JPH0824089A - 車両用座席カバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】着座時に身体にフィットして違和感がなく、し
かも吸湿性に富み、座者の背中や尻部に生じた汗が吸い
取られ、快適な着座状態を付与し得る車両用座席カバー
を提供すること。 【構成】車両用座席上面に配されるカバー１１であっ
て、座席の上面形状に対応して設けられた背部１２と座
部１３とからなり、背部１２上端には座席の背もたれ上
部を覆う取付片１５が延設され、背部１２下端と座部１
３上端とには、背部１２下端が裏側に折曲された状態で
座部１３上端に連結されるように連結部１７が設けら
れ、背部１２及び座部１３の裏面側にはズレ止めシート
が貼り付けられていること。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は車両用座席の上面部分の
みを覆う車両用座席カバーに関する。詳細には車両用座
席上面にしわを生じることなく配され、かつ容易にズレ
を生じることがない車両用座席カバーに関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、車両用座席の上面部分のみを覆う車両用座席カバー
は、本革シート、レザーシート、モケットシートなどの
座席の上皮をすべて覆うことなく一部が現れ出るように
して、上皮の持つ装飾性を生かすことを目的として使用
されている。

【０００３】このような車両用座席の上面部分のみを覆
う車両用座席カバーとしては、冬季においてはムートン
や毛皮、夏季においては藤などの素材を利用し、これら
を座席上面の形状に沿って裁断したものが上市されてい
た。

【０００４】ところが、車両用座席は、座者の尻部や背
部の形状に対応して中央部分が凹状にへこんだ形状に成
形されており、この座席に例えばムートンや毛皮などを
素材とする車両用座席カバーを配して着座したときに
は、図５に示すように、当該車両用座席カバー１の座席
Ｚ上面の凹部周縁に位置する部分にはしわが生じてしま
い、見栄えが悪くなっていた。特に革や布地を素材とす
るカバーの場合には着座の際に生じたしわが元に戻らな
くなることもあった。このため、座者は乗り降りの度毎
にカバーのしわを取り除かなければならず、大変煩雑で
あった。

【０００５】また、ムートンや毛皮などを素材とする車
両用座席カバーにあっては柔らかく腰がないため、ズレ
易く、カバーが側方にズレた場合には、座者と座席との
間にカバーのある部分とない部分とができ、感触が悪く
なるので、車を止めてあるいは運転中に当該カバーを元
の位置に戻さなければならなかった。また、カバーのズ
レはしわの一因ともなっていた。

【０００６】本発明は、座者の尻部や背部の形状に対応
して中央部分が凹状にへこんだ形状に成形された車両用
座席に配したとき、しわが生じることがなく、しかも容
易にズレることがない車両用座席カバーを提供すること
を目的とするものである。

【０００７】また、藤製のカバーにあっては、藤自体一
定の剛性を有しているので身体にフィットせず、着座時
に違和感があった。

【０００８】また、従来の車両用座席カバーにあって
は、いずれも吸湿性に乏しく、座者の背中や尻部に生じ
た汗が吸い取られないという不具合もあった。

【０００９】本発明の別の目的は、着座時に身体にフィ
ットして違和感がなく、しかも吸湿性に富み、座者の背
中や尻部に生じた汗が吸い取られ、快適な着座状態を付
与し得る車両用座席カバーを提供することである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１記載の発明にあっては、「車両用座席上面
に配されるカバーであって、座席の上面形状に対応して
設けられた背部と座部とからなり、前記背部上端には座
席の背もたれ上部を覆う取付片が延設され、前記背部下
端と座部上端とには、背部下端が裏側に折曲された状態
で座部上端に連結されるように連結部が設けられ、前記
背部及び座部の裏面側にはズレ止めシートが貼り付けら
れていることを特徴とする車両用座席カバー」をその要
旨とした。

【００１１】請求項２記載の発明は、「当該自動車用座
席カバーが毛たてに綿糸を用いたカランバン織よりなる
織物によって構成されていることを特徴とする車両用座
席カバー」をその要旨とした。

【００１２】

【作用】請求項１記載の車両用座席カバーにあっては、
ヘッドレストを座席上部に固定するときに、座席の背も
たれ上部を覆う取付片がヘッドレストと背もたれ上部と
の間に取り付けられ、これにより背部の座席への取り付
けがなされるようになっている。また、このカバーにあ
っては、背部と座部とが座席の上面形状に対応して設け
られており、しかも背部下端と座部上端とに設けた連結
部によって、背部下端が裏側に折曲された状態で座部上
端に連結されるようになっている。そして、この連結部
は座席の背もたれとの隙間内に挿入されるようになって
いるので、背部及び座部が座席に密着して配置できるよ
うになっている。また、前記背部及び座部の裏面側に貼
り付けられたズレ止めシートによって、当該車両用座席
カバーが着座時や乗り降りの際にズレたりしないように
なっている。

【００１３】請求項２記載の車両用座席カバーにあって
は、毛たてに綿糸を用いたカランバン織よりなる織物に
よって構成されているので、座者の身体にフィットして
違和感がなく、しかも毛たてに綿糸を用いているので、
吸湿性がよく、座者の背中や尻部に生じた汗が吸い取ら
れ、快適な着座状態を付与し得るようになっている。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の車両用座席カバーを図面に示
した一実施例に従って詳細に説明する。図１、図２及び
図３に示すように、本発明の車両用座席カバー１１は、
座席の上面形状に対応して設けられた背部１２と座部１
３とからなる。背部１２及び座部１３はともに毛たてに
綿糸を用いたカランバン織よりなる織物によって構成さ
れている。この織物は地たて、地よこにアクリル繊維を
用いた糸を、毛たてに綿糸を使用したたて二重織で、ワ
イヤを織り込んで綿糸よりなる毛たて糸をループとし、
このループの色を多色としたものである。この織物は毛
たてに綿糸を用いていることから、吸湿性に富み、座者
の背中や尻部に生じた汗が効率よく吸い取られるように
なっている。尚、車両用座席カバー１１はカランバン織
よりなる織物に限らず、吸湿性に富み、座席に配したと
き、身体にフィットするような素材であれば何でもよ
い。

【００１５】また、図４に示すように、これら背部１２
及び座部１３の裏面側にはズレ止めシートとしてネット
状をなす発泡ウレタンシート１４が貼り付けられてお
り、当該車両用座席カバー１１が着座時や乗り降りの際
にズレたりしないようになっている。尚、ズレ止めシー
トとしてはネット状をなす発泡ウレタンシートに限ら
ず、例えば裏面に突起を有するゴムシートや塩化ビニル
シートを貼り付けてもよい。

【００１６】前記背部１２上端には座席２０の背もたれ
２１上部を覆う取付片１５が延設されている。この取付
片１５には孔１６が設けられており、この孔１６にヘッ
ドレスト２２の取付バー２３を貫通させて、座席２０の
背もたれ２１上部の孔（図示しない）に挿入固定するこ
とで、取付片１５をヘッドレスト２２と座席２０の背も
たれ２１上部との間に取り付け、背部１２を座席２０に
取り付けることができるようになっている。

【００１７】この背部１２下端と座部１３上端とには連
結部１７、１７が設けられており、これら連結部１７、
１７によって背部１２下端が裏側に折曲された状態で座
部１３上端に連結されるようになっている。背部１２下
端裏側の連結部１７にはホック１８、１８が設けられ、
座部１３上端には前記ホック１８、１８が嵌合する嵌合
凹部１９、１９が設けられている。そして、背部１２下
端を裏側に折曲させ、ホック１８、１８を座部１３上端
の嵌合凹部１９、１９に嵌合させて、背部１２下端と座
部１３上端とを連結した後、これら連結部１７、１７を
座席２０の背もたれ２１との隙間内に挿入することで、
図３に示すように背部１２及び座部１３は背もたれ２１
及び座席２０に密着して配置されることになる。

【００１８】尚、本発明の車両用座席カバーは、上記実
施例に限定されるものではなく、例えば背部１２下端及
び座部１３上端の連結部１７、１７に各々設けたホック
１８、嵌合凹部１９に換えてマジックテープを採用する
など、特許請求の範囲に記載の範囲内で自由に変更する
ことができる。

【００１９】

【発明の効果】上記構成を備えたことにより、請求項１
記載の車両用座席カバーにあっては、背部と座部とが座
席の上面形状に対応して設けられており、しかも背部下
端と座部上端とに設けた連結部によって、背部下端が裏
側に折曲された状態で座部上端に連結され、この連結部
は座席の背もたれとの隙間内に挿入されるようになって
いる。このため、座席上面にしわを生じることなく、隙
間のない状態で配置することができる。

【００２０】また、この車両用座席カバーにあっては、
背部及び座部の裏面側に貼り付けられたズレ止めシート
が、当該車両用座席カバーの着座時や乗り降りの際にお
けるズレを防止するので、従来のムートンや毛皮などを
素材とする車両用座席カバーのように、ズレを生じ難
く、車を止めてあるいは運転中に当該カバーを元の位置
に戻さなければならないといった煩雑さを解消すること
ができる。

【００２１】請求項２記載の車両用座席カバーにあって
は、毛たてに綿糸を用いたカランバン織よりなる織物に
よって構成されているので、座者の身体にフィットして
違和感がなく、しかも毛たてに綿糸を用いたカランバン
織よりなるので、吸湿性がよく、座者の背中や尻部に生
じた汗が吸い取られ、快適な着座状態を付与し得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の車両用座席カバーを示す斜視図。

【図２】本発明の車両用座席カバーを座席に配した状態
を示す斜視図。

【図３】本発明の車両用座席カバーを座席に配した状態
を示す側面図。

【図４】本発明の車両用座席カバーの背面を示す斜視
図。

【図５】従来の車両用座席カバーを座席に配した状態を
示す斜視図。

【符号の説明】

１２・・・背部 １３・・・座部 １４・・・ズレ止めシート １５・・・取付片 １７・・・連結部 ２０・・・座席 ２１・・・背もたれ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 嘉子 岐阜県羽島郡笠松町友楽町51番地 有限会 社祥永物産内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両用座席上面に配されるカバーであっ
   て、座席の上面形状に対応して設けられた背部と座部と
   からなり、前記背部上端には座席の背もたれ上部を覆う
   取付片が延設され、前記背部下端と座部上端とには、背
   部下端が裏側に折曲された状態で座部上端に連結される
   ように連結部が設けられ、前記背部及び座部の裏面側に
   はズレ止めシートが貼り付けられていることを特徴とす
   る車両用座席カバー。
2. 【請求項２】 当該自動車用座席カバーが毛たてに綿糸
   を用いたカランバン織よりなる織物によって構成されて
   いることを特徴とする請求項１記載の車両用座席カバ
   ー。