JPH0823504B2 - 指示計器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の利用分野］ 本発明はアナログ式の指示計器に係り、詳しくはレー
ザビーム等のビーム光を被測定量に応じて振らせ（変位
させ）て、測定値の指示をレーザビームの光を用いてア
ナログ表示させる指示計器に関するものである。

［発明の背景］ 一般に、アナログ式の指示計器は目盛等が表示される
文字板と、文字板の目盛を指示する指針と、例えば機械
的又は電気的に入力される被測定量に応じて指針を所定
角度回動させるムーブメントとから構成されている。

ところで、このような指針を使用するアナログ式の指
示計器においては、その指針は、ムーブメントの指針軸
に片持支持状態で支持固定されることから、指針後端部
にはバランス調整用のおもりを設ける必要があり、この
おもりを設ることで、指針全体の重量化を招き、例えば
指針を長くしたり、太くしたりすると、それに伴なって
駆動トルクの大きい大型のムーブメントを使用しなけれ
ばならず、これが原因で指示計器全体が大型化されると
か重量が嵩む等の不具合があった。

また指針の後端部にバランス調整用のおもりを設ける
必要のない指示計器として、例えば実開昭50−75043号
等が出願されており光源からの光を表示板方向へ反射せ
しめる反射鏡をメータ可動部の指針軸と平行かつ一体に
設け、メータ可動部に対応する指示値を、光源からのビ
ーム光を透光性表示板裏面側に照射し、表示する構造の
指示器が知られているが、この種の指示器にあっては、
ビーム光の振れ角（振れ範囲）が小さいために、広範囲
の変化量を詳細に表示させる計器として不向きであっ
た。

［発明が解決しようとする課題］ 本発明の目的とするところは、ムーブメントの駆動力
に伴なって擬似指針の振れ角を、文字板の円周方向略全
域の広範囲とすることができるようにして指示値の視認
性を高めることができるようにし、さらには光学的なレ
ーザビーム等を、文字板の前方向に傾斜するフランジ形
状の目盛表示部表面に照射せしめて立体感のある表示を
行なうことができるようにする指示計器を提供すること
にある。

［課題を解決するための手段］ 被測定量に応じて直接又は間接的に回転する回転軸を
有するムーブメントと、該ムーブメントの回転軸の軸方
向と直交する文字板本体部及び該文字板本体部の周縁か
ら表面外方向へ斜めに起立される目盛表示部を有する文
字板と、前記回転軸と平行する軸線上に、導光路及びこ
の導光路で導光された光を受けて前記目盛表示部へビー
ム光として直接照射させる反射鏡を具備してなることを
特徴としている。

［発明の実施例］ 以下本発明を図面に示す実施例に基づいて詳細に説明
する。

第１図及び第２図は本発明による指示計器の第１実施
例を示す概略断面図である。

10は計器ケース11に取付けられているムーブメントで
あって、このムーブメント10から支出される駆動軸13の
先端には、はす歯歯車12が固定されており、このはす歯
歯車12は、回転軸14の外周面に刻設されているはす歯歯
車16に噛合されている。

回転軸14は、中空である円筒状に形成されており、こ
の中空内部には、光ファイバ26が挿通保持されている。
この光ファイバ26の入射端は、レーザ発振器18のレーザ
発振口18aに接近され、また光ファイバ26の出射端は、
コリメータレンズ27に接近配置されている。

20は、回転軸14の上端に一体に被着されると共に回動
し、しかもレーザ出射口23を有しているキャップであっ
て、このキャップ20内に、前記のコリメータレンズ27及
び反射鏡21が内装されている。

15は前記の計器ケース11と固定関係にある文字板であ
って、この文字板15は、前記回転軸14の軸方向と直交す
る平面を有する文字板本体15bと、この文字板本体部15b
の周縁から斜めに起立される環状の目盛表示部15aとで
構成されている。

以上が本実施例の構成であるが、次にその作用につい
て述べる。

ムーブメント10の被測定信号が入力されると、その信
号の測定量に応じて駆動軸13が回転し、さらにこの駆動
軸の回転力ははす歯歯車12,16を介して回転軸14に伝達
され、さらにこの回転軸14と一体のキャップ20が回動す
る。

一方レーザ発振器18から発振するレーザ光は、レーザ
発振口18aより放出され、光ファイバ26を経てコリメー
タレンズ27に入射され、このコリメータレンズ27では集
光された反射鏡21へ導びかれる。この反射鏡21で受けた
レーザ光はキャップのレーザ出射口23から目盛表示部15
aの表面に向けて直節に照射され、その目盛表示部15aの
表面で線状の指針の如く光り輝いて見える擬似指針Ａと
して表示される。

なお上記レーザ発振器18を常時駆動させるようにして
もよいが、指示計器を自動車等の車両用計器に用いる場
合には、第３図に示すように、イグニッションスイッチ
24がオン状態になるとバッテリ25からの電源により駆動
されるようにしておけば、イグニッションスイッチ24が
オフでは指針（実際に指針はない）が見えず、イグニッ
ションスイッチ24をオンした状態で指針が見えることに
なる。

したがって本実施例によれば、レーザ発振器18から出
射し、コリメータレンズ27及び反射鏡21によって生じる
レーザビーム光がムーブメント10の回動位置に対応する
目盛表示部15aの表面に直接に照射されて光学的な擬似
指針として表示される。

このように、本実施例ではムーブメント10の動作で回
転する回転軸14の中心軸線上に、光学的導光路及びその
導光路からの受光を環状の目盛表示部15aへ反射せしめ
るための反射鏡を配置したものであるから、その反射鏡
により反射されるビーム光の擬似指針を文字板の円周方
向広範囲へ振らすことができ、これにより測定範囲の広
い表示が克明に行なえる。

また本実施例では、文字板の周縁部に形成される目盛
表示部15aの立上り傾斜面にレーザビーム光を直接照射
して光学的擬似指針を得ているものであるから、その直
接照射による擬似指針の輝度が高く表示鮮明度の高い擬
似指針が得られる。

またレーザビーム光が直接照射される文字板の目盛表
示部15aは前後方向へ斜めに起立される起立面となして
いることから、この起立面に照射されて表示される擬似
指針は、前後方向の表示により立体感のある表示とな
る。

また本実施例による回転軸14は、その回転範囲を適宜
はす歯歯車の組合せによって自由に設定することができ
るので、その擬似指針の振れ角を広げることができ、視
認性に優れた指示計器が得られる。

第４図及び第５図は本発明による指示計器の第２実施
例を示す概略断面図である。

本実施例による指示計器は、ムーブメント30から支出
される回転軸31を、文字板15の裏面側から表面側に向け
て貫通させるため、その文字板15の中央部に透孔17を穿
設している。また、文字板15の裏面側で、レーザ発振器
18から発するレーザ光を、上記透孔17内を通過するよう
に案内する第１反射鏡32を前記回転軸31に固定し、レー
ザ発振器18のレーザ発振口18aから出射されたレーザビ
ームを第１反射鏡32にマイクロレンズ33でそのスポット
径を拡大して投影し、スポット径が拡大されたレーザビ
ームを回転軸31の軸上部に取付けられたキャップ34内の
第２反射鏡35に導き、第４図に示すように、キャップ34
の側面に形成されたスリット状の出射口36を通して第２
反射鏡35からのレーザビームを出射させる。出射口36か
ら出射されるレーザビームは回転軸31と直角な方向に出
射され、文字板15の外周縁部に傾斜して形成される目盛
表示部37の表面に照射されて、該目盛表示部37に擬似指
針Ａが表示される。なお38は目盛表示部37の頂部に表示
された目盛、39は文字板15の本体部周縁に表示された、
例えば計器が速度計の場合には速度値を示す文字であ
る。

すなわち、この第２の実施例は、ムーブメント30の回
転軸31の軸心と一致しない位置で第２反射鏡35にレーザ
ビームを導くようにしたもので、第２反射鏡35が回転軸
31の回転によって、該回転軸31の軸廻りのどの位置に位
置しても、第２反射鏡35にレーザビームが入射されるよ
うに構成されている。

第６図は、第４図に示した実施例の変形例を示してい
る。

本実施例は、レーザ発振器18の発振口18aから出射さ
れるレーザビームを光ファイバー40によって第２反射鏡
35に導くようにしたもので、光ファイバー40から出射さ
れたレーザビームをコリメーティングレンズ41を介して
平行化し第２反射鏡35に導くようにしている。そして、
回転軸31が回転しても常に第２反射鏡35にレーザビーム
が入射できるようにするために、光ファイバー40の出射
端部側を回転軸31にクリップ42を介して固定している。

［発明の効果］ 以上の説明のように、本発明はムーブメントの動作で
回転する回転軸の軸線と平行する軸線上に、光学的導光
路及びその導光路からの受光を目盛表示部へ反射せしめ
るための反射鏡を配置したものであるから、その反射鏡
により生じる擬似指針を円板状文字板の円周方向広範囲
へ振らすことができ、測定値範囲の広い表示が克明に行
なえる。また本発明は文字板15の周縁に、その周縁から
表示板の表示面方向へ斜めに起立される目盛表示部15a
を形成して、この起立面に反射鏡により反射されるレー
ザ光を照射して擬似指針Ａを得るものであるから、その
起立面つまり目盛表示部15aに照射されるレーザ光の表
示には立体的表示感が得られ、審美的、デザイン的にも
優れた表示特性を有する。

また反射鏡によって反射されるレーザ光を目盛表示部
15aの表示面に直接照射して擬似指針を得るものである
から、高輝度で鮮明度の高い擬似指針が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による指針計器の第１実施例を示す概略
断面図、第２図はその第２回転軸の斜視図、第３図はレ
ーザ発振器の駆動回路の一実施例を示す回路図、第４図
は本発明の第２実施例を示す概略断面図、第５図はその
キャップの斜視図、第６図は第４図に示した実施例の変
形例を示す概略断面図である。 10……ムーブメント、11……計器ケース 12……はす歯歯車、13……駆動軸 14……回転軸、15……文字板 16……はす歯歯車、17……透孔 18……レーザ発振器 20……キャップ、21……反射鏡 23……レーザ出射口、24……イグニッションスイッチ 27……コリメータレンズ 30……ムーブメント、31……回転軸 32……第１反射鏡、33……マイクロレンズ 34……キャップ、35……第２反射鏡 36……出射口、37……目盛表示部 38……目盛、39……文字 40……光ファイバー、41……コリメーティングレンズ 42……クリップ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 富田 清 埼玉県大宮市日進町２丁目1910番地 関東 精器株式会社内 (56)参考文献 特開 昭47−5146（ＪＰ，Ａ) 実開 昭50−75043（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭56−144310（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】被測定量に応じて直接又は間接的に回転す
   る回転軸を有するムーブメントと、上記回転軸の軸方向
   と直交する文字板本体部及び該文字板本体部の周縁から
   表面外方向へ斜めに起立される目盛表示部を有する文字
   板と、前記回転軸と平行する軸線上に、導光路及びこの
   導光路で導光された光を受けて前記目盛表示部へビーム
   光として直接照射させる反射鏡を具備してなることを特
   徴とする指示計器。