JPH0823924B2 - 磁気ヘッド用コアの製造法及びそれによって得られた磁気ヘッド用コア - Google Patents

磁気ヘッド用コアの製造法及びそれによって得られた磁気ヘッド用コア

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JPH0823924B2
JPH0823924B2 JP63119769A JP11976988A JPH0823924B2 JP H0823924 B2 JPH0823924 B2 JP H0823924B2 JP 63119769 A JP63119769 A JP 63119769A JP 11976988 A JP11976988 A JP 11976988A JP H0823924 B2 JPH0823924 B2 JP H0823924B2
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正孝 清水
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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、磁気ヘッド用コアの製造法及びそれによっ
て得られた磁気ヘッド用コアに係り、特にフロッピーデ
ィスクドライプ用磁気ヘッドに用いて好適なコアを有利
に製造し得る方法、並びにそのような方法によって得ら
れる磁気ヘッド用コアに関するものである。
(背景技術) フロッピーディスクドライブ(FDD)においては、単
に記録再生用の磁気ヘッドで旧データ上に新データをオ
ーバライトで書き込むようにすると、記録媒体としての
フロッピーディスクに対する磁気ヘッドのトラック幅方
向のずれ(オフトラック)により、第24図に示されてい
るように、旧データの消し残り部分が生じる。そして、
旧データの消し残り部分が存在すると、データの再生時
において、その旧データの消し残り部分が新データと共
に読み出されて、S/N比の低下を招き、読取エラーが生
じ易くなる。そこで、FDD用磁気ヘッドにおいては、こ
のような消し残りの旧データに起因するS/N比の低下を
防止するために、一般に、消去用の磁気ヘッドが記録再
生用の磁気ヘッドと対で用いられて、第25図に示されて
いるように、記録再生用の磁気ヘッドによる新データの
書込み領域(記録再生部)の両側に位置する所定幅の領
域(消去部)のデータが、後行する消去用磁気ヘッドで
強制的に消去されるようになっている。
一方、フロッピーディスクの隣接するトラック同士が
接近し過ぎていると、オフトラック時において、隣接す
るトラックのデータを消去用磁気ヘッドが必要以上に消
去してしまったり、記録再生用磁気ヘッドが隣接するト
ラックのデータを読み取る、所謂クロストークを生じた
りして、やはりS/N比が低下し、読取エラーが生じ易く
なる。そこで、FDDのフロッピーディスクにおいては、
そのような不具合の発生を防止するために、各隣接する
トラック同士の間に、所定幅のガードバンドが設けられ
ている(第25図参照)。
例えば、現在多数普及している3.5インチ、1MByte用F
DDでは、磁気ヘッドの最大オフトラック量は通常30〔μ
m〕程度であるが、上述のような不具合を防止するため
に、フロッピーディスクの各隣接するトラック間に60
〔μm〕程度のガードバンドが設けられている。なお、
かかる3.5インチ、1MByteのフロッピーのトラック密度
は135〔TPI〕、トラックピッチは188〔μm〕、トラッ
ク幅は約125〔μm〕に規定されており、トラックは外
周側から内周側に80トラック設けられている。
ところで、かかるFDDに用いられる磁気ヘッドは、近
年、高密度記録、大容量化に伴って、バルクタイプのも
のが主流となっているが、かかるタイプの従来の磁気ヘ
ドにおいては、その磁気ヘッド用コアが、第26図に示さ
れているように、記録再生用のコア2と消去用のコア4
とが、それぞれの磁気ギャップ2a,4aを位置合わせされ
た状態において、背中合わせに接合一体化させられた構
造であったため、その製造工数が多く、製造コストが必
然的に高くなるといった問題があった。
すなわち、第26図に示す磁気ヘッド用コアの記録再生
用コア2の製造に際しては、先ず、一対のフェライトブ
ロックが用意され、その各々にトラック幅規定溝が形成
された後、そのトラック幅規定溝にガラスが埋設され、
そしてその埋設された余分のガラスの除去と同時に、ギ
ャップ対向面が鏡面仕上げされ、更にその後、デプス長
規定溝が一方のブロックに形成される。次いで、少なく
とも一方のブロックのギャップ対向面にギャップスペー
サが所定の厚みで形成された後、デプス長規定溝にガラ
スが流し込まれて、二つのフェライトブロックが接合一
体化され、記録再生用のコア2を与えるコアブロックが
製造される。また、消去用のコア4を与えるコアブロッ
クも、上記記録再生用のコア2を与えるコアブロックと
同様の手法で製造される。
そして、それら記録再生用コア2を与えるコアブロッ
クと消去用コア4を与えるコアブロックとが、磁気ギャ
ップ2a,4aの位置合わせの後、ガラスまたは樹脂で背中
合わせに一体的に接合され、更にそれら接合一体化され
たコア2,4に対してそれぞれ足溝加工が行なわれた後、
かかる一体化されたコアブロックが所定の位置で切断さ
れることにより、第26図の如き磁気ヘッド用コアが得ら
れるのである。
従って、そのような従来のFDD用の磁気ヘッド用コア
の製造に際しては、トラック幅規定用の溝入れ加工を、
記録再生用のコア2を与えるコアブロック及び消去用コ
ア4を与えるコアブロックの各々に対して2回行なう必
要があるのであり、またデプス長規定溝のための溝入れ
加工を各々に対して1回行なう必要があるのであり、更
にはギャップ接合2回、両コアブロックの接合1回の、
合わせて3回の接合工程が必要となるのであり、それ故
に、工数が極めて多くなり、コスト高になることが免れ
得なかったのである。
また、そのような従来のFDD用の磁気ヘッド用コアの
製造に際しては、記録再生用のコア2を与えるコアブロ
ックと消去用コア4を与えるコアブロックのそれぞれの
磁気ギャップ2a,4aの位置合わせが、それら磁気ギャッ
プ2a,4aが離れた状態において、すなわちそれぞれのコ
アブロックの各一つのフェライトブロックを挟んだ状態
において、行なわれるものであるところから、それら磁
気ギャップ2a,4aの位置合わせ作業が極めて難しく、そ
れらの位置合わせ精度が劣るといった問題もあったので
ある。
(解決課題) ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景として、
サーボ機構による自動トラッキング機能を伴うことな
く、新データを旧データ上にオーバライト(重ね書き)
方式で記録して、良好なS/N比をもって再生することの
できる、FDD用の磁気ヘッド用コアとして用いて好適な
磁気ヘッド用コアであって、製造工数を格段に低減し
て、低価格で製造し得る構造のものを提供すると共に、
そのようなコアの工業的に有利な製造方法を提供するこ
とを、その解決すべき課題として為されたものである。
(解決手段) そして、本発明は、かかる課題解決のために、第一の
フェライトブロック及び第二のフェライトブロックを配
して、それら二つのフェライトブロックの付き合わせに
より、所定の磁路が形成されるようにすると共に、該二
つのフェライトブロックの突合せ部に所定間隔の記録再
生用磁気キャップが形成されてなる磁気ヘッド用コアを
製造するに際して、それらフェライトブロックの少なく
とも一方のものの突合せ面の記録再生用磁気ギャップ形
成部位に、他方のフェライトブロックの突合せ面との間
で前記記録再生用磁気ギャップを形成するための記録再
生用のトラック部を規定する第一のマスクを付与すると
共に、該第一のマスクの両側に複数の帯状の第二のマス
クを該第一のマスクから離れる方向に所定間隔を隔てて
配列し且つ前記磁気ギャップのギャップデプス長の方向
に延びるようにそれぞれ付与して、エッチングを行なう
ことにより、前記記録再生用磁気ギャップ形成部位に前
記記録再生用のトラック部を形成すると共に、そのトラ
ック部の両側に、前記第二のマスクに対応した山形凸部
の複数をそれぞれ形成せしめ、しかる後、それら二つの
フェライトブロックを突き合わせて、接合するようにし
たことを特徴とする磁気ヘッド用コアの製造法を、その
要旨とするものである。
また、本発明は、第一のフェライトブロック及び第二
のフェライトブロックを配して、それら二つのフェライ
トブロックの突き合わせにより、所定の磁路が形成され
るようにすると共に、該二つのフェライトブロックの突
合せ部に所定間隙の記録再生用磁気ギャップが形成され
てなる磁気ヘッド用コアにおいて、前記二つのフェライ
トブロックの少なくとも一方のものの磁気ギャップ形成
部位に、両側面が傾斜面とされた記録再生用トラック部
が形成されると共に、該記録再生用のトラック部の両側
に、磁気ギャップに対して20°以上の角度を為す傾斜面
を有する山形凸部の繰返しにて構成される波形形状の凹
凸部がそれぞれ形成され、且つ前記記録再生用磁気ギャ
ップが該記録再生用トラック部と他方のフェライトブロ
ックの突合せ面との間において形成される一方、該波形
形状の凹凸部によって該記録再生用のトラック部の両側
に生じるトラック幅規定ギャップの少なくとも一方にお
いて、該トラック幅規定ギャップの長さの1/3以下のピ
ッチをもって前記山形凸部が形成され、更に該波形形状
の凹凸部と該他方のフェライトブロックの突合せ面との
間の間隔が、該記録再生用磁気ギャップのギャップ長の
3倍以上、10μm以下とされて、該記録再生用磁気ギャ
ップにおける記録再生機能よりも低い記録再生機能を発
揮し得るように構成したことを特徴とする磁気ヘッド用
コアをも、その要旨とするものである。
(実施例) 以下、図面に示される実施例を参照しつつ、本発明
を、更に具体的に明らかにする。なお、ここでは、先
ず、第1図に示すFDD用の磁気ヘッド用コアをモデルと
してその製造例を説明し、その後、そのような手法によ
って製造された3.5インチ、1MByte用の磁気ヘッド用コ
アについて、その構造を詳述することとする。
すなわち、第1図に示す磁気ヘッド用コアの製造に際
しては、先ず、その第一および第二のフェライトブロッ
クとしてのフェライトブロック10A,10Bを得るために、
それらフェライトブロック10A,10Bにそれぞれ対応し
て、第2図に示されている如き、突合せ面にそれぞれ鏡
面加工が施された所定厚さのブロック状のフェライトブ
ロック素材12A,12Bが準備される。
なお、これらフェライトブロック素材12A,12B、すな
わちフェライトブロック10A,10Bとしては、従来からの
高透磁率フェライト材、例えばMn-Znフェライト、Ni-Zn
フェライト等の単結晶体や多結晶体、或いはそれらの複
合体が好適に採用されることとなるが、エッチング精度
が高く、トラック精度を有利に向上できることから、単
結晶フェライト(単結晶体)が特に好適に採用されるこ
ととなる。そして、それらフェライトブロック10A,10B
(12A,12B)として単結晶フェライトが採用される場合
には、それらの突合せ面として、(100),(110),
(211),(311),(332),(611)等の結晶面が有利
に選択されることとなる。
また、ここでは、各フェライトブロック素材12A,12B
からフェライトブロック10A,10Bをそれぞれ3個取りす
るために、それらフェライトブロック10A,10Bの3倍以
上の長さのフェライトブロック素材12A,12Bが準備され
ているが、各フェライトブロック素材12A,12Bからそれ
ぞれ1個のフェライトブロック10A,10Bだけを得るよう
にすることも勿論可能であり、また一つのフェライトブ
ロック素材からフェライトブロック10A,10Bの両方を得
るようにすることも可能である。
準備されたフェライトブロック素材12A,12Bには、先
ず、それらの突合せ面に対して、所定のレジストが塗布
される。そして、第3図に示されているように、記録媒
体(フロッピー)摺動部側の端部からフェライトブロッ
ク素材12A,12Bの幅方向にそれぞれ所定の幅寸法をもっ
て一定長さ延びるように、短冊状(長手矩形状)のフェ
ライト露出部14A,14Bがフェライトブロック素材12A,12B
の長手方向に複数形成されて、それらフェライト露出部
14A,14Bの形成の結果として、各記録再生用磁気ギャッ
プ形成部位が残留レジストの一つの帯状のマスク(第
一)16A,16Bで覆われるように、また各記録再生用磁気
ギャップ形成部位の両側の部位がそれぞれ残留レジスト
の複数の帯状のマスク(第二)18A,18Bで覆われるよう
に、さらに記録媒体摺動部側と反対側の端部部分が、フ
ェライトブロック素材12A,12Bの長手方向全長にわたっ
て、残留レジストの所定幅の帯状のマスク20A,20Bで覆
われるように、レジストが露光・現像されて除去され
る。
そして、かかるレジストの露光・現像による各マスク
の付与後、それらフェライトブロック素材12A,12Bに対
し、各フェライト露出部14A,14Bを介して、所定深さの
エッチング処理が施され、かかるエッチング処理によ
り、第4図に示されているように、各記録再生用磁気ギ
ャップ形成部位に、マスク16A,16Bで覆われた部分の所
定幅の部分が非エッチング面として残された、両側面が
それぞれ傾斜面とされた台形状断面の記録再生用トラッ
ク部22A,22Bが形成される一方、それら記録再生用磁気
ギャップ形成部位(トラック部22A,22B)の両側に、そ
れぞれ前記マスク18A,18Bの幅方向中間部に対応する部
位を頂部とする状態で、両側面がそれぞれ傾斜面とされ
た所定高さの山形凸部24A,24Bが形成される。つまり、
各磁気ギャップ形成部位に、記録再生用のトラック部22
A,22Bが形成されるのと同時に、それら磁気ギャップ形
成部位の両側に、複数の山形凸部24A,24Bを有する波形
形状の凹凸部が形成されるのである。
かかるエッチング処理が完了すると、次いで、第5図
に示されているように、一方のフェライトブロック素材
12Aの突合せ面に対し、前記各マスクと同様にして、前
記マスク20Aの付与部分を覆うように、レジストのマス
ク26が付与されると共に、記録媒体摺動部側端部の所定
幅の部分をフェライトブロック素材12Aの長手方向に帯
状に覆うように、レジストのマスク28が付与される。そ
して、それらマスク26,28の付与後、それらマスク26,28
で覆われていないフェライト露出部に対して、目的とす
る磁気ヘッド用コアの記録再生用磁気ギャップ30のギャ
ップ長に対応した深さのエッチングが施される。
なお、かかる記録再生用磁気ギャップ30を形成するた
めのエッチング処理は、フェライトブロック素材12B側
に施すようにすることも可能であり、フェライトブロッ
ク素材12A,12Bの双方に施すようにすることも可能であ
る。また、フェライトブロック素材12A,12Bに対する以
上のエッチング処理は、通常の電解エッチング或いは化
学エッチングにて行なうことが可能であるが、特に有利
には、本願出願人が特願昭60-222388号において明らか
にした、リン酸主体水溶液を用いた化学エッチングにて
実施されることとなる。さらに、それらエッチング処理
に先立って付与される各マスクの形成には、パターン精
度と工程の簡便さから、前述のように、フォトレジスト
を用いた露光による方法が好適に採用されることとなる
が、かかる手法に代えて、スクリーン印刷等の他の手法
を採用することも可能であり、また各マスクとしても、
ポジ型やネガ型のフォトレジストだけでなく、真空蒸
着、スパッタリング、CVD法等によって形成されるCr等
の金属や、SiO或いはSiO2等の各種マスクを採用するこ
とが可能である。
上記磁気ギャップ30を形成するためのエッチング処理
が完了すると、かかるエッチング処理が施されたフェラ
イトブロック素材12A(第6図参照)に対して、第7図
に示されているように、磁気ギャップ30のギャップデプ
ス位置を規定する状態でフェライトブロック素材12Aの
長手方向に延びる所定深さの接合用の溝32Aが形成され
ると共に、フェライトブロック素材12Bの対応する部位
に対して、同様の溝32B(第8図参照)が形成される。
次いで、このように加工されたフェライトブロック素
材12A,12Bが、それらの突合せ面で相互に付き合わさ
れ、その突合せ状態で、それらの突合せ面間の隙間、す
なわち相対応するトラック部22A,22B間の隙間およびそ
の両側の凹凸部間の隙間、およびブロック接合用の溝32
A,32Bの空間内に、非磁性材料製の所定の充填接合材34
を流入、充填せしめて、一体的に接合せしめられる。そ
して、かかる接合の後、フェライトブロック素材12A,12
Bの接合体のフロッピー摺動部側の所定幅の不要部分、
すなわち前記磁気ギャップ30を形成するためのエッチン
グが施されていない部分が切断除去される。これによ
り、第8図に示されている如き、フェライトブロック素
材12A,12Bの相対応するトラック部22A,22B間において、
磁気媒体摺動面に臨む状態で、目的とする磁気ヘッド用
コアの記録再生用磁気ギャップ30がそれぞれ形成される
と共に、それらの各磁気ギャップ30の両側の凹凸部間に
おいて、該磁気ギャップ30よりもギャップ長の大きいギ
ャップ(以下、このギャップをトラック幅規定ギャップ
と称する)が形成されて成るフェライトブロック素材12
A,12Bの接合体が得られるのである。
なお、ここで、前記ブロック接合用の溝32A,32Bは、
その一方だけを形成するようにすることも可能であり、
また磁気ギャップ30のギャップデプス長は、必ずしもそ
れらの溝32A,32Bで規定する必要はなく、前記トラック
部22A,22Bを形成するエッチングによって、それらトラ
ック部22A,22Bの形成と同時に規定するようにすること
も可能である。また、前記フェライトブロック素材12A,
12Bを接合するための接合充填材34としては、ガラス、
セラミックス系の無機接着剤、あるいは硬質樹脂等を採
用することが可能であるが、記録媒体の走行性の安定性
の面から、通常は、ガラスが採用されることとなる。
上述のようにして得られたフェライトブロック素材12
A,12Bの接合体には、次いで、第9図に示す如き破断線3
6に沿って、U字状の磁路を形成するための足溝加工が
施される。そして、かかる足溝加工の後、その足溝加工
が施されたフェライトブロック素材12A,12Bの接合体
が、トラック部22A,22Bの両側のトラック幅規定ギャッ
プ形成部位、すなわち山形凸部24A,24Bの形成部位にお
いて所定のコア幅となるように切断されて(例えば、第
10図の破断線38で切断されることにより)、第1図に示
されている如き、両フェライトブロック10A,10Bの記録
再生用トラック部22A,22B間において、所定長さおよび
ギャップ長の記録再生用磁気ギャップ30が形成されると
共に、その磁気ギャップ30の両側の波形形状の凹凸部間
において、その磁気ギャップ30よりもギャップ長の大き
いトラック幅規定ギャップが形成された、それぞれU字
状の磁路を形成する磁気ヘッド用コアが3個取得される
のである。
なお、以上の工程では、記録再生用磁気ギャップ30の
ギャップ長が、フェライトブロック素材12A,12Bのトラ
ック部22A,22Bに対するエッチングによって規定される
ものとして述べたが、そのようなエッチングを施す代わ
りに、トラック部22A,22Bの少なくとも一方の先端面に
磁気ギャップ30のギャップ長相当の非磁性膜をスパッタ
リング等の手法で被着させて、磁気ギャップ30のギャッ
プ長を規定するようにすることも可能である。
また、フェライトブロック素材12A,12Bの接合に際し
ては、各フェライトブロック素材12A,12Bの充填部に充
填接合材34を先に充填させ、充填接合材34の不要部分を
除去・研磨した後、それら両フェライトブロック素材12
A,12Bを突き合わせて一体に接合するようにすることも
可能である。
さらに、このようにして製造される磁気ヘッド用コア
は、第11図および第12図に示されているように、磁気ギ
ャップ30の両側のトラック幅規定ギャップが非対称的と
なるようにすることも可能であり、また対称的となるよ
うにすることも可能である。
このような手法に従って製造される磁気ヘッド用コア
は、それが3.5インチ、1MByte用のものである場合に
は、そのトラック幅規定ギャップのギャップ長:A(第12
図参照)が、下記(1)式(Karqvistの計算式)を満た
す大きさよりも小さい大きさ、好ましくは10〔μm〕以
下の大きさに設定される。そして、これにより、記録時
において、記録再生用磁気ギャップ30においては勿論、
この磁気ギャップ30の両側のトラック幅規定ギャップに
おいても、充分大きな記録機能が発揮され得るようにさ
れる。
ただし、Hcは、記録媒体(フロッピーディスク)の保磁
力;αは、実効的なギャップ長:Aによって定まるコア効
率;Nは、コイルの巻数;Iは、記録電流;δはフロッピー
ディスクの磁性膜厚さである。
ここで、3.5インチ、1MByte用のフロッピーディスク
では、通常、Hc=700〔Oe〕、N=320〔回〕、I=0.00
4〔Ao-p〕、δ=2〔μm〕であり、またαは、トラッ
ク幅規定ギャップのギャップ長:Aが10〔μm〕のとき、
0.6であるため、トラック幅規定ギャップのギャップ長:
Aが10〔μm〕のときには、トラック幅規定ギャップの
2〔μm〕上方における磁界の強さ:Hは730〔Oe〕とな
り、従ってトラック幅規定ギャップのギャップ長:Aを10
〔μm〕よりも小さく設定すれば、トラック幅規定ギャ
ップにおいても充分な記録能力が得られるのである。
ところで、このような磁気ヘッド用コアが適用される
磁気ヘッドでは、旧データ上に新データが直接書き込ま
れるオーバライト方式の記録方式が採用されることとな
るが、その際、従来の磁気ヘッドのように、消去機能が
付与されることはなく、単に記録再生機能が付与される
だけであり、しかも、上述のように、記録再生用磁気ギ
ャップ30だけでなく、その両側のトラック幅規定ギャッ
プにも充分な記録機能が付与されるため、第13図(a)
に示されているように、各トラック間にガードバンドは
基本的には存在しないこととなる。従って、同図(b)
のようにオフトラックがない場合においては、一方のト
ラック幅規定ギャップによって隣接するトラックのデー
タが読み込まれることとなり、また同図(c)のように
オフトラックが生じた場合には、その一方のトラック幅
規定ギャップによる隣接トラックのデータの読込みに加
えて、トラック幅規定ギャップの他方が同一トラックの
位相の異なるデータ乃至は隣接するトラックのデータを
読み込むようになると共に、記録再生用磁気ギャップ30
の一部がトラック幅規定ギャップの何れかで書き込まれ
た同一トラックの位相の異なるデータを読み込むことと
なって、それらトラック幅規定ギャップや磁気ギャップ
30が読み込んだ隣接トラックのデータや同一トラックの
位相の異なるデータがノイズとなり、S/N比を低下させ
ることとなる。
そこで、ここにおいては、このような不具合を回避し
て、良好なS/N比を確保するために、トラック幅規定ギ
ャップのギャップ長:Aが記録再生用磁気ギャップ30のギ
ャップ長:Bの3倍以上の大きさに設定されて、かかるト
ラック幅規定ギャップにおいて12〔dB〕程度以上のギャ
ップロスが確保されるようになっていると共に、トラッ
ク幅規定ギャップの凹凸部を形成する山形凸部24A,24B
の各傾斜面と磁気ギャップ30の為す角度:θ,γ(第12
図参照)が、それぞれ、20°以上、好ましくは30°以上
の角度に設定されて、記録再生用磁気ギャップ30が記録
した信号をトラック幅規定ギャップが再生する場合、お
よびトラック幅規定ギャップが記録した信号を記録再生
用磁気ギャップ30で再生する場合において、13〔dB〕程
度以上、好ましく18〔dB〕程度以上のアジマスロスが得
られるようになっており、これにより、許容オフトラッ
クの範囲内において、記録再生用磁気ギャップ30で記録
された信号のトラック幅規定ギャップでの再生およびト
ラック幅規定ギャップ記録された信号の記録再生用磁気
ギャップで30での再生に際して、実用上充分な25〔dB〕
程度以上の再生ロスが得られるようになっている。
すなわち、FDD用3.5インチ、1MByteのものにおいて、
トラック幅規定ギャップのギャップ長をA,記録波長をλ
とすると、A/λ>0.8のとき、トラック幅規定ギャップ
におけるギャップロスは12〔dB〕程度以上となる。一
方、FDDでは、最内周トラックにおいて記録波長が最短
となり、またアシンメトリ、ピークシフト等の他の項目
もそのマージンが小さくなり、システムとして要求され
る分解能が最も悪化するため、これを回避する上で、記
録再生用磁気ギャップ30のギャップ長:Bは、B=0.3λm
inなる関係を満たすことが要求される。従って、上記A/
λ>0.8およびB=0.3λminの関係から導かれるA>8B/
3なる関係を満たすように、トラック幅規定ギャップの
ギャップ長:Aを設定すれば、すなわち前述のように、ト
ラック幅規定ギャップのギャップ長:Aを記録再生用磁気
ギャップ30のギャップ長:Bの3倍以上の大きさに設定す
れば、所定の分解能を確保しつつ、トラックの幅規定ギ
ャップにおいて12〔dB〕程度以上のギャップロスを得る
ことができるのであり、トラック幅規定ギャップおよび
記録再生用磁気ギャップ30で記録された信号をトラック
幅規定ギャップが再生する確率が小さくなるのである。
なお、FDD用3.5インチ、1MByteのものにおいては、記
録再生用磁気ギャップ30のギャップ長:Bが1.7〔μm〕
であるのが一般的であるため、トラック幅規定ギャップ
のギャップ長:Aは、通常、5〔μm〕以上の大きさに設
定されることとなる また、ここで、トラック幅規定ギャップのギャップ
長:Aは、各トラック幅規定ギャップを形成するフェライ
トブロック10A,10Bの凹凸部の形状にも依存するが、実
効的なギャップ長:Aは、最短距離と最大距離との和の1/
2に対して、凹凸部の形状に応じて0.5〜0.8程度の係数
を乗算したものと考えればよい。
一方、前述のように、トラック幅規定ギャップの凹凸
部を形成する山形凸部24A,24Bの各傾斜面と磁気ギャッ
プ30の為す角度:θ,γを、それぞれ、20°以上の角度
に設定すれば、アジマスロスが最も小さい最外周トラッ
クにおいて、13〔dB〕程度以上のアジマスロスが得られ
る一方、最もノイズが小さいことが要求される最内周ト
ラックおいて、25〔dB〕程度以上のアジマスロスが得ら
れるのであり、またそれらの角度:θおよびγを30°以
上の角度に設定すれば、最外周トラックで18〔dB〕程度
以上、最内周トラックで35〔dB〕程度以上のアジマスロ
スが得られるのであり、トラック幅規定ギャップで記録
された信号を記録再生用磁気ギャップ30が再生する確
率、および記録再生用磁気ギャップ30で記録された信号
をトラック幅規定ギャップが再生する確率が共に小さく
なるのである。そして、これにより、前記ギャップロス
と合わせて、記録再生用磁気ギャップ30で記録された信
号のトラック幅規定ギャップでの再生、およびトラック
幅規定ギャップで記録された信号の記録性再生用磁気ギ
ャップ30での再生に際して、実用上充分な25〔dB〕以上
の再生ロスが得られて、充分良好なS/N比が得られるの
である。
一方、本発明においては、オフトラック時において、
トラック幅規定ギャップが記録した信号をトラック幅規
定ギャップ自体が再生する確率を小さくするために、次
に述べるような対策が講じられており、これにより、前
記ギャップロスと合わせて、トラック幅規定ギャップが
それ自体で記録した信号を再生するに際して、実用上充
分な25〔dB〕以上の再生ロスが得られるようになってい
る。
すなわち、トラック幅規定ギャップの凹凸部の山形凸
部24A,24Bに対して、第14図に示されている如き、二次
的な山形凸部40A,40Bが形成されていない場合、またそ
のような山形凸部40A,40Bが形成されていても、トラッ
ク幅規定ギャップのギャップ長:Aに対するそれらの高
さ:ΔAが充分低い場合、例えばΔA/A<0.1の関係を満
たすような場合には、トラック幅規定ギャップを形成す
る少なくとも一方のフェライトブロック10A,10Bの凹凸
部における山形凸部24A,24Bのピッチ:C,D(第12図参
照)が、対応するトラック幅規定ギャップの長さ:G(第
12図参照)の1/3以下の大きさ、より好ましくは1/5程度
以下の大きさに設定される。
山形凸部24A,24Bの少なくとも一方のピッチ:C,Dを、
対応するトラック幅規定ギャップの長さ:Gの1/3以下の
大きさに設定すれば、頻度の高い20〔μm〕以下のオフ
トラック量において、トラック幅規定ギャップが記録し
た信号をトラック幅規定ギャップが再生する確率が低く
なって、6〔dB〕程度以上の損失が得られるのであり、
また1/5程度以下の大きさに設定すれば、8〜10〔dB〕
程度の損失が得られるのであり、再生ロスを増大させ
て、S/N比を向上させることができるのである。ただ
し、それら山形凸部24A,24Bのピッチ:C,Dが3〔μm〕
程度以下になると、それら山形凸部24A,24Bを形成する
ためのマスク(18A,18B)の形成、並びにエッチングに
よるそれら山形凸部24A,24Bの形成が困難になるため、
それら山形凸部24A,24Bのピッチ:C,Dは、通常、3〔μ
m〕程度以上の大きさに設定されることとなる。
また、上述のように、二次的な山形凸部40A,40Bの高
さ、ΔAがトラック幅規定ギャップのギャップ長:Aより
も充分低い場合には、一方のトラック幅規定ギャップに
おける山形凸部24A,24Bのピッチ:C1,D1と他方のトラッ
ク幅規定ギャップにおける山形凸部24A,24Bのピッチ:
C2,D2が異なるようにされる。なお、この場合、ピッチ:
C1,D1とピッチ:C2,D2との比は、通常、1:1.2以上、好ま
しくは1:1.5〜1:4の割合に設定されることとなる(第15
図参照;ただし、ここでは、フェライトブロック10Aだ
けに山形凸部24Aが設けられており、従って山形凸部24A
のピッチ:C1とC2だけが異ならされている)。
一方のトラック幅規定ギャップにおける山形凸部24A,
24Bのピッチ:C1,D1と他方のトラック幅規定ギャップに
おける山形凸部24A,24Bのピッチ:C2,D2を異ならせるよ
うにすれば、一方のトラック幅規定ギャップで記録した
信号を他方のトラック幅規定ギャップで再生する確率が
小さくなるのであり、それらの比を1:1.2以上に設定す
れば、3〔dB〕程度以上の損失が、また1:1.5〜1:4に設
定すれば、5〜7〔dB〕程度以上の損失が得られるので
ある。
さらに、各山形凸部24A,24Bのピッチ:C,Dは、それぞ
れ凸部24A,24Bについて、同じトラック幅規定ギャップ
においても異なるようにされる。そして、通常は、それ
らのピッチの比率が1:1.2以上、好ましくは1:1.5〜1:4
の割合に設定される(第15図参照)。
このように、同じトラック幅規定ギャップ内におい
て、各山形凸部24A,24Bのピッチ:C,Dをそれぞれについ
て異なるように設定すれば、一方のトラック幅規定ギャ
ップで記録した信号をそのトラック幅規定ギャップ自体
で再生する確率が小さくなるのであり、またそれらの比
を1:1.2以上に設定すれば、3〔dB〕程度以上の損失
が、また1:1.5〜1:4に設定すれば、5〜7〔dB〕程度以
上の損失が得られるのである。
また、再生ロスの増大を図るために、第16図に示され
ているように、同じトラック幅規定ギャップ内におい
て、相対向する凹凸部における山形凸部24A,24Bのピッ
チ:C,Dの比率を異なるようにされる。そして、その比率
は、通常、1:1.2以上、好ましくは1:1.5〜1:1.4の割合
に設定される。
同じトラック幅規定ギャップ内において、相対向する
凹凸部における山形凸部24A,24Bのピッチ:C,Dの比率を
異なるようにすれば、トラック幅規定ギャップにおける
磁界がよりランダムになるのであり、アジマス効果がよ
り増大して、再生ロスがより増大し、一方のトラック幅
規定ギャップが記録した信号をそのトラック幅規定ギャ
ップ自体が再生する確率、および他方のトラック幅規定
ギャップが再生する確率が共に小さくなるのである。そ
して、上述のように、山形凸部24A,24Bのピッチ:C,Dの
比率を1:1.2以上に設定すれは、3〔dB〕以上の損失が
得られるのであり、また1:1.5〜1:4に設定すれば、5〜
7〔dB〕以上の損失が得られるのである。
また、磁気ギャップ30の両側のトラック幅規定ギャッ
プにおけるトレーリング側または両側の山形凸部24Aの
傾斜面の角度:θ,γは、互いに異なる大きさに設定さ
れ(第17図参照)、さらにそれら角度:θ,γは、同じ
トラック幅規定ギャップにおいても互いに異なる大きさ
に設定される。そして、この場合、磁気ギャップ30の両
側のトラック幅規定ギャップにおけるトレーリング側ま
たは両側の山形凸部24Aの傾斜面の角度:θ,γの角度
差は、通常、20°以上、好ましくは30°以上に設定さ
れ、また同じ側のトラック幅規定ギャップにおける各傾
斜面の角度差も、通常、20°以上、好ましくは30°以上
に設定される。
磁気ギャップ30の両側のトラック幅規定ギャップにお
けるトレーリング側または両側の山形凸部24Aの傾斜面
の角度:θ,γを互いに異なる大きさに設定すれば、一
方のトラック幅規定ギャップで記録された信号を他方の
トラック幅規定ギャップが再生する確率が小さくなるの
であり、それらθ,γの角度差を20°以上に設定すれ
ば、8〔dB〕以上の損失が、30°以上に設定すれば、12
〔dB〕以上の損失がそれぞれ得られるのである。また、
同じ側のトラック幅規定ギャップにおいて各傾斜面の角
度:θ,γを異ならせるようにすれば、一方のトラック
幅規定ギャップが記録した信号を他方のトラック幅規定
ギャップが再生する確率が小さくなるのであり、それら
の角度差を20°以上に設定すれば4〔dB〕以上の損失
が、30°以上に設定すれば6〔dB〕以上の損失がそれぞ
れ得られるのである。
そして、ここでは、以上のような再生ロスの増大対策
と前記ギャップロスとにより、オフトラック発生時にお
いて、トラック幅規定ギャップが記録した信号をトラッ
ク幅規定ギャップが再生する場合において、実用上充分
な25〔dB〕以上の再生ロスが得られるようになっている
のである。
なお、以上の如き、再生ロスの増大手法は、必ずしも
全て採用する必要はなく、それらを適宜組み合わせて、
実用上要求される25〔dB〕程度以上の再生ロスを得るよ
うにすれば足りる。
一方、トラック幅規定ギャップのギャップ長:Aに対し
て、前記二次的な山形凸部40A,40Bの高さ:ΔAが充分
高く、それら山形凸部40A,40Bのピッチ:ΔBに対する
それら二次的な山形凸部40A,40Bの高さ:ΔAが充分高
い場合には、すなわちΔAが、1/4<ΔA/A<1および1/
2<ΔA/ΔB<2なる関係を満たす場合には、トラック
幅規定ギャップにおけるギャップロス自体は大きくなら
ないが、それらトラック幅規定ギャップにおける磁界が
効果的にランダムになるため、一方のトラック幅規定ギ
ャップで記録したデータをそのトラック幅規定ギャップ
乃至は他方のトラック幅規定ギャップで再生する確率が
極めて小さくなり、そのアジマスロスが20〜30〔dB〕と
著しく大きくなって、これだけで実用上充分なS/N比を
確保することが可能となる。なお、このような場合にお
いて、少なくとも一方のトラック幅規定ギャップの凹凸
部における山形凸部24A,24Bを円弧状の山形断面形状に
形成することも可能である(第18図参照)。
また、トラック幅規定ギャップにおける再生ロスの増
大を図る場合には、第19図に示されているように、同じ
トラック幅規定ギャップにおいて、一方の凹凸部の凹部
が他方の凹凸部の凸部(山形凸部24A,24B)と対向する
ように為すと共に、一方の凹凸部と凹部と他方の凹凸部
の凸部との間の距離が、一方の凹凸部の凸部と他方の凹
凸部の凹部との間の距離の1/2よりも小さくなるよう
に、両フェライトブロック10A,10Bを構成することも可
能である。このようにすれば、第20図に示されているよ
うに、トラック幅規定ギャップにおける磁界の方向がラ
ンダムになるため、再生時のアジマスロスを効果的に増
大することが可能となって、S/N比の向上を図ることが
できるのである。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明し
てきたが、本発明が、かかる例示の具体例に限定される
ものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内において、
種々なる変更、修正、改良等を施した態様で実施できる
ことは勿論である。
例えば、前述と説明では、フェライトブロック10A,10
Bの双方にエッチングが施されて、記録再生用トラック
部(22A,22B)および山形凸部(24A,24B)が形成される
ようになっていたが、第21図、第22図および第15図に示
すように、フェライトブロック10A,10Bの一方だけにそ
れら記録再生用トラック部および山形凸部からなる凹凸
部を形成するようにすることも可能である。このように
しても、本発明の目的を一応達成することができるので
ある。
なお、このように、フェライトブロックの一方に凹凸
部を形成しないような場合には、凹凸部を有するフェラ
イトブロック(ここでは、フェライトブロック10A)が
トレーリング側に配置されることとなる。これは、トレ
ーリング側のフェライトブロックの凹凸部に記録再生用
磁気ギャップ30と平行な部分が存在すると、エッヂ効果
により、トラック幅規定ギャップの再生機能が増大し
て、S/N比が低下するからである。また、このような磁
気ヘッド用コアにおいては、トラック幅規定ギャップの
実効ギャップ長:Aは、磁気ギャップ30に垂直な方向にお
ける最短距離と最長距離の和の略1/2となる。
また、前述の説明では、フェライトブロック10A,10B
の何れの突合せ面にも磁性膜が配されていないものとし
て述べたが、それらフェライトブロック10A,1Bの突合せ
面の少なくとも一方の、少なくともトラック幅規定ギャ
ップの対向面を覆うように、フェライトブロック10A,10
Bよりも飽和磁束密度の大きい所定厚さの磁性膜(通常
は、金属磁性膜)を配するようにすることも可能であ
る。ただし、フェライトブロック10A,10Bの一方の突合
せ面だけに磁性膜を形成する場合には、第23図に示すよ
うに、トレーリング側のフェライトブロック10Aだけに
磁性膜42を配するようにする。このような磁性膜42を配
すれば、それを配設しない場合よりも、トラック幅規定
ギャップのギャップ長を大きくして必要な記録機能を得
ることができるのであり、従って、ギャップ長を大きく
できる分、トラック幅規定ギャップのギャップロス、ひ
いては再生ロスを大きくして、S/N比を向上させること
ができるのである。なお、磁性膜42の飽和磁束密度が80
00〔ガウス〕以上の場合、磁性膜42は2〔μm〕以上の
厚さで、より好ましくは4〔μm〕以上の厚さで設ける
ことが望ましい。また、このような磁性膜42は、フェラ
イトブロック10A,10Bの接合前の段階で、スパッタリン
グ等の公知の手法で容易に形成することができる。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明に従う磁気ヘッド用コア
の製造法によれば、二つのフェライトブロックの少なく
とも一方、すなわち多くても二つのフェライトブロック
を加工するだけでよく、またフェライトブロックの接合
操作は1回だけて済むため、この種の従来の磁気ヘッド
用コアを製造する場合に比べて、その製造工数を格段に
低減することができるのであり、それ故、磁気ヘッド用
コアを低コストで有利に製造することができるのであ
る。また、フォトリソグラフィーの如きマスキング技術
とエッチング技術との組合せによって、フェライトブロ
ックを所望の形状に精度良く加工できると共に、接合部
が1箇所で済むことから、精度の均一な磁気ヘッド用コ
アを極めて安定して得ることができるといった利点もあ
るのである。
また、かかる本発明に従う磁気ヘッド用コアにあって
は、従来の磁気ヘッド用コアのように、消去ヘッドを別
途設けることなく、またサーボ機構を利用した自動トラ
ッキング機構を設けることなく、旧データ上に新データ
を直接記録するオーバライト方式を採用して、優れたS/
N比を得ることができるのであり、このような磁気ヘッ
ド用コアの採用によって、FDD等のコンパクト化、簡素
化を有利に達成し得るといった利点があるのである。な
お、本発明に従う磁気ヘッド用コアを、自動トラッキン
グ機構や消去用ヘッドと併用し得ることは、勿論であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に従う磁気ヘッド用コアの一例を示す
斜視図である。第2図〜第10図は、本発明に従う磁気ヘ
ッド用コアの製造法の一実施例にかかる各工程の説明図
であって、第2図は、第1図に示す磁気ヘッド用コアを
製造するために準備されるフェライトブロック素材の一
例を示す斜視図であり、第3図は、第2図のフェライト
ブロック素材にエッチングを施すためのマスクの付与形
態を示す斜視図であり、第4図は、第3図のマスクの付
与形態下でのエッチンク処理によって得られるフェライ
トブロック素材を示す斜視図であり、第5図は、第4図
に示すフェライトブロック素材に記録再生用磁気ギャッ
プ形成のためのマスクを付与した形態を示す斜視図であ
り、第6図は、第5図のマスクの付与形態下でのエッチ
ング処理によって得られるフェライトブロック素材を示
す斜視図であり、第7図は、第6図のフェライトブロッ
ク素材に接合用の溝部を形成したフェライトブロック素
材の形状を示す斜視図であり、第8図は、接合用の溝部
が形成されたフェライトブロック素材を一体に接合して
得られるフェライトブロック素材の一体接合品を示す斜
視図であり、第9図は、第8図に示すフェライトブロッ
ク素材の一体接合品に施す足溝加工の加工形態を示す斜
視図であり、第10図は、足溝加工が施されたフェライト
ブロック素材の一体接合品から第1図に示す磁気ヘッド
用コアを切り出す切出形態を説明するための斜視図であ
る。第11図は、第1図に示す磁気ヘッド用コアの一例の
正面図を拡大して示す模式図であり、第12図は、他の一
例の正面図を拡大して示す模式図である。第13図は、第
1図の磁気ヘッド用コアによる記録媒体への記録・再生
状態を説明するための説明図である。第14図は、本発明
の別の実施例の要部を示す第11図に対応する図である。
第15図,第16図,第17図,第18図および第19図は、それ
ぞれ、本発明の更に別の実施例を示す第11図に対応する
図であり、第20図は、第19図に示す実施例のトラック幅
規定ギャップにおける磁力線の発生形態を示す説明図で
ある。第21図は、本発明の更に別の実施例を示す第1図
に対応する図であり、第22図は、第21図に示す実施例の
第11図に対応する図である。第23図は、本発明の更に異
なる実施例を示す第11図に対応する図である。第24図
は、オーバライト方式におけるオフトラック発生時の不
具合を説明するための説明図であり、第25図は、従来の
磁気ヘッド用コアによる磁気媒体に対する記録形態を説
明するための説明図であり、第26図は、従来の磁気ヘッ
ド用コアを示す第1図に対応する図である。 10A,10B:フェライトブロック 12A,12B:フェライトブロック素材 16A,16B,18A,18B,20A,20B,26,28:マスク 22A,22B:記録再生用トラック部 24A,24B:山形凸部 30:記録再生用磁気ギャップ 34:充填接合材 40A,40B:二次的山形凸部 42:磁性膜

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一のフェライトブロック及び第二のフェ
    ライトブロックを配して、それら二つのフェライトブロ
    ックの付き合わせにより、所定の磁路が形成されるよう
    にすると共に、該二つのフェライトブロックの突合せ部
    に所定間隔の記録再生用磁気ギャップが形成されてなる
    磁気ヘッド用コアを製造するに際して、 それらフェライトブロックの少なくとも一方のものの突
    合せ面の記録再生用磁気ギャップ形成部位に、他方のフ
    ェライトブロックの突合せ面との間で前記記録再生用磁
    気ギャップを形成するための記録再生用のトラック部を
    規定する第一のマスクを付与すると共に、該第一のマス
    クの両側に複数の帯状の第二のマスクを該第一のマスク
    から離れる方向に所定間隔を隔てて配列し且つ前記磁気
    ギャップのギャップデプス長の方向に延びるようにそれ
    ぞれ付与して、エッチングを行なうことにより、前記記
    録再生用磁気ギャップ形成部位に前記記録再生用のトラ
    ック部を形成すると共に、そのトラック部の両側に、前
    記第二のマスクに対応して山形凸部の複数をそれぞれ形
    成せしめ、しかる後、それら二つのフェライトブロック
    を突き合わせて、接合するようにしたことを特徴とする
    磁気ヘッド用コアの製造法。
  2. 【請求項2】第一のフェライトブロック及び第二のフェ
    ライトブロックを配して、それら二つのフェライトブロ
    ックの突き合わせにより、所定の磁路が形成されるよう
    にすると共に、該二つのフェライトブロックの突合せ部
    に所定間隙の記録再生用磁気ギャップが形成されてなる
    磁気ヘッド用コアにおいて、 前記二つのフェライトブロックの少なくとも一方のもの
    の磁気ギャップ形成部位に、両側面が傾斜面とされた記
    録再生用のトラック部が形成されると共に、該記録再生
    用のトラック部の両側に、磁気ギャップに対して20°以
    上の角度を為す傾斜面を有する山形凸部の繰返しにて構
    成される波形形状の凹凸部がそれぞれ形成され、且つ前
    記記録再生用磁気ギャップが該記録再生用のトラック部
    と他方のフェライトブロックの突合せ面との間において
    形成される一方、該波形形状の凹凸部によって該記録再
    生用のトラック部の両側に生じるトラック幅規定ギャッ
    プの少なくとも一方において、該トラック幅規定ギャッ
    プの長さの1/3以下のピッチをもって前記山形凸部が形
    成され、更に該波形形状の凹凸部と該他方のフェライト
    ブロックの突合せ面との間の間隔が、該記録再生用磁気
    ギャップのギャップ長の3倍以上、10μm以下とされ
    て、該記録再生用磁気ギャップにおける記録再生機能よ
    りも低い記録再生機能を発揮し得るように構成したこと
    を特徴とする磁気ヘッド用コア。
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