JPH08240323A - 電子冷却パネル - Google Patents
電子冷却パネルInfo
- Publication number
- JPH08240323A JPH08240323A JP7045244A JP4524495A JPH08240323A JP H08240323 A JPH08240323 A JP H08240323A JP 7045244 A JP7045244 A JP 7045244A JP 4524495 A JP4524495 A JP 4524495A JP H08240323 A JPH08240323 A JP H08240323A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- heat
- panel
- peltier element
- heat insulating
- electrode
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- Pending
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- Devices For Blowing Cold Air, Devices For Blowing Warm Air, And Means For Preventing Water Condensation In Air Conditioning Units (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】板材と板材とに挾まれた空間に、断熱性の構造
物と、電極によって電気的に接続された複数個のペルチ
ェ素子を配置し、電極の一部を、少なくとも板材と板材
に挾まれた空間を横切る方向に配置し、かつ別の一部を
板材表面の電気絶縁層を介して板材に接触もしくは装着
したパネル。 【効果】スペース的,コスト的にも有利で、耐久性にも
優れた空調,保冷・保温手段が構築でき、貯蔵物の量が
時事刻々と変化するところでもエネルギ効率的に優れた
システムとすることができる。
物と、電極によって電気的に接続された複数個のペルチ
ェ素子を配置し、電極の一部を、少なくとも板材と板材
に挾まれた空間を横切る方向に配置し、かつ別の一部を
板材表面の電気絶縁層を介して板材に接触もしくは装着
したパネル。 【効果】スペース的,コスト的にも有利で、耐久性にも
優れた空調,保冷・保温手段が構築でき、貯蔵物の量が
時事刻々と変化するところでもエネルギ効率的に優れた
システムとすることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はペルチェ素子を用いた空
調システム,保冷・保温システムに係り、特に、基本と
なるパネル構造、パネルの製造法、機器・システム構成
及びシステムの運用法に関する。
調システム,保冷・保温システムに係り、特に、基本と
なるパネル構造、パネルの製造法、機器・システム構成
及びシステムの運用法に関する。
【0002】
【従来の技術】ペルチェ素子を用いた空調機器として、
例えば特開昭64−63730号公報が公知技術として
知られている。これは、パーティッションの一部にペル
チェモジュールを埋めこみ、ペルチェ素子が吸い込んだ
熱をフィンによって放熱するものである。また別の公知
技術としては、特開昭63−73037号公報が知られ
ている。これも、パーティッションの一部にペルチェモ
ジュールを埋めこみ、ペルチェ素子が吸い込んだ熱を多
数の針状のフィンを通して放熱するものである。
例えば特開昭64−63730号公報が公知技術として
知られている。これは、パーティッションの一部にペル
チェモジュールを埋めこみ、ペルチェ素子が吸い込んだ
熱をフィンによって放熱するものである。また別の公知
技術としては、特開昭63−73037号公報が知られ
ている。これも、パーティッションの一部にペルチェモ
ジュールを埋めこみ、ペルチェ素子が吸い込んだ熱を多
数の針状のフィンを通して放熱するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの公知技術の場
合、フィンがかなりのスペースを必要とするため、パー
ティッションの占有面積が広がる課題があった。また、
いずれも複雑な形状をしており、部品点数が多い、ある
いは製造工数が多い等の理由により、コスト高であっ
た。
合、フィンがかなりのスペースを必要とするため、パー
ティッションの占有面積が広がる課題があった。また、
いずれも複雑な形状をしており、部品点数が多い、ある
いは製造工数が多い等の理由により、コスト高であっ
た。
【0004】ところで、パーティッションという性格
上、さまざまな衝撃が加わることも考慮しておかなけれ
ばならないが、上記の公知技術はこの点に対してほとん
ど考慮されていない。また、このパーティッションを用
いて快適性を向上させる点に対しても同様である。
上、さまざまな衝撃が加わることも考慮しておかなけれ
ばならないが、上記の公知技術はこの点に対してほとん
ど考慮されていない。また、このパーティッションを用
いて快適性を向上させる点に対しても同様である。
【0005】パーティッションの利用分野として、例え
ば、保冷倉庫も考えられるが、ここでは、保管物の量が
時事刻々と変化する。仮に公知技術をそのまま保冷倉庫
に適用すると、無駄な冷却空間が存在するため、システ
ム効率が極めて悪くなる。さらに、ペルチェ素子は、放
熱側温度と吸熱側温度の差が大きくなると、他の冷却シ
ステムに比べてCOP(成績係数)が大きく劣ってく
る。上記公知例はこの点も考慮されていないため、この
技術を保冷システムに適応しただけでは、システムのエ
ネルギ効率は悪い。
ば、保冷倉庫も考えられるが、ここでは、保管物の量が
時事刻々と変化する。仮に公知技術をそのまま保冷倉庫
に適用すると、無駄な冷却空間が存在するため、システ
ム効率が極めて悪くなる。さらに、ペルチェ素子は、放
熱側温度と吸熱側温度の差が大きくなると、他の冷却シ
ステムに比べてCOP(成績係数)が大きく劣ってく
る。上記公知例はこの点も考慮されていないため、この
技術を保冷システムに適応しただけでは、システムのエ
ネルギ効率は悪い。
【0006】本発明の第1の目的は、スペース的,コス
ト的にも有利で、耐久性にも優れた冷却・暖房機能を有
するパネル状の空調手段,保冷・保温手段を提供するこ
とにある。
ト的にも有利で、耐久性にも優れた冷却・暖房機能を有
するパネル状の空調手段,保冷・保温手段を提供するこ
とにある。
【0007】本発明の第2の目的は、快適性に優れた冷
却・暖房機能を有するパネル状の空調手段,保冷・保温
手段を提供することにある。
却・暖房機能を有するパネル状の空調手段,保冷・保温
手段を提供することにある。
【0008】本発明の第3の目的は、製造コストを低減
できる構造あるいは製造方法を提供することにある。
できる構造あるいは製造方法を提供することにある。
【0009】本発明の第4の目的は、スペース,コスト
的にも有利で、耐久性,快適性にも優れた冷却・暖房機
能を備えた機器を提供することにある。
的にも有利で、耐久性,快適性にも優れた冷却・暖房機
能を備えた機器を提供することにある。
【0010】本発明の第5の目的は、貯蔵物の量が時事
刻々と変化するところでもエネルギ効率的に優れたシス
テム及び運用方法を提供することにある。
刻々と変化するところでもエネルギ効率的に優れたシス
テム及び運用方法を提供することにある。
【0011】本発明の第6の目的は、ペルチェ素子を用
いた空調,保冷・保温システムでエネルギ効率的に優れ
たシステム及びその運用方法を提供することにある。
いた空調,保冷・保温システムでエネルギ効率的に優れ
たシステム及びその運用方法を提供することにある。
【0012】本発明の第7の目的は、スペース的に有利
(薄い)な断熱方法、断熱パネルを提供することであ
る。
(薄い)な断熱方法、断熱パネルを提供することであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記第1の課題を解決す
るための第1の手段(第1の発明)は、空調機器,保冷
・保温機器の基本構造を以下の様にすることである。す
なわち、板材と板材とに挾まれた空間に、断熱性の構造
物と、電極によって電気的に接続された複数個のペルチ
ェ素子を配置し、該電極の一部を、少なくとも板材と板
材とに挾まれた空間を横切る方向に配置し、かつ別の一
部を板材表面の電気絶縁層を介して板材に接触もしくは
装着したパネル構造とする。
るための第1の手段(第1の発明)は、空調機器,保冷
・保温機器の基本構造を以下の様にすることである。す
なわち、板材と板材とに挾まれた空間に、断熱性の構造
物と、電極によって電気的に接続された複数個のペルチ
ェ素子を配置し、該電極の一部を、少なくとも板材と板
材とに挾まれた空間を横切る方向に配置し、かつ別の一
部を板材表面の電気絶縁層を介して板材に接触もしくは
装着したパネル構造とする。
【0014】上記第1の課題を解決するための第2の手
段(第2の発明)は、上記第1の手段において、板材と
板材とに挾まれた空間に、真空の領域を形成することで
ある。
段(第2の発明)は、上記第1の手段において、板材と
板材とに挾まれた空間に、真空の領域を形成することで
ある。
【0015】上記第2の課題を解決するための第1の手
段(第3の発明)は、上記第1の手段において、パネル
内部のペルチェ素子の厚さ,長さあるいは実装密度に違
いをつけることである。
段(第3の発明)は、上記第1の手段において、パネル
内部のペルチェ素子の厚さ,長さあるいは実装密度に違
いをつけることである。
【0016】上記第2の課題を解決するための第2の手
段(第4の発明)は、ペルチェ素子の面の一部に電極を
接合するとともに、対向する面の一部に電極を接合し、
それらが、素子の中心に対してほぼ対象位置に配置する
ことである。
段(第4の発明)は、ペルチェ素子の面の一部に電極を
接合するとともに、対向する面の一部に電極を接合し、
それらが、素子の中心に対してほぼ対象位置に配置する
ことである。
【0017】上記第3の課題を解決するための第1の手
段(第5の発明)は、上記第1の課題を解決するための
第1の手段1において、ペルチェ素子をにメッシュの上
に形成するか、もしくはペルチェ素子内部にメッシュを
貫通させた構造とすることである。
段(第5の発明)は、上記第1の課題を解決するための
第1の手段1において、ペルチェ素子をにメッシュの上
に形成するか、もしくはペルチェ素子内部にメッシュを
貫通させた構造とすることである。
【0018】上記第3の課題を解決するための第2の手
段(第6の発明)は、少なくとも複数のペルチェ素子と
電極を含む一体物を、断熱材を表面に装着した板材で挾
むことにより、請求項1のパネルを製造することであ
る。
段(第6の発明)は、少なくとも複数のペルチェ素子と
電極を含む一体物を、断熱材を表面に装着した板材で挾
むことにより、請求項1のパネルを製造することであ
る。
【0019】上記第3の課題を解決するための第3の手
段(第7の発明)は、少なくとも複数のペルチェ素子と
電極を含む一体物を、断熱材を表面に装着した複数の板
材の上に置きその上に別の板材を置き、すき間に断熱材
原料を注入することによって請求項1のパネルを製造す
ることである。
段(第7の発明)は、少なくとも複数のペルチェ素子と
電極を含む一体物を、断熱材を表面に装着した複数の板
材の上に置きその上に別の板材を置き、すき間に断熱材
原料を注入することによって請求項1のパネルを製造す
ることである。
【0020】上記第3の課題を解決するための第4の手
段(第8の発明)は、成型した断熱材の上にペルチェ素
子原料,導電性の材料を塗布し、焼成することによっ
て、請求項1の断熱材,ペルチェ素子および電極からな
る一体物を製造することである。
段(第8の発明)は、成型した断熱材の上にペルチェ素
子原料,導電性の材料を塗布し、焼成することによっ
て、請求項1の断熱材,ペルチェ素子および電極からな
る一体物を製造することである。
【0021】上記第4の課題を解決するための第1の手
段(第9の発明)は、請求項1のパネル構造によりパー
ティッション,保冷コンテナ,冷蔵庫,配膳台(車)を
構成することである。
段(第9の発明)は、請求項1のパネル構造によりパー
ティッション,保冷コンテナ,冷蔵庫,配膳台(車)を
構成することである。
【0022】上記第5の課題を解決するための第1の手
段(第10の発明)は、保冷物あるいは保温物の量,種
類等に応じて、温度調節機能を有するパネル状の構造物
(パーティッション)を移動させ、保冷あるいは保温す
る空間を変化させることである。
段(第10の発明)は、保冷物あるいは保温物の量,種
類等に応じて、温度調節機能を有するパネル状の構造物
(パーティッション)を移動させ、保冷あるいは保温す
る空間を変化させることである。
【0023】上記第5の課題を解決するための第2の手
段(第11の発明)は、上記第3の課題を解決するため
の第1の手段において、パネル状の構造物として、第1
の発明を用いることである。
段(第11の発明)は、上記第3の課題を解決するため
の第1の手段において、パネル状の構造物として、第1
の発明を用いることである。
【0024】上記第6の課題を解決するための第1の手
段(第12の発明)は、保冷物あるいは保温物の種類等
に応じて、パネルで仕切られた空間の一方に保冷したい
ものを、別の一方に保温したいものを配置して貯蔵する
ことである。
段(第12の発明)は、保冷物あるいは保温物の種類等
に応じて、パネルで仕切られた空間の一方に保冷したい
ものを、別の一方に保温したいものを配置して貯蔵する
ことである。
【0025】上記第6の課題を解決するための第2の手
段(第13の発明)は、ベースロードは通常の空調で賄
い、局所的な温度調節機として第1の発明を有する機器
を用いることである。
段(第13の発明)は、ベースロードは通常の空調で賄
い、局所的な温度調節機として第1の発明を有する機器
を用いることである。
【0026】上記第7の課題を解決するための第1の手
段(第14の発明)は、外部からのエネルギーによっ
て、低温側から高温側に熱を輸送(ポンピング)する手
段を動作させることである。
段(第14の発明)は、外部からのエネルギーによっ
て、低温側から高温側に熱を輸送(ポンピング)する手
段を動作させることである。
【0027】上記第7の課題を解決するための第2の手
段(第15の発明)は、上記第14の発明において、第
1の発明のパネルを用いることである。
段(第15の発明)は、上記第14の発明において、第
1の発明のパネルを用いることである。
【0028】
【作用】公知技術において、フィンを使わざるをえなか
ったのは、ペルチェ素子を密集させて実装した通常のペ
ルチェモジュールでは、放熱部の熱流束が大きすぎるた
め、モジュール表面から自然対流で放熱できないためで
ある。本発明の基本構成を図1に示す。吸熱側の板材3
と電極8を通してペルチェ素子1に吸い上げられた熱
は、放熱側の電極8を通して板材3に運ばれる。板材3
によって挾まれた空間の内、ペルチェ素子1及び電極8
以外は、断熱材2が埋められているため、ペルチェ素子
で運んだ熱で吸熱側に逆流するものは少ない。また、板
材の表面積はペルチェ素子の熱流方向の断面積に比べは
るかに大きい。その結果、ペルチェ素子によって板材3
へ運ばれた熱は板材3から外気へ放出される。本発明で
は、このようなパネル外壁が放熱板となるため、フィン
が不要で、占有スペースの小さな冷却・暖房手段が構築
できる。
ったのは、ペルチェ素子を密集させて実装した通常のペ
ルチェモジュールでは、放熱部の熱流束が大きすぎるた
め、モジュール表面から自然対流で放熱できないためで
ある。本発明の基本構成を図1に示す。吸熱側の板材3
と電極8を通してペルチェ素子1に吸い上げられた熱
は、放熱側の電極8を通して板材3に運ばれる。板材3
によって挾まれた空間の内、ペルチェ素子1及び電極8
以外は、断熱材2が埋められているため、ペルチェ素子
で運んだ熱で吸熱側に逆流するものは少ない。また、板
材の表面積はペルチェ素子の熱流方向の断面積に比べは
るかに大きい。その結果、ペルチェ素子によって板材3
へ運ばれた熱は板材3から外気へ放出される。本発明で
は、このようなパネル外壁が放熱板となるため、フィン
が不要で、占有スペースの小さな冷却・暖房手段が構築
できる。
【0029】一般に空調あるいは冷蔵用のペルチェ素子
として、ビスマスーテルル系の材料が用いられる。この
材料は高価なため、コスト低減をする上で、使用量を低
減することが効果的である。本発明では、電極の一部
は、少なくとも板材と板材に挾まれた空間を横切る様に
配置する。その結果、図1に示す様に、板材と板材の間
隔に比べ、ペルチェ素子は短い。ペルチェ素子は、素子
の断面積と長さの比を一定の保ったまま容積を変化させ
ても、性能は変化しないという性質を有する。図1の構
造はこの性質を利用したもので、性能を変化(低下)さ
せないで、素子を短くし、短くなった分を電極がカバー
する構成にしてある。電極材料はビスマスーテルル系材
料に比べ、はるかに安価なため、本発明は低コストで実
現できる。
として、ビスマスーテルル系の材料が用いられる。この
材料は高価なため、コスト低減をする上で、使用量を低
減することが効果的である。本発明では、電極の一部
は、少なくとも板材と板材に挾まれた空間を横切る様に
配置する。その結果、図1に示す様に、板材と板材の間
隔に比べ、ペルチェ素子は短い。ペルチェ素子は、素子
の断面積と長さの比を一定の保ったまま容積を変化させ
ても、性能は変化しないという性質を有する。図1の構
造はこの性質を利用したもので、性能を変化(低下)さ
せないで、素子を短くし、短くなった分を電極がカバー
する構成にしてある。電極材料はビスマスーテルル系材
料に比べ、はるかに安価なため、本発明は低コストで実
現できる。
【0030】ペルチェ素子は一般に衝撃に対して弱い。
本発明では、図1に示す様にペルチェ素子は断熱材に挾
まれる。断熱材には柔軟性があるため、外部からペルチ
ェ素子への衝撃が緩和される。また、ペルチェ素子は電
極によって連結されている。電極を金属で構成すれば、
この部分が緩衝材として働くため、外からの衝撃の緩
和、あるいは通電時に素子に生じる熱応力の緩和がで
き、耐久性,信頼性が向上する。
本発明では、図1に示す様にペルチェ素子は断熱材に挾
まれる。断熱材には柔軟性があるため、外部からペルチ
ェ素子への衝撃が緩和される。また、ペルチェ素子は電
極によって連結されている。電極を金属で構成すれば、
この部分が緩衝材として働くため、外からの衝撃の緩
和、あるいは通電時に素子に生じる熱応力の緩和がで
き、耐久性,信頼性が向上する。
【0031】板材と板材に挾まれた空間に、真空の領域
を形成すると、固体による熱伝導がなくなり、熱抵抗が
増加する。その結果、放熱側から吸熱側への熱の流れが
小さくなるため、パネルを薄くしても性能上はほとんど
変わらない。従って、第2の発明により占有スペース的
にさらに有利なパネルが構成できる。
を形成すると、固体による熱伝導がなくなり、熱抵抗が
増加する。その結果、放熱側から吸熱側への熱の流れが
小さくなるため、パネルを薄くしても性能上はほとんど
変わらない。従って、第2の発明により占有スペース的
にさらに有利なパネルが構成できる。
【0032】ペルチェ素子の厚さ,長さ及び実装密度は
吸熱密度に関係する。ここで、パーティッションで暖房
することを考えると、一般に足元付近は比較的温かくし
た方が快適である。従って、足元付近には比較的厚い
(断面積)の大きい素子を用いる、あるいは素子の実装
密度を上げることにより、快適性が向上する。逆の手法
として、パーティッションの高いところで比較的長い素
子を用いれば、同一電力を投入した場合、相対的に足元
の吸熱密度は増加するため、同様の効果が得られる。
吸熱密度に関係する。ここで、パーティッションで暖房
することを考えると、一般に足元付近は比較的温かくし
た方が快適である。従って、足元付近には比較的厚い
(断面積)の大きい素子を用いる、あるいは素子の実装
密度を上げることにより、快適性が向上する。逆の手法
として、パーティッションの高いところで比較的長い素
子を用いれば、同一電力を投入した場合、相対的に足元
の吸熱密度は増加するため、同様の効果が得られる。
【0033】上述した厚さもしくは長さの異なる素子を
配置するためには多品種の素子を作らなければならず、
コスト的に不利な要因と考えられる。第5の発明によれ
ば、吸熱・発熱密度分布を電極の接合状態を変えるだけ
で作ることができる。図2のaとbとを比べた場合、a
の断面積と長さの比(断面積/長さ)に比べ、bの断面
積と長さの比は大きい。そして、cの場合はこれらの中
間的な値になる。断面積と長さの比は、吸熱量に影響す
る。従って、cの場合に素子と電極との接触面積を場所
によって変化させれば、吸熱密度が場所によって変化す
る。接触面積を変えることは、さほど難しいことではな
いので、低コストで快適な吸熱分布を形成できる。
配置するためには多品種の素子を作らなければならず、
コスト的に不利な要因と考えられる。第5の発明によれ
ば、吸熱・発熱密度分布を電極の接合状態を変えるだけ
で作ることができる。図2のaとbとを比べた場合、a
の断面積と長さの比(断面積/長さ)に比べ、bの断面
積と長さの比は大きい。そして、cの場合はこれらの中
間的な値になる。断面積と長さの比は、吸熱量に影響す
る。従って、cの場合に素子と電極との接触面積を場所
によって変化させれば、吸熱密度が場所によって変化す
る。接触面積を変えることは、さほど難しいことではな
いので、低コストで快適な吸熱分布を形成できる。
【0034】パネルを構成するペルチェ素子は、かなり
薄くなるため慎重な取り扱いが必要で、一つ一つ実装し
ていたのでは、時間がかかり製造コストが高くつく。第
6の発明によれば、メッシュが補強材の役割をはたし、
多数の素子がメッシュと一体物として扱えるため、製造
時間が短縮され、コストを低減できる。
薄くなるため慎重な取り扱いが必要で、一つ一つ実装し
ていたのでは、時間がかかり製造コストが高くつく。第
6の発明によれば、メッシュが補強材の役割をはたし、
多数の素子がメッシュと一体物として扱えるため、製造
時間が短縮され、コストを低減できる。
【0035】第7の発明の場合、少ない工程でパネルを
構成できる。即ち、数箇所程度接着材を塗布しておけ
ば、ペルチェ素子と電極を含む一体物を、断熱材を表面
に装着した複数の板材で挾むだけで、パネルを構成でき
るため、低コストの製造工程となる。
構成できる。即ち、数箇所程度接着材を塗布しておけ
ば、ペルチェ素子と電極を含む一体物を、断熱材を表面
に装着した複数の板材で挾むだけで、パネルを構成でき
るため、低コストの製造工程となる。
【0036】第8の発明の場合、すき間に断熱材原料を
注入すると、断熱材の粘着性から、ペルチェ素子と電極
を含む一体物を、断熱材を表面に装着した板材と別の板
材等が接着するため、簡単な工程でパネルを構成でき
る。
注入すると、断熱材の粘着性から、ペルチェ素子と電極
を含む一体物を、断熱材を表面に装着した板材と別の板
材等が接着するため、簡単な工程でパネルを構成でき
る。
【0037】第9の発明の場合、成型した断熱材の上に
ペルチェ素子原料、導電性の材料を塗布し、焼成するこ
とによって断熱材、ペルチェ素子および電極を一度の工
程で製造できるため、低コストにパネルを製造できる。
ペルチェ素子原料、導電性の材料を塗布し、焼成するこ
とによって断熱材、ペルチェ素子および電極を一度の工
程で製造できるため、低コストにパネルを製造できる。
【0038】第1の発明により、スペース的に有利で低
コストな温度調節機能を有するパネルが構成できる。第
10の発明の様に、このパネルを主要構成要素とするパ
ーティッション,保冷コンテナ,冷蔵庫,配膳台(車)
は、同様の理由で、スペース的,コスト的にも有利であ
る。
コストな温度調節機能を有するパネルが構成できる。第
10の発明の様に、このパネルを主要構成要素とするパ
ーティッション,保冷コンテナ,冷蔵庫,配膳台(車)
は、同様の理由で、スペース的,コスト的にも有利であ
る。
【0039】第11の発明の場合、保冷物あるいは保温
物の量,種類等に応じて、温度調節機能を有するパネル
状の構造物(パーティッション)を移動させ、保冷ある
いは保温する空間を変化させる。例えば保冷倉庫の場
合、貯蔵物の置かれていない領域には冷熱を送る必要が
ない。本発明は、保冷したい空間にのみ冷熱を送れるの
で、無駄がない。保温の場合も同様で、効率的な温度調
節システムとして利用できる。
物の量,種類等に応じて、温度調節機能を有するパネル
状の構造物(パーティッション)を移動させ、保冷ある
いは保温する空間を変化させる。例えば保冷倉庫の場
合、貯蔵物の置かれていない領域には冷熱を送る必要が
ない。本発明は、保冷したい空間にのみ冷熱を送れるの
で、無駄がない。保温の場合も同様で、効率的な温度調
節システムとして利用できる。
【0040】第12の発明でも、同様の理由で、効率的
な温度調節システムを構成できる。
な温度調節システムを構成できる。
【0041】第13の発明のパネルは片側から熱が吸わ
れ、別の側からは熱が放出される。この場合に熱が吸わ
れる側に保冷物を置き、熱が放出される側に保温物を置
けば、パネルに投入する電力は無駄なく保冷,保温に使
用できるため、エネルギ効率が良い。
れ、別の側からは熱が放出される。この場合に熱が吸わ
れる側に保冷物を置き、熱が放出される側に保温物を置
けば、パネルに投入する電力は無駄なく保冷,保温に使
用できるため、エネルギ効率が良い。
【0042】一般にペルチェ素子のCOP(成績係数)
図3に示す様に、放熱側と冷却側の温度差が小さくなる
と急激に大きくなる。ベースロードを通常の空調で賄っ
ていれば、保冷物,保温物は、ある程度保冷あるいは保
温されており、ペルチェ素子を内蔵したパネルは温度差
の小さい領域で動さできる。従って第13の発明を用い
れば、効率の高いシステムを構築し、運用できる。
図3に示す様に、放熱側と冷却側の温度差が小さくなる
と急激に大きくなる。ベースロードを通常の空調で賄っ
ていれば、保冷物,保温物は、ある程度保冷あるいは保
温されており、ペルチェ素子を内蔵したパネルは温度差
の小さい領域で動さできる。従って第13の発明を用い
れば、効率の高いシステムを構築し、運用できる。
【0043】一般に、断熱材を薄くすればするほど、熱
の流入あるいは流出が大きくなる。この場合、熱は温度
の高いところから低いところへ流れるが、流れ込んだ熱
を外部エネルギーによって、温度の低いところから高い
ところへ戻せば(ポンピングすれば)、実効的に断熱し
た状態を作りだせる。そして、ポンピングをする手段が
断熱材よりも薄いものであれば、従来よりも薄い断熱手
段を構築できる。
の流入あるいは流出が大きくなる。この場合、熱は温度
の高いところから低いところへ流れるが、流れ込んだ熱
を外部エネルギーによって、温度の低いところから高い
ところへ戻せば(ポンピングすれば)、実効的に断熱し
た状態を作りだせる。そして、ポンピングをする手段が
断熱材よりも薄いものであれば、従来よりも薄い断熱手
段を構築できる。
【0044】ペルチェ素子は、通常数mmから数10m
mの厚さである。この素子は低温側から熱を高温側へ輸
送できるポテンシャルを有している。ここで、物体を低
温に保つ場合を考えると、一般のペルチェ素子を使った
のでは、高温側(放熱側)のエネルギー密度が高すぎる
ため、自然対流で放熱できない。この状態で通電を続け
ると高温側の温度がさらに上がり、温度勾配が形成され
るため、熱の流入が増加することもある。この課題を解
決するためには、放熱フィンをつけることがまず考えら
れるが、このフィンによってペルチェ素子とその周辺が
厚くなり、その結果、薄い断熱壁は構築できなかった。
第1の発明では、分散したペルチェ素子と断熱材の組み
合わせにより、流入する熱が少なくなる上に、放出エネ
ルギー密度が小さくなるため、流入した熱をポンピング
して自然対流で放熱できる。つまり、実効的に断熱空間
を作れ、放熱フィンは不要である。しかもペルチェ素子
は長さ数mm程度で十分であるので、断熱壁(通常 数
10mm)さらに薄くすることに支障はない。従って、
これまでよりもスペース的に有利な断熱システムを構成
できる。
mの厚さである。この素子は低温側から熱を高温側へ輸
送できるポテンシャルを有している。ここで、物体を低
温に保つ場合を考えると、一般のペルチェ素子を使った
のでは、高温側(放熱側)のエネルギー密度が高すぎる
ため、自然対流で放熱できない。この状態で通電を続け
ると高温側の温度がさらに上がり、温度勾配が形成され
るため、熱の流入が増加することもある。この課題を解
決するためには、放熱フィンをつけることがまず考えら
れるが、このフィンによってペルチェ素子とその周辺が
厚くなり、その結果、薄い断熱壁は構築できなかった。
第1の発明では、分散したペルチェ素子と断熱材の組み
合わせにより、流入する熱が少なくなる上に、放出エネ
ルギー密度が小さくなるため、流入した熱をポンピング
して自然対流で放熱できる。つまり、実効的に断熱空間
を作れ、放熱フィンは不要である。しかもペルチェ素子
は長さ数mm程度で十分であるので、断熱壁(通常 数
10mm)さらに薄くすることに支障はない。従って、
これまでよりもスペース的に有利な断熱システムを構成
できる。
【0045】
【実施例】本発明の第1実施例を図1を用いて説明す
る。パネルを構成する鋼板3は、鉄鋼板、あるいはアル
ミ鋼板を用い、板厚は0.3〜0.5mmのものを用い
る。いずれの鋼板も片面には電気絶縁層を形成しておく
ことが必要で、鉄鋼板の場合は、電気絶縁性の塗装を施
し、アルミ鋼板の場合はアルマイト処理を行う。断熱材
2としてはポリウレタンを用いる。図1の放熱側の鋼板
3と吸熱側の鋼板3との間隔は3cmとし、電極8は、
厚さ0.1mmの銅板を用いる。ペルチェ素子1はビス
マスーテルル系の材料を用い、電流の流れる方向の長さ
は5mm、厚さは0.02mmとする。素子配置のピッ
チは20cm当り1列とし、奥行き方向の素子の長さは
任意であるが、作りやすさを考慮して10cmとし、こ
の素子を直列に接続した構造にする。
る。パネルを構成する鋼板3は、鉄鋼板、あるいはアル
ミ鋼板を用い、板厚は0.3〜0.5mmのものを用い
る。いずれの鋼板も片面には電気絶縁層を形成しておく
ことが必要で、鉄鋼板の場合は、電気絶縁性の塗装を施
し、アルミ鋼板の場合はアルマイト処理を行う。断熱材
2としてはポリウレタンを用いる。図1の放熱側の鋼板
3と吸熱側の鋼板3との間隔は3cmとし、電極8は、
厚さ0.1mmの銅板を用いる。ペルチェ素子1はビス
マスーテルル系の材料を用い、電流の流れる方向の長さ
は5mm、厚さは0.02mmとする。素子配置のピッ
チは20cm当り1列とし、奥行き方向の素子の長さは
任意であるが、作りやすさを考慮して10cmとし、こ
の素子を直列に接続した構造にする。
【0046】この素子に電圧31Vを印加すると約1.
4Aの電流が流れ、放熱側では自然対流と輻射伝熱のみ
が存在すると仮定し、放熱側の温度を環境温度+10℃
以内に設定すると、パネルの吸熱側から約31W/m2
の熱を吸収できる。
4Aの電流が流れ、放熱側では自然対流と輻射伝熱のみ
が存在すると仮定し、放熱側の温度を環境温度+10℃
以内に設定すると、パネルの吸熱側から約31W/m2
の熱を吸収できる。
【0047】放熱側の板材は素子に最も近いところが最
高温度となるが、ペルチェ素子から最も離れたところが
最低温度になる。上記の条件の場合、温度の違いは1℃
以内で、板材全体が比較的均一に放熱していることを意
味する。本発明によれば、ペルチェ素子から出ていく熱
が板材を通して分散し、エネルギ密度が低下するため、
自然対流の輻射により熱の除去が可能で、フィンを装着
する必要がない。従って、占有スペースを小さく、コス
ト的にも有利なパネルを構成できる。
高温度となるが、ペルチェ素子から最も離れたところが
最低温度になる。上記の条件の場合、温度の違いは1℃
以内で、板材全体が比較的均一に放熱していることを意
味する。本発明によれば、ペルチェ素子から出ていく熱
が板材を通して分散し、エネルギ密度が低下するため、
自然対流の輻射により熱の除去が可能で、フィンを装着
する必要がない。従って、占有スペースを小さく、コス
ト的にも有利なパネルを構成できる。
【0048】図4は本発明の別の実施例で、図1の実施
例とは断熱材の断面形状が異なり、図1が凸型であるの
に対して、図4は長方形である。図4の実施例の場合、
パネルの単位面積を考えると、電極と鋼板が接触(接
合)している面積が図1より大きいので、より均一に熱
を分散できる。
例とは断熱材の断面形状が異なり、図1が凸型であるの
に対して、図4は長方形である。図4の実施例の場合、
パネルの単位面積を考えると、電極と鋼板が接触(接
合)している面積が図1より大きいので、より均一に熱
を分散できる。
【0049】図5は本発明の別の実施例で、断熱材2の
一部に曲部を形成した実施例である。一般に電極を直角
に折り曲げるとある曲率で曲がる。従って、本発明の様
に、断熱材に曲部を形成しておけば、電極と断熱材との
間に隙間が生じにくく、残留空気が少ない。従って、パ
ネル内部の断熱性が良い。
一部に曲部を形成した実施例である。一般に電極を直角
に折り曲げるとある曲率で曲がる。従って、本発明の様
に、断熱材に曲部を形成しておけば、電極と断熱材との
間に隙間が生じにくく、残留空気が少ない。従って、パ
ネル内部の断熱性が良い。
【0050】ペルチェ素子は電気伝導度が高いため、並
列に多数接続すると、低電圧,大電流型の電源が必要と
なる。それを避けるために、通常、素子は直列に接続す
る。本発明においてもこの観点から、素子は可能な限り
直列にする方が望ましい。その場合、パネルの周辺に位
置する素子を接続する方法は、図6に示す様なペルチェ
素子1によって接続する方法と図7に示す様な電極8に
よって接続する方法がある。いずれの場合も、橋渡し部
分の電流密度が高くなり、不要な発熱が起こる可能性が
あるので、他の部分より断面積を大きくすることが望ま
しい。
列に多数接続すると、低電圧,大電流型の電源が必要と
なる。それを避けるために、通常、素子は直列に接続す
る。本発明においてもこの観点から、素子は可能な限り
直列にする方が望ましい。その場合、パネルの周辺に位
置する素子を接続する方法は、図6に示す様なペルチェ
素子1によって接続する方法と図7に示す様な電極8に
よって接続する方法がある。いずれの場合も、橋渡し部
分の電流密度が高くなり、不要な発熱が起こる可能性が
あるので、他の部分より断面積を大きくすることが望ま
しい。
【0051】次に電極とペルチェ素子の接合部の形状
は、ある程度の厚さを有するペルチェ素子を用いるのな
らば、図8の接合形状が考えられる。これは、ペルチェ
素子とほぼ同じ厚さの電極8を、素子1の両側に半田あ
るいはペーストで着けることによって形成する。しか
し、すでに述べた様にペルチェ素子の材料は高価なこと
から、大きな支障が生じない限り素子を薄く、かつ短く
する方がコスト的に有利である。素子厚がmmオーダー
以下になると、図8の接合部断面積は耐久性,信頼性の
点から不利である。この場合は図9に示す様に、同一面
状にある電極8の上にペルチェ素子を半田あるいはペー
ストにより装着するか、図10の様にペルチェ素子1の
対向する面に電極8を装着する。
は、ある程度の厚さを有するペルチェ素子を用いるのな
らば、図8の接合形状が考えられる。これは、ペルチェ
素子とほぼ同じ厚さの電極8を、素子1の両側に半田あ
るいはペーストで着けることによって形成する。しか
し、すでに述べた様にペルチェ素子の材料は高価なこと
から、大きな支障が生じない限り素子を薄く、かつ短く
する方がコスト的に有利である。素子厚がmmオーダー
以下になると、図8の接合部断面積は耐久性,信頼性の
点から不利である。この場合は図9に示す様に、同一面
状にある電極8の上にペルチェ素子を半田あるいはペー
ストにより装着するか、図10の様にペルチェ素子1の
対向する面に電極8を装着する。
【0052】別の接合方法は、図11,図12に示す様
に、石英ガラス基板16の上に電極8を置き、その上か
らペルチェ素子原料15を塗布した後、焼成させる方法
もある。この場合、素子1と電極は、熱膨張率の違いか
ら石英ガラス基板16から容易に剥離するので、素子1
と電極8とが一体化したものを製造できる。
に、石英ガラス基板16の上に電極8を置き、その上か
らペルチェ素子原料15を塗布した後、焼成させる方法
もある。この場合、素子1と電極は、熱膨張率の違いか
ら石英ガラス基板16から容易に剥離するので、素子1
と電極8とが一体化したものを製造できる。
【0053】図13はペルチェ素子1の周囲に保護膜1
1をコーティングした実施例である。この実施例の場
合、保護膜11が、素子の補強材となる。また、ペルチ
ェ素子を重金属成分を含む粉体を焼結して製造する場
合、製造方法によっては素子表面に粉体が付着して残る
ことがある。本発明によれば、この粉体を完全に閉じ込
めることが可能で、重金属成分の外部への飛散を防ぐ効
果もある。
1をコーティングした実施例である。この実施例の場
合、保護膜11が、素子の補強材となる。また、ペルチ
ェ素子を重金属成分を含む粉体を焼結して製造する場
合、製造方法によっては素子表面に粉体が付着して残る
ことがある。本発明によれば、この粉体を完全に閉じ込
めることが可能で、重金属成分の外部への飛散を防ぐ効
果もある。
【0054】断熱材は、ポリウレタン以外に、真空引き
により熱伝導率をさらに低減したものも用いることがで
きる。例えば、シリンを袋(カバーフィルム)に詰め、
袋内部を真空引きし、これを凸型のブロック状にし、鋼
板に接着し、図14の形を構成できる。このブロック
は、ポリウレタンよりも熱伝導率が低い(約1/5)で
あるため、より薄いパネルを構成できる。また逆に、同
一厚さのパネルを比べた場合、パネル内部での熱の逆流
が少ないので、パネルの効率は、ポリウレタンを用いた
場合より、約2割向上する。また、図15の様に、シリ
カを封入し、真空引きして製造した断熱材4を、カバー
フィルム5で覆い、それを鋼板3に接着したものでも良
い。
により熱伝導率をさらに低減したものも用いることがで
きる。例えば、シリンを袋(カバーフィルム)に詰め、
袋内部を真空引きし、これを凸型のブロック状にし、鋼
板に接着し、図14の形を構成できる。このブロック
は、ポリウレタンよりも熱伝導率が低い(約1/5)で
あるため、より薄いパネルを構成できる。また逆に、同
一厚さのパネルを比べた場合、パネル内部での熱の逆流
が少ないので、パネルの効率は、ポリウレタンを用いた
場合より、約2割向上する。また、図15の様に、シリ
カを封入し、真空引きして製造した断熱材4を、カバー
フィルム5で覆い、それを鋼板3に接着したものでも良
い。
【0055】図16は別の実施例で、鋼板3の間にペル
チェ素子1と電極8からなる一体物を、断熱性構造物7
で支持したもので、鋼板3の端面は図の様に封じきり、
内部(図中のハッチングしていない部分)は、真空にし
たものである。この実施例の場合も、真空引きにより、
鋼板で挾まれた領域での熱伝導が低減されるため、パネ
ルを薄くできる。
チェ素子1と電極8からなる一体物を、断熱性構造物7
で支持したもので、鋼板3の端面は図の様に封じきり、
内部(図中のハッチングしていない部分)は、真空にし
たものである。この実施例の場合も、真空引きにより、
鋼板で挾まれた領域での熱伝導が低減されるため、パネ
ルを薄くできる。
【0056】図17は、図16に示した実施例の変形例
で、鋼板3の端面に、熱絶縁物を間に挾んだものであ
る。特に、接着性があり鋼板3の真空封じが容易に行え
る有機物系のフィルムが好適である。本実施例の場合、
鋼板3の端面を通じて逆流する熱を押さえるため、パネ
ルの性能を向上できる。
で、鋼板3の端面に、熱絶縁物を間に挾んだものであ
る。特に、接着性があり鋼板3の真空封じが容易に行え
る有機物系のフィルムが好適である。本実施例の場合、
鋼板3の端面を通じて逆流する熱を押さえるため、パネ
ルの性能を向上できる。
【0057】作用のところで述べた様に、人間が快適と
感じる温度分布が存在し、それを作り出すことは、快適
性を向上させる上で重要である。図18の実施例は、ペ
ルチェ素子1の配置のピッチを変化(図の右が粗、左が
密)させたもので、この配置により、パネルの単位面積
当りの吸熱量あるいは放熱量が、図の右から左へ増加す
る。図19は、ピッチは同じで、素子の厚さ(断面積)
を変化させた実施例で、この場合も単位面積当りの吸熱
量あるいは放熱量が変化する。これと同様に、一定のピ
ッチで、長さを変化させても同様で、用途に適したピッ
チのパネルとすることで、最適な温度調節ができる。ま
た、無駄な冷却や暖房が少なくなるため、省エネルギ効
果も期待できる。
感じる温度分布が存在し、それを作り出すことは、快適
性を向上させる上で重要である。図18の実施例は、ペ
ルチェ素子1の配置のピッチを変化(図の右が粗、左が
密)させたもので、この配置により、パネルの単位面積
当りの吸熱量あるいは放熱量が、図の右から左へ増加す
る。図19は、ピッチは同じで、素子の厚さ(断面積)
を変化させた実施例で、この場合も単位面積当りの吸熱
量あるいは放熱量が変化する。これと同様に、一定のピ
ッチで、長さを変化させても同様で、用途に適したピッ
チのパネルとすることで、最適な温度調節ができる。ま
た、無駄な冷却や暖房が少なくなるため、省エネルギ効
果も期待できる。
【0058】図19の実施例は、基本的には断面積と長
さ方向の比(断面積/長さ)が吸熱量あるいは発熱量に
関係することを利用したものであったが、一般に、ペル
チェ素子を作る場合、長さあるいは厚さ(断面積)は、
ある程度、製造のしやすさから限定される。そのため、
別の方法で、実効的に断面積と長さ方向の比(断面積/
長さ)を変えられる方法が望まれる。作用で述べた様
に、図2のaとbとを比べた場合、aのペルチェ素子の
電流方向に垂直な断面積と長さの比(断面積/長さ)に
比べ、bの断面積と長さ方向の比は大きい。そして、c
の場合はこれらの中間的な値になる。断面積と長さの比
は、吸熱量に関係する。従って、素子と電極との接触面
積を場所によって変化させれば、同一素子を用いても吸
熱密度が場所によって変化させることができる。接触面
積を変えることは、さほど難しいことではないので、低
コストで最適な温度分布を形成できる。
さ方向の比(断面積/長さ)が吸熱量あるいは発熱量に
関係することを利用したものであったが、一般に、ペル
チェ素子を作る場合、長さあるいは厚さ(断面積)は、
ある程度、製造のしやすさから限定される。そのため、
別の方法で、実効的に断面積と長さ方向の比(断面積/
長さ)を変えられる方法が望まれる。作用で述べた様
に、図2のaとbとを比べた場合、aのペルチェ素子の
電流方向に垂直な断面積と長さの比(断面積/長さ)に
比べ、bの断面積と長さ方向の比は大きい。そして、c
の場合はこれらの中間的な値になる。断面積と長さの比
は、吸熱量に関係する。従って、素子と電極との接触面
積を場所によって変化させれば、同一素子を用いても吸
熱密度が場所によって変化させることができる。接触面
積を変えることは、さほど難しいことではないので、低
コストで最適な温度分布を形成できる。
【0059】図20はメッシュ41にペルチェ素子1を
形成した実施例で、図21に示す様に、一部にメッシュ
41をした金属被覆10を置き、その上にペルチェ素子
原料15を塗布し、焼成して作る。本実施例の場合、ペ
ルチェ素子原料を塗布する工程で、原料がメッシュを覆
い囲むため、焼成するとメッシュ41とペルチェ素子1
が一体物になる。この一体物はメッシュ10が素子1の
補強材となるため耐久性に優れ、さらに一体物であるの
で以後の製造工程が簡略化される。また別の実施例は、
図22に示す様に、導電性の電極材料19もペルチェ素
子原料15と一緒に塗布し、これを焼成する方法もあ
る。この場合のメッシュは非導電性の材料(例えばガラ
スメッシュ)で良い。図22の方法で形成した物も、耐
久性,工程簡略化の点で有利である。
形成した実施例で、図21に示す様に、一部にメッシュ
41をした金属被覆10を置き、その上にペルチェ素子
原料15を塗布し、焼成して作る。本実施例の場合、ペ
ルチェ素子原料を塗布する工程で、原料がメッシュを覆
い囲むため、焼成するとメッシュ41とペルチェ素子1
が一体物になる。この一体物はメッシュ10が素子1の
補強材となるため耐久性に優れ、さらに一体物であるの
で以後の製造工程が簡略化される。また別の実施例は、
図22に示す様に、導電性の電極材料19もペルチェ素
子原料15と一緒に塗布し、これを焼成する方法もあ
る。この場合のメッシュは非導電性の材料(例えばガラ
スメッシュ)で良い。図22の方法で形成した物も、耐
久性,工程簡略化の点で有利である。
【0060】図22は鋼板と断熱材からなる一体物の製
造法を示したもので、鋼板3に型12を押しつけ、すき
間に、例えばポリウレタンを発泡充填して断熱材2を鋼
板3上に形成する。次に図8,図9等に示した。ペルチ
ェ素子1と電極8からなる一体物を、鋼板3と断熱材2
からなる一体物で挾んで形成する。素子と電極からなる
一体物は、ある程度折り曲げたものを挾んでも良い。本
実施例によれば、単純な工程で大面積のパネルを短時間
で製造でき、コスト的に有利である。
造法を示したもので、鋼板3に型12を押しつけ、すき
間に、例えばポリウレタンを発泡充填して断熱材2を鋼
板3上に形成する。次に図8,図9等に示した。ペルチ
ェ素子1と電極8からなる一体物を、鋼板3と断熱材2
からなる一体物で挾んで形成する。素子と電極からなる
一体物は、ある程度折り曲げたものを挾んでも良い。本
実施例によれば、単純な工程で大面積のパネルを短時間
で製造でき、コスト的に有利である。
【0061】図24は鋼板3と断熱材2からなる一体物
の上に、素子1と電極8からなる一体物を置き、その上
に鋼板3を置き、これらを押さえ13によって挾み、す
き間にポリウレタン等を発泡充填して形成する方法を示
す。この場合も、単純な工程で大面積のパネルを短時間
で製造でき、コスト的に有利である。
の上に、素子1と電極8からなる一体物を置き、その上
に鋼板3を置き、これらを押さえ13によって挾み、す
き間にポリウレタン等を発泡充填して形成する方法を示
す。この場合も、単純な工程で大面積のパネルを短時間
で製造でき、コスト的に有利である。
【0062】断熱材としてシリカを用いた場合は、シリ
カが高融点材料であることから別の製造法も適用でき
る。図26はその実施例で、断熱材2とペルチェ素子
1,電極8を一度の工程で形成する方法を示す。例えば
ビスマステールル系材料の焼結温度は450〜550℃
で断熱材となるシリカの融点(1500℃以上)に比べ
十分低く、ビスマステールル系材料を焼結しても断熱材
は変質しない。そこで、シリカで構成されたブロックの
上にペルチェ素子材料15と電極材料19(望ましくは
450〜550℃で固化するペースト状のもの)を塗布
し、焼結することによって断熱材2とペルチェ素子1,
電極8の一体物を形成する。次に、この一体物を図27
の基板3に接着し、図28の様に半田等の導電性のもの
で電気的に連結することによって、パネルの主要部分を
形成できる。本実施例の場合、一度の焼成工程によっ
て、断熱材2とペルチェ素子1,電極8を形成でき、製
造コスト的に有利である。
カが高融点材料であることから別の製造法も適用でき
る。図26はその実施例で、断熱材2とペルチェ素子
1,電極8を一度の工程で形成する方法を示す。例えば
ビスマステールル系材料の焼結温度は450〜550℃
で断熱材となるシリカの融点(1500℃以上)に比べ
十分低く、ビスマステールル系材料を焼結しても断熱材
は変質しない。そこで、シリカで構成されたブロックの
上にペルチェ素子材料15と電極材料19(望ましくは
450〜550℃で固化するペースト状のもの)を塗布
し、焼結することによって断熱材2とペルチェ素子1,
電極8の一体物を形成する。次に、この一体物を図27
の基板3に接着し、図28の様に半田等の導電性のもの
で電気的に連結することによって、パネルの主要部分を
形成できる。本実施例の場合、一度の焼成工程によっ
て、断熱材2とペルチェ素子1,電極8を形成でき、製
造コスト的に有利である。
【0063】次に、本発明のパネル構造を有する機器の
実施例を示す。図29は保冷倉庫,事務所等で利用が考
えられるパーティッションへの応用例を示す。実施例1
で述べた様に、パネルを構成する鋼板3は、鉄鋼板、あ
るいはアルミ鋼板を用い、板厚は0.3〜0.5mmの
ものを用い、断熱材2はポリウレタンを用い、ペルチェ
素子1はビスマステールル系の材料を用いた構成にする
ことで、31W/m2の熱を吸収できる。この場合、放
熱側の温度は外気温度+10℃以内という設定をしてい
るが、この条件を緩和すれば、さらに多くの熱を吸収で
きる。
実施例を示す。図29は保冷倉庫,事務所等で利用が考
えられるパーティッションへの応用例を示す。実施例1
で述べた様に、パネルを構成する鋼板3は、鉄鋼板、あ
るいはアルミ鋼板を用い、板厚は0.3〜0.5mmの
ものを用い、断熱材2はポリウレタンを用い、ペルチェ
素子1はビスマステールル系の材料を用いた構成にする
ことで、31W/m2の熱を吸収できる。この場合、放
熱側の温度は外気温度+10℃以内という設定をしてい
るが、この条件を緩和すれば、さらに多くの熱を吸収で
きる。
【0064】図30は、本発明のパネルを2枚用い、そ
れらの間に通気ダクト29を設け、さらにパネルの下に
この通路に通じる通気孔28を設けた実施例である。本
実施例によれば、パーティッションの表面をいずれも冷
却面として使うことができる。
れらの間に通気ダクト29を設け、さらにパネルの下に
この通路に通じる通気孔28を設けた実施例である。本
実施例によれば、パーティッションの表面をいずれも冷
却面として使うことができる。
【0065】図31は保冷用のコンテナ、あるいは冷蔵
庫に本発明を利用した実施例で、放熱用のフィンがな
く、外見に比べて内容積の大きい物が構成できる。
庫に本発明を利用した実施例で、放熱用のフィンがな
く、外見に比べて内容積の大きい物が構成できる。
【0066】図32は、保冷あるいは保温可能なパーテ
ィッションを有するシステムとその効率的な運用法を示
した図である。例えば、卸売り市場の保冷倉庫では、保
管物の量が時事刻々と変化する。保管量が少ない場合、
図32のパーティッション30,31,32は倉庫の周
辺へ寄せ、電源をOFFにし、パーティッション33,
34に保管物を冷蔵させる。保管物の量が増えれば、パ
ーティッションを図32の様に動かし、保冷空間を大き
くする。本実施例によれば、エネルギ的に無駄が生じな
い保冷システムを構築できる。
ィッションを有するシステムとその効率的な運用法を示
した図である。例えば、卸売り市場の保冷倉庫では、保
管物の量が時事刻々と変化する。保管量が少ない場合、
図32のパーティッション30,31,32は倉庫の周
辺へ寄せ、電源をOFFにし、パーティッション33,
34に保管物を冷蔵させる。保管物の量が増えれば、パ
ーティッションを図32の様に動かし、保冷空間を大き
くする。本実施例によれば、エネルギ的に無駄が生じな
い保冷システムを構築できる。
【0067】また、本発明の様なパネル状のペルチェ冷
却機器はスペース的にも有利で、電気のみを送ればよい
ので、図32の様な移動が極めて容易である。
却機器はスペース的にも有利で、電気のみを送ればよい
ので、図32の様な移動が極めて容易である。
【0068】ところで、保冷倉庫では保管物の種類によ
っても設定温度を変える必要がある。この場合、温度調
節は各パネルが吸熱量を調節して行う(投入電力量を制
御)、あるいはパネル(特に図30の様な両面冷却パー
ティッション)を保管物の間に配置して、システム全体
の冷却能力を上げることにより温度を下げる方法もあ
る。
っても設定温度を変える必要がある。この場合、温度調
節は各パネルが吸熱量を調節して行う(投入電力量を制
御)、あるいはパネル(特に図30の様な両面冷却パー
ティッション)を保管物の間に配置して、システム全体
の冷却能力を上げることにより温度を下げる方法もあ
る。
【0069】また、電気のみを供給すれば良いことか
ら、図33の折畳み式のパーティッションも構成可能で
ある。このパーティッションを用いれば、一層スペース
的に有利な保冷・保温システムを構成できる。折畳み式
のパーティッションは、図32の様に「く」の字型に収
納するものも、図33の様に空調パネル20を重ねて収
納するものでも良い。
ら、図33の折畳み式のパーティッションも構成可能で
ある。このパーティッションを用いれば、一層スペース
的に有利な保冷・保温システムを構成できる。折畳み式
のパーティッションは、図32の様に「く」の字型に収
納するものも、図33の様に空調パネル20を重ねて収
納するものでも良い。
【0070】実施例1に示したパネルは、ペルチェ素子
によって熱の吸収と熱の放出を行うため、吸熱側に配置
された物は冷却され、放熱側に配置されたものは暖めら
れる。この性質を利用した物として図35の配膳台があ
る。これは、温調パネル36を中央部に設け、その片側
に暖めておきたい物を、別の側に冷しておきたい物を配
置する。本実施例の場合、エネルギに無駄がない。しか
もマイルドな輻射による冷却,加熱のため、食品の変質
が少ないという効果もある。
によって熱の吸収と熱の放出を行うため、吸熱側に配置
された物は冷却され、放熱側に配置されたものは暖めら
れる。この性質を利用した物として図35の配膳台があ
る。これは、温調パネル36を中央部に設け、その片側
に暖めておきたい物を、別の側に冷しておきたい物を配
置する。本実施例の場合、エネルギに無駄がない。しか
もマイルドな輻射による冷却,加熱のため、食品の変質
が少ないという効果もある。
【0071】図36は本発明のパネル構造を有する機器
を用いた保冷倉庫を示す。倉庫は、建屋、全体のベース
となる空調を受け持つ空調機25、その中に本発明のパ
ネル構造を有するパーティッション20、天井に配置し
たパネル40,コンテナ26等で構成される。すでに述
べたように、ベースとなる空調を通常の空調機で賄うの
であれば、ペルチェ素子のは微小な温度調整をするだけ
である。そのため、素子で形成すべき温度差が小さくな
り、COPの高い領域で動作できる。従って、高度に温
度調整され、かつ効率の高い保冷システムを構築でき
る。
を用いた保冷倉庫を示す。倉庫は、建屋、全体のベース
となる空調を受け持つ空調機25、その中に本発明のパ
ネル構造を有するパーティッション20、天井に配置し
たパネル40,コンテナ26等で構成される。すでに述
べたように、ベースとなる空調を通常の空調機で賄うの
であれば、ペルチェ素子のは微小な温度調整をするだけ
である。そのため、素子で形成すべき温度差が小さくな
り、COPの高い領域で動作できる。従って、高度に温
度調整され、かつ効率の高い保冷システムを構築でき
る。
【0072】図37は保冷システムにおける、使い勝手
の向上を目的とした実施例を示す。保冷倉庫では多品種
の物を貯蔵するため、最適な温度も種類に応じてさまざ
まである。そこで、コンテナが配置される床面に、印加
電圧の異なるコンセント27を数種類配置し、それぞれ
に、コンテナを接続したときに保冷される温度を明示し
ておけば、作業員は保管物の種類を判別した後、確実に
必要な保冷温度に設定できる。さらに、電源系をコンテ
ナ,パーティッションに組み込む必要がないため、これ
らの構造がより単純になり、量産する上で有利である。
の向上を目的とした実施例を示す。保冷倉庫では多品種
の物を貯蔵するため、最適な温度も種類に応じてさまざ
まである。そこで、コンテナが配置される床面に、印加
電圧の異なるコンセント27を数種類配置し、それぞれ
に、コンテナを接続したときに保冷される温度を明示し
ておけば、作業員は保管物の種類を判別した後、確実に
必要な保冷温度に設定できる。さらに、電源系をコンテ
ナ,パーティッションに組み込む必要がないため、これ
らの構造がより単純になり、量産する上で有利である。
【0073】図38は第14の発明の実施例を示し、ポ
ンピングの手段であるペルチェ素子1、および断熱材
2、鋼板3等で構成したパネルである。パネルを構成す
る鋼板3としては、実施例1と同様に鉄鋼板、あるいは
アルミ鋼板を用い、板厚は0.3〜0.5mmのものを
用いる。断熱材2としてはポリウレタンを用いる。ペル
チェ素子1としてはビスマスーテルル系の材料を用い、
電流の流れる方向の長さは5mm、厚さは、0.02m
mとする。鋼板3の端面は折り曲げておく。
ンピングの手段であるペルチェ素子1、および断熱材
2、鋼板3等で構成したパネルである。パネルを構成す
る鋼板3としては、実施例1と同様に鉄鋼板、あるいは
アルミ鋼板を用い、板厚は0.3〜0.5mmのものを
用いる。断熱材2としてはポリウレタンを用いる。ペル
チェ素子1としてはビスマスーテルル系の材料を用い、
電流の流れる方向の長さは5mm、厚さは、0.02m
mとする。鋼板3の端面は折り曲げておく。
【0074】例えば、断熱材2の熱伝導率が0.02W
/mKの場合、3cmの厚さの断熱材料の場合、断熱材
の両側の温度に20℃の温度差があるとすると、およそ
0.0013W/cm2の熱が低温側に流れ込む。本発
明のパネルを用いれば、20W/m2の電力を投入する
ことにより、厚さ0.8cm程度で同等の入熱に抑える
ことができ、これまでより薄い板で断熱できる。
/mKの場合、3cmの厚さの断熱材料の場合、断熱材
の両側の温度に20℃の温度差があるとすると、およそ
0.0013W/cm2の熱が低温側に流れ込む。本発
明のパネルを用いれば、20W/m2の電力を投入する
ことにより、厚さ0.8cm程度で同等の入熱に抑える
ことができ、これまでより薄い板で断熱できる。
【0075】次に、第15の発明の実施例としては、図
39に示す様な断熱パネルがある。この構成は、基本的
には図38と同等で、電力を投入することによって、断
熱材単体で構成した断熱パネルの1/3〜1/4の厚さ
で、同等の断熱効果が得られる。
39に示す様な断熱パネルがある。この構成は、基本的
には図38と同等で、電力を投入することによって、断
熱材単体で構成した断熱パネルの1/3〜1/4の厚さ
で、同等の断熱効果が得られる。
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、スペース,コスト的に
も有利で、耐久性,快適性にも優れた空調,保冷・保温
が可能である。また、貯蔵物の量が時事刻々と変化する
ところでもエネルギ効率的に優れたシステムを構築でき
る。
も有利で、耐久性,快適性にも優れた空調,保冷・保温
が可能である。また、貯蔵物の量が時事刻々と変化する
ところでもエネルギ効率的に優れたシステムを構築でき
る。
【図1】第1の発明の基本構成を示す断面図。
【図2】第4の発明を説明する断面図。
【図3】ペルチェ素子および他の冷却手段の成績係数を
示す説明図。
示す説明図。
【図4】第1の発明の一実施例を示す断面図。
【図5】第1の発明の一実施例を示す断面図。
【図6】第1の発明の一実施例を示す断面図。
【図7】第1の発明の一実施例を示す断面図。
【図8】第1の発明の一実施例を示す断面図。
【図9】第1の発明の一実施例を示す断面図。
【図10】第1の発明の一実施例を示す断面図。
【図11】第1の発明の一製造法を示す断面図。
【図12】第1の発明の一製造法を示す断面図。
【図13】第1の発明の一実施例を示す断面図。
【図14】第2の発明の一実施例を示す断面図。
【図15】第2の発明の一実施例を示す断面図。
【図16】第2の発明の一実施例を示す断面図。
【図17】第2の発明の一実施例を示す断面図。
【図18】第3の発明の一実施例を示す断面図。
【図19】第3の発明の一実施例を示す断面図。
【図20】第5の発明の一実施例を示す断面図。
【図21】第5の発明の製造法を示す断面図。
【図22】第6の発明の製造法を示す断面図。
【図23】第6の発明の製造法を示す断面図。
【図24】第7の発明の製造法を示す断面図。
【図25】第8の発明の製造法を示す断面図。
【図26】第8の発明の製造法を示す断面図。
【図27】第8の発明の製造法を示す断面図。
【図28】第8の発明の製造法を示す断面図。
【図29】第9の発明の一実施例を示す説明図。
【図30】第9の発明の一実施例を示す説明図。
【図31】第9の発明の一実施例を示す説明図。
【図32】第10の発明の一実施例を示す説明図。
【図33】第10の発明の一実施例を示す説明図。
【図34】第10の発明の一実施例を示す説明図。
【図35】第12の発明の一実施例を示す説明図。
【図36】第13の発明の一実施例を示す説明図。
【図37】第13の発明の一実施例を示す説明図。
【図38】第14の発明の一実施例を示す図。
【図39】第15の発明の一実施例を示す図。
1…ペルチェ素子、2…断熱材、3…鋼板、8…電極、
10…金属被覆、40…電気絶縁層、41…メッシュ。
10…金属被覆、40…電気絶縁層、41…メッシュ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩田 博 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地株 式会社日立製作所冷熱事業部内 (72)発明者 玉澤 一哲 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地株 式会社日立製作所冷熱事業部内
Claims (15)
- 【請求項1】板材と板材とに挾まれた空間に、断熱性の
構造物と、電極によって電気的に接続された複数個のペ
ルチェ素子を配置し、前記電極の一部を、少なくとも前
記板材と板材とに挾まれた空間を横切る方向に配置し、
他部を前記板材の表面の電気絶縁層を介して前記板材に
接触もしくは装着したことを特徴とする電子冷却パネ
ル。 - 【請求項2】請求項1において、前記板材と前記板材に
挾まれた空間に、真空の領域が存在する電子冷却パネ
ル。 - 【請求項3】請求項1において、前記ペルチェ素子の厚
さ,長さあるいは実装密度に違いをつけて配置した電子
冷却パネル。 - 【請求項4】請求項1において、前記ペルチェ素子の面
の一部に前記電極を接合するとともに、対向する面の一
部に前記電極を接合し、それらが、前記ペルチェ素子の
中心に対してほぼ対象位置にある電子冷却パネル。 - 【請求項5】請求項1において、前記ペルチェ素子がメ
ッシュの上に形成されるが、もしくは前記ペルチェ素子
を内部にメッシュが貫通した電子冷却パネル。 - 【請求項6】請求項1において、前記複数のペルチェ素
子と前記電極を含む一体物を、断熱材を表面に装着した
複数の板材で挾む電子冷却パネルの製造方法。 - 【請求項7】請求項1において、前記複数のペルチェ素
子と前記電極を含む一体物を、断熱材を表面に装着した
板材の上に置き、その上に別の板材を置き、すき間に断
熱材原料を注入する電子冷却パネルの製造方法。 - 【請求項8】請求項1において、成型した断熱材の上に
ペルチェ素子原料、導電性の材料を塗布し、焼成する断
熱材、ペルチェ素子および電極の製造方法。 - 【請求項9】請求項1の前記パネル構造を有するパーテ
ィッション、保冷コンテナ、冷蔵庫、配膳台。 - 【請求項10】保冷物あるいは保温物の量,種類等に応
じて、温度調節機能を有するパネル状の構造物を移動さ
せ、保冷あるいは保温する空間を変化させることを特徴
とするシステムおよび運用方法。 - 【請求項11】請求項9において、パネル状の構造物と
して、請求項1に示す構造を含むもの。 - 【請求項12】保冷物あるいは保温物の種類等に応じ
て、パネルで仕切られた空間の一方に保冷したいもの
を、別の一方に保温したいものを配置して貯蔵すること
を特徴とするペルチェ素子を内蔵したパネルの運用方
法。 - 【請求項13】ベースロードは通常の空調で賄い、局所
的な温度調節機として請求項1の前記パネル構造を有す
る機器を用いたシステム及び運用方法。 - 【請求項14】外部からのエネルギーによって、低温側
から高温側に熱を輸送(ポンピング)する手段を動作さ
せ、低温側の空間もしくは低温側に置かれた物体への熱
の流入を防ぐか、高温側の空間もしくは高温側に置かれ
た物体から低温側への熱の流出を防ぐことを特徴とする
断熱手段および運転方法。 - 【請求項15】請求項14において、請求項1のパネル
を用いたことを特徴とするもの。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7045244A JPH08240323A (ja) | 1995-03-06 | 1995-03-06 | 電子冷却パネル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7045244A JPH08240323A (ja) | 1995-03-06 | 1995-03-06 | 電子冷却パネル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08240323A true JPH08240323A (ja) | 1996-09-17 |
Family
ID=12713854
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7045244A Pending JPH08240323A (ja) | 1995-03-06 | 1995-03-06 | 電子冷却パネル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08240323A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108770321A (zh) * | 2018-08-17 | 2018-11-06 | 深圳市嘉姆特通信电子有限公司 | 热量冷却器 |
JP2021533343A (ja) * | 2018-08-01 | 2021-12-02 | サン−ゴバン サントル ド レシェルシュ エ デテュド ユーロペアン | 光ファイバを備えたガラス炉 |
-
1995
- 1995-03-06 JP JP7045244A patent/JPH08240323A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021533343A (ja) * | 2018-08-01 | 2021-12-02 | サン−ゴバン サントル ド レシェルシュ エ デテュド ユーロペアン | 光ファイバを備えたガラス炉 |
CN108770321A (zh) * | 2018-08-17 | 2018-11-06 | 深圳市嘉姆特通信电子有限公司 | 热量冷却器 |
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