JPH0754604A - タービン翼およびその製造方法 - Google Patents

タービン翼およびその製造方法

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JPH0754604A
JPH0754604A JP19963293A JP19963293A JPH0754604A JP H0754604 A JPH0754604 A JP H0754604A JP 19963293 A JP19963293 A JP 19963293A JP 19963293 A JP19963293 A JP 19963293A JP H0754604 A JPH0754604 A JP H0754604A
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turbine blade
blade
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turbine
single crystal
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JP19963293A
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English (en)
Inventor
Hisahiko Aoki
久彦 青木
Makoto Kadowaki
真 門脇
Masaru Yamamoto
山本  優
Naoki Shibukawa
直紀 渋川
Hiroki Yamamoto
浩喜 山本
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Toshiba Corp
Tohoku Electric Power Co Inc
Original Assignee
Toshiba Corp
Tohoku Electric Power Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】タービン翼本体を単結晶化構造として高い高温
強度を持たせるとともに、高い機械的・物理的強度を持
たせ、経済的で信頼性の高いタービン翼およびその製造
方法を提供するにある。 【構成】タービン翼10は、燃焼ガスが通過する翼有効
部11と、ロータディスクへの取付部となる翼植込部1
2と、上記翼有効部11と翼植込部12をつなぐシャン
ク部13とからタービン翼本体14を構成し、このター
ビン翼本体14を一方向凝固法による単結晶あるいは一
方向凝固柱状晶から成型する一方、上記タービン翼本体
14のガス流入側および流出側側面に突起部17,18
を設けたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガスタービンや航空機エ
ンジン等に用いられるタービン翼およびその製造方法に
係り、特に単結晶からなるタービン翼本体を備えたター
ビン翼およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】発電プラントや航空機エンジン等には燃
焼ガスを作動流体としたガスタービンが使用される。こ
のガスタービンはタービン効率の向上や推進力向上のた
めにタービン入口温度を高くする傾向にある。タービン
入口温度を高くすると、燃焼ガスに晒される高温部品で
はより高い耐熱温度の材料が要求される。特に、高い遠
心力が作用するガスタービンのタービン翼では900℃
を超える高温で使用されるため、高温でのクリープ強度
や引張強度などの高温強度が必要となる。
【0003】一方、既存のガスタービン発電プラントや
航空機エンジンにおいても、ガスタービンの寿命と信頼
性向上のため、より一層高い高温強度を持つ耐熱材料が
必要となり、開発されている。このため、ガスタービン
のタービン翼には、従来よりNi3 (Al,Ta,T
i)の組成からなるガンマプライム相等の金属間化合物
で強化された高温強度の高いニッケル基超耐熱合金が使
用され、複雑な形状を有するタービン翼を普通鋳造法で
製造していた。
【0004】今日では、ガスタービンにより高い高温強
度を有する単結晶からなるタービン翼が使用され始めて
いる。単結晶からなるタービン翼は一方向凝固法による
精密鋳造法により製造される。
【0005】一方向凝固法による単結晶タービン翼は、
翼長手方向に沿って溶湯を一方向に凝固させ、凝固開始
部に設けられた単結晶セレクター、ないしは種結晶によ
り単一の結晶をタービン翼形状に成長させるものであ
る。素材となる単結晶合金は結晶粒界がないことを前提
としているので、結晶粒界を強化するC,B,Zr,Hf
などの強化元素を含んでいない。
【0006】このため、結晶粒界ができると、その部分
でのタービン翼の機械的強度が極端に低下するという欠
点を有している。従って、単結晶タービン翼においては
結晶粒界を形成するような異結晶成長や、精密鋳造後の
熱処理中に生ずる再結晶の発生は厳に防止しなければな
らない。
【0007】図12はガスタービンに用いられる代表的
なタービン翼の鳥瞰図である。
【0008】タービン翼は、高温の燃焼ガスが通過する
翼有効部1と、ロータディスク2への取付部となる翼植
込部3と、上記翼有効部1と翼植込部3をつなぐシャン
ク部4とからなるタービン翼本体5を有する。シャンク
部4では燃焼ガスがロータディスク2と翼植込部3へ流
入するのを遮断するためのシール部6をタービン翼本体
5から張り出す形でシャンク部4の側面に設けられてい
る。また、図13に示すように、翼有効部1とシャンク
部4を繋ぐプラットホーム部(段差部)7の側面に張出
し部(突起)8を設けたものもある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ガスタービンのタービ
ン翼に、タービン翼本体5から突出する突起部6,8が
ある場合、一方向凝固に際しては、突起部6,8の先端
へバイパス鋳型をつけるなどして一体として単結晶を成
長させる等の工夫をしているが、このような突起部6,
8は一方向凝固する際に、異結晶の発生の優先的な部位
となったり、バイパス鋳型によって成長してきた単結晶
とタービン翼本体5として成長した単結晶の結晶方位が
ずれて、両者が接続する部分で結晶粒界を形成するほ
か、タービン翼形成後の熱処理中に再結晶が生じ易くな
る。タービン翼のうち最も高い温度にさらされ、高い高
温強度が必要とされるのは翼有効部1であるので、翼有
効部分は完全に単結晶である必要がある。一方、シャン
ク部4は翼有効部1ほど高温にはならないため、高温の
クリープ強度は必要ないが、比較的低い温度での引張強
度などの機械的物理的性質が必要となるので、結晶粒界
の形成により機械的強度が著しく低下することはタービ
ン翼として致命的である。したがって、上記のような突
起部6,8のあるタービン翼を、一体として単結晶にて
製造することが難しい。
【0010】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、タービン翼本体を単結晶化構造として高い高
温強度を持たせるとともに、高い機械的物理的強度を持
たせ、経済的で信頼性の高いタービン翼およびその製造
方法を提供するにある。
【0011】本発明の他の目的は、タービン翼本体と突
起部との接合部に結晶粒界が生じるのを未然かつ確実に
防止し、機械的強度の低下を抑制し、突起部付タービン
翼を簡単かつ経済的に製造することができるタービン翼
およびその製造方法を提供するにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係るタービン翼
は、上述した課題を解決するために、請求項1に記載し
たように、燃焼ガスが通過する翼有効部と、ロータディ
スクへの取付部となる翼植込部と、上記翼有効部と翼植
込部をつなぐシャンク部とからタービン翼本体を構成
し、このタービン翼本体を一方向凝固法による単結晶あ
るいは一方向凝固柱状晶から成型する一方、上記タービ
ン翼本体のガス流入側および流出側側面に突起部を設け
たものである。
【0013】また、上述した課題を解決するために、本
発明に係るタービン翼は、請求項1に記載した内容に加
えて、請求項2に記載したように、タービン翼本体は、
Ni3(Al,Ta,Ti)の組成からなるガンマプライ
ム相等の金属間化合物で強化されたニッケル基超耐熱合
金で形成したり、さらに、請求項3に記載したように、
突起部はタービン翼1枚分あるいは複数枚分を一単位と
し、一方向凝固法による単結晶、一方向凝固柱状晶ある
いは普通鋳造等軸晶からなる鋳造品、鍛造品あるいは圧
延品でシール用として成形され、前記突起部は、ロータ
ディスクから翼植込部の抜止め構造を兼ねるように、タ
ービン翼本体に一体あるいは一体的に設けたり、また、
請求項4に記載したように、タービン翼本体の側面に、
タービン翼長手方向に向けて高さが異なる段差を成形す
る一方、タービン翼本体に突起部を接合して一体構造に
構成したり、さらにまた、請求項5に記載したように、
突起部は、一方向凝固法により単結晶からなるタービン
翼本体から余肉を除去することにより形成したものであ
る。
【0014】さらに、本発明に係るタービン翼の製造方
法は、上述した課題を解決するために、請求項6に記載
したように、翼有効部、翼植込部およびシャンク部を有
するタービン翼本体を、一方向凝固法による精密鋳造法
により単結晶あるいは一方向凝固柱状晶からなる耐熱合
金で製造した後、上記タービン翼本体の側面に突起部ま
たは段差部を設ける方法である。
【0015】また、上述した課題を解決するために、本
発明に係るタービン翼の製造方法は、請求項6の記載内
容に加えて、請求項7に記載したように、突起部または
段差は、タービン翼本体と同一成分あるいは異なる成分
の耐熱合金で、一方向凝固法による単結晶、一方向凝固
柱状晶または普通鋳造等軸晶からなる鋳造品、鍛造品ま
たは圧延品により成形した後、単結晶からタービン翼本
体に接着して一体成形する方法である。
【0016】
【作用】このタービン翼は、翼有効部、翼植込部および
シャンク部を有するタービン翼本体を、一方向凝固法に
よる精密鋳造法にて単結晶で成型したので、タービン翼
本体は単結晶化の阻害要因となる突起部を含まない形状
で成型することができ、高温高圧の燃焼ガスに晒され、
高速回転による大きな遠心力を受けるタービン翼本体
を、高い高温強度を有する単結晶構造として製造するこ
とができ、この製造の場合の歩留りが飛躍的に向上し、
経済的で信頼性の高い高温用タービン翼を提供できる。
【0017】単結晶化の阻害要因となる突起部をタービ
ン翼本体とは別体として製造して単結晶化構造のタービ
ン翼本体に機械的に設けたので、翼植込部やシャンク部
をほぼ直方体として成型でき、異結晶の成長等によるタ
ービン翼本体の歩留まりの低下を一層防止させることが
でき、高温用の信頼性のあるタービン翼を提供できる。
一方、試作段階において異結晶の成長等が認められた場
合でも、突起部が取付けられる面の形状、傾斜等を自由
に変更して単結晶を成長させるのに最適な形状を選択
し、高い高温強度を持つタービン翼を経済的に製造でき
る。また、突起部を、タービン翼が植込まれるロータデ
ィスク面まで張り出す形状、または複数のタービン翼に
対して一枚とする形状とすれば、タービン翼をロータデ
ィスクからの抜け止めとして作用することができるた
め、部品点数の削減および作動時の信頼性の向上につな
がる。
【0018】突起部を含んだ大きさおよび形状にて単結
晶からなるタービン翼を製造した後に、機械加工または
放電加工により余肉を取り除くことにより突起部分を完
成させる場合も、試作段階で異結晶の成長がない形状を
選択して歩留まりを向上させて、全体が単結晶からなる
タービン翼を経済的に製造することができる。
【0019】また、単結晶タービン翼本体を高温強度の
高いNi3 (Al,Ta,Ti)の組成よりなるガンマ
プライム相などの金属間化合物で強化された高温強度の
高いニッケル基超耐熱合金により製造することで、高温
用タービン翼として優れた高温強度を確保することがで
きる。
【0020】本発明のタービン翼は、タービン翼本体を
単結晶にて製造する場合ばかりでなく、一方向凝固柱状
晶にて製造する場合にも有効である。一方向凝固柱状晶
タービン翼の高温強度低下の最大要因となるのは、異結
晶や再結晶粒の成長による、応力軸に垂直な方向の結晶
粒界の発生であるが、本発明によるタービン翼は異結晶
や再結晶の成長が抑止される構造であるので、一方向凝
固柱状晶とする場合でも経済的で信頼性の高いタービン
翼を製造できる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の一実施例について添付図面を
参照して説明する。
【0022】(第1実施例)図1はガスタービン発電プ
ラントや航空機エンジン等のガスタービンに使用される
本発明に係るタービン翼10を示す。このタービン翼1
0は燃焼ガスを通過させる翼有効部11と、図示しない
ロータディスクへの取付部となる翼植込部12と、上記
翼有効部11と翼植込部12とをつなぐシャンク部13
とから構成されるタービン翼本体14を有する。
【0023】タービン翼本体14は、ニッケル基超耐熱
合金で形成され、この超耐熱合金は、Ni3 (Al,T
a,Ti)の組成からなるガンマプライム相等の金属間
化合物で強化されており、超耐熱合金を一方向凝固法の
精密鋳造法により単結晶または一方向凝固柱状晶にて一
体成型される。
【0024】タービン翼本体14を一体成型した後、シ
ャンク部13のガス流入側および流出側側面を加工し、
翼植込部12側に向って開口する係合ガイド溝15a,
15bを形成する。
【0025】この係合ガイド溝15a,15bにガス流
入側である上流側突起部17およびガス流出側の下流側
突起部18のガイド突起20,21をそれぞれシール用
として係合させる。上流側および下流側突起部20,2
1はタービン翼10から張り出す形でシャンク部13に
設けられ、燃焼ガスがロータディスクと翼植込部12へ
流入するのを防止するシールフィン部22,23を構成
している。
【0026】上流側突起部17および下流側突起部18
は翼植込部12の側面に沿って脚部24,25が延設さ
れ、これらの脚部同士が締結ピン26によって相互に連
結される。締結ピン26はピンかしめ部26aをかしめ
ることによりタービン翼10のタービン軸方向への移動
が拘束され、タービン翼本体14に固定される一方、両
突起部20,21は翼植込部12ひいてはタービン翼本
体14のタービン軸方向への抜け止めを兼ねている。
【0027】ガスタービンの回転時に、突起部17,1
8には遠心力が作用するが、突起部17,18に作用す
る遠心力は、ガイド突起20,21と係合するシャンク
部13の係合ガイド溝15a,15bを受け、吸収され
る。
【0028】また、タービン翼本体14のシャンク部1
3と突起部17,18との係合が、図1および図2に示
すように、溝嵌合構造となっているため、シャンク部1
3側から内圧が作用しても、各突起部17,18がシャ
ンク部13側面より離脱することがなく、高温の燃焼ガ
スがシャンク部13や翼植込部12に流入するのを防止
できる。このガス流入防止構造により翼有効部11等の
必要な部位に高い高温強度を有する信頼性の高い単結晶
または一方向凝固柱状晶のタービン翼を経済的に得るこ
とができる。
【0029】タービン翼本体14のガス流入側および流
出側側面に形成される突起部17,18は、タービン翼
10の1枚分あるいは複数枚分を一単位として、タービ
ン翼本体14と同一あるいは異なる成分の耐熱合金で形
成される。各突起部17,18は、一方向凝固法による
単結晶、一方向凝固柱状晶あるいは普通鋳造等軸晶から
なる鋳造品または鍛造品や圧延品として成型される。突
起部17,18はタービン翼本体14とは別体にて製造
した後、タービン翼本体14に締結ピン26等の締結部
品や嵌合構造を用いて取付けられる。
【0030】(第2実施例)図3および図4は本発明に
係るタービン翼の第2実施例を示すものである。
【0031】この実施例に示されたタービン翼10Aは
上流側および下流側突起部17,18のタービン翼本体
14への取付構造(シール構造)を基本的に異にし、他
の構造は実質的に異ならないので説明を省略する。
【0032】上流側突起部17と下流側突起部18はリ
ブ部30を介して溶接等により一体に接合され、この一
体接合構造の上流側突起部17と下流側突起部18をタ
ービン翼本体14のシャンク部13に取付ける。図4は
取付状態を示す図3のIV−IV線に沿う平断面図である。
【0033】上流側突起部17と下流側突起部18とリ
ブ部30とからなるシール構造部は、タービン翼10A
の回転中、翼有効部方向に遠心力を受けるが、上流側お
よび下流側突起部17,18の長手方向端面17a,1
8aがシール面となって高温燃焼ガスの流入を防止して
いる。リブ部30は上流側突起部17または下流側突起
部18の一部として一体に製造してもよく、別部品とし
て製造してもよい。
【0034】(第3実施例)図5および図6はタービン
翼の第3実施例を示すものである。
【0035】この実施例に示されたタービン翼10B
は、上流側突起部17と下流側突起部18とをリム部で
一体接合する代りに、係合アーム(リム)31,32に
よる継手構造とした構成が図3および図4に示すタービ
ン翼10Aと相違する。
【0036】このタービン翼10Bは、上流側突起部1
7からガス下流側に向って延びる上流側係合アーム31
と、下流側突起部18からガス上流側に向って延びる下
流側係合アーム32とをそれぞれ有し、両係合アーム3
1,32が係合段差33にて接触し、係合する継手構造
としたものである。この継手構造により、上流側突起部
17および下流側突起部18がタービン翼本体14のシ
ャンク部13側面から離脱するのを防止できる。
【0037】(第4実施例)図7はタービン翼の第4実
施例を示すものである。
【0038】この実施例に示されたタービン翼10C
は、翼複数枚分を一単位とした突起部17A,18Aを
用いた例である。タービン翼複数枚分を一単位とするこ
とにより、タービン翼10Cの隣接部に存在する間隙を
できるだけ少なく、間隙による高温燃焼ガスや冷却空気
の漏洩を減少させたものである。タービン翼本体14の
構成は例えば図5および図6に示すものと異ならないの
で同一符号を付して説明を省略する。
【0039】これによりガスタービンのタービン翼の信
頼性やタービン効率の向上をより一層図ることができ
る。
【0040】(第5実施例)図8はタービン翼の第5実
施例を示すものである。
【0041】この実施例に示されたタービン翼10D
は、タービン翼本体14にシール構造を兼ねる上流側突
起部17Bと下流側突起部18Bを一体に形成したもの
である。
【0042】このタービン翼10Dは、上流側突起部1
7Bおよび下流側突起部18Bを含んだ大きさおよび形
状にタービン翼本体14を一方向凝固法による精密鋳造
法により単結晶あるいは一方向凝固柱状晶にて製造した
後、このタービン翼本体14から鎖線で示す余肉部35
を機械加工または放電加工により取り除いて突起部17
B,18Bを完成させた例である。
【0043】この場合、タービン翼10Dはタービン翼
本体14に突起部17B,18Bを一体に備えるが、突
起部17B,18Bとタービン翼本体14とを一体に備
えても、その結合部分に結晶粒界が生じることがないの
で、その部分の機械的強度の低下を未然にかつ確実に防
止できる。さらに、このタービン翼10Dでは、突起部
17B,18Bを有するタービン翼全体が単結晶等によ
り成型され、高い高温強度を有するものとなる。
【0044】(第6実施例)図9はタービン翼の第6実
施例を示すものである。
【0045】このタービン翼10Eは翼有効部11、翼
植込部12およびシャンク部13からなるタービン翼本
体14のガス上流側側面に突起部17Cを、ガス下流側
側面に突起部18Cをロー材36等により一体にフィラ
ー接合させたものである。この接合は、ロー付け法であ
っても、拡散接合法であっても、溶接等の他の接合方法
であってもよい。
【0046】タービン翼10Eのタービン翼本体14
は、シャンク部13の突起部であるシールフィン部2
2,23およびプラットホーム36の突起部37がター
ビン翼本体14から別体で形成され、単結晶化の阻害要
因となる突起部をタービン翼本体と一体に備えない構成
である。タービン翼本体14はNi3 (Al,Ta,T
i)の組成よりなるガンマプライム相の金属間化合物で
分散強化された単結晶用ニッケル基超耐熱合金のCMS
X−2(8.1%Cr−4.95%Co−1.05%M
o−8.12%W−5.85%Ta−5.6%Al−
0.98%Ti−0.14%Nb−残Ni)により一方
向凝固法により単結晶に製造される。
【0047】また、タービン翼10Eは、タービン翼本
体14のシャンク部13側面が平坦の場合を示してお
り、この場合、タービン翼本体14に突起部が存在しな
いため、単結晶化が容易となる。タービン翼本体14に
は、この後、所定の溶体化処理を施すが、一方向凝固時
にひずみを集中を生じる突起部がないため、再結晶は生
じない。
【0048】一方、タービン翼本体14に接合される突
起部17C,18Cはタービン翼本体14とは例えば異
なる材料で形成される。突起部17C,18Cの材料と
して例えば普通鋳造用ニッケル基超耐熱合金MarM2
47(8.4%Cr−9.86%Co−0.55%Mo
−9.76%W−3.3%Ta−5.56%Al−0.
97%Ti−1.4%Hf−0.14%C−0.013
%B−0.04%Zr−残Ni)があり、ここでは、こ
の超耐熱合金を用いて精密鋳造により突起部17C,1
8Cを製造した。
【0049】製造された突起部17C,18Cの接着面
を機械加工により仕上げた後、例えばNi−Cr−B系
のロー材38を用いてロー付けを行った。ロー材38は
0.05mmのフィラ箔を用い、突起部17C及び18C
とタービン翼本体14の間にはさんだ後、真空中で11
00℃、例えば10分の加熱によりロー付けを行った。
この後、タービン翼本体14に所定の時効処理を加え
た。この製造方法により、タービン翼本体14は健全な
単結晶からなるタービン翼10Eが製造された。
【0050】一方、タービン翼本体14のシャンク部1
3に設けられる突起部17Cであるシールフィン部22
やプラットホーム部36の突起部37は前記のような普
通鋳造耐熱合金に限定する必要はなく、タービン翼本体
14と同一または異なる耐熱合金からなる単結晶で製造
してもよく、またより製造の容易な一方向凝固柱状晶合
金でもよく、さらには一般の耐熱材料の鋳造品や圧延品
から加工してもよい。
【0051】さらに、シールフィン部22やプラットホ
ーム部36の突起部37をタービン翼本体14に接着す
るに、ロー付けによる一体化の例を用いたが、ロー材料
はNi−Cr−B系のロー材に限定する必要はない。シ
ャンク部13の使用温度は翼有効部11ほどは高温では
なく、高々700℃程度であるので、ロー材38として
は使用温度よりも高い温度でロー付けできるロー材38
であれば使用可能で、Au(金)系、Pd(パラジゥ
ム)系などが適用できる。
【0052】(第7実施例)図10はタービン翼の第7
実施例を示す。
【0053】この実施例に示されたタービン翼10F
は、タービン翼本体の製造後にシャンク部13のガス上
流側および下流側に突起部17D,18Dの接合のため
に浅い皿状の接合溝を形成した内容が実質的に相違し、
他の構成は図9に示すタービン翼と異ならないので説明
を省略する。
【0054】この場合にも、高温強度が高く、経済的で
信頼性のあるタービン翼を提供できる。
【0055】(第8実施例)図11はタービン翼の第8
実施例を示すものである。
【0056】この実施例に示されたタービン翼10G
は、タービン翼本体14のシャンク部13の突起部17
E,18Eであるシールフィン部22,23とプラット
ホーム部36での突起部37をそれぞれ個別に製造し、
各突起部17E,18Eをタービン翼本体14にそれぞ
れ溶接や拡散接合、ロー付け等により一体に結合したも
のである。
【0057】タービン翼本体14および突起部17E,
18Eは図9および図10で示されるタービン翼10
E,10Fと同様に製造した。タービン翼本体14と各
突起部17E,18Eの接着面を機械加工で仕上げた
後、翼母材と類似の組成に融点降下元素としてB(ボロ
ン)を添加した0.05mm厚さのフィラーをロー材3
8により作成して、このフィラーをタービン翼本体14
と個々の突起部17E,18Eとの間に入れて、真空中
で拡散接合を行った。加熱条件は例えば1200℃で1
0分とし、その後、例えば1230℃で2時間の拡散処
理を実行した。これらの拡散接合のための加熱はシャン
ク部13と突起部17E,18Eの接合部を局部加熱し
て行った。引き続き、タービン翼本体14に所定の時効
処理を施した。この結果、優れた拡散接合強度と、健全
な単結晶からなるタービン翼本体14が得られた。
【0058】本実施例においては、接着方法として拡散
接合によったが、ロー付け法でも、溶接法でもよく、一
体に接合させ固着できるものであればよい。
【0059】なお、本発明に係るタービン翼において
は、タービン翼本体が翼有効部と翼植込部とシャンク部
とから構成される例を説明したが、翼植込部やシャンク
部は翼有効部と同等の高温強度が要求されないので、単
数または複数の突起部や段差部を有するシャンク部やプ
ラットホーム部を、必要とされる強度特性に適合した材
料で安価にかつ確実に製造し、製造された突起部付シャ
ンク部等を、単結晶で製造されたタービン翼本体と接着
や接合等により結合させ、必要な特性を満足させた単結
晶タービン翼としてもよい。
【0060】また、本発明に係るタービン翼およびその
製造方法は、単結晶タービン翼を製造するばかりでな
く、一方向凝固柱状晶により製造する場合にも適用でき
る。一方向凝固柱状晶の合金には粒界強化元素が含まれ
ているために、等軸晶の異結晶や再結晶粒が生じても粒
界の強度は低下しないが、元来一方向凝固柱状晶製ター
ビン翼には強度低下の原因となる応力軸に垂直な結晶粒
界を除去することで強度を高めているので、異結晶や再
結晶粒の生成により、応力軸に垂直に結晶粒界が発生す
るとその部分での強度が低下する。とくに、発電用ガス
タービンのような大型のタービン翼ではこのような異結
晶や再結晶粒が発生し易く、一方向凝固柱状晶翼を製造
するのも困難である。
【0061】本発明のタービン翼の製造方法ではタービ
ン翼本体が健全な一方向凝固柱状晶よりなるタービン翼
を安価に、経済的に製造することができる。さらに、よ
り高温強度の高い炭化物繊維強化型のニッケル基、ある
いはコバルト基合金や、金属間化合物などの先進材料に
より前記タービン翼を製造する場合にも、これらの先進
材料は高温強度は高いが、ますます一方向凝固による単
結晶化、あるいは一方向凝固柱状晶化が難しくなるの
で、本発明によるタービン翼の製造方法は有効である。
【0062】
【発明の効果】以上に述べたように本発明に係るタービ
ン翼およびその製造方法においては、翼有効部、翼植込
部およびシャンク部を有するタービン翼本体と、異結晶
や再結晶の発生し易い突起部を含まない形状に一方向凝
固法による単結晶あるいは一方向凝固柱状晶から成型し
たので、タービン翼本体の成形が容易となり、高温強度
が必要な翼有効部を、単結晶構造として高い高温強度を
持たせることができる。また、タービン翼本体にシール
用フィンなどの突起部を設けたので、突起部との結合部
に結晶粒界や再結晶化が生じるのを未然にかつ確実に防
止して、機械的強度の低下を抑制でき、突起部接合部付
近の機械的・物理的強度の劣化を有効に防止できるの
で、高温強度が必要とされる必要な部位には高い高温強
度を有する信頼性の高いタービン翼を確実かつ経済的に
製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るタービン翼の第1実施例を示す
図。
【図2】図1のII−II線に沿う平断面図。
【図3】本発明に係るタービン翼の第2実施例を示す
図。
【図4】図3のIV−IV線に沿う平断面図。
【図5】本発明に係るタービン翼の第3実施例を示す
図。
【図6】図5のVI−VI線に沿う平断面図。
【図7】本発明に係るタービン翼の第4実施例を示す
図。
【図8】本発明に係るタービン翼の第5実施例を示す
図。
【図9】本発明に係るタービン翼の第6実施例を示す
図。
【図10】本発明に係るタービン翼の第7実施例を示す
図。
【図11】本発明に係るタービン翼の第8実施例を示す
図。
【図12】従来の代表的なタービン翼を示す斜視図。
【図13】従来のタービン翼の他の例を示す斜視図。
【符号の説明】 10,10A,10B タービン翼 11 翼有効部 12 翼植込部 13 シャンク部 14 タービン翼本体 15a,15b 係合ガイド溝 17,18 突起部 20,21 ガイド突起 22,23 シールフィン部 24,25 脚部 26 締結ピン 30 リブ部 31,32 係合アーム 35 余肉部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 優 神奈川県横浜市鶴見区末広町2の4 株式 会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 渋川 直紀 神奈川県横浜市鶴見区末広町2の4 株式 会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 山本 浩喜 神奈川県横浜市鶴見区末広町2の4 株式 会社東芝京浜事業所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼ガスが通過する翼有効部と、ロータ
    ディスクへの取付部となる翼植込部と、上記翼有効部と
    翼植込部をつなぐシャンク部とからタービン翼本体を構
    成し、このタービン翼本体を一方向凝固法による単結晶
    あるいは一方向凝固柱状晶から成型する一方、上記ター
    ビン翼本体のガス流入側および流出側側面に突起部を設
    けたことを特徴とするタービン翼。
  2. 【請求項2】 タービン翼本体は、Ni3 (Al,T
    a,Ti)の組成からなるガンマプライム相等の金属間
    化合物で強化されたニッケル基超耐熱合金で形成された
    請求項1に記載のタービン翼。
  3. 【請求項3】 突起部はタービン翼1枚分あるいは複数
    枚分を一単位とし、一方向凝固法による単結晶、一方向
    凝固柱状晶あるいは普通鋳造等軸晶からなる鋳造品、鍛
    造品あるいは圧延品でシール用として成形され、前記突
    起部は、ロータディスクから翼植込部の抜止め構造を兼
    ねるように、タービン翼本体に一体あるいは一体的に設
    けられた請求項1に記載のタービン翼。
  4. 【請求項4】 タービン翼本体の側面に、タービン翼長
    手方向に向けて高さが異なる段差を成形する一方、ター
    ビン翼本体に突起部を接合して一体構造に構成した請求
    項1に記載のタービン翼。
  5. 【請求項5】 突起部は、一方向凝固法により単結晶か
    らなるタービン翼本体から余肉を除去することにより形
    成された請求項1に記載のタービン翼。
  6. 【請求項6】 翼有効部、翼植込部およびシャンク部を
    有するタービン翼本体を、一方向凝固法による精密鋳造
    法により単結晶あるいは一方向凝固柱状晶からなる耐熱
    合金で製造した後、上記タービン翼本体の側面に突起部
    または段差部を設けることを特徴とするタービン翼の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 突起部または段差部は、タービン翼本体
    と同一成分あるいは異なる成分の耐熱合金で、一方向凝
    固法による単結晶、一方向凝固柱状晶または普通鋳造等
    軸晶からなる鋳造品、鍛造品または圧延品により成形し
    た後、単結晶からタービン翼本体に接着して一体成形す
    る請求項6に記載のタービン翼の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007051635A (ja) * 2005-06-30 2007-03-01 General Electric Co <Ge> ニオブシリサイド基タービン構成部品および関連するレーザ付着方法

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