JPH08250098A - 電池用セパレータ - Google Patents
電池用セパレータInfo
- Publication number
- JPH08250098A JPH08250098A JP7048817A JP4881795A JPH08250098A JP H08250098 A JPH08250098 A JP H08250098A JP 7048817 A JP7048817 A JP 7048817A JP 4881795 A JP4881795 A JP 4881795A JP H08250098 A JPH08250098 A JP H08250098A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- separator
- agent
- battery
- liquid
- fiber
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
- Cell Separators (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】湿式抄紙から得られる多孔質シートにおいて、
抄紙トラブルが生じず、高吸液性を有する。 【構成】 親水性PP(繊維径1d、長さ5mm)にポ
リオキシアルキレンアルキルエ−テル100部に対しポ
リオキシ・アルキレン脂肪酸エステルを含有するシリコ
ンオイルエマルジョンを10部を混合した収束剤で収束
し、5mmチョップにした物を用いて、TAPPI手漉
きシートマシンにて65g/m2 の紙を抄紙した。
抄紙トラブルが生じず、高吸液性を有する。 【構成】 親水性PP(繊維径1d、長さ5mm)にポ
リオキシアルキレンアルキルエ−テル100部に対しポ
リオキシ・アルキレン脂肪酸エステルを含有するシリコ
ンオイルエマルジョンを10部を混合した収束剤で収束
し、5mmチョップにした物を用いて、TAPPI手漉
きシートマシンにて65g/m2 の紙を抄紙した。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電池用セパレータに
係り、例えばアルカリ電池用等の耐アルカリ性の必要な
電池用セパレータに関するものである。
係り、例えばアルカリ電池用等の耐アルカリ性の必要な
電池用セパレータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルカリ電池用セパレータは電池内部に
おいて陰極物質と陽極物質相互の接触を防ぐことを目的
として両者の中間に配置するが、このセパレータには両
活物質の起電反応を促進させるため、電解液を予め充分
に吸蔵させておく必要がある。セパレータに吸蔵させて
おく電解液はKOHなどのアルカリを主体とした物資で
あり、乾電池の放電容量を高め放電時間を長くするなど
の電池性能を高める必要上、高濃度でかつ粘度も高い。
おいて陰極物質と陽極物質相互の接触を防ぐことを目的
として両者の中間に配置するが、このセパレータには両
活物質の起電反応を促進させるため、電解液を予め充分
に吸蔵させておく必要がある。セパレータに吸蔵させて
おく電解液はKOHなどのアルカリを主体とした物資で
あり、乾電池の放電容量を高め放電時間を長くするなど
の電池性能を高める必要上、高濃度でかつ粘度も高い。
【0003】アルカリ電池用に用いられるKOH水溶液
の濃度は電池の種類(例えば一次電池と二次電池)や電
池メーカーによって異なるが、一次電池では35%以上
で二次電池では30%前後が一般的である。従って、ア
ルカリ電池用に使用されるセパレ−タ用多孔質シ−トに
は吸液速度と保液性が高い親水性繊維を用いたクロスや
不織布が用いられる。
の濃度は電池の種類(例えば一次電池と二次電池)や電
池メーカーによって異なるが、一次電池では35%以上
で二次電池では30%前後が一般的である。従って、ア
ルカリ電池用に使用されるセパレ−タ用多孔質シ−トに
は吸液速度と保液性が高い親水性繊維を用いたクロスや
不織布が用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】発明者は、各種親水性
繊維(水との接触角が90度未満であるポリビニルアル
コール、セルロース、レーヨン、ポリエチレンテレフタ
レートを始め特開昭60−194113号公報のように
湿潤剤を配合したポリエチレン繊維や特開昭63−39
849号公報のようにポリオレフィン成分とEVAの親
水性成分を複合化した繊維、更には特開平05−272
013号公報のようにポリプロピレンとポリエチレンか
ら成る複合繊維の表面形成成分にアルキルスルフォネー
トNa塩が少量含有されているポリオレフィン繊維)で
構成された多孔質シ−トについて、高濃度(30〜40
%)KOH液の吸液性を調査したところ、繊維の原料と
なる高分子の濡れ性が極めて良い繊維で構成されたシ−
トでも、KOH濃度が増加するに従って吸液性が低下す
るという問題に直面した。
繊維(水との接触角が90度未満であるポリビニルアル
コール、セルロース、レーヨン、ポリエチレンテレフタ
レートを始め特開昭60−194113号公報のように
湿潤剤を配合したポリエチレン繊維や特開昭63−39
849号公報のようにポリオレフィン成分とEVAの親
水性成分を複合化した繊維、更には特開平05−272
013号公報のようにポリプロピレンとポリエチレンか
ら成る複合繊維の表面形成成分にアルキルスルフォネー
トNa塩が少量含有されているポリオレフィン繊維)で
構成された多孔質シ−トについて、高濃度(30〜40
%)KOH液の吸液性を調査したところ、繊維の原料と
なる高分子の濡れ性が極めて良い繊維で構成されたシ−
トでも、KOH濃度が増加するに従って吸液性が低下す
るという問題に直面した。
【0005】そもそも、親水性繊維単独の濡れと集合体
である多孔質体の濡れには、「最新紙加工便覧 テック
タイムス編 P155〜164(発行所 テックタイム
ス、発行日 昭和63年8月20日)」によると次のよ
うに大きな違いがある。
である多孔質体の濡れには、「最新紙加工便覧 テック
タイムス編 P155〜164(発行所 テックタイム
ス、発行日 昭和63年8月20日)」によると次のよ
うに大きな違いがある。
【0006】クロスや不織布の様に繊維の部分と隙間か
ら出来ている場合の濡れは次式 cosθr’=r’(cosθ+1)−1 (但し、θr’:シートとの見掛けの接触角、θ:繊維
自体に対する接触角、r’:シートの単位表面積中の繊
維の占有面積率、(1−r’)は空隙率)で与えられる
ようにたとえ繊維の一本一本が濡れ易くても、シートの
空隙率が高いほど溌水性は強く、理論上はr’=0でθ
r’=180°が極限になる。
ら出来ている場合の濡れは次式 cosθr’=r’(cosθ+1)−1 (但し、θr’:シートとの見掛けの接触角、θ:繊維
自体に対する接触角、r’:シートの単位表面積中の繊
維の占有面積率、(1−r’)は空隙率)で与えられる
ようにたとえ繊維の一本一本が濡れ易くても、シートの
空隙率が高いほど溌水性は強く、理論上はr’=0でθ
r’=180°が極限になる。
【0007】又、繊維の部分と隙間からなるシートの表
面は凸凹があるので、接触角が0以上の場合は液体は自
発的に凹部に入らない。即ち、固体表面の凹部への液体
の浸入は次式 −ΔF=γLV(1+rcosθ)G (但し、ΔF:表面自由エネルギー、γLV:液体の表面
張力、r:表面粗度、θ:固/液の接触角、G:気/固
界面の表面積)によって予測され、何らかの方法で強制
されなければならない。つまり、有限の接触角によって
設定されたポテンシャル障壁をいったん乗り越えると液
体は凹部に入る。その結果、もし固/液界面の面積より
も気/液界面の面積が小さくなれば、液体は粗い固/液
界面を離れない。
面は凸凹があるので、接触角が0以上の場合は液体は自
発的に凹部に入らない。即ち、固体表面の凹部への液体
の浸入は次式 −ΔF=γLV(1+rcosθ)G (但し、ΔF:表面自由エネルギー、γLV:液体の表面
張力、r:表面粗度、θ:固/液の接触角、G:気/固
界面の表面積)によって予測され、何らかの方法で強制
されなければならない。つまり、有限の接触角によって
設定されたポテンシャル障壁をいったん乗り越えると液
体は凹部に入る。その結果、もし固/液界面の面積より
も気/液界面の面積が小さくなれば、液体は粗い固/液
界面を離れない。
【0008】更に、ポテンシャル障壁は濡れ時間として
現れ、JTAPPI紙パルプ試験方法から引用すると、
液体の転移量Qは次式 Q=KR +KA ・ t (KR :シートの粗さ指数、KA :吸収係数、t:経過
時間)となる。
現れ、JTAPPI紙パルプ試験方法から引用すると、
液体の転移量Qは次式 Q=KR +KA ・ t (KR :シートの粗さ指数、KA :吸収係数、t:経過
時間)となる。
【0009】又、多孔質構造をもつ物体は毛細管の集合
体と見なすことが出来るが、浸透の深さに対してはLu
cas−Washburnの式 h=(r・γcosθ/2η)1/2 (h:吸液高さ、r:毛細管の径 γ:液体の表面張力
θ:接触角η:液体の粘度)が成り立ち、液体の浸透
距離は時間の平方根に比例し、粘度の平方根に反比例す
る。
体と見なすことが出来るが、浸透の深さに対してはLu
cas−Washburnの式 h=(r・γcosθ/2η)1/2 (h:吸液高さ、r:毛細管の径 γ:液体の表面張力
θ:接触角η:液体の粘度)が成り立ち、液体の浸透
距離は時間の平方根に比例し、粘度の平方根に反比例す
る。
【0010】従って液体粘度が高い場合、例え親水性繊
維で構成されたシートと言えども、対象となる液体の粘
度、比重、またはシートの空隙率によって、浸透速度が
大きく変化し、液との接触時間が短いほどその吸液性に
差が出ることが解る。
維で構成されたシートと言えども、対象となる液体の粘
度、比重、またはシートの空隙率によって、浸透速度が
大きく変化し、液との接触時間が短いほどその吸液性に
差が出ることが解る。
【0011】過去のアルカリ電池セパレ−タとして用い
られる多孔質シ−トの技術の中には親水性向上の為の処
理液として、アニオン、カチオン、両イオン、ノニオン
系活性剤の中で、分子中に電極の腐食を促進させる「硫
酸根」や「塩素根」イオン、又、ニカド電池の寿命を縮
める「硝酸根」を含まないノニオン活性剤系をシ−ト内
部又は表面に含浸加工することを推奨しているが、1)
工程が複雑になる。 2)乾燥時の耐熱性が必要である等の問題も少なくな
い。
られる多孔質シ−トの技術の中には親水性向上の為の処
理液として、アニオン、カチオン、両イオン、ノニオン
系活性剤の中で、分子中に電極の腐食を促進させる「硫
酸根」や「塩素根」イオン、又、ニカド電池の寿命を縮
める「硝酸根」を含まないノニオン活性剤系をシ−ト内
部又は表面に含浸加工することを推奨しているが、1)
工程が複雑になる。 2)乾燥時の耐熱性が必要である等の問題も少なくな
い。
【0012】一方、合成繊維のほとんどは製造上または
使用上の必要から表面処理が行われている。特に紡績や
織布、抄紙等に用いられるフィラメントはその一本一本
が製造工程での機械的摩擦によるせん断や静電気によっ
て毛羽立ったり、切れたりしないように、或いは短繊維
にカットする時、ばらけない様に収束剤によって収束さ
れる。
使用上の必要から表面処理が行われている。特に紡績や
織布、抄紙等に用いられるフィラメントはその一本一本
が製造工程での機械的摩擦によるせん断や静電気によっ
て毛羽立ったり、切れたりしないように、或いは短繊維
にカットする時、ばらけない様に収束剤によって収束さ
れる。
【0013】その収束剤は繊維の種類、製造工程、使用
先等によって少なくとも2種類以上の高分子を含む水溶
液であることが多く、収束剤成分の選定は繊維メーカー
のノウハウ的要素が強く文献などで公知された例は極め
て少ないが、例としては「繊維便覧 原料編(繊維学会
編)」に、 ・レ−ヨンでは高級アルコ−ル系硫酸エステルを主体と
して中性油を配合した物が多かったが、最近は非イオン
系が適宜配合使用され、時には両性活性剤も使用され
る。
先等によって少なくとも2種類以上の高分子を含む水溶
液であることが多く、収束剤成分の選定は繊維メーカー
のノウハウ的要素が強く文献などで公知された例は極め
て少ないが、例としては「繊維便覧 原料編(繊維学会
編)」に、 ・レ−ヨンでは高級アルコ−ル系硫酸エステルを主体と
して中性油を配合した物が多かったが、最近は非イオン
系が適宜配合使用され、時には両性活性剤も使用され
る。
【0014】・ビニロンはアセタ−ル化後水洗を十分行
ない、油剤処理を行ない帯電防止と柔軟平滑性を付与す
る。 等と界面活性剤が使用されることが多いとされている。
ない、油剤処理を行ない帯電防止と柔軟平滑性を付与す
る。 等と界面活性剤が使用されることが多いとされている。
【0015】しかし、湿式抄紙に多孔質シ−トを得る場
合、繊維を水中で分散させる必要があるが、水中に界面
活性剤又は界面活性剤で処理された物体があると、界面
活性剤の親水基を外に疎水基を内にして気泡が安定化す
る。しかも、繊維に纏わり付いた気泡はそれ自体の浮遊
力は小さく、繊維の近くに留まる。
合、繊維を水中で分散させる必要があるが、水中に界面
活性剤又は界面活性剤で処理された物体があると、界面
活性剤の親水基を外に疎水基を内にして気泡が安定化す
る。しかも、繊維に纏わり付いた気泡はそれ自体の浮遊
力は小さく、繊維の近くに留まる。
【0016】その結果、本来繊維状マットは水切れが悪
いことと相まって、紙料又は気泡又はその両方を浮遊さ
せ浮き種となって抄紙トラブルを生じる。本発明の目的
は、上記の問題を解消するためになされたものであっ
て、湿式抄紙から得られる多孔質シートにおいて、抄紙
トラブルが生じず、高吸液性を有する電池用セパレータ
を提供することにある。
いことと相まって、紙料又は気泡又はその両方を浮遊さ
せ浮き種となって抄紙トラブルを生じる。本発明の目的
は、上記の問題を解消するためになされたものであっ
て、湿式抄紙から得られる多孔質シートにおいて、抄紙
トラブルが生じず、高吸液性を有する電池用セパレータ
を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ノニ
オン系界面活性剤を主成分とし、且つ消泡剤を含む収束
剤で収束された合成繊維から構成された多孔質シ−トか
らなる電池用セパレ−タをその要旨としている。
オン系界面活性剤を主成分とし、且つ消泡剤を含む収束
剤で収束された合成繊維から構成された多孔質シ−トか
らなる電池用セパレ−タをその要旨としている。
【0018】前記合成繊維としては、ポリビニルアルコ
ール、レーヨン、親水化ポリオレフィン、ポリアミド、
フッ素繊維から選ばれたものが望ましい。従って、請求
項2の発明は、前記合成繊維がポリビニルアルコール、
レーヨン、親水化ポリオレフィン、ポリアミドから選ば
れたものである請求項1に記載の電池用セパレ−タをそ
の要旨としている。
ール、レーヨン、親水化ポリオレフィン、ポリアミド、
フッ素繊維から選ばれたものが望ましい。従って、請求
項2の発明は、前記合成繊維がポリビニルアルコール、
レーヨン、親水化ポリオレフィン、ポリアミドから選ば
れたものである請求項1に記載の電池用セパレ−タをそ
の要旨としている。
【0019】又、請求項3の発明は、前記ノニオン系界
面活性剤が分子中にポリオキシ・アルキレン基を含有す
る物から選ばれた収束剤で収束された請求項1又は請求
項2に記載の電池用セパレ−タをその要旨としている。
面活性剤が分子中にポリオキシ・アルキレン基を含有す
る物から選ばれた収束剤で収束された請求項1又は請求
項2に記載の電池用セパレ−タをその要旨としている。
【0020】本発明における、ノニオン系界面活性剤と
しては、下記のものを挙げることができる。すなわち、
湿式抄紙用繊維の収束剤には、低気泡性の界面活性剤又
は、消泡・破泡効果を有する物を使用しなければならな
い。しかし、電池に悪影響を及ぼさない前述のノニオン
型界面活性剤は親水基の構造よりみて、ポリエチレン・
オキサイド縮合物があるが、収束剤として用いる場合、
起泡性の低さや毒性の低さから好適である。この中から
更に疎水基の構造から 1)高級アルコール・エチレンオキシド付加物 2)アルキル・フェノール・エチレンオキシド付加物 3)脂肪酸・エチレンオキシド付加物 4)高級アルキルアミン・エチレンオキシド付加物 5)脂肪酸アミド・エチレンオキシド付加物 6)多価アルコール脂肪酸エステル・エチレンオキシド
付加物 等があり、これらは全て本発明の多孔質シートの吸液性
とシ−ト抄造時の低気泡性を両立させることができる。
しかし、さらに、エチレンオキシドの重合度がおよそ7
モル以上の完全水溶性の範囲では低重合度の物ほど、一
般に疎水基が低気泡性を可能にする物が多く、特にアル
キル・フェノール・エチレンオキシド付加物、脂肪酸・
エチレンオキシド付加物と多価アルコール脂肪酸エステ
ル・エチレンオキシド付加物は良い。
しては、下記のものを挙げることができる。すなわち、
湿式抄紙用繊維の収束剤には、低気泡性の界面活性剤又
は、消泡・破泡効果を有する物を使用しなければならな
い。しかし、電池に悪影響を及ぼさない前述のノニオン
型界面活性剤は親水基の構造よりみて、ポリエチレン・
オキサイド縮合物があるが、収束剤として用いる場合、
起泡性の低さや毒性の低さから好適である。この中から
更に疎水基の構造から 1)高級アルコール・エチレンオキシド付加物 2)アルキル・フェノール・エチレンオキシド付加物 3)脂肪酸・エチレンオキシド付加物 4)高級アルキルアミン・エチレンオキシド付加物 5)脂肪酸アミド・エチレンオキシド付加物 6)多価アルコール脂肪酸エステル・エチレンオキシド
付加物 等があり、これらは全て本発明の多孔質シートの吸液性
とシ−ト抄造時の低気泡性を両立させることができる。
しかし、さらに、エチレンオキシドの重合度がおよそ7
モル以上の完全水溶性の範囲では低重合度の物ほど、一
般に疎水基が低気泡性を可能にする物が多く、特にアル
キル・フェノール・エチレンオキシド付加物、脂肪酸・
エチレンオキシド付加物と多価アルコール脂肪酸エステ
ル・エチレンオキシド付加物は良い。
【0021】しかし、これらは一方で気泡安定性が良
く、一度発生した泡を比較的長い時間安定させるため、
浮き種を全く皆無にすることは出来ない。そこで、繊維
に纏わり付いた多数の気泡を合体させ浮遊力を増大させ
繊維から分離させる効果のある消泡剤を、抄紙工程中の
空気が混入される点又は、空気が細かく分散している場
所に添加することが必要になる。
く、一度発生した泡を比較的長い時間安定させるため、
浮き種を全く皆無にすることは出来ない。そこで、繊維
に纏わり付いた多数の気泡を合体させ浮遊力を増大させ
繊維から分離させる効果のある消泡剤を、抄紙工程中の
空気が混入される点又は、空気が細かく分散している場
所に添加することが必要になる。
【0022】そこで、気泡安定性を低下させる成分を第
2成分として混用もしくは含有された界面活性剤を収束
剤に適用もしくは配合することで、湿式抄紙用としても
有用な発泡性の少ない耐アルカリ性繊維およびそれを用
いた多孔質シ−トを容易に得ることが可能となる。
2成分として混用もしくは含有された界面活性剤を収束
剤に適用もしくは配合することで、湿式抄紙用としても
有用な発泡性の少ない耐アルカリ性繊維およびそれを用
いた多孔質シ−トを容易に得ることが可能となる。
【0023】消泡効果の高い成分としてシリカ又はシリ
コ−ンオイル、金属石鹸、高級アルコ−ル、脂肪酸系高
分子があるが、これらは界面活性剤の表面張力を低下さ
せ、表面積を助長する性質に反し、水に不溶で泡膜に吸
着することにより、起泡性物質を泡膜表面から除去ない
しは配列を乱れさせ、泡を破壊すると考えられている。
コ−ンオイル、金属石鹸、高級アルコ−ル、脂肪酸系高
分子があるが、これらは界面活性剤の表面張力を低下さ
せ、表面積を助長する性質に反し、水に不溶で泡膜に吸
着することにより、起泡性物質を泡膜表面から除去ない
しは配列を乱れさせ、泡を破壊すると考えられている。
【0024】従って、請求項4の発明は、前記収束剤中
の消泡剤がシリカ、金属石鹸、高級アルコ−ル又は脂肪
酸から選ばれた疎水性物からなるものである請求項1乃
至3のうちいずれかに記載の電池用セパレ−タをその要
旨としている。
の消泡剤がシリカ、金属石鹸、高級アルコ−ル又は脂肪
酸から選ばれた疎水性物からなるものである請求項1乃
至3のうちいずれかに記載の電池用セパレ−タをその要
旨としている。
【0025】なお、収束剤の加工法は各繊維で従来行わ
れている方法、設備がそのまま用いられ、例えば、レ−
ヨンの場合、紡糸塔から出た糸はロ−ラ−式のオイリン
グ装置で、原液又は水で希釈した収束剤を長繊維の場合
1〜3%、短繊維の場合1%付着させる。
れている方法、設備がそのまま用いられ、例えば、レ−
ヨンの場合、紡糸塔から出た糸はロ−ラ−式のオイリン
グ装置で、原液又は水で希釈した収束剤を長繊維の場合
1〜3%、短繊維の場合1%付着させる。
【0026】又、ビニロンの場合 アセタ−ル後十分水
洗した後0.3〜0.5%の仕上げ油剤溶液で40〜6
0℃で数分間均一に処理し、90〜110℃で乾燥す
る。一方、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂繊維では延
伸工程に必要な糸の集束性等を、フィラメントの場合は
高次加工での操業性を向上させるために紡糸冷却塔から
出た糸はロ−ラ−式等のオイリング装置で、原液又は水
で希釈した収束剤を付着させる。
洗した後0.3〜0.5%の仕上げ油剤溶液で40〜6
0℃で数分間均一に処理し、90〜110℃で乾燥す
る。一方、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂繊維では延
伸工程に必要な糸の集束性等を、フィラメントの場合は
高次加工での操業性を向上させるために紡糸冷却塔から
出た糸はロ−ラ−式等のオイリング装置で、原液又は水
で希釈した収束剤を付着させる。
【0027】以上の装置及び加工の概略は例えば「繊維
便覧原料編(繊維学会編)」に記載されている。
便覧原料編(繊維学会編)」に記載されている。
【0028】
【効果】請求項1乃至請求項4の発明によれば、湿式抄
紙から得られる多孔質シートにおいて、抄紙時の製造ト
ラブルが生じず、高吸液性を有することができる。
紙から得られる多孔質シートにおいて、抄紙時の製造ト
ラブルが生じず、高吸液性を有することができる。
【0029】又、請求項3の発明によれば、多孔質シー
トの吸液性とシ−ト抄造時の低気泡性を両立させること
ができる。又、請求項4の発明によれば、消泡効果が高
いため、抄紙時に起泡性物質を泡膜表面から除去ないし
は配列を乱れさせ、泡を破壊することができる。
トの吸液性とシ−ト抄造時の低気泡性を両立させること
ができる。又、請求項4の発明によれば、消泡効果が高
いため、抄紙時に起泡性物質を泡膜表面から除去ないし
は配列を乱れさせ、泡を破壊することができる。
【0030】
【実施例】次に実施例について説明する。まず、比較例
に使用する合成繊維は、下記のものから抄紙した。
に使用する合成繊維は、下記のものから抄紙した。
【0031】すなわち、 親水性PP(繊維径1d、長さ5mm) 60% 親水性PO(繊維径2d、長さ5mm) 35% SWP 5% の配合で、TAPPI手漉きシートマシンにて65g/
m2 の紙を抄紙した。 (実施例1)親水性PP(繊維径1d、長さ5mm)に
ポリオキシアルキレンアルキルエ−テル100部に対し
ポリオキシ・アルキレン脂肪酸エステルを含むシリコン
オイルエマルジョンを10部を混合した収束剤で収束
し、5mmチョップにした物を用いて、比較例と同様に
TAPPI手漉きシートマシンにて65g/m2 の紙を
抄紙した。 (実施例2)親水性PO繊維(繊維径1d、長さ5m
m)にポリオキシラウリルフェニルエ−テル100部に
ポリオキシ・アルキレン脂肪酸エステルを第一成分と
し、モノ・ジ脂肪酸エステルを第二成分とする混合物を
10部を混合した収束剤で収束し5mmチョップにした
物を用いて、比較例1と同様にTAPPI手漉きシート
マシンにて65g/m2 の紙を抄紙した。 (実施例3)親水性PO(繊維径1d、長さ5mm)を
特殊第4級アンモニウム塩100部にポリオキシ・アル
キレン脂肪酸エステルを主成分とし、シリコ−ンオイル
を第2成分とするする界面活性剤を10部を混合した収
束剤で収束し5mmチョップにした物を用いて、比較例
1と同様にTAPPI手漉きシートマシンにて65g/
m2 の紙を抄紙した。
m2 の紙を抄紙した。 (実施例1)親水性PP(繊維径1d、長さ5mm)に
ポリオキシアルキレンアルキルエ−テル100部に対し
ポリオキシ・アルキレン脂肪酸エステルを含むシリコン
オイルエマルジョンを10部を混合した収束剤で収束
し、5mmチョップにした物を用いて、比較例と同様に
TAPPI手漉きシートマシンにて65g/m2 の紙を
抄紙した。 (実施例2)親水性PO繊維(繊維径1d、長さ5m
m)にポリオキシラウリルフェニルエ−テル100部に
ポリオキシ・アルキレン脂肪酸エステルを第一成分と
し、モノ・ジ脂肪酸エステルを第二成分とする混合物を
10部を混合した収束剤で収束し5mmチョップにした
物を用いて、比較例1と同様にTAPPI手漉きシート
マシンにて65g/m2 の紙を抄紙した。 (実施例3)親水性PO(繊維径1d、長さ5mm)を
特殊第4級アンモニウム塩100部にポリオキシ・アル
キレン脂肪酸エステルを主成分とし、シリコ−ンオイル
を第2成分とするする界面活性剤を10部を混合した収
束剤で収束し5mmチョップにした物を用いて、比較例
1と同様にTAPPI手漉きシートマシンにて65g/
m2 の紙を抄紙した。
【0032】(評価方法)評価方法は下記の通りに行っ
た。その結果を表1に示す。 1)高濃度アルカリ水溶液(35%KOH)の吸液速度 幅25mm,長さ100mmの短冊状のサンプルを用意
し、吸水性の測定同様一端を下にして35%KOH水溶
液に浸液し、毛細管現象によって液が25mmまで昇る
までの時間を測定し、150秒以上を×、100〜14
9秒を△、100秒以下を○として評価する。 2)高濃度アルカリ水溶液(35%KOH)の保液率
(下式で算出) 50mm角のサンプルを10分間 35%KOHに浸液
後、サンプルの一角を下にして10分間放置した後の重
量が、浸液前の重量に対し増加した割合を測定し、35
0%以下を×、350〜400%を△、400%以上を
○として評価した。
た。その結果を表1に示す。 1)高濃度アルカリ水溶液(35%KOH)の吸液速度 幅25mm,長さ100mmの短冊状のサンプルを用意
し、吸水性の測定同様一端を下にして35%KOH水溶
液に浸液し、毛細管現象によって液が25mmまで昇る
までの時間を測定し、150秒以上を×、100〜14
9秒を△、100秒以下を○として評価する。 2)高濃度アルカリ水溶液(35%KOH)の保液率
(下式で算出) 50mm角のサンプルを10分間 35%KOHに浸液
後、サンプルの一角を下にして10分間放置した後の重
量が、浸液前の重量に対し増加した割合を測定し、35
0%以下を×、350〜400%を△、400%以上を
○として評価した。
【0033】保液率=((浸液後の重量)/(浸液前の
重量))×100
重量))×100
【0034】
【表1】
Claims (4)
- 【請求項1】 ノニオン系界面活性剤を主成分とし、且
つ消泡剤を含む収束剤で収束された合成繊維から構成さ
れた多孔質シ−トからなる電池用セパレ−タ。 - 【請求項2】 前記合成繊維がポリビニルアルコール、
レーヨン、親水化ポリオレフィン、ポリアミドから選ば
れたものである請求項1に記載の電池用セパレ−タ。 - 【請求項3】 前記ノニオン系界面活性剤が分子中にポ
リオキシ・アルキレン基を含有する物から選ばれた収束
剤で収束された請求項1又は請求項2に記載の電池用セ
パレ−タ。 - 【請求項4】 前記収束剤中の消泡剤がシリカ、金属石
鹸、高級アルコ−ル又は脂肪酸から選ばれた疎水性物か
らなるものである請求項1乃至3のうちいずれかに記載
の電池用セパレ−タ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7048817A JPH08250098A (ja) | 1995-03-08 | 1995-03-08 | 電池用セパレータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7048817A JPH08250098A (ja) | 1995-03-08 | 1995-03-08 | 電池用セパレータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08250098A true JPH08250098A (ja) | 1996-09-27 |
Family
ID=12813775
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7048817A Pending JPH08250098A (ja) | 1995-03-08 | 1995-03-08 | 電池用セパレータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08250098A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007238775A (ja) * | 2006-03-08 | 2007-09-20 | Nippon Oil Corp | 消泡剤および潤滑油組成物 |
-
1995
- 1995-03-08 JP JP7048817A patent/JPH08250098A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007238775A (ja) * | 2006-03-08 | 2007-09-20 | Nippon Oil Corp | 消泡剤および潤滑油組成物 |
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