JPH0825039B2 - ガスタービンブレードとその製造法 - Google Patents

ガスタービンブレードとその製造法

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JPH0825039B2
JPH0825039B2 JP20891191A JP20891191A JPH0825039B2 JP H0825039 B2 JPH0825039 B2 JP H0825039B2 JP 20891191 A JP20891191 A JP 20891191A JP 20891191 A JP20891191 A JP 20891191A JP H0825039 B2 JPH0825039 B2 JP H0825039B2
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gas turbine
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祥子 蒲原
孝雄 舟本
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  • Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)
  • Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なガスタービンブ
レードとその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ガスタービンブレードにおいて
は、米国特許第4,033,792号に記載のように、
(a)結晶構造の型が同一であること、(b)格子定数
が同一であること、及び(c)接合された単結晶素子の
間に易動性高角度粒界が存在しないように同一の配向で
あること、の三つの関係をもつタービンブレードの単結
晶部材をそれぞれ接合し、複合金属ブレードを得ている
が、上記三つの関係は機械的性質の優れた接合部を得る
ために必要な条件であることが知られている。しかし、
複合金属ブレードを構成する単結晶部材を加工した際に
生ずる加工層については配慮がされておらず、接合時の
加熱により接合面が再結晶するという問題があった。ま
た、特開昭55−43293号公報に記載のように、3
分割した単結晶ガスタービンブレードを冶金的接合によ
り互いに接合して翼形部分を作ることが示されているが
詳細な接合方法については記されていない。さらに、特
開昭57−28687号公報に記載のように、接合部材
の表面粗さが衝撃値に影響を与えるため、表面粗さを1
μm以下に調整した後、拡散接合を行うことが示されて
いる。しかし、これには界面の結晶成長に与える影響に
ついては触れていないし、単結晶の接合についても示さ
れていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術は、加
工層による単結晶の再結晶性という点について配慮がさ
れておらず、接合した際に界面が多結晶化し、単結晶と
しての特性を失う可能性があった。本発明は、上記問題
点を解決し、接合界面が単結晶になっており、結晶方位
も母材と一致している複合ガスタービンブレード及びそ
の製造法を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、翼部、シャンク部及び植え込み部を有
するガスタービンブレードにおいて、該ブレードが複数
の単結晶Ni基合金の母材から成り、前記個々の母材同
志はその接合界面が単結晶で、該界面の結晶方位が母材
間で5℃以内の方位を有しており、また、上記単結晶
は、その<100>結晶方位が翼形部分の長手方向から
のずれが10°以内に配向されていることを特徴とする
ガスタービンブレードとしたものである。
【0005】また、上記目的を達成するために、本発明
では、翼部、シャンク部及び植え込み部を有するガスタ
ービンブレードの製造方法において、該ブレードを構成
する複数の単結晶Ni基合金から成る母材を準備する工
程、前記母材同志が接合部で互いに結晶方位を同じにし
て配置する工程、接合部にインサート材を介在させる工
程、該インサート材を溶解させる工程、該インサート材
の溶融層が母材に拡散し固相化するまで一定温度で保持
し拡散接合する工程とを順次行うことを特徴とするガス
タービンブレードの製造法としたものである。上記製造
法において、インサート材は、母材の接合面の加工歪層
を全部溶解せしめるように接合部に介在させるのがよ
く、あるいは別途母材の接合面の加工歪層を除去する工
程を設けるのがよい。
【0006】
【作用】ガスタービンブレードの製造方法は、ガスター
ビンブレードの単結晶部材をそれぞれ拡散接合し、複合
金属ブレードを得るもので、翼部とシャンク部、又は翼
部先端、又は翼の長手方向に分割した単結晶部材を用い
る。なお、用いる単結晶部材の長手方向の方位は、単結
晶の優先成長方位である<100>方位からのずれが1
0°以内とする。また結晶粒の間に約5℃以上の高角度
の配向差があると、粒界が移動しやすくなり、不純物元
素が集まるため、接合する単結晶部材間の配向差は5°
以内とする。本発明で用いる液相拡散接合は、接合母材
間にインサート材を挿入し、インサート材を溶融させた
後、母材にインサート材成分元素を拡散させ、等温凝固
してインサート材を消滅し、接合材と同質継手を得る接
合法である。この接合方法において、インサート材はN
iをベースとしてB 2.5〜4.2wt%を含み、更に
Si4.0〜5.0wt%、Cr 6.0〜16.0wt
%、C 0.06wt%以下、Fe 5.0wt%以下等か
ら選ばれた一種以上を含んでいてもよく、母材より低融
点とし、また接合温度は、このインサート材の融点より
高く、母材の融点より低い温度とする。
【0007】等温凝固は、接合温度で保持中に、液相中
の上記低融点元素が固液界面から母材側へ拡散するため
融点が上昇し次第に液相の幅が減少する過程である。こ
の過程で固相は母材の結晶を核に液相に向けてエピタキ
シャル成長し液相が消滅する。よって、接合界面を単結
晶化するには、接合する母材の方位を揃え、かつ接合面
を単結晶にする必要がある。そのため、加工層を完全に
溶解せしめるインサート材を接合部に介在させて拡散接
合するか、もしくは加工歪が形成されない条件(電解研
磨、イオンミリング、プラズマエッチング等)で加工層
を除去し、その後インサート材を介在させて拡散接合を
する。母材として用いるNi基合金の組成は、Niの他
にAl 5.0〜6.0wt%、Ti 1.0〜2.0wt
%のいずれか、又は両方を含むγ′析出強化型合金がよ
く、また、Cr 5.0〜10.0wt%、W 4.0〜
13.0wt%、Ta3.0〜12.0wt%、Co 4.
6〜10.0wt%、Re 3.0wt%その他の添加元素
を含んでいてもよい。
【0008】
【実施例】以下、本発明を具体的に説明するが、本発明
はこれらに限定されない。 実施例1 供試材として、科学技術庁金属材料技術研究所開発合
金、Cr 6.60wt%、W 12.60wt%、Ta
7.58wt%、Al 4.92wt%等を含む単結晶Ni
基超合金φ8×10Lを母材として用いた。また、イン
サート材には約50μmのNi−4wt%Si−3wt%B
の非晶質箔を用いた。母材は接合面が<001>に対し
垂直になるようにし、母材間の配向差は5°以内とし
た。また接合温度は1100、1200、1300℃、
保持時間は1h、加圧力は100gf/mm2 とした。γ′
析出強化型合金の単結晶には、粗大な共晶γ′相を母材
中へ固溶させる溶体化処理過程とがあり、今回はインサ
ート材中の成分の拡散処理も兼ね、接合後1336℃×
4hの溶体化処理を行った。
【0009】切削加工による接合面は、図1に示すよう
に1100℃では再結晶しないが、1200℃で最大1
0μm、1300℃で最大24μmの再結晶層が認めら
れた。しかし、用いたインサート材の母材溶融量は図2
に示すように最低でも1100℃で10μm、1200
℃で14μm、1300℃で34μmであり、再結晶層
をはるかに越えているため、接合の過程で加工層の影響
を除去出来る。その結果、どの接合条件による接合部も
結晶粒界は見られず、溶体化処理後は、EPMA分析に
よりほぼ母材と均質になっていた。そこで拡散接合継手
の機械的性質について検討したところ、900℃の高温
引張試験において、図3に示すように、同じ熱履歴を与
えた母材と同等の引張強さ及び絞りが得られた。
【0010】次に,インサート材の母材溶融量を上回る
再結晶層を有するように加工条件をかえた試験片を接合
したところ、接合部は多結晶化していた。これは、溶融
しきれなかった再結晶層から液相に向けてエピタキシャ
ル成長したためと思われる。次に再結晶層を電解研磨に
より完全に除去して、同様の条件で拡散接合したとこ
ろ、再結晶層が完全に溶融したときと同様に接合部は母
材とほぼ均質で、また結晶粒界は見られなかった。90
0℃の高温引張試験の結果、図4に示すように、加工層
を除去した後接合した試料は母材並みの性質であるのに
対し、接合部が多結晶化した試料は、母材に比べ機械的
性質がかなり低下した。
【0011】実施例2 ガスタービンブレードの長手方向が<100>になるよ
うに翼部とシャンク部を別々に鋳造し、インサート金属
として約50μmのNi−4wt%Si−3wt%Bの非晶
質箔を挿入後、図5に示すように両者を拡散接合した。
用いた材料はCr 6.60wt%、W 12.60wt
%、Ta 7.58wt%、Ta 4.92wt%等を含む
単結晶Ni基超合金である。なお翼部とシャンク部の配
向差は5°以内とした。また、接合及び熱処理条件は下
記に示す通りである。 ・接合条件 接合温度:1300℃ 保持時間:1h 加圧力 :100gf/mm2 真空度 :10-4〜10-5Torr ・熱処理条件 溶体化処理:1336℃×4h 時効処理:980℃×5h+870℃×20h この結果、接合部が母材と同じ結晶方位を有する単結晶
になっており、かつ寸法誤差が50μm以下の大型単結
晶ブレードが作成できた。
【0012】
【発明の効果】本発明によれば、単結晶Ni基合金にお
いて、低加圧、短時間で接合が可能になる上、母材単結
晶並の高温特性をもった拡散接合継手が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】母材単結晶の1100、1200、1300℃
における再結晶特性を示すグラフである。
【図2】インサート材の1100、1200、1300
℃における母材溶融量を示すグラフである。
【図3】900℃の高温引張試験結果(接合温度の違
い)を示すグラフである。
【図4】900℃の高温引張試験結果(接合面の加工状
態の違い)を示すグラフである。
【図5】本発明の実施例であるガスタービンブレードの
正面図である。
【符号の説明】
1:翼部、2:シャンク部及び植え込み部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 翼部、シャンク部及び植え込み部を有す
    るガスタービンブレードにおいて、該ブレードが複数の
    単結晶Ni基合金の母材から成り、前記個々の母材同志
    はその接合界面が単結晶で、該界面の結晶方位が母材間
    で5℃以内の方位を有しており、また、上記単結晶は、
    その<100>結晶方位が翼形部分の長手方向からのず
    れが10°以内に配向されていることを特徴とするガス
    タービンブレード。
  2. 【請求項2】 翼部、シャンク部及び植え込み部を有す
    るガスタービンブレードの製造方法において、該ブレー
    ドを構成する複数の単結晶Ni基合金から成る母材を準
    備する工程、前記母材同志が接合部で互いに結晶方位を
    同じにして配置する工程、接合部にインサート材を介在
    させる工程、該インサート材を溶解させる工程、該イン
    サート材の溶融層が母材に拡散し固相化するまで一定温
    度で保持し拡散接合する工程とを順次行うことを特徴と
    するガスタービンブレードの製造法。
  3. 【請求項3】 翼部、シャンク部及び植え込み部を有す
    るガスタービンブレードの製造方法において、該ブレー
    ドを構成する複数の単結晶Ni基合金から成る母材を準
    備する工程、前記母材同志が接合部で互いに結晶方位を
    同じにして配置する工程、前記母材の接合面の加工歪層
    を全部溶解せしめるインサート材を接合部に介在させる
    工程、該インサート材を溶解させる工程、該溶融層が母
    材に拡散し固相化するまで一定温度で保持し拡散接合す
    る工程とを順次行うことを特徴とするガスタービンブレ
    ードの製造法。
  4. 【請求項4】 翼部、シャンク部及び植え込み部を有す
    るガスタービンブレードの製造方法において、該ブレー
    ドを構成する複数の単結晶Ni基合金から成る母材を準
    備する工程、母材の接合面の加工歪層を除去する工程、
    前記母材同志が接合部で互いに結晶方位を同じにして配
    置する工程、接合部にインサート材を介在させる工程、
    該インサート材を溶解させる工程、該溶融層が母材に拡
    散し固相化するまで一定温度で保持し拡散接合する工程
    とを順次行うことを特徴とするガスタービンブレードの
    製造法。
  5. 【請求項5】 前記インサート材は、Niをベースとし
    て、B 2.5〜4.2wt%を含み、更にSi 4.0
    〜5.0wt%、Cr 6.0〜16.0wt%、C 0.
    06wt%以下、Fe 5.0wt%以下から選ばれた一種
    以上を含んでいてもよく、母材より低融点であることを
    特徴とする請求項2、3又は4記載のガスタービンブレ
    ードの製造法。
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JP2003222026A (ja) * 2002-01-30 2003-08-08 Hitachi Ltd タービン翼の製作方法およびタービン翼

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