にそれぞれ没設され
    ているとともに、この凹部の周方向の両側壁により一対
    の弾性変形部がそれぞれ形成されており、さらに、各弾
    性変形部の先端部には前記保持部側に突出する各押圧凸
    部がそれぞれ一体的に突設されていることを特徴とする
    マグネットホルダ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のマグネットホルダの成
    形方法であって、 前記リング、前記各隔壁部および前記押圧凸部が互いに
    型合わせ型開きされる第1型と第2型との合わせ面に形
    成されたキャビティーによって成形されるとともに、前
    記押圧凸部を成形する成形部に対して第1型と第2型と
    の開閉方向と同一方向に進退する第3型によって前記凹
    部がそれぞれ成形された後に、第3型が成形品から先に
    離型され、次いで、前記押圧凸部を成形された前記弾性
    変形部が第3型の離型によって形成された凹部の空所側
    に弾性変形されながら成形品が離型されることを特徴と
    するマグネットホルダの成形方法。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10136597A (ja) * 1996-10-29 1998-05-22 Toyo Electric Mfg Co Ltd 永久磁石形回転電機
EP1353432A2 (en) * 2002-04-10 2003-10-15 Kabushiki Kaisha Moric Magnet arrangement for rotating electrical machine

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