JPH08245873A - 新規な硬化型難燃化ポリフェニレンエーテル系樹 脂組成物および積層板 - Google Patents

新規な硬化型難燃化ポリフェニレンエーテル系樹 脂組成物および積層板

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JPH08245873A
JPH08245873A JP4946495A JP4946495A JPH08245873A JP H08245873 A JPH08245873 A JP H08245873A JP 4946495 A JP4946495 A JP 4946495A JP 4946495 A JP4946495 A JP 4946495A JP H08245873 A JPH08245873 A JP H08245873A
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polyphenylene ether
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laminate
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Masakatsu Kuroki
正勝 黒木
Teruo Katayose
照雄 片寄
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた誘電特性、難燃性、耐薬品性、耐熱性
を示すポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を提供す
る。 【構成】 (a)ポリフェニレンエーテル、(b)トリ
アリルシアヌレートおよび/またはトリアリルイソシア
ヌレート、(c)特定の難燃剤を含んでなるポリフェニ
レンエーテル系樹脂組成物および積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は硬化性樹脂組成物および
これを硬化して得られる硬化体に関する。さらに本発明
は、該硬化体と金属箔からなる積層体に関する。本発明
の樹脂組成物は、硬化後において優れた難燃性、耐薬品
性、誘電特性、耐熱性を示し、電子産業、宇宙・航空機
産業等の分野において誘電材料、絶縁材料、耐熱材料に
用いることができる。
【0002】
【従来の技術】近年、通信用、民生用、産業用等の電子
機器の分野における実装方法の小型化、高密度化への指
向は著しいものがあり、それに伴って材料の面でもより
優れた耐熱性、寸法安定性、電気特性が要求されつつあ
る。例えばプリント配線基板としては、従来からフェノ
ール樹脂やエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を材料とす
る銅張り積層板が用いられてきた。これらは各種の性能
をバランスよく有するものの、電気特性、特に高周波領
域での誘電特性が悪いという欠点を持っている。この問
題を解決する新しい材料としてポリフェニレンエーテル
が近年注目をあび銅張積層板への応用が試みられてい
る。
【0003】本来、溶剤に対する耐薬品性を全く持って
いないポリフェニレンエーテルを利用する方法の一つ
は、硬化性のポリマーやモノマーを配合して用いる方法
である。硬化性のポリマーやモノマーとしては、エポキ
シ樹脂(特開昭58−69046号など)、1,2−ポ
リブタジエン(特開昭59−193929号など)、多
官能性マレイミド(特開昭56−133355号な
ど)、多官能性シアン酸エステル(特開昭56−141
349号など)、多官能性アクリロイルまたはメタクリ
ロイル化合物(特開昭57−149317号など)、ト
リアリルイソシアヌレートおよび/またはトリアリルシ
アヌレート(特開昭61−218652号など)、イソ
シアネート化合物等、数多くの例が知られている。
【0004】しかしながら、硬化性のモノマーやポリマ
ーの添加は、確かに耐薬品性を改善する事はできるもの
の、ポリフェニレンエーテルが本来持っている優れた耐
熱性または誘電特性を大幅に低下させることが多く、加
工性などの点でも難点が少なくなかった。また、一般に
硬化性のモノマーやポリマーの添加によってポリフェニ
レンエーテル単独の場合に比べて燃焼性が増大してしま
う傾向があり、硬化性樹脂を民生用、産業用機器の部品
として用いる場合には著しく用途が限定されてしまって
いた上、樹脂に難燃剤を付与するための有効な一手段で
あるデカブロモジフェノール類縁化合物の添加は環境保
護の観点から制限もしくは禁止の方向にある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
事情に鑑みてなされたものであり、ポリフェニレンエー
テルの優れた誘電特性を保持し、かつ硬化後において優
れた難燃性、耐薬品性および耐熱性を示す新規な硬化性
樹脂組成物を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述のよう
な課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、本発明の
目的に沿った新規な樹脂組成物を見い出し本発明を完成
するに到った。本発明は次に述べる3つの発明により構
成される。本発明の第一は(a)ポリフェニレンエーテ
ル、(b)トリアリルシアヌレートおよび/またはトリ
アリルイソシアヌレート、および(c)一般式(1)〜
(3)によって表される少なくとも一種の難燃剤からな
る硬化性樹脂組成物であって、(a)成分と(b)成分
の和100重量部を基準として(a)成分が75〜40
重量部、(b)成分が25〜60重量部、(c)成分が
5〜100重量部であることを特徴とする硬化性樹脂組
成物を提供する。
【0007】本発明の第二は上記第一発明の硬化性樹脂
組成物を硬化して得られる硬化樹脂組成物を提供する。
本発明の第三は上記第二発明の硬化樹脂組成物と金属箔
からなる積層体を提供する。以下にこの発明を詳しく説
明する。
【0008】本発明の(a)成分として使用されるポリ
フェニレンエーテルは次の一般式(4)で表される。
【0009】
【化4】
【0010】一般式AにおけるR1〜R4の低級アルキル
基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基等が
挙げられる。アリール基の例としては、フェニル基等が
挙げられる。ハロアルキル基の例としては、ブロモメチ
ル基、クロロメチル基等が挙げられる。ハロゲン原子の
例としては臭素、塩素等が挙げられる。
【0011】一般式(4)のQの代表的な例としては、
つぎの4種の一般式(5)で表される化合物群が挙げら
れる。
【0012】
【化5】
【0013】具体例として、下記式(6)〜(7)等が
挙げられる。
【0014】
【化6】
【0015】
【化7】
【0016】一般式(4)中のJで表されるポリフェニ
レンエーテル鎖中には、一般式Aで表される単位の他、
次の一般式(B)で表される単位が含まれていてもよ
い。
【0017】
【化8】
【0018】本発明に用いられる一般式(4)のポリフ
ェニレンエーテル樹脂の好ましい例としては、2,6−
ジメチルフェノールの単独重合で得られるポリ(2,6
−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ
(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)の
スチレングラフト重合体、2,6−ジメチルフェノール
と2,3,6−トリメチルフェノールの共重合体、2,
6−ジメチルフェノールと2−メチル−6−フェニルフ
ェノールの共重合体、2,6−ジメチルフェノールと多
官能フェノール化合物
【0019】
【化9】
【0020】の存在下で重合して得られた多官能性ポリ
フェニレンエーテル樹脂、例えば特開昭63−3012
22号公報、特開平1−297428号公報に開示され
ているような前記一般式(A)および(B)の単位を含
む共重合体等が挙げられる。以上述べたポリフェニレン
エーテル樹脂の分子量については、30℃、0.5g/
dlのクロロホルム溶液で測定した粘度数ηsp/cが
0.1〜1.0の範囲にあるものが良好に使用できる。
溶融樹脂流れを重視する硬化性樹脂組成物、例えば多層
配線板用プリプレグとしては、粘度数の小さい樹脂が好
ましい。
【0021】本発明の樹脂組成物の(b)成分として用
いられるトリアリルイソシアヌレートおよび/またはト
リアリルシアヌレートとは、それぞれ次の構造式で表さ
れる3官能性モノマーである。
【0022】
【化10】
【0023】本発明を実施する上においては、トリアリ
ルイソシアヌレートおよびトリアリルシアヌレートはそ
れぞれ単独で用いられるだけでなく、両者を任意の割合
で混合して用いることが可能である。本発明において、
トリアリルイソシアヌレートおよびトリアリルシアヌレ
ートは、可塑剤ならびに架橋剤としての効果を発揮す
る。すなわち、プレス時の樹脂流れの向上と架橋密度の
向上をもたらす。
【0024】本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組
成物の(c)成分は、一般式(1)〜(3)で表される
少なくとも一種の難燃剤である。一般式(1)において
は、m+nは、難燃化効果の観点から9以上が好ましく
10が最も好ましい。Zの炭素の個数は4以下であれば
いくつでもよいが、−CH2 CH2 −が最も好ましい構
造として挙げられる。また、Zは任意の個数の水素が臭
素置換されていてよい。
【0025】一般式(3)においては、p+qは、難燃
化効果の観点から9以上が好ましく10が最も好まし
い。 Z’の炭素の個数は4以下であればいくつでもよ
いが、−CH2 CH2 −が最も好ましい構造として挙げ
られる。また、Z’は任意の個数の水素が臭素置換され
ていてよい。以上の難燃剤は、それぞれ単独で用いられ
るだけでなく、任意の割合で混合して用いてもよい。ま
た、本来の性質を損なわない範囲で、これ以外の難燃剤
を添加してもよい。
【0026】本発明の樹脂組成物においては、以上説明
した成分のうち(a)成分と(b)成分の配合割合は、
両者の和100重量部を基準として(a)成分が75〜
40重量部、(b)成分が25〜60重量部である。
(b)成分が25重量部未満では耐薬品性の改善が不十
分であり、逆に60重量部を越えると誘電特性が低下
し、硬化後において脆い材料になるので好ましくない。
【0027】本発明の樹脂組成物に用いられる(c)成
分の配合割合は、(a)成分と(b)成分の和100重
量部を基準として5〜100重量部、好ましくは5〜7
0重量部、より好ましくは5〜50重量部である。
(c)成分が5重量部未満のときは十分な難燃性が得ら
れがたく、100重量部を越えると、溶融成形時の樹脂
の流動性が低下したり、金属箔に対する接着力が低下す
ることがある。
【0028】上記の(a)〜(c)成分を混合する方法
としては、各成分を溶媒中に均一に溶解または分散させ
る溶液混合法、あるいは押し出し機等により加熱して行
う溶融ブレンド法等が利用できる。溶液混合に用いられ
る溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、トリ
クロロエチレンなどのハロゲン系溶媒;ベンゼン、トル
エン、キシレンなどの芳香族系溶媒;テトラヒドロフラ
ンなどが単独であるいは二種以上を組み合わせて用いら
れる。
【0029】本発明の樹脂組成物は、あらかじめその用
途に応じて所望の形に成形してもよい。成形方法は特に
限定されない。通常は、樹脂組成物を上述した溶媒に溶
解させ好みの形に成形するキャスト法、または樹脂組成
物を加熱溶融し好みの形に成形する加熱溶融法が用いら
れる。上述したキャスト法と加熱溶融法は単独で行って
もよい。またそれぞれを組み合わせて行ってもよい。例
えば、キャスト法で作成された本樹脂組成物のフィルム
を数〜数十枚積層し、加熱溶融法、例えばプレス成形機
で加熱溶融し、本樹脂組成物のシートを得ることができ
る。
【0030】本発明の硬化性樹脂組成物およびその硬化
性複合材料は後述するように加熱等の手段により架橋反
応を起こして硬化するが、その際の反応温度を低くした
り不飽和基の架橋反応を促進する目的でラジカル開始剤
を含有させて使用してもよい。本発明の樹脂組成物に用
いられるラジカル開始剤の量は(a)成分と(b)成分
の和100部を基準としてを基準として0.1〜10重
量部、好ましくは0.1〜8重量部である。
【0031】ラジカル開始剤の代表的な例を挙げると、
ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサ
イド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロ
パーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−
ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパー
オキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α,
α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピ
ル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、
ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチル
パーオキシベンゾエート、2,2−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)オクタン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾ
イルパーオキシ)ヘキサン、ジ(トリメチルシリル)パ
ーオキサイド、トリメチルシリルトリフェニルシリルパ
ーオキサイド等の過酸化物があるがこれらに限定されな
い。また過酸化物ではないが、2,3−ジメチル−2,
3−ジフェニルブタンもラジカル開始剤として使用でき
る。しかし、本樹脂組成物の硬化に用いられる開始剤は
これらの例に限定されない。
【0032】本発明の樹脂組成物は、その用途に応じて
所望の性能を付与させる目的で本来の性質を損なわない
範囲の量の充填剤や添加剤を配合して用いることができ
る。充填剤は繊維状であっても粉末状であってもよく、
カーボンブラック、アルミナ、タルク、雲母、ガラスビ
ーズ、ガラス中空球等を挙げることができる。添加剤と
しては、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、可塑剤、
顔料、染料、着色剤等が挙げられる。
【0033】さらには、他の熱可塑性樹脂、あるいは熱
硬化性樹脂を一種または二種以上配合することも可能で
ある。熱可塑性樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリブテン、エチレン・プロピレン共重合体、ポ
リ(4−メチル−ペンテン)等のポリオレフィン類およ
びその誘導体、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン6・
6、ナイロン6・10、ナイロン12などのポリアミド
類およびその誘導体、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリエチレンテレフタレート・ポリエチレングリコ
ールブロック共重合体などのポリエステル類およびその
誘導体、各種変性ポリフェニレンエーテル、ポリカーボ
ネート、ポリアセタール、ポリスルフォン、ポリ塩化ビ
ニルおよびその共重合体、ポリ塩化ビニリデンおよびそ
の共重合体、ポリメチルメタクリレート類、アクリル酸
(またはメタクリル酸)エステル共重合体類、ポリスチ
レン類、アクリロニトリルスチレン共重合体類、アクリ
ロニトリルスチレンブタジエン系共重合体等のポリスチ
レン類およびその共重合体類、ポリ酢酸ビニル類、ポリ
ビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニル
ブチラール類、エチレン酢酸ビニル共重合体およびその
加水分解物類、ポリビニルアルコール類、スチレンブタ
ジエンブロック共重合体類、ポリブタジエン、ポリイソ
プレン等のゴム類、ポリメトキシエチレン、ポリエトキ
シエチレン等のポリビニルエーテル類、ポリアクリルア
マイド、ポリホスファーゼン類、ポリエーテルスルホ
ン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリフ
ェニレンサルファイド、ポリアミドイミド、熱可塑性ポ
リイミド、芳香族ポリエステル等の液晶ポリマー、側鎖
に液晶成分を含有する側鎖型液晶ポリマー等が挙げられ
る。熱硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂、ポリイミド前
駆体等が挙げられる。
【0034】本発明において、難燃性の一層の向上を図
る目的で酸化アンチモンを添加しても良い。Sb23
よびSb25のいずれも用い得るが、Sb23がより好
ましい。酸化アンチモンは必須ではないが、これを用い
て難燃性を向上させることが可能である。酸化アンチモ
ンの配合割合は(c)成分である難燃剤100重量部を
基準として10〜50重量部、好ましくは10〜40重
量部、最も好ましくは10〜30重量部である。酸化ア
ンチモンが10重量部未満では(c)成分単独の場合に
比べて難燃性の改良効果が十分でなく、50重量部を越
えると溶融成型時の流動性が低下したり、金属箔に対す
る接着力が低下することがある。
【0035】本発明の第2である硬化ポリフェニレンエ
ーテル系樹脂組成物は、以上に述べた硬化性ポリフェニ
レンエーテル系樹脂硬化物組成物を硬化することにより
得られるものである。硬化の方法は任意であり、熱、
光、電子線等による方法を採用することができる。加熱
により硬化を行う場合その温度は、ラジカル開始剤の種
類によっても異なるが、80〜300℃、より好ましく
は120〜250℃の範囲で選ばれる。また時間は、1
分〜10時間程度、より好ましくは1分〜5時間であ
る。
【0036】得られた硬化ポリフェニレンエーテル樹脂
組成物は、赤外吸収スペクトル法、高分解能固体核磁気
共鳴スペクトル法、熱分解ガスクロマトグラフィー等の
方法を用いて樹脂組成を解析することができる。最後に
本発明の第3である積層体について説明する。本発明の
積層体とは、本発明の第2として上述した硬化樹脂組成
物と金属箔より構成されるものである。ここで用いられ
る金属箔としては、例えば銅箔、アルミニウム箔等が挙
げられる。その厚みは特に限定されないが、5〜200
μm、より好ましくは5〜105μmの範囲である。
【0037】本発明の積層体を製造する方法としては、
例えば本発明の第1として上で説明した硬化性樹脂組成
物と、金属箔および/または金属板を目的に応じた層構
成で積層し、加熱加圧下に各層間を接着せしめると同時
に熱硬化させる方法を挙げることができる。本発明の積
層体においては、硬化性複合材料と金属箔が任意の層構
成で積層される。金属箔は表層としても中間層としても
用いることができる。
【0038】上記の他、積層と硬化を複数回繰り返して
多層化することも可能である。金属箔の接着には接着剤
を用いることもできる。接着剤としては、エポキシ系、
アクリル系、フェノール系、シアノアクリレート系等が
挙げられるが、特にこれらに限定されない。上記の積層
成形と硬化は、本発明の第2と同様の条件で行うことが
できる。
【0039】
【実施例】以下、本発明を一層明確にするために実施例
を挙げて説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に
限定するものではない。以下の実施例には、各成分とし
て次のようなものを用いた。 ポリマーA:30℃、0.5g/dlのクロロホルム溶
液で測定した粘度数ηsp/cが0.53のポリ(2,6
−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル) ポリマーB:上記と同様の方法で測定した粘度数ηsp
cが0.40のポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェ
ニレンエーテル) 重合開始剤:2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオキ
サイド(日本油脂 パーヘキシン25B) 難燃助剤:Sb2 3 (日本精鋼 PATOX−M) ガラスクロス:Eガラス製、目付48g/m2
【0040】
【実施例1〜7】ポリフェニレンエーテルAまたはB、
TAICまたはTAC、難燃剤、重合開始剤およびSb
23を表1に示した組成でヘンシェルミキサーを用いて
混合し、プレス成形機により200℃、30分の条件で
成形・硬化させ、厚み約1mmの硬化物を作成した。
【0041】この硬化物は、35℃のジクロロメタン中
に5分間浸漬しても膨潤および外観の変化は、認められ
なかった。また、UL94規格に相当する燃焼性試験を
行ったところ、V−0相当の難燃性を示した。また、熱
機械特性分析装置(TMA)にてガラス転移温度(T
g)を測定したところ、150℃以上という良好な値が
得られた。
【0042】更に、実施例1〜7の組成で両面に70μ
mの銅箔を置いて成形加工し、銅箔引き剥がし強さを測
定したところ(JIS C 6481に準拠)、いずれ
も1.0kg/cmという良好な値を示した。
【0043】
【比較例1】実施例1におけるポリフェニレンエーテル
とTAICの比を70:30から85:15に変えた以
外は実施例1と同様に操作して硬化物を得た。硬化物の
表面にはむらがあり、耐薬品性が劣っていた。
【0044】
【比較例2】実施例1において難燃剤の量を3重量部と
した以外は実施例1と同様に操作して硬化物を得た。燃
焼性試験を行ったところHB相当であった。
【0045】
【比較例3】実施例1において難燃剤の量を110重量
部とした以外は実施例1と同様に操作して硬化物を得
た。硬化物の外観は樹脂の流れ性不足のため不良であっ
た。実施例1〜7および比較例1〜3の結果を表1に示
す。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明の硬化性樹脂組成物は溶媒成膜性
が良好であり、表面のべたつき等がない取扱い性に優れ
たフィルムや金属箔積層体が得られる。本発明の硬化樹
脂組成物は難燃性、耐熱性、耐薬品性および優れた誘電
特性を兼ね備えている優秀な材料である。また、本発明
の硬化樹脂組成物の難燃性はV−0であり、しかも将来
的に禁止が予想されるデカブロモジフェノールを含まな
い。さらに、本発明の硬化性樹脂組成物は金属との接着
性に優れ、積層体として用いることができる。
【0048】従って本発明の材料は、電気産業、電子産
業、宇宙・航空機産業等の分野において誘電材料、絶縁
材料、耐熱材料等として好適に用いることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/3477 C08K 5/3477

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ポリフェニレンエーテル (b)トリアリルシアヌレートおよび/またはトリアリ
    ルイソシアヌレートおよび (c)下記式(1)〜(3)によって表される少なくと
    も一種の難燃剤からなる硬化性樹脂組成物であって、
    (a)成分と(b)成分の和100重量部を基準として
    (a)成分が75〜40重量部、(b)成分が25〜6
    0重量部、(c)成分が5〜100重量部であることを
    特徴とする硬化性樹脂組成物。 【化1】 【化2】 【化3】
  2. 【請求項2】 請求項1記載の硬化性樹脂組成物を硬化
    して得られる硬化樹脂組成物。
  3. 【請求項3】請求項2記載の硬化樹脂組成物と金属箔と
    からなる積層体。
JP4946495A 1995-03-09 1995-03-09 新規な硬化型難燃化ポリフェニレンエーテル系樹 脂組成物および積層板 Withdrawn JPH08245873A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8420210B2 (en) 2003-09-19 2013-04-16 Hitachi Chemical Company, Ltd. Resin composition, prepreg, laminate sheet and printed wiring board using the same and method for production thereof

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8420210B2 (en) 2003-09-19 2013-04-16 Hitachi Chemical Company, Ltd. Resin composition, prepreg, laminate sheet and printed wiring board using the same and method for production thereof

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