JPH08250813A - 面発光半導体レーザ及び面発光半導体レーザを用いた光学式エンコーダ - Google Patents

面発光半導体レーザ及び面発光半導体レーザを用いた光学式エンコーダ

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JPH08250813A
JPH08250813A JP7051189A JP5118995A JPH08250813A JP H08250813 A JPH08250813 A JP H08250813A JP 7051189 A JP7051189 A JP 7051189A JP 5118995 A JP5118995 A JP 5118995A JP H08250813 A JPH08250813 A JP H08250813A
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栄 橋本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】戻り光の影響を受けること無く常時安定した出
力が維持可能な面発光半導体レーザ及び高分解能であっ
て低コストで簡単な構成のコンパクトな光学式エンコー
ダを提供する。 【構成】基板76上に搭載された面発光半導体レーザ6
2に対して相対的に移動するスケール64と、面発光半
導体レーザから出射されたレーザー光によってスケール
の一部を照射した際、スケールから反射した反射光の一
部を受光するように、面発光半導体レーザに設けられた
受光素子66とを備える。また、面発光半導体レーザ上
には、1/4波長板68が搭載されており、この1/4
波長板は、その結晶軸が面発光半導体レーザから1/4
波長板へ出射されたレーザー光70aの偏波面に対して
45°ずれるように位置決めされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、面発光半導体レーザ及
びこの面発光半導体レーザを用いて例えば可動部の移動
量を検出するための光学式エンコーダに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の面発光半導体レーザとしては、例
えば、IEEE PHOTONICS TECHNOLOGY LETTERS,VOL.2,NO.
9,SEPTEMBER 1990 のP.686 に掲載されているように、
Y.H.LEE等によって記載された“Characteristics of To
p-Surface-Emitting GaAs Quantum-Well Lasers”が知
られている(以下、従来技術1と称する)。
【0003】この従来技術1のレーザは、図15に示す
ように、その下端に設けられた半導体基板2と、その上
端に設けられており、レーザー光出射用の出射窓4aが
形成された電極4とを備えている。そして、半導体基板
2と電極4との間には、上部ミラー6と、この上部ミラ
ー6の下部に形成されており、出射窓4aに整合した位
置に活性領域8が配置された高抵抗領域10と、この高
抵抗領域10の下部に形成された下部ミラー12とが設
けられている。
【0004】このような構成によれば、電極4に注入さ
れた電流は、上部ミラー6から活性領域8を介して下部
ミラー12を経た後、半導体基板2へ流れる。このと
き、活性領域8から発光した光は、上部ミラー6と下部
ミラー12によって構成される共振器内で反射を繰り返
す。そして、このようなレーザー発振によって励起され
た光の一部は、上部ミラー6を透過した後、出射窓4a
からレーザー光14として取り出されることになる。
【0005】また、従来の光学式エンコーダとしては、
例えば特願昭61−42677に開示された光学式エン
コーダが知られている(以下、従来技術2と称する)。
図16に示すように、従来技術2の光学式エンコーダに
よれば、半導体レーザ16から出射したレーザー光は、
コリメータレンズ18によって平行光束に変換された
後、ビームスプリッタ20を介して移動しているスケー
ル22に形成された回折格子22aに入射する。このと
き、回折格子22aから回折した回折光は、第1及び第
2のミラー24a,24bによって反射され再度回折し
た後、重ね合わされた状態でビームスプリッタ20に達
し、このビームスプリッタ20から光検出器26に照射
される。
【0006】光検出器26は、受光した光の強度変化に
対応した電気信号を出力可能に構成されているため、こ
の光検出器26から出力された電気信号に基づいて、回
折格子22aの移動量が検出されることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術1,2には夫々以下のような問題が存在している。ま
ず、従来技術1において、IEEE PHOTONICS TECHNOLOGY
LETTERS,VOL.16,NO.1,JANUARY1994 のP.34に掲載されて
いるように、Shijun Jiang等によって記載された“Infl
uence of External Optical Feedback on Threshhold a
nd SpectralCharacteristics of Vertocal-Cavity Surf
ace-Emitting Lasers”には、外部反射光が面発光半導
体レーザに戻る場合、その戻り光の強弱によって面発光
半導体レーザの特性が変化してしまういった問題点が指
摘されている。即ち、出射光の光路中に反射光強度に強
弱を与える光学素子(例えば反射スケール等)を配置し
た場合、この光学素子から反射した反射光が面発光半導
体レーザに戻ると、この戻り光によって有害な干渉が発
生するために、面発光半導体レーザの出力が不安定にな
ってしまうといった問題点が存在する。
【0008】また、従来技術2において、半導体レーザ
16、コリメータレンズ18やビームスプリッタ20等
の多くの構成(図16参照)が必要となるため、光学式
エンコーダ全体が大型化してしまうだけでなく、その組
み立てや調整に手間がかかるといった問題がある。
【0009】また、従来技術2では、回折格子22aが
形成されたスケール22を使用した光学式エンコーダが
示されているが、例えば高反射率部と低反射率部が交互
に形成されたスケール22の明暗のみを検知する光学式
エンコーダも公知技術として知られている。この公知技
術では、スケール上に形成される各反射率部相互の間隔
をあまり小さくすることができないため、光学式エンコ
ーダとしての分解能は低下するが、従来技術2に適用さ
れた第1及び第2のミラー24a,24bが不要となる
ため、装置の小型化が達成できる。しかしながら、この
公知技術の光源として通常のストライプ型半導体レーザ
を用いた場合には、コリメータレンズ18は必須の部材
であって省略することはできない。
【0010】そこで、本発明の目的は、このような問題
点を解決するために、戻り光の影響を受けること無く常
時安定した出力が維持可能な面発光半導体レーザを提供
することにある。
【0011】また、本発明の目的は、このような問題点
を解決すために、高分解能であって低コストで簡単な構
成のコンパクトな光学式エンコーダを提供することを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、請求項1に記載された発明は、表面及び裏面
を有する面発光半導体レーザであって、この面発光半導
体レーザには、前記表面及び裏面の少なくとも一方に配
置されたレーザ光出射用の出射窓と、その結晶軸が前記
面発光半導体レーザから出射される出射光の偏光面に対
して45°ずれるように、前記出射窓上に配置された1
/4波長板とが設けられている。
【0013】請求項2に記載された発明は、請求項1に
記載の面発光半導体レーザを用いた光学式エンコーダで
あって、前記面発光半導体レーザに対して相対的に移動
するスケールと、前記面発光半導体レーザから出射され
たレーザー光によって前記スケールの一部を照射した
際、前記スケールからの反射光又は透過光を受光するよ
うに設けられた受光素子とを備えている。
【0014】請求項3に記載された発明は、面発光半導
体レーザを用いた光学式エンコーダであって、前記面発
光半導体レーザに対して相対的に移動するスケールと、
前記面発光半導体レーザから出射されたレーザー光によ
って前記スケールの一部を照射した際、前記スケールか
らの反射光又は透過光を受光するように設けられた受光
素子とを備えており、前記スケールには、インコヒーレ
ントな反射光を発生させる手段が設けられている。
【0015】
【作用】請求項1に記載された発明によれば、面発光半
導体レーザの出射窓から出射された直線偏光のレーザー
光は、1/4波長板によって円偏光に変換されて外部に
取り出される。外部に取り出されたレーザー光が出射窓
方向に戻る際、円偏光の戻り光は、面発光半導体レーザ
の出力を不安定にする有害な干渉が生じないように、1
/4波長板によって元の出射光と90°偏光面の異なる
直線偏光の戻り光に変換される。
【0016】請求項2に記載された発明によれば、請求
項1に記載の面発光半導体レーザの出射窓から出射され
た直線偏光のレーザー光は、1/4波長板によって円偏
光に変換された後、スケールの一部に照射される。この
スケールから発生した反射光又は透過光の一部は、受光
素子によって受光される。
【0017】請求項3に記載された発明によれば、面発
光半導体レーザの出射窓から出射された直線偏光のレー
ザー光は、スケールの一部に照射される。このスケール
から発生したインコヒーレントな反射光、又は透過光
(或いは、コヒーレントな透過光)は、受光素子によっ
て受光される。面発光半導体レーザの戻り光は、インコ
ヒーレント光となるため、出力光を不安定にする有害な
干渉は発生しない。
【0018】
【実施例】以下、本発明が適用される光学式エンコーダ
の例について説明した後、この光学式エンコーダに適用
した本発明の各実施例について説明する。本発明の実施
例が適用している光学式エンコーダについては、例えば
特願平6−043656号明細書中に開示した面発光半
導体レーザを用いた光学式エンコーダを参照して説明す
る。
【0019】図1に示すように、この光学式エンコーダ
には、基板28上に部分的に形成された凹部30に設け
られた面発光半導体レーザ32と、この面発光半導体レ
ーザ32から出射したレーザー光によって照射されたリ
ニアスケール34から反射した反射光を受光するよう
に、基板28上に搭載された受光素子36とが設けられ
ている。なお、面発光半導体レーザ32は、凹部30内
に形成された斜面30a上に搭載されており、リニアス
ケール34は図中矢印S方向に移動している。
【0020】このような構成によれば、面発光半導体レ
ーザ32から出射したレーザー光は、図中矢印M方向に
移動しているリニアスケール34に対して斜めに照射さ
れる。このとき、レーザー光は、リニアスケール34か
ら反射した後、受光素子36によって受光される。とこ
ろで、リニアスケール34には、高反射領域34aと低
反射領域34bが交互に配置されているため、リニアス
ケール34の移動に伴って受光素子36に受光される光
量が変化する。この結果、受光素子36から出力される
出力信号に強弱が発生する。従って、かかる出力信号の
強弱を電子的にスケールの変位量に変換したり、或い
は、信号の強弱を単に計数することによって、リニアス
ケール34の移動量を検知することが可能となる。
【0021】このような構成によれば、少ない部品点数
で且つ簡単な構成で高分解能力を発揮することができる
ため、低コスト且つ小型の光学式エンコーダを実現する
ことが可能となる。
【0022】また、本発明に適用される光学式エンコー
ダの他の例として、例えば特願平6−043656号明
細書中に開示した面発光半導体レーザを用いた別の光学
式エンコーダを参照して説明する。なお、本例の説明に
際し、上述した構成例と同一の構成には、同一符号を付
してその説明を省略する。
【0023】図2に示すように、この光学式エンコーダ
には、傾斜台38上に所定角度だけ傾斜させて配置した
基板40と、この基板40の搭載面40a上に搭載され
た面発光半導体レーザ32と、この面発光半導体レーザ
32から出射したレーザー光によって照射されたリニア
スケール34から反射した反射光を受光するように、基
板40の搭載面40a上に搭載された受光素子36とが
設けられている。
【0024】このような構成の動作は、上述した構成例
と同様であるため、その説明は省略する。このような構
成によれば、基板40に凹部(図1の符号30参照)を
形成する工程を省略することができるという効果を得る
ことができる。なお、他の効果は、上述した構成例と同
様であるため、その説明は省略する。
【0025】ところで、上記図1及び図2に示した光学
式エンコーダは、面発光半導体レーザ32から出射した
レーザー光をスケール34に対して斜めに入射させる必
要上、面発光半導体レーザ32を支持する基板28,4
0上に、所定角度の斜面を有する凹部や所定角度を有す
る傾斜台座等を配置させる必要がある。このため、製造
工程や部品数が増加するだけでなく、傾斜部分に部品を
組立てる工程は水平面上に部品を組立てる工程に比較し
て複雑になる。この結果、製造及び組立コストが増加し
てしまうだけでなく、装置の小型化の妨げとなる。
【0026】また、面発光半導体レーザ32をスケール
34に対して斜めに配置させているため、面発光半導体
レーザ32の光出射部とスケール34との間の距離を短
くすると、面発光半導体レーザ32又はこの面発光半導
体レーザ32を支持する基板28,40の角部がスケー
ル34に接触してしまうといった問題が発生する。
【0027】通常、面発光半導体レーザ32の出力光
は、数度程度の拡がり角度を持っているため、面発光半
導体レーザ32とスケール34との間の距離を大きくす
ると、スケール34上に形成されるビームスポット径が
大きくなる。このため、スケール34のピッチを大きく
設定する必要があるため、その結果として、分解能が低
下してしまう。
【0028】即ち、スケール34上のビームスポット径
が、スケール34中の高反射領域34a及び低反射領域
34bの配置周期よりも大きいときには、複数の高反射
領域34a及び低反射領域34bが同時に照射されるこ
とになる。このため、受光素子36が受光する光量は、
各反射領域34a,34bの反射光の平均値に近くなる
ため、移動するスケール34から発生する反射光の光量
の強弱が表れ難くなってしまう。従って、高分解能の光
学式エンコーダを実現するためには、スケール34の移
動に伴って反射光量の強弱が明確に発生するように、ス
ケール34中の高反射領域34a及び低反射領域34b
の配置周期を所定量だけ小さくすると共に、これに対応
して面発光半導体レーザ32とスケール34との間の距
離を短くし且つスケール34上のビームスポット径を小
さくする必要がある。
【0029】しかし、この点については何等考慮されて
おらず、面発光半導体レーザ32の光出射部とスケール
34との間の距離は比較的大きく設定されている。この
ため、光学式エンコーダの分解能が制限されている。
【0030】このような問題を解決するためには、面発
光半導体レーザ32をスケール34に対して平行に配置
することが望ましい。しかし、面発光半導体レーザ32
をスケール34に対して平行に配置すると、スケール3
4の高反射領域又は遮光領域から反射した反射光が面発
光半導体レーザ32自身に戻ることによって以下のよう
な問題が発生する。
【0031】即ち、スケール34の移動と共に反射光量
が変化することによって、又は、スケール34と面発光
半導体レーザ32との間の距離の僅かな変化によって、
反射光とレーザー光との間の干渉状態が変化するため、
面発光半導体レーザ32の出力が不安定になってしまう
といった新たな問題が生じる。
【0032】そこで、このような問題を解決するために
改良された本発明の第1の実施例に係る面発光半導体レ
ーザについて、図3を参照して説明する。図3に示すよ
うに、本実施例の面発光半導体レーザは、その下端に設
けられた半導体基板42と、その上端に設けられてお
り、レーザー光出射用の出射窓44aが形成された電極
44とを備えている。そして、半導体基板42と電極4
4との間には、上部ミラー46と、この上部ミラー46
の下部に形成されており、出射窓44aに整合した位置
に活性領域48が配置された高抵抗領域50と、この高
抵抗領域50の下部に形成された下部ミラー52とが設
けられている。
【0033】また、本実施例の面発光半導体レーザに
は、電極44の出射窓44a上に1/4波長板54が接
合されており、この1/4波長板54と上部ミラー46
との間には、一対の矢印Sによって示すような空間が形
成されている。
【0034】このような構成によれば、電極44に注入
された電流は、上部ミラー46から活性領域48を介し
て下部ミラー52を経た後、半導体基板42へ流れる。
このとき、活性領域48から発光した光は、上部ミラー
46と下部ミラー52によって構成される共振器内で反
射を繰り返す。そして、このようなレーザー発振によっ
て励起された光の一部は、上部ミラー46を透過した
後、出射窓44aからレーザー光56として取り出され
ることになる。
【0035】出射窓44aから取り出されたレーザー光
56(以下、出射光56と称する)は、一対の矢印Sで
示された空間内において直線偏光であるが、1/4波長
板54を透過することによって円偏光に変換された後、
外部の光学素子(図示せず)に照射される。なお、1/
4波長板54は、その光軸(一般的には、結晶軸)が面
発光半導体レーザの出射光の光軸に対して45°の角を
成すように配置されている。
【0036】光学素子から反射された戻り光は、円偏光
であるが、再度1/4波長板54を透過することによっ
て直線偏光に変換される。このときの戻り光56′は、
出射光56の偏光方向に対して90°偏波面の異なった
直線偏光に変換されているため、面発光半導体レーザ内
において有害な干渉を発生させることはない。
【0037】即ち、本実施例によれば、上記戻り光5
6′が面発光半導体レーザに悪影響を及ぼさないように
構成されているため、光学系の配置の自由度の高い面発
光半導体レーザを実現することができるという効果を得
る。
【0038】更に、出射光56は、一対の矢印Sで示さ
れた空間から1/4波長板54を透過するが、その一部
の光は、上記空間と1/4波長板54の界面から反射し
た後、再び共振器(即ち、上部ミラー46と下部ミラー
52により構成される共振器)に戻される。
【0039】ところで、上記空間の幅は、出射光56の
{N+(1/2)}波長(N;0又は正の整数)の光路
長に相当する寸法を有していることが望ましく、このと
きの往復の光路長は、波長の整数倍に等しくなる。
【0040】このとき、上記空間と1/4波長板54の
界面から反射した反射光の位相は、共振器(即ち、上部
ミラー46と下部ミラー52によって構成される共振
器)中の光の位相と等しくなる。
【0041】この結果、レーザー発振効率をより一層促
進させることが可能となる。このように本実施例によれ
ば、上記戻り光56′が面発光半導体レーザに悪影響を
及ぼさないように構成されているため、光学系の配置の
自由度の高い面発光半導体レーザを実現することができ
ると共に、レーザー発振効率をより一層促進させること
ができる。更に、本実施例によれば、1/4波長板54
を電極44上に接合したことによって、接合部位におけ
る不均一性や気泡等の混入に起因した光の屈折や散乱等
の影響を回避できるという新たな効果が得られる。な
お、接合部位における不均一性や気泡等の混入に起因し
た光の屈折や散乱等の影響とは、例えば、後述する図5
のように、出射窓上に接合層60(例えば、接着剤等)
を配置すると、その接合層の不均一性や気泡の混入によ
って光学的な障害を受けることを意味する。
【0042】従って、このような効果を奏する本実施例
の面発光半導体レーザを用いることによって、高分解能
であって低コストで簡単な構成のコンパクトな光学式エ
ンコーダの実現が可能となる。
【0043】次に、本発明の第2の実施例に係る面発光
半導体レーザについて、図4及び図5を参照して説明す
る。なお、本実施例の説明に際し、第1の実施例と同一
の構成には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0044】なお、図4及び図5中点線で囲まれた部分
は共振器58(即ち、上部ミラー46と下部ミラー52
により構成される共振器)、図4中1点鎖線Aは出射窓
44aの短軸、図4中矢印Pは出射光56の偏波方向、
図4中矢印Cは1/4波長板54の結晶軸方向を示す。
【0045】図4及び図5に示すように、本実施例の面
発光半導体レーザに適用された1/4波長板54は、電
極44の出射窓44aに設けられた接合層60上に搭載
されている。なお、この接合層60は、出射光56の
{N+(1/2)}波長(N;0又は正の整数)の光路
長に相当する厚みを有することが望ましい。また、1/
4波長板54は、その光軸が出射光の偏波面に対して4
5°の角を成すように配置されている。
【0046】ところで、一般的に面発光半導体レーザの
共振器58の形状が非等方であって且つ共振器断面の短
軸Aの方向にレーザー光が偏波する場合、その出射光5
6(図3参照)の偏波方向P及び短軸Aの方向は、互い
に平行になる。従って、出射窓44aを共振器58と略
同一形状にすると共に、結晶軸Cが短軸A方向に対して
45°ずれるように、1/4波長板54を配置すること
によって、第1実施例と同様に、戻り光56′が面発光
半導体レーザ内において有害な干渉を発生させることは
ない。
【0047】また、出射窓44aから取り出された出射
光56は、接合層60から1/4波長板54を透過して
外部に出射されるが、その一部の光は、接合層60と1
/4波長板54の界面から反射した後、再び共振器58
に戻される。
【0048】ところで、接合層60の厚みが、出射光5
6の{N+(1/2)}波長(N;0又は正の整数)の
光路長に相当する寸法を有している場合は、往復の光路
長は、波長の整数倍に等しくなる。
【0049】このとき、接合層60と1/4波長板54
の界面から反射した反射光の位相は、共振器58中の光
の位相と等しくなる。この結果、レーザー発振効率をよ
り一層促進させることが可能となる。
【0050】このように本実施例によれば、上記第1の
実施例の効果に加えて、更に、レーザー組立時に出射窓
44aの形状に基づいて、1/4波長板54の結晶軸方
向Cを決定することができるため、組立を容易に行うこ
とができるという新たな効果を得ると共に、接合層60
と1/4波長板54の界面から反射した反射光の位相と
共振器58中の光の位相とが等くなるため、レーザー発
振効率をより一層促進することができる。従って、この
ような効果を奏する本実施例の面発光半導体レーザを用
いることによって、高分解能であって低コストで簡単な
構成のコンパクトな光学式エンコーダの実現が可能とな
る。
【0051】なお、本実施例において、1/4波長板5
4の結晶軸方向Cは、図4の平面図上で図示した方向に
対して垂直な方向に設定しても同様の作用効果を奏す
る。次に、本発明の第3の実施例に係る面発光半導体レ
ーザを用いた光学式エンコーダについて図6を参照して
説明する。
【0052】図6に示すように、本実施例の光学式エン
コーダは、面発光半導体レーザ62に対して相対的に移
動するスケール(例えば、リニアスケール)64と、面
発光半導体レーザ62から出射されたレーザー光によっ
てスケール64の一部を照射した際、スケール64から
反射した反射光の一部を受光するように、面発光半導体
レーザ62に設けられた受光素子66とを備えている。
なお、面発光半導体レーザ62は、基板76上に搭載さ
れている。
【0053】また、面発光半導体レーザ62上には、1
/4波長板68が搭載されており、この1/4波長板6
8は、その結晶軸が面発光半導体レーザ62から1/4
波長板68へ出射されたレーザー光(以下、出射光70
aと称する)の偏波面に対して45°ずれるように、位
置決めされている。
【0054】また、面発光半導体レーザ62に設けられ
た受光素子66は、図中矢印M方向に移動するスケール
64から反射した反射光を受光可能な領域に位置決めさ
れている。
【0055】このような構成によれば、面発光半導体レ
ーザ32から出射された直線偏光の出射光70aは、1
/4波長板68によって、円偏光である伝搬光70bに
変換される。
【0056】この伝搬光70bは、拡がりながらスケー
ル64に到達した後、このスケール64から反射して図
6に示すような反射光となる。なお、反射光は、同図で
は説明の便宜上符号72a,72b,72cで示す。
【0057】このような反射光の一部72b,72c
は、光の拡がりによって元の光路を戻らないため、その
一部の反射光72cのみが受光素子66に到達する。と
ころで、スケール64には、高反射領域64aと低反射
領域64bが交互に配置されているため、スケール64
の移動に伴って受光素子66に受光される光量が変化す
る。この結果、受光素子66から出力される出力信号に
強弱が発生する。従って、かかる出力信号の強弱の発生
回数を計数することによって、スケール64の移動量を
検知することが可能となる。
【0058】一方、他の反射光72aは、再び1/4波
長板68を通過した後、面発光半導体レーザ62に戻さ
れる。この他の反射光72aは、円偏光であるが、再度
1/4波長板68を透過することによって直線偏光を有
する戻り光74に変換される。この戻り光74の偏波面
は、出射光70aの偏波面に対して90°異なっている
ため、面発光半導体レーザ62内において有害な干渉を
発生させることはない。
【0059】このように本実施例によれば、面発光半導
体レーザ62からスケール64に照射された光の反射光
を直接受光素子66で受光するように構成したことによ
って、コリメータレンズ等の光学部品が不要となり、こ
の結果、部品点数の少ない低コスト且つ小型の光学式エ
ンコーダを実現することができる。更に、本実施例によ
れば、戻り光74が面発光半導体レーザ62内で干渉を
起こさないように構成したことによって、スケール64
と面発光半導体レーザ62とを対面配置することが可能
となり、装置の組立工程が簡略化されると共に組立の自
由度を高めることができる。
【0060】なお、本実施例は以下のように改変可能で
ある。 1.本実施例では、受光素子66をスケール64に対し
て面発光半導体レーザ62と同じ側に配置したが、例え
ばスケール64を透過用スケールで構成し、受光素子6
6をスケール64に対して面発光半導体レーザ62の反
対側に配置するように構成してもよい。
【0061】2.受光素子66は、面発光半導体レーザ
62上に半導体プロセスによって形成してもよい。ま
た、反射光を受光できる位置であれば、基板76上に配
置してもよい。
【0062】3.本実施例ではスケール64にリニアス
ケールを用いたが回転スケールでもよい。 次に、本発明の第4の実施例に係る面発光半導体レーザ
を用いた光学式エンコーダについて図7を参照して説明
する。なお、本実施例の説明に際し、第3の実施例と同
一の構成には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0063】図7に示すように、本実施例の光学式エン
コーダに適用された面発光半導体レーザは、両面出射型
の面発光半導体レーザ62′であり、受光素子66は、
面発光半導体レーザ62′に対して基板76側に配置さ
れている。また、面発光半導体レーザ62′と受光素子
66との間には、その透過軸が面発光半導体レーザ6
2′から出射されたレーザー光の偏波面に対して90°
ずらされた偏光フィルタ78が介装されている。
【0064】このような構成によれば、面発光半導体レ
ーザ62′から出射されたレーザー光のうち、スケール
64方向に出射された直線偏光の上方出射光80aは、
1/4波長板68によって円偏光を有する伝搬光82に
変換された後、スケール64に到達する。
【0065】このとき、スケール64から反射した反射
光84は、再び1/4波長板68を透過することによっ
て、上方出射光80aの偏波面に対して90°偏波面の
異なる直線偏波を有する戻り光86に変換された後、面
発光半導体レーザ62′から偏光フィルタ78を透過し
て受光素子66に到達する。
【0066】一方、面発光半導体レーザ62′から出射
されたレーザー光のうち、受光素子66方向に出射され
た下方出射光80bは、偏光フィルタ78の透過軸に対
して90°ずれた偏波面を有する直線偏光であるため、
偏光フィルタ78を透過することはできない。
【0067】このように本実施例によれば、第3の実施
例の効果に加えて以下のような効果を奏する。即ち、本
実施例では、受光素子66に光を導く際に上方出射光8
0aの拡がりによる効果を必要としないため、スケール
64と両面出射型面発光半導体レーザ62′との間の距
離を、1/4波長板68とスケール64が接触しない範
囲で、極限まで近づけることができる。この結果、スケ
ール64を照射するビーム径を小さくすることが可能と
なり、高分解能化を達成することができる。
【0068】更に、本実施例によれば、受光素子66に
は、スケール64から反射した反射光84のみが取り込
まれるため、高い検出感度を維持することができる。な
お、本実施例において、例えば偏光フィルタ78の代わ
りに偏光プリズムを用いてもよい。
【0069】次に、本発明の第5の実施例に係る面発光
半導体レーザを用いた光学式エンコーダについて図8を
参照して説明する。なお、本実施例の説明に際し、第3
の実施例と同一の構成には同一符号を付して、その説明
を省略する。
【0070】図8に示すように、本実施例の光学式エン
コーダは、面発光半導体レーザ62に対して相対的に移
動するスケール64と、面発光半導体レーザ62から出
射されたレーザー光によってスケール64の一部を照射
した際、スケール64から反射した反射光の一部を受光
するように、面発光半導体レーザ62に設けられた受光
素子66とを備えており、スケール64には、インコヒ
ーレントな反射光を発生させる手段が設けられている。
【0071】本実施例に適用されたスケール64は、そ
の表面にアルミニウムを蒸着した“すりガラス”で構成
されており、インコヒーレントな反射光を発生させる手
段としては、高散乱領域64aとアルミニウムを部分的
に黒化処理した低散乱領域64bとが該当する。
【0072】このような構成によれば、面発光半導体レ
ーザ62からスケール64上にレーザー光を照射した
際、このスケール64の高散乱領域64a及び低散乱領
域64bからインコヒーレントな反射光即ち散乱反射光
が発生する。
【0073】このとき、散乱反射光の一部は、受光素子
66によって受光されるため、スケール64の移動に伴
って生じる散乱反射光の強弱変化が検出される。このよ
うに本実施例によれば、以下のような効果を奏する。
【0074】即ち、スケール64に照射されたレーザー
光は、高散乱領域64a及び低散乱領域64bによって
散乱反射光となるため、面発光半導体レーザ62へ戻る
コヒーレントな反射光が発生しない。この結果、面発光
半導体レーザに有害な干渉が生ずることなく安定な出力
が得られるので、スケール64と面発光半導体レーザ6
2を互いに平行に配置することができると共に、装置の
組立工程が簡略化され且つ組立の自由度を高めることが
できる。
【0075】更に、本実施例によれば、スケール64と
面発光半導体レーザ62との間の距離を、受光素子66
とスケール64が接触しない範囲で、極限まで近づける
ことができる。この結果、スケール64を照射するビー
ム径を小さくすることが可能となり、高分解能化を達成
することができる。
【0076】なお、本実施例は以下のように改変可能で
ある。 1.本実施例では、受光素子66をスケール64に対し
て面発光半導体レーザ62と同じ側に配置したが、例え
ばスケール64を透過用スケールで構成し、受光素子6
6をスケール64に対して面発光半導体レーザ62の反
対側に配置するように構成としてもよい。この場合、透
過用スケールに、例えばすりガラスに部分的に金属膜を
形成して遮光部と透過部とを交互に配置させてもよい。
【0077】2.受光素子66は、面発光半導体レーザ
62上に半導体プロセスによって形成してもよい。ま
た、散乱反射光を受光できる位置であれば、基板76上
に配置してもよい。
【0078】3.本実施例ではスケール64にリニアス
ケールを用いたが回転スケールでもよい。 次に、本発明の第6の実施例に係る面発光半導体レーザ
を用いた光学式エンコーダについて図9を参照して説明
する。なお、本実施例の説明に際し、第3の実施例と同
一の構成には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0079】図9に示すように、本実施例の光学式エン
コーダに適用されたスケール64には、遮光部64aと
透光部64bとが交互に形成されており、これら遮光部
64a及び透光部64bは、例えばガラス表面を部分的
にすりガラス化し、これら刷りガラス化した部分に金属
薄膜を蒸着することによって形成されている。この場
合、透光部64bの表面には、無反射コーティングを施
すことが好ましい。
【0080】また、本実施例に適用された受光素子66
は、スケール64に対して面発光半導体レーザ62とは
反対側に設けられている。このような構成によれば、面
発光半導体レーザ62から出射されたレーザー光は、ス
ケール64に照射されるが、遮光部64aの部分に照射
されたレーザー光は、散乱反射される。
【0081】即ち、散乱反射されることによって、面発
光半導体レーザ62へ戻って有害な干渉を生じるような
コヒーレントな反射光は発生しないことになる。一方、
透光部64bの部分に照射されたレーザー光は、散乱さ
れることなく、スケール64を透過した後、受光素子6
6によって受光される。
【0082】この結果、受光素子66から出力される受
光量の変化に対応した電気信号に基づいて、スケール6
4の移動量が検出されることになる。このように本実施
例によれば、第5の実施例の効果に加えて以下のような
効果を奏する。即ち、受光素子66に散乱しない光が照
射されるため、受光量が増加して、S/N比が向上する
という新たな効果を得る。
【0083】次に、本発明の第7の実施例に係る面発光
半導体レーザを用いた光学式エンコーダについて図10
を参照して説明する。なお、本実施例の説明に際し、第
3の実施例と同一の構成には同一符号を付して、その説
明を省略する。
【0084】図10に示すように、本実施例の光学式エ
ンコーダは、面発光半導体レーザ62上に半導体製造プ
ロセスによって直接形成されたプリズム88を備えてい
る。このような構成によれば、面発光半導体レーザ62
からプリズム88方向に出射した出射光90aは、プリ
ズム88を介して偏向した後、伝搬光90bとなってス
ケール64に斜めに照射される。
【0085】このとき、スケール64から反射した反射
光90cは、受光素子66によって受光され、光の強弱
が検出される。この結果、スケール64の移動量が検出
されることになる。
【0086】このように本実施例によれば、以下のよう
な効果を奏する。即ち、スケール64に対して斜めに伝
搬光90bを照射させたことによって、スケール64か
ら反射した反射光90cが面発光半導体レーザ62へ戻
ることが回避される。この結果、スケール64と面発光
半導体レーザ62を互いに平行に配置することができる
ため、装置の組立工程が簡略化されると共に組立の自由
度を高めることができる。
【0087】更に、本実施例によれば、面発光半導体レ
ーザ62上に半導体製造プロセスによって直接形成され
たプリズム88を配置したため、外付けの光学部品が不
要となり、組立工程を簡略にすることができるという効
果を得る。
【0088】なお、本実施例は以下のように改変可能で
ある。 1.本実施例では、受光素子66をスケール64に対し
て面発光半導体レーザ62と同じ側に配置したが、例え
ばスケール64を透過用スケールで構成し、受光素子6
6をスケール64に対して面発光半導体レーザ62の反
対側に配置するように構成してもよい。
【0089】2.受光素子66は、面発光半導体レーザ
62上に半導体プロセスによって形成してもよい。ま
た、反射光を受光できる位置であれば、基板76上に配
置してもよい。
【0090】3.本実施例ではスケール64にリニアス
ケールを用いたが回転スケールでもよい。 4.本実施例では、面発光半導体レーザ62上に半導体
製造プロセスによって直接形成されたプリズム88を用
いたが、別に製作した光学部品を取り付けてもよい。
【0091】次に、本発明の第8の実施例に係る面発光
半導体レーザを用いた光学式エンコーダについて図11
を参照して説明する。なお、本実施例の説明に際し、第
3の実施例と同一の構成には同一符号を付して、その説
明を省略する。
【0092】図11に示すように、本実施例に適用され
たスケール64には、複数の第1傾斜面領域64aと、
複数の第2傾斜面領域64bとが交互に形成されてい
る。これら第1及び第2傾斜面領域64a,64bは、
シリコン基板から成るスケール64に対してフォトリソ
グラフ技術と異方性エッチング技術を適用することによ
って、低コスト且つ高精度に製作することができる。
【0093】このような構成によれば、面発光半導体レ
ーザ62からスケール64方向に出射されたレーザー光
のうち、第1傾斜面領域64aに照射されたレーザー光
は、この傾斜面領域64aから反射した後、受光素子6
6によって受光される。
【0094】一方、スケール64の移動によって、レー
ザー光が第2傾斜面領域64bに照射されたとすると
(図示せず)、その第2傾斜面領域64bから反射した
反射光は、受光素子66とは異なる方向に反射されるた
め、受光素子66に到達することはない。
【0095】この結果、第1傾斜面領域64aから反射
した反射光のみが、スケール64の移動に伴って、受光
素子66に受光され、その受光量に強弱に基づいて、ス
ケール64の移動量が検出されることになる。
【0096】このように本実施例によれば、以下のよう
な効果を奏する。即ち、面発光半導体レーザ62方向へ
の戻り光が発生しないため、スケール64と面発光半導
体レーザ62を互いに平行に配置することができる。こ
の結果、装置の組立工程が簡略化されると共に組立の自
由度を高めることができる。
【0097】更に、本実施例によれば、シリコン基板を
材料としフォトリソグラフ技術と異方性エッチング技術
を用いて製作した第1傾斜面領域64aを有するスケー
ル64を用いることにより、スケール64を製作する工
程を簡略化することができるため、低コスト且つ高精度
な光学式エンコーダを実現することができるという効果
を得る。
【0098】なお、本実施例は以下のように改変可能で
ある。 1.本実施例では、受光素子66をスケール64に対し
て面発光半導体レーザ62と同じ側に配置したが、例え
ばスケール64を透過用スケールで構成し、受光素子6
6をスケール64に対して面発光半導体レーザ62の反
対側に配置するように構成してもよい。この場合、受光
素子66は、第1傾斜領域64aから屈折、透過する光
のみを受光し、その他の領域を透過する光を受光しない
位置に配置する。
【0099】2.受光素子66は、面発光半導体レーザ
62上に半導体プロセスによって形成してもよい。ま
た、反射光を受光できる位置であれば、基板76上に配
置してもよい。
【0100】3.本実施例ではスケール64にリニアス
ケールを用いたが回転スケールでもよい。 次に、本発明の第9の実施例に係る面発光半導体レーザ
を用いた光学式エンコーダについて図12を参照して説
明する。なお、本実施例の説明に際し、第3の実施例と
同一の構成には同一符号を付して、その説明を省略す
る。
【0101】図12に示すように、本実施例に適用され
たスケール64は、ガラス等の材質で形成されており、
このようなスケール64には、V溝状の傾斜面領域に金
属蒸着膜等を施して構成された遮光部64aと、これら
遮光部64a以外の表面に反射防止膜が施された透光部
64bとが交互に設けられている。
【0102】また、本実施例において、受光素子66
は、スケール64に対して面発光半導体レーザ62とは
反対側に対面配置されている。このような構成によれ
ば、面発光半導体レーザ62から出射されたレーザー光
のうち、透光部64bの部分に照射されたレーザー光
は、この透過部64bを透過した後、受光素子66によ
って受光される。一方、スケール64が移動したことに
よって、遮光部64aの部分に照射されたレーザー光
は、この遮光部64aから図中矢印R1 ,R2 方向に反
射されて受光素子66には到達しない。
【0103】この結果、透光部64bを透光したレーザ
ー光のみが、スケール64の移動に伴って、受光素子6
6に受光され、その受光量の強弱に基づいて、スケール
64の移動量が検出されることになる。
【0104】このように本実施例によれば、第8の実施
例の効果に加えて以下のような効果を奏する。即ち、ス
ケール64を直進して透過したレーザー光のみを検出し
ているため、例えば第8の実施例に示されたように、ス
ケール64から反射した反射光を受光するように受光素
子66の位置を高精度に位置決めする工程や調整等が不
要になるという新たな効果が奏する。
【0105】次に、本発明の第10の実施例に係る面発
光半導体レーザを用いた光学式エンコーダについて図1
3を参照して説明する。なお、本実施例の説明に際し、
第3の実施例と同一の構成には同一符号を付して、その
説明を省略する。
【0106】図13(a)に示すように、本実施例に適
用されたスケール64は、ガラス等の材質で形成されて
おり、このようなスケール64には、金属蒸着膜等が施
された遮光部64aと、レーザー光を透過する透光部6
4bとが交互に形成されている。
【0107】図13(b)に示すように、遮光部64a
の表面には、相対的に高さが異なる微小領域92a,9
2bが設けられており、これら微小領域92a,92b
の高低差(図中矢印Dで示す高低差)は、波長の1/4
に規定されている。また、同様に、透光部64bの表面
には、相対的に高さが異なる微小領域94a,94bが
設けられており、これら微小領域94a,94bの高低
差(図中矢印Dで示す高低差)は、波長の1/4に規定
されている。
【0108】また、本実施例において、受光素子66
は、スケール64に対して面発光半導体レーザ62とは
反対側に対面配置されている。このような構成によれ
ば、面発光半導体レーザ62から出射されたレーザー光
96が受光素子66への到達する割合(即ち、受光素子
66の受光量)は、スケール64の移動に伴って変化す
るため、受光素子66の受光量を検出することによって
スケール64の移動量を検出することができる。
【0109】具体的には、図13(b)に示すように、
スケール64の透光部64bに照射されたレーザー光9
6は、その一部の光が透光部64bの微小領域94a,
94bから反射する。
【0110】このとき発生した反射光98a,98b
は、高低差Dに対応した光路差によって、互いに1/2
周期の位相差を有する。この結果、反射光98a,98
bは、相互に打ち消し合うことになる。
【0111】なお、同様に、遮光部64aから反射した
反射光も互いに打ち消し合う。このように反射光が互い
に打ち消し合うため、面発光半導体レーザ62内におい
て有害な干渉が生じることはない。
【0112】このように本実施例によれば、以下のよう
な効果を奏する。即ち、面発光半導体レーザ62方向へ
の反射光が発生しないため、スケール64と面発光半導
体レーザ62を互いに平行に配置することができる。こ
の結果、装置の組立工程が簡略化されると共に組立の自
由度を高めることができる。更に、スケール64と面発
光半導体レーザ62とを接近させることができるため、
スケール64を照射するビーム径を小さくでき、高分解
能化を達成することができる。
【0113】次に、本発明の第11の実施例に係る面発
光半導体レーザを用いた光学式エンコーダについて図1
4を参照して説明する。なお、本実施例の説明に際し、
第3の実施例と同一の構成には同一符号を付して、その
説明を省略する。
【0114】図14に示すように、本実施例に適用され
たスケール64は、ガラス等の材質で形成されており、
このようなスケール64には、周期的に設けられた複数
の回折格子領域64aと、それ以外の透光領域64bと
が交互に設けられている。
【0115】回折格子領域64aは、夫々、+1次回折
光102のみを強く発生させるブレイズド格子によって
構成されている。また、透光領域64bには、無反射膜
が施されている。
【0116】また、受光素子66は、回折格子領域64
aから発生する+1次回折光102を受光するように、
面発光半導体レーザ62上に搭載されている。このよう
な構成によれば、面発光半導体レーザ62から出射され
たレーザー光100のうち、スケール64の回折格子領
域64aの部分に照射されたレーザー光100は、この
回折格子領域64aから+1次回折光102となって回
折した後、受光素子66によって受光される。このと
き、スケール64から面発光半導体レーザ62方向へ反
射される戻り光は生じない。
【0117】また、スケール64が移動することによっ
て、レーザー光100が回折格子領域64aから外れて
透光領域64bに照射された場合、このレーザー光10
0は、スケール64を透過するため、スケール64から
+1次回折光102は発生しない。この結果、受光素子
66に光は照射されないことになる。
【0118】このように、回折格子領域64aから発生
した+1次回折光102のみが、スケール64の移動に
伴って、受光素子66に受光され、その受光量に強弱に
基づいて、スケール64の移動量が検出されることにな
る。
【0119】このように本実施例によれば、以下のよう
な効果を奏する。即ち、面発光半導体レーザ62方向へ
の戻り光が発生しないため、面発光半導体レーザ62内
に有害な干渉を生じることはない。この結果、スケール
64と面発光半導体レーザ62を互いに平行に配置する
ことができるため、装置の組立工程が簡略化されると共
に組立の自由度を高めることができる。更に、スケール
64と面発光半導体レーザ62とを接近させることがで
きるため、スケール64を照射するビーム径を小さくで
き、高分解能化を達成することができる。
【0120】なお、上記具体的な各実施例から以下のよ
うな構成を有する技術的思想が導かれる。 (1) 表面及び裏面を有する面発光半導体レーザであ
って、この面発光半導体レーザには、前記表面及び裏面
の少なくとも一方に配置されたレーザ光出射用の出射窓
と、その結晶軸が前記面発光半導体レーザから出射され
る出射光の偏光面に対して45°ずれるように、前記出
射窓上に配置された1/4波長板とが設けられているこ
とを特徴とする面発光半導体レーザ。 (構成)この発明は、第1の実施例(図3参照)に対応
する。クレーム中の出射窓は実施例の44aが該当す
る。1/4波長板は直交した2偏波面間に90°の位相
差を生じる複屈折光学素子であり、実施例の54が該当
する。 (作用)出射窓44aから出射された出射光56は直線
偏光である。この出射光56は1/4波長板54を通過
することにより円偏光に変換された後、外部に取り出さ
れる。戻り光56′が出射光56と逆の経路をたどる
時、円偏光の戻り光56′は、1/4波長板54によっ
て元の出射光56と90°偏光面の異なる直線偏光の戻
り光56′となるために、面発光半導体レーザの出力を
不安定にする有害な干渉が生じない。 (効果)外部の光学素子等による戻り光が面発光半導体
レーザに悪影響を及ぼさないので、その影響を考慮せず
に自由に光学系を配置することが可能な面発光半導体レ
ーザを得ることができる。 (2) 平面形状が非等方形状の垂直共振器(58)
と、前記垂直共振器と略同形状の平面形状の出射窓(4
4a)を有すると共に、1/4波長板(54)の結晶軸
を前記出射窓の短軸(A)方向に対して45°ずらして
配置したことを特徴とする(1)記載の面発光半導体レ
ーザ。 (構成)この発明は、第2の実施例(図4及び図5参
照)に対応する。クレーム中の共振器は実施例の58が
対応するが、その平面形状が楕円形や長円形の場合など
も含む。 (作用)一般的に面発光半導体レーザの共振器の形状が
非等方である場合、その出射光の偏波面は共振器形状の
短軸方向と平行になる。従って、出射窓を共振器と略同
一形状にして、1/4波長板の結晶軸を出射窓の短軸方
向に対して45°ずらして配置することで(1)と同様
な作用が得られる。 (効果)組み立て時に出射窓の形状によって1/4波長
板の結晶軸方向を決定することができるので、組み立て
が容易になるという新たな効果を得る。 (3) 1/4波長板(54)が出射光のN+1/2波
長(Nは0または正の整数)の光路長に相当する厚さの
接合層(60)を介して出射窓上に接合されていること
を特徴とするクレーム1記載の面発光半導体レーザ。 (構成)この発明は、第2の実施例(図4及び図5参
照)に対応する。クレーム中の接合層は実施例の60が
対応する。 (作用)出射窓44aから出た出射光は接合層60、1
/4波長板54を透過して外部に取り出されるが、その
一部は接合層60と1/4波長板54の界面で反射して
共振器58に戻る。この時、接合層60の厚さが出射光
の{N+(1/2)}波長(N;0又は正の整数)の光
路長に相当する厚さであるため、往復の光路長は波長の
整数倍に等しくなる。従って、接合層60と1/4波長
板54の界面での反射光の位相は共振器58中の光の位
相と等しくなる。 (効果)接合層60と1/4波長板54の界面での反射
光の位相が共振器58中の光の位相と等しいので、共振
器58中の光を強め、レーザの発振をより一層促進する
効果が生じる。 (4) 電極上に接合された1/4波長板(54)と出
射光の{N+(1/2)}波長(N;0又は正の整数)
の光路長に相当する厚さの1/4波長板と出射窓の間の
空間(S)とを有することを特徴とする(1)記載の面
発光半導体レーザ。 (構成)この発明は第1の実施例(図3参照)に対応す
る。クレーム中の空間は矢印Sの部分が対応する。 (作用)出射窓44aから出た出射光56は空間S、1
/4波長板54を透過して外部に取り出されるが、その
一部は空間Sと1/4波長板54の界面で反射して共振
器(即ち、上部ミラー46と下部ミラー52により構成
される共振器)に戻る。このとき、空間Sの厚さが出射
光の{N+(1/2)}波長(N;0又は正の整数)の
光路長に相当する厚さであるため、往復の光路長は波長
の整数倍に等しくなる。従って、空間Sと1/4波長板
54の界面での反射光の位相は共振器中の光の位相と等
しくなる。 (効果)上記(3)と同様な効果が得られると共に、1
/4波長板(54)を電極上に接合しているため、接合
層の不均一性や気泡等の混入による光の屈折、散乱等の
影響を受けないという新たな効果が得られる。なお、接
合部位における不均一性や気泡等の混入に起因した光の
屈折や散乱等の影響とは、例えば、図5に示すように、
出射窓上に接合層60(例えば、接着剤等)を配置する
と、その接合層の不均一性や気泡の混入によって光学的
な障害を受けることを意味する。 (5) 上記(1)記載の面発光半導体レーザを用いた
光学式エンコーダであって、前記面発光半導体レーザに
対して相対的に移動するスケールと、前記面発光半導体
レーザから出射されたレーザー光によって前記スケール
の一部を照射した際、前記スケールから発生した反射光
又は透過光を受光するように、前記面発光半導体レーザ
に設けられた受光素子とを備えていることを特徴とする
光学式エンコーダ。 (構成)この発明は、第3の実施例(図6参照)に対応
する。クレーム中の面発光半導体レーザは(1)の面発
光半導体レーザであり、実施例の62が該当する。受光
素子はフォトダイオード等の光電変換素子であり実施例
の66が該当する。スケールはガラス板等の表面に反射
率の高い領域と低い領域を周期的に配置したものであ
り、実施例の64が該当するが、回転運動を検出する際
に用いるロータリーエンコーダスケール等を含む。ま
た、反射率の高い領域と低い領域の代わりに遮光部と透
光部を周期的に配置し、受光素子をスケールに対して面
発光半導体レーザと反対側に配置してスケールの透過光
を検出する構成としても良い。 (作用)面発光半導体レーザ62から出射された直線偏
光は1/4波長板68により円偏光となりスケール64
に照射される。スケール64からの反射光の拡がった一
部は受光素子66によって受光される。また、スケール
64から面発光半導体レーザ62に戻る反射光は、1/
4波長板68によって元の出射光と90°偏波面の異な
る直線偏光となるために、面発光半導体レーザ62の出
力を不安定にする有害な干渉が生じない。 (効果)面発光半導体レーザ62へ戻り光による干渉が
生じないために、スケール64と面発光半導体レーザ6
2を平行に配置することができ、基板上への凹部の加工
や傾斜面への組立を省略することができるという効果を
奏する。 (6) 上記(1)の面発光半導体レーザが両面出射型
の面発光半導体レーザ(62′)であり、受光素子がス
ケール(64)からの反射光を受光するための受光素子
(33)であり、前記受光素子が前記面発光半導体レー
ザに対してスケールと反対側に配置されていることを特
徴とし、前記面発光半導体レーザと前記受光素子の間に
配置されかつその透過軸を面発光半導体レーザからの出
射光(80a)の偏光面に対して90°ずらして配置さ
れた偏光フィルター(78)を有する(5)記載の光学
式エンコーダ。 (構成)この発明は、第4の実施例(図7参照)に対応
する。クレーム中の面発光半導体レーザは上記(1)の
半導体レーザであり両面に光出射窓を有するタイプであ
って、実施例の62′が該当する。偏光フィルターは例
えば高分子偏光膜などの特定の偏光面を持った直線偏光
を透過する光学素子であって実施例の78が該当する
が、偏光プリズム等も含む。 (作用)両面出射型面発光半導体レーザ62′は両面の
光出射窓から光を出射すると共に、一方の光出射窓から
入射されたスケール64からの反射光84、86を他方
に透過する。偏光フィルター78は、両面出射型面発光
半導体レーザ62′の下方出射光80bを遮断しスケー
ル64からの戻り光86を透過する。従って、受光素子
66は、スケール64からの反射光のみを受光する。 (効果)上記(5)の効果に加えて、スケール64と両
面出射型面発光半導体レーザ62′間の距離を(1/4
波長板68とスケール64が接触しない範囲で)極限ま
で近づけることができるので、スケール64を照射する
ビーム径を小さくでき、高分解能を達成できる。 (7) 面発光半導体レーザを用いた光学式エンコーダ
であって、前記面発光半導体レーザに対して相対的に移
動するスケールと、前記面発光半導体レーザから出射さ
れたレーザー光によって前記スケールの一部を照射した
際、前記スケールから発生した反射光又は透過光を受光
するように設けられた受光素子とを備えており、前記ス
ケールには、インコヒーレントな反射光を発生させる手
段が設けられていることを特徴とする光学式エンコー
ダ。 (構成)この発明は、第5の実施例(図8参照)に対応
する。クレーム中のスケールは、例えば表面にアルミニ
ウムを蒸着したすりガラスを部分的に黒化処理して、イ
ンコヒーレントな反射光を生じる高散乱領域64aと低
散乱領域64bを設けたものであり、実施例では64が
該当するが、高散乱領域と低散乱領域の代わりに反射部
と透光部を設けてもよい。また、高散乱領域と低散乱領
域の代わりに遮光部と透光部を設けると共に、受光素子
は透過光を検出するように構成としてもよい。なお、
「インコヒーレントな反射光を生じる」とは、反射光が
散乱反射光として生じることを意味する。 (作用)面発光半導体レーザ62から出射されたレーザ
ー光はスケール64に照射される。スケール64で散乱
された光の一部は受光素子66で受光される。このと
き、スケール64の移動に起因した散乱光の強弱に基づ
いて、スケール64の移動が検知される。 (効果)本構成ではスケール64から面発光半導体レー
ザ62へのコヒーレントな反射光が生じないため、面発
光半導体レーザへの戻り光による有害な干渉は発生しな
い。また、スケール64と面発光半導体レーザ62間の
距離を近づけることができるので、スケール64を照射
するビーム径を小さくでき、高分解能を達成できる。 (8) スケールが遮光部(64a)と透光部(64
b)を周期的に配置したスケール(64)であり、受光
素子が前記スケールからの透過光を受光するための受光
素子(66)であり、前記スケールの遮光部には、イン
コヒーレントな反射光を生じる性質を有する手段が設け
られていることを特徴とする(7)記載の光学式エンコ
ーダ。 (構成)この発明は、第6の実施例(図9参照)に対応
する。遮光部は実施例の64a、透光部は実施例の64
bが該当する。 (作用)面発光半導体レーザ62から出射されたレーザ
ー光は、スケール64に照射される。レーザー光が遮光
部64aに照射されると光は散乱され受光素子66に達
しない。且つ、面発光半導体レーザ62へもどって有害
な干渉を生じるコヒーレントな反射光は生じない。一
方、透光部64bに照射されたレーザー光は、スケール
64を透過した後、受光素子66によって受光される。
かくして、受光素子66の受光量の変化に基づいて、ス
ケール64の移動量が検出される。 (効果)上記(7)の効果に加えて、受光素子66によ
って散乱されない直接透過光が受光されるため、受光光
量が多くなり、この結果、S/N比が向上されるという
効果を新たに得る。 (9) 光源に対して相対的に移動するスケール(6
4)と、このスケールの一部を照射するため面発光半導
体レーザ(62)と、前記スケールからの反射光又は透
過光を受光するための受光素子(66)とを有する光学
式エンコーダにおいて、前記面発光半導体レーザからの
出射光の光軸を傾ける手段(88)を備えたことを特徴
とする光学式エンコーダ。 (構成)この発明は、第7の実施例(図10参照)に対
応する。クレーム中の出射光の光軸を傾ける手段は、実
施例ではプリズム88が該当するが、回折格子等も含
む。 (作用)面発光半導体レーザ62からの出射光90a
は、光軸を傾ける手段即ちプリズム88によってスケー
ル64に対して斜めに入射し、その反射光は受光素子6
6で受光される。 (効果)本構成では、スケール64からの反射光が面発
光半導体レーザ62に戻らないので、スケール64と面
発光半導体レーザ62を平行に配置しても有害な干渉が
生じない。また、スケールと面発光半導体レーザ間の距
離を近づけることができるので、スケールを照射するビ
ーム径を小さくでき、高分解能を達成できる。 (10) 光源に対して相対的に移動するスケール(6
4)と、このスケールの一部を照射するための面発光半
導体レーザ(62)と、前記スケールからの反射光又は
透過光を受光するための受光素子(66)を有する光学
式エンコーダにおいて、前記スケールが周期的な複数の
傾斜面領域(64a,64b)を有することを特徴とす
る光学式エンコーダ。 (構成)この発明は、第8の実施例(図11参照)に対
応する。クレーム中の傾斜面領域は実施例では64a,
64bが該当する。 (作用)面発光半導体レーザ62から出射されたレーザ
ー光がスケール64の第1傾斜面領域64aに照射され
ると、この第1傾斜面領域64aから反射した反射光は
受光素子66によって受光される。スケールが移動して
第1傾斜面領域64a以外の部分(例えば、第2傾斜面
領域64b)が照射されているときは、その反射光は受
光素子66に達しない。よって、スケールの移動に伴っ
て変化する受光素子66の受光量の強弱に基づいて、ス
ケールの移動量が検出される。 (効果)スケール64からの反射光が、面発光半導体レ
ーザ62に戻らないので、有害な干渉が生じない。ま
た、スケールと面発光半導体レーザ間の距離を近づける
ことができるので、スケールを照射するビーム径を小さ
くでき、高分解能を達成できる。 (11) スケールが遮光部(64a)と透光部(64
b)を周期的に配置したスケールであり、受光素子がス
ケールからの透過光を受光するための受光素子(66)
であり、前記スケールの傾斜面領域が前記遮光部に配置
されていることを特徴とする(10)記載の光学式エン
コーダ。 (構成)この発明は、第9の実施例(図12参照)に対
応する。クレーム中の遮光部、透光部は実施例では64
a,64bがそれぞれ該当する。 (作用)面発光半導体レーザの出射光が遮光部に照射さ
れると、面発光半導体レーザおよび受光素子と異なる方
向に反射される。出射光が透光部に照射されると、スケ
ールを透過し受光素子によって受光される。 (効果)上記(10)の効果に加えて、受光素子によっ
て透過光を検出する構成としたため、反射光の位置と受
光素子の位置を一致する必要がなく、調整が不要である
という効果が得られる。 (12) 光源に対して相対的に移動するスケール(6
4)と、このスケールの一部を照射するための面発光半
導体レーザ(62)と、前記スケールからの透過光を受
光するための受光素子(66)を有するエンコーダにお
いて、前記スケールには、遮光領域(64a)及び透光
領域(64b)が交互に配置されており、また、少なく
とも前記遮光領域は、複数の微小領域(92a,92
b、94a,94b)に分割されており、各微小領域間
には、前記面発光半導体レーザの出射光の{N+(1/
4)}波長の光路長に相当する高さ(N;0又は正の整
数)の高低差(D)が有ることを特徴とする光学式エン
コーダ。 (構成)本発明は、第10の実施例(図13参照)に対
応する。クレーム中の微小領域は実施例では92a,9
2b、94a,94bがそれぞれ該当する。 (作用)スケール64の表面で生じる反射光98a,9
8bは高低段差Dによる光路差に起因した1/2周期の
位相差を持っているため、互いに打ち消し合う。 (効果)反射光が、互いに打ち消し合うため、戻り光に
よる面発光半導体レーザ62に対する有害な干渉を生じ
ない。また、スケールと面発光半導体レーザ間の距離を
近づけることができるので、スケールを照射するビーム
径を小さくでき、高分解能を達成できる。 (13) 光源に対して相対的に移動するスケール(6
4)と、このスケールの一部を照射するための面発光半
導体レーザ(62)と、前記スケールからの1次以上の
次数の回折光を受光するための受光素子(66)を有
し、前記スケールが周期的な複数の回折格子領域(64
a)を有することを特徴とする光学式エンコーダ。 (構成)本発明は、第11の実施例(図14参照)に対
応する。クレーム中の回折格子領域は実施例の64aが
対応する。この回折格子領域には、0次回折光が生じな
い回折特性を有するブレイズド格子を用いるのが望まし
い。 (作用)回折格子領域64aから発生した回折光102
は、受光素子66によって受光される。スケールが移動
して回折格子領域64a以外の部分が照射されていると
きは、回折光は生じない。よってスケールの移動に伴っ
て生じる受光素子66の受光量の強弱に基づいて、ステ
ージの移動量が検出される。 (効果)スケール64からの反射光が、面発光半導体レ
ーザ62に戻らないので、有害な干渉が生じない。ま
た、スケールと面発光半導体レーザ間の距離を近づける
ことができるので、スケールを照射するビーム径を小さ
くでき、高分解能を達成できる。
【0121】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、戻り光
が面発光半導体レーザに悪影響を及ぼさないように構成
されているため、光学系の配置の自由度の高い面発光半
導体レーザを実現することができると共に、レーザー発
振効率をより一層促進させることができる。更に、本発
明によれば、1/4波長板を出射窓上に配置したことに
よって、配置部位における不均一性や気泡等の混入に起
因した光の屈折や散乱等の影響を回避できるという新た
な効果が得られる。従って、このような効果を奏する本
発明の面発光半導体レーザを用いることによって、高分
解能であって低コストで簡単な構成のコンパクトな光学
式エンコーダの実現が可能となる。
【0122】請求項2に記載の発明によれば、面発光半
導体レーザからスケールに照射された光の反射光又は透
過光を直接受光素子により受光するように構成したこと
によって、コリメータレンズ等の光学部品が不要とな
る。この結果、部品点数の少ない低コスト且つ小型の光
学式エンコーダを実現することができる。更に、本発明
によれば、戻り光が面発光半導体レーザ内で干渉を起こ
さないように構成したことによって、スケールと面発光
半導体レーザとを対面配置することが可能となり、装置
の組立工程が簡略化されると共に組立の自由度を高める
ことができる。
【0123】請求項3に記載の発明によれば、スケール
に照射されたレーザー光は、インコヒーレントな反射光
となるため、有害な干渉を生じるような面発光半導体レ
ーザへの戻り光は発生しない。この結果、スケールと面
発光半導体レーザを互いに平行に配置することができる
ため、装置の組立工程が簡略化されると共に組立の自由
度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理に係る光学式エンコーダの構成を
概略的に示す図。
【図2】本発明の他の原理に係る光学式エンコーダの構
成を概略的に示す図。
【図3】本発明の第1の実施例に係る面発光半導体レー
ザの構成を概略的に示す図。
【図4】本発明の第2の実施例に係る面発光半導体レー
ザの構成を示す上面図。
【図5】本発明の第2の実施例に係る面発光半導体レー
ザの構成を示す断面図。
【図6】本発明の第3の実施例に係る面発光半導体レー
ザを用いた光学式エンコーダの構成を概略的に示す図。
【図7】本発明の第4の実施例に係る面発光半導体レー
ザを用いた光学式エンコーダの構成を概略的に示す図。
【図8】本発明の第5の実施例に係る面発光半導体レー
ザを用いた光学式エンコーダの構成を概略的に示す図。
【図9】本発明の第6の実施例に係る面発光半導体レー
ザを用いた光学式エンコーダの構成を概略的に示す図。
【図10】本発明の第7の実施例に係る面発光半導体レ
ーザを用いた光学式エンコーダの構成を概略的に示す
図。
【図11】本発明の第8の実施例に係る面発光半導体レ
ーザを用いた光学式エンコーダの構成を概略的に示す
図。
【図12】本発明の第9の実施例に係る面発光半導体レ
ーザを用いた光学式エンコーダの構成を概略的に示す
図。
【図13】(a)は、本発明の第10の実施例に係る面
発光半導体レーザを用いた光学式エンコーダの構成を概
略的に示す図、(b)は、本実施例に適用されたスケー
ルの一部を拡大して示す図。
【図14】本発明の第11の実施例に係る面発光半導体
レーザを用いた光学式エンコーダの構成を概略的に示す
図。
【図15】従来の面発光半導体レーザの構成を概略的に
示す図。
【図16】従来の光学式エンコーダの構成を概略的に示
す図。
【符号の説明】
62…面発光半導体レーザ、64…スケール、66…受
光素子、68…1/4波長板、70a…レーザー光、7
6…基板。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年12月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】図1に示すように、この光学式エンコーダ
には、基板28上に部分的に形成された凹部30に設け
られた面発光半導体レーザ32と、この面発光半導体レ
ーザ32から出射したレーザー光によって照射されたリ
ニアスケール34から反射した反射光を受光するよう
に、基板28上に搭載された受光素子36とが設けられ
ている。なお、面発光半導体レーザ32は、凹部30内
に形成された斜面30a上に搭載されており、リニアス
ケール34は図中矢印方向に移動している。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】出射窓44aから取り出されたレーザー光
56(以下、出射光56と称する)は、一対の矢印Sで
示された空間内において直線偏光であるが、1/4波長
板54を透過することによって円偏光に変換された後、
外部の光学素子(図示せず)に照射される。なお、1/
4波長板54は、その光軸(一般的には、結晶軸)が面
発光半導体レーザの出射光の偏光方向に対して45°の
角を成すように配置されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0120
【補正方法】変更
【補正内容】
【0120】なお、上記具体的な各実施例から以下のよ
うな構成を有する技術的思想が導かれる。 (1) 表面及び裏面を有する面発光半導体レーザであ
って、この面発光半導体レーザには、前記表面及び裏面
の少なくとも一方に配置されたレーザ光出射用の出射窓
と、その結晶軸が前記面発光半導体レーザから出射され
る出射光の偏光面に対して45°ずれるように、前記出
射窓上に配置された1/4波長板とが設けられているこ
とを特徴とする面発光半導体レーザ。 (構成)この発明は、第1の実施例(図3参照)に対応
する。前記出射窓は実施例の44aが該当する。1/4
波長板は直交した2偏波面間に90°の位相差を生じる
複屈折光学素子であり、実施例の54が該当する。 (作用)出射窓44aから出射された出射光56は直線
偏光である。この出射光56は1/4波長板54を通過
することにより円偏光に変換された後、外部に取り出さ
れる。戻り光56′が出射光56と逆の経路をたどる
時、円偏光の戻り光56′は、1/4波長板54によっ
て元の出射光56と90°偏光面の異なる直線偏光の戻
り光56′となるために、面発光半導体レーザの出力を
不安定にする有害な干渉が生じない。 (効果)外部の光学素子等による戻り光が面発光半導体
レーザに悪影響を及ぼさないので、その影響を考慮せず
に自由に光学系を配置することが可能な面発光半導体レ
ーザを得ることができる。 (2) 平面形状が非等方形状の垂直共振器(58)
と、前記垂直共振器と略同形状の平面形状の出射窓(4
4a)を有すると共に、1/4波長板(54)の結晶軸
を前記出射窓の短軸(A)方向に対して45°ずらして
配置したことを特徴とする(1)記載の面発光半導体レ
ーザ。 (構成)この発明は、第2の実施例(図4及び図5参
照)に対応する。前記共振器は実施例の58が対応する
が、その平面形状が楕円形や長円形の場合なども含む。 (作用)一般的に面発光半導体レーザの共振器の形状が
非等方である場合、その出射光の偏波面は共振器形状の
短軸方向と平行になる。従って、出射窓を共振器と略同
一形状にして、1/4波長板の結晶軸を出射窓の短軸方
向に対して45°ずらして配置することで(1)と同様
な作用が得られる。 (効果)組み立て時に出射窓の形状によって1/4波長
板の結晶軸方向を決定することができるので、組み立て
が容易になるという新たな効果を得る。 (3) 1/4波長板(54)が出射光のN+1/2波
長(Nは0または正の整数)の光路長に相当する厚さの
接合層(60)を介して出射窓上に接合されていること
を特徴とする上記(1)記載の面発光半導体レーザ。 (構成)この発明は、第2の実施例(図4及び図5参
照)に対応する。前記接合層は実施例の60が対応す
る。 (作用)出射窓44aから出た出射光は接合層60、1
/4波長板54を透過して外部に取り出されるが、その
一部は接合層60と1/4波長板54の界面で反射して
共振器58に戻る。この時、接合層60の厚さが出射光
の{N+(1/2)}波長(N;0又は正の整数)の光
路長に相当する厚さであるため、往復の光路長は波長の
整数倍に等しくなる。従って、接合層60と1/4波長
板54の界面での反射光の位相は共振器58中の光の位
相と等しくなる。 (効果)接合層60と1/4波長板54の界面での反射
光の位相が共振器58中の光の位相と等しいので、共振
器58中の光を強め、レーザの発振をより一層促進する
効果が生じる。 (4) 電極上に接合された1/4波長板(54)と出
射光の{N+(1/2)}波長(N;0又は正の整数)
の光路長に相当する厚さの1/4波長板と出射窓の間の
空間(S)とを有することを特徴とする(1)記載の面
発光半導体レーザ。 (構成)この発明は第1の実施例(図3参照)に対応す
る。前記空間は矢印Sの部分が対応する。 (作用)出射窓44aから出た出射光56は空間S、1
/4波長板54を透過して外部に取り出されるが、その
一部は空間Sと1/4波長板54の界面で反射して共振
器(即ち、上部ミラー46と下部ミラー52により構成
される共振器)に戻る。このとき、空間Sの厚さが出射
光の{N+(1/2)}波長(N;0又は正の整数)の
光路長に相当する厚さであるため、往復の光路長は波長
の整数倍に等しくなる。従って、空間Sと1/4波長板
54の界面での反射光の位相は共振器中の光の位相と等
しくなる。 (効果)上記(3)と同様な効果が得られると共に、1
/4波長板(54)を電極上に接合しているため、接合
層の不均一性や気泡等の混入による光の屈折、散乱等の
影響を受けないという新たな効果が得られる。なお、接
合部位における不均一性や気泡等の混入に起因した光の
屈折や散乱等の影響とは、例えば、図5に示すように、
出射窓上に接合層60(例えば、接着剤等)を配置する
と、その接合層の不均一性や気泡の混入によって光学的
な障害を受けることを意味する。 (5) 上記(1)記載の面発光半導体レーザを用いた
光学式エンコーダであって、前記面発光半導体レーザに
対して相対的に移動するスケールと、前記面発光半導体
レーザから出射されたレーザー光によって前記スケール
の一部を照射した際、前記スケールから発生した反射光
又は透過光を受光するように、前記面発光半導体レーザ
に設けられた受光素子とを備えていることを特徴とする
光学式エンコーダ。 (構成)この発明は、第3の実施例(図6参照)に対応
する。前記面発光半導体レーザは(1)の面発光半導体
レーザであり、実施例の62が該当する。受光素子はフ
ォトダイオード等の光電変換素子であり実施例の66が
該当する。スケールはガラス板等の表面に反射率の高い
領域と低い領域を周期的に配置したものであり、実施例
の64が該当するが、回転運動を検出する際に用いるロ
ータリーエンコーダスケール等を含む。また、反射率の
高い領域と低い領域の代わりに遮光部と透光部を周期的
に配置し、受光素子をスケールに対して面発光半導体レ
ーザと反対側に配置してスケールの透過光を検出する構
成としても良い。 (作用)面発光半導体レーザ62から出射された直線偏
光は1/4波長板68により円偏光となりスケール64
に照射される。スケール64からの反射光の拡がった一
部は受光素子66によって受光される。また、スケール
64から面発光半導体レーザ62に戻る反射光は、1/
4波長板68によって元の出射光と90°偏波面の異な
る直線偏光となるために、面発光半導体レーザ62の出
力を不安定にする有害な干渉が生じない。 (効果)面発光半導体レーザ62へ戻り光による干渉が
生じないために、スケール64と面発光半導体レーザ6
2を平行に配置することができ、基板上への凹部の加工
や傾斜面への組立を省略することができるという効果を
奏する。 (6) 上記(1)の面発光半導体レーザが両面出射型
の面発光半導体レーザ(62′)であり、受光素子がス
ケール(64)からの反射光を受光するための受光素子
66)であり、前記受光素子が前記面発光半導体レー
ザに対してスケールと反対側に配置されていることを特
徴とし、前記面発光半導体レーザと前記受光素子の間に
配置されかつその透過軸を面発光半導体レーザからの出
射光(80a,80b)の偏光面に対して90°ずらし
て配置された偏光フィルター(78)を有する(5)記
載の光学式エンコーダ。 (構成)この発明は、第4の実施例(図7参照)に対応
する。前記面発光半導体レーザは上記(1)の半導体レ
ーザであり両面に光出射窓を有するタイプであって、実
施例の62′が該当する。偏光フィルターは例えば高分
子偏光膜などの特定の偏光面を持った直線偏光を透過す
る光学素子であって実施例の78が該当するが、偏光プ
リズム等も含む。 (作用)両面出射型面発光半導体レーザ62′は両面の
光出射窓から光を出射すると共に、一方の光出射窓から
入射されたスケール64からの反射光84、86を他方
に透過する。偏光フィルター78は、両面出射型面発光
半導体レーザ62′の下方出射光80bを遮断しスケー
ル64からの戻り光86を透過する。従って、受光素子
66は、スケール64からの反射光のみを受光する。 (効果)上記(5)の効果に加えて、スケール64と両
面出射型面発光半導体レーザ62′間の距離を(1/4
波長板68とスケール64が接触しない範囲で)極限ま
で近づけることができるので、スケール64を照射する
ビーム径を小さくでき、高分解能を達成できる。 (7) 面発光半導体レーザを用いた光学式エンコーダ
であって、前記面発光半導体レーザに対して相対的に移
動するスケールと、前記面発光半導体レーザから出射さ
れたレーザー光によって前記スケールの一部を照射した
際、前記スケールから発生した反射光又は透過光を受光
するように設けられた受光素子とを備えており、前記ス
ケールには、インコヒーレントな反射光を発生させる手
段が設けられていることを特徴とする光学式エンコー
ダ。 (構成)この発明は、第5の実施例(図8参照)に対応
する。前記スケールは、例えば表面にアルミニウムを蒸
着したすりガラスを部分的に黒化処理して、インコヒー
レントな反射光を生じる高散乱領域64aと低散乱領域
64bを設けたものであり、実施例では64が該当する
が、高散乱領域と低散乱領域の代わりに反射部と透光部
を設けてもよい。また、高散乱領域と低散乱領域の代わ
りに遮光部と透光部を設けると共に、受光素子は透過光
を検出するように構成としてもよい。なお、「インコヒ
ーレントな反射光を生じる」とは、反射光が散乱反射光
として生じることを意味する。 (作用)面発光半導体レーザ62から出射されたレーザ
ー光はスケール64に照射される。スケール64で散乱
された光の一部は受光素子66で受光される。このと
き、スケール64の移動に起因した散乱光の強弱に基づ
いて、スケール64の移動が検知される。 (効果)本構成ではスケール64から面発光半導体レー
ザ62へのコヒーレントな反射光が生じないため、面発
光半導体レーザへの戻り光による有害な干渉は発生しな
い。また、スケール64と面発光半導体レーザ62間の
距離を近づけることができるので、スケール64を照射
するビーム径を小さくでき、高分解能を達成できる。 (8) スケールが遮光部(64a)と透光部(64
b)を周期的に配置したスケール(64)であり、受光
素子が前記スケールからの透過光を受光するための受光
素子(66)であり、前記スケールの遮光部には、イン
コヒーレントな反射光を生じる性質を有する手段が設け
られていることを特徴とする(7)記載の光学式エンコ
ーダ。 (構成)この発明は、第6の実施例(図9参照)に対応
する。遮光部は実施例の64a、透光部は実施例の64
bが該当する。 (作用)面発光半導体レーザ62から出射されたレーザ
ー光は、スケール64に照射される。レーザー光が遮光
部64aに照射されると光は散乱され受光素子66に達
しない。且つ、面発光半導体レーザ62へもどって有害
な干渉を生じるコヒーレントな反射光は生じない。一
方、透光部64bに照射されたレーザー光は、スケール
64を透過した後、受光素子66によって受光される。
かくして、受光素子66の受光量の変化に基づいて、ス
ケール64の移動量が検出される。 (効果)上記(7)の効果に加えて、受光素子66によ
って散乱されない直接透過光が受光されるため、受光光
量が多くなり、この結果、S/N比が向上されるという
効果を新たに得る。 (9) 光源に対して相対的に移動するスケール(6
4)と、このスケールの一部を照射するため面発光半導
体レーザ(62)と、前記スケールからの反射光又は透
過光を受光するための受光素子(66)とを有する光学
式エンコーダにおいて、前記面発光半導体レーザからの
出射光の光軸を傾ける手段(88)を備えたことを特徴
とする光学式エンコーダ。 (構成)この発明は、第7の実施例(図10参照)に対
応する。前記出射光の光軸を傾ける手段は、実施例では
プリズム88が該当するが、回折格子等も含む。 (作用)面発光半導体レーザ62からの出射光90a
は、光軸を傾ける手段即ちプリズム88によってスケー
ル64に対して斜めに入射し、その反射光は受光素子6
6で受光される。 (効果)本構成では、スケール64からの反射光が面発
光半導体レーザ62に戻らないので、スケール64と面
発光半導体レーザ62を平行に配置しても有害な干渉が
生じない。また、スケールと面発光半導体レーザ間の距
離を近づけることができるので、スケールを照射するビ
ーム径を小さくでき、高分解能を達成できる。 (10) 光源に対して相対的に移動するスケール(6
4)と、このスケールの一部を照射するための面発光半
導体レーザ(62)と、前記スケールからの反射光又は
透過光を受光するための受光素子(66)を有する光学
式エンコーダにおいて、前記スケールが周期的な複数の
傾斜面領域(64a,64b)を有することを特徴とす
る光学式エンコーダ。 (構成)この発明は、第8の実施例(図11参照)に対
応する。前記傾斜面領域は実施例では64a,64bが
該当する。 (作用)面発光半導体レーザ62から出射されたレーザ
ー光がスケール64の第1傾斜面領域64aに照射され
ると、この第1傾斜面領域64aから反射した反射光は
受光素子66によって受光される。スケールが移動して
第1傾斜面領域64a以外の部分(例えば、第2傾斜面
領域64b)が照射されているときは、その反射光は受
光素子66に達しない。よって、スケールの移動に伴っ
て変化する受光素子66の受光量の強弱に基づいて、ス
ケールの移動量が検出される。 (効果)スケール64からの反射光が、面発光半導体レ
ーザ62に戻らないので、有害な干渉が生じない。ま
た、スケールと面発光半導体レーザ間の距離を近づける
ことができるので、スケールを照射するビーム径を小さ
くでき、高分解能を達成できる。 (11) スケールが遮光部(64a)と透光部(64
b)を周期的に配置したスケールであり、受光素子がス
ケールからの透過光を受光するための受光素子(66)
であり、前記スケールの傾斜面領域が前記遮光部に配置
されていることを特徴とする(10)記載の光学式エン
コーダ。 (構成)この発明は、第9の実施例(図12参照)に対
応する。前記遮光部、透光部は実施例では64a,64
bがそれぞれ該当する。 (作用)面発光半導体レーザの出射光が遮光部に照射さ
れると、面発光半導体レーザおよび受光素子と異なる方
向に反射される。出射光が透光部に照射されると、スケ
ールを透過し受光素子によって受光される。 (効果)上記(10)の効果に加えて、受光素子によっ
て透過光を検出する構成としたため、反射光の位置と受
光素子の位置を一致する必要がなく、調整が不要である
という効果が得られる。 (12) 光源に対して相対的に移動するスケール(6
4)と、このスケールの一部を照射するための面発光半
導体レーザ(62)と、前記スケールからの透過光を受
光するための受光素子(66)を有するエンコーダにお
いて、前記スケールには、遮光領域(64a)及び透光
領域(64b)が交互に配置されており、また、少なく
とも前記遮光領域は、複数の微小領域(92a,92
b、94a,94b)に分割されており、各微小領域間
には、前記面発光半導体レーザの出射光の{N+(1/
4)}波長の光路長に相当する高さ(N;0又は正の整
数)の高低差(D)が有ることを特徴とする光学式エン
コーダ。 (構成)本発明は、第10の実施例(図13参照)に対
応する。前記微小領域は実施例では92a,92b、9
4a,94bがそれぞれ該当する。 (作用)スケール64の表面で生じる反射光98a,9
8bは高低段差Dによる光路差に起因した1/2周期の
位相差を持っているため、互いに打ち消し合う。 (効果)反射光が、互いに打ち消し合うため、戻り光に
よる面発光半導体レーザ62に対する有害な干渉を生じ
ない。また、スケールと面発光半導体レーザ間の距離を
近づけることができるので、スケールを照射するビーム
径を小さくでき、高分解能を達成できる。 (13) 光源に対して相対的に移動するスケール(6
4)と、このスケールの一部を照射するための面発光半
導体レーザ(62)と、前記スケールからの1次以上の
次数の回折光を受光するための受光素子(66)を有
し、前記スケールが周期的な複数の回折格子領域(64
a)を有することを特徴とする光学式エンコーダ。 (構成)本発明は、第11の実施例(図14参照)に対
応する。前記回折格子領域は実施例の64aが対応す
る。この回折格子領域には、0次回折光が生じない回折
特性を有するブレイズド格子を用いるのが望ましい。 (作用)回折格子領域64aから発生した回折光102
は、受光素子66によって受光される。スケールが移動
して回折格子領域64a以外の部分が照射されていると
きは、回折光は生じない。よってスケールの移動に伴っ
て生じる受光素子66の受光量の強弱に基づいて、ステ
ージの移動量が検出される。 (効果)スケール64からの反射光が、面発光半導体レ
ーザ62に戻らないので、有害な干渉が生じない。ま
た、スケールと面発光半導体レーザ間の距離を近づける
ことができるので、スケールを照射するビーム径を小さ
くでき、高分解能を達成できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮島 博志 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 橋本 栄 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 村上 賢治 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面及び裏面を有する面発光半導体レー
    ザであって、 この面発光半導体レーザには、前記表面及び裏面の少な
    くとも一方に配置されたレーザ光出射用の出射窓と、 その結晶軸が前記面発光半導体レーザから出射される出
    射光の偏光面に対して45°ずれるように、前記出射窓
    上に配置された1/4波長板とが設けられていることを
    特徴とする面発光半導体レーザ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の面発光半導体レーザを
    用いた光学式エンコーダであって、 前記面発光半導体レーザに対して相対的に移動するスケ
    ールと、 前記面発光半導体レーザから出射されたレーザー光によ
    って前記スケールの一部を照射した際、前記スケールか
    らの反射光又は透過光を受光するように設けられた受光
    素子とを備えていることを特徴とする光学式エンコー
    ダ。
  3. 【請求項3】 面発光半導体レーザを用いた光学式エン
    コーダであって、 前記面発光半導体レーザに対して相対的に移動するスケ
    ールと、 前記面発光半導体レーザから出射されたレーザー光によ
    って前記スケールの一部を照射した際、前記スケールか
    らの反射光又は透過光を受光するように設けられた受光
    素子とを備えており、 前記スケールには、インコヒーレントな反射光を発生さ
    せる手段が設けられていることを特徴とする光学式エン
    コーダ。
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JP2011066031A (ja) * 2009-09-15 2011-03-31 Ricoh Co Ltd 光源装置、光走査装置及び画像形成装置
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