JPH08247139A - 回転多面鏡走査装置及びその製造方法 - Google Patents

回転多面鏡走査装置及びその製造方法

Info

Publication number
JPH08247139A
JPH08247139A JP5256795A JP5256795A JPH08247139A JP H08247139 A JPH08247139 A JP H08247139A JP 5256795 A JP5256795 A JP 5256795A JP 5256795 A JP5256795 A JP 5256795A JP H08247139 A JPH08247139 A JP H08247139A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sleeve
polygon mirror
bearing
fixed shaft
scanning device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5256795A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3677805B2 (ja
Inventor
Takuji Murakami
卓二 村上
Shoji Oba
荘司 大庭
Hiroshi Yasumoto
博 安本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP5256795A priority Critical patent/JP3677805B2/ja
Publication of JPH08247139A publication Critical patent/JPH08247139A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3677805B2 publication Critical patent/JP3677805B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mechanical Optical Scanning Systems (AREA)
  • Sliding-Contact Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 流体軸受を使用して、小型・薄型で高速使用
にも適した高信頼性の回転多面鏡走査装置を安価に提供
する。 【構成】 固定軸3を回転中心として、ポリゴンミラー
7を一体的に組み付けたスリーブ4が回転する構成の回
転多面鏡走査装置であって、(1)ロータ部の回転重心
の位置が、固定軸3の外周面とスリーブの内周面との対
向面に設けた一対の動圧ラジアル軸受5・6のほぼ中央
に位置し、(2)かつ、軸受長さが、軸受6>軸受5で
ある回転多面鏡走査装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ光を回転多面鏡
によって走査線に変換する回転多面鏡走査装置に関し、
例えばレーザビームプリンタ等の画像形成装置に使用さ
れる回転多面鏡走査装置である。本発明の利用分野はそ
の他、イメージスキャナ・形状測定器等多くの分野に利
用できるものである。
【0002】
【従来の技術】近年、レーザ光を回転多面鏡によって走
査線に変換する回転多面鏡走査装置の利用分野が拡がる
につれ、性能面での要求も高度になっている。とくに、
レーザビームプリンタのような画像形成装置に使用され
る回転多面鏡走査装置は、画像形成装置本体の小型化・
高解像度化・低価格化が著しく、このために回転多面走
査装置に対しても小型化・高速化・低騒音化・低価格化
が強く要求されている。
【0003】これらの要求を達成する一つの有力な方法
は、特公平4−25522号公報、特開平3−1079
13号公報等に開示されている動圧軸受の利用である。
動圧軸受は軸部材と軸受部材とが流体を介して非接触で
回転するため、高精度な回転が可能である。このため
に、低騒音で高速回転が可能である。しかも、従来使用
されていた玉軸受よりも軸受部が小型で、低価格であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】回転多面鏡走査装
置の軸受部は、図9(a)・(b)に示す二種類の構成
が可能である。図9(a)は基板100に軸102が固
定されている軸固定方式である。この回転多面鏡走査装
置は、固定軸102を中心として軸受105・106を
介して回転自在能に設けたスリーブ103と、スリーブ
103に一体的に設けた回転多面鏡104とより構成さ
れており、スリーブ103が固定軸102を中心として
回転する。一方、図9(b)は基板100に軸受105
・106を内包するスリーブ103が、固定されている
スリーブ固定方式である。回転多面鏡104と一体的に
設けた回転多面鏡支持台107が回転軸102に固定さ
れており、スリーブ103の内壁に設けた軸受105・
106を介して回転軸102が回転する。
【0005】何れの構成の場合にも、軸受は上軸受10
5と下軸受106との対の軸受が使用される。軸固定方
式の場合、ロータ部の回転重心Xと、軸受105と10
6との中心位置Yをほぼ一致させることが可能である。
したがって、ロータ部に回転アンバランスが生じたとし
ても、上軸受105と下軸受106には均等な負荷がか
かるので軸受部の剛性は大きい。これに対して、スリー
ブ固定の場合のロータ部の重心Xと軸受105と106
の中心位置Yは、位置が異なる。したがって、ロータ部
に回転アンバランスが生じると、上軸受105と下軸受
106にはロータ部の首振り運動を支えるような負荷が
課せられるので、スリーブ固定の場合には軸固定の場合
より軸剛性を大きくする必要がある。このため、軸受長
さを長くする、軸受105と106との距離を大きくす
る等の軸受剛性を大きくするための処置が必要となり、
スリーブ固定方式は小型化には不利であるといえる。
【0006】以上の比較は軸受部が、従来一般的に使用
されている玉軸受の場合にも、本発明の動圧流体軸受の
場合にも共通している。従来の玉軸受は軸受自体が比較
的大きく、また軸受の剛性も十分に大きかったので、ス
リーブ固定型での使用が多くなされていた。このため、
玉軸受を使用した従来の回転多面鏡装置は大型であっ
た。
【0007】これに対して本発明で使用する動圧流体軸
受は、軸部材と軸受部材とのμm単位の微小な間隙に潤
滑油を保持させて回転するために小型等の優れた特徴を
有するが、反面軸剛性が玉軸受よりは劣る短所を有して
いる。したがって、動圧流体軸受を用いた回転多面鏡走
査装置には、軸受の剛性の点で軸固定方式が適してお
り、動圧流体軸受の採用によって大幅な小型化が期待で
きることがわかる。
【0008】そこで、図10に示す動圧流体軸受を用い
た軸固定方式の小型・薄型の回転多面鏡走査装置を試作
した。図10によって、試作した回転多面鏡走査装置の
全体構成を説明する。
【0009】図10は試作回転多面鏡走査装置の断面図
であり、1は鉄板よりなる基板、3はステンレス製の固
定軸、2はアルミニウム製のフランジである。固定軸3
はフランジ2に圧入されており、フランジ2が基板1に
かしめられている。4は軸受材料である銅鉛合金製のス
リーブである。スリーブ4の内面にはグルーブが刻設さ
れており、固定軸3の外周面と対向して軸受部5・6を
形成している。スリーブ4の下部は開放されていて、開
放口より固定軸3を挿入する。スリーブ4の上部は、ス
ラスト板8とスラスト板押さえ板9によって閉鎖されて
いる。固定軸3の自由端10は球面で、スラスト板8に
当接してスラスト軸受部11を形成している。
【0010】スリーブ4の上面には、ポリゴンミラー7
の保持台12が設けられおり、ポリゴンミラー7はばね
13によって保持台12に押圧・保持されている。
【0011】ポリゴンミラー7を回転させる駆動力は、
スリーブ4の下面に取りつけたロータマグネット82と
基板1側に固定したステータコイル83との間に生じる
磁気力である。ロータマグネット82は、スリーブ4に
固定されたヨーク板81に接着されている。鉄板よりな
る基板1は、ステータコイル83のヨーク板としても機
能する。ステータコイル83の中央部に設けられたホー
ル素子84(図には示していない)が、ロータマグネッ
ト82内の着磁した交番磁極の位置を検知する。検知信
号に対応して、回路基板85のドライバー回路86がス
テータコイル83の電流の位相を制御する。これによっ
てロータマグネット82とステータコイル83との間の
磁気力が制御され、スリーブ4・ポリゴンミラー7・ヨ
ーク板81・ロータマグネット82よりなるロータ部が
回転する。
【0012】試作した軸受はアンバランス重量が生じた
ときに軸受5と軸受6には同負荷がかかるように、それ
ぞれの軸受の長さを設定したものである。この回転多面
鏡走査装置は小型・薄型にも拘らず3、000〜20、
000rpmの回転が可能であり、静音性・回転安定性
に優れていたが、軸受の信頼性に問題があることがわか
った。
【0013】試作回転多面鏡走査装置を5,000rp
mで、常温で回転させる場合には、連続1,000時間
回転させても異常は認められなかったが、60℃で運転
した場合には、〜100時間でモータ電流値(負荷トル
ク)が増加し始め、200〜300時間後には、軸受5
・6がロックしてしまうことがわかった。上記現象は高
回転で回転させるほど顕著であった。
【0014】ロックした軸受部を詳細に分析したとこ
ろ、はじめに軸受6が潤滑油不足となり軸と軸受金属が
こすれ温度上昇する。温度上昇によって軸受隙間の潤滑
剤の劣化が加速され、潤滑油が急速に高分子化(樹脂
化)し、樹脂化物が軸受全体に目ずまりしロックに至
る。つぎに軸受5が軸受6の温度上昇の影響を受けて、
軸受6よりやや遅れて潤滑油の高分子化が進行しロック
に至る。スラスト軸受11は、スラスト板8がやや磨耗
している程度であり寿命の問題がないことがわかった。
【0015】上記解析結果は、試作回転多面鏡走査装置
の軸受構造からも十分理解できることである。すなわ
ち、図9(a)と図9(b)との比較から明らかな通
り、スリーブ固定方式の軸受部の下部は密閉構造が可能
であるのに対し、軸固定方式では下軸受106の下部は
開放されているため、重力的に潤滑油が下軸受より滲み
出しやすい。
【0016】また、潤滑油はスリーブの回転による遠心
力によっても軸受外に逃げようとしている。図11
(a)は軸固定/スリーブ回転、図11(b)は軸回転
/スリーブ固定の構成のラジアル軸受部の拡大断面図で
ある。図11(a)で、軸受6の下部には固定軸2と回
転スリーブ4との空間で形成される潤滑油溜め51が、
51の下部はやや狭くなった開放端隙間52が設けられ
ている。潤滑油溜め51内の潤滑油は開放隙間52が
0.1mm以下と狭いので、毛細管現象により潤滑油溜
め51内に留まっている。スリーブ4が回転すると開放
隙間の先端の潤滑油は、遠心力を受けてスリーブ4の下
面53に滲み出る。面53に滲み出た潤滑油は、滲み出
ることによってより大きな遠心力を受けさらに下面53
を伝わって漏れ出る。上記現象が連続的にくり返され
て、潤滑油溜め51内の潤滑油がスリーブ下面53に流
出する。通常潤滑油の流出を防止するために、撥油剤5
4を開放隙間52の周辺に塗布するが、図11(a)に
示すように撥油剤53によって流出潤滑油は一旦はせき
とめられ潤滑油たまり58を形成するが、結局は遠心力
で振り飛ばされて撥油剤54を乗り越えて流出してしま
う。
【0017】これに対して、図11(b)に示す軸回転
/スリーブ固定構成では、回転軸56の遠心力によって
固定スリーブ57上面55まで滲み出た潤滑油には、も
はや遠心力は作用していない。したがって、撥油剤54
を塗布しておけば潤滑油たまり58を形成し、これ以上
の潤滑油流出は起こらない。上記理由によって軸固定型
の回転多面鏡走査装置の場合には、スリーブ4の開放端
隙間52からの潤滑油の流出のために下軸6の寿命が短
くなるものと考えられる。回転多面鏡走査装置が高速回
転するほど遠心力による潤滑油の流出が加速されるので
下軸受6の寿命は加速度的に短くなる。
【0018】また、軸受け部外に流出した潤滑油は、回
転多面鏡装置内部や、回転多面鏡面を汚染し二次障害を
引き起こす副作用がある。図10でスリーブ4の下部よ
り流出した潤滑油は、遠心力によって振り飛ばされて回
路基板85に飛散する。また、スラスト軸受部11に隙
間が存在すると、同じように遠心力を受けて潤滑油が流
出する。スラスト軸受部11より流出した潤滑油は、ポ
リゴンミラー7の上面を伝わりポリゴンミラーの反射面
を汚したり、さらにはレンズ・ミラー等の光学部品をも
汚染する。
【0019】本発明は上記問題を解決するもので、高信
頼性で、高精度・高速・低騒音・小型・偏平・軽量・低
価格の回転多面鏡装置を提供することを目的とするもの
である。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、本発明の第1の発明は、一端が基板に固定され他の
一端が自由端である固定軸と、一端がスラスト板によっ
て閉鎖され他の一端が開放され前記固定軸に回転自在に
嵌合するスリーブと、前記固定軸の外周面と前記スリー
ブ内周面との対向面のいずれかの一方に設けた一対の動
圧ラジアル軸受部と、前記固定軸の自由端頂点と前記ス
リーブのスラスト板とで形成されるスラスト軸受部と、
前記スリーブと一体的に設けられた回転多面鏡とヨーク
板とロータマグネットとよりなるロータ部とを有する回
転多面鏡走査装置であって、前記ロータ部の回転重心位
置が、前記一対の動圧軸受部のほぼ中央に位置し、かつ
前記スリーブの開放口端側に設けたラジアル動圧軸受部
の軸受の長さが、前記スリーブの閉鎖端側に設けた動圧
ラジアル軸受部の軸受の長さより長くした回転多面鏡走
査装置である。
【0021】また、本発明の第2の発明は、一端が基板
に固定され他の一端が自由端である固定軸と、一端がス
ラスト板によって閉鎖され他の一端が開放され前記固定
軸に回転自在に嵌遊するスリーブと、前記固定軸の外周
面と前記スリーブ内周面との対向面のいずれかの一方に
設けた一対の動圧ラジアル軸受部と、前記固定軸の自由
端頂点と前記スリーブのスラスト板とで形成され軸受外
部に通じる隙間を有するスラスト軸受部と、前記スリー
ブと一体的に設けられた回転多面鏡とヨーク板とロータ
マグネットとよりなるロータ部と、を有する回転多面鏡
走査装置の組み立て工程において、(1)前記動圧軸受
部に潤滑油を塗布する工程と、(2)前記スリーブの開
放端に前記固定軸の自由端を挿入する工程と、(3)前
記挿入工程において、前記スラスト軸受部に圧縮される
潤滑油と空気とを前記間隙より逃がす工程と、(4)前
記固定軸を挿入後に前記隙間をシールする工程と、を有
する回転多面鏡走査装置の製造方法である。
【0022】
【作用】本発明の第1の発明による回転多面鏡走査装置
は、上記のような構成にすることによって、下軸受から
の潤滑油の流出量を少なくできるので下軸受が長寿命に
なり、回転多面鏡走査装置の信頼性を向上することがで
きる。
【0023】また、本発明の第2の発明による回転多面
鏡走査装置は、スラスト軸受部を気密構造にすることに
よって、下軸受からの潤滑油が大気圧によって流出しに
くくなるので、下軸受の寿命が改善できるとともに、ス
ラスト軸受部と下軸受部からの潤滑油の流出による装置
内の汚染を防止することができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。なお、以下の実施例において従来と同機能のもの
には同符号を付す。 (実施例1)図1(a)は本発明の回転多面鏡走査装置
の全体構成を示す正面図、図1(b)は断面図、図2は
ロータ部の重心位置を示す断面図、図3はラジアル軸受
の拡大断面図、図4はスラスト軸受部とラジアル軸受部
の拡大断面図、図5は固定軸保持フランジの断面図であ
る。
【0025】図1に示した本発明の回転多面鏡走査装置
の全体構成は、図10で説明した従来構成と基本構成は
同一であるので、簡単に基本構成のみを説明する。
【0026】図1において、鉄基板1に対して固定軸3
がフランジ2を介して垂直に取り付いている。固定軸3
は直径が3mmのステンレス製の軸である。スリーブ4
・ポリゴンミラー7・ヨーク板81・ロータマグネット
82よりなるロータ部の軸穴に固定軸の自由端が挿入さ
れる。ロータ部の一端はスラスト板8とスラスト板押さ
え板9によって閉鎖されており、スラスト板8と固定軸
3の自由端10とが当接してスラスト軸受部11を形成
している。スリーブ4の内面にはヘリングボーン状のグ
ルーブが刻設され、固定軸3の外周面との間で一対のラ
ジアル軸受5、6を形成している。スラスト軸受部11
とラジアル軸受部5・6の微小な隙間には潤滑油が注油
されており、ロータ部は固定軸3を中心として低負荷で
回転できるように構成されている。ポリゴンミラー7は
スリーブ4上に設けたポリゴンミラー保持台12に載置
され、4つの爪を持つばね13によって押圧されてスリ
ーブ4と一体化している。
【0027】以下、本発明の実施例1の回転多面鏡走査
装置について、従来例である図10との相違部分と図1
0で説明しなかった詳細構成を1〜4の項目別に説明す
る。 1.ラジアル軸受の軸受長さと軸受寿命 始めに、ラジアル軸受の構成を図3によって説明する。
【0028】図3は本発明で使用するラジアル軸受部の
拡大断面図である。図3において、回転スリーブ4の内
壁には複数本のへリングボーン状のグルーブ20が刻設
されており、グルーブ20に対向して固定軸3が設けら
れている。図3のヘリングボーンは、スリーブ4の裏面
側に刻設されたものを表している。軸受部には潤滑油1
8が毛細管作用によって保持されている。スリーブ4が
反時計方向(矢印)に回転すると、グルーブ20に沿っ
て潤滑油が中央部に移動して中央部の潤滑油の圧力が増
加して軸受として機能するようになる。実際の回転多面
鏡走査装置では軸剛性を高めるために、上下一対のラジ
アル軸受を設けている。対になった軸受間のスパン、軸
受の長さ(図でBで示す)、グルーブを刻設していない
面のスリーブ内径と固定軸との隙間(Aで示す)、グル
ーブの深さ(Cで示す)などを最適化することによって
必要な軸受剛性を得ることができる。
【0029】ラジアル軸受5・6の軸受長さが軸受寿命
に与える影響を説明する。図2は本発明の回転多面鏡走
査装置のロータ部の重心位置を示す図である。ロータ部
の主要部品の主構成部材と比重は、スリーブ4(銅鉛合
金;8.0g/cc)、ポリゴンミラー7(アルミニウ
ム;2.7g/cc)、ヨーク板81(鉄板;7.8g
/cc)、ロータマグネット82(樹脂中にフェライト
磁石を分散した樹脂磁石;4.0g/cc)である。こ
れらの比重と構成部材の形状より重心位置を求めると、
図2に示す重心位置Gが得られる。
【0030】重心位置Gはスラスト板8の上面を基準線
としたとき、基準線の下方3.07mmの上軸受5内に
に位置する。ロータ部が重心位置Gの上下で重量がバラ
ンスしている場合(アンバランス重量が0mg・c
m)、ロータ部はラジアル軸受5・6に軸支されて正常
に回転する。重心位置Gに対して上下の重量がアンバラ
ンスの場合には、ロータ部には重心位置Gを中心とした
首振り運動の回転モーメントが負荷される。本実施例の
場合には、上軸受5には下軸受6よりも大きな剛性が要
求されることが図2よりわかる。
【0031】図4で、スラスト板8と固定軸4の当接点
からラジアル軸受5の最上部までの距離をL0、ラジア
ル軸受5の最上部からラジアル軸受6の最下部までの距
離をL、ラジアル軸受5の軸受長さをL1、ラジアル軸
受6の軸受長さをL2、ラジアル軸受5、6間のスパン
をL3、ラジアル軸間のテーパ状潤滑油溜めの長さをl
として、L0・L・L3・lの長さを一定として、L1・
L2の長さが異なる3種類の軸受を作成し、これらを用
いて3種類の回転多面鏡走査装置を作り信頼性評価を行
った。(表1、表2)
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】(表1)・(表2)の連続回転の欄の数値
は、ロータ部を連続回転したときポリゴンモータがロッ
クするまでの平均時間である。また、間欠回転欄の数値
は、モーターを立ち上げて定常回転に達した後、電流を
停止するサイクルをくり返したときモータがロックする
までの平均回数である。5,000rpmの場合の間欠
回転の1サイクルは約30秒、10,000rpmでは
約50秒である。なお、全ての場合にn=3での平均値
である。
【0035】(表1)・(表2)より明らかな通り、全
ての場合に下軸受の長さがL2=3.5mmの場合が、長寿
命である。図2で説明したロータ部の重心位置Gからす
れば、Gは上軸受側に片寄っているのでアンバランス重
量が生じたとすれば、上軸受5には下軸受6より大きな
負荷が生じるので、この分上軸受5の軸受長さを長くす
る必要があるはずである。それにも拘らず、(表1)・
(表2)の結果が得られたのは、この場合の軸受寿命は
軸受の剛性でなく、軸受からの潤滑油の流出の要因が大
きなことを示唆しているように思われる。これを裏づけ
るように、潤滑油が流失しやすい高温条件ほどL2の長
寿命化効果が顕著に見られる。
【0036】下軸受を長くすると長寿命になるのは、高
温・高回転のように潤滑油が流出しやすい条件では、図
11に52で示した軸受開放隙間(上記実施例の場合は
約60μm)の毛細管力では潤滑油溜めの潤滑油を保持
することはできないためであると考えられる。これに対
して、軸受部の隙間(図3でAで示す)は数μm以下
(上記実施例の場合は約4μm)であり、上記条件でも
軸受部分の潤滑油は毛細管力で保持されるためと推定さ
れる。
【0037】なお、表1・表2における全ての場合に、
軸受からの流出潤滑油による機内汚れは殆どなかった。 2.ラジアル軸受隙間と軸寿命 上記推論を検証するため、ラジアル軸受部は前記L1=2.
3・L2=3.5で固定軸3の直径のみを変えてラジアル軸受
の隙間Aが異なる3種類の軸受部を作り、回転多面鏡走
査装置に組み込んで信頼性試験を行った。結果を(表
3)に示す。
【0038】
【表3】
【0039】予想の通り軸受隙間の小さい軸受が長寿命
であった。通常の場合には、軸受隙間を小さくすること
によって軸受の剛性は大きくなるが、軸受間の潤滑油に
かかる剪断力が大きくなる。その結果潤滑油が劣化しや
すくなって、軸受の寿命が短くなるものと考えられてい
た。しかし、本発明の回転多面鏡走査装置の軸構成で
は、ラジアル軸受の隙間Aを小さくして軸受からの潤滑
油流出を防止することが、長寿命化につながることがわ
かった。 3.スラスト軸受部のシール構造と軸寿命 スラスト軸受部の構成を図4によって説明する。固定軸
3はφ3のステンレス棒で、頂点10はSR6の球面で
ある。スリーブ4の軸穴の上部にスラスト板8を収容す
るスラスト板収容部16が設けられており、この中にス
ラスト板8が収容されている。スラスト板8の材料は、
滑り性・耐磨耗性のよい樹脂が使用される。実施例では
ナイロン系の材料を使用している。スラスト板8は、ス
ラスト板8の上に重ねて置かれたスラスト板押さえ板9
を介して、スリーブ4の上部に設けた突起部14で周囲
をかしめて固定されている。
【0040】スラスト軸受部は以上のように構成されて
いるので、気密性は完全ではなくスラスト板8、スラス
ト板押さえ板9とかしめ部材14との間には、〜100
μm程度の隙間が存在する。この隙間は、下記の2つの
機能を有する。 (1)軸挿入時の空気、潤滑油抜きの機能 ラジアル軸受部の組立は、軸受部5・6に潤滑油を塗布
した後、軸穴に固定軸3を挿入して行う。固定軸3の挿
入によって、スラスト軸受け部11と固定軸の頂点10
との間の圧力が増加する。スラスト軸受部に隙間を設け
ておけば、空気・潤滑油がこの隙間を通って抜け出るこ
とで圧力が解除される。スラスト軸受部11が密閉され
ている場合には、挿入時の圧力は軸受5・6の微小隙間
より解除せざるを得ないので、時間がかかる上、潤滑油
中に気泡を巻きこむ恐れがある。潤滑油中の気泡は下記
の問題を引き起こす。 (2)温度上昇時の空気抜きの機能 軸受を回転すると軸受部の温度が上昇する。軸受部に空
気を巻き込んでると、温度上昇によって空気が膨張して
下軸受6の開放口52より潤滑油が流出する。スラスト
軸受部に隙間を設けておけば、熱で膨張した空気がこの
隙間から抜け出るので、潤滑油が軸受部から流出するこ
とを防止できる。
【0041】スラスト軸受部11の隙間をなくし軸受の
上部を完全に気密構造にすると、図4の下部潤滑油溜め
51内の潤滑油の保持力として大気圧が加算されるの
で、潤滑油が流出しにくくなり、寿命改善が期待でき
る。この場合、気泡を巻き込むと潤滑油の流出により軸
寿命が短くなるので、気泡の巻き込みを確実に防止する
必要がある。このために、スラスト軸受部に隙間を設け
ておき、軸を挿入後にこの隙間をシールする方法が確実
であることがわかった。
【0042】(表3)で試作した軸受仕様で、軸受隙間
Aが2μmのものを用いて、2種類の方法でスラスト軸
受部を組み立てた。 (1)従来の方法 スリーブ4の軸受5、6に十分潤滑油を塗布した後、ゆ
っくりと固定軸3をスリーブ4の軸穴に挿入する。スラ
スト軸受部11に存在する隙間や下軸受6下部の潤滑油
溜め52よりオーバフローした余剰の潤滑油を拭き取
る。 (2)組み立て後スラスト軸受隙間をシールする方法 上記の手順の後、図4のかしめ部14の周辺に紫外線硬
化型の接着剤17を塗布、紫外線照射して接着剤を硬化
させてシールする。
【0043】上記2方法で作った軸受を用いて回転多面
鏡走査装置を試作し、信頼性の評価を行った。(表4)
【0044】
【表4】
【0045】(表4)に明らかのように、スラスト軸受
部を気密構造にすることによって、軸受寿命を確実に改
善できる。
【0046】上記構造は軸受寿命を長くするだけでな
く、スラスト軸受部14からの潤滑油流出に伴う潤滑油
飛散を完全に防止できる。
【0047】なお、実施例ではスラスト軸受部から軸受
外に通じる隙間は、スラスト板押さえ板9とスリーブ4
の上部に設けたかしめ部材14との隙間であるが、隙間
の形態はこれに限定されるものでない。 4.固定軸支持フランジの形状 図5(b)に従来の固定軸支持フランジ、図5(a)に本発
明の固定軸支持フランジの断面図を示す。図5に示す固
定軸支持フランジ2は、中央に固定軸3を圧入する圧入
穴32を有し、焼きばめで固定軸3を固定している。ま
た、フランジ2の下部に設けたかしめ部33によって、
フランジ2は基板1に固定されている。本発明の固定軸
支持フランジは、下記2点において従来フランジと形状
が異なる。 (1)固定軸支持フランジ周辺にリング状の壁を設けた。
【0048】図5(a)に示す本発明の固定軸支持フラ
ンジ2の上面には、円筒状の壁30が設けられている。
壁30の頂点の高さは、スリーブ4の最下面(図11の
53で示す面)の高さより高い位置に設けてあるので、
スリーブ4が高速で回転するとき、軸受部より流出して
遠心力で振り飛ばされる潤滑油を壁30で遮断すること
ができる。したがって、本発明の壁30を設けた回転多
面鏡走査装置では、万一軸受部より潤滑油が流出しても
フランジ2に設けた壁30でせき止めることができるの
で、モータ回路基板85等を汚染することはない。 (2)圧入穴をフランジの凹部に設けている。
【0049】図5(a)・(b)との比較で明らかな通
り、図5(a)の本発明フランジ2の圧入穴32はフラ
ンジ2の中央の凹部34に設けられている。このような
構成にすることによって、スリーブ4の厚みは変えず、
つまり軸受剛性を低下さすことなく、全体高さを低くす
ることを可能としている。試作回転多面鏡走査装置の全
体高さは、12.5mmと非常に薄型である。
【0050】また、圧入穴32の位置を低くすることに
よってスリーブ4の最下面の高さを下げれるので、前述
した(1)の壁の設計が容易になる利点も有する。さら
に、この凹部は流出潤滑油の潤滑油溜めとしての効果が
ある。 (実施例2)発明が解決しようとしている課題のなか
で、一般論として小型化・薄型化には軸固定方式が有利
であると説明したが、実際に同サイズの軸固定方式と軸
回転方式の回転多面鏡走査装置を試作してその優劣を比
較検討した。
【0051】図6は左半分が軸回転/スリーブ固定、右
半分が軸固定/スリーブ回転の回転多面鏡走査装置の断
面図である。
【0052】図6の左半分に示すスリーブ固定/軸回転
の回転多面鏡走査装置の構成を説明する。
【0053】固定スリーブ71は固定部材70を介して
基板1に垂直に固定されている。固定スリーブ71の内
面には軸受75・76が、下部にはスラスト軸受け部7
4が設けられている。固定スリーブ71の上方は開放さ
れていて回転軸72・ポリゴンミラー保持部材73・ポ
リゴンミラー7・ヨーク板81・ロータマグネット82
よりなるロータ部が挿入されている。
【0054】図6の右半分は実施例1で説明した軸固定
/スリーブ回転の回転多面鏡走査装置と同様な構成なの
で、再度の説明は省略する。
【0055】図6でG1は軸回転/スリーブ固定のロー
タ部の重心位置、G2は軸固定/スリーブ回転型のロー
タ部の重心位置である。スリーブの重量のために、G2
がG1よりやや下になる。これに対して、軸回転型の軸
受け部75・76は構成上、軸回転型の軸受け部5・6
よりも下になる。スリーブ回転型では重心位置G2と軸
受けの中心位置をほぼ一致させることが可能であるが、
軸回転型では一致させることが構成上不可能である。
【0056】構成の異なる2種類の回転多面鏡走査装置
を比較すると、下記2点において軸固定方式の回転多面
鏡走査装置が有利であった。 (1)軸受の剛性 図7に2種類の回転多面鏡の耐アンバランス剛性の測定
結果を示す。アンバランス量の基準面として、上面の基
準面は軸回転の場合にはポリゴンミラー保持部材73の
上面、スリーブ回転の場合には同等位置である回転スリ
ーブ4の上面である。下面の基準面は両方の場合とも、
ヨーク板81の上面である。図7実線が軸固定、図7破
線が軸回転の場合の耐アンバランス剛性である。当然予
想されるように、耐アンバランス剛性はスリーブ回転方
式が優位性があることがわかる。
【0057】残量アンバランス5mgcmを許容する
と、軸回転の場合にスリーブ回転の場合と同程度のポリ
ゴンミラーの振れ精度を確保するためには、軸受スパン
を大きく取らざるを得ないので、軸回転の場合には回転
多面鏡走査装置の全体高さを20mm以下にすることは
困難である。 (2)ポリゴンミラー保持部材と回転軸との直交度 図6でスリーブ回転の場合のポリゴンミラー7は、スリ
ーブ4の上面に設けたポリゴンミラー保持面61に置か
れ、回転軸との直交度が保たれている。この場合には、
スリーブ4の軸受け穴と保持面61の直交度で、ポリゴ
ンミラー保持部材と回転軸との直交度が決められるの
で、スリーブ4およびポリゴンミラー7の部品精度を管
理することによって、直交度を保証することができる。
【0058】これに対して、図6の軸回転の場合にも、
回転軸72とポリゴンミラー7の直交度は、回転軸72
とポリゴンミラー保持面62との直交度で決まるが、問
題は回転軸72に対してポリゴンミラー保持部材73が
かしめ加工されていることである。かしめ加工の加工精
度のために、部品精度だけではポリゴンミラー7と回転
軸72との直交度は保証できない。したがって、この場
合には回転軸72にポリゴンミラー保持部材73をかし
めた後、ポリゴンミラー保持面62が回転軸72に対し
て直交するように切削する必要があることがわかった。
【0059】また、保持面62の後加工を前提として
も、ポリゴンミラー保持部材73と回転軸72とのかし
め代63が5mm程度は必要であり、薄型化には不利で
あることがわかった。 (実施例3)図8に、高速回転(20,000rpm)
の薄型回転多面鏡走査装置を示す。図8の回転多面鏡走
査装置の構成は、図1の構成と基本的には同一である
が、高速回転(20,000rpm)に対応できる軸受
剛性とするため軸受5、6の長さ、および中間部の長さ
lを大きくしてあるのが図1の回転多面鏡走査装置との
1つの相違点である。勿論、モータ部はステータコイル
83の巻き数、ヨーク板1の材質、ドライバー回路87
の定数等を変更して、高速化に対応している。
【0060】図8で、基板1に固定軸3を圧入したフラ
ンジ2が、かしめられている。実施例1と同じように、
フランジ2の上面部には凹部34が設けられ、さらに外
周に円筒状の壁30を設けている。回転スリーブ4の軸
受に刻設された上軸受け5の長さL1=3.2mm、下
軸受け6の長さL2=4.3mm、中間部の長さl=
2.0mmとしたため、スリーブ4の全体高さが高くな
っている。この分フランジ2の凹部34の窪みを深くし
て、フランジ2を基板1の下に突き出す構成として、フ
ランジ2部分以外は回転多面鏡走査装置の高さが高くな
らないようにしている。このために装置の全体高さは1
9.0mmとなり実施例1の装置より高くなっている
が、基板1からの高さは12.5mmで実施例1と同じ
高さである。
【0061】高速回転時の遠心力による潤滑油の流出を
防止するために、図11の53で示した軸受け開放隙間
を実施例1の60μmから20μmとして潤滑油の保持
力を高めた。また、実施例1で有効であった軸受け組み
立て後スラスト軸受け隙間をシール部材17でシールす
る構成とした。
【0062】この回転多面鏡走査装置は、20,000
rpmの使用に耐える信頼性を有していた。
【0063】
【発明の効果】上記説明したように、本発明の回転多面
鏡走査装置は、薄型化に適した軸固定構造の回転多面鏡
走査装置であり、下軸受の長さを上軸受の長さより長く
することによって、信頼性を向上させることができる。
【0064】また、スリーブの内径と固定軸の直径との
差が、固定軸の直径の1/400以下とすることによっ
て信頼性をさらに改善することができる。
【0065】また、固定軸とスリーブとの隙間が、スリ
ーブ開放端において固定軸の直径の1/200〜1/3
0にすることによって、信頼性をさらに改善することが
できる。
【0066】また、固定軸を固定するフランジ周辺に、
高さがスリーブ開放端の最下点よりも高い壁を設けるこ
とによって、スリーブ開放端から流出する潤滑油が遠心
力によって装置内を汚染するのを防止できる。
【0067】さらに、本発明の回転多面鏡走査装置の製
造方法によれば、スラスト軸受部にあらかじめ隙間を設
けておき、軸受部に固定軸を挿入時に、この隙間より空
気と過剰の潤滑油とを排出した後、隙間をシール部材で
シールすることによって、容易に軸受部に気泡を巻き込
むのを防ぐことができるとともに、気密構造とすること
によってスリーブ開放口端の潤滑油保持力を高め、高速
回転時の遠心力によって潤滑油がスリーブ開放口端から
流出するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における回転多面鏡走査装置
の正面図と断面図
【図2】本発明の実施例1における回転多面鏡走査装置
の重心位置を示す断面図
【図3】ラジアル軸受の断面図
【図4】ラジアル軸受とスラスト軸受の断面図
【図5】本発明の実施例1における回転多面鏡走査装置
の固定軸保持フランジの断面図と従来フランジの断面図
【図6】実施例2における軸回転と軸固定回転多面鏡走
査装置の断面図
【図7】実施例2の回転多面鏡走査装置における軸剛性
を示す図
【図8】本発明の実施例3における回転多面鏡走査装置
の正面図
【図9】回転多面鏡走査装置の軸受の方式を説明する断
面図
【図10】従来例における回転多面鏡走査装置の断面図
【図11】軸固定/軸回転方式の潤滑油の流出の違いを
説明する模式図
【符号の説明】
1 基板 3 固定軸 4 スリーブ 5・6 動圧ラジアル軸受 7 回転多面鏡 11 スラスト軸受部 52 開放口隙間

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一端が基板に固定され他の一端が自由端で
    ある固定軸と、一端がスラスト板によって閉鎖され、他
    の一端が開放され前記固定軸に回転自在に嵌合するスリ
    ーブと、前記固定軸の外周面と前記スリーブ内周面との
    対向面のいずれかの一方に設けた一対の動圧ラジアル軸
    受部と、前記固定軸の自由端頂点と前記スリーブのスラ
    スト板とで形成されるスラスト軸受部と、前記スリーブ
    と一体的に設けられた回転多面鏡とヨーク板とロータマ
    グネットとよりなるロータ部とを有する回転多面鏡走査
    装置であって、 前記ロータ部の回転重心位置が、前記一対の動圧軸受部
    のほぼ中央に位置し、 かつ、前記スリーブの開放口端側に設けたラジアル動圧
    軸受部の軸受の長さが、前記スリーブの閉鎖端側に設け
    た動圧ラジアル軸受部の軸受の長さより長い回転多面鏡
    走査装置。
  2. 【請求項2】動圧ラジアル溝を軸受部に設けた請求項1
    に記載の回転多面鏡走査装置。
  3. 【請求項3】ラジアル軸受部におけるスリーブの内径
    と、固定軸の直径との差が固定軸の直径の1/400〜
    1/1,500である請求項1〜2の何れかに記載の回
    転多面鏡走査装置。
  4. 【請求項4】スリーブ開放口先端におけるスリーブの内
    径と固定軸の直径との差が、固定軸の直径の1/200
    〜1/30である請求項1〜3の何れかに記載の回転多
    面鏡走査装置。
  5. 【請求項5】固定軸を固定している基板の周辺に、高さ
    がスリーブ開放端の最下点よりも高い壁を設けた請求項
    1〜4の何れかに記載の回転多面鏡走査装置。
  6. 【請求項6】壁を固定軸を固定するフランジに設け、こ
    のフランジを介して固定軸が基板に固定されている請求
    項5に記載の回転多面鏡走査装置。
  7. 【請求項7】スリーブの一端が気密構造のスラスト軸受
    によって閉鎖された請求項1〜6の何れかに記載の回転
    多面鏡走査装置。
  8. 【請求項8】一端が基板に固定され他の一端が自由端で
    ある固定軸と、一端がスラスト板によって閉鎖され、他
    の一端が開放され前記固定軸に回転自在に嵌遊するスリ
    ーブと、前記固定軸の外周面と前記スリーブ内周面との
    対向面のいずれかの一方に設けた一対の動圧ラジアル軸
    受部と、前記固定軸の自由端頂点と前記スリーブのスラ
    スト板とで形成され軸受外部に通じる隙間を有するスラ
    スト軸受部と、前記スリーブと一体的に設けた回転多面
    鏡とヨーク板とロータマグネットとよりなるロータ部
    と、を有する回転多面鏡走査装置の組み立て工程におい
    て、(1)前記動圧軸受部に潤滑油を塗布する工程と、
    (2)前記スリーブの開放口端に前記固定軸の自由端を
    挿入する工程と、(3)前記挿入工程において、スラス
    ト軸受部に圧縮される潤滑油と空気とを前記間隙より逃
    がす工程と、(4)前記固定軸を挿入後に前記隙間をシ
    ールする工程と、を有する回転多面鏡走査装置の製造方
    法。
  9. 【請求項9】シール工程がスラスト板とスリーブとの隙
    間を紫外線硬化剤によって封止する工程である請求項8
    に記載の回転多面鏡走査装置の製造方法。
JP5256795A 1995-03-13 1995-03-13 回転多面鏡走査装置及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3677805B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5256795A JP3677805B2 (ja) 1995-03-13 1995-03-13 回転多面鏡走査装置及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5256795A JP3677805B2 (ja) 1995-03-13 1995-03-13 回転多面鏡走査装置及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08247139A true JPH08247139A (ja) 1996-09-24
JP3677805B2 JP3677805B2 (ja) 2005-08-03

Family

ID=12918388

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5256795A Expired - Fee Related JP3677805B2 (ja) 1995-03-13 1995-03-13 回転多面鏡走査装置及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3677805B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002258202A (ja) * 2001-03-06 2002-09-11 Canon Inc 光偏向走査装置
JP2007121972A (ja) * 2005-10-31 2007-05-17 Nidec Sankyo Corp ポリゴンミラー回転駆動装置
JP2007271010A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd 流体軸受装置、その製造方法、スピンドルモータ、情報記録再生装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002258202A (ja) * 2001-03-06 2002-09-11 Canon Inc 光偏向走査装置
JP4636711B2 (ja) * 2001-03-06 2011-02-23 キヤノン株式会社 回転多面鏡用アウターロータモータ及びそれを備える光偏向走査装置
JP2007121972A (ja) * 2005-10-31 2007-05-17 Nidec Sankyo Corp ポリゴンミラー回転駆動装置
JP2007271010A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd 流体軸受装置、その製造方法、スピンドルモータ、情報記録再生装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3677805B2 (ja) 2005-08-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6390681B1 (en) Dynamic pressure bearing-unit
US7556433B2 (en) Fluid dynamic bearing device and motor equipped with the same
US8826541B2 (en) Method for manufacturing a fluid bearing device
US6672767B2 (en) Dynamic bearing device and motor having the same
US20090148084A1 (en) Fluid Dynamic Bearing Device
US20100244601A1 (en) Fluid dynamic bearing device
US8356938B2 (en) Fluid dynamic bearing apparatus
US20040056547A1 (en) Hydrodynamic bearing system
US7699527B2 (en) Fluid bearing device
US20100132197A1 (en) Method for manufacturing fluid dynamic bearing device
JP3774080B2 (ja) 動圧型軸受ユニット
US20100166346A1 (en) Dynamic bearing device
JPH08247139A (ja) 回転多面鏡走査装置及びその製造方法
JP2007071274A (ja) 動圧軸受装置
US8197141B2 (en) Fluid dynamic bearing device
JP2005337490A (ja) 動圧軸受装置
JP4579218B2 (ja) 動圧型軸受ユニットの製造方法
JP2003065324A (ja) 動圧型軸受装置
JP4330961B2 (ja) 動圧軸受装置
JP3782918B2 (ja) 動圧型軸受ユニット
JP2007040527A (ja) 流体軸受装置
JP4738835B2 (ja) 動圧型軸受装置
JPH0428201Y2 (ja)
JPH03181612A (ja) 軸受装置
JP4739247B2 (ja) 動圧型軸受装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050105

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050302

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050419

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050502

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090520

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100520

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110520

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110520

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120520

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees