JPH08246986A - 内燃機関の燃料供給装置 - Google Patents

内燃機関の燃料供給装置

Info

Publication number
JPH08246986A
JPH08246986A JP7055573A JP5557395A JPH08246986A JP H08246986 A JPH08246986 A JP H08246986A JP 7055573 A JP7055573 A JP 7055573A JP 5557395 A JP5557395 A JP 5557395A JP H08246986 A JPH08246986 A JP H08246986A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
connector pipe
vapor
air
pipe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7055573A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Majima
摩島  嘉裕
Makoto Miwa
真 三輪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NipponDenso Co Ltd filed Critical NipponDenso Co Ltd
Priority to JP7055573A priority Critical patent/JPH08246986A/ja
Publication of JPH08246986A publication Critical patent/JPH08246986A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転数や負荷に左右されないベーパ・エアの
排出を可能にする。 【構成】 デリバリパイプ26内を仕切板40で燃料分
配室41とベーパ貯留用の副室42とに仕切る。1本の
インジェクタ21に連結するコネクタ管部46を上方に
延長して、その上部に形成した連通部47を副室42内
に突出させる。このコネクタ管部46の内径を連通部4
7の内径よりも大きく設定してコネクタ管部46の内容
積を拡大すると共に、該コネクタ管部46の上部周壁に
複数個の燃料吸込み口48を円周方向に等間隔に形成す
る。インジェクタ21の吸込み力により副室42から連
通部47を通してコネクタ管部46内に吸い込んだベー
パやエアを、コネクタ管部46内の上部に一時的に溜め
ながら、コネクタ管部46の上部周壁の複数の燃料吸込
み口48から吸い込まれた燃料によってベーパやエアを
掻き混ぜて微細化し、燃料中へのベーパ・エアの溶け込
みを促進する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料配管から送られて
くる燃料を燃料分配室内に貯留しつつ各気筒のインジェ
クタに分配するようにした内燃機関の燃料供給装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、特開平6−129325号公報に
示すように、各インジェクタに燃料を分配するデリバリ
パイプ(燃料分配室)内で発生したベーパや何等かの原
因によりデリバリパイプ内に混入したエアを燃料タンク
側に戻すリターン配管を廃止して、燃料配管構成を簡略
化するようにしたものが考えられている。このものは、
デリバリパイプより上流の燃料配管から分岐した燃料パ
イプ(副室)をデリバリパイプの上方に配置すると共
に、該燃料パイプとデリバリパイプとを連通部絞りによ
って連通し、デリバリパイプから各インジェクタに燃料
を分配する各コネクタのうちの少くとも1つをデリバリ
パイプ内の上部に延長して、該コネクタの上端開口を上
記連通部絞りの下端開口と対向させ、デリバリパイプ内
の上部や燃料パイプ内に溜まったベーパやエアをインジ
ェクタの吸込み力によって排出するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
開公報記載の構成では、コネクタの上端開口と連通部絞
りの下端開口との間に隙間が開いているため、インジェ
クタの吸込み力が低下する低回転・低負荷時には、イン
ジェクタの吸込み力が連通部絞りに作用しにくくなり、
燃料パイプ内のベーパやエアをほとんど排出することが
できない。このため、燃料パイプ内のベーパやエアがイ
ンジェクタ内に吸い込まる時期が高回転・高負荷時に集
中してしまい、高回転・高負荷時にインジェクタの噴射
の大部分がベーパやエアとなることがあり、失火に至る
おそれがあった。
【0004】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、従ってその目的は、回転数や負荷に左右
されない安定したベーパ・エアの排出を可能にする内燃
機関の燃料供給装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1の内燃機関の燃料供給装置は、燃
料配管から送られてくる燃料を燃料分配室内に貯留しつ
つ各気筒のインジェクタに分配するようにしたものにお
いて、前記燃料分配室の上方にベーパやエアを貯留する
副室を設け、前記燃料分配室と前記副室とを少くとも1
つの連通部で連通させると共に、該連通部と少くとも1
つの前記インジェクタの燃料吸入口とをコネクタ管部で
連通させ、該コネクタ管部の内径を前記連通部の内径よ
りも大きく設定すると共に、該コネクタ管部の上部周壁
に、前記燃料分配室内の燃料を吸い込む燃料吸込み口を
形成した構成としたものである。
【0006】この場合、請求項2のように、前記コネク
タ管部の上部周壁に、偶数個の燃料吸込み口を互いに対
向する位置に形成しても良い。或は、請求項3のよう
に、前記コネクタ管部の上部周壁に、複数個の燃料吸込
み口を周方向に等間隔に形成しても良い。
【0007】また、請求項4のように、前記燃料分配室
と前記副室を、水平に配置した1本のパイプの内部を仕
切板で上下に仕切ることによって形成し、前記コネクタ
管部と前記連通部を、1本の段付きパイプによって一体
に形成すると良い。
【0008】
【作用】上述した請求項1の構成によれば、燃料分配室
と副室とを連通させる連通部とインジェクタの燃料吸入
口とがコネクタ管部で連通され、燃料分配室内の燃料の
吸込みは、コネクタ管部の上部周壁に形成された燃料吸
込み口を通して行われる。更に、コネクタ管部の内径を
連通部の内径よりも大きく設定し、コネクタ管部の内容
積を拡大しているため、インジェクタの吸込み力によっ
て副室から連通部を通してコネクタ管部内に吸い込まれ
たベーパやエアは、高回転・高負荷時でもインジェクタ
に一気に吸い込まれることはなく、コネクタ管部内の上
部に溜まりながら徐々にインジェクタに吸い込まれるよ
うになる。この際、コネクタ管部内の上部に溜まってい
るベーパやエアは、コネクタ管部の上部周壁の燃料吸込
み口から吸い込まれた燃料によって掻き混ぜられ、その
攪拌混合作用によりベーパ・エアが微細化されること
で、燃料中へのベーパ・エアの溶け込みが促進される。
これにより、高回転・高負荷時でもインジェクタのベー
パ・エア吸い込みによる噴射燃料量の減少量が少くな
り、失火が防がれる。しかも、コネクタ管部内に吸い込
まれたベーパ・エアはコネクタ管部から外部に漏れない
ため、低回転・低負荷時でも上述したようにベーパ・エ
アが燃料中に溶け込みながら少しずつ排出される。
【0009】この場合、コネクタ管部の上部周壁に、請
求項2のように偶数個の燃料吸込み口を互いに対向する
位置に形成し、或は、請求項3のように複数個の燃料吸
込み口を周方向に等間隔に形成すれば、各燃料吸込み口
からコネクタ管部内に吸い込まれる燃料が、コネクタ管
部内の上部に溜まっているベーパやエアを周囲から挟み
込むように流れ込んで、ベーパ・エアと燃料との攪拌混
合作用が高められ、燃料中へのベーパ・エアの溶け込み
が一層促進される。
【0010】また、請求項4では、燃料分配室と副室
を、1本のパイプの内部を仕切板で上下に仕切ることに
よって形成することで、燃料分配室と副室の構造を簡略
化し、更に、コネクタ管部と連通部を1本の段付きパイ
プによって一体に形成することで、コネクタ管部と連通
部の連結構造も簡略化して、部品点数削減・コスト削減
の要求を満たす。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。まず、図4に基づいてエンジン制御系システム
全体の概略構成を説明する。エンジン10(内燃機関)
の吸気ポート11に接続された吸気管12の最上流部に
はエアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13
の下流側にスロットルバルブ14が設けられ、このスロ
ットルバルブ14を収納するスロットルボデー15に
は、スロットルバルブ14をバイパスする吸気量を調節
するアイドルスピードコントロールバルブ16と、吸気
管圧力を検出する吸気管圧力センサ17とが設けられて
いる。スロットルボデー15の下流側にはサージタンク
18が設けられ、このサージタンク18内には吸気温を
検出する吸気温センサ19が設けられている。
【0012】また、各気筒の吸気ポート11の近傍に
は、燃料タンク20から供給される燃料(ガソリン)を
噴射するインジェクタ21が設けられている。燃料タン
ク20内の燃料は燃料ポンプ22により汲み上げられ、
燃料配管25中をプレッシャレギュレータ23→燃料フ
ィルタ24の経路を経て後述するデリバリパイプ26に
送られ、このデリバリパイプ26から各気筒のインジェ
クタ21に分配される。上記プレッシャレギュレータ2
3により燃料配管25内の燃圧が燃料タンク20の内圧
に対して一定圧力に保たれるようになっている。この燃
料供給系は、デリバリパイプ26から燃料の一部を燃料
タンク20内に戻すリターン配管が廃止され、燃料供給
系がデリバリパイプ26で終端となるリターンレス配管
構成となっている。
【0013】一方、エンジン10の排気ポート27に接
続された排気管28には、排出ガス中の酸素濃度を検出
する酸素センサ29や排出ガス浄化用の三元触媒(図示
せず)が設けられている。エンジン10を冷却するウォ
ータジャケット30には、冷却水温を検出する水温セン
サ31が取り付けられている。また、エンジン10の回
転数はクランク角センサ32から所定クランク角毎に出
力されるパルス信号によって検出される。
【0014】キースイッチ33は、キー(図示せず)の
回動操作により、“OFF”、“ACC”、“ON”、
“START”の4つの位置に切り替えることができる
ようになっている。このキースイッチ33を“OFF”
から“ACC”へ切り替えると、ラジオやヘッドライト
等の電気負荷にバッテリ34から電力が供給される。
“ON”位置に切り替えると、電子制御回路(以下「E
CU」という)35にバッテリ34から電力が供給され
る。これにより、ECU35は、吸気温センサ19、吸
気管圧力センサ17、水温センサ31及びクランク角セ
ンサ32から出力される吸気温TA、吸気管圧力PM、
水温TW及びエンジン回転数Neの各信号を読み込ん
で、インジェクタ21の燃料噴射量や噴射時期、点火プ
ラグ37の点火時期等を制御する。また、“STAR
T”位置に切り替えると、スタータモータ36にバッテ
リ34から電力が供給され、エンジン10が始動され
る。
【0015】次に、デリバリパイプ26内の構造を図1
乃至図3に基づいて説明する。デリバリパイプ26は水
平に固定され、その内部が仕切板40によって上下2室
に仕切られ、下方が燃料分配室41で、上方が副室42
となっている。このデリバリパイプ26の一端面に形成
された燃料流入口43に燃料配管25が連結されてい
る。仕切板40には、燃料流入口43に隣接する部分に
開口部44が形成され、燃料流入口43から流入した燃
料が仕切板40の開口部44から燃料分配室41内に流
入し、燃料流入口43から流入する燃料中のベーパやエ
アが浮力により副室42に溜められる。各インジェクタ
21をコネクタ管部45,46によりデリバリパイプ2
6に取り付け、そのうちの1本のコネクタ管部46が上
方に延長され、その上部に管状の連通部47が一体に形
成されている。連通部47は、仕切板40を貫通して副
室42内に突出し、その上端開口が副室42内の上部に
位置している。そして、コネクタ管部46の内径が連通
部47の内径よりも大きく設定されて、コネクタ管部4
6の内容積が拡大され、該コネクタ管部46の上部周壁
に、燃料分配室41内の燃料を吸い込むための例えば4
個の小さな円形の燃料吸込み口48が円周方向に等間隔
に形成されている(図3参照)。この場合、全てのイン
ジェクタ21の燃料噴射量を均一にするために、コネク
タ管部46の4個の燃料吸込み口48と連通部47の上
端開口とを合計した総開口面積が他のコネクタ管部45
の上端開口とほぼ等しくなるように設計されている。
【0016】次に、ECU35による燃料噴射制御の処
理内容を説明する。図5〜図7のフローチャートはEC
U35により実行される処理の流れを示し、図8のタイ
ムチャートはECU35による制御例を示している。
【0017】図8において、t1のタイミングにてキー
スイッチ33がON位置に切り換えられ、ECU35に
バッテリ34から電力が供給される。これにより、EC
U35は図5のイニシャルルーチンを起動させる。この
イニシャルルーチンでは、まずステップ100及び11
0で、エンジン10が高温状態であるかを判別する。詳
しくは、ステップ100で、水温センサ31にて検出さ
れた水温TWが予め設定された所定水温TWaより高い
か否かを判定し、続くステップ110で、吸気温センサ
19にて検出された吸気温TAが予め設定された所定吸
気温TAaよりも高いか否かを判定する。これら両ステ
ップ100,110のいずれかで「No」と判定されれ
ば、エンジン10が高温状態でないと判定してステップ
120に移行する。このステップ120では、高温時補
正を加えない始動パルスTSTA、即ち、基本パルスT
BSEを算出し、その基本パルスTBSEを始動パルス
TSTAとしてECU35のメモリ49に記憶してイニ
シャルルーチンを終了する。この基本パルスTBSE
は、例えば図9のマップを用いてその時の水温TWに応
じて算出される値である。
【0018】一方、ステップ100,110のいずれも
「Yes」と判定された場合(つまりTW>TWa且つ
TA>TAaの場合)には、エンジン10が高温状態で
あると判定し、ステップ130に移行する。このステッ
プ130では、高温補正を加えた始動パルスTSTA、
即ち、高温時パルスTPURGを算出し、その高温時パ
ルスTPURGを始動パルスTSTAとしてECU35
のメモリ49に記憶してイニシャルルーチンを終了す
る。この高温時パルスTPURGは、例えば図10及び
図11のマップを用いて、その時の水温TW及び吸気温
TAからパルスTPURG1及びパルスTPURG2を
算出し、それらのパルスを加算したものである。これに
より、水温TW及び吸気温TAが高くなるほど、高温時
パルスTPURGが大きな値に設定される。
【0019】この結果、図8に示すようにエンジン10
の高温再始動時には、t1のタイミングにて始動パルス
TSTAとして高温時パルスTPURGがセットされ
る。その後、図8のt2のタイミングでキースイッチ3
3が“START”位置に切り替えられ、スタータモー
タ36が始動されると、エンジン回転数Neがスタータ
モータ36と同じ低回転域(100〜200rpm)に
て保持される。また、スタータモータ36の駆動中には
バッテリ電圧VBが12Vから約8Vまで低下する。
【0020】更に、図8のt2のタイミングでは図6の
始動時噴射ルーチンが起動される。この始動時噴射ルー
チンでは、まずステップ200で、初爆判別フラグXE
XPが「1」であるか否かを判定する。この初爆判別フ
ラグXEXPは図7に示す初爆判別フラグセットルーチ
ンにて次のようにして設定される。
【0021】この初爆判別フラグセットルーチンでは、
まずステップ300で、前回の処理時におけるバッテリ
電圧VBi-1 と今回の処理時におけるバッテリ電圧VB
i との差から、バッテリ電圧VBの変化量ΔVB(=V
B1 −VB1-1 )を求める。この後、ステップ310
で、バッテリ電圧VBの変化量ΔVBが予め設定された
所定値Vaよりも大きいか否かを判定する。この時、図
8のt2〜t3のタイミングでは、スタータモータ36
の駆動によるクランキングのため、バッテリ電圧VBが
略一定値(約8ボルト)に保持される。この状態では、
バッテリ電圧VBの変化量ΔVBが所定値Vaよりも小
さくなり、ステップ310からステップ320に移行し
て、初爆判別フラグXEXPを「0」に設定する。
【0022】一方、図8のt3のタイミングにて初爆に
よりエンジントルクが発生すると、スタータモータ36
の負荷が急激に軽減されるため、バッテリ電圧VBが急
激に立上がり、バッテリ電圧VBの変化量ΔVBが所定
値Vaよりも大きくなる。このような状態になると、エ
ンジン10の初爆が行われたものとみなされ、ステップ
310からステップ330に移行し、初爆判別フラグX
EXPを「1」に設定する。
【0023】このようにして初爆判別フラグXEXPは
図8のt3のタイミングまでは「0」に設定され、t3
のタイミング以後は「1」に設定されることになる。従
って、t2〜t3の期間は、図6の始動時噴射ルーチン
では、常にステップ200からステップ210に移行す
る。このステップ210で、図5のイニシャルルーチン
にてメモリ49に記憶した始動パルスSTA(基本パル
スTBSE又は高温時パルスTPURG)をそのままイ
ンジェクタ21に出力する。この時、高温時パルスTP
URGは基本パルスTBSEに比べて十分大きく設定さ
れている。そのため、高温時パルスTPURGにてイン
ジェクタ21が駆動されることで、エンジン10の高温
時において、燃料配管25やデリバリパイプ26内に発
生するベーパが確実に排出される。
【0024】始動パルスTSTA出力後、ステップ21
0からステップ260に移行し、現在のエンジン回転数
Neが始動後判別回転数Nstartよりも大きいか否
かを判定する。この始動後判別回転数Nstartは、
エンジン10の始動後処理を終了するために予め設定さ
れている値であり、エンジン回転数Neがこの始動後判
別回転数Nstartに達したことは、エンジン回転数
Neが通常回転状態になったことを示している。
【0025】図8のt2〜t3の期間(クランキング
中)は、図6のステップ260で「No」と判定され、
ステップ200に戻る。従って、t3のタイミングま
で、ステップ200→210→260→200を繰り返
し実行する。そして、図8のt3のタイミングで初爆判
別フラグXEXPが「1」となると、デリバリパイプ2
6及びインジェクタ21内のベーパ・エアが排出された
とみなして、図6のステップ200から220に移行す
る。このステップ220では、図5のイニシャルルーチ
ンにてメモリ49に記憶した始動パルスTSTAから予
め設定されている所定値Aを減算して、その減算値を新
たな始動パルスTSTAに設定する。
【0026】この後、ステップ230に移行し、ステッ
プ220にて算出した始動パルスTSTAが基本パルス
TBSEよりも大きいか否かを判定する。もし、始動パ
ルスTSTAが基本パルスTBSEより大きければ、ス
テップ250に移行して始動パルスTSTAをインジェ
クタ21に出力する。一方、ステップ230において始
動パルスTSTAが基本パルスTBASE以下と判定さ
れれば、ステップ240に移行し、基本パルスTBSE
を始動パルスTSTAとする。つまり、ECU35はス
テップ230,240の処理により始動パルスTSTA
が基本パルスTBASE以下になることを防いでいる。
【0027】始動パルスTSTAの出力後、ECU35
はステップ260で現在のエンジン回転数Neが始動後
判別回転数Nstartより大きいか否かを判定する。
この時、図8のt3〜t4のタイミングでは、ステップ
260の判定は「No」となり、ステップ200に戻
る。以後、t4のタイミングになるまで、即ちエンジン
回転数Neが始動後判別回転数Nstartより大きく
なるまで、ステップ200→220→230→250→
260→200の処理を繰り返し実行する。この処理中
のステップ220により、始動パルスTSTAが徐々に
減少していくことになる。そして、図8のt4のタイミ
ングで、エンジン回転数Neが所定の回転域Nstar
tに到達して、ステップ260の判定が「Yes」とな
り、図6の始動時噴射ルーチンを終了する。その後、E
CU35は、図示しない始動後噴射ルーチンに移行し
て、通常の燃料噴射処理を実施する。
【0028】以上のように、本実施例においては、エン
ジン10の高温始動時に、インジェクタ21の噴射燃料
量を増量することにより、エンジン10の高温時に発生
したベーパ・エアをインジェクタ21から排出してい
る。また、エンジン10の初爆時にスタータモータ36
の駆動停止に伴いバッテリ電圧VBが上昇する特性を用
いて初爆を検出し、その初爆時をベーパ・エア排出完了
時とみなしている。そして、ベーパ・エアの排出後、高
温時パルスTPURGを徐々に(処理毎に所定値Aず
つ)小さくなるようにしている。この構成により、リタ
ーン配管が廃止されてエンジン10の高温時に発生した
ベーパ・エアをリターン配管から排出できないリターン
レス配管構成においても、ベーパ・エアを確実にインジ
ェクタ21を通して排出することができる。また、イン
ジェクタ21からの噴射燃料の増量時期を一義的に設定
していた従来の燃料噴射制御装置とは異なり、噴射燃料
を余分に増量することを防ぎ、適切な噴射燃料の増量を
行うことができる。その結果、空燃比がオーバーリッチ
になったり、点火プラグ37に燃料がかぶったりすると
いった諸問題を解決して、エンジン10の高温再始動時
における始動性を向上させることができる。
【0029】次に、デリバリパイプ26内におけるベー
パ・エアの挙動を説明する。燃料配管25を通って燃料
流入口43からデリバリパイプ26内に流入する燃料中
のベーパやエアは、浮力によりデリバリパイプ26内の
上部の副室42に流れ込んで溜められ、それによってベ
ーパ・エアが除かれた燃料が仕切板40の開口部44か
ら燃料分配室41内に流れ込んで溜められる。また、エ
ンジン高温時には燃料分配室41に溜められている燃料
中にベーパが発生することがあるが、このベーパは浮力
により仕切板40の開口部44から副室42内に上昇し
て溜められる。
【0030】各インジェクタ21から燃料を噴射する際
には、燃料分配室41内の燃料がコネクタ管部45,4
6を通して各インジェクタ21に吸い込まれる。1本の
コネクタ管部46を除き、他のコネクタ管部45は、高
さが低く、上端開口から燃料を吸い込むが、1本のコネ
クタ管部46は、副室42内に突出する連通部47と連
続しているため、このコネクタ管部46の上部周壁に等
間隔で形成した燃料吸込み口48から燃料が吸い込まれ
る。このコネクタ管部46については、インジェクタ2
1の吸込み力が連通部47にも作用するため、副室42
内のベーパ・エアが連通部47の上端開口からコネクタ
管部46内に吸い込まれる。
【0031】この場合、コネクタ管部46の内径を連通
部47の内径よりも大きく設定し、コネクタ管部46の
内容積を拡大しているため、副室42から連通部47を
通してコネクタ管部46内に吸い込まれたベーパ・エア
は、高回転・高負荷時でもインジェクタ21に一気に吸
い込まれることはなく、コネクタ管部46内の上部に溜
まりながら徐々にインジェクタ21に吸い込まれるよう
になる。この際、コネクタ管部46内の上部に溜まって
いるベーパ・エアは、コネクタ管部46の上部周壁の燃
料吸込み口48から吸い込まれた燃料によって掻き混ぜ
られ、その攪拌混合作用によりベーパ・エアが微細化さ
れることで、燃料中へのベーパ・エアの溶け込みが促進
される。これにより、高回転・高負荷時でもインジェク
タ21のベーパ・エア吸い込みによる噴射燃料量の減少
量が少くなり、失火が防がれる。しかも、コネクタ管部
46内に吸い込まれたベーパ・エアはコネクタ管部46
から外部に漏れないため、低回転・低負荷時でも上述し
たようにベーパ・エアが燃料中に溶け込みながら少しず
つ排出される。これにより、エンジン回転数や負荷に左
右されずにインジェクタ21の吸込み力を有効に利用し
てベーパ・エアの排出性能を安定して発揮させることが
できる。
【0032】特殊な運転モード(工場ラインでのエンジ
ン車両組付時など)において、副室42に貯留しきれず
に燃料分配室41に流れ込む大量のエアが混入する。こ
の場合は、上述した1本のコネクタ管部46の上部周壁
に形成された燃料吸込み口48が燃料分配室41内の上
部に開口することで、燃料分配室41内の上部に溜まっ
たエアを1本のコネクタ管部46の燃料吸込み口48か
らコネクタ管部46内に吸い込んで、インジェクタ21
から順次排出する。この時、エアを排出する気筒は一時
的に失火状態になり、残った気筒でのみ運転されること
になるが、性能低下が問題にならない特殊な運転モード
でのみ起こるものであるので全く問題はない。
【0033】上記実施例では、コネクタ管部46の上部
周壁に例えば4個の燃料吸込み口48を円周方向に等間
隔に形成しているため、各燃料吸込み口48からコネク
タ管部46内に吸い込まれる燃料が、コネクタ管部46
内の上部に溜まっているベーパ・エアを周囲から挟み込
むように流れ込んで、ベーパ・エアと燃料との攪拌混合
作用が高められ、燃料中へのベーパ・エアの溶け込みが
一層促進される。
【0034】この場合、コネクタ管部46の上部周壁に
等間隔に形成する燃料吸込み口48の個数は4個に限定
されず、3個以下或は5個以上であっても良い。偶数個
の燃料吸込み口48を等間隔に形成すれば、各燃料吸込
み口48が互いに対向した状態になるが、偶数個の燃料
吸込み口48を対向配置にする場合、等間隔に形成しな
い配置も考えられる。また、複数個の燃料吸込み口48
の配置が等間隔配置と対向配置のいずれにも該当しない
配置も考えられる。これらいずれの場合でも、燃料吸込
み口48の個数を複数個にすることで、燃料とベーパ・
エアとの攪拌混合作用を十分に確保することができ、本
発明の所期の目的を十分に達成することができる。ま
た、燃料吸込み口48の形状は、円形に限定されず、四
角形等、他の形状であっても良いことは言うまでもな
い。
【0035】また、上記実施例では、燃料分配室41と
副室42を、1本のデリバリパイプ26の内部を仕切板
40で上下に仕切ることによって形成したので、両室4
1,42を別々のパイプで形成する場合と比較して、両
室41,42の構造を簡略化することができる。しか
も、コネクタ管部46と連通部47を1本の段付きパイ
プによって一体に形成したので、コネクタ管部47と連
通部47の連結構造も簡略化することができ、部品点数
削減・コスト削減の要求を満たすことができる。
【0036】しかしながら、本発明は、燃料分配室と副
室を別々のパイプで形成したり、コネクタ管部と連通部
を別々のパイプで形成しても良く、これらいずれの場合
でも、本発明の所期の目的を十分に達成することができ
る。
【0037】また、上記実施例では、1本のコネクタ管
部46についてのみ上方に延長して連通部47と連通さ
せるようにしたが、これと同様のコネクタ管部と連通部
を2本以上設けるようにしても良い。また、上記実施例
では、連通部47をパイプ状に形成したが、仕切板40
に形成した小孔を連通部とするようにしても良い。
【0038】また、上記実施例では、燃料配管25中に
設けたプレッシャレギュレータ23により燃料配管25
内の燃圧が燃料タンク20の内圧に対して一定圧力に保
たれるようになっているが、プレッシャレギュレータ2
3の背圧室とサージタンク18とを配管で連通させて、
吸気管圧力に対して燃圧を一定に保つようにしても良
い。
【0039】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の請求項1の構成によれば、燃料分配室と副室とを連通
させる連通部とインジェクタの燃料吸入口とをコネクタ
管部で連通させ、該コネクタ管部の内径を前記連通部の
内径よりも大きく設定すると共に、該コネクタ管部の上
部周壁に燃料吸込み口を形成したので、インジェクタの
吸込み力により副室から連通部を通してコネクタ管部内
に吸い込んだベーパやエアを、コネクタ管部内の上部に
一時的に溜めながら、コネクタ管部の上部周壁の燃料吸
込み口から吸い込まれた燃料によって掻き混ぜて燃料中
へのベーパ・エアの溶け込みを促進することができ、高
回転・高負荷時でもインジェクタのベーパ・エア吸い込
みによる噴射燃料量の減少量を少くすることができて、
失火を防ぐことができると共に、エンジン回転数や負荷
に左右されずにインジェクタの吸込み力を有効に利用し
てベーパ・エアの排出性能を安定して発揮させることが
できる。
【0040】また、請求項2,3では、コネクタ管部の
上部周壁に形成する燃料吸込み口の配置を、対向配置又
は等間隔配置にしているので、ベーパ・エアと燃料との
攪拌混合作用を高めることができて、燃料中へのベーパ
・エアの溶け込みを一層促進することができる。
【0041】また、請求項4では、燃料分配室と副室
を、1本のパイプの内部を仕切板で上下に仕切ることに
よって形成し、コネクタ管部と連通部を、1本の段付き
パイプによって一体に形成したので、部品点数削減・構
成簡単化を図ることができて、コスト削減の要求も満た
すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すデリバリパイプ部分の
縦断正面図
【図2】デリバリパイプ部分の縦断側面図
【図3】コネクタ管部の燃料吸込み口形成領域の拡大横
断面図
【図4】エンジン制御システム全体の概略構成図
【図5】イニシャルルーチンの処理の流れを示すフロー
チャート
【図6】始動時噴射ルーチンの処理の流れを示すフロー
チャート
【図7】初爆判別フラグセットルーチンの処理の流れを
示すフローチャート
【図8】図5〜図7のフローチャートを説明するための
タイムチャート
【図9】水温TWと基本パルスTBSEとの関係を示す
【図10】水温TWとパルスTPURG1との関係を示
す図
【図11】吸気温TAとパルスTPURG2との関係を
示す図
【符号の説明】
10…エンジン、12…吸気管、20…燃料タンク、2
1…インジェクタ、22…燃料ポンプ、23…プレッシ
ャレギュレータ、24…燃料フィルタ、25…燃料配
管、26…デリバリパイプ、40…仕切板、41…燃料
分配室、42…副室、43…燃料流入口、44…開口
部、46…コネクタ管部、47…連通部、48…燃料吸
込み口。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料配管から送られてくる燃料を燃料分
    配室内に貯留しつつ各気筒のインジェクタに分配するよ
    うにした内燃機関の燃料供給装置において、 前記燃料分配室の上方にベーパやエアを貯留する副室を
    設け、 前記燃料分配室と前記副室とを少くとも1つの連通部で
    連通させると共に、該連通部と少くとも1つの前記イン
    ジェクタの燃料吸入口とをコネクタ管部で連通させ、該
    コネクタ管部の内径を前記連通部の内径よりも大きく設
    定すると共に、該コネクタ管部の上部周壁に、前記燃料
    分配室内の燃料を吸い込む燃料吸込み口を形成したこと
    を特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
  2. 【請求項2】 前記コネクタ管部の上部周壁には、偶数
    個の燃料吸込み口が互いに対向する位置に形成されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料供
    給装置。
  3. 【請求項3】 前記コネクタ管部の上部周壁には、複数
    個の燃料吸込み口が周方向に等間隔に形成されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料供給装
    置。
  4. 【請求項4】 前記燃料分配室と前記副室は、水平に配
    置した1本のパイプの内部を仕切板で上下に仕切ること
    によって形成され、前記コネクタ管部と前記連通部は、
    1本の段付きパイプによって一体に形成されていること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機
    関の燃料供給装置。
JP7055573A 1995-03-15 1995-03-15 内燃機関の燃料供給装置 Pending JPH08246986A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7055573A JPH08246986A (ja) 1995-03-15 1995-03-15 内燃機関の燃料供給装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7055573A JPH08246986A (ja) 1995-03-15 1995-03-15 内燃機関の燃料供給装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08246986A true JPH08246986A (ja) 1996-09-24

Family

ID=13002476

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7055573A Pending JPH08246986A (ja) 1995-03-15 1995-03-15 内燃機関の燃料供給装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08246986A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020044011A (ko) * 2000-12-05 2002-06-14 이계안 맥동방지판을 갖는 자동차용 연료 시스템의 딜리버리 파이프
JP2019167869A (ja) * 2018-03-23 2019-10-03 愛三工業株式会社 燃料供給装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020044011A (ko) * 2000-12-05 2002-06-14 이계안 맥동방지판을 갖는 자동차용 연료 시스템의 딜리버리 파이프
JP2019167869A (ja) * 2018-03-23 2019-10-03 愛三工業株式会社 燃料供給装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0593053B1 (en) Fuel supply system for internal combustion engines
EP2027380B1 (en) Control apparatus and method for internal combustion engine and fuel property determining apparatus and method
US7367317B2 (en) Control apparatus for internal combustion engine
JPH10176574A (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2006257907A (ja) 内燃機関の始動システム
US5893352A (en) Cylinder injection type fuel control apparatus
JPH0968061A (ja) 燃料供給方法及び燃料供給装置
US5471962A (en) Fuel supply system for internal combustion engines
US5497752A (en) Device for controlling fuel injection of an internal combustion engine
EP1496228A2 (en) Direct injection engine system and start-up method for direct injection engine
US5577482A (en) Fuel supply system for internal combustion engines
JPH109073A (ja) 燃圧センサの特性学習装置
JPH08246986A (ja) 内燃機関の燃料供給装置
JP2004036561A (ja) 筒内噴射型内燃機関の自動停止始動装置
JP3533989B2 (ja) 筒内噴射式火花点火内燃機関の燃料噴射制御装置
KR100337299B1 (ko) 산소센서 레벨 변환에 의한 배출가스 저감방법
JP3334403B2 (ja) 内燃機関の始動判定装置
JP2008163860A (ja) 燃料噴射式エンジンの吸気装置
JPH11236861A (ja) 内燃機関の燃料供給方法およびその装置
JP4049943B2 (ja) 筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置
JPH06249021A (ja) 始動時燃料噴射装置
JPH07279797A (ja) 内燃機関の燃料供給装置
KR100226642B1 (ko) 연료분사제어장치
JP2022119661A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2874074B2 (ja) ブレンド燃料を用いる内燃エンジンの燃料ポンプ駆動方法