JPH08238264A - 海綿状骨セラミック成形物の製造方法 - Google Patents

海綿状骨セラミック成形物の製造方法

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JPH08238264A
JPH08238264A JP8050758A JP5075896A JPH08238264A JP H08238264 A JPH08238264 A JP H08238264A JP 8050758 A JP8050758 A JP 8050758A JP 5075896 A JP5075896 A JP 5075896A JP H08238264 A JPH08238264 A JP H08238264A
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ceramic
molding
ball mill
pieces
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Berthold Nies
ベルトホルト・ニース
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Merck Patent GmbH
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的に不安定または不均一な領域をもたな
い海綿状骨セラミック成形物を提供する。 【解決手段】 海綿状骨セラミック小片をボールミルの
なかで処理することにより、幾何学的に不規則な形、お
よび丸い角と端を有する、海綿状骨セラミック成形物を
得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、幾何学的に不規則
な形、および丸い角と端をもつ海綿状骨セラミック成形
物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックを形成するため焼結されてい
るミネラル化骨が、骨置換材料として理想にかなってい
るということは、かなり以前から知られていた。骨セラ
ミックについては、当然、自然骨とくらべて、化学組
成、構造組成および機械強度において相当の類似性があ
る。加えて、海綿状骨セラミックは、特に骨伝導性であ
ることが見つかっている。海綿状骨セラミックのオープ
ンで、互いに連結した繊維状の構造は、該セラミックの
上、および内に新生骨基質の成長を促進させ、従ってく
み込まれていく過程で、激しくコロニーがつくられ、そ
のためセラミック埋め込み材の統合がなされる。動物起
源の骨からつくられる骨セラミックは、従って骨接合お
よび病気や事故により起こる骨欠損の修復に、骨置換材
料として益々用いられている。
【0003】動物の骨から骨セラミックを製造するに
は、一般的には、先ず選ばれた骨または骨片を、くっつ
いている軟部組織から機械的に分け、適当な形とサイズ
の小片を与えるよう、これらの骨または骨片を、おおま
かに切り刻み、それから全ての有機質を除去してこれら
の切片をミネラル化し、最後に仕上げ成形作業をしてな
されるのである。ミネラル化工程は、先ず骨を水で何回
も煮沸することによって始まる。続いての処理は、例え
ば脂質溶解性およびタンパク溶解性溶媒、および/また
は例えばEP 0 141 004に記載されているよ
うに、過酸化水素の助けによってなされる。
【0004】特に簡単で且つ効果的であることが証明さ
れている方法は、ミネラル化であり、この場合熱は骨の
有機質を分解し、生成する炭素は次に過剰の酸素で完全
に燃焼される。骨のミネラル化には、500から100
0℃の温度が通常である。骨のミネラル化のあと、セラ
ミックを与えるよう800から1400℃の温度で焼結
される。該材料が、所望のキチットした強度を得るに
は、唯一焼結によるのである。上記の操作の過程で、元
の骨の多孔性構造が出来る限り保持されるように特別の
注意がはらわれねばならぬ。海綿骨の海綿状骨セラミッ
クへの変換には、好ましい選択が、特定の温度設定およ
び、還元的または酸化的な雰囲気が特別緩和な加熱分解
を可能にするDE 37 27 606に設定されてい
る工程にしたがってなされる。
【0005】次に、決められた形と大きさの成形物は、
切り刻んだり、粉砕したりして、粗な海綿状骨セラミッ
ク片から作られる。普通の市販の形の例は、約0.25
〜4.25cm3の容積をもつ球形、直方体または円柱
体である。
【0006】しかし、元の粗な材料に基づくそのような
成形物の収率は、極めて低い。海綿構造を含む骨部分の
自然に形成された形とサイズのため、粗骨のすべての海
綿状領域のごく小部分が、成形物の製造に適し且つ入手
可能である。皮質性物質、成長軟骨、不均一且つ機械的
に不安定な領域は、除かれなければならない。しばし
ば、そのような領域は外からは識別できないので、切り
刻んだり、粉砕したりする段階まで、成形物が裂けたり
することはなく、またはこの操作のあと不適切と認識さ
れた物が拒絶される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上に述べた幾何学的に
決まった成形物は、尖った角と端をもっている。角およ
び端の領域においては、多孔性の海綿状骨セラミック
は、当然とても影響を受けやすいので、その結果たとえ
ば、裂けたり、すり減ったりすることが非常に簡単に起
こる。
【0008】角および端が裂けることによる形状の不都
合な変化に加えて、埋め込まれたところの剥がれた小片
が、好ましくない反応をおこすことになる。この危険
は、適当な大きさに削られている骨欠損部に、そのよう
な成形物の”圧縮はめ込み”移植をする場合、特にあ
る。加えて、海綿状骨セラミック成形物の臨床使用にお
ける実際の経験では、予め決まった形と大きさに対する
緊急のニーズは、あまりないことが示されている。しば
しば、外科医は、埋め込みをおこなう前または最中に、
成形物を移植位置の実際の状況に、形とサイズを合わせ
るようにそれに手を加える。ここでも、好ましくないこ
まかな小片の発生は、しばしば避けられない。さらに、
比較的大きな容積の骨欠損がうめられる場合は、幾何学
的に不規則な形および丸い角と端をもつ海綿状骨セラミ
ック成形物を比較的数多く、欠損部をうめるため用意す
ることがより有利である。
【0009】
【発明を解決するための手段】この目的のために望まし
い、幾何学的に不規則な形および丸い角と端をもち、且
つ機械的に不安定な領域のない海綿状骨セラミック成形
物は、小片におおまかに予め形をつけられ、次いでセラ
ミックをつくるためミネラル化および焼結された海綿状
骨の成形作業を、ボールミルのなかで小片を処理するこ
とによって得られることが本発明によってわかった。
【0011】すなわち、本発明は、おおまかに小片に予
備成形された海綿状骨が、全ての有機物を除去してミネ
ラル化され、次いで該ミネラル化骨マトリックスはセラ
ミックをつくるため焼結され、さらに最後の成形作業が
なされるという順序での海綿状骨セラミック成形物の製
造方法を提供するものであり、本方法は、骨セラミック
小片の成形作業がボールミルのなかでの処理により行わ
れ、骨セラミックの機械的に不安定な領域が剥がされ、
丸い角と端をもつ幾何学的に不規則な成形物を与えるこ
とを、特徴とするものである。
【0012】本発明に示される方法は、骨材料をミネラ
ル化し、セラミックをつくるため焼結するため、特にD
E 37 27 606の対応する公知の仕方で始めは
進行する。この目的のため、選ばれる骨材料、好ましく
は、軟部組織を除いて、おおまかに切り刻み立方骨小片
にされた新鮮な屠殺牛の頭の骨が、始めに数回水の中で
煮沸される。骨小片は、ついで何時間かかけて乾かし、
窒素下加熱分解され、空気または酸素で完全に燃され、
ついで最後の焼結に付される。最後の焼結の前に、DE
40 28 683に記載されているように、処理工
程に対して、カルシウム オキシドを材料からしみ出す
有機酸、特にクエン酸の溶液を提供することができる。
【0013】本発明に対応して、機械的に不安定な領域
を除いたり、実際の成形作業で成形物に丸い角と端を与
えるためにする骨セラミック小片の最後の処理は、ボー
ルミルの中で行われる。この目的のため、骨セラミック
小片は、焼結工程で得られるまま使用される。ノコギ
リ、ミルまたは粉砕器によって切り刻んでサイズを小さ
くするのは、一方で皮質性物質および成長軟骨の残った
領域の除去および、成形物を所望のサイズにするのに好
適である。同様に好適なのは、決まった形の成形物の製
造から得られる断片および切れはしである。
【0014】おおまかに予め形をつけられた海綿状骨セ
ラミック小片は、ついでその容量に対応する大きさの通
常の市販ボールミルに入れられ、最後の成形作業に相応
な処理に付される。典型的なボールミルは、基本的に
は、充分硬質の物質でできた、ふたで機密に閉じられる
円筒状のうつわからなっている。このうつわは、好適に
は調整された回転速度でロラー機構に基づいて軸のまわ
りで回転させられる。別のデザインは、遠心、振動また
は遊星運動のボールミルである。そのようなボールミル
は、典型的には1から15リットルの容量を有する。
【0015】一般的にボールのかたちをした充分硬い材
質のすりつぶし材が、処理の間ミルの装入物に加えられ
るのは普通のことである。すりつぶし用ボールは直径9
から50mmである。ボールミルおよびすりつぶし用ボ
ールが、硬い磁器または酸化アルミニウム(Al23
でできているのは有利である。後者の材質は骨セラミッ
クよりずっと硬いので、ミルの摩損およびミルの装入物
の混入は考えられない。ボールミルでの操作の強度と長
さ、およびすりつぶし用ボールの添加とサイズは、骨セ
ラミック小片の第1次のサイズ品質、所望の材料の除去
の程度および要求される最終のサイズによる。長い時
間、小さなすりつぶし用ボールまたはボール無しでミル
をゆっくり動かすのは、例えば低密度、低強度の海綿状
セラミックの場合には好ましい。
【0016】比較的大きなボールで短時間激しく処理す
るのは、より高い密度の硬い材料の場合に好適である。
典型的な粉砕条件の例としては、容積で約5リットルの
ミル装入物で充填された容量10リットルのボールミル
において、すりつぶし材を使用して約2〜6時間の運転
時間、またはすりつぶし材無しで約6〜18時間の運転
時間である。
【0017】ボールミルのドライ処理に加えて、ウェッ
ト成形を行うのは有利である。この場合、補助粉砕液は
ミル装入物に加えられ、ミル装入物の液に対する容積比
が0.5から2.5の範囲である。これによって、操作
がより穏やかになる。さらに、はがれた小片は大部分は
離され、および/または処理された骨セラミック小片か
ら離されて懸濁状態になる。好ましく用いられる液体は
水である。有機溶媒を補助粉砕液として使うこともでき
る。
【0018】好ましくは、特にメタノールおよびエタノ
ールが適している。塩類水溶液、好ましくはカルシウム
塩またはリン酸塩を補助粉砕液として使うのは適当であ
る。これによって、所望により海綿状骨セラミック成形
物を、早くも粉砕操作の間に、例えばカルシウムイオン
で表面をさらにコートし、化学的に修飾することがで
き、それによってそのような埋め込み材の挿入がよい影
響を与える。
【0019】ボールミルにおける本発明に示される処理
の結果は、ほんの少ししかまたは全く機械的ストレスに
耐えられない部分を、おおまかに予め形をつけられた海
綿状骨セラミック品から完全に除去するのである。該物
品は、処理の性質および長さにより相応した程度に丸く
なる。特に、曝されている角および端の弱い部分は除か
れ、あとの臨床使用の段階でもはやはがれたり、および
/または小片を遊離したりしない。ボールミルの処理の
結果、使用された約60から80%の骨セラミック材料
が丸い、不規則な成形物として残る。これらの不規則な
成形物は、使用されている材質よりも多孔度の点で、よ
り高い均一性を有する。機械加工のため、高度に多孔性
で機械的に不安定な領域は、削り落とされるから比較的
高い密度と機械安定性のある海綿状領域だけが成形物と
して残る。
【0020】勿論、ボールミルのみならず、同じような
結果を与えるのであれば他の粉砕機および/または処理
技術を用いることは可能である。
【0021】本発明による処理は、終りにふるい分けを
し、ついで削り落とされた材料を完全に洗うことであ
る。適当な洗浄の後では、本発明に示される処理のなさ
れた品は、保存中または臨床の取扱の過程で、目につく
ようなはがれた材料を生ずることはない。平均以上の高
い多孔性と拮抗してかかるストレスに対する耐性の低さ
をもつ海綿状領域を、全部しっかり取り除くことは、際
立って高い圧縮強度のある材料に、臨床使用で必須の品
質を与える。使用されている骨材料の際立って改善され
た利用は、本発明に示された方法のさらなる重要な利点
であり、本発明は人工骨頭置換術における海綿状骨セラ
ミックの経済的実行可能性を高めるものである。
【0022】
【実施例】実施例 1 新たに屠殺された牛から、軟部組織を除いた生の頭の骨
を、大体30×30×100mmの大きさの立方形に切
り刻み、水で3回約1時間煮沸する。骨小片は、ついで
110℃で6時間乾燥される。それらは、ついで窒素下
450℃まで9時間かけて加熱される。続く450℃か
ら600℃の20時間の加熱の間に、雰囲気は線型級数
的に酸素雰囲気に変えられ、その後加熱は、900℃ま
で5時間かけて続けられる。冷却後、該小片は5重量%
のクエン酸溶液(骨材料1Kgに対して10リットル)
の浴に置かれ、20℃の撹拌浴で3時間処理される。こ
の後、小片は、脱ミネラル水ですすがれる。
【0023】最後の焼結のため、小片は1250℃まで
21時間かけて加熱され、この温度で3時間保たれ、つ
いで放冷される。得られる骨セラミック小片は、元の海
綿状骨のと変わらぬ多孔性構造を示す。X線分析によれ
ば、該セラミックは約99%のヒドロキシアパタイト含
量を有する。
【0024】得られる骨セラミック小片は、内径10m
mのくぼんだ削りカッターで砕かれ、10mmの長さに
された円柱体を与える。この操作の過程では、幾何学的
に決められた成形物の製造において必要である均一性、
成長軟骨、ひび割れ等に注意する必要はない。全体容積
で約5リットルとなるそのような円柱体が、通常市販さ
れている容量10リットルの酸化アルミニウム製ボール
ミルに導入され、すりつぶし材を加えることなく1分あ
たり30回転で18時間粉砕される。
【0025】該成形物は、ついで超音波槽のなかで脱ミ
ネラル水で3回洗浄され、その間それらは数回揺れ動か
される。成形物は、122℃で15分蒸気中オートクレ
ーブにかけられる。このものは、次いで乾燥され、空気
を導入して300℃で18時間かけ有機混入物を除去す
る。よくできた丸からほぼ球状の成形物が得られ、これ
らは高い均一性と機械強度をもち、真空包装に一度に5
個封入される。
【0026】実施例 2 操作は実施例1と同じであるが、この場合幾何学的に決
められた成形物の製造からでる廃棄材料、断片および不
良品が用いられる。丸い角と端をもった異なる形とサイ
ズの成形物が得られ、これらは高い均一性と機械強度を
もつ。実施例 3 操作は実施例1と同じであるが、この場合、焼結された
材料から皮質物質を除いたものが、粉砕器で1から2c
mのサイズの小片に小さくされ、ついで直径3cmの酸
化アルミニウム製ボール5個を加えて、3時間ボールミ
ルで処理される。この場合、高密度でいろいろな形の小
片が得られ、選別のためふるいを通される。超音波槽で
はがれた材料を除き、次いでオートクレーブおよび乾燥
をした後、小片は各20g単位で包装される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 591032596 Frankfurter Str. 250, D−64293 Darmstadt,Fed eral Republic of Ge rmany

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 おおまかに小片に予備成形さられた海綿
    状骨が、全ての有機物を除去してミネラル化され、次い
    で該ミネラル化骨マトリックスはセラミックを形成する
    ため焼結され、さらに、最終成形が行われることよりな
    る海綿状骨セラミック成形物の製造方法において、骨セ
    ラミック小片の成形作業がボールミルのなかでの処理に
    より行われ、骨セラミックの機械的に不安定な領域が剥
    がされ、丸い角と端をもつ幾何学的に不規則な成形物を
    与えることを特徴とする、前記製造方法。
  2. 【請求項2】 成形作業が、酸化アルミニウム製のボー
    ルミルのなかで酸化アルミニウム製のボールの添加によ
    って行われることを特徴とする、請求項1に記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 成形作業が、水、塩類水溶液または有機
    溶媒の存在下に行われることを特徴とする、請求項1ま
    たは2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3に記載の方法によって製造
    される幾何学的に不規則な形状、および丸い角と端をも
    つ海綿状骨セラミック成形物。
JP8050758A 1995-02-15 1996-02-15 海綿状骨セラミック成形物の製造方法 Pending JPH08238264A (ja)

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EP (1) EP0727231B1 (ja)
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