JPH0824870B2 - 液体定量吐出装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、ペースト状もしくはクリーム状を呈する
電子材料、接着剤その他の中高粘度液体材料、粘度が経
時的に変化する液体材料、低粘度液体材料などを、シリ
ンジから高い精度をもって定量吐出することができる液
体材料定量吐出装置に関するものである。

〔従来の技術〕

シリンジからの液体の定量吐出は、液体を充填したシ
リンジ内へ加圧エアを供給することによって行うことが
一般的であり、従来の定量吐出は、多くは、手動減圧弁
によって供給圧力を調整される加圧エア供給部とシリン
ジとの間に吐出用電磁弁を配設し、供給圧力の手動調整
の下で、吐出用電磁弁を予め設定された一定時間だけ解
放することにより行っていた。

また、シリンジ内の液体がとくに低粘度である場合に
は、吐出休止時に、シリンジの先端に取付けたニードル
からその液体がたれ落ちするのを防止すべく、シリンジ
内に、負圧源からの負圧を作用させて液体重量の相殺を
図っていた。

〔発明が解決しようとする課題〕

ところが、かかる従来技術にあっては、加圧エアをシ
リンジ内へ一定時間供給しても、通常は、シリンジ内の
液体残存量の減少によって吐出量が低減することから、
それを補うためには、作業者が、シリンジ内の液体残存
量に応じて、そこへの供給圧力および吐出用電磁弁解放
時間の少なくとも一方を手動調整することが必要であ
り、同様に、シリンジ内の液体が経時的な粘度変化を生
じるときには、その粘度変化の液体吐出量に与える影響
を取り除くべく、作業者は、その粘度変化を考慮するに
入れて、それらの調整を行うことが必要であった。

そしてまた、一のワークの複数個所に定量吐出を行う
場合において、所要の吐出量が、吐出個所によって相違
するときには、従来技術によれば、吐出個所に応じて吐
出圧力および吐出時間の少なくとも一方を設定し直すこ
と、または、吐出量の異なる複数台の装置を配設するこ
とが必要であり、さらには、シリンジ内の液体の、ニー
ドルからのたれ落ちを適正に防止するためには、シリン
ジ内の液体残存量に応じて、そこに作用する負圧の大き
さを手動調整することが必要であった。

この発明は、従来技術のかかる問題をことごとく解決
するものであり、シリンジ内の液体残存量の変化、液体
粘度の経時変化および吐出個所に応じた所要吐出量の相
違を、吐出出力および吐出時間の少なくとも一方を、制
御手段からの信号に基づいて自動的に調整することによ
って補正し、これにより、シリンジ内の液体の定量吐出
精度を常に高く維持し、併せて、シリンジ内の液体残存
量に応じた大きさの負圧をシリンジに自動的に供給し
て、シリンジ内の液体重量を常に適切に相殺することが
できる液体定量吐出装置を提供するものである。

〔課題を解決するための手段〕

この発明の液体定量吐出装置は、吐出用の液体を充填
されるシリンジに加圧気体供給源を接続し、この加圧気
体供給源とシリンジとの間に吐出用電磁弁を介装すると
ともに、吐出用電磁弁と加圧気体供給源との間に吐出用
電空レギュレータをさらに介装し、また、その吐出用電
磁弁にバキューム発生器を接続し、このバキューム発生
器とそれに接続した加圧気体供給源との間に吸引用電空
レギュレータを介装したところにおいて、前記吐出用電
磁弁に吐出時間制御信号を出力するとともに、それぞれ
の電空レギュレータに圧力制御信号を出力する制御手段
を設けるとともに、各アドレスに、吐出圧力、吐出時間
および吸引用圧力の少なくとも一の修正データを記憶
し、各アドレスの記憶データを、制御手段からの読出信
号に応じてその制御手段へ順次に供給するメモリー回路
を設け、さらに、シリンジからの液体の吐出回数、吐出
累積時間および経過時間の少なくとも一つが所定値に達
したときに、前記制御手段に、アドレス繰上がり信号を
出力するタイマー・カウンター部を設けたものである。

このことを、第１図に示すブロック線図に基づいてよ
り具体的に説明する。

図中１はシリンジを示す。このシリンジ内には定量吐
出される所要の液体２が充填され、この液体２は、シリ
ンジ１の先端に取付けたニードル３から吐出される。

また４は、シリンジ１に加圧気体、例えば加圧エアを
供給する、加圧気体供給源としての加圧エア供給源を示
し、５は、加圧エア供給源４とシリンジ１との間に配設
した吐出用電磁弁を、６は、この吐出用電磁弁５と加圧
エア供給源との間に配設した吐出用電空レギュレータを
それぞれ示す。

さらに７は、加圧エア供給源４に接続され、吐出用電
磁弁５を介してシリンダ１に負圧を供給するバキューム
発生器を示し、８は、このバキューム発生器７と加圧エ
ア供給源４との間に配設した吸引用電空レギュレータを
示す。

そしてここでは、吐出用電磁弁５およびそれぞれの電
空レギュレータ6,8に制御手段９を接続し、さらにこの
制御手段９にメモリ回路10およびタイマー・カウンター
部11をそれぞれ接続する。ここで制御手段９は、メモリ
ー回路10から供給される各記憶データに基づき、吐出用
電磁弁５には吐出時間制御信号を、また、それぞれの電
空レギュレータ6,8には圧力制御信号をそれぞれ出力す
べく機能し、メモリー回路10は、各アドレスに、吐出圧
力、吐出時間および吸引用圧力の少なくとも一の修正デ
ータを記憶するとともに、制御手段９からの読出信号に
応じて各アドレスの記憶データを制御手段９へ順次に供
給すべく機能し、さらに、タイマー・カウンター部11
は、シリンジ１からの液体２の定量吐出回数、吐出累積
時間および経過時間の少なくとも一つが所定値に達した
ときに、制御手段９に、アドレス繰上げ信号を出力すべ
く機能する。

〔作 用〕

この装置では、それら作動に先立ち、まず、メモリー
回路の10の各アドレスに、使用する液体の特性、シリン
ジ内の液体残存量などに応じて、予め実験によって求め
られた、定量吐出および液だれ防止に必要な、吐出圧
力、吐出時間および吸引圧力の少なくとも一の修正デー
タを記憶させる。

なお、多くの場合には、各アドレスに、少なくとも１
の修正データの他、吐出圧力、吐出時間および吸引圧力
のうちの、修正を要しないデータをも記憶させる。

ここで、液体の定量吐出制御は、吐出圧力を調整する
ことおよび吐出時間を調整することのいずれによっても
可能であるが、吐出圧力の調整に比し、吐出時間の調整
の方がより微細にかつ正確に行い得ることから、順序と
しては、まず吐出圧力の調整を行い、次いで、吐出時間
を調整して吐出量の微量制御を行うことが好ましい。

従って、各アドレスに記憶される、吐出量に関する修
正データは、吐出時間による吐出量の微量制御が不要で
ある場合、および、タクトタイムを長くとれないなどの
理由によって吐出時間を調整できない場合には吐出圧力
だけの修正データであり、逆に、液体の性質その他によ
って微量制御が必要である場合は、吐出圧力および吐出
時間の両者の修正データである。

ところで、液体の吐出個所によって所要の吐出量が相
違する場合には、主には吐出時間の調整によって、所要
の吐出量を確保することが、吐出量の制御精度を高める
上で好ましく、それ故に、この場合には、各アドレス
に、吐出時間の修正データを主たる修正データとして記
憶させ、必要に応じて、液体の残存量変化および／また
は粘度変化の補正のための、吐出圧力の修正データをも
修正データとして記憶させる。

そしてまた、液体のたれ落ち防止のための修正データ
は、液体残存量の変化、ときとしては液体粘度の変化を
も考慮に入れた吸引用圧力の修正データである。

ついで、タイマー・カウンター部11にアドレスの切換
タイミングのデータを設定する。なおこの設定にあたっ
ては、液体の定量吐出の主たる阻害原因が何であるかを
考慮し、それが、シリンジ内の液体残存量の変化である
場合は、吐出回数または吐出累積時間が所定の値に達し
たときにアドレスを切り換えるべくデータを設定し、ま
たそれが、液体の粘度変化である場合は、経過時間が所
定値に達したときにアドレスを切り換えるべくデータを
設定する。

ここにおいて、液体の残存量変化と粘度変化との両者
を考慮に入れた吐出量補正および吸引用圧力の補正を行
い得る場合は、吐出回数または吐出累積時間のいずれか
を基準としてアドレスの切り換えを行う。

以上のようにして準備を行なった後は、制御手段９に
設けたディスペンス操作キーの操作により、または、外
部入力信号としての吐出信号により、制御手段９は、メ
モリー回路10の特定のアドレスに記憶されたデータを読
み出し、このデータに基づき、吐出用電磁弁５およびそ
れぞれの電空レギュレータ6,8のそれぞれを、吐出時
間，吐出圧力および吸引用圧力について制御しつつ駆動
する。

このことにより、吐出用電磁弁５は記憶データに則っ
て一定時間解放され、吐出用電空レギュレータ６は所定
の吐出圧力を設定し、そして吸引電空レギュレータ８
は、バキューム発生器７へ供給する所定の加圧力を設定
する。

従って、装置の作動開始に当たっては、読み出される
記憶データの全てが修正データであると考えることがで
きる。

その後は、同一の記憶データに基づく吐出作業を繰返
し行い、このことによって吐出回数、吐出累積時間もし
くは経過時間が、タイマー・カウンター部11に予め設定
されたアドレスの切換タイミングデータと一致したとき
に、そのタイマー・カウンター部11から制御手段９に、
アドレス繰上り信号が出力された。

そこで、制御手段９は、メモリー回路10から次のアド
レスに記憶された、修正データを含む記憶データを読み
出すとともに、以後、それらの記憶デーに基づいて、吐
出時間、吐出圧力および吸引用圧力の少なくとも一つを
調整して、上述の場合と同様に、同一の吐出作業を、次
のアドレス繰上げ信号がそこへ入力されるまで繰返し行
い、これらのことを、全てのアドレスへの記憶データに
基づいて順次に行うことによって、一連の吐出作業を終
了する。

なおここで、アドレス繰上り信号を、装置外の外部入
力信号として制御手段９に入力することもでき、また、
外部のアドレス選択信号によって、アドレス内の記憶デ
ータを任意に読み出して吐出用電磁弁５およびそれぞれ
の電空レギュレータ6,8を駆動することもできる。

ところで、上述したように機能する装置の作動を、シ
リンジ内の液体残存量の変化および液体粘度の経時変化
に起因する吐出量の変化を自動的に補正する場合その他
の場合のそれぞれについてみると以下のとおりとなる。

まず、液体残存量の変化に起因する吐出量の変化を補
正する場合には、メモリー回路10の複数のアドレスに記
憶させた、修正データとしての吐出圧力データを、吐出
回数または吐出累積時間で認識した液体残存量に応じて
順次に読み出し、シリンジ１への供給圧力を、所定の吐
出回数もしくは吐出累積時間ごとに切り換えることによ
って、一定の吐出量を維持する。

なお、上述したところに加えて、吐出量の微量調整を
も行う場合には、所要のアドレスに、吐出圧力に加え
て、吐出時間をもまた修正データとして記憶させ、この
時間修正データに基づいて、吐出用電磁弁５の解放時間
をも制御する。

また、粘度の経時変化に起因する吐出量の変化を補正
する場合には、これも、メモリー回路10の複数のアドレ
スに記憶させた、修正データとしての吐出圧力データ
を、経過時間に応じて順次に読み出して、シリンジ１へ
の供給圧力を各修正データに基づいて切り換え、これに
よって吐出量を常に一定ならしめる。

この場合の吐出量の微量調整もまた、前述の場合と同
様、吐出時間をも修正データとして記憶させ、吐出圧力
の他に、吐出時間をも調整することによって行うことが
できる。

そして、液体の吐出個所に応じて吐出量を変化させる
場合には、複数のアドレスに記憶させた、修正データと
しての吐出時間データを、吐出回数もしくは吐出累積時
間に応じて読み出して、吐出用電磁弁５の解放時間を調
整する。

ここで、必要があるときは、液体残存量の変化および
／または液体粘度の変化に起因する吐出量の変化を取り
除くべく、所要のアドレスに、吐出時間データの他に、
吐出圧力データをも修正データとして記憶させて、シリ
ンジ１への供給圧力の調整も行う。

さらに、シリンジ内の液体残存量の変化、ときとして
は、このことに加えて、液体粘度の経時変化に起因す
る、液体のたれ落ち防止のための適正負圧の変化を自動
的に補正する場合には、メモリー回路11の複数のアドレ
スに記憶させた、修正データとしての吸引用圧力デー
タ、即ち、粘度変化を考慮しない、もしくは考慮した吸
引用圧力データを、吐出回数または吐出累積時間で認識
した液体残存量に応じて読み出して、吐出回数もしくは
吐出累積時間が所定値に達する毎に、吸引用圧力を順次
に切り換える。

なお、上述したところにおいて、吐出圧力と吐出時間
の双方を修正データとして所要のアドレス、たとえば全
てのアドレスに記憶させた場合には、液体残存量の変化
および液体粘度の変化の両者に起因する吐出量の変化を
も高い精度をもって補正することができる。

かくしてこの装置によれば、メモリー回路10の各アド
レスに記憶した修正データを所要に応じて読み出し、そ
の修正データに基づいて吐出圧力および吐出時間の少な
くとも一方を制御することにより、液体残存量の変化お
よび液体粘度の変化に起因する吐出量の変化を、自動的
にかつ高い精度で補正することができるとともに、吐出
個所に応じた吐出量の変化に、一台の装置で自動的に、
しかも正確に対応することができる。そしてさらに、シ
リンジへの供給負圧を、そこへの液体残存量のいかんに
かかわらず常に適正ならしめて、液体のたれ落ちを常に
適切に防止することができる。

〔実施例〕

以下にこの発明の実施例を図面に基づいて説明する。

第２図は、この発明の実施例を示す回路図であり、図
中第１図で述べた部分と対応する部分はそれと同一の番
号で示す。

ここでは、制御手段９を、マルチプリセットのための
制御部であるマルチプリセットコントローラ21および吐
出作動のための基本的機能の制御部であり、マルチプリ
セットコントローラ21から吐出時間データの供給を受け
るディスペンサーコントローラ22と、このディスペンサ
ーコントローラ22に接続したディスペンス操作キー23お
よび吐出時間表示器24とで構成し、前記マルチプリセッ
トコントローラ21を、デジタル信号を電空レギュレータ
駆動用のアナログ信号に変換し、増幅するそれぞれの駆
動回路25,26を介して吐出用および吸引用のそれぞれの
電空レギュレータ6,8に接続し、また、ディスペンサー
コントローラ22を、駆動回路27を介して吐出用電磁弁５
に接続する。

このことにより、吐出用電空レギュレータ６は、電気
信号に基づいて、シリンジ１へ供給する吐出圧力を制御
すべく機能し、吸引用電空レギュレータ８は、バキュー
ム発生器７へ供給する圧力を電気信号に基づいて制御す
べく機能する。

なお図示例において、吐出用電磁弁５と吐出用電空レ
ギュレータ６との間に配設したタンク20は、シリンジ１
への供給圧力を安定ならしめるべく機能する。

またここでは、メモリー回路10を、各吐出時間の記憶
領域としての第１メモリー28,各吐出圧力の記憶領域と
しての第２メモリー29,各吸引用圧力の記憶領域として
の第３メモリー30,および。第１〜第３のメモリー28〜3
0のそれぞれの使用・不使用を選択するメモリー選択器3
1と、データの記憶アドレスを指定するアドレス設定器3
2、アドレス設定器32により指定されたアドレスを表示
するアドレス表示器33および記憶されたデータを呼び出
したときにそれらのデータを表示するデータ表示部34
と、入力データの設定、記憶および呼出しを行うマルチ
プリセットコントローラ操作キー35とで構成し、これら
の全てをマルチプリセットコントローラ21に接続する。

そしてさらに、タイマー・カウンター部11を、吐出回
数のカウントおよび比較、吐出時間の累積および比較な
らびに経過時間の比較を行うタイマー・カウンター本体
36と、アドレスの繰上がりを、吐出回数，吐出累積時間
または経過時間のいずれによるかを選択するモード切り
換え器37と、アドレスの繰り上がりタイミングを、所定
の吐出回数、所定の吐出累積時間または所定の経過時間
をもって設定するカウントアップデータ設定器38とで構
成し、このタイマー・カウンター部11では、現実の吐出
回数および吐出累積時間についての信号を、ディスペン
サーコントローラ22から前記タイマー・カウンター本体
36に受け取る一方、そのタイマー・カウンター部本体36
からマルチプリセットコントローラ21に、アドレス繰上
がり信号を出力する。

このように構成してなる装置によれば、前述したよう
に、それの作動中において、モード切換器37によって選
択されたいずれかの値が所定値に達したときに、タイマ
ー・カウンター本体36からマルチプリセットコントロー
ラ21への、アドレス繰上がり信号の出力に基づき、第１
〜第３メモリー28〜30の少なくとも一つに記憶された修
正データが読み出され、そのデータに基づき、吐出用電
磁弁の解放時間の調整、シリンジ１への供給圧力の調整
およびバキューム発生器７による発生負圧の調整の少な
くとも一つが行われ、このことは、全てのアドレスにつ
いて、いいかえれば、一連の吐出作業が終了するまで繰
返し行われる。

従って、この装置によれば、予めの実験によって求め
られた各修正データを第１〜第３メモリー28〜30の少な
くとも１つに記憶させることにより、シリンジ内の液体
の残存量の変化および／または液体の粘度変化に起因す
る吐出量の変化を、自動的かつ高精度に補正することが
でき、また、吐出個所に応じて所要の吐出量が相違する
場合にも、各吐出個所ごとに、所期した通りの量の液体
を正確に吐出することができる。しかも、液体のたれ落
ちも、また、液体残存量の考慮の下で、ときとしては液
体粘度をも考慮いて、バキューム発生器７による発生負
圧を調整することにより、常に適切に防止されることに
なる。

ちなみに、液体粘度が経時変化する二液混合樹脂を発
明装置によって定量吐出した場合と、従来装置によって
定量吐出した場合との実際の吐出量を比較したところ、
第３図にグラフで示す通りとなった。

なお、ここにおける発明装置による定量吐出は、経過
時間が10分に達する毎にアドレスの繰上がりをもたら
し、その都度、各アドレスに記憶させた吐出圧力修正デ
ータを読み出して吐出圧力、ひいては、シリンジへの機
器圧力を調整することによって行った。

第３図に示したところによれば、発明装置による吐出
量は、経過時間、即ち、粘度変化のいかんにかかわら
ず、ほぼコンスタントに0.15gであるに対し、従来装置
による吐出量は、経過時間が20分から200分に至るまで
の間に、半分以下に減少することが明らかである。

ところで、発明装置では、アドレスの繰上がりを、よ
り短い時間間隔をもって行なわせた場合には、定量吐出
精度の一層の向上をもたらすことができる。

〔発明の効果〕

以上に述べたところから明らかなように、この発明に
よれば、シリンジ内の液体残存量の変化および液体粘度
の経時変化に起因する吐出量の変化を、自動的にかつ、
高い精度で補正して、常に正確な定量吐出を行うことが
でき、また、所定の吐出量が吐出個所によって相違する
場合でも、一台の装置で、しかも自動的に、各吐出個所
に、所期した通りの量の液体を正確に吐出することがで
きる。

そしてさらには、シリンジ内の液体残存量が変化して
も、シリンジに供給される負圧の大きさをそれに応じて
自動的に調整することによって、シリンジ内の液体重量
を常に適切に相殺して、その液体のたれ落ちおよび吸い
上げを十分に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明を示すブロック線図、 第２図は、この発明の実施例を示す回路図、 第３図は、実際の吐出量の比較結果を示すグラフであ
る。 １……シリンジ、２……液体、 ４……加圧エア供給源、５……吐出用電磁弁、 ６……吐出用電空レギュレータ、 ７……バキューム発生器、 ８……吸引用電空レギュレータ、 ９……制御手段、10……メモリー回路、 11……タイマー・カウンター部、 21……マルチプリセットコントローラ、 22……ディスペンサーコントローラ、 23……デイスペンス操作キー、28……第１メモリー、 29……第２メモリー、30……第３メモリー、 31……メモリー選択器、32……アドレス選択器、 35……マルチプリセットコントローラ操作キー、 36……タイマー・カウンター本体、 37……モード切換器、 38……カウントアップデータ設定器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】シリンジと、このシリンジに加圧気体を供
   給する加圧気体供給源と、加圧気体供給源とシリンジと
   の間に配設した吐出用電磁弁と、この吐出用電磁弁と加
   圧気体供給源との間に配設した吐出用電空レギュレータ
   と、吐出用電磁弁を経てシリンダに負圧を作用させるバ
   キューム発生器と、バキューム発生器と前記加圧気体供
   給源との間に配設した吸引用電空レギュレータとを具え
   るとともに、 前記吐出用電磁弁に吐出時間制御信号を出力する他、そ
   れぞれの電空レギュレータに圧力制御信号を出力する制
   御手段と、各アドレスに、吐出圧力、吐出時間および吸
   引用圧力の少なくとも一の修正データを記憶し、その記
   憶データを読出信号に応じて前記制御手段へ供給するメ
   モリー回路と、吐出回数，吐出累積時間および経過時間
   の少なくとも１つが所定値に達したときに、前記制御手
   段に、アドレス繰上がり信号を出力するタイマー・カウ
   ンター部とを具えてなる液体定量吐出装置。