JPH08244044A - 感光性樹脂を用いた複製モデルの作製方法 - Google Patents

感光性樹脂を用いた複製モデルの作製方法

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JPH08244044A
JPH08244044A JP7840895A JP7840895A JPH08244044A JP H08244044 A JPH08244044 A JP H08244044A JP 7840895 A JP7840895 A JP 7840895A JP 7840895 A JP7840895 A JP 7840895A JP H08244044 A JPH08244044 A JP H08244044A
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JP
Japan
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photosensitive resin
compound
ethylenically unsaturated
mold
molecule
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JP7840895A
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Inventor
Shohei Nakamura
庄平 中村
Koji Anai
浩司 穴井
Hiroshi Asada
普 浅田
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 マスターモデルを基に紫外線透過性シリコー
ンゴムにより型を作製し、この型の中に感光性樹脂組成
物を注入し紫外線を照射することによって複製モデルを
作製する方法において、感光性樹脂として特定の不飽和
ポリウレタンアミド基を有するエチレン性不飽和化合
物、アミド基を有さないエチレン性不飽和化合物、光重
合開始剤を必須成分とするものを用いる。 【効果】 短時間の光照射で、高硬度且つニッパでの切
断時ヒビ割れの生じない複製モデルを作製することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感光性樹脂組成物を用い
て注型により複製モデルを作製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】試作品の成型や多品種少量生産のための
複製モデルは、従来マスターモデルからシリコーンゴム
の型をとり、真空中でこの型の中に熱硬化性の樹脂を注
入し、ついで加温硬化させることで行なわれてきた。し
かし、熱硬化性の樹脂は通常二液タイプであり、二液を
混合すると硬化開始までの時間が短いため、その後のシ
リコン型への注入作業を短時間で行なわなければなら
ず、しかも注意していても場合によっては注入操作中に
硬化が始まって不良品を生じることがあるという問題が
あった。更に、混合や注型に使用する容器を樹脂が硬化
しないうちにその都度洗浄する必要があって煩雑である
上に、この方法では熱硬化に2時間程度の長時間を要
し、一日に複製できる数が数個に限られてしまうという
難点もあった。
【0003】一方、特開昭58−80587号公報明細
書には、透明なシリコーンゴムなどの型に一液タイプで
ある紫外線で硬化する注型用合成樹脂を注入して減圧下
で紫外線を照射することで時計用プラスチックケースを
複製する方法が示されている。そして紫外線で硬化する
樹脂としてはスピラン樹脂などの注型用合成樹脂に増感
剤としてベンゾフェノンを入れたものや反応促進剤入り
不飽和ポリエステル樹脂などが使用されており、硬化に
要する時間は20〜30分程度であると記されている。
【0004】又、特開平3−114711号公報明細書
には、透明シリコーンゴム型に感光性樹脂を注入し紫外
線照射により硬化させる方法において、使用する感光性
樹脂としてビスフェノールAのエチレンオキサイド付加
物のジアクリレートとフェニルグリシジルエーテルのア
クリル酸エステルとの混合物に光重合開始剤を添加して
なるものが提案されている。この感光性樹脂の粘度は8
〜14ポイズ程度と低く、光硬化に要する時間も数分以
内であると説明されている。しかし、これらの感光性樹
脂硬化物は靭性に乏しく、樹脂注入部などの余分に硬化
した部分を切断除去する際、複製品にヒビ割れを生じる
という問題を有していた。
【0005】また、注型に用いる感光性樹脂には型の隅
々まで樹脂が行き渡り易いように低粘度であることが必
要であり、更に、注型によって得られる複製品の硬度と
しては20℃のショアーD硬度が少なくとも75度以
上、多くの場合80度以上であることが要求される。そ
の一方で樹脂注入口部分の硬化物など余分な硬化物をニ
ッパなどで切断してもヒビ割れを起こさない程度の靭性
が同時に要求されるが、従来これらを両立するものはな
く、感光性樹脂を用いる注型が実用的に使用され普及す
る上で障害となっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、マスターモ
デルを基に紫外線透過性シリコーンゴムにより型を作製
し、この型の中に感光性樹脂組成物を注入し紫外線を照
射することによって複製モデルを作製する方法におい
て、高硬度でかつ靭性の高い複製品を与える感光性樹脂
組成物を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題は、感光性樹脂組成物として (1)分子内にエチレン性不飽和結合を有する数平均分
子量800〜9000の不飽和ポリウレタン100重量
部 (2)N置換アクリルアミド、N置換または非置換メタ
クリルアミドの中から選ばれた少なくとも一種の化合物
10〜60重量部 (3)分子内にアミド基を有さないエチレン性不飽和化
合物の少なくとも一種40〜100重量部 (4)感光性樹脂全重量に対して0.1〜10重量%の
光重合開始剤 を必須成分とし、且つ20℃における粘度が120P以
下である感光性樹脂組成物を用いることで解決できるこ
とを見出し本発明を完成した。
【0008】以下本発明を詳細に説明する。本発明で使
用される不飽和ポリウレタンはジオール化合物、ジイソ
シアネート化合物、水酸基またはイソシアネート基とエ
チレン性不飽和結合を同時に有する化合物とを反応させ
ることで得ることができる。一般的にはジオール化合物
とジイソシアネート化合物とを反応させ両末端がイソシ
アネート基または水酸基のポリマーとし、これに水酸基
とエチレン性不飽和結合を同時に有する化合物またはイ
ソシアネート基とエチレン性不飽和結合を同時に有する
化合物を反応させることで得られる。
【0009】両末端イソシアネート基のポリウレタンポ
リマーをまず合成し、これに水酸基とエチレン性不飽和
結合を同時に有する化合物を反応させる方法において
は、水酸基とエチレン性不飽和結合を同時に有する化合
物は、両末端にイソシアネート基を有するポリウレタン
ポリマーとの反応を容易にし、副反応を抑えて短時間で
反応を終了させるために、イソシアネート基の数に対し
て水酸基の数が過剰になるように添加して反応させるの
が好ましい。通常2〜5倍程度過剰に添加することが行
なわれる。したがって、得られるものはプレポリマーと
過剰の水酸基含有エチレン性不飽和化合物との混合物と
なる。
【0010】両末端水酸基のポリウレタンポリマーをま
ず合成し、これにイソシアネート基とエチレン性不飽和
結合を同時に有する化合物を反応させる方法において
は、イソシアネート基とエチレン性不飽和結合を同時に
有する化合物は、ポリウレタンポリマーの水酸基の数と
同じかあるいは少ない範囲で添加されるのが一般的であ
るが、この場合撹拌し易くし副反応を抑えるために、ウ
レタン化反応に関与しない成分を希釈剤として用い反応
系の粘度を下げるのが好ましい。イソシアネート基とエ
チレン性不飽和結合を同時に有する化合物を過剰に添加
する場合は、反応終了後水酸基などの活性水素を有する
化合物を加えてイソシアネート基をなくすことが必要で
ある。
【0011】ジオール化合物としては一分子中に水酸基
を2個有する化合物、例えばポリプロピレングリコール
アジペートジオール、ポリネオペンチルグリコールアジ
ペートジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリバ
レロラクトンジオールなどのポリエステルジオールや、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
ポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテルジオ
ールなどを例として挙げることができる。ジオール化合
物の分子量は通常400〜2000程度のものが使用さ
れるが、より強靭なものを得るという観点からは500
〜1000程度の分子量のものを用いるのが好ましい。
【0012】ジイソシアネート化合物としてはイソシア
ネート基を2個有する化合物、例えばトリレンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンイソシアネート、キシリレン
ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどを
挙げることができる。これらの中では粘度をさほど高め
ず、硬く靭性のあるものが得られ易いという点でトリレ
ンジイソシアネートが好ましい。
【0013】水酸基とエチレン性不飽和基を同時に有す
る化合物としては、ヒドロキシエチルメタクリレート、
ヒドロキシプロピルメタクリレート、Nメチロールアク
リルアミド、ポリオキシプロピレングリコールモノメタ
クリレート、ポリオキシエチレングリコールモノメタク
リレートなどを例として挙げることができる。これらの
中では硬度と靭性の観点からヒドロキシエチルメタクリ
レート、ヒドロキシプロピルメタクリレートが好まし
く、より硬度の高いものが得られるヒドロキシプロピル
メタクリレートが最も好ましい。
【0014】イソシアネート基とエチレン性不飽和基を
同時に有する化合物としては例えば水酸基とエチレン性
不飽和基を同時に有する化合物にジイソシアネート化合
物を1対1で付加させることにより得られたものなどを
挙げることができる。
【0015】本発明で使用される不飽和ポリウレタンの
ポリスチレンを標準とするGPC測定によって求められ
る数平均分子量は800〜9000であることが望まし
い。分子量が小さいほど得られる感光性樹脂組成物の粘
度を低くできるという利点を有するものの、分子量がこ
れ以上小さくなると硬化物は硬く脆くなって靭性がなく
なり、複製品の不要部分を切断除去する際にヒビ割れを
生じ易くなるので好ましくない。分子量が大きいと硬化
物の靭性は確保し易いものの、これ以上大きいと得られ
る感光性樹脂組成物の粘度が高くなり注型工程で型の隅
々まで感光性樹脂を行き渡らせるのが難しくなるのに加
えて、得られる硬化物が軟らかくなるほど複製品の特性
として好ましくない面が出てくる。
【0016】本発明では硬度、耐熱性を高めるため必須
成分としてN置換アクリルアミド、メタクリルアミド、
N置換メタクリルアミドの中から選ばれた少なくとも一
種の化合物が使用される。N置換アクリルアミドとして
はN−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリル
アミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−(2−
メトキシエチル)アクリルアミドなどを、またN置換メ
タクリルアミドとしてはN,N−ジメチルメタクリルア
ミド、N−メチロールメタクリルアミドなどを例として
挙げることができる。これらの中では靭性をさほど下げ
ずに硬度、耐熱性を高めるという観点ではN−メチロー
ルアクリルアミド、メタクリルアミドが好適であり、硬
度、耐熱性をさほど下げずに靭性を高めるという観点か
らはジアセトンアクリルアミドが好適である。
【0017】上記のようなN置換アクリルアミド、メタ
クリルアミド、N置換メタクリルアミド類は室温で固体
状のものが多く、単独ではプレポリマーへの溶解がしに
くく溶解可能量に限界のある場合が多い。また溶解でき
てもこれらを用いて得られる組成物は高粘度となり注型
操作が難しくなる。このような欠点を克服するために、
分子内にアミド基を有さないエチレン性不飽和化合物を
合わせて用いる必要がある。
【0018】得られる感光性樹脂組成物の粘度を下げる
という観点では、分子内にアミド基を有さないエチレン
性不飽和化合物として20℃で液体状のエチレン性不飽
和化合物を使用するのが好ましい。このようなエチレン
性不飽和化合物としては、ヒドロキシエチルメタクリレ
ート及びアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレ
ート及びアクリレートなどのヒドロキシアルキルメタク
リレート及びアクリレート、エチレングリコールジメタ
クリレート及びジアクリレート、ジエチレングリコール
ジメタクリレート及びジアクリレート、テトラエチレン
グリコールジメタクリレート及びジアクリレートなどの
ポリオキシエチレングリコールのジメタクリレートやジ
アクリレート、
【0019】プロピレングリコールジメタクリレート及
びジアクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリ
レート及びジアクリレート、トリプロピレングリコール
ジメタクリレート及びジアクリレートなどのポリオキシ
プロピレングリコールのジメタクリレートやジアクリレ
ート、ブタンジオールジメタクリレート及びジアクリレ
ート、ヘキサンジオールジメタクリレート及びジアクリ
レート、ノナンジオールジメタクリレート及びジアクリ
レートなどのアルカンジオールのジメタクリレートやジ
アクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ートやトリアクリレート、などを例として挙げることが
できる。
【0020】これらの中で粘度低減効果が大きく、強伸
度物性や硬度などを高める効果を有するという観点か
ら、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロ
ピルメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタ
クリレートなどが好ましく、更に耐水性や靭性を加味す
るとヒドロキシプロピルメタクリレートが特に好適であ
る。また靭性を保ったまま硬度、耐熱性を更に高めると
いう観点では分子内にアミド基を有さないエチレン性不
飽和化合物の一部として、分子内に芳香族環と2個以上
のエチレン性不飽和基を有する分子量250〜800の
エチレン性不飽和化合物を用いるのが好ましい。
【0021】分子内に芳香族環と2個以上のエチレン性
不飽和基を有する化合物としては下記一般式で現される
ようなビスフェノールA骨格を有するジアクリレートや
ジメタクリレートを例示できる。
【0022】
【化1】
【0023】このような化合物は、ビスフェノールAに
エチレンオキシドやプロピレンオキシドなどを付加さ
せ、ついでアクリル酸やメタクリル酸、あるいはグリシ
ジルメタクリレートなどのエポキシ基とエチレン性不飽
和基を同時に有する化合物などと反応させて得られる。
硬度が高く且つ靭性に優れたものを与えるという観点で
は、上記一般式中のR2 がメチル基で、n1 ,n2 がそ
れぞれ1であるものが最も優れている。
【0024】この他にも分子内に芳香族環と2個以上の
エチレン性不飽和基とを同時に有する化合物としてはフ
タル酸を水酸基とエチレン性不飽和基を同時に有する化
合物でジエステル化したものなどを例示できる。しか
し、このような化合物を感光性樹脂組成物に添加すると
粘度が高くなるので、その添加量は分子内にアミド基を
有さないエチレン性不飽和化合物の内50重量%以下に
抑えることが望ましい。好ましくは5〜35重量%、よ
り好ましくは10〜30重量%の範囲である。
【0025】本発明において使用される(1)不飽和ポ
リウレタン、(2)N置換アクリルアミド、N置換また
は非置換メタクリルアミド、(3)アミド基を有さない
エチレン性不飽和化合物の配合割合は、(1)不飽和ポ
リウレタン100重量部に対して、(2)N置換アクリ
ルアミド、N置換または非置換メタクリルアミドから選
ばれた少なくとも一種の化合物は10〜60重量部、
(3)アミド基を有さないエチレン性不飽和化合物の少
なくとも一種の化合物は40〜100重量部の範囲で配
合されることが望ましい。ただし、不飽和ポリウレタン
の合成において過剰に添加された水酸基とエチレン性不
飽和結合とを同時に含有する化合物などは、アミド基を
有さないエチレン性不飽和化合物の一部として扱う。
【0026】(2)のアミド類がこれより少ないと耐熱
性、硬度アップに関する硬化が小さくなるし、逆に多過
ぎると得られる感光性樹脂の粘度が高くなり過ぎたり靭
性を損なうことがあるので好ましくない。(3)のアミ
ド基を有さないエチレン性不飽和化合物は(1)の不飽
和ポリウレタン100重量部に対して40〜100重量
部の範囲で使用される。これより少ないと得られる感光
性樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎて注型操作において
感光性樹脂を型の隅々まで入れることが難しくなる。ま
た多過ぎると硬化収縮が大きくなり、得られる複製物の
寸法精度が悪化するので好ましくない。
【0027】本発明で使用される光重合開始剤は300
〜400nmの波長の紫外線を吸収して重合を開始させる
能力を有するもので、公知のものを使用できる。例えば
ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテ
ル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソ
ブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、α
−メチロールベンゾインメチルエーテル、α−メトキシ
ベンゾインメチルエーテル、α−エトキシベンゾインエ
チルエーテルなどのベンゾイン誘導体や、1−ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン、1−ベンジル−1−
ジメチルアミノプロピル−p−モルフォリノフェニルケ
トンなどを例として挙げることができる。これらの中で
はα−メトキシベンゾインメチルエーテルやα−エトキ
シベンゾインエチルエーテルが硬化速度が大きく肉厚の
大きいものまで硬化できるという点で特に好適である。
【0028】光重合開始剤の配合量は重合開始有効量で
あれば良いが、通常感光性樹脂組成物の全量に対して
0.1〜10重量%の範囲で使用される。これより少な
いと光開始効率が悪くなり、特にシリコーンゴムと接触
する面での硬化が悪くなり複製品の表面に粘着性が残る
こともあるので好ましくない。逆に多過ぎるとそれ自身
の紫外線吸収が大きくなるために肉厚の大きいものを硬
化させにくくなる上に、硬化物の機械的物性が低下する
ので好ましくない。好ましい範囲は1〜4重量%であ
り、より好ましくは1.5〜3重量%である。
【0029】この他に、感光性樹脂の製造時あるいは貯
蔵時の安定性を確保するために公知の熱重合禁止剤など
の安定剤を加えることができる。このような安定剤の例
としては、p−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−
ブチル−p−クレゾールなどを挙げることができる。更
に、必要に応じて離型剤、紫外線吸収剤、染料、可塑
剤、その他添加剤を含有していても良い。
【0030】作業途中で混入した気泡が抜け易く、また
シリコーンゴム型の隅々にまで行き渡り易くするために
は感光性樹脂の粘度は20℃で120P以下、好ましく
は100P以下であることが望ましい。感光性樹脂の粘
度はエチレン性不飽和化合物、特に液状エチレン性不飽
和化合物の配合比率を高めることで下げることができ
る。液状エチレン性不飽和化合物の中でも分子量の小さ
いものは特に粘度を下げる効果が大きい。また液状の可
塑剤類、例えばシリコンオイルなどを他の特性にさほど
影響を及ぼさない範囲で添加することも粘度を下げるの
に有効である。
【0031】また、感光性樹脂の粘度が高い場合には注
型をする際の感光性樹脂温度を高めることで使用時の粘
度を下げることもできるが、温度によっては変質や複製
品の寸法精度の悪化を引き起こすことがあり、このよう
なことが起こらない温度範囲で使用する必要がある。
【0032】本発明において型として使用されるシリコ
ーンゴムは紫外線を透過する性質を有するものであれば
良く、通常は市販の室温硬化性のRTV透明シリコーン
ゴムが用いられるが、半透明シリコーンゴムであっても
注型用感光性樹脂の硬化に必要な程度の紫外線を透過す
るものであれば使用できる。シリコーンゴムの硬化機構
による分類では付加型と縮合型とがあるが、縮合型のも
のは縮合時に生じる低分子量化合物が系外へ出ていく時
に収縮するため寸法精度の点で好ましくなく、そのよう
なことのない付加型のものが適している。
【0033】光硬化に用いられる光源は300〜400
nmの波長の光を発するものであれば良く、紫外線蛍光
灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンラン
プ、太陽光など感光性樹脂を硬化させるのに通常用いら
れているものを使用することができる。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なおプレポリマー分子量の測定は次の方法により行
った。ポリスチレンを標準とするGPC分析により測
定。 GPC:東ソー株式会社製HLC−8020 カラム:東ソー株式会社製TSK GEL GMHXL
(7.6mmφ×300mm)2本 試 料:0.5重量%テトラヒドロフラン溶液 流 量:1ml/min 標準ポリスチレン:東ソー株式会社製
【0035】実施例1 幅5mm、長さ10cm、厚さ2mmのABSでできた板をマ
スターとして、厚さ10mmのMMA樹脂板を組み合わせ
て作製した。内則縦6cm、横10cm、高さ20cmの箱の
中央部に直径5mmの丸棒を支柱としてセットし、あらか
じめ真空下で脱泡した室温硬化タイプの透明シリコーン
ゴムGT−9000(蛇の目ミシン工業製)を流し込
み、40℃で一晩放置して硬化させた。マスターの長手
方向に沿ってシリコン層を切開することで2つに切り分
け、中からABS製マスターを取り出して注型用型を得
た。
【0036】2Lのセパラブルフラスコに分子量500
のポリカプロラクトンジオール1000gを仕込み、こ
れにトリレンジイソシアネート410gを加えてウレタ
ン化反応をさせ両末端がイソシアネート基であるポリマ
ーを得た。次いで2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト410g(内307gは希釈モノマーとしての過剰添
加分)を加えてポリマーのイソシアネート基と反応さ
せ、両末端にメタクリレート基を有する数平均分子量約
8000のウレタンプレポリマー(PP−A)を得た。
このプレポリマー120g(希釈モノマーとしての2−
ヒドロキシプロピルメタクリレート20gを含む)、N
−メチロールアクリルアミド20g、メタクリルアミド
20g、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート40
g、α−メトキシベンゾイルメチルエーテル5g、2,
6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.2gを混合し
て20℃における粘度が80Pである感光性樹脂組成物
を得た。
【0037】あらかじめ40℃に加温したこの感光性樹
脂組成物を減圧下で撹拌脱泡したのち、前述した透明シ
リコーンゴムの型の中に注ぎ込み、次いで360nmに中
心波長を有する紫外線蛍光灯からの4mW/cm2 の強さの
紫外線を5分間照射した。その後、型を開いて感光性樹
脂硬化物からなる複製シートを取り出した。このシート
の20℃における硬さはショアーD硬度で82度であ
り、またシートをニッパで切断してもヒビ割れが生じる
ようなことはなかった。
【0038】比較例1 ビスフェノールAの2つの水酸基にエチレンオキシドを
合計4モル付加し、更にアクリル酸でエステル化したジ
アクリレート化合物(日本化薬製Kayarad R5
51)70g、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピ
ルアクリレート(共栄社油脂製エポキシエステルM−6
00A)30g、1−ベンジル−1−ジメチルアミノプ
ロピル−p−モルフォリノケトン(チバガイギー社製C
GI−369)2gを混合して感光性樹脂組成物を得
た。実施例1と同様にして得たシリコーンゴム型にこの
感光性樹脂を注ぎ込み、実施例1と同様にして紫外線照
射を行ない複製シートを得た。このものの硬さはショア
ーD硬度で83度であったが、ニッパを用いて切断する
ために1mm程度の切り込みを入れようとしただけでヒビ
割れを起こしてしまった。
【0039】実施例2 分子量800のネオペンチルグリコールアジペートジオ
ール800g、トリレンジイソシアネート261gを反
応させて両末端にイソシアネート基を有するポリマーと
し、次いで2−ヒドロキシエチルメタクリレート520
g(内390gは希釈モノマーとしての過剰添加分)を
加えて反応させ両末端にメタクリレート基を有する数平
均分子量約4700のウレタンプレポリマー(PP−
B)を得た。このプレポリマー128g(内28gの希
釈モノマー、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを含
む)、ジアセトンアクリルアミド10g、N−メチロー
ルアクリルアミド30g、2−ヒドロキシプロピルメタ
クリレート40g、トリメチロールプロパントリメタク
リレート5g、α−メトキシベンゾインメチルエーテル
3.5g、p−メトキシフェノール0.15gを混合し
て20℃における粘度が50Pである感光性樹脂組成物
を得た。この感光性樹脂を用いて実施例1と同様にして
複製シートを作製した。このシートの硬さはショアーD
硬度で80度であった。また、このシートをニッパで切
断したところヒビ割れを起こすことなく切り取ることが
できた。
【0040】実施例3〜6 実施例1の感光性樹脂組成物におけるエチレン性不飽和
化合物を種々変えた組成物を用いて、実施例1と同様に
して透明シリコン型内への注入、紫外線照射による硬化
を行ない、複製品シートを得た。得られた各シートの硬
度測定とニッパで切断した際のヒビ割れの有無について
評価を行なった。
【0041】
【表1】
【0042】実施例7〜14 ジオール化合物とジイソシアネート化合物の比率を表2
のように変えて、実施例1と同様にして種々のプレポリ
マーを得た。
【0043】
【表2】
【0044】得られたプレポリマーを用いて表3に示す
感光性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様にして硬化
物硬度とニッパを用いての切断時のヒビ割れ発生の有無
について評価を行なった。
【0045】
【表3】
【0046】
【発明の効果】本発明には短時間の光照射で、高硬度且
つニッパでの切断時ヒビ割れの生じない複製モデルを作
製することができるという効果がある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスターモデルを基に紫外線透過性シリ
    コーンゴムにより型を作製し、その型の中に感光性樹脂
    組成物を注入し紫外線を照射することによって複製モデ
    ルを作製する方法において、感光性樹脂組成物として (1)分子内にエチレン性不飽和結合を有する数平均分
    子量800〜9000の不飽和ポリウレタン100重量
    部 (2)N置換アクリルアミド、非置換またはN置換メタ
    クリルアミドの中から選ばれた少なくとも一種の化合物
    10〜60重量部 (3)分子中にアミド基を有さないエチレン性不飽和化
    合物の少なくとも一種40〜100重量部 (4)感光性樹脂全重量に対して0.1〜10重量%の
    光重合開始剤 を必須成分とし、且つ20℃における粘度が120P以
    下である感光性樹脂組成物を用いることを特徴とする複
    製モデルの作製方法。
  2. 【請求項2】 感光性樹脂組成物の成分(3)の分子内
    にアミド基を有さないエチレン性不飽和化合物の少なく
    とも一種が、分子内に芳香族環と2個以上のエチレン性
    不飽和基を有し、分子量が250〜800である多官能
    エチレン性不飽和化合物であることを特徴とする感光性
    樹脂組成物を用いる請求項1記載の複製モデルの作製方
    法。
JP7840895A 1995-03-10 1995-03-10 感光性樹脂を用いた複製モデルの作製方法 Withdrawn JPH08244044A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7125236B2 (en) 1996-09-25 2006-10-24 Shin - Etsu Chemical Co. Ltd. Replica molding

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