JPH08244129A - 樹脂接合型非球面レンズ組立体 - Google Patents

樹脂接合型非球面レンズ組立体

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JPH08244129A
JPH08244129A JP7049751A JP4975195A JPH08244129A JP H08244129 A JPH08244129 A JP H08244129A JP 7049751 A JP7049751 A JP 7049751A JP 4975195 A JP4975195 A JP 4975195A JP H08244129 A JPH08244129 A JP H08244129A
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JP
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lens
resin
aspherical
bonded
lenses
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JP7049751A
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Inventor
Koji Nakada
耕司 中田
Masanori Ichikawa
正典 市川
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】基材レンズの硝種が限定されることなく、容易
に且つ、量産効率を妨げることなく樹脂成形層の吸水防
止が行なえる樹脂接合型非球面レンズ組立体を提供す
る。 【構成】非球面の樹脂成形層2を凸面に形成した基材レ
ンズ1と、この基材レンズ1に対して接合される別部材
レンズ3とを備え、両レンズの間の空間に樹脂成形層2
を内包する形で、基材レンズ1と別部材レンズ3との間
の空間を接着剤4で封止した。 【効果】樹脂成形層が吸水するのを防止することができ
るため、高湿度な環境においても吸水によりレンズの面
精度が変化することない。その結果、樹脂厚さの大きな
レンズであっても光学性能が低下しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非球面を有する樹脂成
形層と、球面または粗い非球面を有するガラスレンズま
たはプラスチックレンズとからなる樹脂接合型非球面レ
ンズ組立体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、非球面レンズの形成法としては、
主として、ガラスを高温にして型に転写するガラスモー
ルド方式によるもの、樹脂を射出成形するもの、基材レ
ンズに非球面樹脂成形層を接合する樹脂接合によるも
の、レンズを研削する精研削方式によるもの、が挙げら
れる。これらのうち、樹脂接合によるものは、成形容易
な紫外線硬化型樹脂液を用いて光学面を形成するため、
所望形状の光学面を有する非球面レンズを比較的容易に
得ることができ、量産性に優れた方法である。このよう
な樹脂接合型レンズは、主体となる基材レンズと、この
表面に接合された非球面を有する薄い(例えば5〜100μ
m)樹脂成形層とからなる。
【0003】樹脂成形層は、一般的にウレタンアクリレ
ート系の樹脂で構成されている。この樹脂成形層は基材
レンズに比べて非常に薄いが、樹脂で形成されているた
め吸水する。ウレタンアクリレート系の樹脂の場合、吸
水率は一般に1〜2%程度である。樹脂成形層は、吸水
することにより膨潤する。膨潤する量は各半径位置での
樹脂厚に依存するので、非球面形成のために不等厚の樹
脂厚を持つ樹脂成形層の場合は、非球面部分の面精度が
悪化する。また、一度吸水した水分は完全に放出される
までに長い時間を要すため、面精度が悪化した状態が長
期間続く。
【0004】このように、従来の技術では、樹脂成形層
が吸水し膨潤するのを防止するのが困難であった。その
ため樹脂成形層が吸水により膨潤した場合を想定し、膨
潤により面変化しても光学性能の低下のないことを確認
する必要があった。樹脂厚さの大きなレンズの場合、膨
潤による面変化により光学性能の低下が大きく製品に組
み込むことが出来なかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これに対し、樹脂接合
型光学素子の成形において、樹脂成形層の吸水による膨
潤を防止する方法としては、幾つか考案されている。
【0006】例えば、主体となる基材レンズを粗い非球
面に加工し、その基材レンズに均一樹脂厚の薄い樹脂成
形層を形成する樹脂接合型非球面レンズが考案されてい
る(特開昭63-157103号公報参照)。この構成において
は、樹脂成形層は吸水し膨潤するが、樹脂厚さが均一で
あるため樹脂成形層は一様に膨潤する。したがって、面
変化が生じない。
【0007】しかし、基材レンズに粗い非球面を使用す
るこの方法の場合、基材レンズの加工精度を補うために
樹脂成形層が必要となる。したがって、基材レンズと樹
脂成形層の光学的特性(屈折率,分散)がほぼ一致して
いる必要がある。そのため、基材レンズの硝種が限定さ
れ、光学設計上の制約が多くなる。
【0008】また、樹脂成形層表面に防水または撥水効
果のある薄膜をコートすることにより吸水による樹脂成
形層の膨潤を防止する方法がある。
【0009】しかし、この方法では薄膜のコートムラ等
の理由から樹脂成形層の吸水を均一に防止することが困
難であり、吸水防止が機能している部分とそうでない部
分で吸水ムラが発生し面変化が生じる。
【0010】したがって、本発明の目的は、基材レンズ
の硝種が限定されることなく、容易に且つ、量産効率を
妨げることなく樹脂成形層の吸水防止が行なえる樹脂接
合型非球面レンズ組立体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による樹脂接合型
非球面レンズ組立体は、非球面の樹脂層を表面に形成し
た第1のレンズと、該第1のレンズに対して直接的また
は間接的に接合される第2のレンズと、両レンズの間の
空間に前記樹脂層を内包する形で、前記第1のレンズと
前記第2のレンズとの間の空間を封止する封止手段とを
備えたことを特徴とする。
【0012】この組立体において、例えば、前記第1お
よび第2のレンズは互いに直接接触し、該接触部に前記
封止手段として接着剤が施される。この場合、第1およ
び第2のレンズを直接接合後、その外周部を塗料で塗
り、該塗料を焼き固めるようにしてもよい。
【0013】あるいは、前記第1および第2のレンズを
内部に装着する鏡筒をさらに備え、該鏡筒内において、
前記第1および第2のレンズは互いに直接接触し、該接
触部に前記封止手段として弾性シール部材が介挿され
る。
【0014】あるいは、前記第1および第2のレンズを
内部に装着する鏡筒をさらに備え、前記第1および第2
のレンズは前記鏡筒内でスペーサを介して接合されると
ともに、前記封止手段として、少なくとも、前記第1の
レンズと前記鏡筒との間の隙間を封止する第1の封止手
段と、前記第2のレンズと前記鏡筒との間の隙間を封止
する第2の封止手段とを有する。これら第1および第2
の封止手段は、例えば、接着剤または弾性シール部材で
ある。
【0015】前記封止手段により密閉される空間に不活
性ガスを注入してもよい。
【0016】
【作用】本発明では、第1および第2のレンズを鏡筒に
組み込む前に、あるいは組み込む際に、表面に樹脂層を
形成した第1のレンズ(基材レンズ)に対して、その樹
脂層を内包する形で、第2のレンズ(別部材レンズ)を
直接的または間接的に接合して、樹脂層の位置する空間
を接着剤あるいは弾性シール部材のような封止手段によ
り封止する。
【0017】本発明によれば、樹脂層が狭い空間に隔離
され外部からの水分あるいは湿気の供給が遮断されるの
で、樹脂厚さの大きなレンズであっても吸水により面変
化することがなくなる。したがって、樹脂層の仕様(厚
さ等)の制限がなくなる。また、本発明の樹脂接合型レ
ンズ組立体は、樹脂成形層の位置する空間を封止する以
外、通常の製法となんら変わらずに製造することができ
る。
【0018】密閉される空間には窒素ガスのような不活
性ガスを注入すれば、樹脂成形層の膨潤防止に、より一
層効果がある。
【0019】また、基材レンズと他のレンズを接合後、
その外周部を塗料(例えばエポキシを主成分とするも
の)で塗り、この塗料を焼き固めるようにすれば、水分
の遮断に、より一層の効果がある。
【0020】レンズ間の接合に接着剤を使用する場合、
接着剤は、シリコーン系接着剤またはエポキシ系接着剤
を採用することにより十分効果が得られる。一般にシリ
コーン系接着剤の場合は密着性は高くないが耐水性に優
れているため、接着後、押え環等によりレンズを固定す
るのであればシリコーン系接着剤を使用した方が望まし
い。
【0021】樹脂成形層の厚さは一般には1〜500μmで
ある。本発明では基材レンズとして非球面を有するもの
を用いる必要がないので、基材レンズ1として精度の高
い球面を持つものを用いることができる。したがって、
樹脂成形層は、基材レンズと屈折率が一致していなくて
もよく、基材レンズの硝種が限定されない。但し、基材
レンズ1として粗い精度の非球面を有するものを用いる
場合には、両者の屈折率が同一または近似していること
が望ましい。
【0022】本発明で用いる放射線の照射強度は、特に
限定しない。もちろん照射途中から段階的若しくは連続
的に照射強度が異なっても構わない。
【0023】放射線の照射時間は、使用する樹脂,樹脂
厚分布,レンズの種類(レンズの分光透過率)などにも
より一概には言えないが、樹脂層全面が、十分硬化し、
連続成形を行った場合、金型形状の転写精度が十分得ら
れる程度の時間まで照射するとよい。ウレタンアクリレ
ート系の樹脂であれば、放射線の照射時間は数秒〜数十
秒程度でよい。
【0024】樹脂成形層は、放射線硬化型樹脂液に放射
線を照射することにより、樹脂液を硬化させた結果とし
て形成される。このような樹脂液の材料としては、例え
ば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、ポリウレタ
ン、ウレタンアルリレート、紫外線硬化型樹脂、変成ア
クリル樹脂などの熱硬化型樹脂を使用しうる。放射線と
しては例えば、紫外線、電子線、γ線、α線などを使用
しうる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について、図面
により詳細に説明する。
【0026】図1は、本発明の第1の実施例に係る樹脂
接合型非球面レンズ組立体の垂直断面図である。この樹
脂接合型非球面レンズ組立体は、球面の基材レンズ1
と、その凸表面に形成された非球面の樹脂層2と、別部
材ガラスレンズ3とからなる。樹脂層2は、基材レンズ
1の凸面の周辺部(外周部)35を環状に露出した形で
設けられている。本実施例では、別部材ガラスレンズ3
の凹面の周縁部を切り欠いた形状(切欠き部)31を有
している。この別部材ガラスレンズ3の凹面のエッジ3
2は基材レンズ1の環状露出部分(周辺部35)に当接
する。この状態で、樹脂層2が別部材ガラスレンズ3の
凹部空間内に内包される。また、別部材ガラスレンズ3
の周辺部の切欠き部31と、これに接する基材レンズ1
の凸面との間に断面略V字状の溝ができ、この溝部分に
接着剤4が施され、両レンズ1、3が互いに接着され
る。この接着剤4は、両レンズを接着するだけでなく、
両レンズ間の空間を密閉(封止)するシール部材として
機能する。
【0027】基材レンズ1及び別部材ガラスレンズ3
は、外径がφ15〜40mmで、中心厚が1〜10mmである。
両面とも球面に研磨加工されている。一方、樹脂成形層
2は、所望の非球面形状を持つ。この樹脂成形層2は、
実施例では、紫外線硬化型樹脂液である商品名アロニッ
クスUV3700またはアロニックス3033HV(東亜合成化学株
式会社製)を使用した。基材レンズ1には、樹脂成形層
2との密着力を向上させるために表面を予めシランカッ
プリング処理を施してある。シランカップリング剤とし
て、ここでは商品名KBM503(信越化学(株)製)を2WT
%エタノール溶液に希釈して使用した。
【0028】次に、図3を参照して、図1の樹脂接合型
非球面レンズ組立体の製法を説明する。
【0029】第1工程は、図1に示す樹脂接合型非球面
レンズ1,2及び別部材ガラスレンズ3を用意する工程
である。基材レンズ1は、直径φ27mm、凹面R1の
曲率半径11.2mmR、凸面R2の曲率半径25.8mm中心
厚み1.5mm、材質BK7である。基材レンズ1のR2
面に樹脂成形層2が形成されている。これは、金型(図
示せず)と基材レンズ1との間に、放射線熱硬化型樹脂
液を介在させ、基材レンズ1表面に樹脂層2を硬化形成
した後、金型を分離して樹脂接合型非球面レンズ1,2
を形成する。一方、別部材ガラスレンズ3は、直径φ3
0mm、凹面R1の曲率半径16.9mmR、凸面R2の曲率
半径65.7mm中心厚み1.3mm、材質BK7である。
樹脂接合型非球面レンズ1,2と別部材ガラスレンズ3
とは、R1面,R2面共に反射防止用コートが蒸着されて
おり、レンズ外周部(アラズリ部)には内面反射防止用
塗料が塗られている(図3a)。
【0030】なお本明細書では、基材レンズ1と樹脂層
2の組合せを樹脂接合型非球面レンズと呼び、これに別
部材ガラスレンズ3、鏡筒6(後述)等を含めて樹脂接
合型非球面レンズ組立体と呼ぶ。
【0031】第2工程は、樹脂接合型非球面レンズ1,
2と、ガラス製の別部材レンズ3とを接着(接合)する
工程である。すなわち、基材レンズ1のR2凸面に形成
された樹脂成形層2を別部材ガラスレンズ3の凹面R1
で覆い、前記2枚のレンズの光軸を調整した後、別部材
ガラスレンズ3の外周部と基材レンズ1のR2面(研磨
面)の接触している部分を接着剤4にて接合する。本実
施例では、接着剤としては、一般的なシリコーン系接着
剤を使用した。接着剤は70℃,2時間にて硬化させた
(図3b)。なお、このとき、密閉される空間には窒素
ガスのような不活性ガスを注入することにより、樹脂成
形層の膨潤防止に、より一層効果がある。
【0032】図2に、本発明による第2の実施例に係る
樹脂接合型非球面レンズ組立体の垂直断面図を示す。こ
の実施例では、別部材レンズ3の外周部に、弾性のシー
ル部材(パッキン等)5が配置され、基材レンズ1の外
周部とシール部材5とが接触し、その状態で両レンズが
鏡筒6内に組み込まれ、別部材レンズ3が押え環7によ
り固定されている。第1の実施例と異なり、本実施例で
はレンズ1と3とは接着剤で接着されない。また、別部
材レンズ3はその凹面の周辺部において、基材レンズ1
の外周部と鏡筒6との間でシール部材5を収納挟持する
ための切欠き部36を有する。鏡筒6は、内方に突出し
たストッパ61を有し、これにより基材レンズ1の凹面
の周縁部を支持する。その他の構成については、第1の
実施例と同じである。
【0033】次に、図4により、この実施例の製法を説
明する。
【0034】第1工程は、図2に示した樹脂接合型非球
面レンズ1,2及び別部材ガラスレンズ3を用意する工
程である。基材レンズ1は、第1の実施例と同様、直径
φ27mm、凹面R1の曲率半径11.2mmR、凸面R2の
曲率半径25.8mm中心厚み1.5mm、材質はBK7で
ある。この基材レンズ1のR2面に樹脂成形層2が形成
されている。一方、別部材ガラスレンズ3も、第1の実
施例と同様、直径φ30mm、凹面R1の曲率半径16.9
mmR、凸面R2の曲率半径65.7mm、中心厚み1.3m
m、材質BK7であるが、その切欠き部36の形状が第
1の実施例の場合と異なっている。樹脂接合型非球面レ
ンズ1,2と別部材ガラスレンズ3について、R1面,R
2面共に反射防止用コートが蒸着されており、レンズ外
周部(アラズリ部には内面反射防止用塗料が塗られてい
るのは、第1の実施例と同様である(図4a)。
【0035】第2工程は、別部材ガラスレンズ3にシー
ル部材5を装着する工程である。別部材ガラスレンズ3
の凹面周縁の切欠き部36にシール部材となるゴムシー
ル部材5を装着する(図4b)。
【0036】第3工程は、基材レンズ1と別部材ガラス
レンズ3とを接触させる工程である。この工程では、基
材レンズ1のR2凸面に形成された樹脂成形層2を別部
材ガラスレンズ3の凹面R1で覆い、両レンズの光軸を
調整する。このとき、シール部材5が内部空間への水分
の進入を妨げるように、別部材レンズ3と基材レンズ1
とが接触する際にシール部材5は若干つぶれる様にする
ことが望ましい。そのためには、切欠き部36に装着し
たときのシール部材5の外径が切欠き部36の縁から若
干はみ出す程度に、シール部材5のサイズおよび切欠き
部36のサイズを選定しておく。
【0037】第4工程は、第3工程で得られた2枚のレ
ンズ(樹脂接合型非球面レンズ1,2と別部材レンズ
3)を鏡筒6内に組み込み固定する工程である。このと
き、鏡筒6は基材レンズ1のR1凹面研磨面の周縁部で
ストッパ61に保持される。この状態で、別部材レンズ
3のR2凸面研磨面を押え環7により固定する。
【0038】図6に、本発明の第3の実施例の構成を示
す。
【0039】本実施例は、第2の実施例(図2)と同
様、鏡筒6によりレンズ1,3を固定するが、以下の点
で第2の実施例と異なる。その第1は、基材レンズ1と
別部材レンズ3とが直接接触せず、両者の間にスペーサ
63が介在することである。第2は、封止のために弾性
ゴムを用いず、接着剤62,64を用いることである。
本実施例では、接着剤62は、鏡筒6内で基材レンズ1
の後周縁切欠き部15とストッパ61との間に施され、
接着剤66は、鏡筒6内で別部材レンズ3の後周縁部と
スペーサ63との間に施される。別部材レンズ3の凸面
周縁部が押え環7により固定される点は第2の実施例と
同様である。この構成によっても、樹脂層2が位置する
空間を密封することができる。
【0040】図7は、本発明の第4の実施例の構成を示
す。本実施例の構成は、接着剤を施す位置が異なる以
外、第3の実施例(図6)と同じである。すなわち、本
実施例では、図6のスペーサ部分に施した接着剤64に
代えて、別部材レンズ3の凸面周縁部と押え環7との間
に接着剤65を施したものである。この構成によって
も、樹脂層2の位置する空間を密封することができる。
【0041】本発明の最終的な目的は、樹脂層2の位置
する空間を封止することにあり、鏡筒を用いた図6、図
7のような例では、少なくとも、基材レンズ1と鏡筒6
との間の隙間を封止する第1の封止手段と、別部材レン
ズ3と鏡筒6との間の隙間を封止する第2の封止手段と
を設ければよい。そのような封止箇所の例として、図
6、図7に示した箇所を示したが、本発明は、図示した
とおりの箇所に限定されるものではない。また、接着剤
62,65,64のすべてを同時に採用してもよい。あ
るいは、いずれかまたはすべての接着剤を、シール部材
5(図2)に代えてもよい。
【0042】尚、上記において特に説明しなかったが、
本発明は、図1、図2に例示の如き基材レンズ1の凸面
側に樹脂層2を設けた構成の非球面レンズを製造する場
合のみに限定されるものではなく、例えば図5に例示の
如き基材レンズ1の凸面側及び凹面側の双方に樹脂層2
をそれぞれ設ける場合、あるいは、凹面側のみ樹脂層を
設ける場合等にも適応し得るものである。
【0043】また、基材レンズ1は製造コストの観点か
ら球面レンズであることが望ましい。しかし、接合面が
粗い非球面を有するレンズでも構わない。粗い非球面と
は、所望の加工精度または面精度(例えば6μm以下ま
たは3μm以下)よりも粗い加工精度を有し、且つ所望
の非球面と同一または近似の非球面を有するものをい
う。このような基材レンズ1は、所望の加工精度よりも
粗くて良いことから、非球面レンズとはいうものの、さ
ほど製造コストは高くならない。このような非球面レン
ズの製造方法は、既に公知であり、また市販の研削機械
により容易に製造可能である。樹脂との接着力を向上さ
せるために基材レンズ1は予めシランカップリング処理
をしておくことが望ましい。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、樹脂成形層が吸水する
のを防止することができるため、高湿度な環境において
も吸水によりレンズの面精度が変化することない。その
結果、樹脂厚さの大きなレンズであっても光学性能を低
下させずに耐環境性に優れた樹脂接合型非球面レンズ組
立体を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る樹脂接合型非球面
レンズ組立体の概略垂直断面である。
【図2】本発明の第2の実施例に係る樹脂接合型非球面
レンズ組立体の概略垂直断面である。
【図3】図1の実施例の製造方法の説明である。
【図4】図2の実施例の製造方法の説明図である。
【図5】本発明の変形例を示す説明図である。
【図6】本発明の第3の実施例に係る樹脂接合型非球面
レンズ組立体の概略垂直断面である。
【図7】本発明の第4の実施例に係る樹脂接合型非球面
レンズ組立体の概略垂直断面である。
【符号の説明】
1…基材レンズ 2…樹脂成形層 3…別部材ガラスレンズ 4,62,64,65…接着剤 5…シール部材 6…鏡筒 7…押え環 31…切欠き部 32…エッジ 35…周辺部 37…ストッパ 63…スペーサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 11:00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非球面の樹脂層を表面に形成した第1のレ
    ンズと、 該第1のレンズに対して直接的または間接的に接合され
    る第2のレンズと、 両レンズの間の空間に前記樹脂層を内包する形で、前記
    第1のレンズと前記第2のレンズとの間の空間を封止す
    る封止手段と、 を備えたことを特徴とする樹脂接合型非球面レンズ組立
    体。
  2. 【請求項2】前記第1および第2のレンズは互いに直接
    接触し、該接触部に前記封止手段として接着剤が施され
    ることを特徴とする請求項1記載の樹脂接合型非球面レ
    ンズ組立体。
  3. 【請求項3】前記第1および第2のレンズを直接接合
    後、その外周部を塗料で塗り、該塗料を焼き固めたこと
    を特徴とする請求項2記載の樹脂接合型非球面レンズ組
    立体。
  4. 【請求項4】前記第1および第2のレンズを内部に装着
    する鏡筒をさらに備え、該鏡筒内において、前記第1お
    よび第2のレンズは互いに直接接触し、該接触部に前記
    封止手段として弾性シール部材が介挿されることを特徴
    とする請求項1記載の樹脂接合型非球面レンズ組立体。
  5. 【請求項5】前記第1および第2のレンズを内部に装着
    する鏡筒をさらに備え、前記第1および第2のレンズは
    前記鏡筒内でスペーサを介して接合されるとともに、前
    記封止手段として、少なくとも、前記第1のレンズと前
    記鏡筒との間の隙間を封止する第1の封止手段と、前記
    第2のレンズと前記鏡筒との間の隙間を封止する第2の
    封止手段とを有することを特徴とする請求項1記載の樹
    脂接合型非球面レンズ組立体。
  6. 【請求項6】前記第1および第2の封止手段は、接着剤
    または弾性シール部材である請求項5記載の樹脂接合型
    非球面レンズ組立体。
  7. 【請求項7】前記封止手段により密閉される空間に不活
    性ガスを注入したことを特徴とする請求項1〜6のいず
    れかに記載の樹脂接合型非球面レンズ組立体。
JP7049751A 1995-03-09 1995-03-09 樹脂接合型非球面レンズ組立体 Pending JPH08244129A (ja)

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