JPH08251718A - リニアモータカー用コイルの取付方法 - Google Patents

リニアモータカー用コイルの取付方法

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JPH08251718A
JPH08251718A JP7045302A JP4530295A JPH08251718A JP H08251718 A JPH08251718 A JP H08251718A JP 7045302 A JP7045302 A JP 7045302A JP 4530295 A JP4530295 A JP 4530295A JP H08251718 A JPH08251718 A JP H08251718A
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Masa Fujinawa
雅 藤縄
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  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 リニアモータカー用地上コイルに均等な力が
かかるように高さ調整板の厚さまたは数量を求め、コン
クリートパネルにコイルを取り付ける。 【構成】 面精度測定装置10によりコンクリートパネ
ル100のコイル取付面104のボルト取付部102の
面精度を全数同時に測定し、その測定データの高い方か
ら3点を選んで平面105を作成し、その平面に対し他
の取付箇所のギャップ量を求め、そのギャップ量が基準
値より大きい場合には推進コイル110の裏側に挿入す
るスペーサ133等の高さ調整板の厚さまたは数量を求
めてコイルを取り付ける。浮上コイル120についても
同様の方法で取り付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リニアモータカー用地
上コイルをコンクリートパネルに取り付けるときの取付
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】リニアモータカー用地上コイル、すなわ
ち推進コイルと浮上コイルは、軌道を構成するコンクリ
ートパネルの内側の凹部内に推進コイルを、その上に浮
上コイルを積層状態に取り付ける構成となっている。こ
こで、推進コイルは単層のものである。従来にあって
は、特開平6−207803号公報に示すように、長円
形状の推進コイルを連鎖状に軌道方向に並べて取り付け
る2層式であったが、その後の改良により簡単な構造の
単層式に変更された。したがって、1つの推進コイルと
1つの浮上コイルを対にして取り付ける。
【0003】図7に地上コイルの設置構成を示す。
(a)は標準区間の場合、(b)は浮上コイル無区間の
場合、(c)は片側推進区間の場合を示す。図におい
て、100はコンクリートパネル、101は凹部、11
0は推進コイル、120は浮上コイル、111は推進コ
イルカバーである。
【0004】図8は推進コイルの正面図で、図9はその
取付状態を示す断面図である。図9に示すように、コン
クリートパネル100のボルト取付部102にはインサ
ート131が埋設されており、これにスタッドボルト1
32を取り付け、適当な厚さのスペーサ133を介して
推進コイル110のボルト穴112に通し、さらにスペ
ーサ134、平座金135、皿ばね136を介してナッ
ト137により所定の締付トルクを加え固定するように
している。裏側、表側のスペーサ133、134は推進
コイル110の熱膨張・収縮を許容する摺動板となって
いる。また、浮上コイル120の取付けも図9と同様の
構成となっている。
【0005】図10はコンクリートパネルの正面図で、
図11、図12はそれぞれ図10のA−A線断面図及び
B−B線断面図である。このコンクリートパネル100
は約12.6mの長さを有するものであり、その内面側
には推進コイル110と浮上コイル120を対にして取
り付けられるように合計11本の取付用インサートが埋
設されている。このうち4箇所が推進コイル110用の
ボルト取付部102であり、残りの7箇所が浮上コイル
120用のボルト取付部103である。すなわち、計1
1箇所のボルト取付部102、103でもって1つの地
上コイル取付面104が構成されている。推進コイル1
10は凹部101の底面101aに、浮上コイル120
は凹部101の前面101bに取り付けられる。
【0006】このようなコンクリートパネル100に対
し地上コイルを取り付けるにあたっては、まずコンクリ
ートパネル100のコイル取付面104の状態がどのよ
うになっているかを測定する必要がある。コイル取付面
は必ずしも平坦とは限らないため、そのような状態でコ
イルを取り付けると、一部の取付部に過大な力が加わ
り、高価な推進コイル110や浮上コイル120を破損
するおそれがある。前記特開平6−207803号公報
に示す面精度測定装置は、このような長尺体の面精度を
短時間に測定できるようになっているが、推進コイルが
2層式であったため、測定データを横方向の取付ライン
ごとに連結処理した上で面精度を算出する必要があり、
単層の推進コイルを用いる場合にはふさわしくなかっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明における課題
は、面精度測定装置を単層の推進コイルの取付けのため
に適応できるようにするとともに、その測定結果を利用
して全てのボルト取付部に均等な力がかかるようにボル
ト取付部に挿入べき高さ調整板の厚さまたは数量を求め
ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明に係るリニアモータカー用コイルの取付方法
は、面精度測定装置を突起によりコイル取付面に当接さ
せ、そのコイル取付面のボルト取付部の全数について距
離計により面精度を同時に測定する工程と、得られた測
定データから3点の測定データを選んで平面を作成する
工程と、残りの箇所について前記平面に対するギャップ
量を算出する工程と、算出された前記ギャップ量が基準
値より大きい場合、前記ボルト取付部に挿入される高さ
調整板の厚さまたは数量を算出する工程とを有すること
を特徴とするものである。
【0009】また、校正用定盤を用いて面精度測定装置
の校正を行う工程を含む。測定データは高い方から3点
を選ぶ。
【0010】
【作用】この面精度測定装置により、1つのコイル取付
面における11箇所のボルト取付部の面精度を同時に測
定することができる。そして、得られた測定データか
ら、推進コイルの場合は4点のうち高い方から3点を選
び平面を作成する。浮上コイルの場合は7点のうち高い
方から3点を選び平面を作成する。次いで、それぞれの
平面に対して、残りの箇所、すなわち推進コイルの場合
は他の低い1点のギャップ量を算出し、浮上コイルの場
合は他の4点のそれぞれのギャップ量を算出する。これ
らのギャップ量が許容される基準値より大きい場合には
ボルト取付部に挿入される高さ調整板の厚さまたは数量
を算出し、この高さ調整板を介してそれぞれのコイルを
取り付ければ、コイルの一部の箇所に無理な力がかかる
ことなく、コイルの損傷を防ぐことができる。なお、高
さ調整板はコイルの裏側に挿入されるスペーサの厚さを
変えることによって代用できる。
【0011】コイル取付のための基準となる上記平面を
作成するにあたって、必ずしも高い点3点の測定データ
を選ぶ必要はないが、このほうが高さ調整板の挿入枚
数、挿入箇所を減らすことができ、ギャップ量の演算処
理も容易になる。
【0012】面精度測定装置はコイル取付面に擬した面
を有する校正用定盤を用いて一括校正しておく。これに
よって全ての距離計に対し絶対零点が与えられるので、
実際の測定時における距離計の不具合や突起の接触不良
等を早期に発見でき、測定ミスを防ぐことができる。
【0013】
【実施例】図1は本発明において使用する面精度測定装
置の一実施例を示す正面図、図2は側面図、図3は背面
図である。この面精度測定装置10は、アルミ製等の軽
量剛性体からなる定盤1と、定盤1に取り付けられた3
個の突起2と、前記のボルト取付部102、103の近
傍(実際にはインサート131の表面)に先端が接触し
て定盤1との距離を測定するダイアルゲージ式の11個
の距離計3と、距離計3のアナログ信号の出力をデジタ
ル信号に変換するA/D変換器4と、測定データに基づ
いて面精度等を演算するパネル型コンピュータ5とから
構成されている。また、この測定装置10を必要に応じ
て吊り下げられるようにする吊り金具6、測定時に測定
装置10をコイル取付面104に押し付けるために使用
するハンドル7、及び電源からのノイズや装置移動時の
瞬間停電を防止するための無停電電源(CVCF,UP
S)8が設けられている。
【0014】この測定装置10は、1ユニットのコイル
取付面104の面精度を測定するようになっており、ま
た距離計3としてダイアルゲージ式測定器を用いてい
る。そのため、ダイアルゲージ式測定器3は、推進コイ
ル110の取付面である凹部101の底面101aに接
触する長いプランジャー31を有するものと、浮上コイ
ル120の取付面である凹部101の前面101bに接
触する短いプランジャー32を有するものとからなる。
図において、符号A1 〜A4 は推進コイルのボルト取付
部102に対する距離計3の取付位置を示し、符号B1
〜B7 は浮上コイルのボルト取付部103に対する距離
計3の取付位置を示す。また、図示は省略するが、測定
装置10の位置決めのためのガイドピン、ガイド穴がコ
ンクリートパネル100と測定装置10に設けられてい
る。なお、コンクリート側は推進コイル取付用スタッド
ボルトのネジ部にキャップを取り付け、ガイドピンとし
ている。
【0015】図4は本発明方法の工程図であり、まず、
ステップS1において、コイル取付面104に擬した面
12、13を有する校正用定盤11(図5参照)を用い
て測定装置10の校正を行う。これは、全ての距離計3
に対して絶対零点を与える目的で行うものである。測定
装置10をハンドル7を手に持って校正用定盤11に押
し付け、3個の突起2が全て校正用定盤11に正確に当
接したときの各距離計3からの出力を全て「0」にし、
パネル型コンピュータ5のメモリに番地(距離計3の取
付位置A1 〜A4 、B1 〜B7 )ごとに登録しておく。
【0016】次に、ステップS2において、実際のコン
クリートパネル100のコイル取付面104にこの測定
装置10を上記と同じ方法で押し付け、そのコイル取付
面104の面精度を測定する。上記により絶対零点を校
正された各距離計3からの出力情報によって、11箇所
のボルト取付部102、103の定盤1との距離が検出
され、それらの箇所の凹凸の状態が分かる。この測定を
コンクリートパネル100の全長にわたってコイル取付
面104ごとに繰り返し行い、得られた距離の測定デー
タはコイル取付面104の番号ごとにパネル型コンピュ
ータ5のメモリに格納する。
【0017】次に、ステップS3において、各コイル取
付面104の推進コイル取付部102及び浮上コイル取
付部103について、それぞれ高い方から3点の測定デ
ータを取り出し、平面を作成する。例えば、推進コイル
取付部102については、図6(a)に示すように、A
1 〜A4 点の4つの測定データの中から高いものを3つ
選び、その3点で平面105を作成する。浮上コイル取
付部103についても同様にして図6(b)のように高
い点3点で平面106を作成する。これらの平面10
5、106の方程式は測定点の(x,y,z)座標値に
基づきパネル型コンピュータ5で求めることができる。
このようにして求められた平面105は推進コイル11
0の取付基準面となり、同じく平面106は浮上コイル
120の取付基準面となる。
【0018】次に、ステップS4において、各々の平面
105、106に対する残りの箇所のボルト取付部10
2、103におけるギャップ量を計算する。推進コイル
の場合は、最も低い1点について平面105に対するギ
ャップ量δA を計算すればよい。浮上コイルの場合は、
低い方の残りの4点について平面106に対するギャッ
プ量δB を計算する。
【0019】そして、ステップS5,S6において、そ
れぞれ、ギャップ量δA と基準値δA0,ギャップ量δB
と基準値δB0(この場合の許容段差はδA0,δB0共に±
1mmとされている。)を比較し、いずれかのギャップ
量が基準値より大きい場合には、ステップS7におい
て、その箇所の各コイルの裏側に挿入すべき高さ調整板
(図示せず)の厚さまたは数量をパネル型コンピュータ
5が出力する。ギャップ量が基準値以下であるときは高
さ調整板「0」を出力する(ステップS8)。この高さ
調整はスペーサ133(図9参照)の厚さを変える方法
でもよいし、別に所定の厚さを有するライナー等を加え
る方法でもよい。このとき、浮上コイルと推進コイルは
平行である必要はなく、最も近い所で空間(現状は1m
m)が確保されればよい。万一、この空間が確保されな
い場合は浮上コイルの下に各点同一厚さのライナーを加
え空間を確保する。また、この空間の隙間をあらかじめ
見込んで測定点の一番高い所を目標に−1mm以下にな
るように高さ調整板を積み増しすることもできる。
【0020】パネル型コンピュータ5は、全てのコイル
取付面104について、必要な高さ調整板の厚さまたは
数量を計算した後、無線でプリンター等にその出力情報
を与える。よって、プリンター等の出力情報に基づい
て、適切な厚さの高さ調整板を指定された箇所に挿入し
て推進コイル110及び浮上コイル120を取り付ける
ことにより、コイルに均等な力がかかり、コイルの損傷
を防ぐことができる。
【0021】また、測定装置10の校正の際、突起2の
近傍における距離計(B2 ,B6 ,B7 点の距離計)の
ストロークを記憶させておけば、実際の測定時に全ての
突起2が完全にコンクリートパネル100に接触してい
るかどうかをそのストロークに基づいて判定することが
でき、1つでも不完全接触の場合は警報を出し、測定ミ
スを防ぐことができる。
【0022】全ての距離計のストロークをそれぞれ記憶
させておけば、プランジャーの曲り等に起因する測定ミ
スを防ぐことができる。
【0023】上記実施例から理解されるように、本発明
は以下に示すような変更または改良を加えることが可能
である。 (1)距離計3にレーザ距離計、超音波距離計のような
非接触式のものを使用すること。または差動変圧型接触
式を使用すること。 (2)測定装置10の大きさを2ユニット以上のコイル
取付面104をカバーできるようにして測定回数を減ら
すこと。 (3)測定データ中低い方の3点でそれぞれの平面10
5、106を作成し、その平面105、106の他の高
い点に対する平行移動量からギャップ量を求めること。
【0024】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、面精度測
定装置の測定結果を利用して推進コイル及び浮上コイル
の裏側に挿入すべき箇所のスペーサ等の高さ調整板の厚
さまたは数量が簡単に分かるので、これらのコイルの取
付けが容易であるとともに、コイル損傷のおそれのない
取付けができるという効果がある。
【0025】コイル取付面ごとにボルト取付部の面精度
を全数同時に測定するので、測定時間が短く、したがっ
てコイルの取付作業を短時間に行うことができる。
【0026】コイル取付の基準となる平面を作成する際
に高い方の3点の測定データを用いているので、高さ調
整板の挿入枚数等を減らすことができる。
【0027】校正用定盤を用いて面精度測定装置を一括
校正するので、校正時の測定データを基に実際の測定時
における距離計の不具合や突起の接触不良等を早期に発
見でき、測定ミスを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明方法に使用する面精度測定装置の正面
図である。
【図2】 図1の側面図である。
【図3】 図1の背面図である。
【図4】 本発明方法の工程図である。
【図5】 上記測定装置の校正を示す説明図である。
【図6】 平面の作成方法を示す説明図である。
【図7】 地上コイルの配置構成図である。
【図8】 推進コイルの正面図である。
【図9】 推進コイルの取付状態を示す断面図である。
【図10】 コンクリートパネルの正面図である。
【図11】 図10のA−A線断面図である。
【図12】 図10のB−B線断面図である。
【符号の説明】
1 定盤、2 突起、3 距離計、4 A/D変換器、
5 パネル型コンピュータ、10 面精度測定装置、1
1 校正用定盤、100 コンクリートパネル、101
凹部、102 ボルト取付部(推進コイル取付部)、
103 ボルト取付部(浮上コイル取付部)、104
コイル取付面、105 平面(推進コイル取付基準
面)、106 平面(浮上コイル取付基準面)、110
推進コイル、120 浮上コイル、131 インサー
ト、132 スタッドボルト、133スペーサ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 面精度測定装置を突起によりコイル取付
    面に当接させ、そのコイル取付面のボルト取付部の全数
    について距離計により面精度を同時に測定する工程と、 得られた測定データから3点の測定データを選んで平面
    を作成する工程と、 残りの箇所について前記平面に対するギャップ量を算出
    する工程と、 算出された前記ギャップ量が基準値より大きい場合、前
    記ボルト取付部に挿入される高さ調整板の厚さまたは数
    量を算出する工程と、を有することを特徴とするリニア
    モータカー用コイルの取付方法。
  2. 【請求項2】 校正用定盤を用いて前記面精度測定装置
    の校正を行う工程を含むことを特徴とする請求項1記載
    のリニアモータカー用コイルの取付方法。
  3. 【請求項3】 前記測定データは高い方から3点を選ぶ
    ことを特徴とする請求項1記載のリニアモータカー用コ
    イルの取付方法。
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