JPH0823623B2 - 焦点検出装置の調整方法 - Google Patents

焦点検出装置の調整方法

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JPH0823623B2
JPH0823623B2 JP1111995A JP11199589A JPH0823623B2 JP H0823623 B2 JPH0823623 B2 JP H0823623B2 JP 1111995 A JP1111995 A JP 1111995A JP 11199589 A JP11199589 A JP 11199589A JP H0823623 B2 JPH0823623 B2 JP H0823623B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、結像光学系の射出瞳の第1および第2の領
域からの光束を瞳分割手段を介してそれぞれ複数の受光
素子で受光し、これら第1および第2の領域に対応する
複数の受光素子上にそれぞれ形成される像の横ずれを検
出して前記結像光学系の焦点状態を検出するようにした
焦点検出装置の調整方法に関するものである。
瞳分割方式により像の横ずれを検出して焦点状態を検
出する焦点検出装置は従来種々提案されており、例えば
第1図に示すように結像レンズ1の射出瞳をストライプ
マスク、多数の微小レンズあるいは多数の微小プリズム
より成る瞳分割手段2により分割して受光素子列3上に
投影するようにしたものがある。瞳分割手段2は、これ
によって分割する射出瞳の異なる領域を受光素子列3を
構成する順次の受光素子が交互に受光するよう構成さ
れ、これにより奇数番目の受光素子31‐A,32‐A,……,
3n‐Aおよび偶数番目の受光素子31‐B,32‐B,……,3n
‐B上にそれぞれ形成される像が、合焦状態においては
一致し、非合焦状態においてはそのずれの方向に応じて
互いに逆方向に横ずれするのを、これら奇数番目の受光
素子群と偶数番目の受光素子群との出力に基づいて検出
して結像レンズ1の焦点状態を検出している。
しかしながら、このように射出瞳を瞳分割手段2によ
り分割して受光素子列3上に投影する場合には、第2図
に示すように結像レンズ1によって被写体4の投影像が
形成される像面5と結像レンズ1の射出瞳面6との間の
距離をL0、物点4-1の像点5-1と光軸7との間の距離すな
わち像高をxとすると、像面5に形成される被写体4の
投影像は、像高に応じて像点5-1に到達する物点4-1から
の主光線8が光軸7に対してα(x)=tan-1(x/L0
で表されるように傾くため、受光素子が光軸7から離れ
るに従って隣接する受光素子に対する瞳分割手段2によ
る射出瞳の分割割合が異なるようになり、その結果とし
て光量のアンバランスが生じ、高精度の焦点検出ができ
ない欠点がある。以下この現象を像高の影響と呼ぶ。
以下、この像高による悪影響を第3図を参照して更に
詳細に説明する。
第3図に示す焦点検出装置は、瞳分割手段2をストラ
イプマスクを用いて構成したもので、ストライプマスク
2の光透過部のピッチを2P、受光素子列3の受光素子の
ピッチをPとして各光透過部(図面では2i,2jのみを示
す)を対を成す受光素子(図面では光透過部2i,2jに対
応する受光素子3i-A;3i-B,3j-A;3j-Bのみを示す)にそ
れぞれ対応させ、これにより各受光素子対を構成する隣
接する奇数番目の受光素子と偶数番目の受光素子とが射
出瞳の互いに異なる領域からの光束を受光するようにし
たものである。
いま、ストライプマスク2の光透過部の光通過の中心
点2i-S,2j-Sに注目して考えてみると、光軸7に近い受
光素子対3i-A,3i-Bは、ストライプマスク2のその受光
素子対に対応する位置の光透過部2iの中心点2i-Sに関し
て相等しく結像レンズ1の瞳を分割している。しかし、
光軸7から離れた受光素子対3j-A,3j-Bは、それに対応
するストライプマスク2の光透過部2jの中心点2j-Sに関
して結像レンズ1の射出瞳を相等しく分割していない。
すなわち、像高が上の方になる程一方の受光素子3j-Bは
結像レンズ1の射出瞳の半分以上の領域からの光束を受
光し、他方の受光素子3j-Aは射出瞳の周辺に近い半分以
下の領域からの光束を受光することになる。したがっ
て、例えば全面白の被写体を結像した状態で受光素子列
3の各受光素子の出力を一端から他端に向けて順次読み
出すと、その出力分布は第4図に示すように、ストライ
プマスクの光透過部の中心点が光軸7と一致する光透過
部に対応する受光素子対3i-A,3i-Bの出力Ai,Biは等しく
なるが、光軸7から離れた光透過部に対応する受光素子
対の出力はアンバランスとなり、その大小関係は光軸7
を境に逆転する。
このため、例えば被写体の像面強度分布が第5図Aに
示すように正弦波状の場合、非合焦状態において奇数番
目および偶数番目の受光素子群のそれぞれのエンベロー
ブ3Aおよび3Bは、像高の影響がなければ第5図Bに実線
および破線でそれぞれ示すように平行にシフトするもの
が、像高の影響により第5図Cに示すようにその光量ア
ンバランスにより変調されたものとなり、検出精度に悪
影響を及ぼすことになる。
このような不具合を解決する方法として、例えば特開
昭55-130524号公報には結像レンズと瞳分割手段との間
に補正レンズを配置し、これにより像高位置に対する結
像レンズの主光線の傾きを補正して、各受光素子対を成
すそれぞれの受光素子に対し、一定の瞳分割比で結像レ
ンズからの瞳分割光束を入射させるようにしたものがあ
る。第6図は、その補正レンズを第3図の瞳分割手段と
してストライプマスクを用いるものに適用した場合の説
明図であり、第3図と同一部分は同一符号を付して示し
てある。すなわち、この方法ではストライプマスク2の
結像レンズ1側に補正レンズ9を介挿することにより、
結像レンズ1からの光束をその補正レンズ9によって平
行光にし、これをストライプマスク2に入射させること
により像高による光束の主光線の傾きを補正する。しか
し、この方法は瞳分割手段のほかに、光束補正用の補正
レンズを必要とするため、コストが高くなるばかりでな
く、調整個所が増大し、また実装スペースもその補正レ
ンズ分だけ広く必要とするなどの不具合がある。
以上、受光素子に入射する光量の像高の影響に基づく
アンバランスについて説明したが、受光素子に入射する
光量アンバランスは、上記の像高による他、瞳分割手段
と受光素子との相対的位置ずれによっても生じる。例え
ば、第7図に示すように、本来ならばストライプマスク
2はその光透過部2iの中心点2i-Sが受光素子3i-A,3i-B,
の間の中心点3i-Sの真上に配置されなければならないの
に、一方の側に平行にずれて配置された場合には、奇数
番目の受光素子群に入射する光量が大きくなり、偶数番
目の受光素子群に入射する光量が小さくなる。このスト
ライプマスク2および受光素子列3の相対的位置ずれに
は、ストライプマスク2の光透過部の大きさやピッチ、
受光素子列3の大きさやピッチ、あるいは両者のずれの
方向等の種々の形態があり、このような相対的位置ずれ
があると、結像レンズを通して均一照明を与えたときの
受光素子列の出力分布は、例えば第8図に示すようにな
り、奇数番目の受光素子群および偶数番目の受光素子群
の出力分布がそれぞれ単調に変化する。このため、第5
図Aに示したような像面強度分布が正弦波状の被写体像
を受光したときの奇数および偶数番目の受光素子群のそ
れぞれの出力のエンベローブ3Aおよび3Bは、第9図に示
すように第8図に示した相対的位置ずれによる光量アン
バランスによって変調されたものとなり、検出精度に悪
影響を及ぼすことになる。なお、第9図は非合焦状態で
のエンベローブを表す。このようなストライプマスク2
と受光素子列3との相対的位置ずれに基づく光量アンバ
ランスは、第6図に示したようにストライプマスク2の
前方に補正レンズを配置しても補正することはできな
い。
上述したように、結像レンズの射出瞳を瞳分割手段に
より2分割し、それぞれの領域からの光束を複数の受光
素子で受光して像の横ずれから焦点状態を検出するもの
においては、像高の影響および瞳分割手段と受光素子と
の相対的位置ずれによって受光素子に入射する光量がア
ンバランスとなり、これがため焦点状態を高精度で検出
することができなかった。
上記像高の影響等に基づく光量アンバランスの不具合
を解決するために、均一光を受光素子に与え、この時に
受光素子の出力に基づいて補正係数を求めて、これを記
憶し、この記憶された補正係数に基づいて焦点検出時に
受光素子の出力を補正することが考えられるが、この方
法では個々の受光素子の出力に基づく補正係数を記憶す
るためにデータ量が多くなる問題がある。
本発明の目的は上述した不具合を解決し、光学系を簡
単かつ小型、安価にできると共に、像高の影響および相
対的位置ずれに基づく光量アンバランスがあってもこれ
に影響されることなく常に高精度で焦点状態を検出でき
るようにし、その際、補正係数を記憶するためのデータ
の記憶量を少なくすることのできるようにした焦点検出
装置の調整方法を提供しようとするものである。
本発明は、瞳分割手段を介して結像光学系の射出瞳の
第1および第2の領域を通過した光束による第1および
第2の像を受光素子アレイの第1および第2の受光素子
群でそれぞれ受光し、これら第1および第2の受光素子
群の出力を、書替可能な不揮発性メモリに記憶された前
記受光素子アレイ中の個々の受光素子の光軸からの距離
の相違によって発生する受光光量のアンバランスを補正
するための複数の補正係数を用いて補正演算して、その
補正演算した出力に基づいて前記結像光学系の焦点状態
を検出するようにした焦点検出を調整するにあたり、 少なくとも前記結像光学系、瞳分割手段および受光素
子アレイを組み立てた後に、前記結像光学系および瞳分
割手段を介して前記受光素子アレイに均一照明を与え、
そのときの前記第1および第2の受光素子群の出力が一
致するように、それらの出力に基づいて、所定位置の受
光素子に対応する基準補正係数と、他の受光素子の補正
係数を算出するための算出用係数を、それぞれ算出して
これを前記書替可能な不揮発性メモリに書き込むことを
特徴とするものである。
すなわち、本発明においては、結像光学系および瞳分
割手段を介して受光素子アレイに均一照明を与えたとき
に、その第1および第2の受光素子群の出力が一致する
ように、それらの出力に基づいて補正係数を算出してこ
れを予めメモリに書き込み、実際の焦点検出においては
その予めメモリに書き込んだ補正係数を用いて受光素子
アレイの出力を補正する。ここで、上記補正係数は、所
定位置の受光素子に対応する基準補正係数と、他の受光
素子の補正係数を算出するための算出用係数を、それぞ
れ算出して上記メモリに書き込む。したがって、受光素
子アレイに入射する光量の像高の影響および瞳分割手段
と受光素子アレイとの相対的位置ずれに基づくアンバラ
ンスを有効に補正でき、焦点状態を常に高精度で検出す
ることができると共に、光学系としては第1図に示した
ような補正レンズ等を用いないものを使用することがで
きるので、光学系を簡単かつ小形、安価にできる。さら
に、全ての補正係数を記憶することなく算出用係数を記
憶するようにしたので、記憶すべきデータ量を少なくす
ることができ、補正係数を記憶するためのデータの記憶
量を少なくすることができる。
以下図面を参照して本発明を詳細に説明する。
第10図は本発明を実施する焦点検出装置の一例の構成
を示すブロック図である。本例では結像光学系11の射出
瞳をストライプマスクより成る瞳分割手段12により第1
および第2の領域に分割し、これら領域からの光束を受
光素子列13で受光する。瞳分割手段12および受光素子列
13は、瞳分割手段12によって分割される第1および第2
の領域からの光束を、受光素子列13の順次の受光素子が
交互に受光するように構成する。したがって、この場合
には受光素子列13の各受光素子に入射する光量は像高の
影響によってアンバランスになると共に、瞳分割手段12
と受光素子との配置に相対的位置ずれがある場合にはこ
の相対的位置ずれによっても光量アンバランスが生じる
ようになる。そこで、本例では光学系の設定後、結像光
学系11を通して均一照明を与え、そのときの各受光素子
の出力の逆数を規格化して各受光素子についての補正係
数を求め、その補正係数を不揮発性メモリ、例えばP-RO
M14に予め記憶しておく。
受光素子列13の各受光素子の出力は制御回路15により
順次読み出し、A-D変換器16でデジタル信号に変換して
乗算器17に供給する。この乗算器17には制御回路15の制
御の下に、P-ROM14から対応する受光素子の補正係数を
順次供給して各受光素子のデジタル信号と補正係数(デ
ジタル値)とを乗算し、その結果を順次評価値演算回路
18に供給する。このように各受光素子の出力と補正係数
とを乗算することにより、像高の影響および相対的位置
ずれに基づく受光素子の光量アンバランスを補正するこ
とができる。評価値演算回路18では、乗算器17から順次
供給される補正された受光素子出力に基づいて、奇数番
目の受光素子の出力をan、偶数番目の受光素子の出力を
bnとするとき、例えば により評価値Fを演算する。この評価値Fは結像光学系
11が合焦位置にあるときは零、非合焦位置にあるときは
そのずれの方向に応じて極性が反転するものとなるか
ら、この評価値Fを判定回路19に供給して判定すること
により、合焦、前ピン、後ピンの各状態を表す焦点情報
を得ることができる。この焦点情報は、表示器に供給し
て各焦点状態を表示させたり、結像光学系11を駆動する
モータに供給して自動的に合焦調整を行わせることがで
きる。
第11図は本発明を実施する焦点検出装置の他の例の構
成を示すブロック図である。本例では、受光素子列13の
光量アンバランスをアナログ乗算により補正するように
した点のみが第10図と異なる。このため、受光素子列13
からの順次の出力をアナログ乗算器20の一方の入力端子
に供給し、この乗算器20の他方の入力端子にはP-ROM14
に予め記憶した各受光素子の補正係数を制御回路15の制
御の下に、D-A変換器21を経てアナログ値に変換して供
給して、各受光素子の光量アンバランスによる出力の変
動を補正し、この乗算器20の出力をA-D変換器16で順次
デジタル信号に変換して評価値演算回路18に供給する。
このように、受光素子の出力と補正係数との乗算をアナ
ログ方式により行えば、デジタル方式に比べ演算時間を
短くできるから、焦点情報を高速じ得ることができる。
なお、第10図や第11図に示した焦点検出装置を結像光
学系が変換可能な例えば一眼レフレックスカメラに適用
する場合には、補正係数が使用するレンズの開口数およ
び焦点距離(射出瞳と予定焦平面との間の距離)によっ
て異なるから、P-ROM14に予め交換レンズに対応した複
数の補正係数を記憶しておいて、使用する交換レンズに
応じた補正係数を選択するようにすればよい。この場合
の補正係数の選択は、例えば第12図Aに示すようにカメ
ラボデイ22の上部に、第12図Bに示すような切り換えス
イッチ23を設け、この切り換えスイッチ23には交換レン
ズ24に応じた複数のマーク23-1を形成して、装着した交
換レンズ24に対応するマーク23-1をカメラボデイ22に形
成したマーク22-1に合わせることによって手動的に選択
することもできるし、交換レンズ24とレンズマウント22
-2との接触部を利用して、突起等の機械的な識別手段あ
るいは磁性部材を用いる磁気的な識別手段により装着さ
れた交換レンズ24を識別して自動的に選択することもで
きる。
第13図は本発明を実施する焦点検出装置の更に他の例
の構成を示すブロック図である。本例では、上述した実
施例と同様に結像光学系11の射出瞳をストライプマスク
より成る瞳分割手段12により第1および第2の領域に分
割して、これら領域からの光束を受光素子列13で受光す
るが、各受光素子の光量アンバランスによる出力の変動
を補正する補正係数は、一部の受光素子に対する補正係
数のみをP-ROM25に予め記憶し、この記憶した補正係数
に基づいて他の受光素子に対する補正係数を演算により
求める。すなわち、受光素子列13上での像高の影響およ
び受光素子と瞳分割手段12との相対的位置ずれに基づく
光量アンバランスによる奇数番目および偶数番目の受光
素子群の出力分布は、それぞれほぼ直線的なものとな
る。したがって、各受光素子群について、1つの受光素
子に対する補正係数と、この補正係数と次の受光素子に
対する補正係数との差を求めておけば、この差は順次の
受光素子においてほぼ一定であるから、これら1つの補
正係数と順次の受光素子における補正係数の差とから順
次の受光素子に対する補正係数を演算により求めること
ができる。
そこで、本例では受光素子列13の奇数番目の受光素子
群については、第1番目の受光素子13A-1に対する補正
係数X1と、この補正係数X1と次の受光素子13A-2に対す
る補正係数X2との差(X2‐X1)とをP-ROM25に予め記憶
し、偶数番目の受光素子群については最後の受光素子13
B-nに対する補正係数Ynと、この補正係数Ynと一つ前の
受光素子13B-(n-1)に対する補正係数Yn-1との差(Y
n-1‐Yn)とをP-ROM25に予め記憶しておく。このように
して、受光素子列13を制御回路26により制御して、奇数
番目の受光素子群については、その出力を第1番目の受
光素子13A-1から順次読み出してA-D変換器27Aでデジタ
ル信号に変換して乗算器28Aの一方の入力端子に供給
し、偶数番目の受光素子群についてはその出力を逆方
向、すなわち最後の受光素子13B-nから第1番目の受光
素子13B-1に向けて順次読み出してA-D変換器27Bでデジ
タル信号に変換して乗算器28Bの一方の入力端子に供給
する。
一方、P-ROM25に予め記憶したデータは制御回路26の
制御の下に補正係数作成器29Aおよび29Bに供給し、ここ
で乗算器28Aおよび28Bに順次供給される受光素子出力に
対する補正係数をそれぞれ演算により求めて、乗算器28
Aおよび28Bの他方の入力端子に順次供給する。すなわ
ち、補正係数作成器29Aにおいては、P-ROM25に予め記憶
したデータX1,(X2‐X1)から順次読み出される奇数番
目の受光素子の補正係数X1,X2,X3,…,Xn-1,Xnを以
下のようにして求める。
また、補正係数作成器29Bにおいては、P-ROM25に予め
記憶したデータYn,(Yn-1‐Yn)から、順次読み出され
る偶数番目の受光素子の補正係数Yn,Yn-1,Yn-2,…,
Y2,Y1を以下のようにして求める。
このようにすれば、第10図および第11図と同様に、各
受光素子に対する光量アンバランスによる出力の変動を
補正することができるから、これら乗算器28Aおよび28B
の出力を評価値演算回路18に供給して評価値を求め、こ
れを判定回路19において判定することにより所要の焦点
情報を得ることができる。
かかる構成においては、P-ROM25に記憶させるデータ
量が少なくて済むから、上述した光量アンバランスがレ
ンズ交換による開口数および焦点距離の変化によって変
わる場合にも、各レンズに対するデータを記憶し、これ
を切り換えることによって容易に対処できる。
なお、本発明は上述した例にのみ限定されるものでは
なく、結像光学系の受光素子アレイとの間に設けた瞳分
割手段を有し、結像光学系より瞳分割手段に入射する光
束の角度が変化するために、受光素子アレイの像高方向
に光量アンバランスが発生するような構成の焦点検出装
置に広く適用することができる。また、上述した例では
瞳分割手段12をストライプマスクをもって構成したが、
第14図Aに示すようなプリズムアレイをもって構成する
こともできるし、第14図Bに示すようなフライアレイレ
ンズをもって構成することもできる。第14図Aに示すプ
リズムアレイは結像光学系11の光軸に対してほぼ臨界角
に設定した互いに逆向きの光学面30A,30Bを交互に配列
して構成したもので、各光学面に受光素子13を構成する
受光素子を対応させることにより、奇数番目の受光素子
群が結像光学系11の射出瞳の一方の領域からの光束を受
光し、偶数番目の受光素子が射出瞳の他方の領域からの
光束を受光するようにしたものである。また、第14図B
に示すフライアレイレンズは各フライアレイレンズ31に
受光素子列13を構成する隣接する2個の受光素子を対応
させて、これら2個の受光素子に結像光学系11の射出瞳
の互いに異なる領域の像を分離して結像させるようにし
たものである。また、上述した例では各受光素子の出力
に補正係数を乗算することにより光量アンバランスによ
る変動を補正するようにしたが、各受光素子の出力を補
正係数で割り算して補正することもできる。
以上述べたように本発明においては、瞳分割方式によ
る像の横ずれに基づいて焦点状態を検出する焦点検出装
置において、結像光学系、瞳分割手段および受光素子ア
レイを組み立てた後に、結像光学系および瞳分割手段を
介して受光素子アレイに均一照明を与え、そのときの第
1および第2の受光素子群の出力が一致するように、そ
れらの出力に基づいて補正係数を算出してこれをメモリ
に書き込むようにしたので、焦点検出装置を含む各製品
について受光素子アレイの像高方向に発生する光量アン
バランスだけでなく、結像光学系、瞳分割手段および受
光素子アレイの位置関係により設計的に発生する光量ア
ンバランスや、光学系を組立てる際に生じる組立誤差に
より発生する光量アンバランス、さらには受光素子自体
が持つ感度のバラツキまで含めて補正することができ
る。したがって、常に高精度で焦点状態を検出できると
共に、光学系には何らの細工を施す必要がないので、光
学系を簡単かつ小形、安価にできる。さらに、全ての補
正係数を記憶することなく算出用係数を記憶するように
したので、記憶すべきデータ量を少なくすることがで
き、補正係数を記憶するためのデータの記憶量を少なく
することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は横ずれ像検出方式における焦点検出装置の光学
系の基本構成を示す図、 第2図、第3図、第4図および第5図A〜Cは第1図に
示す光学系における像高の影響を説明するための線図、 第6図は像高の影響を周知の補正レンズで補正する場合
の説明図、 第7図、第8図および第9図は瞳分割手段と受光素子と
の相対的位置ずれによる光量アンバランスを説明するた
めの線図、 第10図は本発明を実施する焦点検出装置の一例の構成を
示すブロック図、 第11図は同じく他の例の構成を示すブロック図、 第12図AおよびBは本発明を一眼レフレックスカメラに
適用した場合の補正係数の切り換えを説明するための
図、 第13図は本発明を実施する焦点検出装置の更に他の例の
構成を示すブロック図、 第14図AおよびBは瞳分割手段の他の2つの例の構成を
それぞれ示す線図である。 11……結像光学系、12……瞳分割手段 13……受光素子列、14……P-ROM 15……制御回路、16……A-D変換器 17……デジタル乗算器、18……評価値演算回路 19……判定回路、20……アナログ乗算器 21……D-A変換器、25……P-ROM 26……制御回路、27A,27B……A-D変換器 28A,28B……デジタル乗算器 29A,29B……補正係数作成器 30A,30B……フライアイレンズ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】瞳分割手段を介して結像光学系の射出瞳の
    第1および第2の領域を通過した光束による第1および
    第2の像を受光素子アレイの第1および第2の受光素子
    群でそれぞれ受光し、これら第1および第2の受光素子
    群の出力を、書替可能な不揮発性メモリに記憶された前
    記受光素子アレイ中の個々の受光素子の光軸からの距離
    の相違によって発生する受光光量のアンバランスを補正
    するための複数の補正係数を用いて補正演算して、その
    補正演算した出力に基づいて前記結像光学系の焦点状態
    を検出するようにした焦点検出を調整するにあたり、 少なくとも前記結像光学系、瞳分割手段および受光素子
    アレイを組み立てた後に、前記結像光学系および瞳分割
    手段を介して前記受光素子アレイに均一照明を与え、そ
    のときの前記第1および第2の受光素子群の出力が一致
    するように、それらの出力に基づいて、所定位置の受光
    素子に対応する基準補正係数と、他の受光素子の補正係
    数を算出するための算出用係数を、それぞれ算出してこ
    れを前記書替可能な不揮発性メモリに書き込むことを特
    徴とする焦点検出装置の調整方法。
  2. 【請求項2】前記算出用係数は、受光素子の出力の差に
    基づいて決定することを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の焦点検出装置の調整方法。
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