JPH08238886A - 筆記具 - Google Patents

筆記具

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Publication number
JPH08238886A
JPH08238886A JP7046912A JP4691295A JPH08238886A JP H08238886 A JPH08238886 A JP H08238886A JP 7046912 A JP7046912 A JP 7046912A JP 4691295 A JP4691295 A JP 4691295A JP H08238886 A JPH08238886 A JP H08238886A
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JP
Japan
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ink
valve
cylinder
valve body
writing instrument
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Pending
Application number
JP7046912A
Other languages
English (en)
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Shinichi Abe
真一 安部
Naoto Kudo
直人 工藤
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Zebra Pen Corp
Original Assignee
Zebra Pen Corp
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Publication date
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Priority to US08/510,904 priority patent/US5846012A/en
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Publication of JPH08238886A publication Critical patent/JPH08238886A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B43WRITING OR DRAWING IMPLEMENTS; BUREAU ACCESSORIES
    • B43KIMPLEMENTS FOR WRITING OR DRAWING
    • B43K5/00Pens with ink reservoirs in holders, e.g. fountain-pens
    • B43K5/18Arrangements for feeding the ink to the nibs
    • B43K5/1818Mechanical feeding means, e.g. valves; Pumps
    • B43K5/1827Valves
    • B43K5/1836Valves automatically closing
    • B43K5/1845Valves automatically closing opened by actuation of the writing point

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Pens And Brushes (AREA)
  • Mechanical Pencils And Projecting And Retracting Systems Therefor, And Multi-System Writing Instruments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 誤った取扱が成されても固形成分がインク流
出制御機構側に沈降して該インク流出制御機構のバルブ
本体内に入り込む虞れがなく、しかもケーキの粉砕とイ
ンクの撹拌を効果的に行うことができ、更にはインク流
出制御機構を介して装着する筆記チップを軸筒の先端の
みならず前後両端に装着することができる様にすること
にある。 【構成】 固液分離するインク5と撹拌子6とを収納す
る軸筒1にインク流出制御機構を介して筆記チップ2を
装着してなる筆記具に於いて、軸筒1内に、適宜の長さ
と太さを有する密閉された収納筒体4を介して固液分離
するインク5と撹拌子6とを収納する。それにより、イ
ンク5とインク流出制御機構とを隔離せしめて該インク
流出制御機構のバルブ本体10にインク5の固形成分が入
り込まない様に図る。そして、収納筒体4の適所に開設
したインク流出口7から収納筒体4内のインク5をバル
ブ本体10内に送り、筆記チップ2へ供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インク流出制御機構を
介して筆記チップを装着する軸筒内に、固液分離するイ
ンクと撹拌子とを収納してなる筆記具に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、固液分離するインクは、長時間
放置しておくと、インクの固形成分が沈降、凝集してケ
ーキを形成する。従って、この種の固液分離するインク
を使用する例えばサインペン等のマーキングペンはイン
クを収容する軸筒内に撹拌子を内在させて置いて、使用
時に軸筒を激振させることにより撹拌子を軸筒内でその
筒方向に移動させ、該撹拌子の衝撃力でケーキを粉砕せ
しめて固形成分を再分散させるものである。
【0003】従来から知られているこの種の固液分離す
るインク使用の筆記具は例えば図12に例示した様に、固
液分離するインク30と、このインク30を撹拌する撹拌子
31とを収納する軸筒32の先端に、周面にインク導入口33
を有するバルブ本体34と、このバルブ本体34内に進退移
動可能に支持された棒状のバルブ36と、このバルブ36を
バルブ本体34のバルブ弁37方向(閉弁方向)に弾発する
コイルバネ38とからなるインク流出制御機構を介して筆
記チップ39を装着してなる構造である(実公昭62−2845
3 号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、固液分離す
るインクは上述した様に静止状態で放置しておくと、固
形成分が沈降、凝集してケーキを形成することから、長
時間放置する場合には横に寝せた状態、或いは筆記チッ
プ39が装着されている軸筒32の先端側を上にした状態で
置いておく旨の取扱上の注意書きが表示されている。即
ち、固形成分がインク流出制御機構のバルブ本体34内に
入り込んでバルブ36の動作不良等が起らない様に注意書
きが表示されている。
【0005】しかし乍ら、実際にはその取扱上の注意書
きを読んで使用する使用者は少ない。図示した様に、筆
記チップ39を下にした誤った状態で放置する事が多い。
例えばボールペン等の様にペン先を下にしてペン立てケ
ースに立て掛けた状態で放置することが多い。そのため
に、時間の経過に伴い固液分離して沈降が始まるインク
30の固形成分がインク流出制御機構のバルブ36、このバ
ルブ36をバルブ弁37方向(閉弁方向)に弾発するスプリ
ング38が組み込み内在されているバルブ本体34内に入り
込んでバルブ本体34内でケーキ40を形成する。ケーキ40
がハードケーキになる以前に、即ちソフトケーキの段階
では軸筒32を激振させた時の撹拌子31のバルブ本体34に
対する衝突力(衝撃力)によりケーキ40を粉砕せしめて
固形成分を再分散させることも可能であるが、ハードケ
ーキになってしまった場合には撹拌子31の衝突力により
ケーキ40を粉砕せしめて固形成分を再分散させることは
困難となり、最終的にはバルブ36の動きがケーキ40によ
り完全にロックされた状態となり、筆記チップ39へのイ
ンク30の供給が完全閉ざされてしまって廃棄のやむなき
に至る。この様に従来では取扱上の間違いから起こる問
題が多発し、その改善が望まれていた。
【0006】本発明はこの様な従来事情に鑑みてなされ
たもので、誤った取扱が成されても固形成分がインク流
出制御機構側に沈降して該インク流出制御機構のバルブ
本体内に入り込む虞れがなく、しかもケーキの粉砕とイ
ンクの撹拌を効果的に行うことができ、更にはインク流
出制御機構を介して装着する筆記チップを軸筒の先端の
みならず前後両端に装着することができる。例えば太さ
を変えた2種類の筆記チップの装着を可能にした汎用性
の高い筆記具を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を達成するための手段】上記目的を達成するため
に本発明が講じる技術的手段は、周面にインク導入口を
有するバルブ本体と、このバルブ本体内に進退可能に内
在され、且つコイルバネにより閉弁方向に弾発されるバ
ルブとからなるインク流出制御機構を介して筆記チップ
を、固液分離するインクと撹拌子とを収納する軸筒に装
着してなる筆記具に於いて、軸筒内に、適宜の長さと太
さを有する密閉された収納筒体を配設して該収納筒体内
に固液分離するインクと撹拌子とを収納し、収納筒体の
適所には前記バルブ本体のインク導入口へと収納筒体内
のインクを送り出すインク流出口を開設したことを要旨
とする。
【0008】又、上記収納筒体を軸筒内に筒方向移動可
能に配設したことを要旨とする。
【0009】更に、上記インク流出口を、少なくとも収
納筒体の閉鎖された端部からインクの固形成分が沈降、
凝集して形成するケーキの高さ以上の高さを有する収納
筒体の筒壁に開設すると共に、収納筒体の外周には前記
インク流出口からバルブ本体のインク導入口に通じる筒
方向のインク流通溝を形成したことを要旨とする。
【0010】更に、上記インク流出口を、少なくとも収
納筒体の閉鎖された端部軸芯に適宜の口径にて開設する
一方、放置状態においてインク流出口を封鎖し得る形状
に撹拌子を形成したことを要旨とする。
【0011】更に、周面にインク導入口を有するバルブ
本体と、このバルブ本体内に進退可能に内在され、且つ
コイルバネにより閉弁方向に弾発されるバルブとからな
るインク流出制御機構を介して筆記チップを、固液分離
するインクと撹拌子とを収納する軸筒に装着してなる筆
記具に於いて、バルブ本体の閉鎖された後端部外周に軸
筒の内周に密接させるシール環状突起を設けると共に、
その後端部軸芯にはバルブ本体内に通じるインク流出口
を開設する一方、放置された状態において前記インク流
出口を封鎖し得る形状に撹拌子を形成したことを要旨と
する。
【0012】更に、周面にインク導入口を有するバルブ
本体と、このバルブ本体内に進退可能に内在され、且つ
コイルバネにより閉弁方向に弾発されるバルブとからな
るインク流出制御機構を介して筆記チップを、固液分離
するインクと撹拌子とを収納する軸筒に装着してなる筆
記具に於いて、バルブ本体の閉鎖された後端部縁から筒
方向に向けて同軸状に延設せしめて少なくともインクの
固形成分が沈降、凝集して形成するケーキの高さ以上の
高さを有する沈降部を形成すると共に、バルブ本体の外
周には該沈降部の開口縁から前記インク導入口に通じる
筒方向のインク流通溝を形成したことを要旨とする。
【0013】
【作 用】而して、上記した本発明請求項1に記載の
技術的手段によれば、放置された状態においてインクは
時間の経過に伴い固液分離するが、インクの固形成分は
収納筒体の閉鎖された端部側に沈降、凝集してケーキを
形成する。換言すれば、インク流出制御機構とは隔離
(独立)された収納筒体内でインクの固形成分は時間の
経過に伴い沈降、凝集してケーキを形成する。そして、
使用する時に軸筒を激振させると、撹拌子が収納筒体内
で筒方向に移動せしめて前記ケーキを粉砕し、固形成分
を再分散させる。固形成分が再分散された収納筒体内の
インクは収納筒体のインク流出口からバルブ本体内に送
られ、該バルブ本体内から筆記チップへと供給される。
【0014】請求項2に記載の技術的手段によれば、軸
筒の激振時に収納筒体は撹拌子の筒方向の動きにより軸
筒内を進退移動せしめる。それにより、撹拌子によるケ
ーキの粉砕作用と、再分散された固形成分を液体成分中
に均等に分散させるインクの撹拌作用とが収納筒体の移
動により発生する衝撃(振動)により助長されて効果的
に行われる。
【0015】請求項3に記載の技術的手段によれば、放
置された状態において時間の経過に伴いインクの固形成
分が沈降、凝集して形成するケーキが収納筒体の筒壁に
開設されたインク流出口の口縁まで至ることはない。即
ち、インク流出口は固形成分が沈降する収納筒体の端部
からケーキの高さ以上の高さを有する収納筒体の筒壁に
開設してなることから、インク流出口の口縁からバルブ
本体のインク導入口に通じる収納筒体の外周に設けたイ
ンク流通溝にケーキが入り込んで該インク流通溝がケー
キにより目詰まりを起こす虞れはない。そして、使用時
に軸筒の激振により固形成分が再分散された収納筒体内
のインクは前記インク流出口から外周のインク流通溝を
通ってバルブ本体内に送られ、該バルブ本体内から筆記
チップへと供給される。
【0016】請求項4に記載の技術的手段によれば、軸
筒の激振により固形成分が再分散された収納筒体内のイ
ンクは収納筒体の端部に開設されたインク流出口からバ
ルブ本体内に直接送られ、該バルブ本体内から筆記チッ
プへと供給される。一方、インク流出口を下に向けた状
態で放置すると、インク流出口を封鎖する形状の撹拌子
が該インク流出口を即座に塞ぐ。それにより、放置され
た後、時間の経過に伴い沈降が始まる固形成分は撹拌子
により塞がれたインク流出口を有する収納筒体の端部側
に沈降、凝縮してケーキを形成する。即ち、放置された
状態ではインクの固形成分がインク流出口からバルブ本
体内に入り込むことがない。
【0017】請求項5に記載の技術的手段によれば、軸
筒の内周に対するバルブ本体のシール環状突起の密接に
より、インクはインク流出制御機構側と隔離された状態
で軸筒内に収納される。そして、インクはバルブ本体の
後端部に開設されたインク流出口からバルブ本体内に直
接送られ、該バルブ本体内から筆記チップへと供給され
る。一方、放置すると、インク流出口を封鎖する形状の
撹拌子がバルブ本体のインク流出口を即座に塞ぐ。それ
により、放置された後、時間の経過に伴い沈降が始まる
固形成分は撹拌子により塞がれたバルブ本体の後端部側
に沈降、凝集してケーキを形成する。即ち、放置された
状態ではインクの固形成分がバルブ本体のインク流出口
からバルブ本体内に入り込むことはない。
【0018】請求項6に記載の技術的手段によれば、放
置された状態においてインクは時間の経過に伴い固液分
離するが、固形成分はバルブ本体の閉鎖された後端部縁
から一体に設けた沈降部内に沈降・凝縮してケーキを形
成する。この際、沈降部はケーキの高さ以上の高さを有
することから、ケーキが沈降部の開口部まで至ることは
ない。それにより、沈降部の開口部縁からバルブ本体の
インク導入口に通じるバルブ本体の外周に設けたインク
流通溝にケーキが入り込んで該インク流通溝がケーキに
より目詰まりを起こす虞れはない。そして、使用する時
に軸筒を激振させると、撹拌子の衝撃力により前記沈降
部内のケーキを粉砕し、固形成分を再分散させる。固形
成分が再分散されたインクは前記インク流通溝を通って
バルブ本体内に送られ、該バルブ本体内から筆記チップ
へと供給される。
【0019】
【実 施 例】本発明の実施の一例を図面に基づいて以
下説明すると、図1乃至図3は請求項1乃至3に係る筆
記具の実施例であり、軸筒1の前後端に夫々インク流出
制御機構を介して筆記チップ2,3を装着した両頭式の
筆記具を示し、軸筒1内に、適宜の長さと太さを有する
密閉された収納筒体4を配設して該収納筒体4内に固液
分離するインク5と棒状撹拌子6とを収納する。そし
て、収納筒体4の筒壁にはインク流出制御機構の後述す
るバルブ本体10内へと前記インク5を送るインク流出口
7を開設して、このインク流出口7から収納筒体4内の
インク5を前後のバルブ本体10内に夫々送り、前後の夫
々の筆記チップ2,3に対してインク5が供給される様
に構成してなる。図中8は、ウレタン等からなるインク
保持体であり、9は前後の筆記チップ2,3を夫々密封
する前後のキャップである。
【0020】軸筒1は、インク流出制御機構と収納筒体
4とを内設する前後端を夫々開口させたインナーパイプ
1-1 と、このインナーパイプ1-1 の前後開口側を除くそ
れらの間に被嵌状に装着される長さと太さ(内径)で前
後端を夫々開口させたアウターパイプ1-2 とから二重筒
構造に形成し、前記インナーパイプ1-1 の前後開口部内
に夫々インク流出制御機構を内設し、このインク流出制
御機構を介して筆記チップ2,3を夫々装着する。そし
て、インナーパイプ1-1 の前後内部に固定的に内設した
前後のバルブ本体10間に収納筒体4を配設する。
【0021】インク流出制御機構は、周面にインク導入
口11を有するバルブ本体10と、このバルブ本体10の後端
に設けたバルブ支持部12にバルブ13の嵌挿部13-1を嵌挿
支持させてバルブ本体10内に同軸状で且つ進退可能に内
在させた段付き棒状のバルブ13と、筆記チップ2,3の
後端を保持するバルブ13先端のチップ保持部14から前記
バルブ支持部12間に弾装されてバルブ13をバルブ本体10
の先端に嵌装着されたバルブ弁15方向、所謂閉弁方向に
弾発するコイルバネ16とからなり、筆記チップ2,3を
筆記用紙面に押し付けてバルブ13をコイルバネ16に抗し
て後退させることでバルブ13の開閉を行う所謂プッシュ
式で、バルブ弁15に対して着座状態(閉弁状態)にある
バルブ13先端のチップ保持部14をバルブ弁15から離間さ
せることで開弁せしめてバルブ本体10内のインク5が筆
記チップ2,3に供給される様になっている。
【0022】収納筒体4は、固液分離するインク5をイ
ンナーパイプ1-1 の前後内部に固定的に内設した前後の
バルブ本体10と隔離させた状態で収納する。即ち、長時
間静止状態で放置しておくことで、固液分離して沈降、
凝集するインク5の固形成分がバルブ本体10内に入り込
まない様に、インク5を該バルブ本体10と隔離させた状
態で収納する所謂インク貯蔵タンクであり、前記前後の
バルブ本体10のバルブ支持部12間に亘る長さでインナー
パイプ1-1 の内径と略同じ程度の太さ(外径)を有する
前後端部を閉鎖した密閉された円筒筒状に形成し、その
筒壁にインク5をバルブ本体10のインク導入口11へと送
り出すインク流出口7を開設すると共に、このインク流
出口7の口縁7-1 から前記インク導入口11に至る外周に
は筒方向のインク流通溝17を設けて、インク流出口7か
らインク流通溝17を通ってインク5がバルブ本体10へと
送られる様にしてある。尚、収納筒体4の閉鎖された前
後端部はバルブ本体10のバルブ支持部12の外周に嵌合連
設し得る凹部形状に形成し、その凹部外周には前記イン
ク流通溝17をバルブ本体10のインク導入口11に連絡する
連絡溝18を設けて(図2の(C)断面図参照)、インク
流通溝17を通ってきたインク5が連絡溝18から速かにイ
ンク導入口11へと案内されてバルブ本体10内に送られる
様に形成してある。
【0023】インク流出口7は、収納筒体4内のインク
5をインク流通溝17を介してバルブ本体10内に送り出す
もので、収納筒体4の閉鎖された両端部から固形成分が
沈降、凝集して形成するケーキ19の高さL1 以上の高さ
2 を有する収納筒体4の筒壁に適宜の開口大きさにて
開設する。即ち、ケーキ19がインク流出口7の口縁7-1
を乗り越えてその外周のインク流通溝17に入り込み、該
インク流通溝17がケーキ19により目詰まりを起さない様
に、閉鎖された両端部からの高さL2 にて収納筒体4の
筒壁に開設する。
【0024】尚、インク流出口7は収納筒体4の周方向
一カ所(図2の(A)断面図参照)に限らず、図3に示
した様に周方向数カ所に設けるも良く、自由である。こ
の場合、収納筒体4外周の筒方向に延びる各インク流通
溝17の個数に合わせて設けると良い。
【0025】インク流通溝17は、インク流出口7から流
出した収納筒体4内のインク5をバルブ本体10のインク
導入口11へと流通せしめる役目を成すもので、インク流
出口7の口縁7-1 から収納筒体4の連絡溝18方向に向け
た収納筒体4の周方向数カ所に適宜の溝幅と深さにて設
ける(図2の(A)(B)断面図参照)。
【0026】次に、以上の如く構成した本実施例筆記具
の使用法を説明すると、軸筒1の前後両端に装着した筆
記チップ2,3のいずれか一方を筆記用紙面に押圧せし
めてバルブ本体10内のバルブ13をコイルバネ16に抗して
後退させてバルブ弁15を開弁せしめる。バルブ弁15が開
弁すると、インク流出口7から外周のインク流通溝17、
連絡溝18を通ってインク導入口11からバルブ本体10内に
送られてきた収納筒体4内のインク5が筆記チップ2,
3に供給される。そして、軸筒1の前後いずれか一方
(筆記チップ2又は3)を下向きにした立て掛け状態で
放置すると、固液分離するインク5の固形成分は収納筒
体4の下に向けられた閉鎖端部側に沈降、凝集してケー
キ19を形成する。この時、インク流出口7の閉鎖端部か
らの開口高さL2 はケーキ19の高さL1 よりも高いこと
から、ケーキ19がインク流出口7の口縁7-1 まで至るこ
とはない。それにより、インク流出口7の口縁7-1 から
収納筒体4の端部外周の連絡溝18に通じるインク流通溝
17がケーキ19の侵入により目詰りを起すことがない。そ
して、使用する時に軸筒1が激振されると、収納筒体4
内を筒方向に移動する棒状の撹拌子6の衝撃力によりケ
ーキ19は粉砕され、固形成分が収納筒体4内の液体成分
中に再分散される。
【0027】従って、斯る実施例の筆記具によれば、立
て掛けた状態(誤った状態)で放置しても、インク5の
固形成分はインク流出制御機構と隔離された収納筒体4
内に沈降、凝集してケーキ19を形成することから、固形
成分がバルブ本体10内に入り込んでバルブ13の動きがロ
ックされて開弁不能になると言ったインク流出制御機構
の動作不良等が起こる心配はなく、筆記チップ2,3に
対して安定良く且つ確実にインク5を供給することがで
きる。又、この様にインク流出制御機構とは隔離させた
インク5の貯蔵方式としたことで、実施例詳述の如く軸
筒1の前後端に、従来の筆記具では不可能とされた例え
ば太さを変えた2種類の筆記チップ2,3の装着が可能
となり、筆記具として汎用性が高まり、ひいては商品価
値が向上するものである。
【0028】図4は上記した両頭式の筆記具において、
軸筒1を激振させた際にインナーパイプ1-1 内に配設し
た収納筒体4-1 が棒状の撹拌子6の移動に伴い筒方向に
移動する様に構成した実施の一例を示した他の実施例で
ある。尚、斯る実施例は収納筒体4-1 をインナーパイプ
1-1 内に筒方向に移動可能に配設した構成以外の構成に
おいては上記した実施例詳述と基本的に同じ構成である
ことから、同じ構成部分に同じ符号を用いることでその
説明は省略する。
【0029】然るに、斯る実施例の場合は収納筒体4-1
の長さをインナーパイプ1-1 の前後内部に固定的に配設
した前後のバルブ本体10のバルブ支持部12間に亘る長さ
よりも全体的に短めに形成して、軸筒1を激振させた際
の棒状の撹拌子6の筒方向の動きにより前後のバルブ本
体10に衝突する範囲で収納筒体4-1 がインナーパイプ1-
1 内を筒方向に進退移動せしめる様に構成したものであ
る。そして、収納筒体4-1 の閉鎖された両端部の凹部は
その内径をバルブ本体10のバルブ支持部12の外径よりも
大きく形成して、バルブ支持部12に接離自在に遊嵌し得
る構成としてなる。尚、棒状の撹拌子6の動き(衝突)
に伴う収納筒体4-1 の前後の動きはその外周のインク流
通溝17間に存在する筒方向の各縦リブ20がインナーパイ
プ1-1 の内周面との接触抵抗を抑えてる役目を成して、
軸筒1を激振させた際に収納筒体4-1 がスムーズに進退
移動する様にしてある(図4の(E)断面図参照)。
【0030】而して、斯る実施例の筆記具によれば、軸
筒1を激振させると、収納筒体4-1は棒状の撹拌子6の
筒方向の移動に伴い前後に移動することから、軸筒1を
激振させた際の棒状の撹拌子6の衝撃力に加えて収納筒
体4-1 の移動により発生するその衝撃(振動)がケーキ
19に加わってその粉砕作用が助長されると共に、再分散
された固形成分を液体成分中に分散させるインク5の撹
拌作用も収納筒体4-1の前後の移動による前記衝撃によ
り助長されて効果的に行われる。従って、使用時に軸筒
1を1乃至数回激振させることで、インク5をインク流
出口7からインク流通溝17を通してバルブ本体10内に送
られ、筆記チップ2,3への供給が可能になり、即座に
筆記し得る状態となる。
【0031】図5は軸筒1の前端(先端)側のみにイン
ク流出制御機構を介して上記実施例詳述の一方の筆記チ
ップ2を装着した周知の単頭式の筆記具の例を示した他
の実施例であり、軸筒1を構成するインナーパイプ1-10
とアウターパイプ1-20の両方を一端側のみを開口させた
有底筒状に形成して、インナーパイプ1-10の一端開口部
内にインク流出制御機構を介して筆記チップ2を装着す
ると共に、その内部には固液分離するインク5と棒状の
撹拌子6とを収納した収納筒体4-2 を筒方向に移動可能
に配設する。尚、斯る実施例において軸筒1のインナー
パイプ1-10、アウターパイプ1-20と収納筒体4-2 以外の
構成においては上記した実施例詳述の構成と基本的に同
じであることから、同じ構成部分に同じ符号を用いるこ
とでその説明は省略する。
【0032】インナーパイプ1-10、アウターパイプ1-20
は、前端を開口させて後端側を閉鎖した有底筒状に形成
する一方、収納筒体4-2 は、インナーパイプ1-10の一端
開口部内に固定的に配設されているバルブ本体10とイン
ナーパイプ1-10の有底端部との間を筒方向に移動し得る
長さを有する密閉された円筒筒状に形成し、上記した実
施例の如く、その筒壁にインク流出口7を開設し、該イ
ンク流出口7の口縁7-1 から一端閉鎖端部の外周に設け
た連絡溝18に通じる筒方向のインク流通溝17を外周に設
ける。そして、収納筒体4-2 の他端閉鎖端部の軸芯には
インク流通孔21を設けて、軸筒1を激振させた際にイン
ナーパイプ1-10の有底端部側に流出したインク5が収納
筒体4-2 内に速かに戻され、収納筒体4-2 の動きがスム
ーズに行われる様に形成してある。
【0033】而して、斯る実施例の筆記具の場合も上記
した実施例と同様に軸筒1を激振させると、棒状の撹拌
子6の動きより収納筒体4-2 はインナーパイプ1-10内を
筒方向に移動せしめて棒状の撹拌子6の衝撃力によるケ
ーキ19の粉砕作用を助長せしめて固形成分を速かに収納
筒体4-2 内の液体成分中に再分散させる。即ち、ケーキ
19の粉砕作用とインク5の撹拌作用が収納筒体4-2 の前
後の移動により助長されて効果的に行われる。
【0034】図6は請求項4に係る筆記具の実施の一例
を示し、上記した単頭式の筆記具において、インク流出
制御機構側に位置する収納筒体4-3 の閉鎖された端部軸
芯にインク流出口22を開設して、収納筒体4-3 内のイン
ク5がこのインク流出口22からバルブ本体10内に送ら
れ、筆記チップ2に供給させる様に構成してなる。そし
て、筆記チップ2を下向きにした立て掛け放置状態にお
いてインク流出口22が棒状の撹拌子6-1 の後述する大径
ヘッド部23により封鎖され、沈降するインク5の固形成
分がインク流出口22からバルブ本体10に入り込まない様
に構成してある。尚、斯る実施例においても収納筒体4-
3 、棒状の撹拌子6-1 以外の構成においては上記した実
施例詳述と基本的に同じ構成であることから、同じ構成
部分に同じ符号を用いることでその説明は省略する。
【0035】然るに、斯る実施例においては収納筒体4-
3 のバルブ本体10側に位置する端部軸芯に適宜の口径を
有するインク流出口22を開設して、このインク流出口22
から収納筒体4-3 内のインク5がバルブ本体10内に送ら
れる様に形成する一方、棒状の撹拌子6-1 の一端部には
該インク流出口22の口径よりも大きい大径ヘッド部23を
設けて、筆記チップ2を下向きにした立て掛け放置状態
において、該大径ヘッド部23によりインク流出口22を封
鎖せしめて沈降するインク5の固形成分がインク流出口
22からバルブ本体10に入り込まれない様にしてなる。
【0036】図7は前後端を開口させたインナーパイプ
1-1 の前後開口部にインク流出制御機構を介して夫々筆
記チップ2,3を装着した両頭式の上記した筆記具にお
いて、インナーパイプ1-1 の内部に筒方向移動可能に配
設する収納筒体4-4 の筒壁とその閉鎖端部とに上記した
実施例詳述の如くインク流出口7,22を夫々開設して、
収納筒体4-4 内のインク5が両インク流出口7,22から
インナーパイプ1-1 の前後内部に固定的に内設した前後
のバルブ本体10内に送られる様に構成した他の実施例で
ある。
【0037】然るに、斯る実施例は図4に示す筒壁にイ
ンク流通口7を開設した収納筒体4-1 をインナーパイプ
1-1 内に筒方向に移動可能に配設した両頭式の筆記具
と、図6に示す閉鎖された端部軸芯にインク流出口22を
開設した収納筒体4-3 をインナーパイプ1-10内に筒方向
に移動可能に配設した単頭式の筆記具とを組み合わせ
て、両インク流出口7,22から前後のバルブ本体10内に
収納筒体4-4 のインク5が送られる様に構成したもので
ある。又、収納筒体4-4 の閉鎖された両端部のインク流
出口22を放置状態で封鎖する様に棒状の撹拌子6-2 の両
端部には上記した大径ヘッド部23を夫々設けて、沈降す
るインク5の固形成分がバルブ本体10内に入り込まない
様に形成したものである。
【0038】図8乃至図9は請求項5に係る筆記具の他
の一例を示し、斯る実施例の筆記具は上記した実施例の
如くインク流出制御機構を隔離する収納筒体4を用いる
ことなく、該インク流出制御機構のバルブ本体10内にイ
ンク5の固形成分が入り込まない様に、該バルブ本体10
-1自体に改良を加えたものである。尚、斯る実施例にお
いてはバルブ本体10-1以外の構成においては上記した実
施例詳述と基本的に同じ構成であることから、同じ構成
部分に同じ符号を用いることでその説明は省略する。
【0039】図8は上記実施例詳述の如く、前後端を開
口したインナーパイプ1-1 の前後開口部にインク流出制
御機構を介して筆記チップ2,3を装着してなる両頭式
の筆記具において、バルブ本体10-1の閉鎖された後端部
外周にインナーパイプ1-1 の内周に密接させるシール環
状突起24を設けると共に、その後端部軸芯にはバルブ本
体10-1内に通じるインク流出口25を開設して、シール環
状突起24によりインナーパイプ1-1 内に直接収納(充
填)されたインク5がバルブ本体10-1内に入り込むのを
阻止する隔離構造とする一方で、インク流出口25からバ
ルブ本体10-1内にインク5が直接送られる構成としてな
る。そして、前後夫々のバルブ本体10-1のインク流出口
25の口径より大きい上記した大径ヘッド部23を両端部に
設けた棒状の撹拌子6-2 により、いずれか一方の筆記チ
ップ2,3を下向きにした立て掛け放置状態において前
後夫々のバルブ本体10-1のインク流出口25を封鎖せしめ
て、時間の経過に伴い沈降するインク5の固形成分がバ
ルブ本体10-1に入り込まない様にしてある。
【0040】バルブ本体10-1は、バルブ13の後端を進退
可能に嵌挿支持する後端部のバルブ支持部12をインナー
パイプ1-1 の内径と略同径(バルブ本体10-1を全体的に
円筒筒状)に形成せしめてそのバルブ支持部12の外周に
インナーパイプ1-1 の内周に密接させるシール環状突起
24を設けることで、インナーパイプ1-1 内のインク5が
バルブ支持部12の周りからバルブ本体10-1内に入り込ま
ない様にインク5と隔離させた構造としてなる。そし
て、バルブ支持部12の後端軸芯に適宜の口径を有するイ
ンク流出口25を開設し、その内部にはその後端面から筒
方向に放射状に突出させた突片26を設けることで、イン
ク流出口25からバルブ本体10-1内に通じる隙間27を各突
片26間に設けて(図8(H)断面図参照)、インナーパ
イプ1-1 内のインク5がインク流出口25から隙間27を通
ってバルブ本体10-1内に送られる様にしてある。
【0041】而して、斯る実施例の筆記具によれば、イ
ンナーパイプ1-1 の内周に対するバルブ本体10-1のシー
ル環状突起24の密接により、インナーパイプ1-1 内のイ
ンク5はバルブ本体10-1内と隔離された状態で収納され
る。そして、インク5はバルブ本体10-1の後端部に開設
された上記した棒状の撹拌子6-2 の大径ヘッド部23によ
り開閉されるインク流出口25からバルブ支持部12内の隙
間27を通ってバルブ本体10-1内に送り込まれ、該バルブ
本体10-1内から筆記チップ2,3へと供給される。一
方、いずれか一方の筆記チップ2,3を下向きにした立
て掛け状態で放置されると、バルブ本体10-1のインク流
出口25は棒状の撹拌子6-2 の大径ヘッド部23により即座
に封鎖される。それにより、放置された後、時間の経過
に伴い沈降が始まるインク5の固形成分は棒状の撹拌子
6-2 の大径ヘッド部23により封鎖されたインク流出口25
を有するバルブ本体10-1の後端部側に沈降、凝集してケ
ーキ19を形成する。即ち、固形成分がインク流出口25か
らバルブ本体10-1内に入り込むことはない。
【0042】図9は上記実施例詳述の如く、前端側のみ
を開口させた有底筒状のインナーパイプ1-10の前端開口
部にインク流出制御機構を介して筆記チップ2を装着し
てなる単頭式の筆記具において、バルブ本体10-1のバル
ブ支持部12の外周に図8において詳述した如くシール環
状突起24を設けることで、インナーパイプ1-10内に直接
収納されたインク5とバルブ本体10-1内とを隔離せしめ
た構造として、筆記チップ2を下向きにした立て掛け放
置状態において、バルブ本体10-1のインク流出口25は上
記した棒状の撹拌子6-1 の大径ヘッド部23により封鎖さ
れ、時間の経過に伴い沈降が始まるインク5の固形成分
はインク流出口25からバルブ本体10-1内に入り込むこと
なく、棒状の撹拌子6-1 の大径ヘッド部23により封鎖さ
れたインク流出口25を有するバルブ本体10-1の後端部側
に沈降、凝集してケーキ19を形成する。そして、棒状の
撹拌子6-1 の大径ヘッド部23により開閉されるインク流
出口25からインナーパイプ1-10内のインク5はバルブ支
持部12内の隙間27を通ってバルブ本体10-1内に直接送ら
れ、筆記チップ2に供給される。
【0043】図10乃至図11は請求項6に係る筆記具の他
の一例を示し、斯る実施例の筆記具は上記した実施例の
如くインク流出制御機構と隔離する収納筒体4を用いる
ことなく、該インク流出制御機構のバルブ本体10-2内に
インク5の固形成分が入り込まない様に、該バルブ本体
10-2自体に改良を加えたものである。尚、斯る実施例に
おいてもバルブ本体10-2以外の構成においては上記した
実施例詳述と基本的に同じ構成であることから、同じ構
成部分に同じ符号を用いることでその説明は省略する。
【0044】図10は上記実施例詳述の如く、前後端を開
口したインナーパイプ1-1 の前後開口部にインク流出制
御機構を介して筆記チップ2,3を夫々装着してなる両
頭式の筆記具において、バルブ本体10-2の閉鎖された後
端部縁から筒方向に向けて同軸状に延設せしめて少なく
ともインク5の固形成分が沈降、凝集して形成するケー
キ19の高さL3 以上の高さL4 を有する沈降部26を形成
すると共に、バルブ本体10-2の外周には該沈降部26の開
口縁からバルブ本体10-2のインク導入口11に通じる筒方
向のインク流通溝27を形成し、このインク流通溝27を通
してインナーパイプ1-1 内に直接収納(充填)したイン
ク5がバルブ本体10-2内に送られ、筆記チップ2,3に
供給される様に構成してなる。そして、いずれか一方の
筆記チップ2,3を下向きにした立て掛け放置状態にお
いては時間の経過に伴い沈降するインク5の固形成分は
沈降部26内に沈降、凝集してケーキ19を形成する様に構
成してなる。
【0045】沈降部26は、放置された後、時間の経過に
伴い沈降が始まるインク5の固形成分が沈降、凝集して
ケーキ19を形成するところで、バルブ本体10-2の閉鎖さ
れた後端部縁から固形成分が沈降、凝集して形成するケ
ーキ19の高さL3 以上の高さL4 にて同軸状で且つ同径
に延設せしめてバルブ本体10-2の閉鎖された後端部に一
体に形成する。即ち、ケーキ19が沈降部26の開口縁を乗
り越えてバルブ本体10-2のインク導入口11に通じる外周
のインク流通溝27に入り込んで該インク流通溝27がケー
キ19により目詰まりを起さない高さL4 にて形成する
【0046】而して、斯る実施例の筆記具によれば、イ
ンナーパイプ1-1 内のインク5は沈降部26の開口縁から
外周のインク流通溝27を通ってバルブ本体10-2内に送ら
れ、該バルブ本体10-2内から筆記チップ2,3へと供給
される。一方、いずれか一方の筆記チップ2,3を下向
きにした立て掛け状態で放置されると、時間の経過に伴
い沈降するインク5の固形成分はバルブ本体10-2の後端
に設けた沈降部26内に沈降、凝集してケーキ19を形成す
る。この際、沈降部26はケーキ19の高さL3 以上の高さ
4 を有することから、ケーキ19が沈降部26の開口縁高
さまで至ることはない。それにより、沈降部26の開口縁
からバルブ本体10-2のインク導入口11に通じるバルブ本
体10-2外周のインク流通溝27にケーキ19が入り込んで該
インク流通溝27がケーキ19により目詰まりを起こす虞れ
はない。
【0047】図11は上記実施例詳述の如く、前端側のみ
を開口させた有底筒状のインナーパイプ1-10の前端開口
部にインク流出制御機構を介して筆記チップ2を装着し
てなる単頭式の筆記具において、バルブ本体10-2の後端
に図10において詳述した如く固形成分が沈降、凝集して
形成するケーキ19の高さL3 以上の高さL4 にて同軸状
で且つ同径に延設せしめた沈降部26を設けることで、筆
記チップ2を下向きにした立て掛け放置状態において、
時間の経過に伴い沈降が始まるインク5の固形成分は沈
降部26内に沈降、凝集してケーキ19を形成する。そし
て、インナーパイプ1-10内のインク5は沈降部26の開口
縁から外周のインク流通溝27を通ってバルブ本体10-2内
に送られ、該バルブ本体10-2内から筆記チップ2へと供
給される。
【0048】因みに、上記した各実施例詳述のインク流
出制御機構は図8の拡大断面図において示した様に、バ
ルブ13後端の嵌挿部13-1を摺動自在に嵌挿支持する各バ
ルブ本体10,10-1,10-2のバルブ支持部12に対して前記
嵌挿部13-1の基端を当接せしめてバルブ13の後端移動距
離L(閉弁状態においてバルブ弁15に着座しているバル
ブ13の先端が該バルブ弁15から離間するその開弁距離)
を常に一定に保つべく、バルブ13の長さをその先端をバ
ルブ弁15に着座させた閉弁状態において後端の嵌挿部13
-1基端がバルブ本体10,10-1,10-2のバルブ支持部12と
の間に前記後退移動距離Lが確保される様に形成して、
筆記時の筆圧によりバルブ13がコイルバネ16に抗して後
退せしめるその後退移動量(バルブ弁15との開弁量)が
常に一定に保たれる様に構成してなる。即ち、筆記者に
より異なる筆圧度合い等に関係なくバルブ弁15から離間
するバルブ13の後退移動量を一定に保って、常に一定量
(適量)のインク5が上記した各実施例のバルブ本体1
0,10-1,10-2内から筆記チップ2,3に供給させる様
にバルブ13の後退を前記後退移動距離Lにて規制する様
に構成してなる。
【0049】
【発明の効果】本発明の筆記具はは叙上の如く構成して
なるから、下記の作用効果を奏する。 .放置された状態においてインクは時間の経過に伴い
固液分離するが、インクの固形成分はインク流出制御機
構とは隔離(独立)された収納筒体内で沈降、凝集せし
めてケーキとなることから、インクの固形成分がインク
流出制御機構のバルブ本体内に入り込むことはない。そ
して、使用する時に軸筒を激振させることで、インクと
一緒に収納筒体内に収納されている撹拌子がが収納筒体
内で筒方向に移動せしめて前記ケーキを粉砕し、固形成
分を液体成分中に再分散させることができる。収納筒体
内のインクは収納筒体のインク流出口からインク流出制
御機構のバルブ本体内に、その周面のインク導入口から
送られ、該バルブ本体内から筆記チップに供給される。
【0050】.軸筒内に移動可能に配設された収納筒
体は軸筒の激振時に撹拌子の筒方向の動きにより軸筒内
を筒方向に進退移動せしめることから、撹拌子の衝撃力
に加えて収納筒体の移動時に発生するその衝撃(振動)
がケーキに加わってその粉砕作用が助長されると共に、
再分散された固形成分が液体成分中に均等に分散される
インクの撹拌作用も助長される。それにより、ケーキの
粉砕と固形成分の液体成分中への分散とが効果的に行わ
れる。使用時に軸筒を1乃至数回激振させることで筆記
が可能になる。
【0051】.インクの固形成分が沈降、凝集せしめ
て形成するケーキの高さL1 以上の高さL2 にてインク
流出口を収納筒体の筒壁に開設してなることから、ケー
キがインク流出口の口縁まで至ることない。即ち、イン
ク流出口の口縁からバルブ本体のインク導入口に通じる
収納筒体の外周に設けたインク流通溝にケーキが入り込
んで該インク流通溝がケーキにより目詰まりを起こす虞
れはなく、固形成分が再分散された収納筒体内のインク
は前記インク流出口からインク流通溝を通ってバルブ本
体内に確実に送られる。
【0052】.収納筒体の閉鎖された端部に開設した
インク流出口は、該インク流出口が下に向けられた状態
で放置されると、インク流出口を封鎖する形状に形成し
た撹拌子により即座に塞がれることから、放置された
後、時間の経過に伴い沈降が始まる固形成分は前記イン
ク流出口からバルブ本体内に入り込むことなく、撹拌子
によりインク流出口が塞がれた収納筒体の端部側に沈
降、凝縮せしめてケーキを形成する。そして、軸筒を激
振させれば、ケーキは撹拌子の衝撃力により粉砕され、
固形成分が再分散された収納筒体内のインクは収納筒体
の前記インク流出口からバルブ本体内に直接送られ、該
バルブ本体内から筆記チップへと供給される。
【0053】.軸筒の内周に対してバルブ本体の後端
外周に設けたシール環状突起が密接して軸筒内を、イン
ク流出制御機構側とインク収納側とに隔離せしめてイン
クの固形成分が前記バルブ本体内に入り込まない様に形
成する一方で、撹拌子により開閉されるバルブ本体の後
端部に開設したインク流出口からインクがバルブ本体内
に直接送られて該バルブ本体内から筆記チップに供給さ
れる様に形成してなることから、放置されると、インク
流出口を封鎖する形状の撹拌子により該インク流出口は
即座に塞がれる。よって、放置された後、時間の経過に
伴い沈降が始まるインクの固形成分はバルブ本体内に入
り込むことはなく、撹拌子によりインク流出口が塞がれ
たバルブ本体の後端部側に沈降、凝縮せしめてケーキを
形成する。そして、軸筒を激振させれば、ケーキは撹拌
子の衝撃力により粉砕され、固形成分が再分散されたイ
ンクはバルブ本体の前記インク流出口からバルブ本体内
に直接送られ、該バルブ本体内から筆記チップへと供給
される
【0054】.バルブ本体の閉鎖された後端部からケ
ーキの高さL3 以上の高さL4 にて沈降部を設けて、該
沈降部内にインクの固形成分が沈降、凝集してケーキを
形成する様にしてなることから、放置された状態におい
て固形成分がバルブ本体内に入り込むことはなく、しか
も、ケーキによって沈降部の開口部縁からバルブ本体の
インク導入口に通じるバルブ本体の外周に設けたインク
流通溝が目詰まりを起こす虞れもない。そして、使用す
る時に軸筒を激振させれば、撹拌子の衝撃力により前記
沈降部内のケーキは粉砕され、固形成分は再分散され
る。よって、インクは前記インク流通溝を通ってバルブ
本体内に送られ、該バルブ本体内から筆記チップへと供
給される。
【0055】従って、本発明の筆記具によれば、立て掛
けられた状態で放置されると言った誤った取扱が成され
てもインクの固形成分がインク流出制御機構側に沈降し
て該インク流出制御機構のバルブ本体内に入り込むこと
はない。即ち、バルブの動作不良等を引き起こす虞れは
なく、使用時にはバルブ本体内に確実にインクを送り、
該バルブ本体内から筆記チップに供給することができ
る。そして、この様にインク流出制御機構とは隔離させ
たインクの貯蔵方式としたことで、実施例詳述の如く軸
筒の前後端に、従来の筆記具では不可能とされた例えば
太さを変えた2種類の筆記チップの装着が可能となる。
即ち、一本で太書き、細書きが可能となり、筆記具とし
て汎用性が高まり、ひいては商品価値の向上が図られ
る。しかも、軸筒を激振させた際、インクと撹拌子を収
納する収納筒体は撹拌子と共に筒方向に移動せしめて撹
拌子の衝撃力によるケーキの粉砕作用とインクの撹拌作
用を助長する効果が期待でき、軸筒を1乃至数回激振さ
せることで、筆記し得る状態になることから、取扱性が
従来の筆記具に比べて簡便である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明筆記具の実施の一例を示した縦断正面
図で、両頭式を示す
【図2】 同横断面図で、(A)は図1のA−A線断面
図、(B)は図1のB−B線断面図、(C)は図1のC
−C線断面図、(D)は図1のD−D線断面図
【図3】 図1のA−A線断面図で、他の実施例を示す
【図4】 本発明筆記具の他の実施例を示した縦断正面
図で、両頭式を示す、(E)はE−E線断面図
【図5】 本発明筆記具の他の実施例を示した縦断正面
図で、単頭式を示す、(F)はF−F線断面図
【図6】 本発明筆記具の他の実施例を示した縦断正面
図で、単頭式を示す、(G)はG−G線断面図
【図7】 本発明筆記具の他の実施例を示した縦断正面
図で、両頭式を示す
【図8】 本発明筆記具の他の実施例を示した縦断正面
図で、両頭式を示す、(H)はH−H線断面図
【図9】 本発明筆記具の他の実施例を示した縦断正面
図で、単頭式を示す
【図10】 本発明筆記具の他の実施例を示した縦断正面
図で、両頭式を示す、(I)はI−I線断面図、(J)
はJ−J線断面図
【図11】 本発明筆記具の他の実施例を示した縦断正面
図で、単頭式を示す
【図12】 従来の筆記具を示した縦断正面図
【符号の説明】
1…軸筒 2,3…筆
記チップ 4,4-1 ,4-2 ,4-3 ,4-4 …収納筒体 5…
インク 6,6-1 ,6-2 …撹拌子 7,22,25…
インク流出口 10,10-1,10-2…バルブ本体 11…
インク導入口 13…バルブ 16…コ
イルバネ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周面にインク導入口を有するバルブ本体
    と、このバルブ本体内に進退可能に内在され、且つコイ
    ルバネにより閉弁方向に弾発されるバルブとからなるイ
    ンク流出制御機構を介して筆記チップを、固液分離する
    インクと撹拌子とを収納する軸筒に装着してなる筆記具
    に於いて、 軸筒内に、適宜の長さと太さを有する密閉された収納筒
    体を配設して該収納筒体内に固液分離するインクと撹拌
    子とを収納し、収納筒体の適所には前記バルブ本体のイ
    ンク導入口へと収納筒体内のインクを送り出すインク流
    出口を開設したことを特徴とする筆記具。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の筆記具において、 収納筒体を軸筒内に筒方向移動可能に配設したことを特
    徴とする筆記具。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の筆記具におい
    て、 インク流出口を、少なくとも収納筒体の閉鎖された端部
    からインクの固形成分が沈降、凝集して形成するケーキ
    の高さ以上の高さを有する収納筒体の筒壁に開設すると
    共に、収納筒体の筒壁外周には前記インク流出口からバ
    ルブ本体のインク導入口に通じる筒方向のインク流通溝
    を形成したことを特徴とする筆記具。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の筆記具におい
    て、 インク流出口を、少なくとも収納筒体の閉鎖された端部
    軸芯に適宜の口径にて開設する一方、放置状態において
    前記インク流出口を封鎖し得る形状に撹拌子を形成した
    ことを特徴とする筆記具。
  5. 【請求項5】 周面にインク導入口を有するバルブ本体
    と、このバルブ本体内に進退可能に内在され、且つコイ
    ルバネにより閉弁方向に弾発されるバルブとからなるイ
    ンク流出制御機構を介して筆記チップを、固液分離する
    インクと撹拌子とを収納する軸筒に装着してなる筆記具
    に於いて、 バルブ本体の閉鎖された後端部外周に軸筒の内周に密接
    させるシール環状突起を設けると共にその後端部軸芯に
    はバルブ本体内に通じるインク流出口を開設する一方、
    放置された状態において前記インク流出口を封鎖し得る
    形状に撹拌子を形成したことを特徴とする筆記具。
  6. 【請求項6】 周面にインク導入口を有するバルブ本体
    と、このバルブ本体内に進退可能に内在され、且つコイ
    ルバネにより閉弁方向に弾発されるバルブとからなるイ
    ンク流出制御機構を介して筆記チップを、固液分離する
    インクと撹拌子とを収納する軸筒に装着してなる筆記具
    に於いて、 バルブ本体の閉鎖された後端部縁から筒方向に向けて同
    軸状に延設せしめて少なくともインクの固形成分が沈
    降、凝集して形成するケーキの高さ以上の高さを有する
    沈降部を形成すると共に、バルブ本体の外周には前記沈
    降部の開口縁から前記インク導入口に通じる筒方向のイ
    ンク流通溝を形成したことを特徴とする筆記具。
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