JPH0824537B2 - 米粒の食味改良用添加剤 - Google Patents

米粒の食味改良用添加剤

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JPH0824537B2
JPH0824537B2 JP62301250A JP30125087A JPH0824537B2 JP H0824537 B2 JPH0824537 B2 JP H0824537B2 JP 62301250 A JP62301250 A JP 62301250A JP 30125087 A JP30125087 A JP 30125087A JP H0824537 B2 JPH0824537 B2 JP H0824537B2
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rice
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rice grains
water
improving
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利彦 佐竹
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Satake Engineering Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は米粒の食味を改良するための添加剤に関す
る。
従来技術 米飯の食味を左右する大きな要因の一つは米粒の含水
率と含水の状態である。精米後の白米における含水率が
14%に満たない低水分の場合、炊飯の際の浸漬時に当該
白米の腹側(水の浸透路となる細胞間隙が比較的多い)
から胚乳部へ急速に給水が進み、背側(細胞間隙が極め
て小さい)との水分差による歪みによって瞬間的に水中
亀裂を起こして、いわゆる花咲現象が生じ、その亀裂の
割目からでんぷん粒子が吹きでて噛み応えも粘りもない
べとついた低品質の米飯となる。
一方、米の生産者にあっては、政府の水分検査の上限
である15%を超過するのを過度に懸念する余り、過乾燥
気味に供出するきらいがあり、また、精米時の発熱によ
っても米粒から0.5%〜1.0%の水分が失われることが知
られている。
そこで米粒(玄米、白米)を水(水蒸気)と接触さ
せ、米粒の含水率を15%に維持する調湿が行なわれるの
であるが、古米とか元来食味の悪い米は細胞間隙が狭く
なっており、均一な調湿が難しい。また、通常の米粒に
しても白米にした場合、調湿だけで背側と腹側の水の浸
透速度差を縮小することは難しい。
発明が解決しようとする問題点 この発明は精白した米粒(白米)を水に浸漬した場
合、白米粒内部への水の浸透を緩慢に、また、均等に
し、かつ、充分に行なわせることができ、炊飯後に適度
な柔かさと張り及び粘りを有する食味の良い飯となる米
粒を得ることができる食味改良用添加剤の提供を課題と
する。
問題を解決するための手段 食品用の親油性界面活性剤と親水性界面活性剤の混合
物に、変質防止剤と増量剤を加えて混和し、粉末として
米粒の食味改良用添加剤を得る。
作 用 混合界面活性剤により米粒表面における水濡れ及び水
の浸透性が向上される。
実施例 以下の工程を経て米粒に対する食味改良用添加剤を得
る。
工程1…糊状のレシチン1(重量百分比、以下同じ)に
対し粉末のショ糖脂肪酸エステル1.6を混合し、充分に
撹拌し高粘性の混合界面活性剤を得る。
工程2…粉末クエン酸0.5を加えてさらに撹し高粘性液
を得る。
工程3…工程2で得た高粘性液に約70℃のエチルアルコ
ール40(レシチンの1に対する)を加えて液状に溶解す
る。
工程4…前記液状の混合物に可溶性デキストリンを加え
て均一に混和し、白色の粉体を得る。
工程5…前記粉体を約60℃で乾燥し、乾燥後に磨砕して
均一な粉末を得、製品とする。
前記においてレシチンは油性の物質で水に溶けにくい
が、工程1でショ糖脂肪酸エステルと混合することによ
り水に溶け易い混合界面活性剤を得ることができ、ま
た、工程3での熱エチルアルコールへの溶解がスムーズ
となる。
レシチンとショ糖脂肪酸エステルの混合比率は米粒表
面の親水性、親油性の程度に合せたものでレシチンに対
するショ糖脂肪酸エステルの割合は1.0〜3.0の範囲が好
適であり食味試験の結果1.6付近が最適であった。
クエン酸は変質防止剤として加えるもので0.2〜1.0の
範囲で添加することができる。
工程3で用いる熱エチルアルコールは混合界面活性剤
を均一に分散させるための溶媒であり製品には含まれな
い。また、工程4における可溶性のデキストリンは均一
に分散した混合界面活性剤をその状態で固定するための
単なる増量剤で通常は40倍〜100倍程度が良い。前記の
約90倍は好適である。
工程5は粉体の組成をさらに細かに均一化するためで
ある。
このようにして得た米粒の食味改良用添加剤は、米粒
の調湿時に水に溶かして噴霧するなどの手段により米粒
表面から内部に吸収させる。濃度は含有レシチンの重量
が米粒重量に対し5ppm程度になるようにする。この値を
越えると前記の混合界面活性剤は親油性の傾向を示し、
水と米粒(でんぷん)間の界面活性剤としての機能が低
下する。
レシチンは両性の界面活性剤であるが親油性傾向が強
く、ショ糖脂肪酸エステルは親水性傾向の界面活性剤で
あるので、この米粒の食味改良用添加剤を加えた溶液
は、まず米粒(でんぷん)の疎水性表面にレシチンで作
用し、ついでこれにショ糖脂肪酸エステルがかぶさるよ
うにして作用し米粒表面の親水性を向上する。
これは、水の表面張力が小さくなり、小さな細胞間隙
からも水が侵入しやすくなることを意味するので、その
結果、調湿装置内では水が米粒の表面全域から内部へ浸
透し、米粒内部の水分は速やかに増加して米粒内部で均
一に、かつ、充分に分布し、優れた調湿が行なわれる。
このとき前記の混合界面活性剤は水と共に米粒内部の細
かな細胞間隙にまで均一に浸透し残留する。これは細胞
間隙の狭くなっている古米や食味が悪いとされる米粒に
おいても略々同等の結果である。
そして、調湿後の米粒を精白して得た白米を水に浸漬
すると白米粒の内部に充分な水分(15%)が存在するこ
とから、水の浸透は緩慢であり、かつ、調湿時に細胞間
隙など米粒内部に残留していた混合界面活性剤の作用で
米粒の腹側はもちろん、背側の緻密な細胞間隙にも水は
容易に浸透し、白米内部の水分は粒全体でゆっくりと均
等に増加し、白米粒は小さな体積変化率と共に内部の微
細な細胞間隙に至るまで水分が充分にいきわたる。この
状態は本発明による添加剤の水溶液を用いて、精白時に
調湿した白米あるいは精白後に調湿した白米に関しても
同じである。
したがって、この様な白米は炊飯時に水に浸漬して
も、胴割れの生じることはなく、前記した花咲現象はほ
とんどみられない。さらに、この白米は炊飯に最適な15
%の水分を前記のようにして均等に、かつ、粒全体にわ
たり充分に確保しているので、できあがった米飯の粒は
全体にやわらかく、良く膨んでしかも粘りのある、優れ
た食味を呈する。
なお、レシチンは天然の界面活性剤で人体に毒性はな
く、ショ糖脂肪酸エステルも天然物のショ糖と油から構
成され、人体内では消化によりショ糖と脂肪酸に分解さ
れて吸収されるもので無害であり、食品に対し無制限に
使用できるものである。
また、実施態様として前記の食味改良用添加剤にビタ
ミンB2をレシチンの量に対し50〜100倍量追加すると人
体に不足しがちな微量要素の一つが調湿と同時に補給さ
れ好都合である。
発明の効果 米粒の調湿を効率良く均一に行え、米粒に充分な水分
を供給することができる。
白米粒の全域で水の浸透性が良好となり、粒全体に充
分な水分を均一に保有させることができる。
以上の結果、米粒の食味を向上させることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】親油性界面活性剤のレシチン、親水性界面
    活性剤のショ糖脂肪酸エステル、クエン酸及び可溶性デ
    キストリンを混和し、粉末としたことを特徴とする米粒
    の食味改良用添加剤。
  2. 【請求項2】重量百分比でレシチン1.0、ショ糖脂肪酸
    エステル1.0〜3.0、クエン酸0.2〜1.0及び可溶性デキス
    トリンを残量とする割合で加えて均質に混和し粉末とし
    たことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の米粒
    の食味改良用添加剤。
  3. 【請求項3】レシチン量の50〜100倍量のビタミンB2を
    添加してあることを特徴とした特許請求の範囲第1項ま
    たは第2項に記載の米粒の食味改良用添加剤。
JP62301250A 1987-11-28 1987-11-28 米粒の食味改良用添加剤 Expired - Lifetime JPH0824537B2 (ja)

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JPH01228434A (ja) * 1988-03-07 1989-09-12 Satake Eng Co Ltd 米の食味改善方法
JPH01312971A (ja) * 1988-06-10 1989-12-18 Satake Eng Co Ltd 米粒用添加剤及びその使用方法
JPH04112759A (ja) * 1990-08-30 1992-04-14 Terumo Corp 炊飯米用改質剤、炊飯米、改質米および炊飯米の製法

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