JPH08250887A - 携帯電話機の不要電磁波吸収構造 - Google Patents

携帯電話機の不要電磁波吸収構造

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JPH08250887A
JPH08250887A JP7461495A JP7461495A JPH08250887A JP H08250887 A JPH08250887 A JP H08250887A JP 7461495 A JP7461495 A JP 7461495A JP 7461495 A JP7461495 A JP 7461495A JP H08250887 A JPH08250887 A JP H08250887A
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Manabu Teranishi
学 寺西
Keiji Nakayama
恵次 中山
Makoto Ishikura
誠 石倉
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 携帯電話機での基本波を減衰させることな
く、携帯電話機から洩れる不要電磁波(高調波)を吸収
し、マイクロ波による人体への悪影響を最小限に抑え
る。 【構成】 磁性粉とゴム又は樹脂との混合物をリング状
に成形した不要電磁波吸収体14を、携帯電話機の筐体
10のアンテナ12の根元部に装着した携帯電話機の不
要電磁波吸収構造である。磁性粉としては、鉄粉でもよ
いが、マンガン−亜鉛系、ニッケル−亜鉛系、あるいは
マグネシウム−亜鉛系のフェライト粉が好ましい。リン
グ状の不要電磁波吸収体は、筐体に接着してもよいし、
永久磁石を一体化してアンテナ根元部にて筐体に吸着さ
せる構成でもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、携帯電話機から漏洩す
る高調波などの不要電磁波を、遮蔽・吸収する構造に関
し、更に詳しく述べると、磁性粉とゴム又は樹脂との混
合物からなるリング状の不要電磁波吸収体をアンテナ根
元部に装着した携帯電話機の不要電磁波吸収構造に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】携帯電話機などの各種無線機器から洩れ
る高調波などの不要電磁波が、他の電子機器の誤動作を
引き起こしたり、あるいは人体に悪影響をもたらす可能
性があることが指摘され、その対策が求められている。
特に、携帯電話機の場合は、常時携帯されているばかり
でなく、通話時は使用者の頭部近傍(耳元・口元)で動
作するので、漏洩した不要電磁波の人体への悪影響は大
きいと考えられる。
【0003】現在、不要電磁波(ノイズ)に関する規制
としてはEMI規制があるが、規制されている周波数の
上限は1GHzである。そこで従来技術では、携帯電話機
の筐体内を金属箔で覆ったり、あるいは導電性塗料を塗
布したりし、また筐体接合部に遮蔽材を取り付けること
で、不要電磁波の筐体からの漏洩を防止している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし従来構造で携帯
電話機の電磁遮蔽を行っても、送受信用のアンテナにお
ける遮蔽は不可能である。そのためアンテナ周辺部から
の不要電磁波の放射を阻止できない。これら放射された
不要電磁波(高調波,マイクロ波)が人体に悪影響を及
ぼす。そのため、不要電磁波に関する規制の周波数上限
が、1GHzから十数GHzへと引き上げられようとしてい
る。その場合、これら数GHzから数十GHzにわたる不要
電磁波を取り除く(減衰させる)ような一般的な吸収体
を用いるとすると、同時に基本波(ここでは、携帯電話
機に使用される1.5GHz)も減衰してしまうため、実
際には使用することはできない。
【0005】本発明の目的は、携帯電話機での基本波を
減衰させることなく、携帯電話機から洩れる不要電磁波
(高調波)を吸収し、マイクロ波による人体への悪影響
を最小限に抑えることのできる携帯電話機の不要電磁波
吸収構造を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁性粉とゴム
又は樹脂との混合物をリング状に成形した不要電磁波吸
収体を、携帯電話機の筐体のアンテナ根元部に、該アン
テナが前記不要電磁波吸収体のリング内部を貫通するよ
うに装着した携帯電話機の不要電磁波吸収構造である。
磁性粉としては、鉄粉でもよいが、マンガン−亜鉛系、
ニッケル−亜鉛系、あるいはマグネシウム−亜鉛系のフ
ェライト粉が好ましい。リング状に成形された不要電磁
波吸収体は、筐体に接着してもよいし、両面接着シート
で固定してもよいし、リング状の永久磁石によりアンテ
ナ根元部にて筐体に吸着させる構成でもよい。
【0007】磁性粉とゴム又は樹脂との混合割合によっ
て、周波数−インピーダンス特性を調整する。例えばマ
ンガン−亜鉛系のフェライト粉をEPDM(エチレン・
プロピレンジエンモノマ)系ゴムに対し、1200ph
r(パーハンドレッドラバー:ゴム100重量部に対す
る混合割合)加えて混合し、リング状に成形した材料
は、1〜数GHzでは低インピーダンスを呈するが、十〜
数十GHzの高周波領域では高インピーダンスを呈し、そ
の周波数での電磁波を減衰・吸収する。
【0008】フェライト粉とゴム(樹脂)との混合割合
は、フェライト粉をゴムに対して800〜1200ph
rとするのが好ましい。上限を1200phrとするの
は、ゴムに混入できる最大量であり、これより多く充填
すると成形ができなくなるためである。また下限を80
0phrとするのは、これより少ないと吸収できる周波
数領域が更に高周波側へ移動し(インピーダンスの高く
なる周波数領域が更に高周波側になる)、基本波とその
間の不要電磁波が吸収されないからである。
【0009】
【作用】上記のような磁性粉とゴム又は樹脂との混合物
からなるリング状の不要電磁波吸収体は、携帯電話機の
基本波である1.5GHz程度の周波数ではインピーダン
スが低いが、その高調波である不要電磁波に対してはイ
ンピーダンスが高い。インピーダンスは抵抗成分Rとイ
ンダクタンス成分jωLとからなっており、高周波領域
でインピーダンスが高くなるのは、主に抵抗成分Rの増
加による。抵抗成分Rは、特に電気エネルギーを熱エネ
ルギーに変換する作用を果たす。
【0010】携帯電話機から電波を発信する際、電波
(電流)はアンテナ根元部から先端に向けて流れる。磁
性粉とゴム又は樹脂との混合物からなるリング状の不要
電磁波吸収体をアンテナの根元部に装着すると、アンテ
ナを流れる電流のうち、携帯電話機の基本波である1.
5GHz程度の周波数ではインピーダンスが低いため減衰
しないが、その高調波である不要電磁波はインピーダン
スが高いため吸収され減衰する。これによってアンテナ
から放射される不要電磁波を低減することができる。
【0011】
【実施例】マンガン−亜鉛系のフェライト粉をEPDM
(エチレン・プロピレンジエンモノマ)系ゴムに対し、
1200phr(パーハンドレッドラバー:ゴム100
重量部に対する混合割合)加え、混合する。この120
0phrという値は、ゴムを詰め込める限界値に近い値
である。この混合物をリング状に加硫プレスして不要電
磁波吸収体とし、携帯電話機のアンテナ根元部に装着す
る。
【0012】図1は本発明に係る携帯電話機の不要電磁
波吸収構造の一実施例を示す説明図である。携帯電話機
の筐体10の伸縮型アンテナ12の根元部に、上記のよ
うにリング状に成形した不要電磁波吸収体14を、該ア
ンテナ12がリング内部を貫通するように装着する。こ
の取り付け構造の詳細を図2〜図5に示す。
【0013】図2では不要電磁波吸収体20の構造を、
中央小径部22の両端にフランジ部24が位置するよう
なリング形状とし、両フランジ部24の間に筐体10の
縁が両側から嵌合するようにして保持する構造である。
アンテナ12は、リング状の不要電磁波吸収体20を通
って伸長、収縮する。図3に示す例は、極く単純なリン
グ状の不要電磁波吸収体14を筐体10の内壁面に接着
剤によって取り付ける構造である。これらの例は、いず
れも携帯電話機を組み立てる工程中で取り付ける構成で
ある。
【0014】本発明は、携帯電話機に対して後付けする
ことも可能である。その例を図4〜図5に示す。図4は
リング状の不要電磁波吸収体14を筐体10の外壁面に
両面接着シート27により取り付けた例である。両面接
着シートを使用すると、剥離紙を剥がして圧着すればよ
いので、簡単に取り付けることができるため好ましい
が、両面接着シートに代えて接着剤を用いて取り付ける
ことも可能である。また筐体10のアンテナ12の根元
部分が鉄板(磁性体)などからなる場合には、図5に示
すように、リング状の不要電磁波吸収体14を永久磁石
28を用いて筐体10に磁気的に吸着させることもでき
る。
【0015】アンテナの根元部に装着したリング状の不
要電磁波吸収体は、磁性粉の充填割合の調整などによ
り、携帯電話機の基本波である1.5GHz程度の周波数
ではインピーダンスは低く、その高周波側ではインピー
ダンスが急激に高くなり十〜数十GHzでピークが生じる
ような特性を呈するようにできる。このような周波数−
インピーダンス特性であると、アンテナを流れる電流の
1.5GHzの基本波を減衰させることなく、その高調波
(不要電磁波)のみを吸収・減衰することができる。こ
れによって、携帯電話機を発信する場合には、アンテナ
から不要電磁波が放射され難いため、各種電子機器への
誤動作などの問題が生じるのを防止できるし、人体への
悪影響も解消できる。また携帯電話機で受信の場合に
も、ノイズ低減を図り、SN比を向上できる。
【0016】ゴムに混入する磁性粉としては、上記マン
ガン−亜鉛系のフェライトの他、ニッケル−亜鉛系、マ
グネシウム−亜鉛系のフェライトでもよいし、あるいは
それらの2種以上の混合物でもよい。更には鉄粉なども
使用可能である。樹脂やゴムに対する充填比率は、必要
なインピーダンス特性に応じて適宜調整する。
【0017】更に、このリング状の不要電磁波吸収体
は、携帯電話機のみならず、例えば無線ラン(LAN)
などにも適用でき、他の各種電子機器の誤動作防止に有
効である。
【0018】
【発明の効果】本発明は、上記のように、磁性粉とゴム
又は樹脂との混合物をリング状に成形した不要電磁波吸
収体を、携帯電話機の筐体のアンテナ根元部に装着する
構成であるので、簡単且つ容易に実施でき、既に完成し
た携帯電話機に対して後付けすることも可能である。ま
た、本発明によれば、基本波は減衰させることなく、不
要波のみを遮蔽することができるため、不要電磁波(マ
イクロ波)による人体への悪影響を低減できるし、他の
各種電子機器に対する誤動作などの発生も防止できる効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る携帯電話機の不要電磁波吸収構造
の一実施例を示す説明図。
【図2】不要電磁波吸収体の装着構造の一例を示す説明
図。
【図3】不要電磁波吸収体の装着構造の他の例を示す説
明図。
【図4】不要電磁波吸収体の装着構造の他の例を示す説
明図。
【図5】不要電磁波吸収体の装着構造の他の例を示す説
明図。
【符号の説明】
10 携帯電話機の筐体 12 アンテナ 14 リング状の不要電磁波吸収体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性粉とゴム又は樹脂との混合物をリン
    グ状に成形した不要電磁波吸収体を、携帯電話機の筐体
    のアンテナ根元部に、該アンテナが前記不要電磁波吸収
    体のリング内部を貫通するように装着したことを特徴と
    する携帯電話機の不要電磁波吸収構造。
  2. 【請求項2】 磁性粉が、マンガン−亜鉛系、ニッケル
    −亜鉛系、又はマグネシウム−亜鉛系のフェライトのい
    ずれか1種、もしくは2種以上の混合物である請求項1
    記載の不要電磁波吸収構造。
  3. 【請求項3】 フェライト粉とゴムとの混合割合を、フ
    ェライト粉をゴムに対して800〜1200phr加え
    る割合とする請求項2記載の不要電磁波吸収構造。
  4. 【請求項4】 リング状の不要電磁波吸収体を、リング
    状の永久磁石によりアンテナ根元部にて携帯電話機の筐
    体に吸着する請求項1、2又は3記載の不要電磁波吸収
    構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2803167A1 (fr) * 1999-12-24 2001-06-29 Nec Corp Filtre suppresseur de parasites pour materiel electronique
JP2016021729A (ja) * 2014-06-20 2016-02-04 株式会社フジクラ アンテナ装置及び化粧板

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