JPH08246153A - Cvd原料ガス送入用炭素質管状体 - Google Patents
Cvd原料ガス送入用炭素質管状体Info
- Publication number
- JPH08246153A JPH08246153A JP7072299A JP7229995A JPH08246153A JP H08246153 A JPH08246153 A JP H08246153A JP 7072299 A JP7072299 A JP 7072299A JP 7229995 A JP7229995 A JP 7229995A JP H08246153 A JPH08246153 A JP H08246153A
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- Japan
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- glassy carbon
- cvd
- carbon film
- film
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 CVD反応装置の原料ガス送入管として好適
に用いることのできる炭素質管状体を提供する。 【構成】 厚さ5〜200μm のガラス状カーボンフィ
ルムを巻回して形成した多重層の円筒体を、黒鉛管の内
壁に沿って着脱可能に挿着してなるCVD原料ガス送入
用炭素質管状体。ガラス状カーボンフィルムは、芳香族
ポリイミド樹脂のフィルムを非酸化性雰囲気中で焼成炭
化したものが好ましく使用される。 【効果】 CVD反応の進行とともに原料ガス送入管内
壁に反応生成物が析出堆積しても、円筒体を交換するの
みで容易に再生することができる。
に用いることのできる炭素質管状体を提供する。 【構成】 厚さ5〜200μm のガラス状カーボンフィ
ルムを巻回して形成した多重層の円筒体を、黒鉛管の内
壁に沿って着脱可能に挿着してなるCVD原料ガス送入
用炭素質管状体。ガラス状カーボンフィルムは、芳香族
ポリイミド樹脂のフィルムを非酸化性雰囲気中で焼成炭
化したものが好ましく使用される。 【効果】 CVD反応の進行とともに原料ガス送入管内
壁に反応生成物が析出堆積しても、円筒体を交換するの
みで容易に再生することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性、耐蝕性および
気密性に優れ、特にCVD反応装置の原料ガス送入管と
して好適なCVD原料ガス送入用炭素質管状体に関す
る。
気密性に優れ、特にCVD反応装置の原料ガス送入管と
して好適なCVD原料ガス送入用炭素質管状体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】化学反応を利用して基材表面に薄膜を形
成被覆するCVD(Chemical Vapor Deposition)法にお
いては、基材上で反応析出する原料ガスとして金属ハロ
ゲン化物や有機金属化合物などが用いられており、この
原料ガスをCVD反応炉に供給する原料ガス送入管とし
て、通常、耐熱性および化学的安定性に優れる石英、ア
ルミナ、黒鉛などの管状体が使用されている。しかしな
がら、石英やアルミナは加工性が悪い欠点があるために
黒鉛管状体が賞用されている。
成被覆するCVD(Chemical Vapor Deposition)法にお
いては、基材上で反応析出する原料ガスとして金属ハロ
ゲン化物や有機金属化合物などが用いられており、この
原料ガスをCVD反応炉に供給する原料ガス送入管とし
て、通常、耐熱性および化学的安定性に優れる石英、ア
ルミナ、黒鉛などの管状体が使用されている。しかしな
がら、石英やアルミナは加工性が悪い欠点があるために
黒鉛管状体が賞用されている。
【0003】ところが、黒鉛材は材質組織が比較的多孔
質で表面平滑性が悪いため、原料ガス送入時に一部原料
ガスが化学反応を起こして管の内壁部分に析出堆積し、
黒鉛管状体内部の原料ガス通路を部分的に狭窄する現象
が生じる。このような狭窄現象が生じると、原料ガスの
流れに乱れが生じてCVD反応炉内の反応条件を変動さ
せ、基材面に均一なCVD薄膜を形成することが不可能
となる。このため、CVD操業に際し、定期的に新たな
黒鉛管状体に交換する必要があり、連続操業を妨げる煩
雑な手間と経済的な不利要因となっていた。
質で表面平滑性が悪いため、原料ガス送入時に一部原料
ガスが化学反応を起こして管の内壁部分に析出堆積し、
黒鉛管状体内部の原料ガス通路を部分的に狭窄する現象
が生じる。このような狭窄現象が生じると、原料ガスの
流れに乱れが生じてCVD反応炉内の反応条件を変動さ
せ、基材面に均一なCVD薄膜を形成することが不可能
となる。このため、CVD操業に際し、定期的に新たな
黒鉛管状体に交換する必要があり、連続操業を妨げる煩
雑な手間と経済的な不利要因となっていた。
【0004】ガラス状カーボン材は、黒鉛材に比べて著
しく緻密な組織構造を備え、ガス不透過性で表面平滑性
に優れているため、これをそのままあるいは黒鉛管の内
面に被覆してCVD原料ガス送入用管状体とすれば上記
の問題点を解消することが期待できる。しかし、ガラス
状カーボン材は極めて硬質で脆弱な材質である関係で所
定形状に容易に加工することが困難であるうえ、材料価
格が高いため、それ自体をCVD原料ガス送入用管状体
とすることは実用的ではない。一方、黒鉛管の内面にガ
ラス状カーボンを被覆形成することは工程的に煩雑で、
均一な表面平滑の被覆層を形成することが難しい欠点が
ある。
しく緻密な組織構造を備え、ガス不透過性で表面平滑性
に優れているため、これをそのままあるいは黒鉛管の内
面に被覆してCVD原料ガス送入用管状体とすれば上記
の問題点を解消することが期待できる。しかし、ガラス
状カーボン材は極めて硬質で脆弱な材質である関係で所
定形状に容易に加工することが困難であるうえ、材料価
格が高いため、それ自体をCVD原料ガス送入用管状体
とすることは実用的ではない。一方、黒鉛管の内面にガ
ラス状カーボンを被覆形成することは工程的に煩雑で、
均一な表面平滑の被覆層を形成することが難しい欠点が
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な実情に鑑み鋭意研究を重ねた結果完成されたもので、
反応生成物の付着堆積を効果的に抑制し得る経済的なC
VD原料ガス送入用炭素質管状体の提供を目的としてい
る。
な実情に鑑み鋭意研究を重ねた結果完成されたもので、
反応生成物の付着堆積を効果的に抑制し得る経済的なC
VD原料ガス送入用炭素質管状体の提供を目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明によるCVD原料ガス送入用炭素質管状体
は、厚さ5〜200μm のガラス状カーボンフィルムを
巻回して形成した多重層の円筒体を、黒鉛管の内壁に沿
って着脱可能に挿着してなることを構成上の特徴とす
る。
めの本発明によるCVD原料ガス送入用炭素質管状体
は、厚さ5〜200μm のガラス状カーボンフィルムを
巻回して形成した多重層の円筒体を、黒鉛管の内壁に沿
って着脱可能に挿着してなることを構成上の特徴とす
る。
【0007】本発明において多重層の円筒体を構成する
ガラス状カーボンフィルムとしては、芳香族ポリイミド
樹脂のフィルムを非酸化性雰囲気中で焼成炭化して得ら
れたものが好ましく用いられる。該ガラス状カーボンフ
ィルムは、芳香族ポリイミド樹脂のフィルムを表面粗さ
65μm RMAX 以下の炭素質押え板で挟み付け、押え圧
力を掛けた状態で非酸化性雰囲気中800〜2100℃
の温度で焼成する方法によって製造することができる。
この場合、原料として特にガラス転移温度(Tg)が300
℃以上の芳香族ポリイミド樹脂のフィルムを用いること
が好ましい。この製造技術については、本出願人が開発
提案した特公平6−45444号公報や特開平3−16
4413号公報に詳しく開示されている。この方法によ
り製造されたガラス状カーボンフィルムは、均質高密度
組織を備え、優れた表面平滑性の可撓性薄膜フィルムで
ある。
ガラス状カーボンフィルムとしては、芳香族ポリイミド
樹脂のフィルムを非酸化性雰囲気中で焼成炭化して得ら
れたものが好ましく用いられる。該ガラス状カーボンフ
ィルムは、芳香族ポリイミド樹脂のフィルムを表面粗さ
65μm RMAX 以下の炭素質押え板で挟み付け、押え圧
力を掛けた状態で非酸化性雰囲気中800〜2100℃
の温度で焼成する方法によって製造することができる。
この場合、原料として特にガラス転移温度(Tg)が300
℃以上の芳香族ポリイミド樹脂のフィルムを用いること
が好ましい。この製造技術については、本出願人が開発
提案した特公平6−45444号公報や特開平3−16
4413号公報に詳しく開示されている。この方法によ
り製造されたガラス状カーボンフィルムは、均質高密度
組織を備え、優れた表面平滑性の可撓性薄膜フィルムで
ある。
【0008】ガラス状カーボンフィルムは、厚さが5〜
200μm のものを選択使用する必要がある。厚さが5
μm 未満ではガラス状カーボンフィルムを巻回して円筒
体を形成する際に強度が不足してひび割れが生じ、一
方、200μm を越える厚さになるとフィルムの可撓性
が低下して巻回操作により円筒体を形成することができ
なくなる。なおガラス状カーボンフィルムの厚さは、原
料として用いる芳香族ポリイミド樹脂フィルムの厚さを
制御することにより調整することができる。
200μm のものを選択使用する必要がある。厚さが5
μm 未満ではガラス状カーボンフィルムを巻回して円筒
体を形成する際に強度が不足してひび割れが生じ、一
方、200μm を越える厚さになるとフィルムの可撓性
が低下して巻回操作により円筒体を形成することができ
なくなる。なおガラス状カーボンフィルムの厚さは、原
料として用いる芳香族ポリイミド樹脂フィルムの厚さを
制御することにより調整することができる。
【0009】また、ガラス状カーボンフィルムは結晶性
状として、X線回折法(学振法)により求めた面間隔d
(002) が3.4〜3.85オングストロームの範囲にあ
ることが好ましい。結晶面間隔d(002) が3.4オング
ストロームを下回ると黒鉛化が進み過ぎて気密性が低く
なり、また3.85オングストロームを越えると硬くな
って可撓性が低下する。このような結晶性状は、原料と
なる芳香性ポリイミド樹脂フィルムの炭化、黒鉛化度合
を調節することにより調整することができる。
状として、X線回折法(学振法)により求めた面間隔d
(002) が3.4〜3.85オングストロームの範囲にあ
ることが好ましい。結晶面間隔d(002) が3.4オング
ストロームを下回ると黒鉛化が進み過ぎて気密性が低く
なり、また3.85オングストロームを越えると硬くな
って可撓性が低下する。このような結晶性状は、原料と
なる芳香性ポリイミド樹脂フィルムの炭化、黒鉛化度合
を調節することにより調整することができる。
【0010】このガラス状カーボンフィルムは、巻回し
て円筒形状に形成する。該円筒体はガラス状カーボンフ
ィルムを1層以上の多重層に巻回することにより形成す
るが、例えば挿着すべき黒鉛管の内径より細い円柱マン
ドレルに巻き付けるような手段により重なり合うカーボ
ンフィルム層間に隙間が生じないように緻密に巻回する
ことが好ましい。また、巻回するガラス状カーボンフィ
ルムの多重状態は、余り円筒の肉厚が厚くなると原料ガ
ス送入管のガス流路が狭くなり、薄過ぎると保形性が不
足するため、1〜10層程度に設定することがが好適で
ある。なお、円筒体の外径は黒鉛管の内径より若干小さ
くなるように形成する。
て円筒形状に形成する。該円筒体はガラス状カーボンフ
ィルムを1層以上の多重層に巻回することにより形成す
るが、例えば挿着すべき黒鉛管の内径より細い円柱マン
ドレルに巻き付けるような手段により重なり合うカーボ
ンフィルム層間に隙間が生じないように緻密に巻回する
ことが好ましい。また、巻回するガラス状カーボンフィ
ルムの多重状態は、余り円筒の肉厚が厚くなると原料ガ
ス送入管のガス流路が狭くなり、薄過ぎると保形性が不
足するため、1〜10層程度に設定することがが好適で
ある。なお、円筒体の外径は黒鉛管の内径より若干小さ
くなるように形成する。
【0011】この円筒体を黒鉛製の管の中にその内壁に
沿って挿着する。挿着されたガラス状カーボンフィルム
の円筒体は、適度の弾性復元作用によって若干膨らむの
で黒鉛管の内壁部に密着されるが、その密着力は大きく
ないうえ、ガラス状カーボンフィルムの表面が極めて平
滑であるため容易に取り外すことができ、着脱可能な状
態に挿着することができる。
沿って挿着する。挿着されたガラス状カーボンフィルム
の円筒体は、適度の弾性復元作用によって若干膨らむの
で黒鉛管の内壁部に密着されるが、その密着力は大きく
ないうえ、ガラス状カーボンフィルムの表面が極めて平
滑であるため容易に取り外すことができ、着脱可能な状
態に挿着することができる。
【0012】
【作用】このようにして形成されたCVD原料ガス送入
用炭素質管状体は、ガラス状カーボンフィルムを多重層
に巻回した円筒体が黒鉛管の内壁に沿って挿着されてい
るから、CVD原料ガスをCVD反応炉に送入する際に
直接原料ガスと接触する部分は、ガラス状カーボンから
なる気密性に優れ、かつガラス状の平滑面を呈する。こ
のため、原料ガス送入管内における原料ガスとの反応に
よる析出物の堆積を効果的に抑制、低減することが可能
となる。
用炭素質管状体は、ガラス状カーボンフィルムを多重層
に巻回した円筒体が黒鉛管の内壁に沿って挿着されてい
るから、CVD原料ガスをCVD反応炉に送入する際に
直接原料ガスと接触する部分は、ガラス状カーボンから
なる気密性に優れ、かつガラス状の平滑面を呈する。こ
のため、原料ガス送入管内における原料ガスとの反応に
よる析出物の堆積を効果的に抑制、低減することが可能
となる。
【0013】長時間のCVD操作により原料ガス送入管
内に付着する反応析出物が次第に増大し、原料ガスの流
路に乱れが生じて原料ガスの円滑な送入が妨げられる状
態になったら、使用したガラス状カーボンの円筒体を取
り外し、新たなガラス状カーボンフィルムの円筒体と交
換すればよく、原料ガス送入管全体を交換する必要がな
い。
内に付着する反応析出物が次第に増大し、原料ガスの流
路に乱れが生じて原料ガスの円滑な送入が妨げられる状
態になったら、使用したガラス状カーボンの円筒体を取
り外し、新たなガラス状カーボンフィルムの円筒体と交
換すればよく、原料ガス送入管全体を交換する必要がな
い。
【0014】このように、本発明のCVD原料ガス送入
用炭素質管状体によれば、ガラス状カーボンフィルムか
らなる円筒体を単に交換するだけで、原料ガスが流通す
る管状体の内壁面は常にガラス状カーボンで構成される
から、長期に亘る安定使用が保証される。
用炭素質管状体によれば、ガラス状カーボンフィルムか
らなる円筒体を単に交換するだけで、原料ガスが流通す
る管状体の内壁面は常にガラス状カーボンで構成される
から、長期に亘る安定使用が保証される。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。
明する。
【0016】実施例1 厚さ0.05mm、縦150mm、横110mmの芳香族ポリ
イミド樹脂のフィルム〔東レデュポン(株)製“カプト
ン”〕を表面粗さ20μm RMAX に研磨した最大粒子径
100μm 、嵩密度1.83g/cm3 の黒鉛板〔東海カー
ボン(株)製“G347”、厚さ10mm〕からなる押え
板に挟み付けた。これに60gf/cm2の押え圧力を掛けた
状態で窒素ガス雰囲気炉に入れ、1500℃の温度で焼
成して厚さ40μm 、縦120mm、横90mmのガラス状
カーボンフィルムを得た。なお、X線回折法により測定
した面間隔d(002) は3.52オングストロームであっ
た。
イミド樹脂のフィルム〔東レデュポン(株)製“カプト
ン”〕を表面粗さ20μm RMAX に研磨した最大粒子径
100μm 、嵩密度1.83g/cm3 の黒鉛板〔東海カー
ボン(株)製“G347”、厚さ10mm〕からなる押え
板に挟み付けた。これに60gf/cm2の押え圧力を掛けた
状態で窒素ガス雰囲気炉に入れ、1500℃の温度で焼
成して厚さ40μm 、縦120mm、横90mmのガラス状
カーボンフィルムを得た。なお、X線回折法により測定
した面間隔d(002) は3.52オングストロームであっ
た。
【0017】このガラス状カーボンフィルムを円柱マン
ドレルに対し3重層に巻回して外径9mmの円筒体を形成
し、内径10mmの黒鉛管に挿着して炭素質管状体を作製
した。この炭素質管状体をCVD反応装置の原料ガス送
入管に用い、トリクロロメチルシランと水素の混合ガス
(トリクロロメチルシランの濃度3容量%)を原料ガス
として10l/分の流量でCVD反応炉に送入し、等方性
黒鉛基材にSiCの薄膜を被覆形成した。CVD反応炉
の温度は1600℃に設定したが、炭素質管状体の先端
部の温度は約1500℃であった。この条件で2時間C
VD反応させたのち炉を冷却して、炭素質管状体から円
筒体を取り外した。円筒体は容易に取り外すことができ
たが、先端部の円筒内壁にSiCが約1.8mmの厚さに
析出していた。しかし、黒鉛管の内壁部に反応析出した
SiCは認められなかった。
ドレルに対し3重層に巻回して外径9mmの円筒体を形成
し、内径10mmの黒鉛管に挿着して炭素質管状体を作製
した。この炭素質管状体をCVD反応装置の原料ガス送
入管に用い、トリクロロメチルシランと水素の混合ガス
(トリクロロメチルシランの濃度3容量%)を原料ガス
として10l/分の流量でCVD反応炉に送入し、等方性
黒鉛基材にSiCの薄膜を被覆形成した。CVD反応炉
の温度は1600℃に設定したが、炭素質管状体の先端
部の温度は約1500℃であった。この条件で2時間C
VD反応させたのち炉を冷却して、炭素質管状体から円
筒体を取り外した。円筒体は容易に取り外すことができ
たが、先端部の円筒内壁にSiCが約1.8mmの厚さに
析出していた。しかし、黒鉛管の内壁部に反応析出した
SiCは認められなかった。
【0018】実施例2 厚さ0.125mm、縦150mm、横75mmの芳香族ポリ
イミド樹脂のフィルム〔東レデュポン(株)製“カプト
ン”〕を用い、焼成温度を2000℃とした他は実施例
1と同一の方法により厚さ100μm 、縦120mm、横
60mmのガラス状カーボンフィルムを作成した。なお、
X線回折法により測定した面間隔d(002) は3.42オ
ングストロームであった。
イミド樹脂のフィルム〔東レデュポン(株)製“カプト
ン”〕を用い、焼成温度を2000℃とした他は実施例
1と同一の方法により厚さ100μm 、縦120mm、横
60mmのガラス状カーボンフィルムを作成した。なお、
X線回折法により測定した面間隔d(002) は3.42オ
ングストロームであった。
【0019】このガラス状カーボンフィルムを用い、実
施例1と同様に2重層に巻回して外径9mmの円筒体を形
成し、この円筒体を実施例1で使用した円筒体を取り外
した後の黒鉛管に挿着した。なお、黒鉛管の内壁部には
反応生成物であるSiCが析出していないので円筒は容
易に挿着することができた。このようにして作製した炭
素質管状体を原料ガス送入管として、実施例1と同一の
方法でCVD反応を5時間行ったのち炉を冷却した。円
筒体は炭素質管状体から簡単に取り外すことができた
が、先端部の円筒内壁には約4.3mmの厚さにSiCが
析出していた。また、円筒体を取り外した黒鉛管の内壁
部には反応析出したSiCは殆ど認められなかった。
施例1と同様に2重層に巻回して外径9mmの円筒体を形
成し、この円筒体を実施例1で使用した円筒体を取り外
した後の黒鉛管に挿着した。なお、黒鉛管の内壁部には
反応生成物であるSiCが析出していないので円筒は容
易に挿着することができた。このようにして作製した炭
素質管状体を原料ガス送入管として、実施例1と同一の
方法でCVD反応を5時間行ったのち炉を冷却した。円
筒体は炭素質管状体から簡単に取り外すことができた
が、先端部の円筒内壁には約4.3mmの厚さにSiCが
析出していた。また、円筒体を取り外した黒鉛管の内壁
部には反応析出したSiCは殆ど認められなかった。
【0020】比較例1 厚さ0.007mm、縦150mm、横110mmの芳香族ポ
リイミド樹脂のフィルム〔東レデュポン(株)製“カプ
トン”〕を用いた他は実施例1と同一の方法により、厚
さ4μm 、縦120mm、横90mmのガラス状カーボンフ
ィルムを製造した。このガラス状カーボンフィルムを巻
回して円筒体を形成しようとしたが、強度が不足して2
重層に巻回したところで、ひび割れが生じて円筒体を形
成することができなかった。
リイミド樹脂のフィルム〔東レデュポン(株)製“カプ
トン”〕を用いた他は実施例1と同一の方法により、厚
さ4μm 、縦120mm、横90mmのガラス状カーボンフ
ィルムを製造した。このガラス状カーボンフィルムを巻
回して円筒体を形成しようとしたが、強度が不足して2
重層に巻回したところで、ひび割れが生じて円筒体を形
成することができなかった。
【0021】比較例2 厚さ0.250mm、縦145mm、横110mmの芳香族ポ
リイミド樹脂のフィルム〔宇部興産(株)製“ユピレッ
クス”〕を用いた他は実施例1と同一の方法により、厚
さ210μm 、縦120mm、横95mmのガラス状カーボ
ンフィルムを製造した。このガラス状カーボンフィルム
を巻回して円筒体を形成しようとしたが、可撓性が低い
ために巻回することが困難であった。
リイミド樹脂のフィルム〔宇部興産(株)製“ユピレッ
クス”〕を用いた他は実施例1と同一の方法により、厚
さ210μm 、縦120mm、横95mmのガラス状カーボ
ンフィルムを製造した。このガラス状カーボンフィルム
を巻回して円筒体を形成しようとしたが、可撓性が低い
ために巻回することが困難であった。
【0022】
【発明の効果】以上のとおり、本発明のCVD原料ガス
送入用炭素質管状体によれば、黒鉛管の内壁部にガラス
状カーボンフィルムを多重層に巻回して形成したガラス
状カーボンフィルムの円筒体を挿着した構造からなるか
ら、炭素質管状体内を流通するCVD原料ガスは常にガ
ラス状カーボン面と接触しており、直接黒鉛管に接触す
ることがない。その結果、CVD反応による反応生成物
が析出堆積する現象を効果に抑制することができ、更に
円筒は着脱可能な状態に黒鉛管内に挿着されているの
で、長時間のCVD反応により反応生成物が析出堆積し
ても円筒体を交換するのみで容易に再生することが可能
である。したがって、簡便で安価なCVD反応装置の原
料ガス送入管として好適に用いることができる。
送入用炭素質管状体によれば、黒鉛管の内壁部にガラス
状カーボンフィルムを多重層に巻回して形成したガラス
状カーボンフィルムの円筒体を挿着した構造からなるか
ら、炭素質管状体内を流通するCVD原料ガスは常にガ
ラス状カーボン面と接触しており、直接黒鉛管に接触す
ることがない。その結果、CVD反応による反応生成物
が析出堆積する現象を効果に抑制することができ、更に
円筒は着脱可能な状態に黒鉛管内に挿着されているの
で、長時間のCVD反応により反応生成物が析出堆積し
ても円筒体を交換するのみで容易に再生することが可能
である。したがって、簡便で安価なCVD反応装置の原
料ガス送入管として好適に用いることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 厚さ5〜200μm のガラス状カーボン
フィルムを巻回して形成した多重層の円筒体を、黒鉛管
の内壁に沿って着脱可能に挿着してなることを特徴とす
るCVD原料ガス送入用炭素質管状体。 - 【請求項2】 ガラス状カーボンフィルムが、芳香族ポ
リイミド樹脂のフィルムを非酸化性雰囲気中で焼成炭化
したものである請求項1記載のCVD原料ガス送入用炭
素質管状体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7072299A JPH08246153A (ja) | 1995-03-06 | 1995-03-06 | Cvd原料ガス送入用炭素質管状体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7072299A JPH08246153A (ja) | 1995-03-06 | 1995-03-06 | Cvd原料ガス送入用炭素質管状体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08246153A true JPH08246153A (ja) | 1996-09-24 |
Family
ID=13485259
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7072299A Pending JPH08246153A (ja) | 1995-03-06 | 1995-03-06 | Cvd原料ガス送入用炭素質管状体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08246153A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100427423B1 (ko) * | 2000-05-25 | 2004-04-13 | 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 | Cvd용 인너튜브 |
-
1995
- 1995-03-06 JP JP7072299A patent/JPH08246153A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100427423B1 (ko) * | 2000-05-25 | 2004-04-13 | 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 | Cvd용 인너튜브 |
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