JPH0824320A - 消臭剤 - Google Patents

消臭剤

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JPH0824320A
JPH0824320A JP6187799A JP18779994A JPH0824320A JP H0824320 A JPH0824320 A JP H0824320A JP 6187799 A JP6187799 A JP 6187799A JP 18779994 A JP18779994 A JP 18779994A JP H0824320 A JPH0824320 A JP H0824320A
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deodorant
aluminum
lactate
calcium
acid
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JP6187799A
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Nobuo Kobayashi
暢生 小林
Fujio Hattori
不二雄 服部
Reiko Kobayashi
禮子 小林
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ESUPO KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】乳酸カルシウム、乳酸アルミニウム、及び酒石
酸アルミニウムからなる群から選ばれる1種又は2種以
上を必須成分とし、これにさらに炭酸水素ナトリウム及
び/又は炭酸カルシウム、木の実のペースト等を含む消
臭剤に関する。 【効果】悪臭、有害エアロゾルや有害ガスなどの空気汚
染物質を、効率的に除去すことができる。またワキガに
よる悪臭や足の蒸れ臭の消臭に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば居室、作業場、
工場、病室、便所、寝具、病院の尿検査室、冷蔵庫の内
部、ペットを飼育する部屋、自動車・客船・バス・航空
機など交通用や運送用の車両内、喫煙室、ホテルの客
室、家庭用や業務用の洗濯場、スポ−ツ施設の脱衣箱、
衣類、運動靴や革靴の内部、ヘルメット内部などの生活
用品、生活空間や、作業環境で、発生・流入する多種類
の悪臭、窒素、炭化水素類、硫黄などの酸化物、塩化水
素などの有害気体類、たばこや火災時の煙、炭化水素類
の不完全燃焼により発生するすす、花粉、粉塵、重金属
を含有するばいじん、硫酸のミスト、病原性微生物など
有害エアロゾルなどの空気汚染物質(以下これらを空気
汚染物質と記すことがある。)を除去あるいは/又は減
少するための消臭剤、及び人間の皮膚から発生する悪
臭、例えばワキガの悪臭等を消臭するための消臭剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】空気を清浄化するための消臭剤には、従
来天然・合成香料、微細孔のある活性炭やゼオライトの
粉末やその成型粒、弱酸性物質を加えた天然・合成高分
子溶液、二酸化塩素のような酸化性物質を加えた天然・
合成高分子溶液、グリオキザ−ル水溶液、アクリルアミ
ドやメタアクリルアミドの重合物やこれらと他の単量体
との共重合物の溶液等(特開昭62ー106766号公
報)を使用したものがある。また、ワキガ等の悪臭を消
したり、緩和するための消臭剤としては、従来から各種
の香料、明ばん、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム等
がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の消
臭剤は、未だ空気清浄化効果等の消臭効果が十分でな
く、これらの中には、衣類に対する変色性、劣化作用、
汚染性あるいは生理的に毒性があるものがあり、その使
用が制限されるという問題がある。本発明は、これらの
欠点を解決するものであり、従来の消臭剤の効果を向上
させ、さらに生理的毒性がない消臭剤を提供することを
目的とする。すなわち、本発明は、硫化水素、メルカプ
タン酸類、イソ吉草酸、吉草酸、プロピオン酸、酪酸な
どの弱酸性悪臭、アンモニア、アルデヒド類などの悪臭
の消臭に広く有効であり、従来の次亜鉛素酸塩、二酸化
塩素やグリオキザール等は、薬剤の変異原性や、ダイオ
キシン生成能があることが判明していることから生理的
毒性の発生の心配がない消臭剤を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、消臭剤に乳
酸カルシウム、乳酸アルミニウム、酒石酸アルミニウム
を主要成分として使用することにより消臭効果を飛躍的
に向上させることができることを発見し、本発明を完成
させるに至った。すなわち本発明は、乳酸カルシウム、
乳酸アルミニウム、及び酒石酸アルミニウムからなる群
から選ばれる1種又は2種以上を必須成分とする消臭剤
であり、好ましくはさらに炭酸水素ナトリウム及び/又
は炭酸カルシウムを併用し、より好ましくはさらに水溶
性高分子化合物を併用することを特徴とする消臭剤に関
する。
【0005】本発明で使用する乳酸カルシウム、乳酸ア
ルミニウムとは、一般的にα−ヒドロキシプロピオン
酸、又はエチリデン乳酸のカルシウム塩、アルミニウム
塩をいう。通常乳酸は分子中に不斉炭素原子1つを持っ
ており、光学的に右旋性のL−乳酸,左旋性のD−乳
酸,及びこれら対掌体のラセミ化合物であるDL−乳酸
の3種の異性体があり、本発明の乳酸カルシウム、乳酸
アルミニウムもそれぞれ3種の異性体を含むものであ
る。また本発明の酒石酸アルミニウムの酒石酸は、分子
中に不斉炭素原子を2つ持っており、乳酸と同様にL
−,D−,DL−の3種の異性体があり、本発明の酒石
酸アルミニウムにも3種のものが含まれる。
【0006】これらの乳酸カルシウム、乳酸アルミニウ
ム、酒石酸アルミニウムの形態は何等問わないが、通常
は粉末状のものが使用される。乳酸カルシウムは、極め
て毒性の低い化合物で、通常食品や飼料の添加物として
使用されている。また乳酸アルミニウム、酒石酸アルミ
ニウムも硫酸アルミニウムや、塩化アルミニウムなどと
比較して皮膚刺激性が低く、衣類などを劣化や変色させ
ず、その効果を長く保つことができる。これらの乳酸塩
類は、メチルメルカプタン酸、イソ吉草酸、吉草酸、プ
ロピオン酸、硫化水素酸、酪酸などの微量でも極めて不
快で消臭が困難な酸性の悪臭と接触すると、反応して水
不溶性か難溶性のカルシウム塩や、アルミニウム塩とな
り消臭反応が起こる。ただし、本発明の上記アルミニウ
ム塩は、硫化水素酸と反応しないので、混合悪臭の場合
には、乳酸カルシウムと併用することが好ましい。
【0007】また一方、体臭、汗臭、動物臭、タンパク
質の腐敗臭などは、これらの悪臭の強い酸と、悪臭の強
い塩基であるアンモニアや有機アミン、あるいはアルカ
リ金属などとの塩である場合が多い。したがって、これ
らの塩の形の悪臭は本発明の乳酸カルシウムや、乳酸ア
ルミニウム等と接触すると、複分解反応で効率的に消臭
反応が生じる。例えば、イソ吉草酸トリメチルアミン塩
は、乳酸カルシウムと反応して、それぞれ悪臭の少ない
イソ吉草酸カルシウムと、乳酸トリメチルアミンを生じ
る。これらの乳酸塩は、本発明の消臭剤中0.0001
〜5重量%使用することが好ましい。0.0001重量
%以下では効果が不十分であり、5重量%以上では吸湿
溶解して利用率が下がるので、好ましくない。
【0008】本発明の上記の塩類に炭酸カルシウムや、
炭酸水素ナトリウムを併用すると、皮膚刺激性がさらに
緩和されるので好ましい。併用すると、実質的に毒性を
示さないので、ワキガ用の粉末消臭剤、履物の中で足の
むれた悪臭の消臭などに適している。これら炭酸水素ナ
トリウム及び/又は炭酸カルシウムは、5重量%以下用
いることが好ましい。5重量%以上になると上記効果が
十分でない。またさらに本発明の消臭剤をワキガ用に使
用する場合には、木の実のペーストを上記塩類に混和す
ることが、好ましい。本発明の塩類、特に乳酸アルミニ
ウム、酒石酸アルミニウムと木の実のペーストとの混和
物を患部に擦り込むことによりワキガの発生を長時間低
減、あるいは防止するという効果がある。作用機構は不
明であるが、これらの木の実に含まれる微量成分が有効
に作用するものと推定される。これらの木の実として
は、具体的にはクルミの実、松の実、ペカンの実等が挙
げられるが、これらのうち、クルミの実が好ましい。木
の実のペーストは、10重量%以下用いるのがワキガを
有効に防止する上には好ましい。
【0009】本発明の高分子化合物とは、分子量が少な
くとも10×106以上、好ましくは1.5×107以上
の化合物をいい、本発明の消臭剤を水溶液として使用す
る場合の固着剤として用いられるものであり、消臭剤を
均一に混合するため水溶性であることが好ましい。した
がって本発明の高分子化合物は水に溶解し固着剤として
用いられるものであれば、特に制限されない。具体的に
は、例えばポリアクリルアミド、ポリビニルピロリド
ン、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸硫酸、コンドロイチン
硫酸、ポリビニルアルコール、カラギーナン、キサンタ
ンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸塩、ガラク
トマンナン等が挙げられる。これらの1種又は2種以上
の混合物が使用される。これらのうち、両性の荷電基を
有することと、低毒性及び低刺激性の点からポリアクリ
ルアミド、ポリビニルピロリドン、ヒアルロン酸、ヒア
ルロン酸硫酸、コンドロイチン硫酸を用いることが好ま
しい。特に本発明の消臭剤をワキガ用の消臭剤などとし
て使用する場合には、直接皮膚に使用したりするので、
哺乳動物の組織の構成成分からなり、傷修復性があるヒ
アルロン酸を本発明の高分子化合物として使用すること
により、何かの害があるのではないかとの心理的抵抗感
がなくなることが期待されることから好ましい。
【0010】本発明の高分子化合物は、本消臭剤の乳酸
カルシウムが乾燥すると粉末化するため、水溶液で使用
する場合に乾燥を遅延させ、かつ繊維などに処理した場
合に脱落しないように固着するのに使用するものであ
る。消臭剤を固着することにより消臭効率が向上し、か
つ消臭剤の持続的な効果が発揮される。さらに、使用に
よるシミなどの汚染を防止でき、かつ高分子化合物自体
が消臭効果を有しているものが好ましい。乳酸カルシウ
ム、硫酸アルミニウム、酒石酸アルミニウムとの併用に
より非常に大きい相乗効果が期待される。
【0011】本発明の消臭剤の使用形態の例としては、
下記のとおりである。 <使用形態> (1)空気消臭用スプレイ型消臭剤 上記の塩類の濃度が5ppm前後で、pH値が6.0
〜8.0の範囲であれば、耐圧スプレイ容器に封入して
使用する場合に容器の基材であるアルミニウムを腐食し
ないし、本発明の超高分子化合物の凝集を生じないの
で、アクリルアミド系超高分子化合物や、両性化合物で
ある超高分子型のヒアルロン酸の5ppm前後とジメチ
ルエ−テルを推進剤として、使用すると、極めて広範囲
の空気汚染防止に有効なスプレイが得られる。推進剤を
使用せず、この水溶液をスプレイガンやプラスチック性
のハンドスプレイに充填して使用しても好ましい結果が
得られる。
【0012】ここで、エタノ−ルや乳酸エチルを併用す
ると、表面張力が低下するので、より広範囲の疎水性空
気汚染物質に対する親和性を増し、空気清浄化効率を向
上することができる。また特に、沸点が154℃(1気
圧)の乳酸エチルや、78.3℃(1気圧)のエチルア
ルコ−ルを水溶液にに少量加えると、消臭剤溶液を噴霧
したり、汚染物質の付着している繊維、床、壁、履物内
部などの処理に使用すると、水単独の場合に比較して、
水分の蒸発が共沸で加速するため、10000倍程度の
電子顕微鏡で観察すると、乾燥した高分子化合物の微粒
子や皮膜が、消臭効率に好ましいと考えられる著しい多
孔質となっていることが観察できた。しかも、好ましい
芳香を生じることも大きな利点となる。 特開平2−149310号公報には、固形分濃度が1
0ppm以下、好ましくは3〜5ppmの水溶液の本発
明のアクリルアミド系超高分子化合物を、火災時の煙
や、化学工場の酸性ミストに噴射すると、速やかに煙エ
アロゾルを沈降させることができることが開示されてい
るが、本発明の乳酸カルシウム塩類を上記高分子化合物
からなる噴霧液に溶解させておくと、その強い緩衝性
で、室内のポリ塩化ビニ−ルの壁紙が火災時に発生する
大量の塩化水素による悪臭を除くことができる。これ
は、本発明の塩類と高分子化合物との併用により、設定
条件にもよるが、塩化水素の強いpHを顕著に下げ、水
素イオン濃度換算では、1/10程度まで下げることが
できることによるものである。さらに炭酸水素ナトリウ
ムを併用することにより、塩化水素の中和や火災時に微
量生成する致死性のホスゲンの分解促進に極めて有効で
ある。
【0013】(2)空気清浄用ゲル型消臭剤 本発明の乳酸カルシウム類、乳酸アルミニウム、酒石酸
アルミニウムを主成分とする消臭剤に、水溶解後冷却に
より凝固する性質のある寒天、カラギーナン、キサンタ
ンガムなどの高分子化合物、酸性物質、酸化剤、着色
剤、防腐剤、水などを加え、加熱溶解後に冷却したり、
化学的架橋によりプラスチックや紙製の容器に注型・ゲ
ル化し、これを悪臭の充満する便所や、冷蔵庫などに設
置することによりこれらの場所から発生する悪臭を吸着
除去することができる。従来これらの空気清浄化方式の
場合には、反応性の強いグリオキサ−ルの添加が、非常
に有用な方法であることが知られているが、グリオキサ
−ルが強い変異原性を有していることが判明しているの
で、誤食や、長期間の製造作業者や、消費者が使用者の
発癌を生じる可能性を否定できない。本発明の消臭剤は
このようなことがなく、効率よく悪臭を除去することが
できる。
【0014】(3)人間から発生する悪臭の消臭用粉末
状消臭剤 また、体臭の付着している履物や、衣類に付着している
ワキガ臭の消臭には、消臭液の溶剤組成を、水:エタノ
−ルの比率を30〜60/70:40のように多く配合
すると、メチルメルカプタン酸、イソ吉草酸、吉草酸、
プロピオン酸、酪酸などへの溶解度の向上と被処理物の
殺菌効果も得られるので、清浄化効率が著しく向上す
る。この場合に、アルコ−ルの刺激臭を緩和するため
に、適当な香料の併用も有効である。しかしたばこの煙
や臭気を清浄化する場合には、アルコ−ルや乳酸エチル
の配合量は数%以下の方がよい結果が得られる。また本
発明の乳酸塩類を、既存の軟膏基剤に混合しても用いる
ことができる。
【0015】
【実施例】以下本発明の実施例を記載するが、本発明は
これらの実施例により何等制限されるものではない。 実施例1及び比較例1 粉末状のDL−乳酸アルミニウム及び粉末状のDL−乳
酸カルシウムを1%と炭酸水素ナトリウム99%を混合
し、本発明の消臭剤(以下消臭剤1という)を調製し
た。ワキガのあるパネル2人と運動靴を履くと足の体臭
の目立つパネル3人に、それぞれ入浴の後、発臭部分の
皮膚に消臭剤1を、軽く擦り込み、約12時間の後、袖
付き下着と靴下の臭気の程度を、下記の6段階臭気判定
法で、別の5人のパネルにより判定し下記の結果を得
た。比較例1は、消臭剤1の擦り込みを行わないで試験
を行い、下記の結果を得た。 実施例1(消臭剤1を擦り込んだ場合の平均臭気強度)
2.7 比較例1(消臭剤1を使用しない場合の平均臭気強度)
4.4 こここで、臭気強度は、下記方法による判定値の平均で
あった。 0: 無臭 1: やっと検知できるにおい (検知閾値) 2: 何のにおいであるかわかるにおい (認知閾値) 3: 楽に関知できるにおい 4: 強いにおい 5: 強烈なにおい
【0016】実施例2〜実施例4及び比較例2〜比較例
3 消臭剤液として、DL−乳酸カルシウムの1%水溶液
(実施例2、以下消臭剤2という)、乳酸アルミニウム
の1%水溶液(実施例3、以下消臭剤3という))、D
L−乳酸カルシウムの1%水溶液に、分子量が12×1
6のヒアルロン酸を固形分として5ppm溶解した溶
液(実施例4、以下消臭剤4という)、ヒアルロン酸の
みを同様に5ppmを溶解した水溶液(比較例2、以下
溶液2という)、消臭剤を加えない悪臭液(比較例3、
以下溶液3という)を調製した。100mlのビ−カ−
に人工悪臭の溶液(水/エタノ−ル:95/5)を下記
のごとく各50ml作成して、消臭剤2、消臭剤3、消
臭剤4、溶液2及び溶液3を、各20ml加え、10分
間放置後に5人のパネルによって、実施例1と同じ判定
基準で臭気強度を判定して、下記の平均値を得た。 悪臭物質 イソ吉草酸 吉草酸 プロピオン酸 メチルメルカプタン酸 悪臭濃度(ppm) 5 25 25 25 認知閾値(ppm) 0.0004 0.002 0.01 0.0007 (消臭剤と 強度指数) 実施例2 2.4 2.4 2.0 3.0 実施例3 2.6 2.4 2.0 3.0 実施例5 2.2 2.0 2.0 2.2 参考例2 2.8 2.8 3.3 3.8 参考例3 5.0 5.0 5.0 5.0
【0017】実施例5及び比較例4 下記の各原料をビ−カ−で83℃で前後で加熱溶解し、
内径65mmで内容量150mlの円形の透明プラスチ
ック容器に、80〜60℃範囲の温度でそれぞれ120
mlの溶液を注入・放冷してゲル状に固めてふたをし
て、7日間熟成したサンプルの人工悪臭の消臭試験を行
なった。この試験には、内部の目皿に上にふたを取った
各サンプルを乗せた内容量15lのデシケ−タ−を使用
した。デシケ−タ−の穴に、いずれもシリコ−ンゴムの
栓(以下、栓という)を挿入し、ここへ内径8mmの長
さの異なるガラス管、A、B、Cの三本を挿入した。そ
のAとBはふたより上にシリコ−ンゴム管(以下、ゴム
管という)でガラスの活栓を取り付け、Cにはふたより
下に容量1lの管付きのポリエステルの気密袋を取り付
けた。Aは目皿の下まで伸びており、外部にある原臭を
充填した気密な容量100lのポリエステル製袋から、
ゴム管、ダイアフラムポンプ、ゴム管、活栓を経由し
て、デシタ−タ−内に人工悪臭を送り込まれ、ゴム栓の
すぐ下までしか伸びていないB経由で排気し、その悪臭
に適した消臭処理後大気に放出し一定時間後活栓を閉じ
た。Aの活栓の上のガラス管にゴム管をはめて、ここか
ら一定時間経過ごとに検知管法で人工悪臭の濃度を測定
し下記の結果を得た。
【0018】 使用成分と成分の種類(g/kg) 実施例5 参考例4 [処方] イオタカラギナン 18 18 乳酸カルシウム 20 − 40%グリオキザ−ル − 20 ソルビン酸カリウム 5 5 くえん酸1ナトリウム 0.5 0.5 イオン交換水 956.5 956.5 [溶解液とゲル化前の性質] ゲル化前の75℃でのpH値 5.50 5.40 外観 微濁ゲル化物 微濁ゲル化物 7日後の離水性 なし なし
【0019】 [人工悪臭に対する消臭性](単位:ppm) 1.濃厚な硫化水素の消臭力 5分間経過値(初期濃度) 230 220 12時間経過値 50 70 24時間経過値 20 21 2.低濃度硫化水素の消臭性 5分間経過値(初期濃度) 2.2 2.0 4時間経過値 0 0 3.トリメチルアミンの消臭力 5分間経過値(初期濃度) 7 5 7時間経過値 0.7 0.6 22時間経過値 0 0 4.メチルメルカプタンの消臭力 5分間経過値(初期濃度) 30 25 7時間経過値 13 10 30時間経過値 0.8 0.5
【0020】実施例6〜実施例7及び比較例5 内容量220mlの透明なポリカルボネ−ト樹脂製の耐
圧缶に、下記処方の各溶液を充填したしたサンプルのノ
ズル孔に、外径がほぼ同じ金属管を直角に挿入した。次
に実施例5と同様の装置であるが、ガラス管Cがない内
容量15lのデシケ−タ−の側面の穴に穿孔して金属管
を通したゴム栓を挿入して、ここからスプレイを0.6
6ml/秒の割合で、連続的に噴射できるようにした。
各スプレイのデシケ−タ−内への連続的な噴射下に、ガ
ラス管Aから下記のような一定濃度の人工悪臭を7.5
l/分の割合で送り込み、ガラス管Bとゴム管でポリエ
ステル製の気密袋につなぎ、消臭した空気を一点量充満
させてから、人工悪臭ガスを止め、この気密袋内のガス
をガス検知管法と、悪臭を鼻孔に差し込んで判定する、
ASTM D1391法(Syringe method) とにより、
実施例1の判定基準で、消臭効果を評価して下記の結果
を得た。
【0021】 使用消臭剤 実施例6 実施例7 比較例5 [処方] DL−乳酸アルミニウム(ppm) 5 − − DL−乳酸カルシウム(ppm) − 5 − 両性ポリアクリルアミド(ppm) 5 5 5 (分子量:1.5x107 ) 100%換算エタノ−ル(g) 3.0 3.0 3.0 イオン交換水(g) 119 119 119 ジメチルエ−テル(g) 64 64 − 液化石油ガス − − 64 [外観・使用上の問題] 内容物の二層分離の有無 なし なし あり 使用前に缶を強く振る必要性 なし なし あり 噴射粒子の大きさ 微細 微細 大きく不均一 噴射粒子の生火による着火性 なし なし あり
【0022】 [消臭効果・検知管分析] 硫化水素(原臭:12ppm) 4 0 12 メチルメルカプタン (原臭:2ppm) 0 0 1.2 アンモニア(原臭:30ppm) 0 0 5 トリメチルアミン(原臭:2ppm)0.1 0 1.4 [消臭効果・ASTM注射器法] イソ吉草酸(原臭:1ppm) 2.5 2.0 4.5 吉草酸(原臭:5ppm) 1.8 1.0 4.5 プロピオン酸(10ppm) 2.5 2.2 4.5 たばこの煙と臭気 3.0 2.2. 4.0
【0023】実施例8 実施例6と同様の処方の消臭剤の水の重量の40%をエ
タノ−ルに置換した以外は実施例6と同様の組成を有す
る消臭剤を封入したスプレイを作成した。28人のパネ
ルを使用して、ワキガ臭のある脇の下、貸衣装、クリ−
ニングやドライクリ−ニングする衣類、足のむれた悪臭
のある運動靴や革靴の内部に数秒間スプレイすると、速
やかに消臭でき、ミストの乾燥速度が非常に早く、少な
くとも1週間以上効果の持続性があることが判明した。
これら悪臭の主成分であるイソ吉草酸へのエタノ−ル分
による溶解度の向上による反応率の向上によるものと推
定された。また、花の香りのある香料の乳化物を0.5
%程度添加するとアルコ−ルの刺激臭を和らげるのに非
常に効果があった。しかし、たばこの煙の沈降効果は、
実施例6の缶スプレイの方が優れた効果を示した。
【0024】実施例9 実施例6で使用した両性ポリアクリルアミド(エスポ株
式会社製品ノ−ズパルEXの3.3g/lの稀釈液)を
5ppm、乳酸アルミニウムを3ppm、DL−乳酸エ
チルを2gを含む消臭剤を含有するプラスチックスプレ
イポンプで、ホテルの客室の室内や、壁に向けてスプレ
イしたところ、たばこの煙や臭気の除去に非常に有効で
あった。またこの液を雑巾に浸して絞り、中古自動車内
を清掃したところ、染み付いた煙草の悪臭や、体臭の除
去に有効で、消臭効果が長期間持続した。
【0025】実施例10及び比較例6 実施例6で使用した両性ポリアクリルアミドを5pp
m、乳酸カルシウムを0.3%、ゴデシンアルコ−ル系
非イオン活性剤(米国エアプロダクト社のサフィノ−ル
485)0.1%、炭酸水素ナトリウムを0.5%含
む消臭剤を調製した(以下消臭剤10という)。ポリ塩
化ビニ−ルの壁紙の屑200gとスチレンモノマ−を5
00mlとを混合し、金属容器に入れ着火させ、その近
くに空のビ−カ−を置いた。この黒煙を上げ燃焼してい
る金属容器に2kg/cm2の圧力で、消臭剤10を4
0ml/分の割合で燃焼の風上から噴霧すると、炎は消
えないが、黒煙はただちに消失することが写真撮影の結
果確認された。この場合の炭酸水素ナトリウムは、発生
する大過剰の塩化水素ガスの中和剤として作用するが、
中和しきれない塩化水素ガスに対して、乳酸カルシウム
は、緩衝剤として作用しすることが判明した。この理由
は、ビ−カ−内に凝結した噴霧液のpH値が、1.07
(25℃)であるのに対し、乳酸カルシウムのみを加え
ず噴霧した場合(比較例6)、消煙性能に差を見い出だ
せなかったが、ビ−カ−内の凝結液はpH値は0.09
であった。火災時に発生する致死性の高濃度塩化水素ガ
ス水溶液のこのようなpHの差は、火災時の被災者の致
死時間の延長にかなり影響し、脱出の機会を増大するも
のと推定された。
【0026】
【発明の効果】本発明の消臭剤は実質的に無毒か、食品
添加物級の消臭剤のみの使用で、悪臭、有害エアロゾル
や有害ガスなどの空気汚染物質を、効率的に除去すこと
ができる。具体的には、乳酸のアルミニウム塩、カルシ
ウム塩、及び酒石酸アルミニウムなどの食品添加剤や歯
磨ペ−ストにも使用が認められて安全な消臭成分を主剤
として、これに、安全性が確認されているような添加剤
を助剤として、イソ吉草酸、プロピオン酸、メチルメル
カプタン、すすなどを除去することができる。また、酸
性の空気清浄化薬液は、塩基性汚染物質をよく補足する
が、たとえ酸性でも、硫化水素やメルカプタン類など多
くの酸性汚染物質は、カルシウムやアルミニウムと反応
し、固定される点が優れた利点である。さらに本発明の
消臭剤は、アポクリン線の分泌物で脂肪の分解物よりな
るとされるワキガや足のむれた悪臭などを効果的に消臭
でき、しかも皮膚に触れても刺激を起こさないことが大
きな特徴である。これらの効果は、乳酸のアルミニウム
塩、カルシウム塩、及び酒石酸アルミニウムは水溶性で
あるが、通常の方法では消臭できない溶解度の低い低級
脂肪酸などの悪臭を、エタノ−ルやクルミのような脂肪
分などの添加により可溶化した上で、複分解反応により
悪臭成分を固定することが主な効果である。また、凝集
性、消臭力、空中に浮遊するエアロゾルの沈降作用の強
いポリアクリルアミドなどの超高分子化合物の稀薄溶液
に、ゲル化を起こさない範囲内で本発明の塩類を微量添
加して、種々の方法で使用し、上記のイソ吉草酸のよう
に消臭しにくい成分を消臭したり、火災時の強酸性の発
生ガスのpHを上げて毒性を低下させたりすることも、
注目すべき効果である。本発明で使用するこれらの塩類
は、繊維や金属への腐食性、刺激性、毒性がなく、空気
清浄化の点で、汎用性があることも優れた効果である。
またアルミニウム塩と、カルシウム塩を併用することも
できるので、使用目的によっては効果の範囲を拡大させ
ることができる。また更に、アルミニウムは両性元素で
あり、強い酸にも、強い塩基にも反応するので、これら
の混合ミストが発生するような場合にも有効に使用でき
る利点がある。この空気清浄化技術は、高濃度・大量の
空気汚染源への適用には性能上の限界があるが、低濃度
で複雑な混合悪臭や、汚染エアロゾルへの応用に非常に
適しており、家庭用、接客業、輸送期間などでの空気清
浄化に適しており、低毒性であるため、労働安全衛生関
連や、環境汚染関連の問題を起こさないので、連続使用
しても管理が容易であり、従来の種々の方法で避けられ
なかった、環境の二次汚染や、生理的な悪影響を避ける
ことができることが大きな特徴である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乳酸カルシウム、乳酸アルミニウム、及び
    酒石酸アルミニウムからなる群から選ばれる1種又は2
    種以上を必須成分とする消臭剤。
  2. 【請求項2】さらに炭酸水素ナトリウム及び/又は炭酸
    カルシウムを併用することを特徴とする請求項1記載の
    消臭剤。
  3. 【請求項3】さらに木の実のペーストを併用することを
    特徴とする請求項1又は2記載の消臭剤。
  4. 【請求項4】木の実が、クルミの実のペースト、松の実
    のペースト、及びペカンの実のペーストからなる群から
    選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求
    項3記載の消臭剤。
  5. 【請求項5】さらに水溶性高分子化合物を併用すること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の消臭
    剤。
  6. 【請求項6】高分子化合物が、ポリアクリルアミド又は
    これらの誘導体、ポリビニルピロリドン、ヒアルロン酸
    又はヒアルロン酸硫酸、及びコンドロイチン硫酸からな
    る群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴と
    する請求項5記載の消臭剤。
  7. 【請求項7】乳酸カルシウム、乳酸アルミニウム、酒石
    酸アルミニウムからなる群から選ばれる1種又は2種以
    上を、0.0001〜5重量%使用することを特徴とす
    る請求項1〜6のいずれか1項記載の消臭剤。
  8. 【請求項8】炭酸水素ナトリウム及び/又は炭酸カルシ
    ウムを、0〜5重量%使用することを特徴とする請求項
    1〜7のいずれか1項記載の消臭剤。
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