JPH08245948A - 摩擦材組成物 - Google Patents
摩擦材組成物Info
- Publication number
- JPH08245948A JPH08245948A JP5095495A JP5095495A JPH08245948A JP H08245948 A JPH08245948 A JP H08245948A JP 5095495 A JP5095495 A JP 5095495A JP 5095495 A JP5095495 A JP 5095495A JP H08245948 A JPH08245948 A JP H08245948A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- friction material
- material composition
- friction
- powder
- graphite
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Braking Arrangements (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 混合性や分散性を向上させ、得られる摩擦材
の鳴きや異音の発生を防止する摩擦材組成物を提供す
る。 【構成】 繊維状物質、結合剤、摩擦調整剤及びその他
の添加剤を含む摩擦材組成物において、該摩擦調整剤中
に弗化黒鉛の粉末又は弗化黒鉛及び黒鉛の粉末を液状樹
脂又は液状ゴムで被覆した潤滑剤を含有する摩擦材組成
物。
の鳴きや異音の発生を防止する摩擦材組成物を提供す
る。 【構成】 繊維状物質、結合剤、摩擦調整剤及びその他
の添加剤を含む摩擦材組成物において、該摩擦調整剤中
に弗化黒鉛の粉末又は弗化黒鉛及び黒鉛の粉末を液状樹
脂又は液状ゴムで被覆した潤滑剤を含有する摩擦材組成
物。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車、鉄道車両、各
種産業用機械等の制動に用いられる摩擦材を提供する摩
擦材組成物に関する。
種産業用機械等の制動に用いられる摩擦材を提供する摩
擦材組成物に関する。
【０００２】
【従来の技術】自動車、鉄道車両、各種産業用機械等に
は、その制動のための摩擦材が使用されている。この摩
擦材として、従来、特開昭６４−８７９３０号公報、特
開平２−１１７９８５号公報等にスチール繊維を主な構
成繊維としたセミメタリック系摩擦材が主流であった
が、自動車産業界の軽量化や高級化への移行に沿って、
オートマチック車の発進時や停止時の異音発生、低温で
の制動力不足、摩耗粉によるホィール汚れ等の問題点が
出て来た。ここで発生する異音は、速度が毎時３０ｋｍ
程度から減速して行く過程で現われる摩擦材の制動に伴
うノイズ（７０ｄＢ以上の音圧）であり、周波数では約
１００Ｈｚの乗用車に不快を感ずる領域の音である。従
って、これらの問題点を解消するために、スチール繊維
の代替として銅繊維、黄銅繊維等の非鉄繊維、アラミド
繊維などの有機繊維、セラミック繊維などの無機繊維を
使用したノンスチール摩擦材への移行が急速に進んで来
た。
は、その制動のための摩擦材が使用されている。この摩
擦材として、従来、特開昭６４−８７９３０号公報、特
開平２−１１７９８５号公報等にスチール繊維を主な構
成繊維としたセミメタリック系摩擦材が主流であった
が、自動車産業界の軽量化や高級化への移行に沿って、
オートマチック車の発進時や停止時の異音発生、低温で
の制動力不足、摩耗粉によるホィール汚れ等の問題点が
出て来た。ここで発生する異音は、速度が毎時３０ｋｍ
程度から減速して行く過程で現われる摩擦材の制動に伴
うノイズ（７０ｄＢ以上の音圧）であり、周波数では約
１００Ｈｚの乗用車に不快を感ずる領域の音である。従
って、これらの問題点を解消するために、スチール繊維
の代替として銅繊維、黄銅繊維等の非鉄繊維、アラミド
繊維などの有機繊維、セラミック繊維などの無機繊維を
使用したノンスチール摩擦材への移行が急速に進んで来
た。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ノンス
チール摩擦材においても、上記と同様な摩擦材の制動に
伴う異音（ノイズ）の発生があり、未だ解決されていな
い状況にある。従来の技術では、この異音発生を防止す
るため、結合剤にゴム変性樹脂や粉末ゴムを配合して、
摩擦材の柔軟性を向上させて来たが、結合剤自身に柔軟
性を付与するに留まり、摩擦材の制動に伴う異音（ノイ
ズ）の発生を十分に防止するには至っていない。本発明
は、上記した従来技術の問題点を解消し、異音の発生を
防止する摩擦材組成物を提供するものである。
チール摩擦材においても、上記と同様な摩擦材の制動に
伴う異音（ノイズ）の発生があり、未だ解決されていな
い状況にある。従来の技術では、この異音発生を防止す
るため、結合剤にゴム変性樹脂や粉末ゴムを配合して、
摩擦材の柔軟性を向上させて来たが、結合剤自身に柔軟
性を付与するに留まり、摩擦材の制動に伴う異音（ノイ
ズ）の発生を十分に防止するには至っていない。本発明
は、上記した従来技術の問題点を解消し、異音の発生を
防止する摩擦材組成物を提供するものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明は、繊維状物質、
結合剤、摩擦調整剤及びその他の添加剤を含む摩擦材組
成物において、該摩擦調整剤中に弗化黒鉛の粉末又は弗
化黒鉛及び黒鉛の粉末を液状樹脂又は液状ゴムで被覆し
た潤滑剤を含有してなる摩擦材組成物に関する。
結合剤、摩擦調整剤及びその他の添加剤を含む摩擦材組
成物において、該摩擦調整剤中に弗化黒鉛の粉末又は弗
化黒鉛及び黒鉛の粉末を液状樹脂又は液状ゴムで被覆し
た潤滑剤を含有してなる摩擦材組成物に関する。
【０００５】本発明において、繊維状物質としては無機
繊維、有機繊維及び金属繊維があリ、このうち無機繊維
としては、セラミック繊維、ガラス繊維、炭素繊維、ウ
ォラストナイト、人工鉱物質繊維、チタン酸カリウム繊
維等が挙げられ、有機繊維としては、ポリイミド繊維、
ポリアミド繊維、アラミド繊維等が挙げられ、金属繊維
としては、銅繊維、黄銅繊維等の非鉄金属繊維が挙げら
れる。
繊維、有機繊維及び金属繊維があリ、このうち無機繊維
としては、セラミック繊維、ガラス繊維、炭素繊維、ウ
ォラストナイト、人工鉱物質繊維、チタン酸カリウム繊
維等が挙げられ、有機繊維としては、ポリイミド繊維、
ポリアミド繊維、アラミド繊維等が挙げられ、金属繊維
としては、銅繊維、黄銅繊維等の非鉄金属繊維が挙げら
れる。
【０００６】結合剤としては各種の熱硬化性樹脂やゴム
ラテックスが好ましく使用される。熱硬化性樹脂として
は、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリア
ミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙
げられ、これらのうちフェノール樹脂、メチル化メラミ
ン樹脂を用いることが好ましい。
ラテックスが好ましく使用される。熱硬化性樹脂として
は、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリア
ミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙
げられ、これらのうちフェノール樹脂、メチル化メラミ
ン樹脂を用いることが好ましい。
【０００７】摩擦調整剤は、充填剤、増摩擦材及び潤滑
剤に分けられる。充填剤としては、例えば炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム等のような無機物
の粉末やカシューダスト、ゴムダスト、各種樹脂硬化物
の粉末等のような有機物の粉末が挙げられる。増摩擦剤
としては、例えばアルミナ、マイカ、ジルコニア、ヘマ
タイト、シリカ等の無機物の粉末や鉄、鉛、銅等の金属
の粉末が挙げられる。
剤に分けられる。充填剤としては、例えば炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム等のような無機物
の粉末やカシューダスト、ゴムダスト、各種樹脂硬化物
の粉末等のような有機物の粉末が挙げられる。増摩擦剤
としては、例えばアルミナ、マイカ、ジルコニア、ヘマ
タイト、シリカ等の無機物の粉末や鉄、鉛、銅等の金属
の粉末が挙げられる。
【０００８】潤滑剤としては、例えば層間化合物の弗化
黒鉛（式(ＣＦ)n又は(Ｃ2Ｆ)nで表される物質で、ｎは
正の整数)、硫化アンチモン、硫化鉄、硫化モリブデ
ン、タルク、クレー、蛍石、黒鉛等が挙げられる。この
中で弗化黒鉛や黒鉛は優れた潤滑性を示すが、結合剤と
の濡れ性が悪く、均質に分散し難い傾向にある。そこ
で、本発明では弗化黒鉛や黒鉛を粘着性を有する液状樹
脂又は液状ゴムで被覆し、摩擦材組成物の他の成分との
混合性や分散性の向上を図ったものである。弗化黒鉛の
粉末の粒度は２００μｍ以下であることが好ましい。粒
度が大きいと相手材（ロータ材）の面を荒らし易い。
黒鉛（式(ＣＦ)n又は(Ｃ2Ｆ)nで表される物質で、ｎは
正の整数)、硫化アンチモン、硫化鉄、硫化モリブデ
ン、タルク、クレー、蛍石、黒鉛等が挙げられる。この
中で弗化黒鉛や黒鉛は優れた潤滑性を示すが、結合剤と
の濡れ性が悪く、均質に分散し難い傾向にある。そこ
で、本発明では弗化黒鉛や黒鉛を粘着性を有する液状樹
脂又は液状ゴムで被覆し、摩擦材組成物の他の成分との
混合性や分散性の向上を図ったものである。弗化黒鉛の
粉末の粒度は２００μｍ以下であることが好ましい。粒
度が大きいと相手材（ロータ材）の面を荒らし易い。
【０００９】そして、被覆する量は、弗化黒鉛の粉末又
は弗化黒鉛及び黒鉛の粉末１００重量部に対し液状樹脂
又は液状ゴム５〜３０重量部が好ましい。液状樹脂又は
液状ゴムの量が少ないと潤滑剤の粉末への被覆が不十分
となり、多すぎると粉末との混合時に塊が生じ易くな
り、均質なものが得られない。
は弗化黒鉛及び黒鉛の粉末１００重量部に対し液状樹脂
又は液状ゴム５〜３０重量部が好ましい。液状樹脂又は
液状ゴムの量が少ないと潤滑剤の粉末への被覆が不十分
となり、多すぎると粉末との混合時に塊が生じ易くな
り、均質なものが得られない。
【００１０】液状樹脂や液状ゴムは特に制限はないが、
液状樹脂としては例えばカシュー樹脂が挙げられ、液状
ゴムとしては例えばＳＢＲが挙げられる。液状樹脂又は
液状ゴムの使用する際の粘度は常温で５００〜１０００
ポイズが好ましい。粘度が小さいと被覆が不十分とな
り、大きすぎても凝集を起こして被覆が不十分となる。
原液の粘度が大きい場合には適当な溶剤で希釈して使用
することが出来る。
液状樹脂としては例えばカシュー樹脂が挙げられ、液状
ゴムとしては例えばＳＢＲが挙げられる。液状樹脂又は
液状ゴムの使用する際の粘度は常温で５００〜１０００
ポイズが好ましい。粘度が小さいと被覆が不十分とな
り、大きすぎても凝集を起こして被覆が不十分となる。
原液の粘度が大きい場合には適当な溶剤で希釈して使用
することが出来る。
【００１１】摩擦材組成物中の弗化黒鉛の粉末又は弗化
黒鉛及び黒鉛の粉末に液状樹脂又は液状ゴムを被覆した
潤滑剤の含有量は安定した摩擦特性及び強度の点で１．
１〜４０容量％が好ましい。弗化黒鉛の粉末又は弗化黒
鉛及び黒鉛の粉末に液状樹脂又は液状ゴムを被覆した潤
滑剤と硫化アンチモン、硫化鉄、硫化モリブデン等のよ
うな他の被覆しない潤滑剤とを併用しても差し支えな
い。本発明において容量％とは重量を密度で除して算出
した値を示す。
黒鉛及び黒鉛の粉末に液状樹脂又は液状ゴムを被覆した
潤滑剤の含有量は安定した摩擦特性及び強度の点で１．
１〜４０容量％が好ましい。弗化黒鉛の粉末又は弗化黒
鉛及び黒鉛の粉末に液状樹脂又は液状ゴムを被覆した潤
滑剤と硫化アンチモン、硫化鉄、硫化モリブデン等のよ
うな他の被覆しない潤滑剤とを併用しても差し支えな
い。本発明において容量％とは重量を密度で除して算出
した値を示す。
【００１２】本発明の摩擦材組成物は、上記の成分のほ
かに、必要に応じて各種の添加剤例えば分散剤、増粘
剤、可撓化材、界面活性剤等を含有してもよい。摩擦材
は、先ず、弗化黒鉛の粉末又は弗化黒鉛及び黒鉛の粉末
に液状樹脂又は液状ゴムを被覆した潤滑剤を製造し、次
いで、この潤滑剤を摩擦材組成物の他の成分と混合して
成形粉とし、この成形粉を加熱加圧成形して得られる。
かに、必要に応じて各種の添加剤例えば分散剤、増粘
剤、可撓化材、界面活性剤等を含有してもよい。摩擦材
は、先ず、弗化黒鉛の粉末又は弗化黒鉛及び黒鉛の粉末
に液状樹脂又は液状ゴムを被覆した潤滑剤を製造し、次
いで、この潤滑剤を摩擦材組成物の他の成分と混合して
成形粉とし、この成形粉を加熱加圧成形して得られる。
【００１３】
【作用】前述したように、弗化黒鉛や黒鉛を粘着性を有
する液状樹脂又は液状ゴムで被覆した潤滑剤を摩擦剤組
成物の他の成分と混合することにより、該被覆した潤滑
剤の混合性や分散性を向上させ、潤滑剤の脱落等による
分離が防止され、組成に偏りがない摩擦材組成物が得ら
れる。その結果、得られる摩擦材の潤滑性能を良好にし
且つ均質分散的に相手材との界面で挙動させ、異音の発
生を防止する。また、潤滑剤表面に粘着性があるので、
繊維状物質や結合剤と混合すると、これら摩擦材組成物
の他の成分の表面にも有機系の被膜がより多く形成さ
れ、摩擦材組成物自身に柔軟性が付与される。この被膜
及び柔軟性が、得られる摩擦材における摩擦によって生
じた振動を吸収、緩和し、異音発生の抑制に貢献する。
する液状樹脂又は液状ゴムで被覆した潤滑剤を摩擦剤組
成物の他の成分と混合することにより、該被覆した潤滑
剤の混合性や分散性を向上させ、潤滑剤の脱落等による
分離が防止され、組成に偏りがない摩擦材組成物が得ら
れる。その結果、得られる摩擦材の潤滑性能を良好にし
且つ均質分散的に相手材との界面で挙動させ、異音の発
生を防止する。また、潤滑剤表面に粘着性があるので、
繊維状物質や結合剤と混合すると、これら摩擦材組成物
の他の成分の表面にも有機系の被膜がより多く形成さ
れ、摩擦材組成物自身に柔軟性が付与される。この被膜
及び柔軟性が、得られる摩擦材における摩擦によって生
じた振動を吸収、緩和し、異音発生の抑制に貢献する。
【００１４】
【実施例】次に実施例を説明するが、本発明はこれによ
って限定されるものではない。本実施例では次に示す材
料を使用した。 Ａ…弗化黒鉛；徳山セラミックス(株)製、最大粒径２０
μｍ、平均粒径１０μｍ Ｂ…液状カシュー樹脂；自社製、粘度２０００ポイズ Ｃ…シリカ粉；エルケムジャパン(株)製、マイクロシリ
カ Ｄ…セラミック繊維；ニチアス(株)製、ファインフレッ
クスバルクファイバー Ｅ…熱硬化性樹脂；日立化成工業(株)製フェノール樹
脂、商品名ＨＰ４９１ Ｆ…アラミド繊維；東レ(株)製、ケブラー繊維 Ｇ…硫酸バリウム（充填剤）；堺化学工業(株)製、ＢＣ Ｈ…カシューダスト(充填剤)；カシュー(株)製フリクシ
ョンダスト、商品名Ｈ１０１ Ｉ…金属繊維；東京製鋼(株)製、銅ファイバー Ｊ…黒鉛；日本黒鉛工業(株)製、最大粒径４００μｍ、
平均粒径１５０μｍ
って限定されるものではない。本実施例では次に示す材
料を使用した。 Ａ…弗化黒鉛；徳山セラミックス(株)製、最大粒径２０
μｍ、平均粒径１０μｍ Ｂ…液状カシュー樹脂；自社製、粘度２０００ポイズ Ｃ…シリカ粉；エルケムジャパン(株)製、マイクロシリ
カ Ｄ…セラミック繊維；ニチアス(株)製、ファインフレッ
クスバルクファイバー Ｅ…熱硬化性樹脂；日立化成工業(株)製フェノール樹
脂、商品名ＨＰ４９１ Ｆ…アラミド繊維；東レ(株)製、ケブラー繊維 Ｇ…硫酸バリウム（充填剤）；堺化学工業(株)製、ＢＣ Ｈ…カシューダスト(充填剤)；カシュー(株)製フリクシ
ョンダスト、商品名Ｈ１０１ Ｉ…金属繊維；東京製鋼(株)製、銅ファイバー Ｊ…黒鉛；日本黒鉛工業(株)製、最大粒径４００μｍ、
平均粒径１５０μｍ
【００１５】実施例１ 先ず、表１に示す量のＢ材料（固形分としての量）を水
でＢ：水＝１：２に希釈して（重量比）粘度を常温で６
７０ポイズとし、これにＡ及びＪの材料を表１に示す量
加えてニーダーで混練した後、８０℃で６０分乾燥して
水分を除去した。次に前記混合物を表１に示す量の他の
材料（Ｃ〜Ｉ）と共に混合機に入れ、均一に混合して摩
擦材組成物を得た。得られた摩擦材組成物は、材料の脱
落による分離はなく、均質なものであった。なお液状カ
シュー樹脂の含有量は弗化黒鉛及び黒鉛の粉末１００重
量部に対し３０重量部であった。この摩擦材組成物を成
形粉とし、温度１４０℃、圧力４０ＭＰａの条件で１０
分間加熱加圧成形し、更に、２００℃で５時間焼成し、
摺動面の焼付け処理（以下、スコーチ処理と呼ぶ）を５
００℃で５分間施し、冷却後研磨してブレーキパッドを
得た。
でＢ：水＝１：２に希釈して（重量比）粘度を常温で６
７０ポイズとし、これにＡ及びＪの材料を表１に示す量
加えてニーダーで混練した後、８０℃で６０分乾燥して
水分を除去した。次に前記混合物を表１に示す量の他の
材料（Ｃ〜Ｉ）と共に混合機に入れ、均一に混合して摩
擦材組成物を得た。得られた摩擦材組成物は、材料の脱
落による分離はなく、均質なものであった。なお液状カ
シュー樹脂の含有量は弗化黒鉛及び黒鉛の粉末１００重
量部に対し３０重量部であった。この摩擦材組成物を成
形粉とし、温度１４０℃、圧力４０ＭＰａの条件で１０
分間加熱加圧成形し、更に、２００℃で５時間焼成し、
摺動面の焼付け処理（以下、スコーチ処理と呼ぶ）を５
００℃で５分間施し、冷却後研磨してブレーキパッドを
得た。
【００１６】
【表１】
【００１７】比較例１ 表１に示す材料全部を表１に示す量秤量し（Ｂ材料は実
施例１と同様にしてあらかじめ水で希釈）、ニーダーで
混練した後、８０℃で６０分乾燥して水分を除去後、混
合機により均一に混合して摩擦材組成物を得た。得られ
た摩擦材組成物は、材料の脱落や分離が激しく、均質な
組成物にはならなかった。この摩擦材組成物を成形粉と
して、実施例１と同様の工程を経てブレーキパッドを製
造した。
施例１と同様にしてあらかじめ水で希釈）、ニーダーで
混練した後、８０℃で６０分乾燥して水分を除去後、混
合機により均一に混合して摩擦材組成物を得た。得られ
た摩擦材組成物は、材料の脱落や分離が激しく、均質な
組成物にはならなかった。この摩擦材組成物を成形粉と
して、実施例１と同様の工程を経てブレーキパッドを製
造した。
【００１８】上記の実施例及び比較例で得られたブレー
キパッドについて、実車試験（ＪＡＳＯ Ｃ４０２−７
９）を実施して効力（フェード含む）を評価した。ま
た、同試験の中で制動時の鳴き発生率（音圧：７５ｄＢ
以上）及び異音のレベルを評価した。更に、試験前後の
相手材の表面状態から攻撃性を評価した。その結果を表
２に示す。
キパッドについて、実車試験（ＪＡＳＯ Ｃ４０２−７
９）を実施して効力（フェード含む）を評価した。ま
た、同試験の中で制動時の鳴き発生率（音圧：７５ｄＢ
以上）及び異音のレベルを評価した。更に、試験前後の
相手材の表面状態から攻撃性を評価した。その結果を表
２に示す。
【００１９】
【表２】
【００２０】表２に示されるように、実施例のブレーキ
パッドは、比較例のブレーキパッドと比較して７５ｄＢ
以上の音圧発生率は０で鳴きがなく、異音の発生も殆ど
ない。更に、制動特性（効力）に優れ、相手材攻撃性が
小さく、トータル性能に優れていることが確認された。
パッドは、比較例のブレーキパッドと比較して７５ｄＢ
以上の音圧発生率は０で鳴きがなく、異音の発生も殆ど
ない。更に、制動特性（効力）に優れ、相手材攻撃性が
小さく、トータル性能に優れていることが確認された。
【００２１】
【発明の効果】請求項１における摩擦材組成物は、弗化
黒鉛の粉末又は弗化黒鉛及び黒鉛の粉末に液状樹脂又は
液状ゴムを被覆した潤滑剤を含有するので、摩擦材組成
物の他の成分との混合性や分散性が向上し、また、柔軟
性が付与される結果、得られる摩擦材は組織が均一で鳴
きや異音の発生が極めて小さい。請求項２における摩擦
材組成物は、請求項１における摩擦材組成物の効果を奏
し、さらに摩擦材の摩擦特性を安定させ、強度の低下を
防止する。請求項３における摩擦材組成物は、請求項１
における摩擦材組成物の効果を奏し、さらに潤滑剤粉末
への被覆が十分となり、粉末との混合時に塊が生じるの
を防ぐ効果がある。請求項４における摩擦材組成物は、
請求項１における摩擦材組成物の効果を奏し、さらに相
手材（ロータ）の面を荒らすことがなくなる。請求項５
における摩擦材組成物は、請求項１における摩擦材組成
物の効果を奏し、さらに弗化黒鉛の粉末又は弗化黒鉛及
び黒鉛の粉末への被覆を十分にすることが出来る。
黒鉛の粉末又は弗化黒鉛及び黒鉛の粉末に液状樹脂又は
液状ゴムを被覆した潤滑剤を含有するので、摩擦材組成
物の他の成分との混合性や分散性が向上し、また、柔軟
性が付与される結果、得られる摩擦材は組織が均一で鳴
きや異音の発生が極めて小さい。請求項２における摩擦
材組成物は、請求項１における摩擦材組成物の効果を奏
し、さらに摩擦材の摩擦特性を安定させ、強度の低下を
防止する。請求項３における摩擦材組成物は、請求項１
における摩擦材組成物の効果を奏し、さらに潤滑剤粉末
への被覆が十分となり、粉末との混合時に塊が生じるの
を防ぐ効果がある。請求項４における摩擦材組成物は、
請求項１における摩擦材組成物の効果を奏し、さらに相
手材（ロータ）の面を荒らすことがなくなる。請求項５
における摩擦材組成物は、請求項１における摩擦材組成
物の効果を奏し、さらに弗化黒鉛の粉末又は弗化黒鉛及
び黒鉛の粉末への被覆を十分にすることが出来る。
Claims (5)
- 【請求項１】 繊維状物質、結合剤、摩擦調整剤及びそ
の他の添加剤を含む摩擦材組成物において、該摩擦調整
剤中に弗化黒鉛の粉末又は弗化黒鉛及び黒鉛の粉末を液
状樹脂又は液状ゴムで被覆した潤滑剤を含有してなる摩
擦材組成物。 - 【請求項２】 摩擦材組成物中に液状樹脂又は液状ゴム
で被覆した潤滑剤を１．１〜４０容量％含有してなる請
求項１記載の摩擦材組成物。 - 【請求項３】 液状樹脂又は液状ゴムで被覆した潤滑剤
が、弗化黒鉛の粉末又は弗化黒鉛及び黒鉛の粉末１００
重量部に対し液状樹脂又は液状ゴム５〜３０重量部であ
る請求項１又は２記載の摩擦材組成物。 - 【請求項４】 弗化黒鉛粉末の粒度が２００μｍ以下で
ある請求項１、２又は３記載の摩擦材組成物。 - 【請求項５】 液状樹脂又は液状ゴムの粘度が常温で５
００〜１０００ポイズである請求項１、２、３又は４記
載の摩擦材組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5095495A JPH08245948A (ja) | 1995-03-10 | 1995-03-10 | 摩擦材組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5095495A JPH08245948A (ja) | 1995-03-10 | 1995-03-10 | 摩擦材組成物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08245948A true JPH08245948A (ja) | 1996-09-24 |
Family
ID=12873226
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5095495A Pending JPH08245948A (ja) | 1995-03-10 | 1995-03-10 | 摩擦材組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08245948A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN104946201A (zh) * | 2014-03-31 | 2015-09-30 | 比亚迪股份有限公司 | 摩擦材料、由摩擦材料制成的刹车片及其制备方法、以及车辆 |
-
1995
- 1995-03-10 JP JP5095495A patent/JPH08245948A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN104946201A (zh) * | 2014-03-31 | 2015-09-30 | 比亚迪股份有限公司 | 摩擦材料、由摩擦材料制成的刹车片及其制备方法、以及车辆 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| CN100572843C (zh) | 摩擦材料 | |
| US6670408B2 (en) | Friction material | |
| JP2003503555A (ja) | ブレーキライニングに用いるための硫化ビスマス含有固体潤滑剤 | |
| JP2002226834A (ja) | 非石綿系摩擦材 | |
| JP2003238700A (ja) | 非石綿系摩擦材 | |
| JP2003313312A (ja) | 非石綿系摩擦材 | |
| US6579920B2 (en) | Friction pads and disks and compositions and methods for producing same | |
| JPH08245948A (ja) | 摩擦材組成物 | |
| JP2001107025A (ja) | 非石綿系摩擦材 | |
| JP2001311071A (ja) | 非石綿系摩擦材 | |
| JPH0693110A (ja) | 非石綿系摩擦材 | |
| JPH08209116A (ja) | ブレーキパッド用摩擦材組成物及びブレーキパッドの製造法 | |
| JP2002097455A (ja) | 摩擦材組成物及び摩擦材組成物を用いた摩擦材 | |
| JP2001247852A (ja) | 非石綿系摩擦材 | |
| JPH06129455A (ja) | 非石綿系摩擦材 | |
| JP3505190B2 (ja) | 非石綿系摩擦材 | |
| JPH0711237A (ja) | 摩擦材用予備組成物及び摩擦材組成物 | |
| JP2000026839A (ja) | 摩擦材組成物、摩擦材組成物の製造法及び摩擦材組成物を用いた摩擦材 | |
| JPH08209115A (ja) | ブレーキパッド用摩擦材組成物 | |
| JP3865265B2 (ja) | 摩擦材 | |
| JP2000219873A (ja) | 耐熱性乾式摩擦材 | |
| JPH08135701A (ja) | 摩擦材 | |
| JPH11310773A (ja) | 摩擦材組成物、摩擦材組成物の製造法及び摩擦材組成物を用いた摩擦材 | |
| JP2002275452A (ja) | 非石綿系摩擦材 | |
| JPH09286973A (ja) | 非石綿系摩擦材 |