JPH08250272A - 誘導加熱調理器とその磁気シールド部の製造方法 - Google Patents

誘導加熱調理器とその磁気シールド部の製造方法

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JPH08250272A
JPH08250272A JP5441895A JP5441895A JPH08250272A JP H08250272 A JPH08250272 A JP H08250272A JP 5441895 A JP5441895 A JP 5441895A JP 5441895 A JP5441895 A JP 5441895A JP H08250272 A JPH08250272 A JP H08250272A
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magnetic shield
magnetic
heating coil
shield part
magnetic field
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憲二 服部
Hirobumi Noma
博文 野間
Hiroshi Tominaga
博 富永
Akira Kataoka
章 片岡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加熱コイルから周囲に漏洩する磁界を、効果
的に低減する磁気シールド部を安価に製造することを目
的とする。 【構成】 3枚の導電金属板の端部を重ね合わせること
により、ドーナツ状の磁気シールド部19を構成し、加
熱コイル15の周囲に配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気シールド部を備え
た誘導加熱調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、誘導加熱調理器はその高出力化が
図られ、それにともない周囲に漏洩する磁界を効果的に
抑制することが必要となってきている。
【0003】従来、この種の誘導加熱調理器の漏洩磁界
を抑制する方法としては、特開昭57−115795号
公報に示すような構成が用いられていた。
【0004】以下、その構成について図6を参照しなが
ら説明する。図に示すように、円盤状の加熱コイル1を
加熱コイル保持部2の上に載置し、コイルホルダー3で
加熱コイル1の周囲を抑えて固定し、さらにアルミニウ
ムなどの導電材料で構成された断面を逆L形とする磁気
シ−ルド部4が加熱コイル1の周囲に設けられている。
また、磁気シ−ルド部4は、アルミニウム板をドーナツ
状に打ち抜いた後に、金型により断面が逆L形になるよ
う成形して製造している。
【0005】上記構成において、加熱コイル1に高周波
電流を供給すると磁気シ−ルド部4に加熱コイル1の発
生する磁界により高周波電流が誘導される。この磁気シ
−ルド部4に誘導された高周波電流による磁界は、磁気
シ−ルド部4内方においては加熱コイル1による磁界を
強め、一方磁気シ−ルド部4外方においては加熱コイル
1による磁界と逆向きの磁界により、その外方の磁界を
低減することができる。また、磁気シ−ルド部4の形状
が略ドーナツ形状をしているので、円盤形状の加熱コイ
ル1から発生する磁界を、方向に関係なく低減すること
ができるものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の従来構
成では、次のような問題があった。すなわち、磁気シ−
ルド部4を製造する際、アルミニウムの導電板をド−ナ
ツ状に打ち抜くためにアルミニウム板の中央部分を捨て
なければならず、また、材料となる四角形の原板の四隅
も捨てねばならないため、材料の利用効率が悪いもので
あり、また、逆L形の形状にするため、金型成形するた
め加工費も高くなりやすいものであった。
【0007】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、加熱コイルから発生される漏洩磁界を低コストで低
減することを第1の目的とする。
【0008】また、磁気シールド部を構成する複数個の
導電金属板間の接合を強化し、振動等による騒音の発生
を防止することを第2の目的としている。
【0009】また、磁気シールド部を構成する複数個の
導電金属板間の接合を強化し、さらに、導電金属板と加
熱コイルの絶縁を確実にすることを第3の目的とする。
【0010】さらに、少くない導電金属板で効果的に磁
気シ−ルドを行うことを第4の目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明は加熱コイルと、この加熱コイルに高
周波電流を供給する周波数変換装置と、前記加熱コイル
の外周近傍に磁気シールド部とを備え、前記磁気シール
ド部は、複数個の導電金属板を溶接、圧接、あるいは導
電性の接着剤により接合されてなるものである。
【0012】また、上記第2の目的を達成するために、
本発明は特に導電金属板の両端部を重ねて磁気シ−ルド
保持部に固定したものである。
【0013】また、上記第3の目的を達成するために、
本発明は特に磁気シールド部を、加熱コイルを保持する
加熱コイル保持部と一体成形したものである。
【0014】さらに、上記第4の目的を達成するため
に、本発明は板状あるいは棒状の導電金属部材をループ
状に形成したあと、略平板状に圧延して形成して誘導加
熱調理器の磁気シールド部を製造するものである。
【0015】
【作用】本発明は上記構成により、原材料の平板を材料
廃棄の少ないように打ち抜いて個々の導電金属板を取り
出すことができ、磁気シールド部のコストを低減するこ
とができる。
【0016】また、2枚の導電金属板の両端部を保持部
にネジ等により圧接固定しているので、導電部の重ね合
わせ部における電気的な接続を十分保持することがで
き、また、振動等による騒音発生を防止することができ
る。
【0017】また、磁気シールド部を加熱コイル保持部
と一体に成形することで、加熱コイルと導電金属板との
絶縁を容易に確保することができる。また、導電金属板
が振動しないように、加熱コイル保持部で固定できるの
で、金属板の振動による騒音を防止できる。
【0018】さらに、複数個の導電金属部材を板状ある
いは棒状にして、その端部を接合してループ状に形成し
たあと、略平板状に圧延して形成するので、接合部の電
気接続をより確実なものとすることができる。また、断
面が円形で棒状の線材をループ状に構成しそれを押しつ
ぶすことにより、磁気シールド部を形成するまでに廃棄
する材料をさらに少なくすることができる。
【0019】
【実施例】
(実施例1)以下本発明の一実施例について、図1〜図
2を参照しながら説明する。
【0020】図1に示すように、加熱コイル保持部13
は、樹脂製の筐体11の底面に設けられた支柱12の上
に載置され、ネジ14により支柱12に固定されてい
る。加熱コイル保持部13には加熱コイル15が載置さ
れ、その上方にセラミック製のトッププレート16が配
設されている。また、加熱コイル15は、その周辺部を
コイルホルダー17により加熱コイル保持部13に固定
され、筐体11内に配設された周波数変換装置18から
高周波電流が供給されている。
【0021】加熱コイル保持部13において、加熱コイ
ル15の外周縁から約10mm程度の距離をおいて、幅
約10mm、厚み約1mmの磁気シールド部19が配置
され、この磁気シールド部19は3個のネジ20により
加熱コイル保持部13に固定される。また、磁気シール
ド部19は、3枚のアルミニウム製の導電金属板の端部
を重ね合わせて、図1(b)のようにドーナツ状に構成
され、重ね合わせ部分の数カ所をスポット溶接で接続さ
れている。この3個の導電金属板は図2(b)に示すよ
うに長方形のアルミニウム原板21から、切り取られて
形成される。
【0022】以上のように構成された誘導加熱調理器に
ついて、次にその動作を説明する。加熱コイル15に周
波数変換装置18から高周波電流が供給されると、加熱
コイル15から磁界が発生してトッププレート16に載
置された鉄製の鍋等にその磁界が鎖交し、鍋に渦電流が
発生して鍋が加熱される。
【0023】一方、加熱コイル15から発生する磁界
は、磁気シールド部19の形成する閉曲面とも鎖交して
おり、磁気シールド部19に誘導電流が発生する。この
ため、磁気シールド部19の内方では、この誘導電流に
より磁界が強まり、一方、磁気シ−ルド部19の外方に
おいては、磁界が弱まるので、その外側の磁界を抑制す
ることができる。
【0024】また、磁気シ−ルド部19は水平方向に帯
状に設けているので、これを加熱コイル保持部13とト
ッププレート16との間の狭い隙間に挿入し易く、ま
た、鍋の熱影響を受けにくくすることができる。
【0025】また、磁気シールド部19はアルミニウム
製の導電金属板を図2に示すように破線で示す長方形の
原板21から切取り、ドーナツ状に配置して、その端部
を重ね合わせてスポット溶接により形成しているので、
従来の略正方形のアルミニウム板から打ち抜くやり方と
異なり廃棄する材料を少なくすることができる。
【0026】以上のように本実施例によれば、磁気シー
ルド部19を、3枚のアルミニウム製の導電金属板をド
−ナツ状に配設することにより、加熱コイル15から周
囲に漏洩する磁界を効果的に、また、安価な費用で削減
することができる。
【0027】(実施例2)以下本発明の第2の実施例に
ついて図3により説明する。
【0028】図に示すように、磁気シールド部23を構
成する3枚のアルミニウム製の導電金属板は、それぞれ
その両端部に穴24aが設けられ、3個のネジ24によ
り加熱コイル保持部25に固定されている。
【0029】以上の構成により、磁気シールド部23の
接続部を溶接したり接着剤を使用する作業を省くことが
可能となる。また、溶接や接着剤を塗布した場合には、
それらの接着をより確実に保持することができるので、
溶接作業を簡略化したり、接着剤の使用量を少なくする
ことができる。
【0030】以上のように、本実施例によれば、磁気シ
ールド部23を3枚のアルミニウム製導電金属板を重ね
合わせてループ状に構成し、かつ、その端部の重ね合わ
せ部において、両端部を同時に加熱コイル保持部25に
ネジ24で締めしているので、加熱コイル15から周囲
に漏洩する磁界を効果的に、また、安価な費用で低減で
き、さらに、磁気シールド部23の接続部の電気接続の
信頼性を高めることができる。
【0031】(実施例3)以下本発明の第3の実施例に
ついて図4により説明する。
【0032】図に示すように、ドーナツ状の磁気シール
ド部26は、略弓形状の3枚のアルミニウム製の導電金
属板26の端部を重ね合わせて構成されている。(図4
(a)には2枚の導電金属板の重ね合わせ部27aの断
面等が示されている)。ここで、磁気シ−ルド部26の
両端部は、スポット的に圧接され強化されている。ま
た、磁気シールド部26は加熱コイル15の周囲に配置
され、加熱コイル保持部27と一体成形されている。フ
ェライトコア28は棒状の磁気材料で加熱コイル保持部
27の下面に放射状に複数個取り付けられている。
【0033】上記構成において、以下その動作を説明す
る。磁気シールド部26は加熱コイル15の外周部に設
けられているので、加熱コイル15からの磁界により磁
気シールド部26に誘導電流が流れ、磁気シ−ルド部2
6の外方の磁界を低減する。また、加熱コイル保持部2
7と一体に成形されているので、磁気シールド部26の
振動を抑制することができる。したがって、加熱コイル
15からの磁束と磁気シールド部26に誘導される誘導
電流の相互作用で、磁気シールド部26が振動して振動
音が発生するのを抑制するとともに、漏洩磁界低減効果
が低下するのを防止することができる。
【0034】(実施例4)次に、本発明の第4の実施例
について図5により説明する。
【0035】図に示すように、図5(a)のアルミニウ
ム管28の端部を重ね合わせてループ状に形成したあ
と、上部から圧力を印加し水平に押し広げて図5(b)
の形状の磁気シ−ルド部29を成形する。また、継目の
部分はスポット状に圧力を強く印加し、重ね合わせた上
下の導電金属板が互いに食い込むようにしている。
【0036】上記の構成において、磁気シールド部29
は幅広く圧延されているので、誘導電流が幅広く分布し
磁束低減効果が高められる。また、アルミニウム管28
を圧延する際に、接続部にも同時に圧力を印加して接続
することができるので、磁気シールド部29の組立工程
を少なくすることができ、磁気シールド部29の加工コ
ストを安くすることができる。
【0037】なお、本実施例においては、棒状のアルミ
ニウム管28を使用したが、管でない棒材を原材として
もよい。また、リボン状の板材を垂直にループ状にした
後、上から圧力を印加して末広がりに圧延して略平板状
となるように広げてもよい。
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明は原材料の平板を
材料廃棄の少ないように打ち抜いて個々の導電金属板を
取り出しているので、材料効率よく磁気シールド部を形
成することができる。
【0039】また、2枚の導電金属板の両端部を重ねて
保持部にネジ等により圧接固定しているので、導電部の
重ね合わせ部における電気的な接続を十分保持すること
ができ、また、振動等による騒音発生を防止することが
できる。
【0040】また、磁気シールド部を加熱コイル保持部
と一体に成形することで、加熱コイルと導電金属板との
絶縁を容易に確保することができる。また、導電金属板
が振動しないように、加熱コイル保持部で固定できるの
で、金属板の振動による騒音を防止できる。
【0041】さらに、複数個の導電金属部材を板状ある
いは棒状にして、その端部を接合してループ状に形成し
たあと、略平板状に圧延して形成するので、接合部の電
気接続をより確実なものとすることができる。また、断
面が円形で棒状の線材をループ状に構成しそれを押しつ
ぶすことにより、磁気シールド部を形成するまでに廃棄
する材料をさらに少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の第1の実施例の誘導加熱調理器
の断面図。 (b)同、要部の分解斜視図。
【図2】(a)同、誘導加熱調理器の磁気シールド部の
平面図。 (b)同、材料の取り方をしめす平面図。
【図3】本発明の第2の実施例の誘導加熱調理器の分解
斜視図。
【図4】(a)本発明の第3の実施例の誘導加熱調理器
の要部断面図。 (b)同、要部斜視図。
【図5】(a)本発明の第4の実施例の誘導加熱調理器
の磁気シールド部の製造途中段階の形状を示す斜視図。 (b)同、仕上がり形状を示す斜視図。
【図6】従来の誘導加熱調理器の断面図。
【符号の説明】
11 加熱コイル保持部 15 加熱コイル 16 トッププレート 18 周波数変換装置 19 磁気シールド部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片岡 章 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱コイルと、この加熱コイルに高周波
    電流を供給する周波数変換装置と、前記加熱コイルの外
    周近傍に磁気シールド部とを備え、前記磁気シールド部
    は、複数個の導電金属板を溶接、圧接、あるいは導電性
    の接着剤により接合されてなる誘導加熱調理器。
  2. 【請求項2】 導電金属板の2枚の両端部を磁気シ−ル
    ド保持部に重ねて固定してなる請求項1記載の誘導加熱
    調理器。
  3. 【請求項3】 磁気シールド部は、加熱コイルを保持す
    る加熱コイル保持部と一体成形されてなる請求項1また
    は2記載の誘導加熱調理器。
  4. 【請求項4】 板状あるいは棒状の導電金属部材をルー
    プ状に形成したあと、略平板状に圧延して形成してなる
    誘導加熱調理器の磁気シールド部の製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2147153A1 (es) * 1998-11-30 2000-08-16 Balay Sa Bobina inductora para coccion con apantallamiento magnetico perimetral.
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