JPH08237665A - フレーム間帯域圧縮信号切り替え回路 - Google Patents

フレーム間帯域圧縮信号切り替え回路

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JPH08237665A
JPH08237665A JP3569295A JP3569295A JPH08237665A JP H08237665 A JPH08237665 A JP H08237665A JP 3569295 A JP3569295 A JP 3569295A JP 3569295 A JP3569295 A JP 3569295A JP H08237665 A JPH08237665 A JP H08237665A
Authority
JP
Japan
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signal
frame
circuit
block
switching
Prior art date
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Application number
JP3569295A
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English (en)
Inventor
Kazuharu Niimura
一治 新村
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)
  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)
  • Television Signal Processing For Recording (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は、複数のフレーム間帯域圧縮信号を
切り替える際に、高画質の切り替え画像が得られるよう
にしたフレーム間帯域圧縮信号切り替え回路を提供する
ことを目的としている。 【構成】1フレーム期間に一部の領域ごとに強制的フレ
ーム内処理を施すリフレッシュ処理を有する2つのフレ
ーム間帯域圧縮信号A,Bを信号AからBに切り替える
もので、切り替え要求信号が発生した際に、B信号に一
度リフレッシュが施されたブロックからB信号を出力す
るフレーム間帯域圧縮信号切り替え回路において、切り
替え時にリフレッシュが施されていないブロックに対応
し、スキップコードを挿入するように構成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、映像信号等をデジタ
ル信号に変換し、フレーム内(ピクチャ内を含む)符号
化処理とフレーム間(ピクチャ間を含む)符号化処理と
を組み合わせた帯域圧縮を行なう装置に係り、複数の帯
域圧縮装置の出力信号を合成する装置に関する。帯域圧
縮信号合成装置としては、スイッチャーまたは記録再生
装置の編集装置などが上げられる。
【0002】また、この発明は、高品位TV(テレビジ
ョン)などの広帯域な信号を画質劣化なく切り替えた
り、編集を施すことができる装置を提供するものであ
る。
【0003】
【従来の技術】周知のように、映像信号をデジタル伝送
するにあたっては、可変長符号化方式を利用した伝送方
法や、フレーム内符号化処理とフレーム間符号化処理と
を組み合わせて帯域圧縮を行ない伝送する方法等が検討
されている。このうち、フレーム内符号化処理とフレー
ム間符号化処理とを組み合わせて帯域圧縮を行ない伝送
する技術は、例えば文献IEEE Trans. on Broadcasting
Vol. 36 No. 4 DEC 1990に記載されたWoo Paik:“Digi
tal compatible HD-TV Broadcast system ”に示されて
いるように帯域圧縮技術であり、以下にその特徴的な部
分を説明する。
【0004】図40において、入力端子11に入力され
た映像信号は、減算回路12と動き評価回路13とにそ
れぞれ供給される。この減算回路12では、後述する減
算処理が行なわれ、その出力は、DCT(離散コサイン
変換)回路14に入力される。DCT回路14は、水平
方向8画素、垂直方向8画像を単位ブロック(8×8画
素=64画像)として取り込み、画素配列を時間軸領域
から周波数領域へ変換した係数を出力する。そして、各
係数は、量子化回路15で量子化される。この場合、量
子化回路15は、32種類の量子化テーブルを持ってお
り、選択された量子化テーブルに基づいて個々の係数が
量子化される。なお、量子化回路15において、量子化
テーブルを備えているのは、情報の発生量と送出量とが
一定の範囲以内に収まるようにするためである。
【0005】そして、量子化回路15から出力された係
数データは、単位ブロック毎に抵域より高域へジグザグ
・スキャンされて取り出された後、可変長符号化回路1
6に入力されて、零係数の続く数(ラン・レングス)と
非零係数とを1組にして可変長符号化される。なお、符
号器は、ハフマン符号等の発生頻度により符号長の異な
る可変長符号器である。そして、可変長符号化されたデ
ータは、FIFO(フアースト・イン・ファースト・ア
ウト)回路17に入力されて規定の速度で読み出された
後、出力端子18を介して図示しない次段のマルチプレ
クサー[制御信号、音声データ、同期データ(SYN
C)、後述するNMP等を多重する]に供給され、伝送
路へ送出される。FIFO回路17は、可変長符号化回
路16の出力が可変レートであり、伝送路のレートが固
定レートであるため、この発生符号量と送出符号量の違
いを吸収するバッファの役目をしている。
【0006】また、量子化回路15の出力は、逆量子化
回路19に入力されて逆量子化される。さらに、この逆
量子化回路19の出力は、逆DCT回路20に入力され
て元の信号に戻される。この信号は、加算回路21を介
してフレーム遅延回路22に入力される。フレーム遅延
回路22の出力は、動き補償回路23と前記動き評価回
路13とにそれぞれ供給されている。動き評価回路13
は、入力端子11からの入力信号とフレーム遅延回路2
2の出力信号とを比較し、画像の全体的な動きを検出し
て、動き補償回路23から出力される信号の位相位置を
制御する。静止画の場合は、原画像と1フレーム前の画
像とが一致するように補償される。動き補償回路23の
出力は、スイッチ24を介して減算回路12に供給され
るとともに、スイッチ25を介して加算回路21からフ
レーム遅延回路22に帰還することもできる。
【0007】次に、上記したシステムの基本的な動作を
説明する。このシステムの基本動作としては、フレーム
内符号化処理とフレーム間符号化処理とがある。フレー
ム内符号化処理は以下のように行なわれる。この処理が
行なわれるときは、スイッチ24,25は共にオフであ
る。入力端子11の映像信号は、DCT回路14で時間
軸領域から周波数領域に変換され、量子化回路15にお
いて量子化される。この量子化された信号は、可変長符
号化処理を受けた後、FIFO回路17を介して伝送路
へ出力される。量子化された信号は、逆量子化回路19
及び逆DCT回路20で元の信号に戻され、フレーム遅
延回路22で遅延される。したがって、フレーム内符号
化処理のときは、入力映像信号の情報がそのまま可変長
符号化されているのと等価である。このフレーム内処理
は、入力映像信号のシーン・チェンジ及び所定のブロッ
ク単位で適宜な周期で行なわれる。周期的フレーム内処
理に関して後述する。
【0008】次に、フレーム間符号化処理について説明
する。フレーム間符号化処理が実行されるときは、スイ
ッチ24,25が共にオンされる。このため、入力映像
信号と、その1フレーム前の映像信号との差分に相当す
る信号が減算回路12から得られる。この差分信号が、
DCT回路14に入力され、時間軸領域から周波数軸領
域に変換され、次に量子化回路15で量子化されること
になる。またフレーム遅延回路22には、差分信号と映
像信号とが加算回路21で加算されて入力されるから、
差分信号を作成する元となった入力映像信号を予測した
予測映像信号が作成されて入力されることになる。
【0009】図41には、高品位テレビジョン信号のビ
デオ信号が、上記のようにフレーム内処理とフレーム間
処理とを施され、伝送路上に送出された状態のライン信
号を示している。この信号は、伝送路の信号であり、コ
ントロール信号、音声信号、同期信号(SYNC)、シ
ステム制御信号、NMP等が多重された状態で示してい
る。図41(a)は、第1ラインの信号を示し、同図
(b)は、第2ライン以降の信号を示している。この映
像信号がフレーム内処理されているものであれば、逆変
換すれば正常な映像信号が得られる。しかし、フレーム
間符号化処理を施されている映像信号の場合は、この信
号を逆変換しても差分信号が再現されるだけである。し
たがって、この差分信号に、1フレーム前に再現してい
る映像信号(または予測映像信号)を加算することによ
って、正常な映像信号が再現できることになる。
【0010】上記のシステムによると、フレーム内処理
された信号は、全情報を可変長符号化しており、次のフ
レーム以降でフレーム間処理された信号は、差分情報を
伝送することになり、帯域圧縮を実現していることにな
る。
【0011】次に、上記の帯域圧縮システムで処理する
画素の集合の定義を説明する。すなわち、 ブロック:水平方向8画素、垂直方向8画素から構成さ
れる64画素の領域のことである。
【0012】スーパーブロック:輝度信号の水平方向4
ブロック、垂直方向2ブロックからなる領域のことであ
る。この領域に、色信号U,Vとしての1ブロックづつ
が含まれる。また、動き評価回路13から得られる画像
動きベクトルは、スーパーブロック単位で含まれる。
【0013】マクロブロック:水平方向の11のスーパ
ーブロックのことである。また、符号が伝送される際に
は、ブロックのDCT係数は、零係数の連続数と、非零
係数の振幅により決められた符号とに変換され、それら
が組になって伝送され、ブロックの最後にはエンド・オ
ブ・ブロック信号が付加されている。そして、スーパー
ブロック単位で行なわれた動き補正の動きベクトルは、
マクロブロック単位で付加されて伝送される。
【0014】図41に示した伝送信号について、以後、
特に関連ある事項について、さらに説明を加える。第1
ラインの同期(SYNC)信号は、デコーダにおいてフ
レームの同期信号を示しており、1フレームにつき1つ
の同期信号を用いてデコーダの全てのタイミング信号が
作りだされる。第1ラインのNMP信号は、この信号の
終りから次のフレームのマクロブロックの初めまでのビ
デオテープ数を示している。これは、フレーム内符号化
処理とフレーム間符号化処理とを適応的に切り換えて符
号を構成しているために、1フレームの符号量がフレー
ム毎に異なることになり、符号の位置が異なってくるた
めである。そこで、1フレームに相当する符号の位置を
NMP信号で示している。
【0015】また、使用者がチャンネルを変えた場合の
対策として、周期的フレーム内処理が行なわれる。すな
わち、この帯域圧縮システムでは、前述したように、水
平方向の11のスーパーブロックをマクロブロックと称
しており、1画面の水平方向には、44スーパーブロッ
クが存在している。つまり、1フレームには、水平方向
に4マクロブロック、垂直方向に60マクロブロックの
合計240マクロブロックが存在することになる。
【0016】そして、この帯域圧縮システムでは、図4
2(a)〜(h)及び図43(a)〜(c)に示すよう
に、4つのマクロブロック単位でそれぞれスーパーブロ
ックの縦の一列毎にリフレッシュが行なわれ、11フレ
ーム周期で全てのスーパーブロックがリフレッシュされ
る。すなわち、リフレッシュされたスーパーブロック
を、図43(d)に示すように、11フレーム分蓄積す
ることにより全ての領域においてフレーム内処理が行な
われることになる。このため、例えばVTR(ビデオ・
テープレコーダ)等の通常再生時には、上記したフレー
ム内処理が11フレーム周期で行なわれるため、問題な
く再生画像を見ることができる。
【0017】なお、上記マクロブロックの先頭には、ヘ
ッドデータが挿入されている。このヘッドデータには、
各スーパーブロックの動きベクトル、フィールド・フレ
ーム判定、PCM/DPCM判定及び量子化レベル等が
まとめて挿入されている。
【0018】ところで、上記した帯域圧縮システムは、
テレビジョン信号の帯域圧縮のためのエンコーダとして
用いられ、受信側ではそのデコーダが用いられる。
【0019】ここで、上記の伝送信号をVTR(ビデオ
テープレコーダ)に記録することを考える。一般的なV
TRは、1フィールドの映像信号を固定長符号に変換
し、一定量の情報量を発生させ、X本(Xは正の整数)
のトラックに記録する方式である。
【0020】一方、上記帯域圧縮システムで得られた伝
送信号をそのまま用いてVTRに記録再生しようとする
と、フレーム内処理及びフレーム間処理した符号にその
まま可変長符号を用いることになるため、周期的にフレ
ーム内処理した符号が記録される位置が固定されず、編
集、記録信号や再生信号の切り替え、高速再生などにお
いて、リフレッシュされないブロックが発生することに
なる。
【0021】具体的に言えば、図44は、上記のように
可変長符号化された信号を磁気テープ26にヘリカル記
録した場合の、トラックパターンを示している。トラッ
クパターンT1 〜T11において、太線で示す部分がフレ
ームF1 〜F11の切り替わり位置を示している。フレー
ムF1 〜F11の切り替わり位置が揃っていないのは、可
変長符号により記録データが作成されているからであ
る。そして、この磁気テープ26は、VTRで通常再生
した場合には、全てのトラックパターンT1 〜T11が磁
気ヘッドにより順次スキャンされるため、その再生出力
をデコーダに通すことにより、何ら問題なく正常な映像
信号を再生することができる。すなわち、通常再生時に
は、磁気テープ26に記録された、フレーム内処理した
符号とフレーム間処理した符号とを全て再生することが
できるため、全ての符号を用いて画像を構成できるから
である。
【0022】しかしながら、VTRでは、編集等のよう
に、限られたトラックから再生する場合がある。この場
合、フレーム内符号化処理された信号のトラックから次
々と再生されれば問題ないが、フレーム間符号化処理さ
れたトラックから再生されると、差分信号による画像し
か得られないことになる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
帯域圧縮システムを備えたスイッチや記録再生装置の編
集では、差分信号による画像しか得られないという問題
点を有している。
【0024】そこで、この発明は上記事情を考慮してな
されたもので、信号切り替え時や編集時に良好な再生画
像を容易に得ることができる極めて良好な帯域圧縮信号
処理装置を提供することを目的とする。また、高品位T
Vなどの広帯域な信号を高画質のままで切り替えや編集
ができる装置を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】この発明に係るフレーム
間帯域圧縮信号切り替え回路は、1フレーム期間に一部
の領域ごとに強制的フレーム内処理を施すリフレッシュ
処理を有する2つのフレーム間帯域圧縮信号A,Bを信
号AからBに切り替えるもので、切り替え要求信号が発
生した際に、B信号に一度リフレッシュが施されたブロ
ックからB信号を出力するものを対象としている。そし
て、切り替え時にリフレッシュが施されていないブロッ
クに対応し、スキップコードを挿入するようにしたもの
である。
【0026】また、この発明に係るフレーム間帯域圧縮
信号切り替え回路は、1フレーム期間に一部の領域ごと
に、強制的フレーム内処理を施すリフレッシュ処理を有
する2つのフレーム間帯域圧縮信号A,Bを信号Aから
信号Bに切り替えるものを対象としている。そして、リ
フレッシュ処理期間の最大発生符号量を記憶するメモリ
を有し、切り替え要求信号が発生した際にB信号に、一
度リフレッシュが施されたブロックから、B信号を出力
するようにしたものである。
【0027】さらに、この発明に係るフレーム間帯域圧
縮信号切り替え回路は、1フレーム期間に一部の領域ご
とに、強制的フレーム内処理を施すリフレッシュ処理を
有する2つのフレーム間帯域圧縮信号A,Bを信号Aか
ら信号Bに切り替えるものを対象としている。そして、
リフレッシュ処理期間の最大発生符号量を記憶するメモ
リを有し、切り替え要求信号が発生した際にB信号に、
一度リフレッシュが施されたブロックからB信号を出力
し、さらに切り替え時にリフレッシュが施されていない
B信号のブロックの可変長符号は削除して出力する回路
を備え、リフレッシュ時のB信号の各フレーム当りの有
効符号量ΔRBn 、フレーム当りの伝送レートr、リフ
レッシュに必要なフレーム期間f、B信号の出力開始す
るフレームに対応するA信号のレートバッファ占有度R
n 、B信号のレートバッファ占有度RBn+f に対し
【数4】 を規定し、ΔR>0の時に、A信号からB信号へ切り替
える際に最大ΔRのダミー信号を発生させるようにした
ものである。
【0028】また、この発明に係るフレーム間帯域圧縮
信号切り替え回路は、1フレーム期間に一部の領域ごと
に、強制的フレーム内処理を施すリフレッシュ処理を有
する2つのフレーム間帯域圧縮信号A,Bを信号Aから
信号Bに切り替えるものを対象としている。そして、リ
フレッシュ処理期間の最大発生符号量を記憶するメモリ
を有し、切り替え要求信号が発生した際にB信号に、一
度リフレッシュが施されたブロックからB信号を出力
し、さらに切り替え時にリフレッシュが施されていない
B信号のブロックの可変長符号は削除して出力する回路
を備え、リフレッシュ時のB信号の各フレーム当りの有
効符号量ΔRBj 、フレーム当りの伝送レートr、リフ
レッシュに必要なフレーム期間f、B信号の出力開始す
るフレームFBn に対応するA信号のレートバッファ占
有度RAn 、B信号のレートバッファ占有度RBn+f
対し
【数5】 を規定し、ΔR>0の時に、
【数6】 となるiを決定し、最小iフレーム分のスキップ符号を
出力するようにしたものである。
【0029】さらに、この発明に係るフレーム間帯域圧
縮信号切り替え回路は、1フレーム期間に一部の領域ご
とに、強制的フレーム内処理を施すリフレッシュ処理を
有する2つのフレーム間帯域圧縮信号A,Bを信号Aか
ら信号Bに切り替えるものを対象としている。そして、
切り替え要求信号が発生した際に、B信号に一度リフレ
ッシュが施されたブロックからB信号を出力し、さら
に、切り替え時にリフレッシュが施されていないB信号
のブロックの可変長符号は削除する回路を備え、B信号
の削除したブロックに対応するA信号のブロックの信号
を切り替え時に出力するようにしたものである。
【0030】
【作用】上記のような構成によれば、2つのフレーム間
帯域圧縮信号を切り換える際に、高画質な画像表示を行
なうことができる。
【0031】
【実施例】以下、この発明の一実施例について図面を参
照して詳細に説明する。なお、新規な構成は、ブロック
図において2重枠で示すものとする。
【0032】1.帯域圧縮装置基本構成 図1は、この発明における基本構成を示す図である。映
像入力端子27,28,29には、高品位TVなどの輝
度信号Y、色信号U,Vを入力する。これらの信号には
必要な前処理を施した後に、ブロック化回路30で2章
で後述する画素構成のブロックを構成し、入力端子11
に入力する。入力端子11に入力された映像信号は、減
算回路12と動き評価回路13とにそれぞれ供給され
る。この減算回路12では、後述する演算処理が行なわ
れ、その出力は、DCT(離散コサイン変換)回路14
に入力される。DCT回路14は、水平方向8画素、垂
直方向8画素を単位ブロック(8×8画素=64画素)
として取り込み、画素配列を時間軸領域から周波数領域
へ変換した係数を出力する。そして、各係数は、量子化
回路15で量子化される。この場合、量子化回路15
は、10種類あるいは32種類の量子化テーブルを持っ
ており、選択された量子化テーブルに基づいて個々の係
数が量子化される。なお、量子化回路15において、量
子化テーブルを備えているのは、情報の発生量と送出量
とが一定の範囲以内に収まるようにするためである。
【0033】そして、量子化回路15から出力された係
数データは、単位ブロック毎に低域より高域へジグザク
・スキャンされて取り出された後、可変長符号化回路1
6に入力されて、零係数の続く数(ラン・レングス)と
非零係数とを1組にして可変長符号化される。なお、符
号器は、ハフマン符号等の発生頻度により符号長の異な
る可変長符号器である。そして、可変長符号化されたデ
ータはFIFO(ファースト・イン・ファースト・アウ
ト)回路17に入力されて規定の速度で読み出された
後、出力端子18を介して次段のマルチプレクサー31
[制御信号、音声データ、同期データ(STNC)、後
述するNMP等を多重する]に供給され、出力端子32
より伝送路へ送出される。FIFO回路17は、可変長
符号化回路16の出力が可変レートであり、伝送路のレ
ートが固定レートであるため、この発生符号量と送出符
号量の違いを吸収するバッファの役目をしている。
【0034】また、量子化回路15の出力は、逆量子化
回路19に入力されて逆量子化される。さらに、この逆
量子化回路19の出力は、逆DCT回路20に入力され
て元の信号に戻される。この信号は、加算回路21を介
してフレーム遅延回路22に入力される。フレーム遅延
回路22の出力は、動き補償回路23と前記動き評価回
路13とにそれぞれ供給されている。動き評価回路13
は、入力端子11からの入力信号とフレーム遅延回路2
2の出力信号とを比較し、画像の全体的な動きを検出し
て、動き補償回路23から出力される信号の位相位置を
制御する。静止画の場合は、原画像と1フレーム前の画
像とが一致するように補償される。動き補償回路23の
出力は、スイッチ24を介して減算回路12に供給され
るとともに、スイッチ25を介して加算回路21からフ
レーム遅延回路22に帰還することもできる。
【0035】次に、上記したシステムの基本的な動作を
説明する。
【0036】2.画素構成 入力端子11に入力する信号は、1画面内の有効画素を
複数個集めて、ブロック、スーパーブロック、マクロブ
ロックを構成している。なお、この構成は、DigiCipher
の例を基本にしているが、MPEGやDSC−HDT
V:Zenith+ATTの方式などで用いているブロック構
成を用いても良いことは言うまでもない。
【0037】図2を用いて、ブロック構成の定義を説明
する。
【0038】ブロック:水平方向8画素、垂直方向8画
素から構成される64画素の領域のことである[図2
(d)参照]。
【0039】スーパーブロック:輝度信号の水平方向4
ブロック、垂直方向2ブロックからなる領域のことであ
る。この領域に、色信号U,Vとしての1ブロックづつ
が含まれる。また、動き評価回路13から得られる画像
動きベクトルは、スーパーブロック単位で設定できる
[図2(c)参照]。
【0040】マクロブロック:水平方向の11のスーパ
ーブロックのことである。また、符号が伝送される際に
は、ブロックのDCT係数は、零係数の連続数と、非零
係数の振幅により決められた符号とに変換され、それら
が組になって伝送され、ブロックの最後にはエンド・オ
ブ・ブロック信号が付加されている。そして、スーパー
ブロック単位で行なわれた動き補正の動きベクトルは、
マクロブロック単位でオーバーヘッドデータとして付加
されて伝送される[図2(b)参照]。
【0041】すなわち、この帯域圧縮システムでは、前
述したように、水平方向11のスーパーブロックをマク
ロブロックと称しており、1画面の水平方向には、44
スーパーブロックが存在している。つまり、1フレーム
には、水平方向に4マクロブロック、垂直方向に60マ
クロブロックの合計240マクロブロックが存在するこ
とになる。そして、この帯域圧縮システムでは、図3
(a)〜(h)及び図4(a)〜(c)に示すように、
4つのマクロブロック単位でそれぞれスーパーブロック
の縦の一列毎にリフレッシュが行なわれ、11フレーム
周期で全てのスーパーブロックがリフレッシュされる。
すなわち、リフレッシュされたスーパーブロックを、図
4(d)に示すように、11フレーム分蓄積することに
より全ての領域においてフレーム内処理が行なわれるこ
とになる。
【0042】1画面:1050本の走査線からなり、イ
ンターレースになっている。有効画素は、水平方向14
08画素、垂直方向960画素からなっている。1画面
の映像信号を4つのプロセッサで処理している[図2
(a)参照]。
【0043】図5に1画面と、スーパーブロックアドレ
ス(以下S.B.A=Super BlockAddress と略す)と
の関係を示す。水平方向に44スーパーブロック、垂直
方向に60スーパーブロックが存在する。そこで、1画
面内には2640個のスーパーブロックが存在する。こ
のそれぞれのスーパーブロックにアドレスS.B.Aを
割り当てる。水平方向のスーパーブロックアドレスを
x、垂直方向のそれをyとすると、S.B.A=60・
x+yの関係がある。
【0044】3.フレーム内/フレーム間符号化 このシステムの基本動作として第1に、フレーム内符号
化処理とフレーム間符号化処理とがある。フレーム内符
号化処理は以下のように行なわれる。この処理が行なわ
れるときは、スイッチ24,25は共にオフである。入
力端子11の映像信号は、DCT回路14で時間軸領域
から周波数領域に変換され、量子化回路15において量
子化される。この量子化された信号は、可変長符号化処
理を受けた後、FIFO回路17を介して伝送路へ出力
される。量子化された信号は、逆量子化回路19及び逆
DCT回路20で元の信号に戻され、フレーム遅延回路
22で遅延される。したがって、フレーム内符号化処理
のときは、入力映像信号の情報がそのまま可変長符化化
されているのと等価である。このフレーム内処理は、入
力映像信号のシーン・チェンジ及び所定のブロック単位
で適宜な周期で行なわれる。周期的フレーム内処理に関
しては後述する。
【0045】次に、フレーム間符号化処理について説明
する。フレーム間符号化処理が実行されるときは、スイ
ッチ24,25が共にオンされる。このため、入力映像
信号と、その1フレーム前の映像信号との差分に相当す
る信号が減算回路12から得られる。この差分信号が、
DCT回路14に入力され、時間軸領域から周波数軸領
域に変換され、次に量子化回路15で量子化されること
になる。またフレーム遅延回路22には、差分信号と映
像信号とが加算回路21で加算されて入力されるから、
差分信号を作成する元となった入力映像信号を予測した
予測映像信号が作成されて入力されることになる。一般
的にフレーム内処理した画像の発生符号量は、フレーム
間処理した画像の発生符号量より多くなっている。
【0046】4.フレーム内/フレーム間切り換え処理 4.1 画像適応フレーム内処理 このフレーム内符号化処理とフレーム間符号化処理の切
り換えは、図6に示すフレーム内/間決定回路33によ
り制御する。この制御方法は2種類ある。まず第1の手
法は、入力映像信号の内容に応じ、フレーム間の相関が
ある信号は、フレーム間処理を施し、フレーム間の相関
のない信号に対しては、フレーム内処理を施す手法であ
る。シーン・チェンジなどが生じた場合はフレーム内処
理が施される。フレーム内/間決定回路33では、入力
端子11からの現フレームの信号と動き補償回路23の
出力の予測信号との予測誤差エネルギーと、現信号のエ
ネルギーを比較する。
【0047】図6において、入力端子11に供給された
映像信号(現信号)は、エネルギー比較回路34に入力
されるとともに、減算回路35に入力される。入力端子
36には、動き補償回路23の出力である予測信号が入
力され、減算回路37で現信号と予測信号との差である
予測誤差が求められる。現信号のエネルギーは、現信号
エネルギー算出回路34aで求められ、予測誤差のエネ
ルギーは、予測誤差エネルギー算出回路34bで求めら
れ、両エネルギーが比較される。現信号及び予測誤差の
エネルギー算出式の例は次のとおりである。
【0048】
【数7】 図7は、エネルギー比較回路34におけるフレーム内/
間判別方法の例を示している。同図において、横軸は現
信号のエネルギー、縦軸は予測誤差のエネルギーを示し
ている。また、原点0からななめに引いた実線は、予測
誤差のエネルギーと、現信号のエネルギーが等しい場合
を示している。この実線より下の領域は、予測誤差のエ
ネルギーの方が小さいため、フレーム間処理を施す。ま
た、実線より上は現信号のエネルギーの方が小さいため
フレーム内処理を施す。エネルギー比較回路34の出力
は、入力信号に適応したフレーム内/間判別信号とな
り、加算回路37を介して出力端子38より出力され
る。
【0049】4.2 強制フレーム内処理(リフレッシ
ュ) 第2の手法は、映像信号の相関とはかかわりなく強制的
にフレーム内処理を行なう手法である。この場合、周期
的に画面の所定領域にフレーム内処理が施される。この
強制的フレーム内処理を行なう目的は2つある。1つは
使用者がチャンネルを変更した場合に、一定時間以内に
画像を認識できるようにするためであり、もう1つは、
VTRやディスクなどの記録メディアにおいて、特殊再
生を実現できるようにするためである。この強制的にフ
レーム内処理を施すことをリフレッシュと称している。
また、所定の領域がリフレッシュされるのに必要な時間
をリフレッシュタイムと称する。図6に示す周期的リフ
レッシュタイミング発生回路39は、入力端子40より
同期信号を入力し、この同期信号に同期して所定の周期
でフレーム内選択信号を発生している。このフレーム内
選択信号とエネルギー比較回路34から出力されるフレ
ーム内/間判別信号とが加算回路37で加算され、フレ
ーム内/間切り換え信号として出力端子38から出力さ
れる。
【0050】5.リフレッシュ 次の各方式のリフレッシュに関して詳しく説明する。
【0051】5.1 DigiCipherリフレッシュ DigiCipherでは、前述したように、水平方向の11スー
パーブロックをマクロブロックと称しており、1画面の
水平方向には、44スーパーブロックが存在している。
つまり、1フレームには、水平方向に4マクロブロッ
ク、垂直方向に60マクロブロックの合計240マクロ
ブロックが存在することになる。そして、この実施例で
説明する帯域圧縮システムでは、図3(a)〜(h)及
び図4(a)〜(c)に示したように、4つのマクロブ
ロック単位でそれぞれスーパーブロックの縦の一列毎に
リフレッシュを行ない、11フレーム周期で全てのスー
パーブロックがリフレッシュされる。すなわち、リフレ
ッシュされたスーパーブロックを、図4(d)に示した
ように、11フレーム分蓄積することにより全ての領域
においてフレーム内処理が行なわれることになる。この
リフレッシュのメリットは、各フレーム当りに均等にリ
フレッシュが行なわれるため、レートバッファであるF
IFO回路17の容量が小さくて良いという点である。
【0052】このDigiCipherのリフレッシュを図5に示
したスーパーブロックアドレスを用いて表わすと図8の
ようになる。図8において縦軸はスーパーブロックアド
レス、横軸はフレーム番号を示し、rを四角で囲んだ部
分がフレーム内処理した部分を示している。図8では、
リフレッシュブロックのみを示している。図8において
は、フレーム番号F0 〜F10の11フレームで一画面の
全てのスーパーブロックに対してリフレッシュが施され
る。リフレッシュは、4つのプロセッサを用いて並列処
理をしているため、図8に示した1つのプロセッサ当り
のリフレッシュ動作を用いて、DigiCipherのリフレッシ
ュに関して、図9を用いて説明する。
【0053】すなわち、S.B.アドレスが0〜659
までの部分に関して説明する。図9(a)においては、
リフレッシュ及び画像適応フレーム内処理を施した部分
rを四角で囲んで示している。例えば、フレーム番号F
0 ではシーン・チェンジが発生したことを想定して、
S.B.アドレス0〜659の全ての領域にフレーム内
処理が施されている。また、フレーム番号F10では、
S.B.アドレス0〜59の領域でフレーム内処理が施
されている。
【0054】図9(b)にDigiCipherのリフレッシュ時
間を示している。1フレーム当り一部の領域をリフレッ
シュしていき、11フレーム期間でリフレッシュが完結
するため11フレームがリフレッシュ時間となる。ま
た、このリフレッシュはどの11フレーム期間をとって
も1画面のリフレッシュが完結する。すなわち、F0
10の11フレーム期間でもF1 〜F11の11フレーム
期間でもリフレッシュが完結する。
【0055】図9(c)に示したように、最小アクイジ
ションタイムは、1フレーム期間であり、シーン・チェ
ンジが発生した時にイニシャライズが始まった時に得ら
れる。また、図9(d)の最大アクイジションタイム
は、画像適応フレーム内処理が全く発生しない場合であ
り、11フレーム期間となる。リフレッシュブロックを
開始点として信号切り替え、及び記録再生装置の編集を
実現する場合には、各リフレッシュブロックアドレスに
おいて、図9(e)に示したように、時間的にずれた1
1フレーム期間がリフレッシュインターバルになる。
【0056】5.2 MPEGのリフレッシュ まず、MPEGで用いられているリフレッシュに関し
て、図10を用いて説明する。MPEGでは、フレーム
単位でリフレッシュが行なわれる。このリフレッシュを
行なったフレームはIピクチャと呼ばれる。このIピク
チャの周期すなわち、リフレッシュ周期は、フレーム単
位に設定され、12,15,…フレームなどが選ばれ
る。この様子を図10を用いて説明する。なお、説明を
簡単にするため走査線が1050の場合についてのみ説
明するが、他のブロック構成でも良いことは言うまでも
ない。
【0057】図10(a)において、縦軸は、スーパー
ブロックアドレスを示している。このスーパーブロック
アドレスは、図2で定義したスーパーブロックアドレス
に対応している。また、横軸はフレーム番号を示してい
る。また、黒くぬりつぶした部分は、フレーム内処理を
施した部分を示している。ここでフレーム番号0,1
2,24,36,…は周期的に挿入したフレーム内処理
画像を示し、フレーム番号13,15,17,19,2
1,23に示した黒ぬりの部分は画像適応フレーム内処
理を施した部分を示している。
【0058】この例では、リフレッシュ時間は、図10
(b)に示したように12フレームである。使用者がチ
ャンネルを変えたイニシャライズの際に、1画面の画像
を得るためには、フレーム内処理が1画面全ての領域に
施されなければならない。そこでこの時間を次のように
定義する。
【0059】アクイジションタイム:1画面全ての領域
にフレーム内処理が施されるまでに要する時間。
【0060】このアクイジションタイムは使用者がチャ
ンネルを変えるタイミングにも依存する。図10(c)
に最小アクイジションタイムを示す。最小アクイジショ
ンタイムはイニシャライズのスタートとリフレッシュま
たはシーン・チェンジが同時に起きた時であり、1フレ
ーム期間で1画面の画像が得られる。図10(d)に最
大アクイジションタイムを示す。最大アクイジションタ
イムは、リフレッシュを終了した直後に、イニシャライ
ズがスタートした場合である。この場合、12フレーム
期間で1画面の画像が得られる。
【0061】周期的なフレーム内処理であるリフレッシ
ュブロックを開始点として、信号切り替え及び記録再生
装置の編集を実現しようとした場合を考える。12フレ
ーム周期のリフレッシュを基本としているため、リフレ
ッシュインターバルは図10(e)に示すように12フ
レームとなる。
【0062】7.DCT 2次元DCT回路(図1の符号14)に関して説明す
る。まず、画像を水平・垂直方向ともN画素からなる小
ブロック(N×N)に分割し、各々のブロックに2次元
DCT処理が施される。このときのNの大きさは変換効
率から8〜16に設定される。この実施例では、N=8
を用いる。2次元DCTの変換係数は式1で、その逆変
換式は式2で与えられる。
【0063】
【数8】 ここで、F(0,0)は直流成分の係数を表わし、F
(u,v)はuが大きくなるほど高周波の水平周波数成
分を含み、vが大きくなるほど高周波の垂直周波数成分
を含むことを示している。
【0064】まず、F(0,0)で表わす直流成分の係
数の性質について述べる。F(0,0)は、画像ブロッ
ク内の平均輝度値を表わす直流成分に対応し、その平均
電力は通常他の成分に比べてかなり大きくなる。
【0065】さらに、直流成分を粗く量子化した場合に
は、視覚的に大きな画質劣化に感じられる直交変換特有
の雑音(ブロック歪)が生じる。そこで、F(0,0)
には多くのビット数(通常8ビット以上)を割り当てて
均等量子化する。
【0066】次に、直流成分を除く変換係数F(u,
v)の性質について述べる。F(u,v)の平均値は、
式1より、直流成分F(0,0)のそれを除いて“0”
となる。
【0067】効率が良い符号化を行なうために、画像の
小ブロックに一定のビット数を割り当てて符号化する場
合、低周波成分の変換係数には多くの符号化ビット数を
配分し、逆に高周波成分の変換係数には少ない符号化ビ
ット数を配分して符号化することにより、画質劣化を少
なくし、かつ高圧縮率の符号化ができる。
【0068】画像を水平方向、垂直方向とも8画素から
なる8×8=64画素の小ブロックに変換し、2次元D
CTを施すと、変換された各周波数成分に対する係数は
図11に示すように8×8=64個の2次元の係数とな
る。図11では、左上がDC係数(直流成分)である。
それ以外の63個はAC係数(交流成分)であり、右下
にいくほど空間周波数が高くなる。AC成分は、2次元
的な広がりをもつために、符号化伝送に際して0〜63
に順番で示すジグザグスキャンにより一次元に変換され
る。
【0069】ここで、64個のDCTの係数をDCTi
[i=0〜63]で表わすこととする。各画素を量子化
する際の量子化ビット数は、画像信号の場合、8ビット
で量子化することが多い。この8ビットの画素をDCT
変換した出力のDCTの係数は12ビットで表わされる
場合がある。
【0070】8.量子化 次に量子化回路(図1の符号15)に関して説明する。
前述した64個のDCT係数は、各係数ごとの量子化ス
テップサイズを定めた量子化テーブルを用いて、係数位
置ごとに異なるステップサイズで線形量子化される。量
子化ステップの設定方法は2種類あるが、基本的には同
一手法である。
【0071】第1の手法は、64個のDCT係数ごとに
量子化ステップを定めた量子化テーブルを用い、量子化
テーブルを示すコードを伝送する手法である。図12に
量子化テーブルの例を示している。同図において、q=
0〜q=9は、量子化テーブルを表わす量子化テーブル
コードであり、このコードを伝送することにより、復号
器は逆量子化を行なうことができる。また、正方形に並
んだ64個の数字は量子化ビット数を示しており、図1
1に示した64個の2次元の係数と対応関係がある。例
えば、q=0の量子化テーブルの左上の7は、DC成分
を7ビットで量子化することを示している。以下、各係
数に関して同様に、量子化テーブルに示されたビット数
で量子化する。
【0072】第2の手法は、まず、64個のDCT係数
に重み付け(Weighting )マトリックスで、各係数に重
み付けをする。その後、量子化幅データQS(Quantize
-Scale)を用いて各係数を一律に割り算した後、量子化
する手法である。伝送する際には、量子化幅データQS
に対応するコードを送る。また、重み付けマトリックス
はディフォルト値が決められている。さらに、特定種類
の重み付けマトリックスを伝送することもできる。な
お、例としてMPEG.Iでは、量子化幅データQSの
コードに5ビットが割り当てられており、32種類指定
できる。そこでこの値を QSj [j=0〜31] で表わすこととする。
【0073】ここで、量子化幅データQSj に関して定
義する。DCTの係数値を最大の量子化ビット数で量子
化する場合をj=0で表し、QS0 =1とする。
【0074】また、DCTの係数値を伝送しない場合を
j=31を表わし、この時は後述する量子化ビット数を
QL31=0とする。
【0075】ここでjを量子化レベルと称する。
【0076】図13は、MPEG.Iで用いられた、輝
度信号の重み付け(Weighting )マトリックスのディフ
ォルト値を示している。図13において、8×8=64
個の数字は、図11に示した64個の2次元の係数と対
応関係があり、各DCT係数に対する重み付け値を示し
ている。符号器においては、DCTの各係数を、対応す
る重み付け値及び量子化幅データQSで割り算してい
る。64個のDCTの係数を DCTi =[i=0〜63] で表わし、重み付けマトリックスの各値を WEIGHTi [i=0〜63] で表わし、量子化後の各値を Qi [i=0〜63] で表わすと、
【数9】 で表わされる。
【0077】また、この時の量子化ビット数は、
【数10】 で表わされる。
【0078】例を次に示している。MPEG.Iの輝度
信号の垂直方向の第1番目のAC成分は、前述した図1
0のDCT1 で表わされる。また、重み付けマトリック
スのDCT1 に対応する値は、WEIGHT1 =16で
ある。これは、図13において○印をつけた部分に対応
する。また、量子化幅データQS0 =1の場合は、
【数11】 DCTi の係数は12ビットで表わされるためlog 2
CTi の最大値は12である。この時の量子化ビット数
は、
【数12】 となる。
【0079】図14は、QS0 =1の場合の重み付けマ
トリックスを通した後に必要な、最大の量子化ビット数
を表わしている。この図は8×8=64個の量子化ビッ
ト数を表わすマトリックスとなっており、それぞれの数
字は、図11に示したDCT係数のそれぞれの位置に対
応する量子化ビット数を示している。
【0080】図15及び図16は、32種類の量子化幅
データQSj を設定した際の量子化テーブルのうち、代
表的な9種類の量子化テーブルを定量的に示したもので
ある。量子化テーブルに関する前述した第2の手法を用
いた場合について説明するため、このテーブルは量子化
幅データQSに基づいている。ここで、j=31はデー
タを全く発生させない例であり、全ての係数を0ビット
で量子化することに相当する。また、j=0は量子化幅
データQS0 =1であるため、重み付けテーブルで量子
化することに相当する。すなわち、この場合は、図14
に示した重み付けテーブルによるビット配分になる。
【0081】図15及び図16において、横軸はDCT
の64個の各係数を示しており、図11に示したジグザ
グスキャンした際の順番と対応している。また、縦軸は
DCTの各係数において、伝送するビット数を示してい
る。なお、DCTの係数を量子化する際に、MSB(Mo
st Significant Bit)からLSB(Least Significant
Bit )が存在している。伝送するビット数を制限する場
合、当然のことながらMSBが優先して伝送される。
【0082】なお、前述したように、DC成分に関して
は量子化ビット数を削減すると、ブロック歪みなどが目
立つためDC成分に関しては別に扱い、一定の量子化ビ
ット数を割り当てる例がある。ここでは、仮に、8ビッ
トを割り当てるものとする。MPEG.Iの輝度信号の
例の場合は、前述したようにAC成分の最大値は8ビッ
トとなっている。
【0083】図15及び図16について、量子化ビット
数と量子化幅データとに関して定量的に説明する。発生
符号量が最大となるのはj=0の場合であり、jが増加
するにしたがい発生符号量は減少し、j=31で0とな
り符号は発生しなくなる。この量子化幅データをコント
ロールすることにより発生する符号量のコントロールが
可能である。
【0084】10.符号量制御 符号量のコントロール手法としては2種類ある。第1
は、前述したように量子化レベルをコントロールする手
法である。この場合は、リフレッシュブロックの発生符
号量を抑えることになるため、リフレッシュブロック自
体の画質は劣化することになる。しかし、次のフレーム
ではリフレッシュブロックのフレーム内処理信号と、次
のフレームの映像信号との差分が送られるため、画質は
一瞬落ちるだけである。この手法について後で詳しく説
明する。
【0085】第2は、一度量子化した符号を2つに分割
し、MSBまたは低周波数成分の符号量をVTRなどの
記録メディアで高速再生した際に、読み出すことが可能
な符号量に抑える手法である。これに関しては11.章
で詳しく述べる。第1の手法を用いた場合の符号化情報
量の制御に関して次に述べる。
【0086】10.1 マクロブロック符号量制御 この実施例のように、映像信号を可変長符号化を用いて
高能率符号化すると、一般に、その発生情報量は一定に
ならない。これは、映像信号の有する情報量が時間的に
変動しているためである。一方、固定レートの伝送系を
用いる場合には、符号化情報量を一定に抑えるための符
号化制御が必要となる。
【0087】固定レート化の一般的手法は、符号化器の
出力にバッファメモリを用意し、このバッファメモリに
可変レートで入力し、出力は固定レートで行なって符号
化情報量を平滑化するものである。バッファメモリ内の
データ量は、入力情報量に応じて変動するため、オーバ
ーフローあるいはアンダーフローを生じる可能性があ
る。これを防ぐためには、オーバーフローあるいはアン
ダーフローとなりそうなときには、それぞれ符号化情報
量を減少あるいは増加させるように、符号化パラメータ
を変化させる。例えば、量子化特性をより粗く、または
細かくしてやれば良い。
【0088】上記バッファメモリの容量は大きいほど平
滑化の効果も高いが、符号化遅延やコスト上の制限があ
る。また、比較的小さなバッファメモリの方が、画像の
局所的性質に応じて細かく符号化制御が行なえるという
こともあり、1フレーム程度のバッファメモリが用いら
れる場合がある。
【0089】マクロブロック符号量の制御に関して、具
体的に説明する。マクロブロックの符号量制御には、レ
ートバッファの容量が用いられる。レートバッファを用
いる手法では、図17に示すように、エンコーダ及びデ
コーダに等容量のレートバッファ(Rate Buffer )を設
ける。
【0090】これらのバッファの入出力の符号量及びバ
ッファの占量率に関して、図17を用いて説明する。図
17中符号aはエンコーダのレートバッファbの入力信
号を示している。この信号は、エンコーダの可変長符号
化回路16の出力信号となっている。この信号の特徴と
しては、各ブロックは一定の周期で入力されるが、各ブ
ロックの発生符号は可変長符号となっているため可変長
レートになっている。また、エンコーダのレートバッフ
ァの出力信号cは、伝送データになっており固定レート
で符号が出力される。さらに、デコーダのレートバッフ
ァeの入力信号dは、固定レートの符号入力になってお
り、出力信号fは可変レートの符号出力となっている。
【0091】エンコーダ側及びデコーダ側の特性に関し
て、それぞれ図18及び図19を用いて詳しく説明す
る。図18(a)〜(c)及び図19(a)〜(c)の
横軸は、それぞれフレーム番号を示している。ここで、
図18(a)〜(c)及び図19(a),(b)は、入
力のフレーム番号と同一になっているが、図19(c)
のフレーム番号は8フレーム分だけずれている。これは
可変長符号を用いることによるエンコーダ及びデコーダ
の伝送符号の遅延時間の変動を吸収するために必要であ
る。
【0092】図18(a)〜(c)及び図19(a)〜
(c)の縦軸は符号量を示している。この例では、レー
トブロックの容量を4Mビット、1フレーム当りの伝送
符号量を0.5Mビット/フレームである場合の例を示
している。なお、図18(a)〜(c)はエンコーダ
側、図19(a)〜(c)はデコーダ側の特性を示して
いる。
【0093】図18(a)は、1フレーム当りの発生符
号量を示している。図中破線は、レートバッファの容量
を参考に示している。可変長符号を用いているため、各
フレームの発生符号量はフレームにより異なる。フレー
ム番号をFn で表わし、F1〜F9 には、バッファがオ
ーバーフローとアンダーフローが生じる場合の符号の発
生例を示している。F1 では、4.5Mビットの符号が
発生し、F2 〜F9 まで発生符号が0としている。
【0094】各フレームの発生符号量の最大値は、バッ
ファ容量と送出符号量との和で決まり、この例の場合は
バッファ容量が4Mビットであり、1フレーム当りの送
出符号量が0.5[Mビット/フレーム]であるため、
1フレーム当りの最大発生可能符号量は4.5Mビット
となる。F20〜F30までは、バッファの占有度により各
フレームの発生符号量をコントロールした場合の例を示
している。
【0095】図18(b)は、エンコーダのバッファの
占量度を示している。この例ではバッファの容量は4M
ビットとしており、バッファの容量を破線で示した。F
1 のフレームで大きな発生符号量が生じているため、F
1 の時点でのバッファのオーバーフローが生じている。
2 〜F9 まで全く符号を発生させない状態が続いてい
るため、F9 の時点でバッファのアンダーフローが生じ
ている。
【0096】図18(c)は、エンコーダからの伝送符
号量を示している。同図内に斜めに引いた実直線Aは累
積送出符号量を示している。この傾きはフレーム当りの
送出符号量を示している。この例では1フレーム時間当
り0.5Mビット送出している。フレームレートが30
[Hz]の場合には30×0.5[M/Frame]=
15[Mbps]の送出符号量となる。また、破線はバ
ッファの最大容量で決まる最大値を示している。
【0097】また、図18(c)内に示した折れ線は、
累積発生符号量を示している。すなわち、図18(a)
の1フレーム当りの発生符号量の積分値になっている。
この累積発生符号量が破線と接した時は、バッファはオ
ーバーフローになっており、実線と接した時はバッファ
はアンダーフローになっている。また、累積発生符号量
と累積送出符号量との間に水平に引いた点線は、発生し
た符号を送出する際のエンコーダバッファでの遅延時間
を示しており、長いものは送出までの時間が長くかかる
ことを示している。
【0098】図19(a)において、実直線Bは累積受
信符号量を示している。この実直線Bは、図18(c)
の実直線Aと同一である。折れ線は画像を出力した際の
各フレームの映出符号量を示している。これは図19
(c)の1フレーム当りの映出符号量を積分した値に相
当する。また、水平に引いた点線は、受信した符号を映
出する際の遅延時間を表わしており、エンコーダにおけ
る遅延時間とデコーダにおける遅延時間との和は全て等
しく、図19(b)に示したバッファ遅延時間(Buffer
Delay)と等しくなる。
【0099】図19(b)は、デコーダのバッファの占
有率を示している。ここで、図18(b)と図19
(b)とを比較する。バッファの遅延時間分だけ、図1
8(b)をシフトとすると図18(b)と図19(b)
とは上下方向に反転した関係になっている。すなわち、
エンコーダのオーバーフローはデコーダのアンダーフロ
ーになり、エンコーダのアンダーフローはデコーダのオ
ーバーフローになる。
【0100】図19(c)は、映出する符号の1フレー
ム当りの映出符号量を示している。図18(a)と図1
9(c)とは、エンコーダ及びデコーダのバッファ遅延
時間分だけ遅延する。
【0101】加入者がチャンネルを変えた場合には、デ
コーダのバッファに必要な符号量だけ符号を蓄積した後
に、映像を出力することが可能である。この蓄積量は、
図19(a)の点線で示した時間だけ受信符号量を蓄積
する値と等しい。この値は、従来例のNMP信号と対応
関係がある。すなわち、デコーダではNMP信号で決定
する時間だけバッファに符号を蓄積した後に、映像を出
力すれば良い。
【0102】図18(a)のF1 に示したように、最初
のフレームに最大の符号量が発生した場合には、デコー
ダのバッファにおいて最大のバッファ遅延時間が生じ
る。この場合には、図19(b)にバッファ遅延と記入
した時間だけ受信符号をバッファに蓄積した後、正常な
映像信号を出力することができる。この場合は、デコー
ダのバッファを受信符号で満たした後に正常な映像信号
を出力することになる。
【0103】すなわち、F0 〜F8 まで受信符号を蓄積
し、バッファメモリを満たす初期化状態が終了した後に
正常な映像信号を出力することになる。図19(c)の
1で映出符号を出力した際には、デコーダのバッファ
はアンダーフローになっている。また、さらに図19
(c)のF1 〜F9 まで映出符号を出力しない状態が続
いた時、F9 でデコーダのバッファはオーバフローにな
っている。これはエンコーダのバッファ状態を8フレー
ム分遅延し、オーバーフロー、アンダーフローを反転し
た状態と一致している。
【0104】なお、加入者がチャンネルを変更した場合
に、正常な映像信号を出力するためにはデコーダのバッ
ファをNMP信号にしたがった時間だけ符号を蓄積する
必要があるが、初期化時にも図19(c)に点線で示し
たように不完全な画像を出すことは可能である。
【0105】図20にバッファの占有率と、マクロブロ
ック単位に設定した量子化レベルの増減との関係の一例
を示している。バッファの占有率が所定の値にある間は
量子化レベルを変更せずに、所定の値を越えた時に量子
化レベルの増減が行なわれる。図20においては、バッ
ファの占量率が45〜55%である時は量子化レベルを
変化させずに、この値を越えた時に量子化レベルを変え
る。これにより、バッファのレートコントロールが可能
となる。
【0106】量子化レベルはjの値が大きい時に粗く量
子化し発生符号量が少なくなるので、バッファの占量率
が小さい時に量子化レベルを下げる方向に、バッファの
占量率が大きい時に量子化レベルを上げる方向に動作さ
せる。
【0107】以上の動作を実現する構成を図21に示し
ている。すなわち、マクロブロック量子化レベルを決定
するために、量子化レベル設定回路41及びスーパーブ
ロック符号量算出回路542用いている。まず、スーパ
ーブロックの符号量の算出方法に関して、図21を用い
て詳しく説明する。前記DCT回路14の出力が入力端
子43を介して供給される量子化回路15の出力は、可
変長符号化回路16に入力される。この可変長符号化回
路16の内部では、まず、ジグザグスキャン回路16a
において、図11に示したスキャン方法で8×8のDC
T係数を読み込み、0係数の連続数と非零係数の振幅と
を組みにし、ハフマン符号化回路16bに入力する。
【0108】また、この0係数の連続数と非零係数の振
幅とは、スーパーブロック符号量算出回路42に供給さ
れている。このスーパーブロック符号量算出回路42
は、図22に示すテーブルを記憶する図示しないROM
(リードオンリーメモリ)を用いて、発生した符号量を
算出している。
【0109】図22は、従来例の説明でも用いられたも
のであるが、横軸に非零係数の振幅、縦軸に0係数の連
続数を示している。また、枠内の数字は符号のビット数
を示している。この符号のビット数を加算することによ
り、スーパーブロック単位で発生符号量が算出される。
さらに、マクロブロックの量子化レベルを決定するため
に、マクロブロック符号量算出回路44で、11個のス
ーパーブロックの符号量を加算し、マクロブロックの符
号量を算出する。また、この値から伝送符号量ROM4
5に記憶されている伝送符号量を差し引き、レートバッ
ファ符号量算出回路46で、レートバッファの占量率を
計算する。このレートバッファ占有率と、図27に示し
たグラフとに基づいて、マクロブロック量子化レベル設
定回路47で、マクロブロック単位の量子化レベルが設
定される。
【0110】10.2 スーパーブロック符号量制御 スーパーブロック当りの符号量制御は、マクロブロック
により決定された量子化レベルより粗くする方向にのみ
制御することができる。これは、例えばフレーム内処理
したスーパーブロックが存在したとすると、フレーム内
処理した符号量は、フレーム間処理した符号量よりも大
きいため、このフレーム内処理したスーパーブロックで
符号量が大幅に大きくなる場合があるためである。
【0111】一方、人間の視覚特性は映像の内容が変わ
った時、例えばシーン・チェンジが生じた場合や、動い
ている物体の背後に隠れていた部分が現れた場合(これ
をカバードバックと呼ぶ)は、目が精細度に迅速に反応
できず、一定の時間が必要となる。そこで、画像の内容
が変化したことにより生じたフレーム内処理部分は、量
子化レベルを粗くしても画質の劣化が判別しにくい。す
なわち、画像適応フレーム内処理が生じた部分は符号量
を削減することが可能である。
【0112】この動作を実現する構成を図21を用いて
説明する。スーパーブロック量子化レベル設定回路48
には、図6に示したフレーム内/間決定回路33内のエ
ネルギー比較回路34の出力である画像適応フレーム内
/間判定信号が、入力端子49を介して供給されてい
る。また、入力端子43に供給されたDCT回路14の
出力信号は、DCT係数エネルギー算出回路50に供給
されてDCT係数のエネルギーが算出され、このエネル
ギーにより量子化レベルの補正レベルが決定される。こ
の値を加算回路51によりマクロブロック量子化レベル
と加算して、量子化回路15に入力する。このエネルギ
ーと補正レベルとは、図23(a)に示す関係がある。
【0113】さらに、フレーム間処理が施されているス
ーパーブロックにおいても、極端にエネルギーが大きい
場合は、高周波成分が多いことを意味しており、この場
合も画質の劣化が判別しにくいため、量子化レベルを粗
くしてもよい。この場合は、図23(b)に示すように
補正レベルを設定する。
【0114】13.ビットストレーム構造 以下に各ブロックのビットストリーム構造を示す。再び
図1において、可変長符号化回路16の出力に、オーバ
ーヘッドデータ発生回路52から出力されるオーバーヘ
ッドデータを加え、出力端子53(図21参照)に出力
する。帯域圧縮装置の出力のビットストリームは、図2
4及び図25に示すマクロブロックのビットストリーム
を用いて送出している。
【0115】14.ブロック層ビットストリーム構造 ブロックは輝度または、色差の隣りあった8×8画素を
DCT変換した64個のDCT係数からなる。64個の
DCT係数は、図11に示した順序でジグザグスキャン
が施され、零係数のラン長と非零係数の振幅とを組にし
た2次元ハフマン符号化が行なわれ、ビットストリーム
が形成される。DCTの1ブロックの符号の終了点に
は、EOBのハフマン符号が付加される。
【0116】15.スーパーブロック層ビットストリー
ム構造 スーパーブロックは、水平方向4画素、垂直方向2画素
でなる隣り合った8つの輝度ブロックと、画像上では同
じ位置にあたるU,Vそれぞれの色差ブロックとの、全
部で10個のブロックで構成される。送出の順序は、Y
0 ,Y1 ,Y2,Y3 ,Y4 ,Y5 ,Y6 ,Y7 ,U,
Vである。また、輝度信号のDC成分は、隣接したブロ
ック間で差分を算出した値を送る。
【0117】16.マクロブロックアドレス まず、マクロブロック画面上の位置とアドレスとの関係
を定義する。図26にアドレス設定方法の例を示してい
る。図26に示すように、マクロブロックは11個のス
ーパーブロックからなり、1個のリフレッシュブロック
と10個の非リフレッシュブロックとから構成される。
また、一画面上のスーパーブロックのアドレスは図5に
示したように設定される。
【0118】16.1 マクロブロックアドレス マクロブロックのアドレスは図27に示すように、マク
ロブロックの先頭のスーパーブロックのアドレス値と同
一のアドレス値を割り当てるものとする。
【0119】16.4 アドレス値 このアドレス値は図5に示したように、水平方向のスー
パーブロック位置をx、垂直方向のスーパーブロック位
置をyとした時に S.B.Address=60x+y で表わされる。ここで、DigiCipherでは、水平方向に4
つのプロセッサを用いているため、このプロセッサを示
すIDをPIDとし、垂直方向の位置を示すIDをVI
Dとすると、アドレス値は M.B.A(Macro Block Address)=(60・11)・PID +60・
0 +VID R.B.A(Refresh Block Address)=(60・11)・PID +60
・x0 +VID N.R.B.A(Non Refresh Block Address)=(60・11)・PI
D +60・x0 +VID で表わされる。ここで、x0 は、PID=0、VID=
0の時のマクロ・(非−)リフレッシュブロックの水平
方向の位置である。なお、図27では、x0 =0の場合
を示したが、当然x0 =0〜43までが用いられる。ま
た、このx0 は、従来例ではframe count に相当する。
【0120】17.マクロ(非−)リフレッシュブロッ
クビットストリーム構造 17.1 マクロブロックビットストリーム構造 図24にマクロブロックビットストリーム構造を示して
いる。図24のビットストリームに関して、従来から用
いられていた項目に関して、まず説明する。この内容
は、以下の2つの文献に基づいており、出展文献番号を
それぞれ示す。
【0121】(a)“DigiCipher Description” Aug.
22 1991 (b)“Channel compatible DigiCipher HDTV System
” April 3. 1992 ビットストリームの各項目に関して詳しく述べる。図2
4では、マクロブロック内のビットストリーム構造は、
オーバーヘッドデータと可変長符号からなる。
【0122】プロセッサID:DigiCipherでは4プロセ
ッサを用いているため、このプロセッサの番号を2ビッ
トで示す(文献b)。
【0123】マクロブロック量子化レベル(MQL):
量子化レベルQLは5ビットで表わされ、値が大きくな
るほど粗く量子化し、マクロブロック量子化レベルMQ
L=31は、全く符号が発生しない状態を示している。
【0124】2ビット補正量子化レベル:マクロブロッ
ク量子化レベルMQLより粗く量子化する方向に補正量
子化レベルを設定する(文献a)。また、この補正量子
化レベルは、スーパーブロック当り2ビットになってい
る(文献b)。また、11個のスーパーブロックに対し
て設定する(文献a)。10章10.2で述べた補正量
子化レベルに対応する。
【0125】フィールド/フレーム判別:DCTの8×
8画素の画素構成が、フィールドの画素を用いるかフレ
ームの画素を用いるかの指定であり、各スーパーブロッ
ク単位に設定する(文献a)。
【0126】PCM/DPCM判別:スーパーブロック
がフレーム内処理(PCM)かフレーム間処理(DPC
M)かの区別(文献a)。
【0127】動きベクトル:各スーパーブロックの動き
ベクトルを示す(文献a)。
【0128】次に、新規なビットストリーム構成に関し
て説明する。
【0129】パスID(PSID):PSID=0のと
きには、マクロブロック量子化レベルが存在する経路を
通る。PSID=3のときには、特殊モード(TRK)
が存在する経路を通る。PSID=2のときには、ブロ
ックID、ブロックアドレスが存在する経路を通る。P
SID=1のときには、Fill Bits 符号長、Fill Bits
符号が存在する経路を通る。
【0130】トリック量子化レベルTQL:1つのマク
ロブロック内に複数の帯域圧縮装置のスーパーブロック
が混在することもあり得る。この場合は、次の2点が必
要となる。まず、第1に、1マクロブロック内に帯域圧
縮装置が異なる複数のスーパーブロックが存在すること
になった場合、それぞれのスーパーブロックに5ビット
の量子化レベルが必要となる。
【0131】また、第2に、マクロブロック内のデータ
を無視するスーパーブロックの位置を指定しなくてはな
らない。この位置を指定するためには、スーパーブロッ
ク単位のスキップが必要となる。そこで、帯域圧縮信号
切り替え時には、トリック量子化レベルTQLの経路を
通るように設定する。トリック量子化レベルTQLは、
スーパーブロック単位に5ビットの絶対量子化レベルを
有している。そこで、11スーパーブロックで55ビッ
トの量子化レベルが入っている。
【0132】また、TQL=31に設定することによ
り、スーパーブロック単位の可変長符号のスキップが可
能となる。これにより、マクロブロック内の任意の位置
で複数の帯域圧縮装置のスーパーブロックの可変長符号
を配置することが可能となる。図24に示したように、
このトリック量子化レベルTQLと各スーパーブロック
の可変長符号とは対応関係があり TQL0 はスーパーブロック0 TQL1 はスーパーブロック1 : TQL10はスーパーブロック10 のそれぞれのトリック量子化レベルTQLを示してい
る。
【0133】信号切り替え時には、スーパーブロック0
〜10のうち、複数の帯域圧縮装置のスーパーブロック
の可変長符号をマクロブロック内の対応するスーパーブ
ロック位置に配置し、それ以外のスーパーブロック部分
は、トリックブロック量子化レベルTQL=31を設定
し、スーパーブロック単位のスキップを行なっている。
スキップを表わす別のビットストリーム構造の例とし
て、該当するスーパーブロックの可変長符号の位置にE
OB(エンド・オブ・ブロック)を挿入する方法もあ
る。
【0134】特殊モード(TRK):放送波のビットス
トリームを送るときや、通常再生時のビットストリーム
を送るときは、TRK=0に設定し、2ビット補正量子
化レベル(PQL=0)の経路を通る。信号切り替えモ
ードにおいては、TRK=1に設定し、前述したトリッ
ク量子化レベルを示す経路を通る。
【0135】ブロックID:マクロブロック、リフレッ
シュブロックの区別を示すID。
【0136】ブロックアドレス:マクロの画面上の絶対
位置であるアドレスを示す。このブロックアドレスは、
VCRの再生時や高速再生時にエラーが発生した場合に
おいても、デコーダへ映出位置情報を送り、映像の再復
帰が瞬時に行なえるようにする。また、PSID=1、
PID=2のときには、Fill bits 符号長及びFill Bit
s 符号のパスを通る。ここで、Fill Bits の説明をす
る。伝送する符号量は一定であるため、伝送符号量に比
べ帯域圧縮した符号量が少ない場合には、伝送符号量ま
で所定の符号を強制的に挿入する。この符号をFill Bit
s 符号と呼び、この符号長をFill Bits 符号長と呼ぶ。
【0137】Fill Bits 符号:可変長符号の発生符号量
が少ないときは、強制的に所定の符号を挿入する。この
強制的に挿入する符号をFill Bits と呼ぶ。特に、帯域
圧縮信号を切り替えた時は、発生符号量が減る場合が生
じることがある。伝送符号量は一定であるため、強制的
に挿入するFill Bits が必要となる。
【0138】Fill Bits 符号量:前述したFill Bits の
符号長をFill Bits の前にいれることにより、Fill Bit
s の符号の終了点を明確にできる。これにより、マクロ
ブロックとの境界を明確にできる。
【0139】マクロブロック符号長:図24に示したマ
クロブロック内のマクロブロックオーバーヘッドデータ
及びマクロブロック可変長符号のそれぞれの符号長の和
である。
【0140】以上のビットストリームを放送波のビット
ストリームとして用いることにより、放送波を受信する
デコーダで、帯域圧縮信号の切り替えを行なった信号を
受信することが可能となる。
【0141】垂直ID(VIDM ):ビットストリーム
中には存在しないが、VIDM は次のように定義する。
1画面内の垂直方向の位置を示すID、垂直方向には6
0個のマクロブロックが存在するため、VIDM =0〜
59となる。
【0142】25.デコーダ基本構成 デコーダの基本構成を図28を用いて詳しく説明する。
図29にはオーバーヘッドデータを用いる回路を示して
いる。横軸に回路面、縦軸にデータ名を示し、○印をつ
けた所が用いる回路である。信号を切り替えない通常時
のビットストリームと放送波のビットストリームは、同
一のマクロブロック構成を有している。放送波のビット
ストリームの場合は、オーバーヘッドデータ検出回路5
4を用いオーバーヘッドデータを検出し、デコードを行
なっている。通常時の動作は、放送波をデコードする動
作と同じであるため、まず、この動作を説明する。
【0143】まず、図24に示したマクロブロックのビ
ットストリームの可変長符号は、入力端子55及びレー
トバッファ回路56を介して可変長符号復号回路57に
入力される。この可変長符号を抽出する際には、エンド
・オブ・ブロック(EOB)の検出を行なうことによ
り、ビットストリームから各ブロックの可変長符号を抽
出する。可変長符号復号回路57では、可変長符号の先
頭位置からハフマンテーブルと符号とを比較することに
より、順次ハフマン符号を検出していく。この検出した
ハフマン符号を用いて、量子化後のDCT係数の零係数
の続く数(ラン・レングス)と非零係数(振幅)を得
る。この係数はジグザグスキャンを行なった順序で配列
されているため、逆DCT回路58の必要に応じて、係
数の順序を並びかえる。
【0144】可変長符号を復号した信号は、逆量子化回
路59に入力される。逆量子化回路59では、マクロブ
ロック量子化レベルに、スーパーブロック補正量子化レ
ベルで補正を行ない、スーパーブロック単位で量子化レ
ベルを求める。
【0145】次に、1ブロック当り64個の各係数に、
重み付けテーブルにしたがった重み付け値をかける。次
に、スーパーブロック単位の量子化レベルにしたがった
量子化スケール値を64個の各係数にかけることによ
り、逆量子化を行ない、DCT係数を得る(なお、ここ
では、8章で説明した第2の量子化手法の場合を説明し
た)。
【0146】この64個のDCT係数を逆DCT回路5
8を通し、周波数領域であった係数を時間軸領域に変換
し、水平方向8画素、垂直方向8画素の64画素の信号
を得る。この逆DCT回路58の出力は、加算回路60
に入力される。加算回路60には、スイッチ61を介し
て得られる信号を入力し、逆DCT回路58の出力信号
と加算する。スイッチ61は、フレーム内/間切り換え
回路62により制御される。加算回路60の出力信号
は、非ブロック化回路63に供給されるとともに、フレ
ーム遅延回路64に供給される。
【0147】フレーム遅延回路64は、フレームメモリ
で構成されており、このフレームメモリの出力信号は、
動き補償回路65及び非ブロック化回路63に入力され
ている。動き補償回路65の出力信号は、スイッチ61
に入力されている。非ブロック化回路63は、加算回路
60とフレーム遅延回路64との出力信号を用いて、帯
域圧縮信号処理とTVの走査線の映出順序を合わす処理
をし、輝度信号Yと色差信号U,Vを出力端子66〜6
8から出力する。
【0148】デコーダの動作にはフレーム内処理とフレ
ーム間処理がある。スイッチ61において、スイッチ6
1がオフの時がフレーム内処理で、スイッチ61がオン
の時がフレーム間処理である。このスイッチ61のオ
ン、オフの制御をフレーム内/間切り換え回路62が行
なっている。
【0149】オーバーヘッドデータ内のPCM/DPC
M判別信号を、入力端子69を介してフレーム内/間切
り換え回路62に供給している。ここで、PCMとはフ
レーム内、DPCMとはフレーム間処理を示しており、
PCMでスイッチ61をオフ、DPCMでスイッチ61
をオンに制御する。なお、3章で述べたように、フレー
ム内/フレーム間処理は画像適応フレーム内処理と、リ
フレッシュ(強制フレーム内処理)とがある。
【0150】まず、フレーム内処理の動作を説明する。
フレーム内処理時は、逆DCT回路58の出力信号をフ
レーム遅延回路64及び非ブロック化回路63に入力
し、輝度信号Yと色差信号U,Vを出力する。
【0151】次に、フレーム間処理の動作を説明する。
この場合は、フレーム遅延回路64に記憶されている1
フレーム前の予測信号を読み出し、動き補償回路65に
入力する。また、入力端子70よりオーバーヘッドデー
タの動きベクトルを動き補償回路65に入力し、予測信
号の画面上の位置をずらす。逆DCT回路58の出力信
号の画面上の位置と一致する位置に相当する予測信号
を、動き補償回路65から出力し、スイッチ61を通し
て加算回路60に入力する。加算回路60では、逆DC
T回路58の出力と予測信号とを加算し、フレーム遅延
回路64及び非ブロック化回路63に入力する。そし
て、輝度信号Yと色差信号U,Vを分離し、端子66〜
68から出力する。
【0152】以上述べた放送波及び通常時における可変
長符号復号回路57、逆量子化回路59、逆DCT回路
58及びフレーム遅延回路64への書き込み処理は、常
にマクロブロックを基本として処理が行なわれる。すな
わち、1プロセッサ当りのこれらの回路の処理は、マク
ロブロック内の11スーパーブロックを順次処理するこ
とを基本とし、マクロブロックを画面上、上から下へ順
次処理していく。
【0153】28.フレーム遅延回路 フレーム遅延回路64は、図30に示すように、メモリ
書き込みアドレス発生回路64aを持っている。ここで
は、DigiCipherの場合を例にフレーム遅延回路64の動
作説明をする。ただし、他の方式(MPEGなど)にお
いても、基本事項は同様である。
【0154】DigiCipherの場合には、4プロセッサで処
理をしており、水平方向に4マクロブロック存在してい
るため、1プロセッサ当り、水平方向に1マクロブロッ
クを処理していく。そこで、1プロセッサ当りでは、マ
クロブロック内の11スーパーブロックを単位に、上か
ら下にマクロブロックを処理していく。この4プロセッ
サでの処理を行なう回路は、可変長符号復号回路57、
逆量子化回路59、逆DCT回路58、加算回路60、
動き補償回路65、フレーム内/間切り換え回路62及
びスイッチ61、さらにフレーム遅延回路64内の書き
込みアドレス発生回路64aである。
【0155】この4つのプロセッサへの符号の振り分け
は、マクロブロックオーバーヘッドデータ内に含まれる
プロセッサID(PID)を用いて行なう。この4プロ
セッサの動作は同じ動作であるため、1プロセッサの動
作を説明する。なお、他の方式でプロセッサ数が少ない
場合も1つ当りのプロセッサの動作は同様である。
【0156】通常時のビットストリームは、図24及び
図25に示したマクロブロックのビットストリームにな
っているため、マクロピクチャ層、すなわち、マクロス
ライス層の先頭にあるマクロブロックアドレスを用い
て、映出先頭位置を定め、その後プロセッサIDを用い
て、順次通常再生時のアドレスを発生させる。
【0157】図31は、通常再生時の書き込みアドレス
発生回路64aの動作を示している。まず、マクロスラ
イス層の先頭にあるマクロブロックアドレスをオーバー
ヘッドデータ検出回路54で検出し、入力端子64bを
介して書き込みアドレス発生回路64aに入力する。
【0158】図31にプロセッサ1の場合の例を示す。
まず、ビットストリーム中のM.B.A=0を読み出
す。このM.B.A=0はプロセッサ0のマクロブロッ
クの先頭のスーパーブロックの映出位置を示している。
プロセッサPIDのマクロブロックの先頭のスーパーブ
ロックの映出位置は、下式で表わされるため、プロセッ
サPID=1の場合、マクロブロックの先頭スーパーブ
ロックアドレスは、下式に示すように660となる。
【0159】 通常再生時は、図31に矢印で示したように、まず、横
方向に1マクロブロック分、すなわち、S.B.A=6
60,720,…,1260まで、11スーパーブロッ
クを処理し、縦方向に1マクロブロックずつ処理する。
すなわち、S.B.A=1260の後は、S.B.A=
661,721,…,1261を処理する。
【0160】次に、読み出しアドレス発生回路64c
は、輝度信号Y及び色信号U,VをTVの走査線順序に
したがい読み出す。このフレーム遅延回路64、メモリ
書き込み読み出しアドレス発生回路64a,64cは、
非ブロック化回路63の動作も兼ねている。
【0161】29.スキップ 符号化スーパーブロックが、全く予測スーパーブロック
と同じときには、この符号化スーパーブロック層のデー
タを何も送らず、これをスキップするという。この際の
ビットストリーム構造は17章17.1節、図24のマ
クロブロックビットストリーム構造で説明したように、
トリック量子化レベルTQLn =31(nはスーパーブ
ロック番号)に設定し、該当する可変長符号を読みとば
して次のスーパーブロックに行く。すなわち、該当する
スーパーブロックに有効データを発生させない。ここで
TQL=31をスキップコードと呼ぶことにする。
【0162】なお、スキップを表現する別のビットスト
リーム構成法として該当するスーパーブロックの可変長
符号の位置にEOB(エンドオブブロック)を挿入して
も良い。
【0163】29.1 スキップ時の回路動作 スキップ時の回路動作は、図28及び図30を用いて説
明する。ビットストリーム構造(図24)内のスキップ
コードをオーバーヘッドデータ検出回路54で検出し、
スキップ信号を入力端子71よりスキップ制御回路72
に入力する。スキップ制御回路72では、フレーム遅延
回路(メモリ)64、非ブロック化回路63、スイッチ
73,74に必要なスキップ制御信号を生成し、出力端
子75を介して出力している。
【0164】図28のスイッチ73,74は、スキップ
時の動作概念を示すものである。スキップ時には、ビッ
トストリーム中には有効なデータは何も存在しないた
め、加算回路60の出力信号は用いない。すなわち、ス
イッチ73はオープン状態であり、フレーム遅延回路
(メモリ)64への書き込みは行なわない。
【0165】また、スキップ時には予測スーパーブロッ
クの画像データと同一となるため、フレーム遅延回路
(メモリ)64内に記憶されている画像データを読み出
すことにより、映像信号を端子66〜68に出力する。
すなわち、スイッチ74はオン状態である。非スキップ
時は、25章デコーダ基本構成、28章フレーム遅延回
路で説明した動作と同様に、フレーム遅延回路64への
書き込み動作が行なわれる。
【0166】29.2 スキップ時の動作例 スキップ時のフレーム遅延回路(メモリ)64の動作の
具体例を図30、図32を用いて説明する。ビットスト
リーム(図24)において、スーパーブロック0にリフ
レッシュブロックの可変長符号が存在し、スーパーブロ
ック1〜スーパーブロック10には可変長符号は存在し
ない場合の例で説明する。トリック量子化レベルTQL
0 は、リフレッシュブロックの可変長符号を表わしてお
り、トリック量子化レベルTQL1 〜TAL10はスキッ
プを表わす31になっている。
【0167】図32を用いて、スキップ時の書き込みア
ドレス発生回路64aの動作を説明する。デコーダのフ
レーム遅延回路64内の書き込みアドレス発生回路64
aは、まず、図24に示したマクロブロックビットスト
リーム内でトリック量子化レベルTQL1 〜TQL10
全てスキップ状態であることを確認する。これにより、
図32に示したように、マクロブロック内のスーパーブ
ロック1〜スーパーブロック10は、スキップであるこ
とを認識する。スキップとは、フレームメモリ64d,
64e,64fへの書き込みを行なわないことであるた
め、スキップ部分はアドレスは発生させない。すなわ
ち、結果的には、リフレッシュブロックが存在する部分
のみアドレスを発生させることになるため、縦方向にア
ドレスを発生させる。
【0168】図32にDigiCipherの場合を示す。DigiCi
pherの場合には、図3(a)に示したように1プロセッ
サ当りは必らず、縦方向にリフレッシュブロックを配置
しているため、書き込みアドレス発生回路64aは、結
果的に縦方向にスーパーブロックアドレスを発生させて
いく。すなわち、 S.B.A:600,601,……,658,659 の順で、スーパーブロックアドレスを発生させる。
【0169】次に、読み出しアドレス発生回路64c
は、輝度信号Y及び色信号U,VをTVの走査線順序に
したがい読み出す。なお、このフレーム遅延回路64、
メモリ書き込み読み出しアドレス発生回路64a,64
cは、非ブロック化回路63の動作も兼ねている。以上
のフレームメモリ書き込み読み出しを行なう際には、読
み出しアドレスの設定は走査線順に水平方向に読み出
し、書き込み時は縦方向に書き込んでいく。
【0170】35.一部領域リフレッシュ信号切り替え
基本動作 5章及び図3、図4を用いて説明したように、1フレー
ム期間に一画面の一部領域にリフレッシュを施している
場合(例えばDigiCipherなどの例)のフレーム間帯域圧
縮信号切り替え回路を説明する。
【0171】図33は、一画面の一部の領域にリフレッ
シュが施されている2つのフレーム間帯域圧縮信号を切
り替えた出力信号を示す図である。同図は、5章5.1
節で説明した図9と同様の図である。図33(a)は、
フレーム間帯域圧縮信号Aを示しており、四角で囲みr
を記入した部分は、A信号のリフレッシュを施したブロ
ックを示している。
【0172】図33(b)は、フレーム間帯域圧縮信号
Bを示しており、四角で囲みRを記入した部分はB信号
のリフレッシュを施したブロックを示している。この2
つの信号を切り替える際のポイントは、A信号からB信
号に切り替える際には、B信号にリフレッシュを施した
ブロックから有効信号として出力することである。
【0173】すなわち、図33(c)に示すように、F
10で使用者切替要求310があった場合に先ずFB10
信号としては、B信号にリフレッシュを施したスーパー
ブロックアドレス600〜659の信号のみを送る。す
なわち、図32に示したように、1マクロブロック内に
おいては、リフレッシュブロックのみを送り、残りのス
ーパーブロックはスキップ信号を出力する。
【0174】次のフレームFB11では、スーパーブロッ
クアドレス540〜659を出力する。すなわち、FB
11でリフレッシュを施したスーパーブロックアドレス5
40〜599の信号とFB10でリフレッシュを施したス
ーパーブロックアドレス600〜659の信号を出力す
る。すなわち、図34に示すように、マクロブロック単
位で見ると、リフレッシュブロックと前のフレームでリ
フレッシュを施してあるスーパーブロックを送出し、残
りのスーパーブロックはスキップ状態にしておく。ここ
でスキップに関しては29章スキップで説明した動作を
する。ここで説明したFB11のスーパーブロックアドレ
ス540〜599、600〜659に対応する切り替え
時リフレッシュ有効ブロックを定義しておく。
【0175】切り替え時リフレッシュ有効ブロック:切
り替え後の新たな信号に対して、一度リフレッシュを施
したブロック。
【0176】なお、スキップを施すスーパーブロックの
可変長符号データは、映出画像を作る上では用いないた
め、この無効スーパーブロックの可変長符号は削減する
ことは可能であり、効率上、削除した方が好ましい。
【0177】36.一部領域リフレッシュ帯域圧縮信号
切り替え時のビットストリーム 35章で述べたように、無効ブロックの可変長符号は削
除することが好ましいが、削除しなくても送出すること
は可能であり、2種類の方法がある。
【0178】第1の方法は、13章ビットストリームの
図24で説明したトリック量子化レベルで、無効可変長
符号部分をTQL=31に設定することにより、スキッ
プを示す方法である。図33で示したように、一度リフ
レッシュを施したスーパーブロックを有効ブロックとす
るため、スイッチ切替時のビットストリームの処理方法
は図35に示すようになる。
【0179】図35に示したように、過渡状態では1フ
レームごとにスーパーブロックのスキップを変化させて
いき、図28に示したデコーダの映出信号を出力する。
切り替え時のフレーム番号をFSn (11フレームでリ
フレッシュを完結する場合、n=0〜10)とすれば、
可変長符号のスキップは図35のようになる。この動作
は、図28に示したオーバーヘッドデータ検出回路54
と可変長符号復号回路57とで行なう。TQL=31の
部分は、不要な可変長符号を無効とする動作を可変長符
号復号回路57は行なう。この場合、ビットストリーム
上の各フレーム当りの発生符号量は、A信号、B信号と
も減少しないため、レートバッファの占有度の対策を施
す必要がある。切り替え開始時のA信号とB信号のレー
トバッファ占有度をRAn ,RBn とすると、(32章
〜34章で説明した動作と同様に)以下の動作をさせる
必要がある。
【0180】RAn <RBn :ダミーデータを発生させ
る。(34章34.1節と同様) RAn >RBn :スキップコードを発生させる。(34
章34.2節と同様) 第2の手法は、フレーム間帯域圧縮信号切り替え回路内
で、不要なスーパーブロックの可変長符号は削除し、か
つ、オーバーヘッドデータ内に、TQL=31のスキッ
プを示すコードを挿入する方法である。これは後述する
フレーム間帯域圧縮信号切り替え回路(図36)内のス
イッチ切替制御回路76及び書き込み読み出し制御回路
77,78を用いて、メモリ79,80から読み出す際
に、切り替え時リフレッシュ有効ブロックのみを読み出
す。ここで切り替え時リフレッシュ有効ブロックとは、
切り替え後、一度リフレッシュを施したブロックのこと
を示しており、35章、36章の図32及び図34の説
明で定義したブロックと同一である。
【0181】37.一部領域リフレッシュ信号切り替え
回路 図36に、一部領域リフレッシュフレーム間帯域圧縮信
号切り替え回路の回路構成を示している。35章で述べ
たように、リフレッシュが以前のフレームでなされてい
ない無効スーパーブロックの可変長符号は、削除するこ
とが好ましい。そこで、一部領域リフレッシュフレーム
間帯域圧縮信号切り替え回路には、可変長符号検出回路
81,82が必要となる。そこで図36に示した構成と
なる。図36において、同一機能を有するブロックは同
一番号を付してある。なお、ここで書き込み読み出し制
御回路77,78、スイッチ切替制御回路76及び切り
替え時オーバーヘッドデータ発生回路83の動作は、図
37に示す(これは、34章の説明とは異なる部分も存
在する)。
【0182】38.一部領域リフレッシュ信号切り替え
回路の動作 図36の一部領域リフレッシュ信号切り替え回路は、図
37に示したステップで動作する。
【0183】ステップ1 図33で説明したように、A信号からB信号に切り替え
る場合には、信号Bのリフレッシュブロックを開始ブロ
ックとして切り替える。そこで、オーバーヘッドデータ
検出回路84,85及び可変長符号検出回路81,82
ではリフレッシュブロックを検出し、35章〜37章で
説明したように、一度リフレッシュが施されたスーパー
ブロックを有効ブロックとする。さらに、有効ブロック
以外の無効ブロックの可変長符号は削除する。
【0184】ステップ2 有効ブロックが決定したら、次の式で示される切り替え
時の有効ブロックの発生符号量RBT(Rate B channel
Transition Value )を算出する。
【0185】
【数13】 ここで、nはA信号からB信号への切り替えを開始する
フレームであり、図33では、B信号のFB10からリフ
レッシュを開始しているため、n=10になる。またf
は、リフレッシュ期間を示しており、5章5.1節 Dig
iCipher のリフレッシュの例では、11フレームがリフ
レッシュ期間になっているため、f=11となる。ま
た、ΔRBj はB信号のフレームFBj の1フレームの
有効ブロックの発生符号量を示している。そこで、RB
Tはリフレッシュ期間の有効ブロックの合計の発生符号
量を示している。ステップ2では更に、信号Aのバッフ
ァ占有度RAn ,…,RA(n-imax)を検出する(これ
は、34章ステップ2で説明したバッファ占有度と同一
である)。
【0186】ステップ3 信号Bのフレームの全データの出力を開始するフレーム
FBn+f のレートバッファ占有度RBn+f 及び切り替え
時のリフレッシュ期間における有効ブロックの総符号量
【数14】 及び、リフレッシュ期間当りの伝送符号量f・rと、信
号Aの切り替え時のレートバッファ占有度RAn により
【数15】 を算出する。
【0187】ここでΔR>0,ΔR=0,ΔR<0の場
合により、図36のフレーム間帯域圧縮信号切替回路の
動作は異なる。
【0188】38.1 ダミーデータを出力する場合 ΔR>0の場合の動作を図38を用いて説明する。
【0189】ステップ4.1 この場合、B信号の有効ブロックの符号量によりレート
バッファの占有度
【数16】 と図38との関係は次のようになる。
【0190】n=10,f=11 rは実線270の傾斜でフレーム当りのレート f・r=11・rは、11フレーム当りの伝送符号量に
相当し、点324と点320との符号量の差に相当す
る。
【0191】RBn+f =RB21はフレーム番号FB21
バッファ占有度RB21である。そこでB信号のバッファ
占有度273の点324と点323との差に相当する
【数17】 は、B信号の切り替わり時点の有効ブロックの発生符号
量の総合性に対応する。これは、点323のRB21を基
準とすると、点323と点325との差に相当すること
になる。また、これは、点323と点322との差及び
点321と点320との差の合計に相当する。
【0192】そこで、
【数18】 は、B信号の有効ブロックのレートバッファ占有度に相
当し、点325と破線278上の点319との差に対応
する。図38の例では、レートバッファ最大記憶符号量
を示す破線278を越えているため、レートバッファの
オーバーフロー、アンダーフローをさけるために、ダミ
ーデータを分割して発生させる必要がある。そこで、符
号の送出を考慮すると、点323と点322との実線及
び点321と点320との実線で示した送出方法を取
る。なお、実線320〜321と点線325〜322と
は、平行の関係にある。
【0193】すなわち、ΔR>0であるため、
【数19】 であり、これは点326が点325より下に存在してい
ることを示している。これは、ダミーデータの発生を必
要としていることを示している。
【0194】ステップ5.1 スイッチ切替動作は次のようになる。
【0195】1 A信号をフレーム番号FAn-1 まで出
力する。
【0196】2 B信号の有効ブロック及びダミーデー
タを出力する。
【0197】この際のダミーデータ量はΔRとなり、点
326と点320との差及び点321と点322との差
に相当する。また、レートバッファでオーバーフロー
(エンコーダ側)、アンダーフロー(デコーダ側)が発
生しないように、必要な場合にはダミーデータは分割し
て送る。また、B信号の有効ブロックを送出するタイミ
ングも、同様にレートバッファがオーバーフロー、アン
ダーフローしないように送出する。なお、上記の動作は
B信号の全信号の送出を開始するFBn+f のレートバッ
ファ占有度RBn+f 図38点323を合わせるように動
作する。
【0198】3 B信号の全信号をFBn+f から送出す
る。
【0199】図38(b)実線327は、図38(a)
の信号を入力した際のレートバッファ112の状態を示
している。実線270の点328までA信号点328〜
点329及び点330〜331までダミーデータ、点3
29〜点330及び点331〜点332まで、B信号の
有効ブロックのみの符号、点332以降はB全信号が送
られるため、点335まではA信号のみ存在する。点3
35、点336及び点337で囲まれる領域と、点33
7、点338及び点339で囲まれる領域とはダミーデ
ータが存在する。点337、点338及び点339で囲
まれる領域は、B信号の有効ブロックの信号が存在し、
点339、点342及び点341の領域は、B信号の有
効ブロック、点342と点341の点線以降はB信号の
全てのブロックの信号を送る領域である。
【0200】図38(c)はデコーダの出力信号を示し
ており、フレーム番号Fn-1 =FA9 まではA信号、F
n =FB10〜Fn+f-1 =FB20はB信号の有効ブロック
のみ、Fn+f =FB21からはB信号の全ブロックの信号
を出力する。
【0201】38.2 スキップコードを出力する場合 ΔR<0の場合は、次の動作を行なう。
【0202】ステップ4.2 この場合、B信号の有効ブロックの符号量によるレート
バッファ占有度
【数20】 よりRAn が小さいため、A信号の終了フレームはFA
n より以前に設定しなければならない。これは、(34
章34.2節と同様であり)、信号Aのバッファ占量度
RAn ,…,RA(n-imax)を用いて以下に示す式を満た
すスキップフレーム量iだけスキップコードを発生させ
る。
【0203】
【数21】 ステップ5.2 スイッチ切替動作は以下のようになる。
【0204】1 A信号をフレーム番号FAn-i まで出
力する。
【0205】2 スキップコードをFAn-i のA信号が
終了した時点からFBn のB信号を開始する時点まで出
力する。
【0206】3 B信号の有効ブロックの信号と、無効
ブロックに対応するスキップコードを切り替え期間(F
n 〜FBn+f-1 )まで出力する。
【0207】4 B信号の全信号をFBn+f より出力す
る。
【0208】38.3 ΔR=0の場合 ΔR=0の場合は、A信号をFAn-1 まで出力した後
に、B信号の有効ブロックのみFBn+f-1 まで送り、B
信号の全信号をFBn+f から出力する。
【0209】40.切り替え時A信号を出力する場合 38章で説明した一部領域リフレッシュ信号切り替え回
路の38.1節ダミーデータを出力する場合の他の実施
例を図39を用いて示す。これは、切り替え時に、B信
号の無効ブロックに対応するA信号のスーパーブロック
を出力する方法である。この方法は38章で説明したΔ
R>0の時に、実行可能である。そこで、38章及び3
8.1節と異なる部分を中心に説明する。
【0210】ステップ1 信号Bのリフレッシュブロックと有効ブロック、無効ブ
ロックを検出する。また信号Bの無効ブロックに対応す
るA信号の有効ブロックを決定する。
【0211】ステップ2 信号Bの有効ブロックの発生符号量を算出する。さら
に、信号Aの有効ブロックの発生符号量ΔRAj (j=
n〜n+f−1)を算出する。
【0212】ステップ3
【数22】 のΔR>0であることを確認する。
【0213】ステップ4.1 切り替え時に挿入するA信号の有効ブロック数及びダミ
ーデータ量ΔRDを決定する。図39において、A信号
の有効ブロックの符号量は、点321と点320との差
と、点351と点350との差との合計に相当する。ま
た、切り替え時のB信号の有効ブロック符号量
【数23】 は、点323と点322との差と、点321と点320
との差との合計に相当している。そこでダミーデータ量
ΔRDは点350と点321との差に相当する。これ
は、B信号のレートバッファ占有度RBn+f を示す点3
23とA信号のレートバッファ占有度RAn を示す点3
26との差から、A信号の有効ブロック符号量とB信号
の有効ブロック符号量とを引いたものに相当する。な
お、ΔRD<0となる場合はA信号の有効ブロックの一
部を送る。
【0214】ステップ5.1 スイッチ切替動作は次のようになる。
【0215】1 A信号をFAn-1 まで出力する。そこ
で実線270上の点328までA信号のみを送る。
【0216】2 A信号の有効ブロック、B信号の有効
ブロック及びダミーデータを出力する。
【0217】切り替え時の例を図39で示す。点328
〜点329及び点352〜点331は、A信号の有効ブ
ロックを送る。点329〜点330はB信号の有効ブロ
ックを送る。点330〜点352はダミーデータを送
る。
【0218】3 B信号の全信号をFBn+f から送出す
る。すなわち、点322からB信号の全信号を送る。
【0219】図39(b)はデコーダのレートバッファ
112の状態を示している。点361まではA全信号、
点361、点364、点365、点369の領域及び点
362、点367、点363、点368の領域はA信号
の有効ブロック、点361、点364、点363、点3
62の領域及び点369、点370、点371の領域は
B信号の有効ブロックのデータ、点370、点371の
点線以降はB信号の全信号となる。
【0220】図39(c)はA信号とB信号との切り替
え映像信号を示しており、F10〜F20までA信号とB信
号が共存している。ここで黒ぬりの部分はB信号であ
る。
【0221】なお、この発明は上記各実施例に限定され
るものではなく、この外その要旨を逸脱しない範囲で種
々変形して実施することができる。
【0222】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
複数のフレーム間帯域圧縮信号を切り替える際に、高画
質の切り替え画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るフレーム間帯域圧縮信号切り替
え回路の一実施例を示すブロック構成図。
【図2】同実施例における画素領域を説明するために示
す図。
【図3】同実施例のリフレッシュを説明するために示す
図。
【図4】同実施例のリフレッシュを説明するために示す
図。
【図5】同実施例におけるスーパーブロックアドレスを
説明するために示す図。
【図6】同実施例におけるフレーム内/間決定回路の詳
細を示すブロック構成図。
【図7】同実施例におけるフレーム内/間判断特性を説
明するために示す図。
【図8】同実施例における強制リフレッシュを説明する
ために示す図。
【図9】同実施例における1プロセッサ当りの強制リフ
レッシュを説明するために示す図。
【図10】同実施例におけるMPEGのリフレッシュを
説明するために示す図。
【図11】DCT係数をジグザグスキャンする際のスキ
ャン順序を示す図。
【図12】量子化テーブルの例を示す図。
【図13】重み付けテーブルの例を示す図。
【図14】同重み付けテーブルをビット数に変換した例
を示す図。
【図15】量子化テーブルによる発生ビット数を示す
図。
【図16】量子化テーブルによる発生ビット数を示す
図。
【図17】レートバッファの構成を示す図。
【図18】エンコーダ側のレートバッファの動作を示す
図。
【図19】デコーダ側のレートバッファの動作を示す
図。
【図20】バッファの占有度と量子化レベルの増減との
関係を示す図。
【図21】同実施例における量子化レベル設定回路の詳
細を示すブロック構成図。
【図22】可変長符号を行なった際の発生符号量を示す
図。
【図23】DCT係数エネルギーと補正量子化レベルと
の関係を示す図。
【図24】マクロブロックのビットストリーム構造を説
明するために示す図。
【図25】マクロスライス層、ピクチャ層、G.O.P
層の構造を示す図。
【図26】マクロブロックと(非)リフレッシュブロッ
クとを説明するために示す図。
【図27】マクロブロックアドレスを説明するために示
す図。
【図28】同実施例におけるデコーダ側の一例を示すブ
ロック構成図。
【図29】インデックス、オーバーヘッドデータと各回
路との関係を示す図。
【図30】フレーム遅延回路の詳細を示すブロック構成
図。
【図31】同フレーム遅延回路の通常時の動作を説明す
るために示す図。
【図32】同フレーム遅延回路のスキップ時の動作の例
を説明するために示す図。
【図33】フレーム間帯域圧縮信号切り替え回路の切り
替え動作を説明するために示す図。
【図34】フレーム間帯域圧縮信号切り替え回路の切り
替え動作の表示動作を説明するために示す図。
【図35】フレーム間帯域圧縮信号切り替え回路の切り
替え時のビットストリーム構造を説明するために示す
図。
【図36】フレーム間帯域圧縮信号切り替え回路の詳細
を示すブロック構成図。
【図37】フレーム間帯域圧縮信号切り替え回路の切り
替えフローを説明するために示す図。
【図38】フレーム間帯域圧縮信号切り替え回路のレー
トバッファの動作を説明するために示す図。
【図39】フレーム間帯域圧縮信号切り替え回路の他の
レートバッファの動作を説明するために示す図。
【図40】従来の帯域圧縮システムを示すブロック構成
図。
【図41】同従来システムから送出される信号のフォー
マットを示す図。
【図42】同従来システムにおける通常再生時にフレー
ム1〜8までの再生可能なリフレッシュブロックを示す
図。
【図43】同従来システムにおける通常再生時にフレー
ム9〜11までの再生可能なリフレッシュブロック及び
11フレーム蓄積したリフレッシュブロックを示す図。
【図44】同従来システムにおけるトラックパターンを
示す図。
【符号の説明】
11…入力端子、12…減算回路、13…動き評価回
路、14…DCT回路、15…量子化回路、16…可変
長符号化回路、17…FIFO回路、18…出力端子、
19…逆量子化回路、20…逆DCT回路、21…加算
回路、22…フレーム遅延回路、23…動き補償回路、
24,25…スイッチ、26…磁気テープ、27〜29
…入力端子、30…ブロック化回路、31…マルチプレ
クサ、32…出力端子、33…フレーム内/間決定回
路、34…エネルギー比較回路、35…減算回路、36
…入力端子、37…加算回路、38…出力端子、39…
周期的リフレッシュタイミング発生回路、40…入力端
子、41…量子化レベル設定回路、42…スーパーブロ
ック符号量算出回路、43…入力端子、44…マクロブ
ロック符号量算出回路、45…伝送符号量ROM、46
…レートバッファ符号量算出回路、47…マクロブロッ
ク量子化レベル設定回路、48…スーパーブロック量子
化レベル設定回路、49…入力端子、50…DCT係数
エネルギー算出回路、51…加算回路、52…オーバー
ヘッドデータ発生回路、53…出力端子、54…オーバ
ーヘッドデータ検出回路、55…入力端子、56…レー
トバッファ回路、57…可変長符号復号回路、58…逆
DCT回路、59…逆量子化回路、60…加算回路、6
1…スイッチ、62…フレーム内/間切り換え回路、6
3…非ブロック化回路、64…フレーム遅延回路、65
…動き補償回路、66〜68…出力端子、70,71…
入力端子、72…スキップ制御回路、73,74…スイ
ッチ、75…出力端子、76…スイッチ切替制御回路、
77,78…書き込み読み出し制御回路、79,80…
メモリ、81,82…可変長符号検出回路、83…切り
替え時オーバーヘッドデータ発生回路、84,85…オ
ーバーヘッドデータ検出回路。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1フレーム期間に一部の領域ごとに強制
    的フレーム内処理を施すリフレッシュ処理を有する2つ
    のフレーム間帯域圧縮信号A,Bを信号AからBに切り
    替えるもので、切り替え要求信号が発生した際に、B信
    号に一度リフレッシュが施されたブロックからB信号を
    出力するフレーム間帯域圧縮信号切り替え回路におい
    て、切り替え時にリフレッシュが施されていないブロッ
    クに対応し、スキップコードを挿入することを特徴とす
    るフレーム間帯域圧縮信号切り替え回路。
  2. 【請求項2】 前記切り替え時のB信号から切り替え時
    にリフレッシュが施されていないブロックの可変長符号
    を削除したことを特徴とする請求項1記載のフレーム間
    帯域圧縮信号切り替え回路。
  3. 【請求項3】 1フレーム期間に一部の領域ごとに、強
    制的フレーム内処理を施すリフレッシュ処理を有する2
    つのフレーム間帯域圧縮信号A,Bを信号Aから信号B
    に切り替える回路において、リフレッシュ処理期間の最
    大発生符号量を記憶するメモリを有し、切り替え要求信
    号が発生した際にB信号に、一度リフレッシュが施され
    たブロックから、B信号を出力することを特徴とするフ
    レーム間帯域圧縮信号切り替え回路。
  4. 【請求項4】 リフレッシュブロックの検出に可変長符
    号検出回路を用いたことを特徴とする請求項3記載のフ
    レーム間帯域圧縮信号切り替え回路。
  5. 【請求項5】 1フレーム期間に一部の領域ごとに、強
    制的フレーム内処理を施すリフレッシュ処理を有する2
    つのフレーム間帯域圧縮信号A,Bを信号Aから信号B
    に切り替える回路において、リフレッシュ処理期間の最
    大発生符号量を記憶するメモリを有し、切り替え要求信
    号が発生した際にB信号に、一度リフレッシュが施され
    たブロックからB信号を出力し、さらに切り替え時にリ
    フレッシュが施されていないB信号のブロックの可変長
    符号は削除して出力する回路を備え、前記リフレッシュ
    時のB信号の各フレーム当りの有効符号量ΔRBn 、フ
    レーム当りの伝送レートr、リフレッシュに必要なフレ
    ーム期間f、B信号の出力開始するフレームに対応する
    A信号のレートバッファ占有度RAn 、B信号のレート
    バッファ占有度RBn+f に対し 【数1】 を規定し、ΔR>0の時に、A信号からB信号へ切り替
    える際に最大ΔRのダミー信号を発生させることを特徴
    とするフレーム間帯域圧縮信号切り替え回路。
  6. 【請求項6】 1フレーム期間に一部の領域ごとに、強
    制的フレーム内処理を施すリフレッシュ処理を有する2
    つのフレーム間帯域圧縮信号A,Bを信号Aから信号B
    に切り替える回路において、リフレッシュ処理期間の最
    大発生符号量を記憶するメモリを有し、切り替え要求信
    号が発生した際にB信号に、一度リフレッシュが施され
    たブロックからB信号を出力し、さらに切り替え時にリ
    フレッシュが施されていないB信号のブロックの可変長
    符号は削除して出力する回路を備え、前記リフレッシュ
    時のB信号の各フレーム当りの有効符号量ΔRBj 、フ
    レーム当りの伝送レートr、リフレッシュに必要なフレ
    ーム期間f、B信号の出力開始するフレームFBn に対
    応するA信号のレートバッファ占有度RAn 、B信号の
    レートバッファ占有度RBn+f に対し 【数2】 を規定し、ΔR>0の時に、 【数3】 となるiを決定し、最小iフレーム分のスキップ符号を
    出力することを特徴とするフレーム間帯域圧縮信号切り
    替え回路。
  7. 【請求項7】 1フレーム期間に一部の領域ごとに、強
    制的フレーム内処理を施すリフレッシュ処理を有する2
    つのフレーム間帯域圧縮信号A,Bを信号Aから信号B
    に切り替える回路において、切り替え要求信号が発生し
    た際に、B信号に一度リフレッシュが施されたブロック
    からB信号を出力し、さらに、切り替え時にリフレッシ
    ュが施されていないB信号のブロックの可変長符号は削
    除する回路を備え、前記B信号の削除したブロックに対
    応するA信号のブロックの信号を切り替え時に出力する
    ことを特徴とするフレーム間帯域圧縮信号切り替え回
    路。
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