JPH08248257A - 光学素子結合方法及び屈折率像形成材料 - Google Patents
光学素子結合方法及び屈折率像形成材料Info
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- JPH08248257A JPH08248257A JP4760495A JP4760495A JPH08248257A JP H08248257 A JPH08248257 A JP H08248257A JP 4760495 A JP4760495 A JP 4760495A JP 4760495 A JP4760495 A JP 4760495A JP H08248257 A JPH08248257 A JP H08248257A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】光通信や光インターコネクション等において光
ファイバ、光導波路、半導体レーザ、LED、PD、レ
ンズなどの光学素子間の結合の方法に関し、屈折率分布
を形成する際に光を照射する時間に影響されずに屈折率
分布を形成すること。 【構成】2つの光学素子43,44のそれぞれの端面を
間隔をおいて固定する工程と、特定波長帯の光照射時に
は屈折率分布の変化なく、該光の照射後の活性化処理に
より光照射領域に高屈折率分布が生じる屈折率像形成材
料45を2つの前記光学素子43,44の前記端面の間
に充填する工程と、2つの前記光学素子43,44の少
なくとも一方の前記端面から前記屈折率像形成材料45
に特定波長帯の光を照射する工程と、前記屈折率像形成
材料45を加熱して光照射領域に集光性のレンズ効果を
有する屈折率分布46を形成する工程とを含む。
ファイバ、光導波路、半導体レーザ、LED、PD、レ
ンズなどの光学素子間の結合の方法に関し、屈折率分布
を形成する際に光を照射する時間に影響されずに屈折率
分布を形成すること。 【構成】2つの光学素子43,44のそれぞれの端面を
間隔をおいて固定する工程と、特定波長帯の光照射時に
は屈折率分布の変化なく、該光の照射後の活性化処理に
より光照射領域に高屈折率分布が生じる屈折率像形成材
料45を2つの前記光学素子43,44の前記端面の間
に充填する工程と、2つの前記光学素子43,44の少
なくとも一方の前記端面から前記屈折率像形成材料45
に特定波長帯の光を照射する工程と、前記屈折率像形成
材料45を加熱して光照射領域に集光性のレンズ効果を
有する屈折率分布46を形成する工程とを含む。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学素子結合方法及び
屈折率像形成材料に関し、より詳しくは、光通信や光イ
ンターコネクション等においてファイバ、光導波路、半
導体レーザ、LED、レンズなどの光学素子間の結合の
方法と、これに使用される結合材料に関する。
屈折率像形成材料に関し、より詳しくは、光通信や光イ
ンターコネクション等においてファイバ、光導波路、半
導体レーザ、LED、レンズなどの光学素子間の結合の
方法と、これに使用される結合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】光学素子は、光インターコネクション、
光通信などの種々の光情報処理(optical information p
rocessing)システムに使用される。例えば、半導体レー
ザ等の光源からの光を導波路や光ファイバを用いて伝送
し、伝送された光はフォトダイオードなどで電気信号に
復元することが行われる。
光通信などの種々の光情報処理(optical information p
rocessing)システムに使用される。例えば、半導体レー
ザ等の光源からの光を導波路や光ファイバを用いて伝送
し、伝送された光はフォトダイオードなどで電気信号に
復元することが行われる。
【0003】光学素子間の光結合には高い結合効率(cou
pling efficiency) が求められ、高い結合効率を得るた
めには光学素子間の光の電磁界分布を十分に整合させる
必要がある。このために、光学素子間の接合部分におい
て、光結合面の径を一致させるとともに、それらの間の
軸ズレ、角度ズレなどを小さくする必要がある。これら
を実現するためには、光学素子同士の接合面を高精度に
位置合わせする必要があるが、その位置合わせ精度を向
上することは難しく、光ファイバや光学素子のような光
部品間を容易にかつ効率良く光結合する方法が要求され
ている。
pling efficiency) が求められ、高い結合効率を得るた
めには光学素子間の光の電磁界分布を十分に整合させる
必要がある。このために、光学素子間の接合部分におい
て、光結合面の径を一致させるとともに、それらの間の
軸ズレ、角度ズレなどを小さくする必要がある。これら
を実現するためには、光学素子同士の接合面を高精度に
位置合わせする必要があるが、その位置合わせ精度を向
上することは難しく、光ファイバや光学素子のような光
部品間を容易にかつ効率良く光結合する方法が要求され
ている。
【0004】このような光学素子の光結合方法は予め高
精度な位置決めが必要となるので、光学素子間の光結合
が簡単には行えない等の問題があった。これについて解
決策が必要とされ、光ファイバ同士の光結合、又は、発
光素子や受光素子を光ファイバや光導波路に光結合する
結合器についても同様に要求されている。
精度な位置決めが必要となるので、光学素子間の光結合
が簡単には行えない等の問題があった。これについて解
決策が必要とされ、光ファイバ同士の光結合、又は、発
光素子や受光素子を光ファイバや光導波路に光結合する
結合器についても同様に要求されている。
【0005】光部品を精度良く結合する方法としては、
例えば特開昭53−108452号公報、特開昭64−
6909号公報において、2つの光ファイバ端面同士を
溶融し、その表面張力によりそれらを結合する方法が記
載されている。しかし、それらの公報には光ファイバ同
士の結合が記載されているだけで、その他の光学素子同
士の結合については何等の記載もない。
例えば特開昭53−108452号公報、特開昭64−
6909号公報において、2つの光ファイバ端面同士を
溶融し、その表面張力によりそれらを結合する方法が記
載されている。しかし、それらの公報には光ファイバ同
士の結合が記載されているだけで、その他の光学素子同
士の結合については何等の記載もない。
【0006】さらに、結合器を用いることによる光学素
子の高精度の光結合が考えられる。これらの結合器につ
いては、例えば次の文献において解説されている。 (1) 光通信素子光学−発光・受光素子、米津宏推著、光
学図書発行、日本 (2) ISDN時代の光ファイバ技術、大久保勝彦著、理
工学社発行、日本 (3) 光通信要覧、平山宏ら編集、科学新聞社発行、日本 これらの文献によると、端面発光型半導体レーザ(edge
emitting laser) は、活性層(active layer)が数百nm×
数μm程度の矩形構造をしており、光の放射角(radiati
on angle) は垂直方向20°〜60°、水平方向5°〜20°
程度である。また、面発光型LED(surface emitting
LED)は、発光領域径が30μm〜40μmと大きく、放射角
も 120°程度である。
子の高精度の光結合が考えられる。これらの結合器につ
いては、例えば次の文献において解説されている。 (1) 光通信素子光学−発光・受光素子、米津宏推著、光
学図書発行、日本 (2) ISDN時代の光ファイバ技術、大久保勝彦著、理
工学社発行、日本 (3) 光通信要覧、平山宏ら編集、科学新聞社発行、日本 これらの文献によると、端面発光型半導体レーザ(edge
emitting laser) は、活性層(active layer)が数百nm×
数μm程度の矩形構造をしており、光の放射角(radiati
on angle) は垂直方向20°〜60°、水平方向5°〜20°
程度である。また、面発光型LED(surface emitting
LED)は、発光領域径が30μm〜40μmと大きく、放射角
も 120°程度である。
【0007】ところで、シングルモード光ファイバのコ
ア径は、数μm〜10μm程度、マルチモード光ファイ
バのコア径は数十μm程度である。従って、光半導体素
子と光ファイバを結合する場合には、結合損失(couplin
g loss) を低減するために1μmオーダの精密なアライ
メントが要求される。精密なアライメントを行い、発光
素子と光ファイバのそれぞれの端面同士を突き当てて直
接結合する場合、例えば端面発光型半導体レーザとシン
グルモード光ファイバとを直接結合する場合の結合効率
は30%となり、また、端面発光型半導体レーザとマル
チモード光ファイバとの結合効率は50%、また、面発
光型発光ダイオードとマルチモード光ファイバの結合効
率は6%程度である。
ア径は、数μm〜10μm程度、マルチモード光ファイ
バのコア径は数十μm程度である。従って、光半導体素
子と光ファイバを結合する場合には、結合損失(couplin
g loss) を低減するために1μmオーダの精密なアライ
メントが要求される。精密なアライメントを行い、発光
素子と光ファイバのそれぞれの端面同士を突き当てて直
接結合する場合、例えば端面発光型半導体レーザとシン
グルモード光ファイバとを直接結合する場合の結合効率
は30%となり、また、端面発光型半導体レーザとマル
チモード光ファイバとの結合効率は50%、また、面発
光型発光ダイオードとマルチモード光ファイバの結合効
率は6%程度である。
【0008】また、端面発光型半導体レーザとシングル
モード光ファイバとの結合方式としてレーザとファイバ
の間にレンズを挿入する方式が検討されており、この場
合、結合効率は50%程度である。しかし、精密なアラ
イメントを要する部品点数が増えるため、作成はますま
す容易でなくなる。一方、光ファイバと導波路とを結合
する場合には、導波路と光ファイバのコア径を一致さ
せ、軸ズレを生じさせないことにより、直接結合で56
〜79%の結合効率が得られる。
モード光ファイバとの結合方式としてレーザとファイバ
の間にレンズを挿入する方式が検討されており、この場
合、結合効率は50%程度である。しかし、精密なアラ
イメントを要する部品点数が増えるため、作成はますま
す容易でなくなる。一方、光ファイバと導波路とを結合
する場合には、導波路と光ファイバのコア径を一致さ
せ、軸ズレを生じさせないことにより、直接結合で56
〜79%の結合効率が得られる。
【0009】しかし、その直接結合は、高効率で結合す
る際には導波路と光ファイバの各コア径の大きさからの
制限があり、1μmオーダの精密なアライメントが要求
されることからそれらの結合が容易でないという問題が
ある。また、上述の直接結合やレンズ結合に代わる方式
も提案されている。例えば特開昭55−43538号公
報では、光結合器の製造方法について提案されている。
これは、光結合器を作製する物質に光を入出力すべき位
置から光を入射してその光結合器の基体の屈折率を変化
させることにより、自己整合的に光導路を形成させるよ
うにしたことを特徴とする光結合器の製造方法である。
しかし、この光結合器も光学素子間を結合する目的で使
用するためには、光を入出力すべき位置に光素子を設置
して固定しなければならず、精密なアライメントが要求
される。
る際には導波路と光ファイバの各コア径の大きさからの
制限があり、1μmオーダの精密なアライメントが要求
されることからそれらの結合が容易でないという問題が
ある。また、上述の直接結合やレンズ結合に代わる方式
も提案されている。例えば特開昭55−43538号公
報では、光結合器の製造方法について提案されている。
これは、光結合器を作製する物質に光を入出力すべき位
置から光を入射してその光結合器の基体の屈折率を変化
させることにより、自己整合的に光導路を形成させるよ
うにしたことを特徴とする光結合器の製造方法である。
しかし、この光結合器も光学素子間を結合する目的で使
用するためには、光を入出力すべき位置に光素子を設置
して固定しなければならず、精密なアライメントが要求
される。
【0010】また、特開昭60−173508号公報で
は、相対向させた2つの導波路間に位相変化型感光性媒
質を配置し、それらの2つの導波路の双方から前記感光
性媒質に向けて光を照射して、その感光性媒質を局所的
に変性させて光結合用導波路を形成することを特徴とす
る光導波路接続方法が提案されている。しかし、この方
法によれば、両導波路から通す光として紫外光を用いる
ことにより導波路のコアとほぼ同じ形状の導波路を感光
性媒質中に形成している。従って、導波路間の位置ずれ
は媒質中においても受け継がれることになり、予め精密
なアライメントが必要になるという状況は残る。
は、相対向させた2つの導波路間に位相変化型感光性媒
質を配置し、それらの2つの導波路の双方から前記感光
性媒質に向けて光を照射して、その感光性媒質を局所的
に変性させて光結合用導波路を形成することを特徴とす
る光導波路接続方法が提案されている。しかし、この方
法によれば、両導波路から通す光として紫外光を用いる
ことにより導波路のコアとほぼ同じ形状の導波路を感光
性媒質中に形成している。従って、導波路間の位置ずれ
は媒質中においても受け継がれることになり、予め精密
なアライメントが必要になるという状況は残る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、屈折率分布
を形成するための光を照射する時間に影響されない屈折
率分布を形成できる光学素子の結合方法及び屈折率分布
形成材料を提供する。本発明者等は特願平5−2237
23号において、図6(a),(b) に示すような光部品結合
方法を提案している。この方法は、図6(a) に示すよう
に支持体101上で結合される光学素子103,104 を固定
し、光照射により屈折率分布が変化する屈折率分布材料
105 を充填した後に、図6(b) に示すように使用時に受
光側となる光学素子103 から光を導入して屈折率分布材
料105 にレンズ効果をもつ屈折率分布106 を形成する。
そして、使用時には、出射側の光学素子104 から導入さ
れる光をその屈折率分布106 を通して光学素子103 に入
射する。
を形成するための光を照射する時間に影響されない屈折
率分布を形成できる光学素子の結合方法及び屈折率分布
形成材料を提供する。本発明者等は特願平5−2237
23号において、図6(a),(b) に示すような光部品結合
方法を提案している。この方法は、図6(a) に示すよう
に支持体101上で結合される光学素子103,104 を固定
し、光照射により屈折率分布が変化する屈折率分布材料
105 を充填した後に、図6(b) に示すように使用時に受
光側となる光学素子103 から光を導入して屈折率分布材
料105 にレンズ効果をもつ屈折率分布106 を形成する。
そして、使用時には、出射側の光学素子104 から導入さ
れる光をその屈折率分布106 を通して光学素子103 に入
射する。
【0012】この光部品結合方法に使用する屈折率分布
材料105 では、光照射と同時に屈折率分布が形成され、
光照射量の多いほど高い屈折率となるので、光照射時間
を長くすればするほど高い屈折率の領域が時々刻々と狭
くなり易い。例えば、図6(b) に示すような光照射時で
は、光強度分布に対応した屈折率分布が形成されると仮
定して屈折率像形成材料に光を照射すると、初期には、
図7に示すような屈折率分布が屈折率像形成材料に形成
され、また、一定時間経過後には、その屈折率分布は図
8のように変化する。この屈折率分布は、2次元導波路
解析法(電子通信学会論文誌;J66-C, 10(1983)732)を
用いて解析した。この場合の光学素子として、2つのコ
ア径8μmの光ファイバ同士を光結合し、また、光ファ
イバ間の距離を400μm、そのコア間の光軸ずれを0
μm、コアの屈折率を1.60、材料に照射する光の波
長488nm、材料の平均屈折率を1.58、屈折率像形
成材料の屈折率変調強度を0.01としている。
材料105 では、光照射と同時に屈折率分布が形成され、
光照射量の多いほど高い屈折率となるので、光照射時間
を長くすればするほど高い屈折率の領域が時々刻々と狭
くなり易い。例えば、図6(b) に示すような光照射時で
は、光強度分布に対応した屈折率分布が形成されると仮
定して屈折率像形成材料に光を照射すると、初期には、
図7に示すような屈折率分布が屈折率像形成材料に形成
され、また、一定時間経過後には、その屈折率分布は図
8のように変化する。この屈折率分布は、2次元導波路
解析法(電子通信学会論文誌;J66-C, 10(1983)732)を
用いて解析した。この場合の光学素子として、2つのコ
ア径8μmの光ファイバ同士を光結合し、また、光ファ
イバ間の距離を400μm、そのコア間の光軸ずれを0
μm、コアの屈折率を1.60、材料に照射する光の波
長488nm、材料の平均屈折率を1.58、屈折率像形
成材料の屈折率変調強度を0.01としている。
【0013】このように時間経過に伴い屈折率分布が狭
くなることは、光学素子間の許容できる位置ずれの範囲
を狭くし、結果的にこの方法の有効性が低下することに
つながる。ところで、従来の屈折率分布を形成するため
の材料は、さまざまな種類の材料が提案されている。
くなることは、光学素子間の許容できる位置ずれの範囲
を狭くし、結果的にこの方法の有効性が低下することに
つながる。ところで、従来の屈折率分布を形成するため
の材料は、さまざまな種類の材料が提案されている。
【0014】例えば、特開平2−3081号公報に記載
されているように、熱可塑性重合体とエチレン系不飽和
単量体と重合開始剤とからなる材料がある。また、特開
平2─3082号公報では、ポリビニルアセテート、ポ
リビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニ
ルホルマール等のセグメントを主要部として含むインタ
ーポリマー、或いは、それらのセグメントの混合物より
なる群から選ばれたポリマー性バインダと、エチレン性
不飽和モノマと、光重合開始剤からなる材料が記載され
ている。さらに、特開平3─50588号公報に記載さ
れているように、溶剤可溶性のフッ素含有ポリマ性バイ
ンダと、エチレン性不飽和モノマと、光重合開始剤から
なる材料がある。さらに、特開平3─36582号公報
では、アリルジグリコールカーボネートと、2,2-ビス
(3,5-ジブロモ-4-(2-メタクリロイルオキシエトキシ)
フェニル)プロパンと、光重合開始剤からなる材料等が
提案されている。
されているように、熱可塑性重合体とエチレン系不飽和
単量体と重合開始剤とからなる材料がある。また、特開
平2─3082号公報では、ポリビニルアセテート、ポ
リビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニ
ルホルマール等のセグメントを主要部として含むインタ
ーポリマー、或いは、それらのセグメントの混合物より
なる群から選ばれたポリマー性バインダと、エチレン性
不飽和モノマと、光重合開始剤からなる材料が記載され
ている。さらに、特開平3─50588号公報に記載さ
れているように、溶剤可溶性のフッ素含有ポリマ性バイ
ンダと、エチレン性不飽和モノマと、光重合開始剤から
なる材料がある。さらに、特開平3─36582号公報
では、アリルジグリコールカーボネートと、2,2-ビス
(3,5-ジブロモ-4-(2-メタクリロイルオキシエトキシ)
フェニル)プロパンと、光重合開始剤からなる材料等が
提案されている。
【0015】しかし、これらの材料は、光照射と同時に
分子中の官能基が反応し、これにより屈折率分布が形成
されるので、光照射時間を長くすると光の導波パターン
が変化し易いという問題を解決するものではない。本発
明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、屈
折率分布を形成するための光を照射する時間に影響され
ない屈折率分布を形成できる光学素子の結合方法及び屈
折率分布形成材料を提供することを目的とする。
分子中の官能基が反応し、これにより屈折率分布が形成
されるので、光照射時間を長くすると光の導波パターン
が変化し易いという問題を解決するものではない。本発
明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、屈
折率分布を形成するための光を照射する時間に影響され
ない屈折率分布を形成できる光学素子の結合方法及び屈
折率分布形成材料を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記した課題は、図1に
例示するように、2つの光学素子43,44のそれぞれ
の端面を間隔をおいて固定する工程と、特定波長帯の光
照射時には屈折率分布の変化がなく、該光の照射後の活
性化処理により光照射領域に高屈折率分布が生じる屈折
率像形成材料45を2つの前記光学素子43,44の前
記端面の間に充填する工程と、2つの前記光学素子4
3,44の少なくとも一方の前記端面から前記屈折率像
形成材料45に特定波長帯の光を照射する工程と、光照
射された前記屈折率像形成材料に前記活性処理を施し集
光性のレンズ効果を有する屈折率分布46を形成する工
程とを有する光学素子結合方法によって解決する。
例示するように、2つの光学素子43,44のそれぞれ
の端面を間隔をおいて固定する工程と、特定波長帯の光
照射時には屈折率分布の変化がなく、該光の照射後の活
性化処理により光照射領域に高屈折率分布が生じる屈折
率像形成材料45を2つの前記光学素子43,44の前
記端面の間に充填する工程と、2つの前記光学素子4
3,44の少なくとも一方の前記端面から前記屈折率像
形成材料45に特定波長帯の光を照射する工程と、光照
射された前記屈折率像形成材料に前記活性処理を施し集
光性のレンズ効果を有する屈折率分布46を形成する工
程とを有する光学素子結合方法によって解決する。
【0017】または、前記屈折率像形成材料45は、特
定波長帯の光照射により第1の物質が生じ、加熱による
活性化処理により該第1の物質が触媒として作用して該
特定波長帯の光が照射された領域の屈折率を変化させる
化学増幅効果を有する材料から構成されていることを特
徴とする光学素子結合方法により解決する。または、2
つの光学素子43,44のそれぞれの端面を間隔をおい
て固定する工程と、特定波長帯の光照射時に屈折率分布
が増加し、該光照射後の活性化処理により該屈折率分布
の屈折率が増す屈折率像形成材料45を2つの前記光学
素子43,44の前記端面の間に充填する工程と、2つ
の前記光学素子43,44の少なくとも一方の前記端面
から前記屈折率像形成材料45に特定波長帯の光を照射
する工程と、光照射された前記屈折率像形成材料に前記
活性処理を施し集光性のレンズ効果を有する屈折率分布
46を形成する工程とを有する光学素子結合方法により
解決する。
定波長帯の光照射により第1の物質が生じ、加熱による
活性化処理により該第1の物質が触媒として作用して該
特定波長帯の光が照射された領域の屈折率を変化させる
化学増幅効果を有する材料から構成されていることを特
徴とする光学素子結合方法により解決する。または、2
つの光学素子43,44のそれぞれの端面を間隔をおい
て固定する工程と、特定波長帯の光照射時に屈折率分布
が増加し、該光照射後の活性化処理により該屈折率分布
の屈折率が増す屈折率像形成材料45を2つの前記光学
素子43,44の前記端面の間に充填する工程と、2つ
の前記光学素子43,44の少なくとも一方の前記端面
から前記屈折率像形成材料45に特定波長帯の光を照射
する工程と、光照射された前記屈折率像形成材料に前記
活性処理を施し集光性のレンズ効果を有する屈折率分布
46を形成する工程とを有する光学素子結合方法により
解決する。
【0018】または、前記活性化処理は熱処理によって
行うことを特徴とす光学素子結合方法により解決する。
または、前記屈折率像形成材料45は支持体41に形成
された溝41aに充填されることを特徴とする光学素子
結合方法により解決する。または、前記光学素子は、光
ファイバ、導波路、レンズ、回折格子、受光素子、発光
素子であることを特徴とする光学素子結合方法により解
決する。
行うことを特徴とす光学素子結合方法により解決する。
または、前記屈折率像形成材料45は支持体41に形成
された溝41aに充填されることを特徴とする光学素子
結合方法により解決する。または、前記光学素子は、光
ファイバ、導波路、レンズ、回折格子、受光素子、発光
素子であることを特徴とする光学素子結合方法により解
決する。
【0019】または、カチオン重合性の官能基を有する
化合物と光触媒効果を有する物質を有し、光を照射した
後に、加熱することにより光照射領域の屈折率が増加す
る材料からなることを特徴とする屈折率像形成材料によ
り解決する。
化合物と光触媒効果を有する物質を有し、光を照射した
後に、加熱することにより光照射領域の屈折率が増加す
る材料からなることを特徴とする屈折率像形成材料によ
り解決する。
【0020】
【作 用】本発明によれば、特定波長帯の光照射時には
屈折率分布の変化がなく、この光の照射後の活性化処理
により光照射領域に高屈折率像が生じる屈折率像形成材
料を使用して複数の光学素子の間を光結合している。こ
の屈折率像形成材料としては化学増幅作用のある材料が
あり、例えばカチオン重合性の官能基を有する化合物と
光触媒効果を有する物質からなる。
屈折率分布の変化がなく、この光の照射後の活性化処理
により光照射領域に高屈折率像が生じる屈折率像形成材
料を使用して複数の光学素子の間を光結合している。こ
の屈折率像形成材料としては化学増幅作用のある材料が
あり、例えばカチオン重合性の官能基を有する化合物と
光触媒効果を有する物質からなる。
【0021】または、特定波長帯の光照射時に屈折率分
布が増加し、該光照射後の活性化処理により該屈折率分
布の屈折率が増す屈折率像形成材料を使用して複数の光
学素子の間を光結合している。このため、それらの屈折
率像形成材料において、光を照射する時点で高屈折率像
は形成されないので、高屈折率像が光照射時間によって
狭くなったり広くなることがない。
布が増加し、該光照射後の活性化処理により該屈折率分
布の屈折率が増す屈折率像形成材料を使用して複数の光
学素子の間を光結合している。このため、それらの屈折
率像形成材料において、光を照射する時点で高屈折率像
は形成されないので、高屈折率像が光照射時間によって
狭くなったり広くなることがない。
【0022】それらの活性化処理としては、加熱処理が
ある。また、屈折率像形成材料を充填する領域に溝を形
成することにより、屈折率像形成材料が流れて広がるこ
とを抑制できる。
ある。また、屈折率像形成材料を充填する領域に溝を形
成することにより、屈折率像形成材料が流れて広がるこ
とを抑制できる。
【0023】
【実施例】そこで、以下に本発明の実施例を図面に基づ
いて説明する。 (第1実施例)図1(a) 〜図1(d) は、本発明の第1実
施例の光学素子結合方法を示す断面図である。
いて説明する。 (第1実施例)図1(a) 〜図1(d) は、本発明の第1実
施例の光学素子結合方法を示す断面図である。
【0024】まず、図1(a) に示すように、支持基板4
1上形成されて直線状に延びる第一のV溝42に第一及
び第二の光ファイバ43,44を嵌め込み、それらの端
面同士を0.1mm以上離して相対向させる。第一の光フ
ァイバ43と第二の光ファイバ44の間には後述する屈
折率像形成材料45を充填するための深い第二のV溝4
1aが形成されている。
1上形成されて直線状に延びる第一のV溝42に第一及
び第二の光ファイバ43,44を嵌め込み、それらの端
面同士を0.1mm以上離して相対向させる。第一の光フ
ァイバ43と第二の光ファイバ44の間には後述する屈
折率像形成材料45を充填するための深い第二のV溝4
1aが形成されている。
【0025】次に、光照射によって屈折率分布の潜像が
形成され、その後の活性化処理によって初めて屈折率分
布像を顕像化するという性質を有する屈折率像形成材料
45を用意する。そして、図1(b) に示すように、溶媒
を用いた若しくは溶媒を用いない屈折率像形成材料45
の溶液を第一及び第二の光ファイバ43,44の間の隙
間とその周辺に滴下する。これを数時間放置して溶媒を
除去する。屈折率像形成材料45は、第二のV溝41a
によって流出が防止される。
形成され、その後の活性化処理によって初めて屈折率分
布像を顕像化するという性質を有する屈折率像形成材料
45を用意する。そして、図1(b) に示すように、溶媒
を用いた若しくは溶媒を用いない屈折率像形成材料45
の溶液を第一及び第二の光ファイバ43,44の間の隙
間とその周辺に滴下する。これを数時間放置して溶媒を
除去する。屈折率像形成材料45は、第二のV溝41a
によって流出が防止される。
【0026】屈折率像形成材料としては、化学増幅効果
を有する触媒型官能物質を用いて、光照射部分を熱処理
によって活性化する材料がある。化学増幅効果は、屈折
率像形成材料において、光照射により発生した物質(例
えば酸)を加熱して触媒として作用させ、これにより光
が照射された領域の屈折率を増加させる効果である。こ
の後に、図1(c) に示すように、屈折率像形成材料45
に向けて例えば第一の光ファイバ43のコア43aから
光を照射する。この光の波長は、光の広がりを大きくす
るために長波長であることが望ましいが、具体的には屈
折率像形成材料45の感光波長域を考慮して選択する。
この段階では屈折率像は現れない。
を有する触媒型官能物質を用いて、光照射部分を熱処理
によって活性化する材料がある。化学増幅効果は、屈折
率像形成材料において、光照射により発生した物質(例
えば酸)を加熱して触媒として作用させ、これにより光
が照射された領域の屈折率を増加させる効果である。こ
の後に、図1(c) に示すように、屈折率像形成材料45
に向けて例えば第一の光ファイバ43のコア43aから
光を照射する。この光の波長は、光の広がりを大きくす
るために長波長であることが望ましいが、具体的には屈
折率像形成材料45の感光波長域を考慮して選択する。
この段階では屈折率像は現れない。
【0027】次に、図1(d) に示すように、屈折率像形
成材料45を加熱すると、屈折率像形成材料45内に
は、第一の光ファイバ43のコア43aから出射された
光の強度分布に基づいた高屈折率像46が現れる。具体
的には、図1(d) に示すように第一の光ファイバ43の
コア43aから径が広がるようなコーン型の高屈折率像
46が形成される。
成材料45を加熱すると、屈折率像形成材料45内に
は、第一の光ファイバ43のコア43aから出射された
光の強度分布に基づいた高屈折率像46が現れる。具体
的には、図1(d) に示すように第一の光ファイバ43の
コア43aから径が広がるようなコーン型の高屈折率像
46が形成される。
【0028】以上の工程により、第一及び第二の光ファ
イバ43,44は屈折率像形成材料45の高屈折率像4
6を介して光結合される。そして、図1(e) に示すよう
に、コーン型の高屈折率像46のうちより広い端部に接
する第二の光ファイバ44のコア44aから第一の光フ
ァイバ43に向けて信号光を照射すると、その信号光
は、高屈折率像46のレンズ効果によりその最も狭い部
分に集光して第一の光ファイバ43のコア43aに入射
することになる。
イバ43,44は屈折率像形成材料45の高屈折率像4
6を介して光結合される。そして、図1(e) に示すよう
に、コーン型の高屈折率像46のうちより広い端部に接
する第二の光ファイバ44のコア44aから第一の光フ
ァイバ43に向けて信号光を照射すると、その信号光
は、高屈折率像46のレンズ効果によりその最も狭い部
分に集光して第一の光ファイバ43のコア43aに入射
することになる。
【0029】この結果、第一の光ファイバ43と第二の
光ファイバ44の位置合わせ精度がラフであっても、高
屈折率像46の集光機能によって高い光結合効率が得ら
れることになる。なお、第一及び第二の光ファイバ4
3,44の端面の間隔を広げて光結合器長を長くするこ
とにより、高いアイソレーション性を持たせることがで
きる。
光ファイバ44の位置合わせ精度がラフであっても、高
屈折率像46の集光機能によって高い光結合効率が得ら
れることになる。なお、第一及び第二の光ファイバ4
3,44の端面の間隔を広げて光結合器長を長くするこ
とにより、高いアイソレーション性を持たせることがで
きる。
【0030】次に、フーリエ変換を用いた二次元導波路
解析法(電子通信学会論文;J66-C,10(1983)732)を用い
て解析した結果を以下に示す。屈折率像形成材料45内
では光照射強度分布に対応した屈折率分布が形成される
と仮定すると、第一の光ファイバ43のコアから高屈折
率像形成用の光を照射した後には、図2に示すような屈
折率分布が形成された。
解析法(電子通信学会論文;J66-C,10(1983)732)を用い
て解析した結果を以下に示す。屈折率像形成材料45内
では光照射強度分布に対応した屈折率分布が形成される
と仮定すると、第一の光ファイバ43のコアから高屈折
率像形成用の光を照射した後には、図2に示すような屈
折率分布が形成された。
【0031】この解析例では、第一及び第二の光ファイ
バ43,44のコア43a,44aの径が8μm、コア
間距離が400μm、コア間の光軸ズレが0μm、コア
の屈折率1.60、クラッドの屈折率1.58、屈折率
像形成材料45に照射する像形成用光の波長が488n
m、像形成用光の照射時間10分、高屈折率像46の周
囲の屈折率像形成材料45の屈折率1.58、材料の高
屈折率像とその周囲との屈折率差0.01と仮定してい
る。
バ43,44のコア43a,44aの径が8μm、コア
間距離が400μm、コア間の光軸ズレが0μm、コア
の屈折率1.60、クラッドの屈折率1.58、屈折率
像形成材料45に照射する像形成用光の波長が488n
m、像形成用光の照射時間10分、高屈折率像46の周
囲の屈折率像形成材料45の屈折率1.58、材料の高
屈折率像とその周囲との屈折率差0.01と仮定してい
る。
【0032】図2からも明らかなように、像形成用光の
照射時間が長くても屈折率分布は変化しないことが分か
った。これは、高屈折率像は、光の照射と同時に形成さ
れるのではなく、光照射後の熱処理による活性化によっ
て現れるからである。このように、セルフアライメント
方式で光学素子間を光結合するため、最初に光学素子を
固定する時の位置合わせのトレランスが大きく、高い精
度が要求されなくなり、結合が容易になる。また、形成
された屈折率分布によって光を集光するもので、光学素
子間の結合効率が良くなる。
照射時間が長くても屈折率分布は変化しないことが分か
った。これは、高屈折率像は、光の照射と同時に形成さ
れるのではなく、光照射後の熱処理による活性化によっ
て現れるからである。このように、セルフアライメント
方式で光学素子間を光結合するため、最初に光学素子を
固定する時の位置合わせのトレランスが大きく、高い精
度が要求されなくなり、結合が容易になる。また、形成
された屈折率分布によって光を集光するもので、光学素
子間の結合効率が良くなる。
【0033】以上のように形成された光学素子間のアラ
イメントに対する許容誤差は大きくなる。ところで、屈
折率像形成材料は、特定波長帯の光照射時に屈折率が極
めて僅かに増加することもある。 (第2実施例)図3は、円筒を使用して光ファイバ同士
を光結合する方法を説明する断面図である。
イメントに対する許容誤差は大きくなる。ところで、屈
折率像形成材料は、特定波長帯の光照射時に屈折率が極
めて僅かに増加することもある。 (第2実施例)図3は、円筒を使用して光ファイバ同士
を光結合する方法を説明する断面図である。
【0034】まず、図3(a) に示すように、中央の壁に
横孔51を有する直径145μmのガラス筒52を支持
基板53に取付けた後に、ガラス筒52内の両端からそ
の内部に第一及び第二の光ファイバ54,55を挿入し
た。第一及び第二の光ファイバ54,55のクラッドの
径は125μm、それらのコア54a,55aの径は1
0μmである。
横孔51を有する直径145μmのガラス筒52を支持
基板53に取付けた後に、ガラス筒52内の両端からそ
の内部に第一及び第二の光ファイバ54,55を挿入し
た。第一及び第二の光ファイバ54,55のクラッドの
径は125μm、それらのコア54a,55aの径は1
0μmである。
【0035】第一及び第二の光ファイバ54,55はガ
ラス筒52の横孔51に重ならないように配置するとと
もに、それらの端面の間隔を400μmとする。この状
態で第一及び第二の光ファイバ54,55を接着剤56
により支持基板53に固定した。この後に、図3(b) に
示すように、溶媒に溶かした屈折率像形成材料57をガ
ラス筒52の横孔51を通して第一の光ファイバ54と
第二の光ファイバ55の間隙に充填し、放置乾燥した。
その屈折率像形成材料57を構成する化合物とその重量
を表1に示す。なお、表1においてジクロロメタンとテ
トラヒドロフランは溶媒である。
ラス筒52の横孔51に重ならないように配置するとと
もに、それらの端面の間隔を400μmとする。この状
態で第一及び第二の光ファイバ54,55を接着剤56
により支持基板53に固定した。この後に、図3(b) に
示すように、溶媒に溶かした屈折率像形成材料57をガ
ラス筒52の横孔51を通して第一の光ファイバ54と
第二の光ファイバ55の間隙に充填し、放置乾燥した。
その屈折率像形成材料57を構成する化合物とその重量
を表1に示す。なお、表1においてジクロロメタンとテ
トラヒドロフランは溶媒である。
【0036】
【表1】
【0037】次に、図3(b) に示す状態で、第二の光フ
ァイバ55を光強度測定器(不図示)に接続し、さら
に、第一の光ファイバ54を通して波長1.3μm、光
強度200μWのレーザ光を屈折率像形成材料57に向
けて照射したところ、第二の光ファイバ55を通して光
強度測定器に入射した光の強度は50μWであった。こ
れらの光強度測定器による光強度の測定値は、約1分間
測定したときの上限値と下限値の平均である(以下の記
述でも同じ)。
ァイバ55を光強度測定器(不図示)に接続し、さら
に、第一の光ファイバ54を通して波長1.3μm、光
強度200μWのレーザ光を屈折率像形成材料57に向
けて照射したところ、第二の光ファイバ55を通して光
強度測定器に入射した光の強度は50μWであった。こ
れらの光強度測定器による光強度の測定値は、約1分間
測定したときの上限値と下限値の平均である(以下の記
述でも同じ)。
【0038】次に、光強度測定器を第二の光ファイバ5
5から取り外し、波長500nmの放射線を第二の光ファ
イバ55を通して屈折率像形成材料57に約1分間照射
した(図3(c))。続いて、図3(d) に示すように、屈折
率像形成材料57を80℃で30分間加熱し、光が照射
された領域に高屈折率像58を形成する。この後に、第
二の光ファイバ55に光強度測定器を接続し、波長1.
3μm、光強度200μWのレーザ光を第一の光ファイ
バ54を通して屈折率像形成材料57に向けて照射した
ところ、第二の光ファイバ124を通して光強度測定器
に入射した光の強度は100μWであった。
5から取り外し、波長500nmの放射線を第二の光ファ
イバ55を通して屈折率像形成材料57に約1分間照射
した(図3(c))。続いて、図3(d) に示すように、屈折
率像形成材料57を80℃で30分間加熱し、光が照射
された領域に高屈折率像58を形成する。この後に、第
二の光ファイバ55に光強度測定器を接続し、波長1.
3μm、光強度200μWのレーザ光を第一の光ファイ
バ54を通して屈折率像形成材料57に向けて照射した
ところ、第二の光ファイバ124を通して光強度測定器
に入射した光の強度は100μWであった。
【0039】以上のことから、化学増幅型の屈折率像形
成材料125に放射線照射と加熱とによって第一の光フ
ァイバ54から第二の光ファイバ55への光結合強度が
2倍に増加したことが確認された。また、その光結合効
率を算出したところ50%程度となった。この実施例に
おいても高屈折率像58は放射線照射だけでは形成され
ず、加熱処理を経て初めて現れた。その高屈折率像(分
布)58は放射線照射によって経時的に狭くならなかっ
た。 (第3実施例)本実施例では、導波路と光ファイバの光
結合について説明する。
成材料125に放射線照射と加熱とによって第一の光フ
ァイバ54から第二の光ファイバ55への光結合強度が
2倍に増加したことが確認された。また、その光結合効
率を算出したところ50%程度となった。この実施例に
おいても高屈折率像58は放射線照射だけでは形成され
ず、加熱処理を経て初めて現れた。その高屈折率像(分
布)58は放射線照射によって経時的に狭くならなかっ
た。 (第3実施例)本実施例では、導波路と光ファイバの光
結合について説明する。
【0040】図4(a) に示すように、ポリイミド製の支
持体61の上にはストライプ状の導波路62が形成さ
れ、またその支持体61のうち導波路62の端部の前方
には光ファイバを取り付けるためのU溝63がエキシマ
レーザアブレーションにより形成されている。U溝63
は、幅125μm、長さ10mm、深さ70μmの大きさ
に形成されている。
持体61の上にはストライプ状の導波路62が形成さ
れ、またその支持体61のうち導波路62の端部の前方
には光ファイバを取り付けるためのU溝63がエキシマ
レーザアブレーションにより形成されている。U溝63
は、幅125μm、長さ10mm、深さ70μmの大きさ
に形成されている。
【0041】導波路62と光ファイバ64を光結合する
ために、光ファイバ64を支持体61のU溝63に嵌め
込み、その状態で光ファイバ64を接着剤(不図示)に
より支持体61に固定する。この場合、光ファイバ64
の端部と導波路62の端部の間には400μmのギャッ
プが存在する。次に、図4(b) に示すように、溶媒に溶
かされた光増幅型の屈折率像形成材料65を光ファイバ
64の端部と導波路62の端部のギャップに充填した後
に、その屈折率像形成材料65を放置して溶媒を除去し
た。その屈折率像形成材料65は表2に示すような化合
物からなる。表2においてジクロロメタンとテトラヒド
ロフランは溶媒である。
ために、光ファイバ64を支持体61のU溝63に嵌め
込み、その状態で光ファイバ64を接着剤(不図示)に
より支持体61に固定する。この場合、光ファイバ64
の端部と導波路62の端部の間には400μmのギャッ
プが存在する。次に、図4(b) に示すように、溶媒に溶
かされた光増幅型の屈折率像形成材料65を光ファイバ
64の端部と導波路62の端部のギャップに充填した後
に、その屈折率像形成材料65を放置して溶媒を除去し
た。その屈折率像形成材料65は表2に示すような化合
物からなる。表2においてジクロロメタンとテトラヒド
ロフランは溶媒である。
【0042】
【表2】
【0043】次に、光ファイバ64を光強度測定器(不
図示)に接続し、さらに、波長1.3μm、光強度20
0μWのレーザ光を導波路62を通して屈折率像形成材
料65に向けて照射したところ、光ファイバ64のコア
64aを通過して光強度測定器により測定された光の強
度は40μWであった。この後に、光強度測定器を光フ
ァイバ64から取り外し、レーザフォーカシングホルダ
からの波長500nmの放射線を光ファイバ124を通し
て屈折率像形成材料65に約1分間照射した。続いて、
屈折率像形成材料65を80℃で30分間加熱したとこ
ろ、図4(c) に示すように、屈折率像形成材料65のう
ち放射線照射部分にコーン形の高屈折率像66が現れ
た。
図示)に接続し、さらに、波長1.3μm、光強度20
0μWのレーザ光を導波路62を通して屈折率像形成材
料65に向けて照射したところ、光ファイバ64のコア
64aを通過して光強度測定器により測定された光の強
度は40μWであった。この後に、光強度測定器を光フ
ァイバ64から取り外し、レーザフォーカシングホルダ
からの波長500nmの放射線を光ファイバ124を通し
て屈折率像形成材料65に約1分間照射した。続いて、
屈折率像形成材料65を80℃で30分間加熱したとこ
ろ、図4(c) に示すように、屈折率像形成材料65のう
ち放射線照射部分にコーン形の高屈折率像66が現れ
た。
【0044】次に、光ファイバ64に光強度測定器を接
続し、さらに、波長1.3μm、光強度200μWのレ
ーザ光を導波路62、高屈折率像66及び光ファイバ6
4を通して光強度測定器に入射した光の強度は80μW
であった。以上のことから、化学増幅型の屈折率像形成
材料65に放射線照射を照射し、その後に加熱すること
によって導波路62から光ファイバ64への光結合強度
が2倍に増加したことが確認された。また、その光結合
効率は40%程度と算出される。
続し、さらに、波長1.3μm、光強度200μWのレ
ーザ光を導波路62、高屈折率像66及び光ファイバ6
4を通して光強度測定器に入射した光の強度は80μW
であった。以上のことから、化学増幅型の屈折率像形成
材料65に放射線照射を照射し、その後に加熱すること
によって導波路62から光ファイバ64への光結合強度
が2倍に増加したことが確認された。また、その光結合
効率は40%程度と算出される。
【0045】この実施例においても高屈折率像66は放
射線照射だけでは形成されず、加熱処理を経て初めて現
れた。その高屈折率像(分布)66は放射線照射によっ
て経時的に狭くならなかった。 (第4実施例)この実施例では、図5(a),(b) に基づい
て光ファイバと半導体レーザの光結合について説明す
る。
射線照射だけでは形成されず、加熱処理を経て初めて現
れた。その高屈折率像(分布)66は放射線照射によっ
て経時的に狭くならなかった。 (第4実施例)この実施例では、図5(a),(b) に基づい
て光ファイバと半導体レーザの光結合について説明す
る。
【0046】光ファイバと半導体レーザを光結合する場
合には、図5(a) に示すように、支持基板67の上に光
ファイバ68と半導体レーザ69を載せ、その間に屈折
率像形成材料70を供給する。その後に、光ファイバ6
8から高屈折率像形成用の光を屈折率像形成材料70に
照射して潜像を形成し、ついで加熱処理によって光照射
領域を活性化してコーン形の高屈折率像71を形成す
る。これにより、半導体レーザ69の端面から出た光
は、高屈折率像71により収光されて光ファイバ68の
コアに入射することになる。
合には、図5(a) に示すように、支持基板67の上に光
ファイバ68と半導体レーザ69を載せ、その間に屈折
率像形成材料70を供給する。その後に、光ファイバ6
8から高屈折率像形成用の光を屈折率像形成材料70に
照射して潜像を形成し、ついで加熱処理によって光照射
領域を活性化してコーン形の高屈折率像71を形成す
る。これにより、半導体レーザ69の端面から出た光
は、高屈折率像71により収光されて光ファイバ68の
コアに入射することになる。
【0047】次に、半導体レーザ69と光ファイバ68
とを空間を介して光結合する場合について図5(b) に基
づいて説明する。最初に光ファイバ68を支持基板72
に載せその先端に屈折率像形成材料74を供給した後
に、その光ファイバ68を通して屈折率像形成材料74
に高屈折率像形成用の光を照射し、ついで加熱処理によ
ってコーン形の高屈折率像75を形成する。そして、そ
の高屈折率像75に向けて半導体レーザ69から光を出
力すると、その光は高屈折率像75により集束されて光
ファイバ68に入射することになる。
とを空間を介して光結合する場合について図5(b) に基
づいて説明する。最初に光ファイバ68を支持基板72
に載せその先端に屈折率像形成材料74を供給した後
に、その光ファイバ68を通して屈折率像形成材料74
に高屈折率像形成用の光を照射し、ついで加熱処理によ
ってコーン形の高屈折率像75を形成する。そして、そ
の高屈折率像75に向けて半導体レーザ69から光を出
力すると、その光は高屈折率像75により集束されて光
ファイバ68に入射することになる。
【0048】この場合、半導体レーザ69は、光ファイ
バのコアよりも広い高屈折率像75に光が当たるように
取り付ければよく、位置合わせ余裕が高くなる。 (第5実施例)次に、屈折率像形成材料について説明す
る。本発明の屈折率像形成材料として、光照射後に活性
化処理することにより初めて実効的な屈折率分布が形成
される材料を選択する。
バのコアよりも広い高屈折率像75に光が当たるように
取り付ければよく、位置合わせ余裕が高くなる。 (第5実施例)次に、屈折率像形成材料について説明す
る。本発明の屈折率像形成材料として、光照射後に活性
化処理することにより初めて実効的な屈折率分布が形成
される材料を選択する。
【0049】例えば、化学増幅効果を有する触媒型官能
物質を用いる。化学増幅効果は、光照射により触媒効果
のある物質から活性物質を生成させ、これに続いて加熱
処理によりこの活性物質と官能物質を反応させて屈折率
分布を高くするものである。触媒効果のある物質は、使
用する官能物質に応じて選択する。官能物質としては、
エポキシ基を有する化合物のようなカチオン重合性の官
能基を有する化合物がある。例えば、エポキシ基を有す
る化合物として、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-
3,4- エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ERL-4
299(UCC製) 、ERL-4092(UCC製) 、2021P(ダイセル化学
製)、EHPE-3150(ダイセル・ユーシービー株式会社
製)、エポライト4000、エポライト100MF 、エポライト
80MF、エポライト1600、エポライト1500NP、エポライト
400P、エポライト400E、エポライト M-1230(共栄社油脂
化学工業株式会社) 、ポリ(グリシジルメタクリレー
ト)、ポリ(エピチオプロピルメタクリレート)、およ
びこれらのうちいずれかの化合物の混合物または共重合
物が使用できる。また、カチオン重合性の官能基を有す
る化合物として、その他に、ノボラック樹脂、ブトキシ
カルボニル基を有する化合物、マレイミド−スチレン共
重合体、p−ビニルフェノールとpビニルベンジルアセ
テートの共重合ポリマ、ポリ(p−トリメチルシロキシ
スチレン)、ポリ(4,5-ビス(トリメチルシリル)フタ
ルアルデヒド)などがある。
物質を用いる。化学増幅効果は、光照射により触媒効果
のある物質から活性物質を生成させ、これに続いて加熱
処理によりこの活性物質と官能物質を反応させて屈折率
分布を高くするものである。触媒効果のある物質は、使
用する官能物質に応じて選択する。官能物質としては、
エポキシ基を有する化合物のようなカチオン重合性の官
能基を有する化合物がある。例えば、エポキシ基を有す
る化合物として、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-
3,4- エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ERL-4
299(UCC製) 、ERL-4092(UCC製) 、2021P(ダイセル化学
製)、EHPE-3150(ダイセル・ユーシービー株式会社
製)、エポライト4000、エポライト100MF 、エポライト
80MF、エポライト1600、エポライト1500NP、エポライト
400P、エポライト400E、エポライト M-1230(共栄社油脂
化学工業株式会社) 、ポリ(グリシジルメタクリレー
ト)、ポリ(エピチオプロピルメタクリレート)、およ
びこれらのうちいずれかの化合物の混合物または共重合
物が使用できる。また、カチオン重合性の官能基を有す
る化合物として、その他に、ノボラック樹脂、ブトキシ
カルボニル基を有する化合物、マレイミド−スチレン共
重合体、p−ビニルフェノールとpビニルベンジルアセ
テートの共重合ポリマ、ポリ(p−トリメチルシロキシ
スチレン)、ポリ(4,5-ビス(トリメチルシリル)フタ
ルアルデヒド)などがある。
【0050】一方、触媒効果のある物質としては、光に
より効率よく酸を生成するものがよく、ジアゾニウム
塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリ−ルセレノニ
ウム塩、シラノール/アルミニウム錯体、スルホン酸エ
ステル、イミドスルホネート類、ベンゾイントシレー
ト、o−ニトロベンジルトシレート及び鉄−アレーン錯
体などがある。
より効率よく酸を生成するものがよく、ジアゾニウム
塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリ−ルセレノニ
ウム塩、シラノール/アルミニウム錯体、スルホン酸エ
ステル、イミドスルホネート類、ベンゾイントシレー
ト、o−ニトロベンジルトシレート及び鉄−アレーン錯
体などがある。
【0051】さらに、必要に応じて他の反応性モノマや
バインダポリマ、光重合開始剤などを添加してもよい。
光重合開始剤としては、2,4,6-トリメチルベンゾイルジ
フェニルホスフィンオキサイド、ベンジル、ベンゾイン
イソプロピルエテール、BTTB(3,3',4,4'-テトラ
(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、過
酸化ベンゾイル、ジ(t- ブチルパーオキシ)イソフタレ
ート等の有機過酸化物、ベンゾイミダゾール、2-(o- ク
ロロフェニル)4, 5-ジフェニルイミダゾール2量体のよ
うなイミダゾール類や、2-メルカプトベンゾチアゾー
ル、P-ジエチルアミノベンゾフェノン、1H-1,2,4- トリ
アゾール-3- チオール、4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾー
ル-3-チオールのような化合物から選ばれて組み合わさ
れた混合物があり、また、ピレン−シクロペンタジエニ
ル−鉄−ヘキサフルオロアンチモン酸塩等の鉄−アレー
ン錯体などがある。
バインダポリマ、光重合開始剤などを添加してもよい。
光重合開始剤としては、2,4,6-トリメチルベンゾイルジ
フェニルホスフィンオキサイド、ベンジル、ベンゾイン
イソプロピルエテール、BTTB(3,3',4,4'-テトラ
(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、過
酸化ベンゾイル、ジ(t- ブチルパーオキシ)イソフタレ
ート等の有機過酸化物、ベンゾイミダゾール、2-(o- ク
ロロフェニル)4, 5-ジフェニルイミダゾール2量体のよ
うなイミダゾール類や、2-メルカプトベンゾチアゾー
ル、P-ジエチルアミノベンゾフェノン、1H-1,2,4- トリ
アゾール-3- チオール、4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾー
ル-3-チオールのような化合物から選ばれて組み合わさ
れた混合物があり、また、ピレン−シクロペンタジエニ
ル−鉄−ヘキサフルオロアンチモン酸塩等の鉄−アレー
ン錯体などがある。
【0052】これらの材料は、必要に応じ溶媒中に溶解
して溶液として調整される。溶媒としては、テトラヒド
ロフラン、テトラヒドロピラン、アセトン、メタノー
ル、ジアセトンアルコール、ジクロロメタン、ジクロロ
エタン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジオキサン、トルエ
ン、などから使用する材料を溶解する溶媒が選ばれる。
このような触媒効果のある物質、官能物質からなる屈折
率像形成材料は、光照射後に40〜150℃の温度で加
熱して活性化処理することになる。
して溶液として調整される。溶媒としては、テトラヒド
ロフラン、テトラヒドロピラン、アセトン、メタノー
ル、ジアセトンアルコール、ジクロロメタン、ジクロロ
エタン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジオキサン、トルエ
ン、などから使用する材料を溶解する溶媒が選ばれる。
このような触媒効果のある物質、官能物質からなる屈折
率像形成材料は、光照射後に40〜150℃の温度で加
熱して活性化処理することになる。
【0053】なお、この実施例で示した屈折率像形成材
料は、屈折率分布型ホログラムのような屈折率分布を有
する素子を作製する場合に使用してもよい。 (その他の実施例)上記した実施例では、光ファイバ同
士の光結合、光ファイバと導波路の光結合および光ファ
イバと半導体レーザの光結合について説明したが、光フ
ァイバ、導波路、レンズ、回折格子、受光素子、発光素
子等の光学素子のいずれかを選択して光結合する全ての
場合に、上記した方法によれば初期の光軸ズレや角度ズ
レに対して許容幅は大きくなる。
料は、屈折率分布型ホログラムのような屈折率分布を有
する素子を作製する場合に使用してもよい。 (その他の実施例)上記した実施例では、光ファイバ同
士の光結合、光ファイバと導波路の光結合および光ファ
イバと半導体レーザの光結合について説明したが、光フ
ァイバ、導波路、レンズ、回折格子、受光素子、発光素
子等の光学素子のいずれかを選択して光結合する全ての
場合に、上記した方法によれば初期の光軸ズレや角度ズ
レに対して許容幅は大きくなる。
【0054】上記した光学素子を支持する支持体の材料
としては、シリコン、石英、ガラス、ニオブ酸リチウム
等を用いてもよいが、加工性や屈折率像形成材料との屈
折率の整合性を考慮して、ポリイミド、ポリカーボネー
ト、アクリル系樹脂、感光性樹脂などの高分子材料を用
いるのが好ましい。また、支持体に形成する溝の形成方
法としては、生産性を考慮してエキシマレーザなどを用
いるレーザアブレーション加工、或いは酸素プラズマな
どの反応性イオンエッチングを用いてもよい。また、支
持体の材料として感光性樹脂を使用して、フォトリソグ
ラフィーにより溝を形成してもよい。なお、支持体に
は、屈折率像形成材料を充填するための溝を形成しても
よい。
としては、シリコン、石英、ガラス、ニオブ酸リチウム
等を用いてもよいが、加工性や屈折率像形成材料との屈
折率の整合性を考慮して、ポリイミド、ポリカーボネー
ト、アクリル系樹脂、感光性樹脂などの高分子材料を用
いるのが好ましい。また、支持体に形成する溝の形成方
法としては、生産性を考慮してエキシマレーザなどを用
いるレーザアブレーション加工、或いは酸素プラズマな
どの反応性イオンエッチングを用いてもよい。また、支
持体の材料として感光性樹脂を使用して、フォトリソグ
ラフィーにより溝を形成してもよい。なお、支持体に
は、屈折率像形成材料を充填するための溝を形成しても
よい。
【0055】屈折率像形成材料の屈折率分布は、屈折率
像形成材料に光を照射し、続いて加熱することにより形
成される。作製する屈折率分布に応じて一光束露光、多
光束露光、干渉露光などの光照射方法を用いる。屈折率
分布を形成するための光源とは、材料に添加した光重合
開始剤や増感剤の感光波長域に対応して紫外光、可視
光、赤外光から選択して使用する。干渉露光する場合に
は、可干渉性の光源を用いる。
像形成材料に光を照射し、続いて加熱することにより形
成される。作製する屈折率分布に応じて一光束露光、多
光束露光、干渉露光などの光照射方法を用いる。屈折率
分布を形成するための光源とは、材料に添加した光重合
開始剤や増感剤の感光波長域に対応して紫外光、可視
光、赤外光から選択して使用する。干渉露光する場合に
は、可干渉性の光源を用いる。
【0056】なお、上記した各実施例における屈折率像
形成材料は溶媒に溶解された後に、この溶液を、注入
法、点滴法、スピンコート法、その他の方法によって光
学素子などに供給される。
形成材料は溶媒に溶解された後に、この溶液を、注入
法、点滴法、スピンコート法、その他の方法によって光
学素子などに供給される。
【0057】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、特定
波長帯の光照射時には屈折率分布の変化なく、この光の
照射後の活性化処理により光照射領域に高屈折率像が生
じる屈折率像形成材料を使用して複数の光学素子の間を
光結合している。この屈折率像形成材料としては化学増
幅作用のある材料があり、例えばカチオン重合性の官能
基を有する化合物と光触媒効果を有する物質からなる。
波長帯の光照射時には屈折率分布の変化なく、この光の
照射後の活性化処理により光照射領域に高屈折率像が生
じる屈折率像形成材料を使用して複数の光学素子の間を
光結合している。この屈折率像形成材料としては化学増
幅作用のある材料があり、例えばカチオン重合性の官能
基を有する化合物と光触媒効果を有する物質からなる。
【0058】または、特定波長帯の光照射時には屈折率
分布が増加し、該光照射後の活性化処理により該屈折率
分布の屈折率変化量がさらに増加する屈折率像形成材料
を使用して複数の光学素子の間を光結合している。この
ため、これらの屈折率像形成材料において、光を照射す
る時点では実効的な高屈折率像は形成されないので、光
照射時間を長くしても高屈折率像を広くしたり狭くする
ことを防止できる。
分布が増加し、該光照射後の活性化処理により該屈折率
分布の屈折率変化量がさらに増加する屈折率像形成材料
を使用して複数の光学素子の間を光結合している。この
ため、これらの屈折率像形成材料において、光を照射す
る時点では実効的な高屈折率像は形成されないので、光
照射時間を長くしても高屈折率像を広くしたり狭くする
ことを防止できる。
【0059】また、屈折率像形成材料を充填する領域に
溝を形成することにより、屈折率像形成材料が流れて広
がることを抑制できる。
溝を形成することにより、屈折率像形成材料が流れて広
がることを抑制できる。
【図1】図1(a) は、本発明の第1実施例に用いる光フ
ァイバの取付け状態を示す斜視図、図1(b) 〜図1(e)
は、本発明の第1実施例の光結合方法を示す断面図であ
る。
ァイバの取付け状態を示す斜視図、図1(b) 〜図1(e)
は、本発明の第1実施例の光結合方法を示す断面図であ
る。
【図2】図2は、本発明の第1実施例により結合された
光バイファ間の屈折率分布図である。
光バイファ間の屈折率分布図である。
【図3】図3(a) 〜図3(d) は、本発明の第2実施例の
光学素子間の光結合方法を示す断面図である。
光学素子間の光結合方法を示す断面図である。
【図4】図4(a) 〜図4(c) は、本発明の第3実施例の
光学素子間の光結合方法を示す斜視図である。
光学素子間の光結合方法を示す斜視図である。
【図5】図5(a) 、図5(c) は、本発明の第4実施例の
光学素子間の光結合方法を示す断面図である。
光学素子間の光結合方法を示す断面図である。
【図6】図6(a) 、図6(b) は、従来の光学素子間の光
結合方法を示す断面図である。
結合方法を示す断面図である。
【図7】図7は、従来方法により光バイファ同士を光結
合する場合の初期状態を示す屈折率分布図である。
合する場合の初期状態を示す屈折率分布図である。
【図8】図8は、従来方法により光バイファ同士を光結
合を終えた状態を示す屈折率分布図である。
合を終えた状態を示す屈折率分布図である。
41 支持基板 42 V溝 43、44 光ファイバ 45 屈折率像形成材料 46 高屈折率像 51 横孔 52 円筒 53 支持基板 54、55 光ファイバ 57 屈折率像形成材料 58 高屈折率像 61 支持体 62 導波路 63 溝 64 光ファイバ 65 屈折率像形成材料 66 高屈折率像 68 光ファイバ 69 半導体レーザ 70 屈折率像形成材料 71 高屈折率像
【手続補正書】
【提出日】平成7年6月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a) は、本発明の第1実施例に用いる光フ
ァイバの取付け状態を示す斜視図、図1(b) 〜図1(e)
は、本発明の第1実施例の光結合方法を示す断面図であ
る。
ァイバの取付け状態を示す斜視図、図1(b) 〜図1(e)
は、本発明の第1実施例の光結合方法を示す断面図であ
る。
【図2】図2は、本発明の第1実施例により結合された
光バイファ間の屈折率分布図である。
光バイファ間の屈折率分布図である。
【図3】図3(a) 〜図3(d) は、本発明の第2実施例の
光学素子間の光結合方法を示す断面図である。
光学素子間の光結合方法を示す断面図である。
【図4】図4(a) 〜図4(c) は、本発明の第3実施例の
光学素子間の光結合方法を示す斜視図である。
光学素子間の光結合方法を示す斜視図である。
【図5】図5(a) 、図5(b) は、本発明の第4実施例の
光学素子間の光結合方法を示す断面図である。
光学素子間の光結合方法を示す断面図である。
【図6】図6(a) 、図6(b) は、従来の光学素子間の光
結合方法を示す断面図である。
結合方法を示す断面図である。
【図7】図7は、従来方法により光バイファ同士を光結
合する場合の初期状態を示す屈折率分布図である。
合する場合の初期状態を示す屈折率分布図である。
【図8】図8は、従来方法により光バイファ同士を光結
合を終えた状態を示す屈折率分布図である。
合を終えた状態を示す屈折率分布図である。
【符号の説明】 41 支持基板 42 V溝 43、44 光ファイバ 45 屈折率像形成材料 46 高屈折率像 51 横孔 52 円筒 53 支持基板 54、55 光ファイバ 57 屈折率像形成材料 58 高屈折率像 61 支持体 62 導波路 63 溝 64 光ファイバ 65 屈折率像形成材料 66 高屈折率像 68 光ファイバ 69 半導体レーザ 70 屈折率像形成材料 71 高屈折率像
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石塚 剛 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 本吉 勝貞 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内
Claims (8)
- 【請求項1】2つの光学素子のそれぞれの端面を間隔を
おいて固定する工程と、 特定波長帯の光照射時には屈折率分布の変化なく、該光
照射後の活性化処理により光照射領域に高屈折率分布が
生じる屈折率像形成材料を2つの前記光学素子の前記端
面の間に充填する工程と、 2つの前記光学素子の少なくとも一方の前記端面から前
記屈折率像形成材料に特定波長帯の光を照射する工程
と、 前記活性化処理を施して前記屈折率像形成材料に前記活
性処理を施し集光性のレンズ効果を有する屈折率分布を
形成する工程とを有する光学素子結合方法。 - 【請求項2】前記屈折率像形成材料は、特定波長帯の光
照射により第1の物質が生じ、加熱による活性化処理に
より該第1の物質が触媒として作用して該特定波長帯の
光が照射された領域の屈折率を変化させる化学増幅効果
を有する材料から構成されていることを特徴とする請求
項1記載の光学素子結合方法。 - 【請求項3】2つの光学素子のそれぞれの端面を間隔を
おいて固定する工程と、 特定波長帯の光照射時には屈折率分布が増加し、該光照
射後の活性化処理により該屈折率分布の屈折率変化量が
増す屈折率像形成材料を2つの前記光学素子の前記端面
の間に充填する工程と、 2つの前記光学素子の少なくとも一方の前記端面から前
記屈折率像形成材料に特定波長帯の光を照射する工程
と、 光照射された前記屈折率像形成材料に前記活性処理を施
し集光性のレンズ効果を有する屈折率分布を形成する工
程とを有する光学素子結合方法。 - 【請求項4】前記活性化処理は熱処理によって行うこと
を特徴とする請求項1又は3記載の光学素子結合方法。 - 【請求項5】前記屈折率像形成材料は支持体に形成され
た溝に充填されることを特徴とする請求項1又は3記載
の光学素子結合方法。 - 【請求項6】前記光学素子は、光ファイバ、導波路、レ
ンズ、回折格子、受光素子、発光素子であることを特徴
とする請求項1又は3記載の光学素子結合方法。 - 【請求項7】上記特定波長帯の光を受光側となる光学素
子の端面から照射することを特徴とする請求項1,3記
載の方法。 - 【請求項8】カチオン重合性の官能基を有する化合物と
光触媒効果を有する物質を有し、光を照射した後に、加
熱することにより光照射領域の屈折率が増加する材料か
らなることを特徴とする屈折率像形成材料。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4760495A JPH08248257A (ja) | 1995-03-07 | 1995-03-07 | 光学素子結合方法及び屈折率像形成材料 |
US08/554,499 US6017681A (en) | 1992-11-09 | 1995-11-07 | Method of coupling optical parts and method of forming a mirror |
US08/831,973 US5902715A (en) | 1992-11-09 | 1997-04-02 | Method of forming a mirror in a waveguide |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4760495A JPH08248257A (ja) | 1995-03-07 | 1995-03-07 | 光学素子結合方法及び屈折率像形成材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08248257A true JPH08248257A (ja) | 1996-09-27 |
Family
ID=12779850
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4760495A Withdrawn JPH08248257A (ja) | 1992-11-09 | 1995-03-07 | 光学素子結合方法及び屈折率像形成材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08248257A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005024813A (ja) * | 2003-07-01 | 2005-01-27 | Ricoh Co Ltd | 複合光学装置およびその製造方法 |
JP2011129721A (ja) * | 2009-12-17 | 2011-06-30 | Toshiba Corp | 光学像強度算出方法、パターン生成方法、半導体装置の製造方法および光学像強度分布算出プログラム |
-
1995
- 1995-03-07 JP JP4760495A patent/JPH08248257A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005024813A (ja) * | 2003-07-01 | 2005-01-27 | Ricoh Co Ltd | 複合光学装置およびその製造方法 |
JP2011129721A (ja) * | 2009-12-17 | 2011-06-30 | Toshiba Corp | 光学像強度算出方法、パターン生成方法、半導体装置の製造方法および光学像強度分布算出プログラム |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020507 |