JPH08239091A - ウオータジェット推進器のシール装置 - Google Patents

ウオータジェット推進器のシール装置

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JPH08239091A
JPH08239091A JP4379395A JP4379395A JPH08239091A JP H08239091 A JPH08239091 A JP H08239091A JP 4379395 A JP4379395 A JP 4379395A JP 4379395 A JP4379395 A JP 4379395A JP H08239091 A JPH08239091 A JP H08239091A
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seawater
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isolation chamber
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民雄 中野
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盛之 奥
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 装置の信頼性向上と共に海洋汚染の防止の観
点から主軸を支承する軸受の潤滑油室と海水域とのより
確実な遮断を図ったウオータジェット推進器のシール装
置を提供する。 【構成】 ウオータジェット推進器において、海水域W
と接する内部シールを第一内部シール20とし、ポンプ
固定部から延びたシールハウジング15にシールブロッ
ク18を介して第二内部シール21設ける。そして、第
一内部シール20と第二内部シール21の間に潤滑油室
22を海水域Wから隔離する隔離室23を形成する。潤
滑油室、隔離室にはそれぞれ油通路25、26、通路2
4を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この出願に係る発明は、ウオータ
ジェット推進器駆動用の主軸を支承する軸受の潤滑油室
と海水域とのより確実な遮断を図って、装置の信頼性向
上と共に海洋汚染の防止に寄与するウオータジェット推
進器のシール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、船舶の高速化に伴い、ウオータジ
ェット推進装置の搭載船が増大している。図4にそのウ
オータジェット推進装置の概略構成を示す。この図は船
尾に配備したウオータジェット推進装置の縦断面図で、
主軸51によって駆動されるウオータジェットポンプ5
2がハウジング53内に設けられ、ハウジング53の先
端には噴出ノズル54が形成されている。ポンプ52を
駆動することより、船底55に設けられた海水取込口5
6から、海水を吸い込み、管路57を通じてインペラ5
8により昇圧し、ハウジング53にて整流、増速されて
噴出ノズル54から後方に噴出し、その反力で推進力を
得て船舶を推進している。なお、ハウジング53は船尾
端59に固定されてウオータジェット推進装置を支持し
ている。主軸51は通常主軸カバー60により外部異物
から保護されている。なお、この種先行技術に、特開昭
61−282194号公報、特開平5−246385号
公報等がある。
【0003】インペラ58は、ボス部材61を介して主
軸51に結合され、主機からの動力が伝達される。主軸
51はハウジング53に組み込まれたラジアル軸受62
によって支承されていると同時にスラスト軸受63にて
インペラ58に発生する軸方向反力を支持している。イ
ンペラ58を周囲に備えたボス部材61は回転部であ
り、ボス部材61に連接しているステータ64を周囲に
備えたノズルコーン65は固定(非回転)部である。軸
受の潤滑油室66はシール装置67によって海水域68
から遮断されている。
【0004】図5はこのシール装置67を含む軸受部分
の拡大図である。上述した如く軸受63は潤滑油に満た
され、海水域68との間にはシール装置67が設けられ
るが、このシール装置67は一般に内部シールと称され
る。この内部シールは、インペラの昇圧に対抗するため
にメカニカル型のシール装置が一般に使用されている。
なお、主軸51と管路57とが貫通する箇所にもシール
装置69が設けられ、外部シールと称される(図4)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図5からも分かるよう
に、潤滑油室66は一つのシール装置67で海水域68
から遮断された形となっている。従って、このシール装
置67の機能が何らかの原因で損なわれた場合には、潤
滑油室66にある潤滑油が海水域68に流れ出て海洋汚
染を引き起こしてしまうおそれがある。
【0006】また、海水と潤滑油の圧力差によっては、
海水が潤滑油室66内へ流入してきて潤滑機能を阻害す
るとともに、潤滑油中に混入した海水によりウオータジ
ェット推進器の構成部品が損傷を受けるおそれがある。
これでは、ウオータジェット推進装置の信頼性を阻害す
る結果となる。
【0007】そこで、かかる従来の課題に鑑み、この出
願に係る発明は、装置の信頼性向上と共に海洋汚染の防
止の観点から主軸を支承する軸受の潤滑油室と海水域と
のより確実な遮断を図ったウオータジェット推進器のシ
ール装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的達成のため、請
求項1に係る手段は、ウオータジェットポンプの固定部
からウオータジェットポンプ駆動用の主軸の近くまで延
びるシールハウジングを有し、該シールハウジングの端
部に主軸を支承する軸受と海水域に接する内部シールを
備え、該軸受と内部シールとの間に潤滑油室を有するウ
オータジェット推進器において、海水域と接する前記内
部シールを第一内部シールとし、前記シールハウジング
にシールブロックを介して第二内部シールを設け、第一
内部シールと第二内部シールとの間に前記潤滑油室を海
水域から隔離する隔離室を形成したことを特徴とするウ
オータジェット推進器のシール装置である。
【0009】請求項2に係る手段は、請求項1の構成に
おいて隔離室に船内から導かれた通路を連通したことを
特徴とするウオータジェット推進器のシール装置であ
る。
【0010】請求項3に係る手段は、請求項1又は2の
構成において隔離室に清水等の海水や潤滑油と異なる液
体を充填したことを特徴とするウオータジェット推進器
のシール装置である。
【0011】請求項4に係る手段は、請求項1〜3いず
れかの構成において海水圧P1 、隔離室の圧力P2 、潤
滑油室の圧力をP3 としたとき、これら相互の圧力の関
係がP1 >P2 、P3 >P2 に設定してあることを特徴
とするウオータジェット推進器のシール装置である。
【0012】請求項5に係る手段は、請求項1〜4いず
れかの構成において第一内部シールをメカニカルシール
とし、第二内部シールをリップシールとしたことを特徴
とするウオータジェット推進器のシール装置である。
【0013】請求項6に係る手段は、ウオータジェット
ポンプの固定部からウオータジェットポンプ駆動用の主
軸の近くまで延びるシールハウジングを有し、該シール
ハウジングの端部に主軸を支承する軸受と海水域に接す
る内部シールを備え、該軸受と内部シールとの間に潤滑
油室を有するウオータジェット推進器において、海水域
と接する前記内部シールを第一内部シールとし、前記シ
ールハウジングにシールブロックを介して第二内部シー
ルを設け、第一内部シールと第二内部シールとの間に第
一隔離室を形成し、更に第二内部シールと前記潤滑油室
との間に第三内部シールを装着し、第二内部シールと第
三内部シールの間に第二隔離室を形成して前記第一隔離
室と協働して前記潤滑油室を海水域から二段構えで隔離
したことを特徴とするウオータジェット推進器のシール
装置である。
【0014】請求項7に係る手段は、請求項6の構成に
おいて第一隔離室および第二隔離室にそれぞれ船内から
導かれた通路を連通したことを特徴とするウオータジェ
ット推進器のシール装置である。
【0015】請求項8に係る手段は、請求項6又は7の
構成において第一隔離室に清水等の海水や潤滑油と異な
る液体を充填し、第二隔離室を大気開放したことを特徴
とするウオータジェット推進装置のシール装置である。
【0016】請求項9に係る手段は、請求項6〜8いず
れかの構成において第二内部シールおよび第三内部シー
ルをいずれもリップシールで構成したことを特徴とする
ウオータジェット推進器のシール装置である。
【0017】請求項10に係る手段は、請求項6〜9い
ずれかの構成において海水圧P1 、第一隔離室の圧力P
2 、第二隔離室の圧力P3 、潤滑油室の圧力P4 とした
とき、相互の圧力の関係がP1 >P2 >P3 、P4 >P
2 >P3 に設定してあることを特徴とするウオータジェ
ット推進装置のシール装置である。
【0018】
【作用】請求項1〜5に係る手段では、第一内部シール
と第二内部シールとの間に形成された隔離室により潤滑
油室を海水域から有効に隔離することができ、たとえ第
一内部シール又は第二内部シールの機能が損なわれた場
合でも潤滑油が海水域へ流れ出したり、また、海水が潤
滑油室へ侵入したりすることはない。
【0019】特に、請求項2に係る手段では、例えば第
一内部シールの機能が損なわれた場合は、海水が隔離室
に流入してくるが、それを通路を通じて船内側で検出で
きるので、かかる異常の検知が容易となる。また、第二
内部シールの機能が損なわれた場合は、潤滑油が隔離室
に流入するが、第一内部シールで依然としてシールされ
ているため、潤滑油が海水域に流れ出ることはなく、こ
の異常は同様に通路を介して容易に検知できる。
【0020】また、請求項3に係る手段では、可動部の
清水等による潤滑作用が得られる。
【0021】特に、請求項4に係る手段では、海水圧P
1 、隔離室の圧力P2 、潤滑油室の圧力P3 の関係がP
1 >P2 、P3 >P2 であるので、いずれかの内部シー
ルの機能が損なわれた場合は、必ず隔離室に海水又は潤
滑油が流入することになるため、船内側での異常検知が
容易となり、また、潤滑油が海水側へ流れ出すことが有
効に防止される。
【0022】請求項5に係る手段では、第二内部シール
をリップシールとしたことで、シールが小型化され、狭
隘なスペースでも容易に配置可能となる。
【0023】また、請求項6〜10に係る手段では、第
一内部シールと第二内部シールとの間に第一隔離室を形
成し、更に第二内部シールと第三内部シールの間に第二
隔離室を形成したので第一隔離室と第二隔離室とが協働
して潤滑油室を海水域から二段構えで隔離でき、より確
実な潤滑油室と海水域との遮断が可能となる。
【0024】特に、請求項7に係る手段では、第一隔離
室および第二隔離室にそれぞれ設けた通路によって、上
記請求項2と同様に容易に異常検知ができる。
【0025】請求項8に係る手段では、第一隔離室に清
水等を充填し、第二隔離室を大気開放したので、潤滑作
用が得られると共に、異常検知も簡単となる。
【0026】請求項9に係る手段では、第二内部シール
および第三内部シールをいずれもリップシールで構成し
たので狭隘なスペースを利用しての配置可能となる。
【0027】特に、請求項10に係る手段では、海水圧
1 、第一隔離室の圧力P2 、第二隔離室の圧力P3
潤滑油室の圧力P4 の関係がP1 >P2 >P3 、P4
2>P3 に設定してあるので、上記請求項4と同様に
必ずいずれかの隔離室に海水又は潤滑油が流入すること
になるため、船内側での異常検知がより一層容易とな
り、また、潤滑油が海水側へ流れ出すことがより確実に
防止される。
【0028】
【実施例】以下、この出願に係る発明の実施例を図面を
参照しながら説明する。図1はこの出願に係る発明を適
用したウオータジェット推進器のポンプ部分の要部縦断
面図で、同時に通路の導設要領図でもある。図2は第一
実施例に係るシール装置部分の要部拡大図、また、図3
はシール装置の第二実施例である。
【0029】図1に示すように、ウオータジェット推進
器は船尾部に配備されており、該推進器を構成している
ウオータジェットポンプPを図示しない主機に連結され
た主軸1によって駆動することにより、船底2に設けた
海水吸入口(図4参照)から管路3を通じて海水を吸引
して昇圧して圧力エネルギを運動エネルギに変換して先
端の噴出ノズル4からジェット流を吐出することで推進
力を得るものである。
【0030】上記管路3を形成する管路ケーシング3A
は船底2の海水吸入口(図4)から船内へ斜めに導設さ
れ、後端が船尾端5に固定されている。管路ケーシング
3Aの後端に連接してステータハウジング6が船尾端5
から後方へ突出しており、このステータハウジング6の
先端部には噴出ノズル4が形成されている。ステータハ
ンウジング6の前端位置においてインペラライナ7が前
方に突設され、このインペラライナ7の内側に複数のイ
ンペラ8を放射状に備えたボス部材9が設けられてい
る。このボス部材9は主軸1に固着され、これと一体に
回転するようになっている。ボス部材9に連接してノズ
ルコーン10が設けられており、この周面に放射状にス
テータ11が突設され、この先端がステータハウジング
6に固定されている。ステータハウジング6とノズルコ
ーン10の間に、ポンプPで昇圧された水流が通過する
空間が形成され、後端部で噴出口4aにつながってい
る。
【0031】ウオータジェットポンプPを駆動するため
の主軸1はボス部材9の内部からノズルコーン10の内
部まで延設されている。主軸1はラジアル軸受12とス
ラスト軸受13で固定(非回転)部であるノズルコーン
10側に支承されている。即ち、ノズルコーン10から
軸心方向に延びた軸受支持部材14の先端部にラジアル
軸受12が設けてあり、また、ノズルコーン10からボ
ス部材9の内部まで断面ハの字形に延びたシールハウジ
ング15が設けられ、この端部にスラスト軸受13とシ
ール装置Sが設けられている。
【0032】図2によりシール機構の部分を詳述する。
主軸1の外周にスリーブ16が嵌着され、スリーブ16
前端はL字形のフランジ16aが形成されている。そし
て、スリーブ16後端に軸受ブロック17が連接され、
スリーブ16と軸受ブロック17はともに主軸1と一体
になって回転するようになっている。上記シールハウジ
ング15の先端部には軸方向に二段のシール装置が配設
されている。即ち、シールハウジング15の端部にL字
形断面のシールブロック18がボルトで固設され、この
シールブロック18に断面鍵状のシール保持部材19が
固設されている。このシール保持部材19と上記スリー
ブ16前端部のフランジ16a部との間に第一内部シー
ル20を構成するメカニカルシールが設けられている。
20aが摺動面となっている(左側が固定部、右側が回
転部)。この第一内部シール20の外側は海水域Wであ
り、第一内部シール20は周囲の海水との遮断のために
設けられている。これは、図1に示すようにボス部材9
とノズルコーン10との連接部は回転部と非回転部との
境界となっているため、この連接部には多少の間隙があ
り、この間隙より海水がボス部材9の内部に侵入し、そ
の結果第一内部シール20は海水域と接することになる
ため、後述する潤滑油室を海水から遮断する必要がある
からである。
【0033】上記シールブロック18の内端部に第二内
部シール21を構成するリップシールがスリーブ16外
面に摺接して設けられており、これにより潤滑油室22
が仕切られ、第二内部シール21と第一内部シール20
との間に潤滑油室22を海水域Wから隔離するための隔
離室23が形成される。第二内部シール21としては比
較的低圧である潤滑油系に一般に用いられるリップ型オ
イルシール(以下「リップシール」ともいう)が採用さ
れ、シール機構の小型化が図れる。これにより、軸方向
のスペースが狭いことからシールの配置が容易となる。
もっとも、スペースが許せば、第一内部シール20と同
様なメカニカルシールでもよい。また、図示したもの
は、軸方向に二段にシール装置を設けた例であるが、半
径方向に二段にシール装置を設けてもよい(例えば、メ
カニカルシールを二段に設けてもよい)。
【0034】上記隔離室23には船内から導設された通
路24が連通しているとともに、潤滑油室22にも船内
からの油通路25、26が連通している。これら通路の
導設の要領を図1に示す。図2では判り易くするため便
宜上通路24と油通路26を同じ位置に示しているが、
実際は周方向の別の位置に設けられる。通路24は図上
は1本のみ示しているが、潤滑油系や海水に対して問題
とならない液体(例えば清水などの液体)を充満させる
場合には2本設ける必要がある。大気に開放する場合に
は1本でもよい。潤滑油室22に通じる2つの油通路2
5、26は、シールハウジング15の中を通って、ノズ
ルコーン10部を横切ってステータ11部分を通った
後、上側の油通路25は配管25aにより船内27に導
かれ、下側の油通路26はステータハンジング6の中を
通って船内27側に導かれる。隔離室23に通じる通路
24はシールハウジング15の中を通って、ノズルコー
ン10部を横切ってステータ11部分を通った後、ステ
ータハンジング6の中を通って船内27側に導かれる。
隔離室23内には通常は清水を充填して可動部の水潤滑
ができるようになっている。そして、好ましくは、海水
圧P1 、隔離室23の圧力P2 、潤滑油室22の圧力を
3 とするとき、これら相互の圧力の関係をP1
2 、P3 >P2 に設定しておくとよい。このような圧
力関係に設定してあれば、仮に第一又は第二内部シール
が何らかの原因で機能が損なわれた場合、圧力差によっ
て潤滑油あるいは海水が当該シール部分を通過して最も
低圧の隔離室23内へ漏洩し、それを通路24を通じて
船内27側で容易に検出でき異常を知ることができる。
それと同時に、漏洩した液体を船内27で回収可能とな
り、外部に流れ出すことがないため海洋汚染等の問題の
波及が未然に防止される。
【0035】第3図に示す第二実施例は、シール装置が
三段に設けてあり、これにより2つの隔離室を形成して
2段構えで潤滑油室を海水域から隔離するようにしたも
のである。図2と同じ構成要素には同一符号を付して詳
細な説明は省略する。
【0036】この実施例では、シールハウジング15A
の内端部の肉厚が大きく形成され、これにL字形断面の
シールブロック18Aが固着されている。このシールブ
ロック18Aの内側にスリーブ16に摺接するいずれも
リップ型オイルシールで構成された第二内部シール21
Aと第三内部シール21Bが配装されている。そして、
第一内部シール20と第二内部シール21Aとの間に第
一隔離室23A、第二内部シール21Aと第三内部シー
ル21Bとの間に第二隔離室23Bが形成されている。
その結果、潤滑油室22は第一隔離室23Aおよび第二
隔離室23Bによって二段構えで海水域Wから隔離され
ることとなる。
【0037】第一隔離室23A、第二隔離室23Bおよ
び潤滑油室22に連通する通路24、27、25、26
が上記第一実施例と同要領で船内に導かれている。この
場合、第二隔離室23Bに通じる通路27は船内側にお
いて大気開放されているので、通路は一本でよい。第一
隔離室23A内は水潤滑可能なよう潤滑油系や海水に対
して問題とならない液体、通常は清水が充填されている
ため通路は2本設けられている。もっとも、第二隔離室
23Bにも清水を充填してもよいし、また、第一隔離室
23Aも大気開放としてもよい。なお、潤滑油室22に
は出し入れのため油通路は2本設けられている。そし
て、好ましくは、海水圧P1 、第一隔離室の圧力P2
第二隔離室の圧力P3 、潤滑油室の圧力P4 としたと
き、相互の圧力の関係をP1 >P2 >P3 、P4 >P2
>P3 に設定しておくとよい。つまり、全体として三段
式のシール機構が構成されているが、何らかの原因で、
その一つのシール機能が損なわれた場合、第一隔離室2
3A又は第二隔離室23Bに連通している通路24又は
27を介して潤滑油或いは海水が船内側において検出さ
れ異常を知ることができる。この場合、第二隔離室23
B(大気開放された空間)が最も低圧であるので、最終
的には必ずこの第二隔離室23Bに漏洩液体が流入し、
それが通路27を通じて船内側に流れ出るので、異常の
検出および漏洩液体の回収が一層容易となり、その反射
的な効果としてより確実な海洋汚染防止が図られる。
【0038】
【発明の効果】請求項1〜5では、隔離室により潤滑油
室を海水域から有効に隔離することができる結果、たと
え第一内部シール又は第二内部シールの機能が損なわれ
た場合でも潤滑油が海水域へ流れ出たり、また、海水が
潤滑油室へ侵入したりすることはないから、海洋汚染の
問題も回避できる同時に、海水侵入による機器損傷のお
それも無くなり装置の信頼性を向上できる。
【0039】特に、請求項2では、例えば第一内部シー
ルの機能が損なわれた場合は、海水が隔離室に流入して
くるが、それを通路を通じて船内側で検出できるので、
かかる異常の検知が容易となる。また、第二内部シール
の機能が損なわれた場合は、潤滑油が隔離室に流入する
が、第一内部シールで依然としてシールされているた
め、潤滑油が海水域に流れ出ることはなく、この異常は
同様に通路を介して容易に検知できる。
【0040】また、特に請求項3では、可動部の清水等
による潤滑効果が得られる。
【0041】更に、請求項4では、海水圧、隔離室の圧
力および潤滑油室の圧力を所定の関係に設定してあるの
で、いずれかの内部シールの機能が損なわれた場合は、
必ず隔離室に海水又は潤滑油が流入することになるた
め、船内側での異常検知が容易となり、また、潤滑油が
海水側へ流れ出すことが有効に防止され海洋汚染の問題
を解消できる。
【0042】請求項5では、第二内部シールをリップシ
ールとしたことで、シール機構が小型化され、狭隘なス
ペースでも容易に配置可能となる。
【0043】また、請求項6〜10では、第一隔離室と
第二隔離室とが協働して潤滑油室を海水域から二段構え
で隔離でき、上記のシール機構より更に確実な潤滑油室
と海水域との遮断が可能となり、装置の信頼性向上と海
洋汚染防止効果を一層高めることができる。
【0044】特に、請求項7では、第一隔離室および第
二隔離室にそれぞれ設けた通路によって、上記請求項2
と同様に容易に異常検知ができる。
【0045】また、請求項8では、第一隔離室に清水等
を充填し、第二隔離室を大気開放したので、清水等によ
る潤滑作用が得られると共に、異常検知も簡単となる。
【0046】請求項9では、第二内部シールおよび第三
内部シールをいずれもリップシールで構成したので狭隘
なスペースを利用しての配置が容易となる。
【0047】特に、請求項10では、海水圧、第一隔離
室の圧力、第二隔離室の圧力、潤滑油室の圧力を所定の
関係に設定してあるので、上記請求項4と同様に必ずい
ずれかの隔離室に海水又は潤滑油が流入することになる
ため、船内側での異常検知がより一層容易となり、ま
た、潤滑油が海水側へ流れ出すことがより確実に防止さ
れる。大気開放の第二隔離室が最も低圧に設定してある
ので、最終的には必ず漏洩液体がここに流入してくるた
め船内での漏洩液体の回収、異常検知がより一層確実か
つ容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ウオータジェット推進器のポンプ部分の要部
縦断面図である。
【図2】 第一実施例に係るシール装置部分の拡大図で
ある。
【図3】 第二実施例に係るシール装置部分の拡大図で
ある。
【図4】 従来のウオータジェット推進器の概略構成図
である。
【図5】 従来のシール装置部分の拡大図である。
【符号の説明】
P…ウオータジェットポンプ 1…主軸 3…管路 4…噴出ノズル 5…船尾端 6…ステータハウジング 8…インペラ 9…ボス部材 10…ノズルコーン 11…ステータ 12…ラジアル軸受 13…スラスト軸受 15、15A…シールハウジング 16…スリーブ 18、18A…シールブロック 20…第一内部シール 21…第二内部シール 22…潤滑油室 23…隔離室 24…通路 25、26…油通路 21A…第二内部シール 21B…第三内部シール 23A…第一隔離室 23B…第二隔離室 27…通路 W…海水域

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウオータジェットポンプの固定部からウ
    オータジェットポンプ駆動用の主軸の近くまで延びるシ
    ールハウジングを有し、該シールハウジングの端部に主
    軸を支承する軸受と海水域に接する内部シールを備え、
    該軸受と内部シールとの間に潤滑油室を有するウオータ
    ジェット推進器において、 海水域と接する前記内部シールを第一内部シールとし、
    前記シールハウジングにシールブロックを介して第二内
    部シールを設け、第一内部シールと第二内部シールとの
    間に前記潤滑油室を海水域から隔離する隔離室を形成し
    たことを特徴とするウオータジェット推進器のシール装
    置。
  2. 【請求項2】 隔離室に船内から導かれた通路を連通し
    たことを特徴とする請求項1記載のウオータジェット推
    進器のシール装置。
  3. 【請求項3】 隔離室に清水等の海水や潤滑油と異なる
    液体を充填したことを特徴とする請求項1又は2記載の
    ウオータジェット推進器のシール装置。
  4. 【請求項4】 海水圧P1 、隔離室の圧力P2 、潤滑油
    室の圧力をP3 としたとき、これら相互の圧力の関係が
    1 >P2 、P3 >P2 に設定してあることを特徴とす
    る請求項1〜3いずれか1項に記載のウオータジェット
    推進器のシール装置。
  5. 【請求項5】 第一内部シールをメカニカルシールと
    し、第二内部シールをリップシールとしたことを特徴と
    する請求項1〜4いずれか1項に記載のウオータジェッ
    ト推進器のシール装置。
  6. 【請求項6】 ウオータジェットポンプの固定部からウ
    オータジェットポンプ駆動用の主軸の近くまで延びるシ
    ールハウジングを有し、該シールハウジングの端部に主
    軸を支承する軸受と海水域に接する内部シールを備え、
    該軸受と内部シールとの間に潤滑油室を有するウオータ
    ジェット推進器において、 海水域と接する前記内部シールを第一内部シールとし、
    前記シールハウジングにシールブロックを介して第二内
    部シールを設け、第一内部シールと第二内部シールとの
    間に第一隔離室を形成し、更に第二内部シールと前記潤
    滑油室との間に第三内部シールを装着し、第二内部シー
    ルと第三内部シールの間に第二隔離室を形成して前記第
    一隔離室と協働して前記潤滑油室を海水域から二段構え
    で隔離したことを特徴とするウオータジェット推進器の
    シール装置。
  7. 【請求項7】 第一隔離室および第二隔離室にそれぞれ
    船内から導かれた通路を連通したことを特徴とする請求
    項6記載のウオータジェット推進器のシール装置。
  8. 【請求項8】 第一隔離室に清水等の海水や潤滑油と異
    なる液体を充填し、第二隔離室を大気開放したことを特
    徴とする請求項6又は7記載のウオータジェット推進装
    置のシール装置。
  9. 【請求項9】 第二内部シールおよび第三内部シールを
    いずれもリップシールで構成したことを特徴とする請求
    項6〜8いずれか1項に記載のウオータジェット推進器
    のシール装置。
  10. 【請求項10】 海水圧P1 、第一隔離室の圧力P2
    第二隔離室の圧力P3、潤滑油室の圧力P4 としたと
    き、相互の圧力の関係がP1 >P2 >P3 、P4>P2
    >P3 に設定してあることを特徴とする請求項6〜9い
    ずれか1項に記載のウオータジェット推進装置のシール
    装置。
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