JPH08238778A - インク噴射装置の電極形成方法 - Google Patents

インク噴射装置の電極形成方法

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JPH08238778A
JPH08238778A JP4719695A JP4719695A JPH08238778A JP H08238778 A JPH08238778 A JP H08238778A JP 4719695 A JP4719695 A JP 4719695A JP 4719695 A JP4719695 A JP 4719695A JP H08238778 A JPH08238778 A JP H08238778A
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JP
Japan
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jig
vapor deposition
electrode
ink
piezoelectric ceramic
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JP4719695A
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Masahiko Kinoshita
木下昌彦
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生産性の高いインク噴射装置の電極形成方法
を提供すること。 【構成】 複数の圧電セラミックスプレート102を治
具50aに設置した後、前記治具50aを蒸着装置内に
固定するための治具52aに角度αを持つように設置す
る。治具50aの内面には、圧電セラミックスプレート
102に角度βを持たせるように保持部51a,53a
が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インク噴射装置の電極
形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日、これまでのインパクト方式の印字
装置にとってかわり、その市場を大きく拡大しつつある
ノンインパクト方式の印字装置のなかで、原理が最も単
純で、かつ多階調化やカラー化が容易であるものとし
て、インクジェット方式の印字装置が上げられる。なか
でも印字に使用するインク滴のみを噴射するドロップ・
オン・デマンド型が、噴射効率の良さ、ランニングコス
トの安さなどから急速に普及している。
【0003】ドロップ・オン・デマンド型として特公昭
53−12138号公報に開示されているカイザー型、
あるいは特公昭61−59914号公報に開示されてい
るサーマルジェット型がその代表的な方式としてある。
このうち、前者は小型化が難しく、後者は高熱をインク
に加えるためにインクの耐熱性に対する要求が必要とさ
れ、それぞれに非常に困難な問題を抱えている。
【0004】以上のような欠陥を同時に解決する新たな
方式として提案されたのが、特開昭63−247051
号公報に開示されているせん断モード型である。
【0005】図8に示すように、上記せん断モード型の
インク噴射装置600は、底壁601、天壁602及び
その間のせん断モードアクチュエータ壁603からな
る。そのアクチュエータ壁603は、底壁601に接着
され、且つ矢印611方向に分極された下部壁607
と、天壁602に接着され、且つ矢印609方向に分極
された上部壁605とからなっている。アクチュエータ
壁603は一対となってその間にインク流路613を形
成し、且つ次の一対のアクチュエータ壁603の間に
は、インク流路613よりも狭い空間615を形成して
いる。
【0006】各インク流路613の一端には、ノズル6
18を有するノズルプレート617が固着され、各アク
チュエータ壁603の両側面には電極619,621が
金属化層として設けられている。各電極619,621
はインクと絶縁するための絶縁層(図示せず)で覆われ
ている。そして、空間615に面している電極619,
621はアース623に接続され、インク流路613内
に設けられている電極619,621は、アクチュエー
タ駆動回路を与えるシリコン・チップ625に接続され
ている。
【0007】次に、このインク噴射装置600の製造方
法を説明する。まず、矢印611に分極された圧電セラ
ミックス層を底壁601に接着し、矢印609に分極さ
れた圧電セラミックス層を天壁602に接着する。各圧
電セラミックス層の厚みは、下部壁607、上部壁60
5の高さに等しい。次に、圧電セラミックス層に、平行
な溝をダイヤモンドカッティング円板の回転等によって
形成して、下部壁607、上部壁605を形成する。そ
して、真空蒸着によって下部壁607の側面に電極61
9を形成し、その電極619上に前記絶縁層を設ける。
同様にして上部壁605の側面に、電極621および前
記絶縁層を設ける。
【0008】上部壁605の天頂部と下部壁607の天
頂部とを接着してインク流路613と空間615とを形
成する。次に、ノズル618が穿孔されているノズルプ
レート617を、ノズル618がインク流路613と対
応するように、インク流路613及び空間615の一端
に接着し、インク流路613と空間615との他端をシ
リコン・チップ625とアース623とに接続する。
【0009】そして、各インク流路613の電極61
9,621にシリコン・チップ625が電圧を印加する
ことによって、各アクチュエータ壁603がインク流路
613の容積を増加する方向に圧電厚みすべり変形し
て、所定時間後電圧印加が停止されてインク流路613
の容積が増加状態から自然状態となってインク流路61
3内のインクに圧力が加えられ、インク滴がノズル61
8から噴射される。
【0010】しかしながら、上述した構成のインク噴射
装置600では、空間615に面している電極619,
621はアース623に接続され、インク流路613内
に設けられている電極619,621は、アクチュエー
タ駆動回路を与えるシリコン・チップ625に接続され
ているので、各インク流路613内の電極619,62
1に電圧を印加してインクを噴射している。このため、
インク流路613内の電極619、621は、インクと
絶縁するための前記絶縁層で被覆しなければならない。
これは、前記絶縁層がないと、導電性の高いインクであ
ると、短絡する可能性があり、導電性がそれぼど高いく
ないインクであっても電気的、化学的な腐食により、電
極619,621が劣化されて、アクチュエータ壁60
3の変形が十分に行われなくなり、印字品質が悪くなる
といった問題があった。従って、インクと電極619,
621とを絶縁するための前記絶縁層が必要となり、そ
のための設備、工程が必要で、生産性が下がり、コスト
が上がるといった問題があった。
【0011】以上の問題を解決するために、本出願人は
特願平5−282369号にてインク噴射装置の駆動方
法の発明を提案した。この発明に開示されている駆動方
法を用いたインク噴射装置は、インクが噴射される複数
の噴射チャンネルと、前記噴射チャンネルの両側に設け
られ、インクが噴射されない複数の非噴射チャンネル
と、前記噴射チャンネルと前記非噴射チャンネルとを隔
て、分極された圧電セラミックスで少なくとも一部が形
成された隔壁と、前記隔壁に形成され、電圧の印加によ
って前記圧電セラミックス部に駆動電界を発生するため
の駆動電極とを有するインク噴射装置であって、前記噴
射チャンネル内の前記駆動電極を接地し、前記非噴射チ
ャンネルの駆動電極に電圧を印加するようになってい
る。従って、この発明の駆動方法を用いたインク噴射装
置では非噴射チャンネル内の駆動電極にはインクが接す
ることがなく、インクと電極との絶縁が不要となり、前
記問題が解決することとなった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た構成のインク噴射装置の電極を形成する場合におい
て、圧電セラミックスプレート上にチャンネルとなる複
数の溝と前記溝に連通するスリットを形成した後に、斜
め上方よりの蒸着等により駆動電極およびリード線電極
を形成するわけであるが、この電極形成のためには、少
なくとも4方向からの蒸着を必要とする。よって、イン
ク噴射装置の設置角度を適宜変更しながら蒸着を行なわ
ねばならない。従来では、1個ずつ圧電セラミックプレ
ートを蒸着装置内に固定して電極形成を行ない、1個ず
つインク噴射装置を生産していた。とりわけ、多数のイ
ンク噴射装置の電極形成を行う場合においては、インク
噴射装置を蒸着装置内に設置すること及び設置角度の変
更に、多くの時間と手間を要してしまい、その結果とし
て生産性が低いという問題があった。
【0013】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、インク噴射装置を蒸着装置内に
設置する方法が簡便であり、その結果として、生産性の
高いインク噴射装置の電極形成方法を提供することを目
的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のインク噴射装置の電極形成方法では、インク
を噴射する複数の噴射チャンネルの少なくとも一部を構
成し、且つ分極された圧電材料で少なくとも一部が構成
された隔壁とを有するアクチュエータに、前記圧電材料
に駆動電界を発生させるための駆動電極を形成する手法
であって、複数のアクチュエータを治具に固定して1つ
の単位とし、その状態にて蒸着を行うことにより駆動電
極を形成する。
【0015】尚、前記複数のアクチュエータは、前記蒸
着の方向に対して各々が所定の角度に傾斜した状態で、
前記治具に固定されてもよい。
【0016】尚、一回の蒸着により、少なくとも2つの
面へ同時に駆動電極の形成を行なってもよい。
【0017】尚、前記治具は、複数のアクチュエータを
第1の方向において所定の角度で保持可能な第1の治具
と、前記第1の治具を第2の方向において所定の角度で
保持可能な第2の治具とから構成され、蒸着方向に対し
て前記アクチュエータが2つの角度を有する状態で蒸着
を行なってもよい。
【0018】
【作用】上記の構成を有する本発明の請求項1に係るイ
ンク噴射装置の電極形成方法では、複数のアクチュエー
タを1つの単位として固定した状態にて、蒸着装置内に
設置するために、扱う単位数を大幅に減少させることが
できる。
【0019】また、請求項2に係るインク噴射装置の電
極形成方法では、複数のアクチュエータを1つの単位と
して固定する治具に、アクチュエータが所定の角度を持
つように傾斜させて設置するために、蒸着装置内の被蒸
着物の固定治具を簡単な形状にすることができる。ま
た、各チャンネル内には、側壁のシャドー効果を利用し
て必要な領域だけに駆動電極が形成される。
【0020】請求項3に係るインク噴射装置の電極形成
方法では、一回の蒸着により、少なくとも2つの面へ同
時に駆動電極の形成を行なう。よって、作業効率が向上
する。
【0021】請求項4に係るインク噴射装置の電極形成
方法では、複数のアクチュエータを第1の方向において
所定の角度で保持可能な第1の治具と、前記第1の治具
を第2の方向において所定の角度で保持可能な第2の治
具とから治具は構成され、2つの治具により設定された
2つの角度を持って、アクチュエータに駆動電極が蒸着
される。
【0022】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して説明する。まず、インク噴射装置の構成と製造
方法について説明する。
【0023】図1に示すように、インク噴射装置100
は、圧電セラミックスプレート102と、カバープレー
ト20と、ノズルプレート21と、ノズルプレート21
の接着される端面102aと反対側の面102bに接続
されるマニホールド部材(図示しない)とから構成され
る。
【0024】最初の工程として、チタン酸ジルコン酸鉛
系(PZT)等のセラミックス材料で形成されている前
記圧電セラミックスプレート102は、ダイヤモンドブ
レード等による切削加工により、複数の溝103が形成
される。前記溝103の側面となる隔壁106は矢印5
の方向に分極されている。複数の溝103は同じ深さで
あり、かつ平行であり、圧電セラミックスプレート10
2の対向する端面102a,102bに開口して加工さ
れる。従って、溝103の加工は直線的な加工となる。
尚、溝103の長さは従来のチャンネル溝の長さとほぼ
同じである。
【0025】次の工程として、溝103を形成した時に
使用したものより幅の広いダイヤモンドブレード等によ
る直線的な切削加工により、圧電セラミックスプレート
102の端面102aに、非噴射チャンネルとなる溝1
03aに連通するように、溝103の幅より大きな幅を
持つスリット111aが1つ置きに形成される。また同
様に、圧電セラミックスプレート102の端面102b
には、溝103より大きな幅を持つスリット111b
が、噴射チャンネルとなる溝103bに連通するように
1つ置きに形成される。スリット111a,111bは
交互に形成され、スリット111aとスリット111b
とは、隣合う溝103に形成される。また、最外端の溝
103にはスリット111aが設けられる。
【0026】次に、圧電セラミックプレート102の溝
103が加工されている側に対して反対側の面102c
には、図2に示すパターン124,125を形成するた
めのマスキングが行なわれる。そして、圧電セラミック
スプレート102に対して斜め上方の位置に配置された
蒸発源(図示せず)から導電性の材料、好ましくは純度
99.9%以上のニッケル、アルミニウム等の金属を蒸
着させることにより、駆動電極108、噴射チャンネル
リード線電極109、非噴射チャンネルリード線電極1
10が形成される。
【0027】この電極形成のための蒸着について詳細に
説明する。圧電セラミックスプレート102は治具に固
定されて、矢印130a,130b,130c,130
dの4方向から蒸着がなされる。
【0028】蒸着時に用いられる治具は、複数の圧電セ
ラミックスプレート102を第1の方向において所定角
度で保持可能な治具50aと、治具50aを第2の方向
において所定角度で保持可能な治具52aとから構成さ
れている。治具50aは底の無い箱状の筒体であり、一
方の治具52aは中央に、前記治具50aを保持するた
めの貫通した孔部を有している。
【0029】複数の圧電セラミックスプレート102
を、図3に示すように、複数の溝103が形成された端
面102dを下面にし、且つ端面102aが端面102
bより下方に位置するように、治具50aに各々設置し
た後、前記治具50aを蒸着装置内に固定するための治
具52aに、蒸発源(図示しない)の鉛直線に垂直な面
に対して角度αを持つように設置する。これで、矢印1
30aの方向から圧電セラミックスプレート102に蒸
着を行なうことができる。尚、治具50aの内面には、
圧電セラミックスプレート102に角度βを持たせるた
めの保持部51a,53aが設けられており、圧電セラ
ミックスプレート102は、その端部を前記保持部51
a,53aで挟みつけられるようにして保持される。
【0030】角度αとβは駆動電極108とリード線電
極109,110とを同時に形成するために必要な2つ
の角度であり、圧電セラミックスプレート102の溝1
03及びスリット111の形状、形成する駆動電極10
8及びリード線電極110の幅により決定される値であ
る。具体的な数値を用いて説明すると、圧電セラミック
スプレート102の溝103の幅が80μm、深さが4
40μm、スリット111aの幅が100μmの場合
に、溝103の2分の1の深さまで駆動電極108aを
作製し、且つリード線電極110aを250μmの幅で
作製するためには、角度αは15度、角度βは42度と
なる。
【0031】図3に示すように、治具50a,52aを
組み合わせて、矢印130aの方向から蒸着されるよう
にすると、隔壁106のシャドー効果により図2中溝1
03の右側側面(図1では溝103の左側側面)に駆動
電極108a,108cが形成されると共に、スリット
111aの側壁のシャドー効果によりスリット111a
の図2中左側側面(図1では左側側面)に非噴射チャン
ネルリード線電極110aが形成される。溝103aの
左側側面の駆動電極108aと非噴射チャンネルリード
線電極110aとは電気的に接続されている。
【0032】次に、矢印130bからの蒸着を行なう。
ここで、溝103、スリット111は左右対称であるた
めに、蒸着方向130a,130bは溝103に平行な
面で対称である。よって、矢印130aと矢印130b
からの蒸着は、図3および図4に示すように、溝103
を対称に角度αを持たせるように冶具50aを180度
回転させることにより、蒸着方向を130aから130
bへの変更が可能となる。従って、圧電セラミックスプ
レート102を個々に設置しなおすことなく、1つの治
具50aに多数の圧電セラミックスプレート102を設
置した状態のままで、治具50aの治具52aへの設置
方向を変えることにより、複数の圧電セラミックスプレ
ート102の蒸着方向を一度に変えることができ、蒸着
方向、すなわち蒸着角度を変える時の手間を大幅に軽減
できる。
【0033】図4に示すように治具50a,52aを組
み合わせて、矢印130bの方向から蒸着されるように
すると、隔壁106のシャドー効果により図2中溝10
3の左側側面(図1では溝103の右側側面)に駆動電
極108b,108d等が形成されると共に、スリット
111aの側壁のシャドー効果によりスリット111a
の図2中左側側面(図1では右側側面)に非噴射チャン
ネルリード線電極110bが形成される。溝103aの
駆動電極108bと非噴射チャンネルリード線電極11
0bとは電気的に接続されている。
【0034】次に、矢印130cおよび130dの方向
からの蒸着を行う。前記した矢印130a,130bか
らの蒸着と同様な治具を用意し、図5、図6に示すよう
に、保持部51b,53bが設けられている治具50b
に、各圧電セラミックスプレート102を、端面102
cを下面にし、且つ端面102bが端面102aより上
方に位置するようにすると共に、角度γを持つように設
置する。そして、蒸着装置内に固定するための治具52
bに治具50bが角度δを持つように設置する。その
後、矢印130cおよび矢印130dの方向からの蒸着
を行なうことにより、スリット111bの側壁のシャド
ー効果によりスリット111bの内面に噴射チャンネル
リード線電極109が形成されると共に、端面102c
にパターン124,125が形成される。
【0035】噴射チャンネルリード線電極109は、ス
リット111bの側面とスリット11bの底面の一部と
スリット111bに連通する溝103b内の一部とに形
成される。この溝103b内の一部に形成された部分を
溝内リード線電極120とする。この溝内リード線電極
120によって、噴射チャンネルリード線電極109が
溝103bの駆動電極108と確実に電気的に接続され
る。尚、このような噴射チャンネルリード線電極109
が形成されるように蒸着方向である矢印130c及び矢
印130dを決定する。具体的な数値を用いて説明する
と、圧電セラミックスプレート102のスリット111
bの幅が100μm、深さ220μmの場合には、角度
δは15度、角度γは75度とすればよい。また、蒸着
方向を130cから130dに変更する時には、前記し
た蒸着方向130aから130bの変更と同様に、冶具
50bを180度回転すればよい。
【0036】また、変形例として、前記治具52bに代
えて、2方向に所定の角度を有する治具52cを用いて
矢印130c,130dからの蒸着を行なってもよい。
図7に示すように、蒸着装置内に固定するための治具5
2cに角度δと共に、γ=β+ζとなるような角度ζを
更に持たせることにより、圧電セラミックスプレート1
02を治具50aに固定したままで、図5に示す角度γ
で設置することが可能となる(矢印130cからの蒸着
の場合)。その結果、蒸着方向103c,103dから
の蒸着を行う際に、改めて圧電セラミックス102の設
置しなおす手間を少なくすることができる。本実施例に
おいては、ζ=β−γより角度ζを33度に設定した。
尚、矢印130dからの蒸着は、治具52cの表裏を反
転させて使用することにより行なうことができる。
【0037】尚、上述した蒸着工程では、圧電セラミッ
クスプレート102の端面102a及び102b(図
1)には、蒸着による導電性膜が形成されないように樹
脂等でマスクしておくか、あるいは蒸着による電極形成
後に、端面102a,102bに付着した蒸着材料を研
削等により除去することにより、隣合う各チャンネルの
駆動電極が電気的に接続されないようにする。同様に、
隔壁106の上面にも、蒸着材料が付着しないように、
予めマスクを行なっておくか、蒸着後に研削等により上
面に付着した蒸着材料を除去する。
【0038】この蒸着工程で、図1に示すように、駆動
電極108はすべての溝103の両側面の上半分の領域
に形成され、噴射チャンネルリード線電極109は、ス
リット111bが形成されている端面102b側の溝1
03の側面の一部と、スリット111bの側面及び底面
の一部に形成され、非噴射チャンネルリード線電極11
0はスリット111aの側面の一部に形成される。尚、
非噴射チャンネル内駆動電極108a、108bと非噴
射チャンネルリード線電極110a、110bとは電気
的に接続され、噴射チャンネル内駆動電極108c、1
08dと噴射チャンネルリード線電極109とはそれぞ
れ電気的に接続される。
【0039】次に、図2に圧電セラミックスプレート1
02の溝103が形成されている面と対向する面102
cについて説明する。130c,130dの方向からの
蒸着によりパターン124,125が形成されるが、パ
ターン124は、スリット111aの側面より非噴射チ
ャンネルリード線電極110a、110bを通して、駆
動電極108a,108bに連通されており、従って、
駆動電極108a,108bとパターン124は電気的
に接続されている。また、パターン125は噴射チャン
ネルのリード線電極109を通して駆動電極108c,
108dに電気的に接続される。
【0040】以上説明したことから明かなように、本発
明の一実施例であるインク噴射装置の電極形成方法によ
れば、複数のインク噴射装置となる圧電セラミックスプ
レート102を治具50a,50bに固定した状態に
し、これを1つの単位として蒸着装置内に設置するため
に、取り扱う数を大幅に減少させることができる。従っ
て、電極形成のための蒸着をアクチュエータに行う際に
は、蒸着方向すなわち蒸着角度を個々に変更する手間を
大幅に減少させる。
【0041】尚、上記電極形成のための蒸着工程におい
て圧電セラミックスプレート102の所定箇所にマスク
処理を行なっていた場合には、電極形成後にそのマスク
キング剤を剥す処理(洗浄工程及び乾燥工程)が必要と
なるが、その処理工程についても前記治具50a,50
bに複数の圧電セラミックスプレート102を固定した
状態でまとめて行なうことができる。
【0042】また、上記電極の蒸着工程の後に加えて、
蒸着により形成された各電極の導電性を向上させるため
に電解メッキを行なってもよい。その電解メッキ工程に
ついても、前記治具50a,50bに複数の圧電セラミ
ックスプレート102を固定した状態でまとめてメッキ
処理を行なうことが可能である。
【0043】また、上記電極の蒸着工程の前に、圧電セ
ラミックスプレート102の溝103及びスリット11
1a,111bを形成する切削加工において生ずるゴミ
を清掃するために、一般に洗浄工程及び乾燥工程が行な
われるが、この処理工程についても、前記治具50a,
50bに複数の圧電セラミックスプレート102を固定
した状態でまとめて処理を行なってもよい。
【0044】上述したように圧電セラミックスプレート
102は加工され、カバープレート20、ノズルプレー
ト21、マニホールド(図示しない)が接着された後、
圧電セラミックスプレート102の面102cに形成さ
れたパターン124,125が図示しないフレキシブル
プリント基板の配線パターンと接続される。そのフレキ
シブルプリント基板の配線パターンは、制御部に接続さ
れたリジット基板(図示しない)に接続されて、インク
噴射装置となる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明のインク噴射装置の電極形成方法によれば、複数の
インク噴射装置となるアクチュエータを1つの単位とし
て固定した状態にて、蒸着装置内に設置するために、取
り扱う数を大幅に減少させることができる。従って、電
極形成のための蒸着をアクチュエータに行う際には、蒸
着方向すなわち蒸着角度を変更する手間を大幅に減少さ
せる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるインク噴射装置を示す
斜視図である。
【図2】本発明の一実施例であるインク噴射装置を示す
斜視図である。
【図3】本発明の一実施例であるインク噴射装置の電極
形成方法を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施例であるインク噴射装置の電極
形成方法を示す説明図である。
【図5】本発明の一実施例であるインク噴射装置の電極
形成方法を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施例であるインク噴射装置の電極
形成方法を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施例であるインク噴射装置の電極
形成方法を示す説明図である。
【図8】従来例のインク噴射装置を示す説明図である。
【符号の説明】
50 冶具 51 保持部 52 蒸着装置内に固定する冶具 100 インク噴射装置 102 圧電セラミックスプレート 103 溝 106 隔壁 108 駆動電極 109 噴射チャンネルリード線電極 110 非噴射チャンネルリード線電極 111 スリット

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを噴射する複数の噴射チャンネル
    の少なくとも一部を構成し、且つ分極された圧電材料で
    少なくとも一部が構成された隔壁を有するアクチュエー
    タに、前記圧電材料に駆動電界を発生させるための駆動
    電極を形成するインク噴射装置の電極形成方法であっ
    て、 複数のアクチュエータを治具に固定して1つの単位と
    し、その状態にて蒸着を行うことにより駆動電極を形成
    することを特徴とするインク噴射装置の電極形成方法。
  2. 【請求項2】 前記複数のアクチュエータは、前記蒸着
    の方向に対して各々が所定の角度に傾斜した状態で、前
    記治具に固定されることを特徴とする請求項1に記載の
    インク噴射装置の電極形成方法。
  3. 【請求項3】 一回の蒸着により、少なくとも2つの面
    へ同時に駆動電極の形成を行なうことを特徴とする請求
    項1に記載のインク噴射装置の電極形成方法。
  4. 【請求項4】 前記治具は、複数のアクチュエータを第
    1の方向において所定の角度で保持可能な第1の治具
    と、前記第1の治具を第2の方向において所定の角度で
    保持可能な第2の治具とから構成され、 蒸着方向に対して前記アクチュエータが2つの角度を有
    する状態で蒸着を行なうことを特徴とする請求項3に記
    載のインク噴射装置の電極形成方法。
JP4719695A 1995-03-07 1995-03-07 インク噴射装置の電極形成方法 Pending JPH08238778A (ja)

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